JP2000080313A - 着色艶消し電着塗料およびその電着塗装方法 - Google Patents

着色艶消し電着塗料およびその電着塗装方法

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JP2000080313A JP10270543A JP27054398A JP2000080313A JP 2000080313 A JP2000080313 A JP 2000080313A JP 10270543 A JP10270543 A JP 10270543A JP 27054398 A JP27054398 A JP 27054398A JP 2000080313 A JP2000080313 A JP 2000080313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム材の塗装に供せられ、塗膜の色
調とアルミニウム材の色調とを複合化し得る、着色艶消
し電着塗料および、その塗装方法を提供する。 【解決手段】 (A)着色顔料含有電着塗料と、(B)
側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、およ
びアミノ樹脂を含有する着色顔料不含の艶消し電着塗料
との混合物からなり、前記着色顔料の含有量が全樹脂分
に対して0.5〜10重量%である、着色艶消し電着塗
料および、その電着塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム材の
塗装に供せられ、塗膜の色調とアルミニウム材の色調と
を複合化し得る、着色艶消し電着塗料および、その艶消
し電着塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】着色、防食、美観、耐汚染等を目的とし
て、アルミニウム材は表面に塗装が施される場合が多
い。塗装方法としては、複雑な形状のアルミニウム材に
対しても均一な塗膜形成が可能で、大量生産性にも優れ
ていることから、電気泳動を利用した電着塗装法が広く
用いられている。電着塗料としては、アルミニウム素地
の色調を生かした、艶有りあるいは艶消しのクリヤー塗
料、白色、黒色等の着色塗料がある。
【0003】しかしながら、近年社会環境の変化、ニー
ズの多様化に伴い、単に素材を保護し、美観を付与する
という機能に止まらず、従来にない斬新さ、高級感を感
じさせる材料が求められている。アルミニウム材そのも
のにおいても、電解着色の方法に改良が加えられ、従来
より多様な色調が可能になっているが、金属素材である
ため、落ち着き感、ソフト感、厚み感には乏しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、着色
アルミニウム材に塗装して、本来のメタリック感を保持
しながらかつ、ソフト感、立体感、厚み感、落ち着き感
を合わせ持つような、新しい着色艶消し電着塗料および
その塗装方法を提供するところにある。また上記の目的
を可能にするような塗料は、概して塗装された被塗物の
上面と下面の色相差が出易くなるため、上下の色相変化
を抑制できる電着塗料およびその塗装方法を提供するこ
とも、合わせて本発明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
行い、ベースになる塗料としては、落ち着き感、ソフト
感、厚み感に優れる艶消し電着塗料を使用し、塗膜の色
調については、塗膜の半透明性を保持する程度の着色顔
料を含有する電着塗料を併用することで、全体的には塗
膜の色調を主としながら、アルミニウム素材の色調を複
合化させることで、メタリック感も加味され、上記目的
が達成されることを見出した。
【0006】すなわち本発明は、(A)着色顔料含有電
着塗料と、(B)側鎖にアルコキシシリル基を有するア
クリル樹脂、およびアミノ樹脂を含有する着色顔料不含
の艶消し電着塗料との混合物からなり、前記着色顔料の
含有量が全樹脂分に対して0.5〜10重量%である、
着色艶消し電着塗料およびその電着塗装方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の電着塗料をアルミニウム材に塗装した場合、そ
の色調は主として着色顔料で決定されている。すなわち
白色、黒色、赤色、黄色の着色顔料を組み合わせて、要
求に応じてアイボリー色からグレー色まで幅広く対応す
ることができる。
【0008】本発明に用いられる(A)着色顔料含有電
着塗料は、主としてカルボキシル基を有する樹脂(分散
樹脂)をベースとし、塩基性化合物で中和、水溶性化し
てなる陽極析出型電着塗料である。着色顔料の含有量は
塗料全樹脂分中0,5〜10重量%であり、より好まし
くは1〜7重量%である。含有量が10重量%より多い
場合は、塗膜が不透明化し下地隠蔽力が大きくなり過ぎ
る。このため塗装されたアルミニウム材の色調は塗膜の
みの色調となり、メタリック感が失われて、本発明の目
的に合致しない。また含有量が0.5重量%より少ない
場合は、アルミニウム材それ自身の色調になり、従来の
着色顔料を含有しないクリヤー塗料を塗装した場合と差
がなくなり、斬新さ、高級感に乏しくなる。
【0009】着色顔料についての具体例としては、チタ
ン白、カーボンブラック、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、モ
リブデンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロム
チタンイエロー、コバルトグリーン、酸化クロムグリー
ン、群青、コバルトブルー等の無機顔料、アゾ系、アン
トラキノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キナクリ
ドン系、イソインドリン系、フタロシアニン系、ジオキ
サジン系等の有機顔料を挙げることができる。
【0010】本発明の着色顔料の使用方法については、
あらかじめ顔料を別途分散して着色顔料含有電着塗料を
