JP7128321B2 - 被膜形成方法 - Google Patents
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Description
1.無機質材料に対し、透明被膜を形成する方法であって、
上記無機質材料は、吸水率が20%以下であり、コンクリート、モルタル、押出し成形セメント板、またはALCであり(ただし、その表面に既に被膜が形成されたものを除く)、
上記無機質材料の表面に対し、
第1工程として、合成樹脂エマルションを含む被覆材(I)を塗付、乾燥し透明被膜を形成し、
上記被覆材(I)の合成樹脂エマルションは、当該合成樹脂を構成するモノマーとして、
ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上、溶解度パラメータが9.5以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)を含み、
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量は、上記合成樹脂エマルションの固形分中に、3~40重量%であり、
上記合成樹脂エマルションは、ガラス転移温度が15~60℃であり、かつ平均粒子径が120nm以下である
ことを特徴とする被膜形成方法。
2.上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)は、tert-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする1.に記載の被膜形成方法。
3.上記合成樹脂エマルションは、シリコン変性アクリル樹脂エマルションであることを特徴とする1.または2.に記載の被膜形成方法。
4.上記被覆材(I)の塗付、乾燥は、常温(0~40℃)で行うことを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の被膜形成方法。
5.上記無機質材料は、押出し成形セメント板であることを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の被膜形成方法。
6.第2工程として、透明被膜を形成する被覆材(II)を塗付することを特徴とする1.~5.のいずれかに記載の被膜形成方法。
6.上記被覆材(I)と上記被覆材(II)の少なくとも一方が、着色透明被膜を形成することを特徴とする6.に記載の被膜形成方法。
無機質材料は、建築物、土木構造物等の表面を構成する基材である。本発明の無機質材料は、吸水率が20%以下(好ましくは18%以下)であり、例えば、コンクリート、モルタル、押出成形セメント板、ALC等のセメント系基材が挙げられる。これら基材は、その表面に、既に被膜が形成されたもの等であってもよい。本発明では特に、押出成形セメント板に対して適用することが好ましい。このような押出成形セメント板は、通常、セメント、けい酸質原料及び繊維質原料を主原料として、板状に押出成形しオートクレーブ養生したパネルであり、緻密な表面形状を有するものである。なお、吸水率は、JIS A 5441「素材比重、含水率及び吸水率試験」に準じて測定された値である。
本発明の被膜形成方法は、無機質材料の表面に対し、第1工程として特定の被覆材(I)を塗付し透明被膜を形成する。本願発明における第1工程の被覆材(I)としては、透明性を有する被膜を形成するものであり、特定の合成樹脂エマルションを含むものを使用する。この被覆材(I)における合成樹脂エマルションは、当該合成樹脂を構成するモノマーとして、ホモポリマーのガラス転移温度(以下「Tg」ともいう。)が50℃以上(好ましくは60~120℃)、溶解度パラメータ(以下「sp値」ともいう。)が9.5以下(好ましくは6~9.5)である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)(以下「(A)成分」ともいう。)を含むものである。このような成分を含む被覆材(I)を塗付することにより、無機質材料との密着性において優れた性能を発揮し、無機質材料の吸水防止性、耐久性等を高めることができる。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルを合わせて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記する。
(1)モノマー成分として反応性シリル基含有モノマーを含む合成樹脂エマルション
(2)モノマー成分として反応性シリル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、及びカルボキシル基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種以上のモノマーを含む樹脂に、シラン化合物を付加させてなる合成樹脂エマルション、
(3)樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤とを反応させてなる合成樹脂エマルション、
(4)樹脂中の官能基と、該官能基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤とを反応させ、さらにシラン化合物を付加させてなる合成樹脂エマルション、等が挙げられる。
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系モノマー;
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸含有ビニルモノマー;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン等の塩素含有モノマー;
エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル等のアルキレングリコールモノアリルエーテル;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
エチレン、プロピレン、イソブチレン等を使用することができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。この他、エチレン性不飽和二重結合含有紫外線吸収剤、エチレン性不飽和二重結合含有光安定剤等を用いることもできる。
RO(Si(OR)2O)nR+(n+1)H2O→nSiO2+(2n+2)ROH
という反応式で表される。本発明では、この反応式をもとにシリコン成分量の換算を行っている。
