JP2013224363A - 窯業建材用クリヤー塗料組成物 - Google Patents

窯業建材用クリヤー塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた耐候性を有するクリヤー塗膜を形成することができる窯業建材用クリヤー塗料組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)着色マイカ、および(B)バインダー樹脂を含む窯業建材用クリヤー塗料組成物であって、着色マイカ(A)は、平均粒子径が0.3〜2.0mmであるマイカを無機処理剤で処理し、次いで着色被覆用組成物により処理して着色被覆層が形成されたものであり、着色被覆用組成物は、シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含んでいる、窯業建材用クリヤー塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた耐候性を有する、着色マイカ含有窯業建材用クリヤー塗料組成物に関する。
住宅などの建造物の外壁などに用いられる建築材料には、住宅購入者および利用者の好みに応じた、多彩な色彩および意匠性が求められている。そして近年のユニット工法の発展に伴い、建材製造ラインにおける生産時において予め塗装され、そして塗装された建材が施工現場に移送されて組み立てられる、いわゆるプレハブ工法化が進んでいる。
このようなプレハブ工法で仕上げる場合において、住宅の外壁などには、窯業建材(窯業系サイディング)が広く用いられている。この窯業建材は、従来のモルタル壁などと比べて工期が短くそして地震被害が少ないこと、優れた耐火性を有すること、様々な住宅外壁意匠を提供できることなど、種々の利点を有している。この窯業建材(窯業系サイディング)は、一般に、セメント、ケイ酸質原料、繊維質原料、混和材料などを用いて板状に成型し、乾燥(養生・硬化)させることによって製造される、JIS A 5422に規定された建材である。このような窯業建材は、製造時において、その表面に、耐水性、耐透水性などを向上させることを目的としたシーラー層を設けた後、所望の意匠および着色などを付与すると共に、建材の耐候性および耐湿性などを向上させることを目的とした、ベースエナメル層およびクリヤー層が施される。
クリヤー層の形成において、建材用クリヤー塗料組成物に、種々の着色材料、光輝性顔料などを分散させる手法がある。着色材料、光輝性顔料などをクリヤー層中に存在させることによって、天然石に似た独特の色調または石目調などの意匠を有する建材を作成することができるという利点がある。
ところで、主として外壁として用いられる窯業建材の塗装においては、優れた耐候性を有する塗料組成物が必要とされる。形成されるクリヤー塗膜の耐候性を高める手段として、例えば、シリコーン(シロキサン)成分を含有させたシリコーン含有樹脂などを用いる手法などが検討されている。
しかしながら、シリコーン含有樹脂を含む建材用クリヤー塗料組成物中に、着色マイカなどの着色鱗片状顔料が含まれる場合は、得られたクリヤー塗膜が日光照射および風雨などの自然環境に長期間曝されることによって、クリヤー塗膜中に含まれる着色鱗片状顔料がチョーキングにより白化が発生する。さらに、クリヤー塗膜中で着色層と鱗片状顔料とが剥がれてしまい、着色層形成前の鱗片状顔料が表層に出ることで塗膜外観が初期と変化する不具合が生じることが判明した。
特開2004−149776号公報(特許文献1)には、鱗片状顔料などの骨材を着色して、クリヤー塗料に用いる着色骨材とするための骨材着色用組成物であって、カルボキシル基含有アクリル樹脂、多官能脂肪族系エポキシ化合物、および、着色顔料からなる骨材着色用組成物が記載されている(請求項1など)。しかしながらこの骨材着色用組成物においては、塗料製造時における着色層と鱗片状顔料の耐剥離性には優れるものの、長期の耐候性試験においては、塗膜中で着色層と鱗片状顔料が剥離し、上記塗膜外観が初期と変化してしまうという問題がある。
特開2004−149776号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、優れた耐候性を有する着色マイカ含有クリヤー塗膜を形成することができる着色マイカ含有窯業建材用クリヤー塗料組成物を提供することにある。
本発明は、(A)着色マイカ、および(B)バインダー樹脂を含む窯業建材用クリヤー塗料組成物であって、着色マイカ(A)は、平均粒子径が0.3〜2.0mmであるマイカを無機処理剤により処理し、次いで着色被覆用組成物により処理して着色被覆層が形成したものであり、着色被覆用組成物は、シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含んでいる、窯業建材用クリヤー塗料組成物、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)が、ポリオルガノシロキサンユニットを10〜60質量%有するポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)であることが好ましい。
また、上記無機処理剤は、シランカップリング剤を含むのが好ましい。
また、上記シランカップリング剤は、アミノ基含有シランカップリング剤であるのが好ましい。
また、上記ポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)が有するポリオルガノシロキサンユニットは、下記式(I)
Figure 2013224363
式(I)
[式(I)中、Rは、同一または異なる、炭素数1〜4のアルキル基であり、XはOH、ORまたはシロキサン結合であり、nは1〜60の整数である。]で示されるアルキル基含有シロキサンユニット(i)と、
Figure 2013224363
式(II)