作製した後、下記に述べる着色顔料不含の艶消し電着塗
料と混合する。
【0011】顔料分散においては分散樹脂を使用する必
要があるが、分散樹脂が不適当な場合、塗料の色分れ、
顔料の沈降が顕著になり使用が難しい。ベースとなる艶
消し塗料に直接顔料を分散した場合は、樹脂は艶消し性
能と顔料分散性能を合わせ持つ必要があり、両性能の方
向性が異なるため、設計は容易ではない。ところが本発
明では、着色顔料を別途分散するため、艶消し性能とは
関係なく、独立に分散樹脂を設計することができ、選択
の自由度が非常に大きくなる。従って顔料分散安定性に
優れた塗料が得られる。
【0012】顔料分散の具体的な方法は、主としてカル
ボキシル基を有する樹脂を分散樹脂に使用し、通常の分
散ミルを用いて分散後、塩基性化合物で中和、水分散化
して陽極析出型の電着塗料とする。顔料/分散樹脂の割
合は重量比で100/20〜100/300が好まし
い。
【0013】カルボキシル基を有する樹脂としては例え
ばカルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含
有ポリエステル樹脂等が用いられる。またこのカルボキ
シル基を中和し、水分散化するために用いる中和剤とし
ては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロ
ピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミ
ン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルア
ミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられ
る。このような塩基性化合物による中和率は10〜10
0%が適当であるが、100%以上でももんだいはな
い。
【0014】分散樹脂として使用するアクリル樹脂につ
いては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、シトラコン酸等のカルボキシル基含有
不飽和単量体と、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート等の不飽和単量体を共重合して得られる。
【0015】またポリエステル樹脂については、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸
等のポリカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
のポリオールを共縮合して得られる。
【0016】このようにして得られる分散樹脂を使用し
て分散された顔料は、分散性が良好であり、また顔料不
含の艶消し電着塗料と混合しても、安定で塗料中の顔料
濃度も均一であるため、被塗物の塗装部位による色相差
を抑制することができる。
【0017】また色相差をできるだけ抑制するために、
着色顔料含有電着塗料に予め疎水性溶剤あるいは疎水性
メラミン樹脂等の疎水性化合物を含有させると効果があ
る。要因は明確ではないが、疎水性化合物により分散樹
脂が疎水化され、水溶性が低下して顔料分散力が向上す
ると考えられる。この疎水性化合物は、水に対する溶解
度(重量%)(20℃)が7%以下、好ましくは3%以
下のもので、例えば2エチルヘキサノール、テキサノー
ル、ミネラルターペン、あるいは三井サイテック社製の
サイメル238、236、マイコート506、住友化学
社製のスミマールM−66B等の疎水性メラミン樹脂が
用いられる。着色顔料含有電着塗料中の疎水性化合物の
含有量は1〜60重量%、好ましくは1〜30重量%で
ある。使用量が多過ぎると塗膜の光沢が上昇するので好
ましくない。
【0018】本発明に用いられる(B)着色顔料不含の
艶消し電着塗料は、側鎖にアルコキシシリル基を有する
アクリル樹脂(基剤樹脂)、およびアミノ樹脂を含有
し、塩基性化合物で中和、水溶性化してなる陽極析出型
の電着塗料である。本発明において基剤樹脂として使用
するアクリル樹脂は、アルコキシシリル基含有不飽和単
量体、カルボキシル基含有不飽和単量体および、その他
の不飽和単量体を共重合することにより製造することが
できる。
【0019】アルコキシシリル基含有不飽和単量体の具
体例としては、ジビニルジメトキシシラン、ジビニル−
β−ジメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキ
シシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス
−β−メトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、アクリル酸とγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシランあるいはγ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシランの反応物等がある。アルコ
キシシリル基含有不飽和単量体の含有量は、全不飽和単
量体中0.1〜10重量%が好ましい。
【0020】カルボキシル基含有不飽和単量体は電気泳
動性を付与するために用いられ、好ましい量は酸価で3
0〜150である。カルボキシル基含有不飽和単量体を
例示すると、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、シトラコン酸等があり、その他の不飽和
単量体を例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニ
トリル、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)
アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート等がある。
【0021】このようなアクリル樹脂の好ましい重量平
