JP2004217897A - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】漆喰が有する種々の問題点を解決するとともに、漆喰調の質感を表出することができる水性塗料組成物を提供する。
【解決手段】合成樹脂エマルション、水分散型撥水剤、及び無機質顔料を含有する水性塗料組成物において、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、水分散型撥水剤を固形分で1〜100重量部混合し、顔料容積濃度を30〜90%に設定するとともに、無機質顔料として、平均粒子径0.1〜1μm、白色度95以上の白色顔料、及び平均粒子径0.1〜200μm、白色度80以上95未満の体質顔料を使用し、白色顔料と体質顔料の体積比率を1:5〜1:50とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物の壁面や天井面等の表面化粧に適用可能な水性塗料組成物に関するものである。
建築物の壁面、天井面等においては、その表面の美観性を高めるために各種乾式建材が使用されている。このうち内装用の材料としては、壁紙・ビニールクロス等の材料が汎用的である。しかし、このような材料では、結露発生の問題、揮発性有機化合物に起因するシックハウス症候群の問題等がクローズアップされている。一方、外装用の材料としては、サイディングボード等の乾式建材がよく使用されているが、その外観は人工的な印象を与える場合が少なくない。
これに対し、最近では漆喰等の塗材による仕上げが見直されている。漆喰は古来の伝統的な材料であり、表面美観性、呼吸性等において優れた特性を有している。漆喰を構成する成分は、主に土や砂等の天然無機質成分、消石灰等であり、これらを塗付時に水と混練して使用する。その塗膜では、消石灰が空気中の二酸化炭素を吸収することによって硬化が進行する。
ところが、漆喰は一度に厚塗りすると割れが発生しやすくなるため、複数回薄く塗り重ねる必要があり、工期が長期化するという欠点を有している。また、下地との密着性が低く、剥離等が発生するおそれもある。さらには、塗付後の強度発現に時間を要するため、硬化段階の降雨等に対する抵抗性が不十分で、耐水性に劣るという問題もある。
特開平4−68155号公報(特許文献1)、特開2002−317143号公報(特許文献2)では、割れ防止性、剥離防止性等を高めるため、消石灰等の粉末成分に合成樹脂エマルションを混合することが記載されている。
しかしながら、上記特許文献に記載の材料は、消石灰を主成分とするものであるため、硬化段階における耐水性の問題については依然として未解決のままである。
合成樹脂エマルション及び各種艶消し剤を主成分とする壁面用艶消し塗料(例えば特開平11−21514号公報等)では、耐水性等に優れた塗膜が形成可能であるが、その仕上塗膜は肉厚感に乏しく、漆喰調の外観を表出することは困難である。
特開平4−68155号公報 特開2002−317143号公報 特開平11−21514号公報
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、漆喰が有する種々の問題点を解決するとともに、漆喰調の質感を表出することができる水性塗料組成物を提供することを目的とするものである。
これらの課題を解決するため本発明者は鋭意検討を行い、合成樹脂エマルション、水分散型撥水剤、及び無機質顔料を必須成分とし、無機質顔料として、特定の物性を有するものを複数種併用することにより、消石灰を使用しなくても漆喰調の外観を表出することができ、耐水性、割れ防止性、剥離防止性等の塗膜物性にも優れる水性塗料組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.合成樹脂エマルション、水分散型撥水剤、及び無機質顔料を含有する水性塗料組成物であって、
合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、水分散型撥水剤を固形分で1〜100重量部含み、
顔料容積濃度が30〜90%であり、
無機質顔料として、平均粒子径0.1〜1μm、白色度95以上の白色顔料、及び平均粒子径0.1〜200μm、白色度80以上95未満の体質顔料を含み、白色顔料と体質顔料の体積比率が1:5〜1:50である
ことを特徴とする水性塗料組成物。
2.無機質顔料として、さらに平均粒子径0.1μm未満の光触媒を、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し0.1〜50重量部含むことを特徴とする1.記載の水性塗料組成物。
3.合成樹脂エマルションが、少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記コア部にエポキシ基、前記シェル部にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−30〜60℃である多層構造エマルションであり、
水分散型撥水剤が、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する水分散型撥水剤であることを特徴とする1.または2.に記載の水性塗料組成物。
4.建築物表面に対し、1.〜3.のいずれかに記載の水性塗料組成物を塗付した後、透明被膜が形成可能な上塗材を塗付する塗装方法。
5.上塗材が、反応性シリル基を有する化合物及び/または重合体を含有する上塗材である4.に記載の塗装方法