[式(II)中、Phはフェニル基であり、YはOH、ORまたはシロキサン結合であり、mは1〜20の整数である。]で示されるフェニル基含有シロキサンユニット(ii)との合計含有量が、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対して20〜100質量%であることが好ましい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、着色マイカ(A)およびバインダー樹脂(B)を含み、かつ、上記着色マイカ(A)は、無機処理剤で処理した所定の平均粒子径を有するマイカを、シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含む着色被覆用組成物で処理して着色被覆層を形成したものである。上記着色マイカ(A)の調製において、マイカを無機処理剤で処理した後に、上記着色被覆用組成物で処理して着色被覆層を形成することによって、塗膜形成後における自然環境下におけるクリヤー塗膜の長期曝露で発生する着色マイカのチョーキングによる白化を防止することが可能となった。さらに、マイカと着色被覆層との密着性が向上するので、長期曝露で発生するマイカと着色被覆層との剥離を防止することが可能となり、経時による塗膜外観が初期と変化する不具合を抑えることが可能となった。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物を用いることによって、耐候性に優れた、独特の意匠を有するクリヤー塗膜を提供することができる。
窯業建材用クリヤー塗料組成物
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、
(A)着色マイカ、および
(B)バインダー樹脂、
を含む。ここで着色マイカ(A)は、平均粒子径が0.3〜2.0mmであるマイカを無機処理剤で処理した後に着色被覆用組成物により処理して着色被覆層が形成されたものであること、そして、この着色被覆層はシリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含む被覆層であること、を特徴とする。
着色マイカ(A)
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、着色マイカ(A)を含んでおり、上記着色マイカ(A)は、平均粒子径が0.3〜2.0mmであるマイカを無機処理剤で処理し、次いで、着色被覆用組成物で処理して着色被覆層を形成することによって得られたものである。
上記マイカは、雲母とも言われるケイ酸塩鉱物の1種である。上記マイカの平均粒子径が0.3mm未満である場合は、塗膜中における着色マイカ(A)の視認性が低下するため、着色マイカ(A)が発現する多彩模様の外観を得ることが困難となる。一方で、マイカの平均粒子径が2.0mmを超える場合は、クリヤー塗膜における透明性が低下し、また、得られる塗膜の平滑性が低下する。
本明細書において平均粒子径とは、ふるい分け試験により測定される粒径であって、試料の少なくとも50質量%が通過するふるいのうち、最も目の細かいふるいの目開きの寸法により規定される粒径を意味する。特に、本明細書において、平均粒子径に言及する場合、ロータップ式振動ふるい機およびJIS Z 8801などの規格により定められたふるいを用いて測定される粒径を意味する。
本発明における着色マイカ(A)は、まず上記マイカを無機処理剤で処理する。無機処理剤を用いてマイカを処理することによって、後の工程にて形成する着色被覆層中に含まれるシリコーン含有アクリル樹脂(a)との密着性が向上し、これにより長期耐候性が良好となる。上記無機処理剤とは、無機成分を含む処理剤を意味する。ここで無機成分とは、無機元素を含む成分を意味し、例えば、シロキサン基、チタネート基、アルミネート基などの基が挙げられる。上記無機処理剤の例として、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤などのカップリング剤が挙げられる。
その中でも、シランカップリング剤を含むのが好ましい。シランカップリング剤を含む無機処理剤を用いることによって、上記マイカと、後の工程にて形成する着色被覆層との密着性がより向上するという利点がある。
シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニル基含有シランカップリング剤;
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;
p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル基含有シランカップリング剤;
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのアミノ基含有シランカップリング剤;
3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド基含有シランカップリング剤;
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤;
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド基含有シランカップリング剤;
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤;
などが挙げられる。
上記シランカップリング剤の中でも、アミノ基含有シランカップリング剤を用いるのが特に好ましい。アミノ基含有シランカップリング剤は、上記マイカと、後の工程にて形成する着色被覆層との密着性が特に良好であり、塗料製造時の攪拌、混合による上記マイカと着色被覆層との剥離を防止することができるという利点がある。さらに、得られる塗膜中においても、長期暴露によって発生するマイカと着色被覆層との剥離を防止し、経時によって塗膜外観が初期と変化する不具合を抑制できるという利点がある。
