JP2003176457A - アニオン型電着塗料 - Google Patents

アニオン型電着塗料

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JP2003176457A
JP2003176457A JP2001378254A JP2001378254A JP2003176457A JP 2003176457 A JP2003176457 A JP 2003176457A JP 2001378254 A JP2001378254 A JP 2001378254A JP 2001378254 A JP2001378254 A JP 2001378254A JP 2003176457 A JP2003176457 A JP 2003176457A
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pigment
electrodeposition coating
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inorganic pigment
anionic
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JP2001378254A
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Kenji Aoki
健二 青木
Koji Hirano
浩司 平野
Yoshitaka Mizoguchi
佳孝 溝口
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイスマーク隠蔽性、仕上がり性、塗料安定
性が良好なアニオン電着塗料を見出すこと。 【解決手段】 クレー系顔料(a)、バリタ系顔料
(a)、マイカ系顔料(a)から選ばれる少なくと
も1種の無機顔料(A)、水酸基及びカルボキシル基を
含有する水性樹脂(B)、架橋剤(C)を含有するアニ
オン型電着塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はダイスマーク隠蔽
性、仕上がり性、塗料安定性が良好なアニオン型電着塗
料に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】 従来、アルミニウムは鉄鋼
などに比べて高温における加工性が良く、熱間押し出し
により種々の断面形状を持つ型材を比較的容易に得るこ
とができる。また、アルミニウムは軽量で加工性が容易
であることや耐食性に優れるといった、本来のアルミニ
ウムの優れた性質を利用して、特に建材関係の材料とし
て多く使用されるようになってきている。
【0003】このアルミニウムの熱間押し出し方法は、
通常、円柱形のアルミニウム鋳塊を加熱して溶融させ、
次いでこの溶融物を押し出し機に入れ、所定の断面形状
の孔を持つダイスに押し付けて、ところてん式に孔を通
過させて所定の形状を持つ型材を得る方法である。
【0004】アルミニウム自体は耐塩水性等の腐食物質
に対しては腐食され難いが、耐アルカリ性(モルタル
等)に対して容易に腐食するため、通常、アルミニウム
を陽極酸化処理した後、アニオン電着塗料等によりクリ
ヤー塗膜が被覆されているのが一般的である。
【0005】このようなアニオン電着塗料としては、例
えば、水分散性ビニル系共重合体などの水溶性樹脂に、
架橋剤としてメラミン樹脂やブロック化ポリイソシアネ
ートなどを配合してなるものが公知である。
【0006】しかしながら、上記アニオン電着塗料を陽
極酸化被膜処理したアルミニウム型材に電着塗装した場
合に、アルミニウム型材のダイスマークが目立ち易く商
品価値が劣るといった問題点がある。
【0007】上記問題点を解決するために、アルコキシ
シランを配合した樹脂による艶消しアニオン電着塗料
(特開平11−315254号公報参照)、コロイダル
シリカを添加したアニオン電着塗料(特開平11−30
2576号公報参照)、樹脂の相溶性の違いによる艶消
し効果からダイスマークを隠蔽するアニオン電着として
(特開2001−131494号公報参照)、他に表面
積が大きく吸油量が高い顔料を添加することによって艶
消し効果からダイスマーク隠蔽性を向上させていた。
【0008】しかしダイスマーク隠蔽性を上げるために
は添加量を多くしなければならず、そのために塗料安定
性や仕上がり性が低下したり、コストがかかるなどの問
題点があった。そこで、上記問題点を改良するアニオン