本発明によれば、漆喰が有する種々の問題点を解決するとともに、漆喰調の質感を表出することができる水性塗料組成物を得ることができる。
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明の水性塗料組成物は、(a)合成樹脂エマルション(以下「(a)成分」という)、(b)水分散型撥水剤(以下「(b)成分」という)、及び(c)無機質顔料(以下「(c)成分」という)を含有するものである。
このうち(a)成分は、本発明組成物のバインダーとして機能するものである。
具体的に(a)成分としては、例えば、酢酸ビニル樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アクリルシリコン樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
また、(a)成分は架橋反応性を有するものであってもよい。(a)成分が架橋反応型合成樹脂エマルションである場合は、塗膜の耐水性、剥離防止性等を高めることができる。架橋反応型合成樹脂エマルションは、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシル基どうし等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。
(a)成分の製造方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、フィード乳化重合、フィード分散重合、シード乳化重合、シード分散重合等を採用することができる。
(a)成分のガラス転移温度(以下「Tg」という)は通常−30〜60℃、好ましくは−10〜40℃に設定する。Tgが−30℃より低い場合は、塗膜表面に汚染物質が付着しやすくなる。Tgが60℃より高い場合は、塗膜に割れが発生しやすくなる。なお、本発明におけるTgは、(a)成分を構成するモノマーの種類とその構成比率から、Foxの計算式によって求められる値である。
(a)成分の平均粒子径は、通常0.05〜0.2μm程度である。
本発明における(a)成分としては、
(a−1)少なくともコア部及びシェル部の2層を含み、前記コア部にエポキシ基、前記シェル部にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−30〜60℃である多層構造エマルション(以下「(a−1)成分」という)が好適である。特に、(a−1)成分においては、コア部のガラス転移温度よりシェル部のガラス転移温度が高いことが望ましい。なお、ここで言うコア部とは、多層構造エマルションの内層部を意味し、最外層部以外の層である。シェル部とは、多層構造エマルションの最外層部を意味するものである。(a−1)成分は、複数のコア部とシェル部からなる多層構造を有するものであってもよい。
本発明組成物において、このような(a−1)成分を使用すれば、下地の変位に対する追従性を付与することができ、さらに塗膜の耐汚染性を高めることもできる。また、塗膜の水蒸気透過性能が向上するため、基材内部に滞留した水分を外部に放散させる効果が高まり、塗膜の膨れ・剥れ等の発生を十分に防止することもできる。したがって、漆喰調の外観を長期にわたり維持することが可能となる。
具体的に、(a−1)成分のコア部にエポキシ基を生成させるためには、コア部を構成するモノマーとしてエポキシ基含有モノマーを使用すればよい。エポキシ基含有モノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。このうち、特にグリシジル(メタ)アクリレートが好適である。
(a−1)成分のシェル部にカルボキシル基を生成させるためには、シェル部を構成するモノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを使用すればよい。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等、あるいはこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。
上述のエポキシ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
ビニルピリジン等のピリジン系モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
エポキシ基含有モノマーの使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とする。
カルボキシル基含有モノマーの使用量は、多層構造エマルションを構成する全モノマー量に対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%とする。
コア部とシェル部に用いるモノマーの重量比率は、通常10/90〜90/10である。
本発明組成物における(b)成分は水分散型撥水剤である。本発明では、このような(b)成分が含まれることにより、厚塗り塗装を行った場合の乾燥過程における湿気、降雨等の影響を抑制することができる。すなわち、塗膜硬化段階における耐水性を高めることができる。
(b)成分の形態は、水中に分散した形態であれば特に制限されず、界面活性剤を用いた強制乳化型エマルション、あるいは自己乳化型エマルションのいずれであってもよい。