上記マイカを無機処理剤によって処理する際に用いる無機処理剤の量は、マイカ100質量部に対して、例えば0.3〜10質量部の範囲で用いるのが好ましい。無機処理剤の量が0.3質量部未満である場合は、マイカと着色被覆層との剥離を十分に防止できないおそれがある。また無機処理剤の量が10質量部を超える場合は、使用量に見合った効果が得られないおそれがある。
上記無機処理剤を用いたマイカの処理方法としては特に限定されないが、マイカを攪拌混合機に仕込み、攪拌しながら無機処理剤をそのまま、又は溶剤で希釈したものを3分〜3時間かけてその攪拌混合機に添加し、必要に応じて加熱しながら混合する方法が挙げられる。加熱温度として、例えば50〜200℃が挙げられる。
次に、上記無機処理剤を用いて処理されたマイカに、着色被覆用組成物で着色被覆層を形成する。ここで、上記着色被覆用組成物は、シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含んでいる。着色被覆用組成物に、上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)が含まれることによって、得られる着色被覆層の耐候性が向上するという利点があり、着色マイカ(A)の白化を防止することができる。また上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)は、上記無機処理剤との密着性が良好であるため、得られる塗膜中におけるマイカと着色被覆層の剥離によって塗膜外観が初期と変化する不具合を抑制することができる。
上記着色被覆用組成物に含まれるシリコーン含有アクリル樹脂(a)は、アクリル構成部およびシリコーン構成部を有する樹脂である。シリコーン含有アクリル樹脂(a)は、シリコーン構成部分を有していることから、優れた耐候性を発揮するという利点がある。
シリコーン含有アクリル樹脂(a)は、樹脂100質量部に対して、シリコーン構成成分を0.1〜60質量%有するのが好ましい。シリコーン構成部の量が0.1質量%未満である場合は、着色マイカ(A)が白化するおそれがある。またシリコーン構成部の量が60質量%を超える場合は、着色マイカ(A)の着色被覆層にクラックが発生するおそれがある。
シリコーン含有アクリル樹脂(a)は、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン基含有(メタ)アクリル系単量体、およびその他の(メタ)アクリル系単量体を含む単量体混合物を重合することによって調製することができる。
その他の(メタ)アクリル系単量体として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのシクロアルキル基含有重合性単量体;マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチルなどのエチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物などのヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系単量体;などを挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。なお本明細書中において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)として、ポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)を用いるのが好ましい。ポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)は、樹脂100質量部に対して、ポリオルガノシロキサンユニットを10〜60質量%有するのが好ましい。ポリオルガノシロキサンユニットの量が10質量%未満である場合は、長期暴露で着色マイカ(A)が白化するおそれがある。またポリオルガノシロキサンユニットの量が60質量%を超える場合は、得られる着色被覆層にクラックが発生するおそれがある。
ポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)は、例えば、シラン基含有(メタ)アクリル系単量体および他の(メタ)アクリル系単量体を含む単量体混合物および/またはシラン基含有(メタ)アクリル系単量体を共重合したアクリル樹脂と、オルガノシランおよび/またはポリオルガノシロキサンなどのポリオルガノシロキサンユニットを構成する成分とを用いて、調製することができる。
ポリオルガノシロキサンユニットは、下記一般式(III)で表される。
(R4−n−Si−(X) 式(III)
[式中、Rは、同一または異なる、炭素数1〜8の1価の有機基を示す。XはOH、ORまたはシロキサン結合を示し、Rは、同一または異なる、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは2〜4である。]
ここで式(I)における「シロキサン結合」とは、Si−OR基および/またはSi−OH基が加水分解および/または脱アルコール分解して生成した、Si−O−Si結合を意味する
上記式(III)において、Rの炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるRの炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。式(III)中に、Rが2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