型電着塗料の開発が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記し
た問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、クレ
ー系顔料(a)、バリタ系顔料(a)、マイカ系顔
料(a)から選ばれる少なくとも1種の無機顔料
(A)をアニオン電着塗料中に配合することによって、
ダイスマーク隠蔽性、塗料安定性、仕上がり性に優れた
アニオン電着塗料を得ることができ、本発明を完成する
に至った。
【0010】即ち、本発明は、 1.クレー系顔料(a)、バリタ系顔料(a)、マ
イカ系顔料(a)から選ばれる少なくとも1種の無機
顔料(A)、水酸基及びカルボキシル基を含有する水性
樹脂(B)、架橋剤(C)を含有するアニオン型電着塗
料、 2.水酸基及びカルボキシル基を含有する水性樹脂
(B)、及び架橋剤(C)の固形分の合計量100重量
部に対して、無機顔料(A)を0.1〜10重量部含有
する1項に記載のアニオン型電着塗料、 3.無機顔料(A)の平均粒子径が、0.1μm〜10
μmの範囲である1項又は2項のいずれか1項に記載の
アニオン型電着塗料、 4.無機顔料(A)の吸油量が、15ml/100g 〜70m
l/100gの範囲である1項乃至3項のいずれか1項に記
載のアニオン型電着塗料、 5.無機顔料(A)の屈折率が、1.4〜1.7の範囲
である1項乃至4項のいずれか1項に記載のアニオン型
電着塗料、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明は、アニオン電着塗料中
にクレー系顔料(a)、バリタ系顔料(a)、マイ
カ系顔料(a)から選ばれる少なくとも1種の無機顔
料(A)を含有し、基体樹脂として水酸基及びカルボキ
シル基を含有する水性樹脂(B)、硬化成分として架橋
剤(C)、中和剤としてアミンなどの塩基性化合物、そ
の他の添加剤、脱イオン水を加え分散後、水や有機溶剤
で希釈してなるアニオン電着塗料である。
【0012】本発明に用い得る無機顔料(A)として
は、クレー系顔料(a)バリタ系顔料(a)マイカ
系顔料(a)等が挙げられる。
【0013】クレー系顔料(a:本発明に用いられ
るに用いられるクレー系顔料(a)としては、一般に
は、SiO2(30〜50重量%)、Al23(30〜
50重量%)、少量のアルカリ(K2O,Na2O)や酸
化鉄(Fe23)から構成されるカオリナイトである。
【0014】上記クレーは焼付け時の減量が低い焼成ク
レーであり。本発明において使用できるクレー系顔料例
は、次のものである。市販品としては、ポールスター2
00P(株式会社イーシーシーインターナショナル社
製、商品名)、OPTI WHITE P(BURGESS P
IGMENT COMPANY社製、商品名)、SMクレー、SHク
レー(以上、フジライト社製、商品名)、HUBER8
0、HUBER90、HUBER70C(HUBER社
製、商品名)などが挙げられる。また炭酸カルシウムが
一部混在した、アタパルジャイトクレー、ヘクトライト
クレー、モンモリロン石、及びベントナイトクレーなど
も使用できる。
【0015】バリタ系顔料(a 白色の粉末の硫酸バリウムとして一般的にはバリタとし
て知られている。そのような市販品に、バリタ400、
B30(以上、堺化学工業社製、商品名)、ハイミクロ
ンHE−5(竹原化学工業社製、商品名)どが挙げら
れ、形状としては、板状を呈するものが好ましい。他
に、板状でかつ断面が紡錘状の構造の硫酸バリウム(特
開平7−277729号公報参照)なども用いることが
できる。
【0016】マイカ系顔料(a マイカ顔料は、基材である雲母が金属酸化物により被覆
され、干渉色はその被覆厚みにより決まってくる。そし
て金属酸化物により被覆されたマイカ顔料を含む塗膜が
形成された塗板を、垂直に近い状態で見ると干渉色を有
する真珠光沢(ハイライト部)を発現し、塗板を斜め上
から見ると真珠光沢が消えた色調(シェード部)を発現
する。
【0017】マイカ顔料の中でも、マイカ表面を酸化鉄
及び酸化チタンで被覆された光干渉性マイカフレーク
(以下、「干渉性マイカフレーク」という)が好まし
い。干渉性マイカフレークは表面が酸化鉄及び酸化チタ
ンで複層被覆されたマイカフレークであって、その形状
はりん片状粒子である。この粒子は、光を透過すること
ができ、酸化鉄被膜により赤色を呈し、その膜厚が厚く
なるにつれて薄赤色から濃い赤色に変化し、かつ酸化チ
タンの被膜によってグリーン色の光干渉色が認められ
る。
【0018】したがって、かかる干渉性マイカフレーク
を含むと塗膜に光線があたると、この干渉性マイカフレ