均分子量は10000〜100000、好ましいガラス
転移温度は−10〜60℃である。製造方法としては、
前記各単量体を溶液重合、非水性分散重合、塊状重合、
エマルジョン重合、懸濁重合等の公知の方法で重合する
ことによって得られるが、特に溶液重合が好ましく、反
応温度としては通常40〜170℃が選ばれる。
【0022】反応溶剤としては、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t
−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル等の親水性溶剤を用るのが好ましい。ま
た、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合
物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のも
のを用いることができる。
【0023】得られたアクリル樹脂を水分散化するため
に、樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性
化合物、例えば有機アミンあるいは無機塩基で中和す
る。かかる塩基性化合物としては、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピル
アミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の
アルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムが挙げられる。このような塩基性物質による中和率は
30〜100%が適当であるが、特に50〜90%であ
ると水分散性が良好で、塗装部位による色相差、光沢ム
ラを生じないので好ましい。
【0024】アミノ樹脂としては、従来から公知のメラ
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等が例示さ
れるが、中でも好適なものは、メチロール基の少なくと
も一部を低級アルコールでアルコキシ化したアルキルエ
ーテル化メチロールメラミン樹脂であって、低級アルコ
ールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール等の1種または
2種以上が使用できる。また1種のメラミン樹脂であっ
ても、また2種以上のメラミン樹脂が組み合わされても
問題はない。
【0025】アルキルエーテル化メチロールメラミン樹
脂を例示すると、三井サイテック社製のサイメル26
6、232、235、238、236、マイコート50
6、508、住友化学社製のスミマールM−66B、三
和ケミカル社製のニカラックMX−40、MX−45等
がある。メラミン樹脂の使用量は、重量比でアクリル樹
脂100に対し30〜120が好ましい。
【0026】本発明においては、アクリル基剤樹脂を塩
基性物質で中和して水分散化を行うと、アクリル基剤樹
脂中に導入されたアルコキシシリル基が加水分解を受
け、部分的に縮合しミクロゲルを形成して、光沢低減に
寄与する。安定なミクロゲル得るために、水分散化後ミ
クロゲル化の反応を行っても問題はない。ミクロゲルは
本発明の電着塗料に艶消し性能を付与し、主としてミク
ロゲルの効果で、落ち着き感、ソフト感、厚み感のある
塗装外観が達成される。
【0027】また要求される性能、作業性、コスト等に
より、必要ならば、例えば、キシレン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を併用すること
が可能である。この場合、メラミン樹脂と同様な方法で
使用される。
【0028】本発明により得られた電着塗料は、必要に
応じて脱イオン水、あるいは親水性溶剤を一部含有する
脱イオン水で希釈し、電着塗装に供せられる。本発明に
おける艶消し電着塗料を実施する場合の、塗料浴の固形
分濃度は4〜20重量%が適当である。4重量%より低
い場合には、必要な塗膜厚を得るのに長時間を要し、2
0重量%を越えると浴液の状態が不安定となり、塗装系
外に持ち出される塗料量も多く問題である。
【0029】塗装方法については、被塗装物を陽極とし
て電着塗装を行うが、塗装電圧は30〜350V、好ま
しくは50〜300Vであり、通電時間は0.5〜7
分、好ましくは1〜5分である。電圧が高いほど通電時
間は短く、逆に電圧が低いほど通電時間は長くなる。塗
装電圧は通電と同時に設定電圧をかける方法、あるいは
徐々に設定電圧まで上げていく方法のどちらでもかまわ
ない。塗装された被塗装物は必要により水洗し、次いで
150〜200℃で15〜60分間加熱し最終塗膜を得
る。塗膜厚は5〜30μmが好ましい。
【0030】このようにして、落ち着き感、ソフト感、
厚み感とメタリック感を合わせ持つ着色艶消し電着塗膜
を得ることができる。またその塗膜は機械特性、耐溶剤
性、耐薬品性、耐候性、作業性等にも優れている。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。部は
特別な表示のない場合は重量部を表している。 (A)着色顔料含有電着塗料に用いる顔料分散樹脂の製
造 撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を
有する反応装置を準備する。
【0032】
【表1】
【0033】(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌
下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(8)を予め均一
に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90±3
℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(9)を仕
込み、更に90±3℃で1.5時間反応を継続した。そ
の後(10)を仕込み80±3℃でさらに3時間反応を