また、Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。式(III)中に複数個存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
上記ポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)は、ポリオルガノシロキサンユニットを有するものであるのが好ましい。ここで、オルガノシロキサンユニットは、下記式(I)
Figure 2013224363
式(I)
[式(I)中、Rは、同一または異なる、炭素数1〜4のアルキル基であり、XはOH、ORまたはシロキサン結合であり、nは1〜60の整数である。]
で示されるアルキル基含有シロキサンユニット(i)と、
Figure 2013224363
式(II)
[式(II)中、Phはフェニル基であり、YはOH、ORまたはシロキサン結合であり、mは1〜20の整数である。]
で示されるフェニル基含有シロキサンユニット(ii)との合計含有量が、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対して20〜100質量%であることが好ましい。20質量%未満である場合は、マイカと着色被覆層との密着性を向上させることができないおそれがある。
ここで式(I)における「シロキサン結合」とは、Si−OR基および/またはSi−OH基が加水分解および/または脱アルコール分解して生成した、Si−O−Si結合を意味する。
上記アルキル基含有シロキサンユニット(i)は、上述のポリオルガオノシロキサンに該当する。上記アルキル基含有シロキサンユニット(i)は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシランなどのオルガノシランの加水分解・縮合物を用いることによって、アクリル樹脂中に導入することができる。アルキル基含有シロキサンユニット(i)を上記範囲で含むことによって、マイカと着色被覆層との密着性が向上するなどの利点がある。上記オルガノシランの加水分解・縮合物の市販品としては、例えば、AY−42−163(東レ・ダウコーニング社製)等を挙げることができる。アルキル基含有シロキサンユニット(i)の含有量は、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対して10〜80質量%であることがより好ましく、10〜60質量%であるのがさらに好ましい。
上記フェニル基含有シロキサンユニット(ii)は、フェニル基を有するオルガノシランを用いることによって、アクリル樹脂中に導入することができる。フェニル基を有するオルガノシランとして、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、又はこれらの加水分解物・縮合物などが挙げられる。アクリル樹脂を構成するオルガノシロキサンユニットに、フェニル基含有シロキサンユニット(ii)が上記範囲で含まれることによって、屋外環境下における長期耐候性が向上するという利点がある。フェニル基含有シロキサンユニット(ii)の量が20質量%未満である場合は、良好な長期耐候性が得られないおそれがある。またフェニル基含有シロキサンユニット(ii)の量が90質量%を超える場合は、疎水性が強くなり過ぎて、かえってマイカと着色被覆層との密着性が劣るおそれがある。フェニル基含有シロキサンユニット(ii)の含有量は、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対して20〜90質量%であることがより好ましく、40〜90質量%であるのがさらに好ましい。
さらに、ポリオルガノシロキサンユニットを構成する成分として、その他のオルガノシラン化合物、またはその加水分解物・縮合物を用いることができる。その他のオルガノシラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジアルキル基含有オルガノシラン;ジフェニルメトキシシラン、ジフェニルエトキシシランなどのジフェニル基含有オルガノシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラヘキシルオキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのテトラアルコキシラン;などのオルガノシラン化合物、またはその加水分解物・縮合物が挙げられる。
上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)の製造方法の一例として、上記アクリル系単量体を含む単量体混合物とオルガノシランおよび/またはポリオルガノシロキサンを乳化重合、ミニエマルション重合または溶液重合により反応させる方法、上記アクリル系単量体を含む単量体混合物を溶液重合により重合して得られたアクリル樹脂と、オルガノシランおよび/またはポリオルガノシロキサンとを、乳化重合、ミニエマルション重合または溶液重合により反応させる方法、上記溶液重合により得られたものを塩基性化合物を加えて中和し水性化するなどの方法で調製する方法などが挙げられる。上記製法の中でも、上記アクリル系単量体を含む単量体混合物とオルガノシランおよび/またはポリオルガノシロキサンを乳化重合またはミニエマルション重合により反応させる方法が、製造工数と環境面から好ましい。
これらの製造方法における具体的な反応条件などは、当業者に公知の方法を適宜用いることができる。
上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)の形態がエマルションである場合、固形分酸価が5〜60mgKOH/gであることが好ましい。シリコーン含有アクリル樹脂(a)の酸価が5mgKOH/g未満である場合は、水分散性に劣るおそれがある。一方、シリコーン含有アクリル樹脂(a)の酸価が60mgKOH/gを超える場合は、耐水性が劣るおそれがある。シリコーン含有アクリル樹脂(a)の固形分酸価は10〜30mgKOH/gであるのがより好ましい。