被覆材(II)は、第2工程として透明被膜を形成するものを使用する。被覆材(II)は、合成樹脂を必須成分とするものである。合成樹脂は、特に限定されず、例えば、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。このような合成樹脂としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂(合成樹脂エマルション)、NAD型樹脂、溶剤可溶型樹脂、無溶剤樹脂型等が挙げられ、1液タイプ、2液タイプ等特に限定せず用いることができる。本発明では特に、水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂を含むものが好ましい。また、合成樹脂として上記被覆材(I)と同様のものを使用することもできる。
本発明の被膜形成方法では、表面保護性や機能性付与を目的として、上記被覆材(I)が塗付された基材、または上記被覆材(II)が塗付された基材に、さらに、最表面に透明被覆材(III)による被膜を形成することもできる。本発明では、被覆材(III)として、平均一次粒子径1~200nmのシリカ、及び樹脂成分を含むことが好ましい。
このような中性タイプの水分散性シリカゾルは、シリケート化合物を原料として製造することができる。シリケート化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec-ブトキシシラン、テトラt-ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等、あるいはこれらの縮合物等が挙げられる。この他、上記シリケート化合物以外のアルコキシシラン化合物や、アルコール類、グリコール類、グルコールエーテル類、フッ素アルコール、シランカップリング剤、ポリオキシアルキレン基含有化合物等を併せて使用することもできる。
[被覆材(I)]
・被覆材(I-A)
合成樹脂エマルションA[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径78nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-A)を得た。
合成樹脂エマルションB[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(t-ブチルメタクリレート・シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のt-ブチルメタクリレート含有量10重量%、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量10重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg38℃、平均粒子径75nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-B)を得た。
合成樹脂エマルションC[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg50℃、平均粒子径72nm)]100重量部、造膜助剤5重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-C)を得た。
合成樹脂エマルションD[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分中のシリコン成分量8重量%、固形分50重量%、Tg36℃、平均粒子径75nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-D)を得た。
合成樹脂エマルションE[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分中のシリコン成分量0.5重量%、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径82nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-E)を得た。
合成樹脂エマルションF[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量30重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg27℃、平均粒子径85nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-F)を得た。
合成樹脂エマルションG[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量6重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径78nm)]100重量部、造膜助剤3重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-G)を得た。
合成樹脂エマルションH[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg12℃、平均粒子径72nm)]100重量部、造膜助剤3重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-H)を得た。
合成樹脂エマルションI[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径130nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-I)を得た。
合成樹脂エマルションJ[アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート共重合体、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量20重量%、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径80nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-J)を得た。
合成樹脂エマルションK[シリコン変性アクリル樹脂エマルション(シクロヘキシルメタクリレート・メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート・γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体のメチルトリメトキシシラン付加物、固形分中のシクロヘキシルメタクリレート含有量4重量%、固形分中のシリコン成分量2重量%、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径75nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I-K)を得た。