ークを光が透過し、グリーン色の光干渉性を示すと共に
赤色系に発色するので、ダイスマークの隠蔽性や、今ま
でにはなかった新規な意匠性にすぐれた塗膜を形成する
ことが可能になった。
【0019】干渉性マイカフレーク構造は、芯部がマイ
カフレークであって、その表面が酸化鉄で、さらにその
外側が酸化チタンで被覆されている、少なくとも2層構
造で被覆されているマイカフレーク状粒子である。干渉
性マイカフレークの芯部を構成するマイカフレークとし
ては、例えば、白雲母などの鉱石を粉砕してフレーク状
したものが好適に使用することができ、この物自体の光
輝感はあまりなく、これを含む塗膜は真珠光沢を示すこ
とができる。他に、水酸化アルミニウムで被覆したマイ
カ(特開2001−302942号公報参照)なども用
いることができる。
【0020】また、本発明で用いることのできる無機顔
料(A)には、微粒子チタン(特開2000−8694
5号公報参照)を用いることができるが、酸化チタンの
表面に酸化ジルコニウム又は酸化アルミニウムを担持し
た顔料(特開平9−67232号公報参照)なども用い
ることができる。
【0021】上記に述べた、クレー系顔料(a)、バ
リタ系顔料(a)、マイカ系顔料(a)など、本発
明に用いる無機顔料(A)の平均粒子径(注1)は0.
1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmの範囲、さら
に好ましくは0.5〜3μmの範囲がよい。 平均粒子
径が10μmの を越えると、ダイスマークの隠蔽性に
効果がないばかりか、仕上がり性や塗料の安定性が低下
したりする傾向があり好ましくない。
【0022】無機顔料(A)の吸油量(注2)が、15
ml/100g 〜70ml/100gの範囲、好ましくは20ml/1
00g 〜60ml/100g の範囲、さらに好ましくは30ml
/100g〜55ml/100gがよい。無機顔料(A)の吸油量
が70ml/100gを越えると塗料安定性を損なう。
【0023】無機顔料(A)の屈折率(注3)が、1.
4〜1.7の範囲、好ましくは1.5〜1.65の範
囲、さらに好ましくは1.53〜1.62がよい。無機
顔料(A)の屈性率が1.4未満であるとダイスマーク
の隠蔽性に効果がなく、1.7を越えると意匠性や仕上
がり性が低下し好ましくない。 (注1)平均粒子径:超遠心式自動粒度分布測定測定装
置CAPA−700(堀場製作所社製、商品名)を用い
て測定した。 (注2)吸油量:市販品のカタログ値を選定の基準とし
た。 (注3)屈折率:市販品のカタログ値を選定の基準とし
た。
【0024】ここで、粒子の分散性を改良するためにボ
ールミル、サンドミル、シェーカーなどを用いて分散
し、顔料ペーストとして用いてもよい。この分散性とは
機械的なシェアによる顔料のつぶれ易さと、つぶれた後
に個々の顔料が再凝集せずに安定して分散樹脂中に存在
する分散安定性の両面を持っており、この分散性が不良
であるとダイスマーク隠蔽性や仕上がり性、塗料安定性
が劣る。
【0025】一方、目的とする粒度まで分散できたとし
ても、分散安定性が不良であると塗料安定性が低下し、
顔料凝集、顔料沈降などの問題を生じ、そのことによっ
て耐候性などの塗膜性能や仕上がり性等にも影響する。
【0026】上記、無機顔料(A)、又は無機顔料
(A)を含有して分散してなる顔料ペーストは、水酸基
及びカルボキシル基を含有する水性樹脂(B)、架橋剤
(C)を塩基性化合物で中和した水性のエマルションを
配合することによってアニオン電着塗料を作成すること
ができる。
【0027】水酸基及びカルボキシル基を含有する水性
樹脂(B):水酸基及びカルボキシル基を含有する水性
樹脂(B)としては、例えば、ビニル系共重合体、ポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコ−ン
樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は1種も
しくは2種以上組み合わせて使用することができ、これ
らの中でも、下記のビニル系共重合体を使用することが
好ましい。
【0028】ビニル系共重合体しては、(1)水酸基含
有ビニル系モノマ−、(2)エチレン性不飽和カルボン
酸、及び必要に応じて(3)その他の不飽和モノマ−を
ラジカル共重合反応させてなるビニル系共重合体が挙げ
られる。これらのモノマ−成分としては、下記のものを
挙げることができる。
【0029】(1)水酸基含有ビニル系モノマ−類:例
えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)エチレングリコ−ルモ