(b)成分の混合比率は、(a)成分の固形分100重量部に対し、固形分換算で通常1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部である。(b)成分が1重量部より少ない場合は、塗膜硬化段階において湿気、降雨等の影響を受けやすくなる。(b)成分が100重量部より多い場合は、塗膜の耐汚染性が低下するおそれがある。また、相対的にバインダー比率が低下するため、塗膜に割れが発生するおそれもある。
(b)成分としては、(b−1)アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する水分散型撥水剤(以下「(b−1)成分」という)が好適である。このような(b−1)成分を使用すれば、塗膜形成後の耐水性を十分に高めることができる。さらに、基材内部への水の浸入を長期にわたり防止することもできる。特に、本発明では(a−1)成分と(b−1)成分を併用することが望ましい。
(b−1)成分は、通常下記式(1)、(2)で示される単位を有するものである。
Figure 2004217897
Figure 2004217897
(式中、Rは同一または異なって、アルキル基、アリール基、アラルキル基を示し、Rはアルキレン基、オキシアルキレン基を示す。Xはアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基を示す。m,nは1以上の整数である。)
このうち(b−1)成分の官能基としては、アミノ基が好適である。アミノ基としては、例えば−NH、−NHCH、−N(CH、−NH(CHNH、−NH(CHNHCH、−NH(CHN(CH等が挙げられる。
本発明組成物における(c)成分としては、
(c−1)平均粒子径0.1〜1μm、白色度95以上の白色顔料(以下「(c−1)成分」という)、及び
(c−2)平均粒子径0.1〜200μm、白色度80以上95未満の体質顔料(以下「(c−2)成分」という)を必須成分とし、その体積比率が、(c−1)成分:(c−2)成分=1:5〜1:50(好ましくは1:8〜1:30、より好ましくは1:10〜1:20)となるように混合して使用する。なお、本発明における白色度は、酸化マグネシウムの白色度を100、暗闇の状態を0とした場合の白色計(ケット式光電管白色度計)による比較値である。
本発明では、このような(c−1)成分と(c−2)成分を特定混合比率で併用することによって、漆喰調の質感を表出することができる。(c−1)成分が上記比率より多い場合は、肉厚感が得られ難く、漆喰調の質感を表出することができない。(c−1)成分が上記比率より少ない場合は、塗膜の隠ぺい率が低下し、全体的に透けたような仕上りとなってしまう。
(c−1)成分、(c−2)成分としては、上述の条件を満たす限り各種の無機質顔料を使用することができる。
このうち(c−1)成分としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、中空樹脂粒子等が挙げられる。このうち、本発明では酸化チタンが好適である。
(c−1)成分の白色度は95以上、好ましくは97以上である。(c−1)成分の平均粒子径は0.1〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmである。(c−1)成分の白色度が95より小さい場合は、塗膜の隠ぺい性が低下してしまう。(c−1)成分の平均粒子径が上記の範囲外である場合も、塗膜の隠ぺい性が低下してしまう。
(c−2)成分としては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、クレー、カオリン、陶土、チャイナクレー、珪藻土、シリカ、珪石粉、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム等が挙げられる。本発明では、これらの2種以上を組合わせて使用することが望ましく、特に、白色度が異なる2種以上の(c−2)成分を併用することが望ましい。これにより、漆喰調の質感を高めることができる。
(c−2)成分の白色度は80以上95未満、好ましくは85以上95未満である。(c−2)成分の平均粒子径は0.1〜200μm、好ましくは1〜150μm、より好ましくは10〜100μmである。(c−2)成分の白色度が80より小さい場合は、漆喰特有の白味が損われ、95より大きい場合は、肉厚感が得られにくくなる。また、(c−2)成分の平均粒子径が200μmより大きい場合は形成塗膜表面の平滑性が損われ、0.1μmより小さい場合は顔料容積濃度を高く設定し難くなり、いずれの場合においても漆喰調の質感を得ることが困難となる。
本発明における(c)成分は、形成塗膜における顔料容積濃度が30〜90%、好ましくは50〜80%、より好ましくは55〜75%となるように配合する。このような顔料容積濃度であれば、漆喰調の質感を表出することが可能となる。また、耐汚染性と割れ防止性のバランスに優れた塗膜を形成することができる。顔料容積濃度が30%より小さい場合は、肉厚感が得られ難く、また塗膜の耐汚染性が低下する傾向となる。顔料容積濃度が90%より大きい場合は、塗膜に割れが発生しやすくなる。
なお、本発明における顔料容積濃度は、乾燥塗膜中に含まれる(c)成分の容積百分率であり、下記式によって算出される値である。(b)成分は実質的に造膜性能を有さないため、顔料容積濃度算出の際には除外しておく。
<式> 顔料容積濃度(%)=[(c/cρ)/{(a/aρ)+(c/cρ)}]×100