本明細書において、酸価は固形分酸価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
上記着色被覆用組成物に含まれる着色顔料として、塗料の分野において通常用いられる一般的な着色顔料を特に制限なく用いることができる。着色顔料として、例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料などの有機系着色顔料;黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなどの無機系着色顔料などを挙げることができる。これらのうち、2以上の成分を併用して使用するものであってもよい。
上記着色被覆用組成物に含まれるシリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料の量は、シリコーン含有アクリル樹脂(a)100質量部に対して、着色顔料が5〜40質量部の範囲であるのが好ましい。
本発明において用いられる着色被覆用組成物は、上記シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料に加えて、必要に応じた添加剤などを含んでもよい。添加剤としては特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸などの増粘剤、ブチルセロソルブ、テキサノールなどの造膜助剤、消泡剤などの添加剤などを挙げることができる。
無機処理剤によって処理されたマイカに対して、上記着色被覆用組成物を用いて処理し着色被覆層を形成することによって、着色マイカ(A)が得られる。上記着色被覆用組成物を用いた処理方法として、当業者において一般的に用いられる方法を用いることができる。上記の塗膜の形成の方法は特に限定されず、例えば、スプレーガンによる噴射、無機処理剤によって処理されたマイカを着色被覆用組成物に浸漬、更にマイカを攪拌混合機に仕込み、攪拌しながら着色被覆用組成物を徐々にその攪拌混合機に添加する方法などを挙げることができる。無機処理剤によって処理されたマイカと、上記着色被覆用組成物との配合比率は、十分に被覆できる量であれば特に限定されない。
着色被覆用組成物を用いて処理した後、必要に応じて被覆しなかった着色被覆用組成物を濾別した後、乾燥操作を行ってもよい。乾燥操作として、例えば50〜200℃で30〜60分程度の乾燥させる工程などが挙げられる。
このようにして形成される着色被覆層の膜厚は、例えば3〜50μmである。上記着色被覆層の層厚が3μm未満である場合は、良好な長期耐候性が得られないおそれがある。一方で、着色被覆層の層厚が50μmを超える場合は、マイカと着色被覆層とが剥離し、長期暴露によって塗膜外観が初期と変化する不具合が生じるおそれがある。
上記によって得られる着色マイカ(A)は、白化などの不具合がなく、優れた耐候性を有することに加えて、優れた機械的安定性を有するという特徴もある。そのため、着色マイカ(A)を含む塗料組成物を調製する際において、撹拌などの機械的操作によって着色マイカが破損または破砕することなく、所望の大きさおよび意匠性能を維持した状態でクリヤー塗料組成物中に含めることができるという利点もある。
バインダー樹脂(B)
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物に含まれるバインダー樹脂(B)は、クリヤー塗料組成物において塗膜形成性樹脂として機能する成分である。バインダー樹脂(B)は特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン含有アクリル樹脂などを用いることができる。窯業建材用クリヤー塗料組成物によって得られるクリヤー塗膜は、主として屋外で用いられ、高い耐候性が必要である。この点を考慮すると、バインダー樹脂(B)は、アクリル樹脂またはシリコーン含有アクリル樹脂を含むのが好ましく、シリコーン含有アクリル樹脂であるのがより好ましい。
なお、バインダー樹脂(B)として好適に用いることができるシリコーン含有アクリル樹脂と、着色マイカ(A)を形成するために用いた着色被覆用組成物に含まれるシリコーン含有アクリル樹脂(a)とは、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、着色マイカ(A)およびバインダー樹脂(B)を含む。窯業建材用クリヤー塗料組成物中に含まれる着色マイカ(A)の量は、塗料組成物の固形分100質量部に対して1〜40質量部の範囲であるのが好ましく、1〜35質量部の範囲であるのがより好ましい。窯業建材用クリヤー塗料組成物に含まれるバインダー樹脂(B)の量は、塗料組成物の固形分100質量部に対して30〜80質量部の範囲であるのが好ましく、50〜80質量部の範囲であるのがより好ましい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物の形態は特に限定されず、例えば、溶剤系、水性系が挙げられるが、好ましくは、環境の面から水性系であることが好ましい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、一般的に用いられる骨材を含んでもよい。このような骨材として、例えば、ホタル石、石灰石、砂岩、玄武岩、火山石、軽石、珪藻土、シリカ、珪砂、石英、陶磁器粉砕物、炭酸カルシウム粉砕物、雲母片、アルミナ、ガラス片、鉄片、ニッケル片、ステンレス片、着色樹脂ビーズおよびアルミニウム片などを挙げることができる。上記骨材は単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、さらに、ポリアクリル酸などの増粘剤、ブチルセロソルブ、テキサノールなどの造膜補助剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、および消泡剤など、その他の成分を含んでもよい。