ノ(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)プロピレングリコ−
ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチルビニル
エ−テル、(メタ)アリルアルコ−ル、及び上記した水
酸基含有ビニル系モノマ−類とβ−プロピオラクトン、
ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレ
ロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクト
ン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−
カプロラクトン等のラクトン類化合物との反応物等、商
品名としては、プラクセルFM1(ダイセル化学社製、
商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラク
セルFM3(同左)、プラクセルFA−1(同左)、プ
ラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)
等。
【0030】(2)エチレン性不飽和カルボン酸類:例
えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、プラクセルF
M1A(以下、ダイセル化学社製、カプロラクトン変性
カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマ−、商品
名)、プラクセルFM4A、プラクセルFM10A等。
【0031】(3)その他の不飽和モノマ−類:例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル
酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル
類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)
アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなど
の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、(メタ)
アクリロニトリル化合物類等、γ−(メアクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル系モノマ−
類。
【0032】これらのモノマ−の配合割合は、(1)水
酸基含有モノマ−類は、共重合体の水酸基価が約30〜
300mgKOH/gの範囲に入るように配合すればよ
い。配合割合としては、上記モノマ−類の総モノマ−量
固形分合計に対して、水酸基含有モノマ−類が約3〜4
0重量%、好ましくは約5〜30重量%の範囲である。
【0033】(2)エチレン性不飽和カルボン酸は、共
重合体の酸価が約10〜200mgKOH/gの範囲に
入るように配合する。配合割合としては、上記モノマ−
類の総モノマ−量に対してエチレン性不飽和カルボン酸
が約3〜30重量%、好ましくは約4〜20重量%の範
囲である。
【0034】(3)その他の不飽和モノマ−類として
は、(メタ)アクリル酸のC1 〜C のアルキル又は
シクロアルキルエステル類及びスチレンなどの芳香族ビ
ニルモノマ−類を使用することが好ましい。該モノマ−
類の配合量は、上記モノマ−類の総モノマ−量に対して
約37〜95重量%、好ましくは約60〜91重量%の
範囲である。これらのモノマーをラジカル共重合反応す
ることによって水性樹脂(B)を作成することができ
る。ラジカル共重合反応させる方法としては、従来から
公知の、溶液重合方法、塊状重合、乳化重合、懸濁重合
などがあるが、溶液重合方法が好ましい。
【0035】架橋剤(C):架橋剤(C)は、例えばメ
ラミン樹脂のメチロール基の一部もしくは全部がメタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチ
ルアルコー2ーエチルヘキシルアルコール等の1種もし
くは2種以上の1価アルコールで変性されたものを使用
することができる。メラミン樹脂は1核体〜多(約2〜
5)核体のものが50重量%以上を占めるものが好まし
い。また、メラミン樹脂中にはイミノ基、メチロール基
等のその他の官能基を含んでも良い。また、本発明品を
配合するアニオン熱硬化性電着塗料としては、C3以上