(式中、aは(a)成分固形分の混合量、aρは(a)成分固形分の比重、cは(c)成分の混合量、cρは(c)成分の比重を示す。)
本発明では、(c)成分として(c−3)平均粒子径0.1μm未満の光触媒(以下「(c−3)成分」という)を含むことができる。本発明では、このような(c−3)成分を混合することにより、形成塗膜表面に種々の汚染物質(特に有機系汚染物質)が付着した場合に、それらを分解することが可能となり、耐汚染性をいっそう高めることができ、漆喰調の質感を維持することができる。(c−1)成分の混合によって、ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物の分解機能を付与することもできる。さらに、本発明では(b)成分が必須成分として含まれるため、(c−1)成分による(a)成分の劣化を抑制することもできる。
(c−1)成分を混合する場合、(a)成分としてアクリルシリコン樹脂エマルション、フッソ樹脂エマルション、重合性紫外線吸収剤及び/または重合性光安定剤が共重合された合成樹脂エマルションのいずれかを使用すれば、(a)成分の劣化抑制の点でより好適である。このうち、重合性紫外線吸収剤及び/または重合性光安定剤が共重合された合成樹脂エマルションにおいては、例えば2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の重合性紫外線吸収剤、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の重合性光安定剤が使用できる。
(c−3)成分の平均粒子径は通常0.1μm未満であるが、好ましくは0.001μm以上0.1μm未満、より好ましくは0.005μm以上0.05μm以下である。
(c−3)成分としては、例えばTiO、ZnO、Bi、BiVO、SrTiO、CdS、InP、InPb、GaP、GaAs、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、Ta、KTaSi、WO、SnO、NiO、CuO、SiC、MoS、RuO、CeO等の他、これらと金属、金属酸化物、多孔体、層状化合物等との複合体等が挙げられる。
(c−3)成分の混合量は、(a)成分の固形分100重量部に対し、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部とする。(c−3)成分が0.1重量部より少ない場合は、耐汚染性等の向上効果が期待できない。(c−3)成分が50重量部より多い場合は、(a)成分を劣化させるおそれがある。
本発明組成物においては、上述の成分の他に、通常塗料に使用可能な成分を含むこともできる。このような成分としては、例えば、有機質顔料、染料、骨材、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が使用可能である。
本発明の水性塗料組成物は、建築物内外壁や土木構築物等の基材表面に対して塗装することができる。適用可能な基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板、押出成形板、石膏ボード、合板、鋼板、プラスチック板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、既に壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
本発明組成物を塗装する際には、スプレー、ローラー、鏝、刷毛等の各種塗装器具を使用することができる。
塗装の際には、水を用いて希釈することも可能である。水の混合量は、塗装器具の種類、塗装下地の状態、塗装時の温度等を勘案して適宜設定すればよいが、通常は塗料100重量部に対し0〜10重量部程度である。
本発明組成物の塗付量は、通常0.5〜2kg/mである。また、本発明組成物を塗装した後の乾燥は通常、常温で行えばよいが、加熱することも可能である。乾燥時間は、通常、常温で0.5〜4時間程度である。
本発明の水性塗料組成物を塗付した後、透明被膜が形成可能な上塗材を塗付することもできる。この場合、上塗材として艶消し塗料乃至3分艶塗料を使用すれば、本発明組成物の質感を阻害せずに、塗膜の耐候性、耐水性、耐汚染性等を高めることができる。
特に、上塗材としては、反応性シリル基を有する化合物及び/または重合体を含有する上塗材が好適である。この上塗材は、下塗材塗膜に対して優れた密着性を示すとともに、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができるものである。また、適度な水蒸気透過性能を有するため、基材内部に滞留した水分を外部に放散させることもできる。
上塗材における反応性シリル基としては、珪素原子にアルコキシル基、フェノキシ基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン等が結合したものが挙げられる。このうち、珪素原子にアルコキシル基が結合したアルコキシシリル基が好適である。
本発明における上塗材としては、
(i)固形分中のシリコン成分量がSiO換算で0.1〜50重量%である重合体を含む合成樹脂エマルションを含有するもの、あるいは、
(ii)合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、アルコキシシラン化合物をSiO換算で0.1〜50重量部含有するもの
が好適である。
このうち(i)に示す上塗材は、バインダー成分として、