窯業建材用クリヤー塗料組成物は、着色マイカ(A)、バインダー樹脂(B)そして必要に応じ、骨材およびその他の成分を、当業者において通常用いられる方法により混合することによって、調製することができる。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、窯業建材を被塗物とした塗装に用いられる。被塗物である窯業建材として、外壁仕上げ材として一般的に用いられる窯業建材(窯業系サイディング)が挙げられる。ここで窯業建材(窯業系サイディング)は、セメント、ケイ酸質原料、繊維質原料、混和材料などを用いて板状に成型し、乾燥(養生・硬化)させることによって製造される、JIS A 5422に規定された建材が挙げられる。
窯業建材は、密着性向上や防水性付与を目的とした下塗り塗料(シーラー)などを予め塗装するのが好ましい。また、窯業建材の裏面には、裏面用塗料組成物が塗装されてもよい。これらは、通常用いられる塗料組成物を、使用目的に応じて適宜選択することができる。
必要に応じて下塗り塗料が塗装された窯業建材は、次いで、エナメル塗料組成物が塗装される。エナメル塗料組成物として、一般的に用いられるエナメル塗料組成物を、特に限定されることなく用いることができる。エナメル塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーターなどの一般に用いられている塗装方法など用いることができる。エナメル塗料組成物は、乾燥膜厚として5〜350μmとなるように塗装することが好ましく、20〜300μmとなるように塗装するのがより好ましい。エナメル塗料組成物を塗装した後、必要に応じた乾燥処理を行うのが好ましい。
次いで、本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物が塗装される。窯業建材用クリヤー塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーターなどの一般に用いられている塗装方法など用いることができる。窯業建材用クリヤー塗料組成物は、クリヤー塗膜の乾燥膜厚として10〜50μmとなるように塗装することが好ましい。このクリヤー塗膜の乾燥膜厚は15〜40μmとなるのがより好ましい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物を塗装して得られたクリヤー塗膜は、例えば室温で7日間放置して乾燥させてもよいし、60〜150℃、好ましくは80℃〜130℃で、30秒〜10分間加熱することによって乾燥させるてもよい。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物は、着色マイカ(A)およびバインダー樹脂(B)を含み、かつ、上記着色マイカ(A)の調製において、無機処理剤で処理したマイカに、シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含む着色被覆用組成物で処理して着色被覆層を形成したことを特徴とする。上記着色マイカ(A)の調製において、無機処理剤で処理した後に、上記着色被覆用組成物で処理して着色被覆層を形成することによって、マイカと着色被覆層との密着性が向上する。そのため、得られるクリヤー塗膜において、長期暴露で発生する塗膜中でのマイカと着色被覆層との剥離を効果的に防止できる。
また、着色マイカ(A)の着色被覆層の形成において用いられる着色被覆用組成物に含まれるシリコーン含有アクリル樹脂(a)は、マイカの処理に用いられる無機処理剤に対して優れた密着性を有する特徴がある。これにより、得られるクリヤー塗膜において、長期暴露で発生する着色マイカのマイカと着色被覆層との剥離による塗膜外観が初期と変化する不具合を抑制することができる。
本発明のクリヤー塗料組成物によって得られるクリヤー塗膜は、窯業建材に独特の意匠を提供しつつ、かつ、極めて優れた耐候性をも達成されていることを特徴とする。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1 シリコーン含有アクリル樹脂1の製造
メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、メタクリル酸シクロヘキシル130部、アクリル酸6部、アクリル酸n−ブチル158部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2部、AY−42−163(商品名、トリメトキシシランの縮合体、縮合度50、東レ・ダウコーニング社製)39部、フェニルトリメトキシシラン39部を均一混合したのち、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸2部、水358部を混合して、H−20(商品名、高圧ホモゲナイザー、三和エンジニアリング社製)にて100MPaで処理し、乳化混合物を得た。攪拌機、還流冷却器、滴下槽、および温度計を取り付けた反応容器に水120部を投入し、反応容器中の温度を70℃に上げてから、この乳化混合物と、1%過硫酸アンモニウム水溶液120部を滴下槽より3時間かけて流入させた。流入中は反応容器の温度を70℃に保った。流入が終了してから同温度を30分保ち、25%アンモニア水溶液でpHを8.5に調整した。その後反応容器の温度を80℃に昇温し、300分同温度を保ったのち、100メッシュの金網でろ過し、固形分濃度38質量%、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対してアルキル基含有シロキサンユニット50質量%、フェニル基含有シロキサンユニット50質量%のシリコーン含有アクリル樹脂1を得た。