の1価アルコール、特にC4〜C 18の1価アルコールで
変性されたエーテル基がトリアジン環1核当たり平均約
2.0個以上、特に2.0〜5.0個含有することが好
ましい。
【0036】また、架橋剤(C)にはブロックポリイソ
シアネートを用いることができ、例えばイソホロンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
「脂肪族や脂環族のポリイソシアネート化合物にε−カ
プロラクトン等のラクトン類やメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアル
コール類やメチルエチルケトオキシム、メチルイソブチ
ルケトオキシム等のオキシム類でブロック化したものを
使用することができる。
【0037】水性樹脂(B)を中和に用いる塩基性化合
物としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペ
ンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミ
ノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミ
ジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパ
ノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチ
ルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチル
エタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミ
ン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミ
ン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエ
チルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノ
プロピルアミンなどのポリアミントリエチルアミンなど
のうちから、1個又は2個以上併用して選ばれるアミン
系中和剤などがある。
【0038】上記配合からなるアニオン電着塗料におけ
る、無機顔料(A)の配合割合は、水酸基及びカルボキ
シル基を含有する水性樹脂(B)、架橋剤(C)の固形
分の総合計量に対して0.1〜20重量%、好ましくは
2〜10重量%の範囲がよい。
【0039】カルボキシル基を含有する水性樹脂
(B)、架橋剤(C)の配合割合は、両成分の固形分合
計に対して、水性樹脂(B)が40〜75重量%、好ま
しくは50〜80重量%の範囲、架橋剤(C)は15〜
60重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲であ
る。
【0040】無機顔料(A)の配合割合が0.1重量%
未満であると、ダイスマークの隠蔽性に効果がなく、2
0重量%を越えると塗料安定性や仕上がり性を損う。水
性樹脂(B)の配合割合が40重量%を下回ると仕上が
り性が悪く、一方、75重量%を上回ると硬化性が悪く
なる。架橋剤(C)が15重量%を下回ると硬化性が低
下し、60重量%を上回ると塗料安定性が悪くなる。
【0041】本発明におけるアニオン型電着塗料用の水
性のエマルションは、水性樹脂(B)、架橋剤(C)に
中和剤、脱イオン水を加え、デスパーなどで攪拌しなが
ら水分散して作成する。アニオン電着塗料は、無機顔料
(A)、又は無機顔料(A)を含有し分散してなる顔料
ペーストに、水性のエマルションを加えた後、塩基性化
合物などによりPH調整を行い、脱イオン水を加え、固
形分5重量%〜20重量%のアニオン電着塗料を得るこ
とができる。該アニオン電着塗料の被塗物としては、着
色もしくは無着色陽極酸化アルミニウム材に電着塗装す
ることが好ましい。また、本発明塗料には必要に応じて
顔料、染料、硬化触媒等を配合することができる。
【0042】該アニオン電着塗料を使用して塗膜を形成
するには、上記で得られたアニオン電着塗料を浴(槽の
中に入れ)とし、この浴中に該アルミニウム材を浸漬し
た後、乾燥膜厚が約5〜30μmになるようにアニオン
電着塗装を行い、水洗を行わず(ノンリンス)、又は水
洗(リンス)を行い、次いで室温でセッテングした後、
焼付け(例えば、約160〜200℃で約20〜40分
間)により塗膜を形成することができる。
【0043】
【発明の効果】 ダイスマークを隠蔽する手法として
は、従来から、塗膜の表面の凹凸を増加させ光の散乱を