(p)固形分中のシリコン成分量がSiO換算で0.1〜50重量%である重合体を含む合成樹脂エマルション(以下「(p)成分」という)を含有するものである。この(p)成分は、(m)反応性シリル基含有化合物(以下「(m)成分」という)を必須成分として得られるものである。(p)成分において、(m)成分を導入する方法としては、特に限定されず各種の方法を採用することができるが、例えば、
(1)反応性シリル基含有ビニル系単量体を共重合する方法
(2)反応性シリル基含有ビニル系単量体、水酸基含有ビニル系単量体、カルボキシル基含有ビニル系単量体から選ばれる少なくとも1種以上の単量体を共重合した後に、シラン化合物を反応させる方法、
(3)樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するカップリング剤を反応させる方法、
(4)樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するカップリング剤を反応させた後に、シラン化合物を反応させる方法、
等が挙げられる。
(1)、(2)における反応性シリル基含有ビニル系単量体は、反応性シリル基と重合性二重結合を含有する化合物であり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルプロピルビニルエーテル等があげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
(2)における水酸基含有ビニル系単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。
(2)におけるカルボキシル基含有ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
(2)、(4)におけるシラン化合物としては、反応性シリル基を一分子中に2個以上有するものが用いられ、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能アルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン等の3官能アルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等の2官能アルコキシシラン類;テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロロシラン類;テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン等のアセトキシシラン類などがあげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、反応性シリル基を一分子中に1個有する化合物を併用することもできる。
(3)、(4)における官能基の組み合わせとしては、水酸基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、カルボキシル基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、アルコキシシリル基どうし等があげられる。カップリング剤は、例えば、一分子中に、少なくとも1個以上の反応性シリル基とそのほかの置換基を有する化合物であり、具体的には、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート官能性シランなどがあげられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
(p)成分の共重合モノマーとしては、特に限定されないが、各種アクリル系モノマー等を用いることができる。
(p)成分の重量平均分子量は30000以上、さらには50000以上であることが望ましい。分子量が30000以上であることにより、耐候性、硬度、耐汚染性、耐水性等を向上させることができる。また、(p)成分のTgは−10〜80℃であることが望ましい。Tgが−10℃より低い場合は汚染物質が付着しやすくなり、80℃より高い場合は塗膜に割れが生じやすくなる。
(p)成分におけるシリコン成分量は、(p)成分の固形分中にSiO換算で0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。シリコン成分量がこのような範囲であることにより、十分な硬度及び耐候性を有する被膜が形成される。(p)成分のシリコン成分が少なすぎる場合は、密着性が不十分となるおそれがある。また、汚染物質が付着しやすくなり、耐候性も低下してしまう。シリコン成分が多すぎる場合は、塗膜の割れを引き起こすおそれがある。
なお、SiO換算とは、Si−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケート等は、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノールどうしやシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は一般式、
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
という反応式で表されるが、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
工程(2)における上塗材(ii)は、