合成樹脂エマルションL[アクリル樹脂エマルション(メチルメタクリレート・2-エチルヘキシルアクリレート共重合体、固形分50重量%、Tg32℃、平均粒子径80nm)]100重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を均一に混合し被覆材(I―L)を得た。
・被覆材(II-A)
合成樹脂エマルションC100重量部に対し、顔料(酸化チタン、黄色酸化鉄、べんがら、カーボンブラック)1.2重量部、造膜助剤4重量部、紫外線吸収剤0.2重量部、消泡剤0.1重量部、及び水10重量部を常法により混合・攪拌することによって被覆材(II-A)を製造した。
被覆材(I-A)~(I-L)、及び被覆材(II-A)をそれぞれ、被覆材(II-A)を、隠蔽率試験紙にフィルムアプリケータで塗付し、温度23℃・湿度50%環境下(以下「標準状態」という)で24時間乾燥させて得た試験片(乾燥膜厚50μm)について、色彩色差計「CR-300」(ミノルタ株式会社製)を用いて黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を測定し、これらより隠蔽率を算出した。その結果、被覆材(I-A)~(I-L)の隠蔽率はいずれも5%以下、被覆材(II-A)の隠蔽率34%であった。
無機質材料(押出し成形セメント板)に対し、第1工程として被覆材(I)を所要量100g/m 2で全面に刷毛塗りし、標準状態で24時間乾燥させ、側面養生した後さらに14日間乾燥させて試験体を作製し、以下の評価を行った。各試験体の形成被膜は、基材の質感を活かした仕上がりであった。なお、使用した被覆材(I)、無機質材料の吸水率、並びに結果は表1に示す。
試験体を垂直に固定し、その試験体に対しホースを用いて60分間連続的に散水を行い、その際の色変化を観察した。評価基準は、試験前後で色変化が認められなかったものを「◎」、色変化がほとんど認められなかったものを「○」、色変化が認められたものを「△」、著しい色変化が認められたものを「×」とした。
試験体について、水浸漬(20℃)18時間→-20℃3時間→50℃3時間を1サイクルとする温冷繰返しを合計10サイクル行った。その後、JIS K 5600-5-6に準じ、クロスカット法にて密着性を評価した。評価基準は、欠損部面積が5%以内のものを「◎」、欠損部面積が5%超20%以内のものを「○」、欠損部面積が20%超35%以内のものを「△」、欠損部面積が35%超のものを「×」とした。
実施例1と同様の方法で、第1工程として被覆材(I-A)を塗付後、第2工程として被覆材(II-A)を所要量100g/m 2で全面に刷毛塗りし、標準状態で24時間乾燥させ、側面養生した後さらに14日間乾燥させて試験体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果、すべての試験において「◎」の評価が得られた。また、得られた試験体は、基材の質感を活かした仕上がりであり、基材の色ムラも抑制されていた。
実施例14と同様の方法で、第1工程として被覆材(I-A)、第2工程として被覆材(II-A)を塗付後、第3工程として下記の被覆材(III)を全面に所要量3g/m 2(固形分)でスプレー塗装し、7日間養生させて試験体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果、すべての試験において「◎」の評価が得られた。また、得られた試験体は、基材の質感を活かした仕上がりであり、基材の色ムラの抑制、汚染防止性についても優れていた。
・被覆材(III)
シリカ(水分散性シリカゾル、pH7.6、平均一次粒子径27nm):アクリルシリコンポリマー(メチルメタクリレート-n-ブチルアクリレート-2-エチルヘキシルアクリレート-γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合樹脂、ガラス転移温度18℃)=1.5:1(固形分重量比)の水分散液。
無機質材料として、フレキシブル板(吸水率24%)を使用し、第1工程として被覆材(I-A)、被覆材(I-L)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作成し、同様の評価を行った。その結果、参考例1では、すべての試験において「◎」、参考例2ではすべて試験において「○」の評価が得られた。また、得られた試験体は、基材の質感を活かした仕上がりであり、基材の色ムラも抑制されていた。
Claims (7)
- 無機質材料に対し、透明被膜を形成する方法であって、
上記無機質材料は、吸水率が20%以下であり、コンクリート、モルタル、押出し成形セメント板、またはALCであり(ただし、その表面に既に被膜が形成されたものを除く)、
上記無機質材料の表面に対し、
第1工程として、合成樹脂エマルションを含む被覆材(I)を塗付、乾燥し透明被膜を形成し、
上記被覆材(I)の合成樹脂エマルションは、当該合成樹脂を構成するモノマーとして、
ホモポリマーのガラス転移温度が50℃以上、溶解度パラメータが9.5以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)を含み、
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量は、上記合成樹脂エマルションの固形分中に、3~40重量%であり、
上記合成樹脂エマルションは、ガラス転移温度が15~60℃であり、かつ平均粒子径が120nm以下である
ことを特徴とする被膜形成方法。 - 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)は、tert-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の被膜形成方法。
- 上記合成樹脂エマルションは、シリコン変性アクリル樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被膜形成方法。
- 上記被覆材(I)の塗付、乾燥は、常温(0~40℃)で行うことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の被膜形成方法。
- 上記無機質材料は、押出し成形セメント板であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の被膜形成方法。
- 第2工程として、透明被膜を形成する被覆材(II)を塗付することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の被膜形成方法。
- 上記被覆材(I)と上記被覆材(II)の少なくとも一方が、着色透明被膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の被膜形成方法。
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