利用する手法や、高隠蔽力の顔料、即ち屈折率の高いチ
タン白を配合することにより達成することが可能である
が、建材メーカーや消費者のニーズにそぐわない意匠感
となってしまう。しかし本発明のアニオン型電着塗料に
おいて、クレー系顔料(a)、バリタ系顔料
(a)、マイカ系顔料(a)から選ばれる少なくと
も1種の無機顔料(A)を配合することにより意匠性を
損なうことなくダイスマーク隠蔽性、仕上がり性、塗料
安定性に優れるアニオン電着塗料を見出すことができ
た。そのことの理由としては、該艶消し塗膜の光散乱透
過度(濁度)をヘイズメーターCOH−300A(日本
電色工業株式会社製、商品名)により測定した。光散乱
透過度(H)は、散乱光透過率(D)及び平行光線透過
率(P)よりH=(D/(P+D))×100)により
求めることができる。その結果、全透過光量の値は大き
く変らないものの、濁度が増加することがわかった。
(実施例参照)これにより無機顔料(A)を配合するこ
とで塗膜の透明性は変ることなく(意匠感は同じ)、散
乱光透過率の高い塗膜を形成することがわかった。それ
ゆえ素地のダイスマークを隠蔽する効果が得られるもの
と推測する。
【0044】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0045】顔料ペーストAの製造例 カルボン酸付加型アクリル系分散樹脂(固形分55%、
分子量20000、酸価55、顔料分散樹脂)5.45
部、ポールスター200P(注4)12部を加え、トリ
エチルアミン0.5部、脱イオン水4.05部を加え
て、固形分50%の顔料ペーストAを得た。
【0046】顔料ペーストB〜Eの製造例 顔料ペーストAと同様の操作にて、表1の配合内容で顔
料ペーストB〜Eを作成した。
【0047】
【表1】 (注4)ポールスター200P(株式会社イーシーシー
インターナショナル、商品名、クレー系顔料、平均粒子
径2μm、吸油量50ml/100g、屈折率1.56)
【0048】(注5)ハイドライトPXN( GEOGIAKAO
LIN社製、商品名、クレー系顔料、平均粒子径0.68
μm、吸油量43ml/100g 、屈折率1.56)。
【0049】(注6)B30(堺化学工業株式会社、商
品名、バリタ系顔料、平均粒子径0.4μm、吸油量2
2ml/100g、屈折率1.59)。
【0050】(注7)チタン白 CR−95(石原産業
社製、商品名、チタン白)。
【0051】アクリル共重合体樹脂の製造例 反応容器中にイソプピルアルコールを70gを仕込み8
0℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタクリレ
ート24g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン7g、n−ブチルアクリレート10g、エチルア
クリレート30g、2−ヒドロキシエチルアクリレート
12g、アクリル酸7g、及びアゾビスジメチルバレロ
ニトリル2gの混合物を3時間かけて滴下し、次いでア
ゾビスジメチルバレロニトリル1gを添加し、80℃で
1時間保持して反応を行いアクリル共重合体樹脂 N
o.2を製造した。該アクリル共重合体樹脂は、重量平
均分子量約25,000、酸価55mgKOH/g、水
酸基価58mgKOH/gであった。
【0052】アニオン電着塗料用のエマルションの製造
アクリル共重合体樹脂 70部(固形分)のカルボキシ
ル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを配合した
後、混合分散し、次いでこのものに、ニカラックMX6
00(三和ケミカル株式会社製、商品名、ブトキシ化メ
ラミン樹脂)30部を混合分散した後、攪拌を行いなが
ら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になる
ようにトリエチルアミンを添加し固形分10%アニオン
電着塗料用のエマルションを得た。
【0053】実施例1 アニオン型電着塗料N
o.1の製造 上記10%のアニオン電着用のエマルション 1000
部(固形分100部)に顔料ペーストA 6部(固形分
3部)を配合し、更にpHが8.5になるようにトリエ
チルアミンを添加し、脱イオン水を加えて固形分10%
のアニオン電着塗料No.1を得た。
【0054】実施例2〜3 表2の組合せで、実施例1と同様の操作により実施例2
〜3のアニオン電着塗料No.2〜3を得た。
【0055】比較例1〜2 表2の組合せで、比較例1及び比較例2のアニオン電着
塗料No.4、アニオン電着塗料No.5を得た。