(q)合成樹脂エマルション(以下「(q)成分」という)の固形分100重量部に対し、(r)アルコキシシラン化合物(以下「(r)成分」という)をSiO換算で0.1〜50重量部含有するもの
である。
(q)成分としては、例えば、酢酸ビニル樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アクリルシリコン樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。上述の(p)成分を使用することもできる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(q)成分のTgは−10〜80℃であることが望ましい。Tgが−10℃より低い場合は汚染物質が付着しやすくなり、80℃より高い場合は塗膜に割れが生じやすくなる。
(r)成分としては、一分子中に少なくとも1個以上のアルコキシシリル基を有する化合物が使用できる。(r)成分は、単一のアルコキシシラン化合物、2種以上のアルコキシシラン化合物の混合物、1種以上のアルコキシシラン化合物の重縮合物、及びこれらの変性物等を適宜選択して使用することができる。(r)成分を構成する化合物としては、例えば、上述の(p)成分において説明したシラン化合物のうち、アルコキシシリル基を含有するもの等が使用可能である。
(r)成分の混合比率は、(q)成分の固形分100重量部に対して、SiO換算で0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部とする。0.1重量部未満では密着性や耐汚染性が不十分となるおそれがある。50重量部を超えると、塗膜に割れが生じやすくなる。
本発明における(r)成分としては、特に(r−1)繰り返し単位の炭素数が1〜4のポリオキシアルキレン基と、炭素数が1〜4のアルコキシル基を含有するアルコキシシランの縮合物(以下「(r−1)成分」という)が好適である。このような(r−1)成分は、合成樹脂エマルションとの相溶性が良好であり、耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。
(r−1)成分のアルコキシル基の炭素数は1〜4である。炭素数が4を超えると、耐汚染性が低下する傾向となる。
ポリオキシアルキレン基の平均分子量は、150〜2000であることが望ましい。平均分子量が150未満の場合は、(q)成分との相溶性が低下し、2000を超えると被膜の耐水性、強度等が低下する傾向となる。
また、(r−1)の平均縮合度は1〜20であることが望ましい。平均縮合度が20を超えると、取り扱いが不便になる。
(r−1)成分は、公知の方法により製造することが可能であるが、例えば、アルコキシシラン縮合物の1種または2種以上の混合物を、ポリオキシアルキレン基含有化合物1種または2種以上でエステル交換反応させる方法、カップリング剤を用いて付加反応させる方法等があげられる。
上述の(p)成分、(q)成分は、エポキシ基を含有するものが好適である。これにより、下塗材における(b−1)成分との相互作用により、より密着性を高めることができる。
上塗材においては、上述の成分の他に、通常塗料に使用可能な成分を本発明の効果を阻害しない範囲内で適宜混合することもできる。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、染料、骨材、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
上塗材を塗装する際には、スプレー、ローラー、刷毛等の各種塗装器具を使用することができる。
塗装の際には、水を用いて希釈することも可能である。上塗材の塗付量は、通常0.1〜0.5kg/m程度である。また、上塗材を塗装した後の乾燥は通常、常温で行えばよいが、加熱することも可能である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
[塗料の製造]
・配合例1
樹脂A200重量部に対し、撥水剤8重量部、白色顔料36重量部、体質顔料A74重量部、体質顔料B184重量部、体質顔料C110重量部、造膜助剤24重量部、分散剤10重量部、繊維22重量部、消泡剤4重量部を常法により混合・攪拌することによって塗料を製造した。
・配合例2〜7
表1に示す配合に従い、配合例1と同様にして塗料を製造した。
なお、原料としては下記のものを使用した。
・樹脂A:アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−メタクリル酸共重合体、固形分50重量%、Tg5℃)
・樹脂B:コアシェル型アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−グリシジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、固形分50重量%、トータルTg5℃、コアTg−20℃、シェルTg25℃)
・樹脂C:コアシェル型アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−グリシジルメタクリレート−メタクリル酸−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合体、固形分50重量%、トータルTg5℃、コアTg−20℃、シェルTg25℃)
・撥水剤:水分散型撥水剤(アミノ基含有ジメチルシロキサン化合物の乳化分散体、固形分50重量%)