製造例2 シリコーン含有アクリル樹脂2の製造
メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル8部、メタクリル酸シクロヘキシル81部、アクリル酸4部、アクリル酸n−ブチル99部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部、AY−42−163を98部、フェニルトリメトキシシラン98部を均一混合したのち、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸2部、水358部を混合して、H−20にて100MPaで処理し、乳化混合物を得た。その後、製造例1と同様にして、固形分濃度38質量%、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対してアルキル基含有シロキサンユニット50質量%、フェニル基含有シロキサンユニット50質量%のシリコーン含有アクリル樹脂2を得た。
製造例3 シリコーン含有アクリル樹脂3の製造
メタクリル酸メチル14部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル9部、メタクリル酸シクロヘキシル114部、アクリル酸5部、アクリル酸n−ブチル138部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3部、AY−42−163を15部、フェニルトリメトキシシラン102部を均一混合したのち、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸2部、水358部を混合して、H−20にて100MPaで処理し、乳化混合物を得た。その後、製造例1と同様にして、固形分濃度38質量%、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対してアルキル基含有シロキサンユニット13質量%、フェニル基含有シロキサンユニット87質量%のシリコーン含有アクリル樹脂3を得た。
製造例4 着色被覆用組成物1の製造
製造例1で得たシリコーン含有アクリル樹脂1を100質量部、ブチルセロソルブ3質量部、水道水20質量部、テキサノール3質量部、LS292(商品名、光安定剤、三共社製)2質量部、ポリアクリル酸型増粘剤3質量部、カーボンブラック10質量部をディスパーで攪拌し、着色被覆用組成物1を得た。
製造例5 着色被覆用組成物2の製造
製造例1で得たシリコーン含有アクリル樹脂1を、製造例2で得たシリコーン含有アクリル樹脂2に代えた以外は、製造例4と同様にして着色被覆用組成物2を得た。
製造例6 着色被覆用組成物3の製造
製造例1で得たシリコーン含有アクリル樹脂1を、製造例3で得たシリコーン含有アクリル樹脂3に代えた以外は、製造例4と同様にして着色被覆用組成物3を得た。
製造例7 着色被覆用組成物4の製造
製造例1で得たシリコーン含有アクリル樹脂1を、EK−68B(商品名、カルボン酸含有アクリル樹脂、サイデン化学社製)70質量部とEX−614B (商品名、エポキシ基含有樹脂、ナガセケムテックス社製)30質量部に代えた以外は、製造例4と同様にして着色被覆用組成物4を得た。
製造例8 着色マイカ1の製造
無機処理剤を用いた処理
平均粒子径1.5mmのマイカを500質量部、攪拌混合機(ワーリングブレンダー)内に仕込み、攪拌羽根の周速を50m/sで攪拌しながら、無機処理剤としてKBM602(商品名、アミノシランカップリング剤、信越化学工業社製)2.5質量部を1分間かけて徐々にその攪拌混合機内に添加し10分間攪拌した。その後130℃で10時間加熱して、無機処理剤で処理したマイカを得た。
着色被覆層の形成
上記攪拌混合機中で無機処理剤で処理されたマイカを、周速50m/sで5分間攪拌した後、そのまま攪拌しながら、製造例4で得られた着色被覆用組成物1を500質量部加えて10分間攪拌して無機処理剤で処理されたマイカ上に着色被覆層を形成した。その後、攪拌混合機から取り出し、残存する着色被覆用組成物を濾別し、130℃雰囲気の乾燥炉内で30分乾燥を行った。さらに、乾燥して得られた着色被覆層を形成したマイカを攪拌混合機内に戻し、製造例4で得られた着色被覆用組成物1を500質量部加えて、再度上記と同様の操作で着色被覆用組成物1により着色被覆層を形成し、濾別、乾燥を行うことで着色マイカ1を得た。
製造例9〜15 着色マイカ2〜8の製造
製造例8に代えて、表1、2に記載した処理剤、着色被覆用組成物を用いて着色マイカ2〜8を製造した。表中に用いた処理剤は以下の通り。
アミノシランカップリング剤・・KBM602(商品名、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業社製)
エポキシシランカップリング剤・・KBM402(商品名、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業社製)
チタネートカップリング剤・・KR44(商品名、味の素ファインテクノ社製)
アクリル樹脂・・AD187(商品名、ヘンケルテクノロジージャパン社製)
Figure 2013224363
Figure 2013224363
実施例1 着色マイカ含有クリヤー塗料組成物1の製造
バインダー樹脂として、製造例1で調整したシリコーン含有アクリル樹脂1を60質量部に水20質量部、製造例8で調整した着色マイカ1を10質量部加えてディスパーで5分間攪拌し、着色マイカを含有したクリヤー塗料組成物1を調整した。
実施例2〜5、比較例1〜3 着色マイカ含有クリヤー塗料組成物2〜8の製造
着色マイカ1に代えて、着色マイカ2〜8にした以外は、実施例1と同様の方法で着色マイカを含有したクリヤー塗料組成物2〜8を調整した。
着色マイカの評価
着色マイカについて、クリヤー塗料組成物中での機械的安定性および塗膜にしたときの耐候性について以下のように試験を行った。結果は表3、表4に示す。