【0056】
【表2】
【0057】塗装方法及び試験結果 実施例及び比較例で得られたアニオン電着塗料を浴とし
て、このものに被塗物を2次電解処理(脱脂−エッチン
グ−中和−陽極化成処理−封孔)を施した被膜厚さ約1
0μmの陽極酸化アルミニウム材(シルバー:大きさは
150×70×0.5mm)を浸漬し、乾燥膜厚が10μ
mになるように電着塗装を行い、水洗後、180℃−3
0分間焼き付けた。その試験内容、及び試験結果を表3
に示す。
【0058】
【表3】
【0059】(注8)外観:塗膜外観を目視で評価し
た。 評価:目視 ◎:素地の隠蔽性が良好 ○:素地の隠蔽性がぼぼ良好(使用上は問題なし) △:素地の隠蔽性が劣る ×:素地の隠蔽性が著しく劣る。
【0060】(注9)L値:変角分光光度計ミノルタC
R−300(ミノルタ社製、商標名、分光光度計)を使
用して測定した。
【0061】(注10)光沢:JIS K−5400
7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、塗膜の
光沢の程度を入射角と受光角とがそれぞれ60度のとき
の反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を1
00としたときの百分率で表す。
【0062】(注11)塗膜平滑性:塗膜表面(ユズ
肌、凸凹等)を目視で評価した。 評価:目視 ◎:良好 ○:ほぼ良好 △:やや光沢やラウンド感が低下 ×:不良
【0063】(注12)塗料安定性:塗料3Lを開放缶
に入れ30℃にて7日間、スリーワンモーターにて回転
数700rpm/分で攪拌した。その後、400メッシ
ュ濾過網を用いて塗料の濾過残さを測った 評価: ○:濾過残さが10mg/L未満で良好 △:濾過残さが10〜20mg/L未満でやや不良 ×:濾過残さが20mg/L以上で不良。
【0064】(注13)光散乱透過度(H):ガラス板
にアプリケーター等で塗布した塗膜を作成して測定し
た。ガラス板のみの光散乱透過度を100とした場合、
平行光線透過率(P)と散乱光透過率(D)により、光
散乱透過度(H)=(D/(P+D))×100として
計算される。(P+Dは全透過光)
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 GA03 GA06 HA526 HA542 KA03 KA08 KA20 MA08 PA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレー系顔料(a)、バリタ系顔料
    (a)、マイカ系顔料(a)から選ばれる少なくと
    も1種の無機顔料(A)、水酸基及びカルボキシル基を
    含有する水性樹脂(B)、架橋剤(C)を含有するアニ
    オン型電着塗料。
  2. 【請求項2】 水酸基及びカルボキシル基を含有する水
    性樹脂(B)、及び架橋剤(C)の固形分の合計量10
    0重量部に対して、無機顔料(A)を0.1〜10重量
    部含有する請求項1に記載のアニオン型電着塗料。
  3. 【請求項3】 無機顔料(A)の平均粒子径が、0.1
    μm〜10μmの範囲である請求項1又は2のいずれか
    1項に記載のアニオン型電着塗料。
  4. 【請求項4】 無機顔料(A)の吸油量が、15ml/10
    0g 〜70ml/100gの範囲である請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載のアニオン型電着塗料。
  5. 【請求項5】 無機顔料(A)の屈折率が、1.4〜
    1.7の範囲である請求項1乃至4のいずれか1項に記
    載のアニオン型電着塗料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246932A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Nippon Light Metal Co Ltd 複層皮膜形成方法
JP2008144070A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Shinto Paint Co Ltd カチオン性電着塗料組成物
JP2009227820A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Nippon Paint Co Ltd 電着塗料組成物

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