・白色顔料:ルチル型酸化チタン(平均粒子径0.2μm、白色度97)
・体質顔料A:タルク(平均粒子径8μm、白色度93)
・体質顔料B:珪石粉(平均粒子径60μm、白色度90)
・体質顔料C:炭酸カルシウム(平均粒子径60μm、白色度89)
・体質顔料D:珪藻土(平均粒子径30μm、白色度88)
・光触媒:アナターゼ型酸化チタン(平均粒子径0.02μm)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・分散剤:ポリカルボン酸系分散剤(固形分30重量%)
・繊維:パルプ繊維(平均繊維長0.1mm)
・増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース3重量%水溶液
・消泡剤:鉱物油系消泡剤
Figure 2004217897
[試験例1]
得られた塗料について、以下の方法で仕上り性と耐水性を確認した。
・仕上り性
90×90cmのスレート板に対し、各塗料を塗付量1kg/mでスプレー塗装し、温度23℃・相対湿度50%雰囲気(以下、標準状態)で14日間養生した後、その質感と隠ぺい性を確認した。質感については、漆喰調の質感が得られたものを「○」として3段階で評価した。隠ぺい性については、下地を完全に隠ぺいしたものを「○」とし3段階で評価した。
・初期耐水性
各塗料を、0.5mmのフィルムアプリケータを用いてガラス板に塗付し、5℃雰囲気にて乾燥させ、水に浸漬したときに溶出しなくなるまでの時間を測定した。評価は、180分未満を「○」、180分以上240分未満を「△」、240分以上を「×」とした。
・耐水性
15×7cmのスレート板に対し、各塗料を塗付量1kg/mでスプレー塗装し、標準状態で14日間養生することにより試験体を作製した。得られた試験体を、23℃の水中に7日間浸漬した後、膨れ等の異常が発生していないか確認を行った。評価は、全く異常が認められないものを「◎」、ほとんど異常が認められなかったものを「○」、一部異常が認められたものを「△」、明らかに異常が認められたものを「×」とした。
試験結果を表2に示す。
配合例1〜3の塗料では、いずれの試験においても良好な結果を得ることができた。
これに対し、配合例4の塗料は、塗膜の仕上り性は良好であったが、耐水性に劣る結果となった。配合例5、配合例6及び配合例7の塗料では、仕上り性が悪く、耐水性も不十分な結果となった。
Figure 2004217897
[試験例2]
15×7cmのスレート板に対し、各塗料を塗付量1kg/mでスプレー塗装し、標準状態で14日間養生することにより試験体を作製した。通気孔を設けた容器内に試験体を入れ、タバコに火をつけて燃焼させた。次いで、通気孔を閉じて24時間放置した。その後、試験板を取り出し、試験板表面に紫外線ランプを24時間照射し、照射後の状態を目視により確認した。その結果、配合例3の塗料ではヤニの黄色が消失した。他の配合例ではヤニの黄色が残存した。
[試験例3]
アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート−2−エチルヘキシルアクリレート−グリシジルメタクリレート−アクリル酸共重合体、Tg25℃、固形分50重量%)200重量部に、ポリオキシエチレン基含有アルコキシシラン化合物(エチルシリケートとポリオキシエチレングリコールモノセチルエーテルとの反応物)をSiO換算で10重量部、ポリエチレン樹脂ビーズを10重量部均一に混合分散させることにより、上塗材Aを製造した。
90×90cmのスレート板に対し、配合例2の塗料を塗付量1kg/mでスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥後、上述の上塗材Aを塗付量0.2kg/mでスプレー塗装した。標準状態で14日間養生した後、その質感と隠ぺい性を確認した。また、塗装後のスレート板を15×7cmの大きさに切り出したものを耐水性試験に供し、膨れ等の異常が発生していないか確認を行った。その結果、質感及び隠ぺい性については「○」、耐水性については「◎」となった。
さらに、上記塗装後のスレート板を15×7cmの大きさに切り出したものの表面に、汚れ成分(カーボンブラック水分散液)を滴下し、標準状態で24時間放置後、流水によって洗浄した。その結果、汚れ成分は完全に除去された。

Claims (2)

  1. 合成樹脂エマルション、水分散型撥水剤、及び無機質顔料を含有する水性塗料組成物であって、
    合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、水分散型撥水剤を固形分で1〜100重量部含み、
    顔料容積濃度が30〜90%であり、
    無機質顔料として、平均粒子径0.1〜1μm、白色度95以上の白色顔料、及び平均粒子径0.1〜200μm、白色度80以上95未満の体質顔料を含み、白色顔料と体質顔料の体積比率が1:5〜1:50である
    ことを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 無機質顔料として、さらに平均粒子径0.1μm未満の光触媒を、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し0.1〜50重量部含むことを特徴とする請求項1記載の水性塗料組成物。
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