評価1 機械的安定性
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた着色マイカを含有したクリヤー塗料組成物1〜8を300g秤取り、直径4cmの突起つきはねを装着したTKホモディスパー(商品名、ディスパー、PRIMIX社製)にて室温で2,000rpmで1時間攪拌した。
攪拌前後の塗料をそれぞれ15ミルドクターブレードで白色のアート紙に塗布し、熱風炉で100℃にて10分間乾燥して塗膜を得た。各塗膜をミノルタ社製色差計CR−310で測定し、攪拌前の塗料から得られた塗膜と攪拌後の塗料から得られた塗膜の色差(△E)を求めた。色差が小さいほど、クリヤー塗料組成物中における着色マイカの機械的安定性が良い。着色マイカの機械安定性を、以下の基準に基づき評価した。
◎:△E<3.0
○:3.0≦△E<5.0
△:5.0≦△E<8.0
×:△E≧8.0
評価2 耐候性試験
試験板の作成
HS(商品名、建築塗装用スプレーガン、明治機械製作所社製)を用い、7cm×15cmのスレート板に下塗り塗料として水性カチオンシーラー(商品名、色相:無色透明、日本ペイント社製)を用いて下塗り塗膜を形成した。下塗り塗膜を室温で4時間乾燥させ、エナメル塗料組成物として水性シリコンセラUV(商品名、色相:ブラウン、日本ペイント社製)を用いてエナメル塗膜を形成した。エナメル塗膜を室温で4時間乾燥させた後、実施例1〜5、および比較例1〜3の着色マイカ含有クリヤー塗料組成物を180g/m塗布し、室温で7日間乾燥させて試験板とした。以下の手法、基準に基づいて、耐候性を評価した。
試験条件
耐候性試験は、アイスーパーUVテスター(商品名、耐候性試験機、岩崎電気社製)を用い、照射光量100mmW/cmで、運転条件を温度50℃、湿度98%として、照射時間1200時間とした。上記条件にて後、着色マイカの白化及び表面剥離について目視で確認を行った。評価基準は以下に示す通りである。なお、いずれの試験も◎および○を合格とした。

1.着色マイカの白化
◎:色の変化が確認されない
○:やや白化傾向が確認される
△:白化が確認される
×:明らかな白化が確認される

2.着色マイカの表面剥離
◎:マイカと着色被覆層との剥離は確認されない
○:マイカと着色被覆層との剥離が一部確認され、剥離した着色マイカ数は全体の5%未満
△:マイカと着色被覆層との剥離が確認され、剥離した着色マイカ数は全体の5%以上30%未満
×:マイカと着色被覆層との剥離が確認され、剥離した着色マイカ数は全体の30%以上
Figure 2013224363
Figure 2013224363
表3に示されるように、実施例のクリヤー塗料組成物はいずれも、耐候性に優れたクリヤー塗膜が得られたことが分かる。
比較例1は、着色マイカの調製に用いた着色被覆用組成物にシリコーン含有アクリル樹脂(a)が含まれない例である。この例では、耐候性試験を行った結果、着色マイカにおいて白化が確認され、さらに、着色マイカのマイカと着色被覆層との剥離によって塗膜外観が初期と変化する不具合が生じたことが確認された。
比較例2は、着色マイカの調製において無機処理剤の代わりにアクリル樹脂が用いられた例である。この例では、耐候性試験後において、着色マイカのマイカと着色被覆層との剥離が発生し、塗膜外観が初期と変化する不具合が確認された。
比較例3は、着色マイカの調製において無機処理剤が用いられていない例である。この例では、耐候性試験後において、着色マイカのマイカと着色被覆層との著しい剥離が確認された。
本発明の窯業建材用クリヤー塗料組成物を用いることによって、耐候性に優れ、かつ独特の意匠を有するクリヤー塗膜を提供することができる。

Claims (5)

  1. (A)着色マイカ、および
    (B)バインダー樹脂、
    を含む窯業建材用クリヤー塗料組成物であって、
    該着色マイカ(A)は、平均粒子径が0.3〜2.0mmであるマイカを無機処理剤により処理し、次いで着色被覆用組成物により処理して着色被覆層が形成されたものであり、
    該着色被覆用組成物は、シリコーン含有アクリル樹脂(a)および着色顔料を含んでいる、
    窯業建材用クリヤー塗料組成物。
  2. 前記シリコーン含有アクリル樹脂(a)が、ポリオルガノシロキサンユニットを10〜60質量%有するポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)である、請求項1に記載の窯業建材用クリヤー塗料組成物。
  3. 前記無機処理剤は、シランカップリング剤を含む、請求項1または2に記載の窯業建材用クリヤー塗料組成物。
  4. 前記シランカップリング剤は、アミノ基含有シランカップリング剤である、請求項3に記載の窯業建材用クリヤー塗料組成物。
  5. 前記ポリオルガノシロキサン含有アクリル樹脂(a1)が有するポリオルガノシロキサンユニットは、下記式(I)
    Figure 2013224363
    式(I)
    [式(I)中、Rは、同一または異なる、炭素数1〜4のアルキル基であり、XはOH、ORまたはシロキサン結合であり、nは1〜60の整数である。]
    で示されるアルキル基含有シロキサンユニット(i)と、
    下記式(II)
    Figure 2013224363
    式(II)
    [式(II)中、Phはフェニル基であり、YはOH、ORまたはシロキサン結合であり、mは1〜20の整数である。]
    で示されるフェニル基含有シロキサンユニット(ii)との合計含有量が、ポリオルガノシロキサンユニット100質量部に対して20〜100質量%である、
    請求項2〜4のいずれかに記載の窯業建材用クリヤー塗料組成物。
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