継続した後冷却した。樹脂固形分=52%、酸価=74
mgKOH/g樹脂固形分の粘調な樹脂液Aを得た。
【0034】(A)着色顔料含有電着塗料の製造
【0035】
【表2】
【0036】(1)〜(8)を均一に混合分散し、粒A
法で7.5μmの顔料分散液を得た。このものを着色顔
料含有電着塗料1とする。次にこの顔料分散液に対して
疎水性化合物として2エチルヘキサノールあるいはサイ
メル236(三井サイテック社製メラミン樹脂)を7重
量%含有するように添加して、それぞれ着色顔料含有電
着塗料2、着色顔料含有電着塗料3を得た。
【0037】(B)着色顔料不含の艶消し(艶有り)電
着塗料に用いるアクリル基剤樹脂の製造 撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を
有する反応装置を準備する。
【0038】
【表3】
【0039】(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌
下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(10)を予め均
一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90±
3℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(11)
を仕込み、更に90±3℃で1.5時間反応を継続した
後冷却した。樹脂固形分=65%の透明で粘調な樹脂液
B1〜B3を得た。
【0040】水分散樹脂液、および(B)着色顔料不含
の艶消し(艶有り)電着塗料の製造
【0041】
【表4】
【0042】撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する
反応装置を準備し、反応装置に表4に示す配合量に従っ
て(1)から(4)を仕込み、60℃で1時間撹拌混合
した。これに(5)を加えた後、(6)を徐々に添加し
て水分散化を行った。最後に(7)を加えて固形分30
%に調整した。
【0043】
【表5】
【0044】上記水分散樹脂液1〜3を使用し、表5に
示す配合によりに、固形分10%の着色顔料不含の艶消
し電着塗料1、2、着色顔料不含の艶有り電着塗料3を
得た。
【0045】着色艶消し(艶有り)電着塗料の製造およ
び電着塗装 〔実施例1、2、3 比較例1、2〕上記で得られた着
色顔料含有の電着塗料1、2、3および着色顔料不含の
艶消し電着塗料1、2、着色顔料不含の艶有り電着塗料
3を使用して、表6に示す配合量で混合し、脱イオン水
で固形分を10%に調整して電着浴液を得た。この電着
浴液を塩ビ性の槽に入れ、SUS304鋼板を陰極と
し、ブロンズ色アルミニウム材を陽極(被塗物)として
電着塗装を行った。
【0046】塗膜性能評価 電着塗装の具体的条件は浴温22℃、極間距離12c
m、極比(+/−)2/1として、常法により、180
Vで膜厚が14μmとなる様に通電し、電着終了後洗浄
し、引き続いて185℃で30分間焼き付けを行った
後、塗膜性能の評価を行った。結果を表6示す。
【0047】
【表6】
【0048】実施例1〜3については、落ち着き感、ソ
フト感、厚み感とメタリック感を合わせ持つ外観が得ら
れた。一方比較例1は落ち着き感、ソフト感、厚み感に
乏しい外観が得られ、比較例2はメタリック感過多の外
観が得られた。
【0049】(注)評価方法 (1)光沢:グロスメーターで60°グロスを測定。 (2)L5テスト:被塗物を上面、下面ができるように
電着浴液中に無攪拌下で3分間浸漬し、次いで無攪拌の
ままで、2分間電着塗装して塗膜を形成後、焼き付けし
た。通常塗膜のΔLが1以下であれば実用上問題なしと
見なす。
【0050】
【発明の効果】(A)着色顔料含有電着塗料と、(B)
側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、およ
びアミノ樹脂を含有する着色顔料不含の艶消し電着塗料
との混合物からなり、着色顔料の含有量が全樹脂分に対
して0.5〜10重量%である電着塗料を用いて、落ち
着き感、ソフト感、厚み感とメタリック感を合わせ持つ
着色艶消し電着塗膜が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/06 C09D 133/06 143/04 143/04 161/20 161/20 (72)発明者 菅原 進 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB89X CB02 DB07 EB22 EB32 EB54 EB56 EC11 4J038 CC021 CF021 CG021 CG031 CG071 CG081 CG141 CG161 CG171 CH031 CH041 CH071 CH121 CL001 DA142 DA162 DA172 GA15 JA19 KA03 KA08 MA08 NA01 PA04 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)着色顔料含有電着塗料と、(B)
    側鎖にアルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、およ
    びアミノ樹脂を含有する着色顔料不含の艶消し電着塗料
    との混合物からなり、前記着色顔料の含有量が全樹脂分
    に対して0.5〜10重量%である、着色艶消し電着塗
    料およびその電着塗装方法。
  2. 【請求項2】 着色顔料の含有量が1〜7重量%である
    請求項1に記載の着色艶消し電着塗料およびその電着塗
    装方法。
  3. 【請求項3】 着色顔料含有電着塗料中に、水に対する
    溶解度が7%以下の疎水性化合物を1〜60重量%含有
    する、請求項1に記載の着色艶消し電着塗料およびその
    電着塗装方法。
  4. 【請求項4】 着色顔料含有電着塗料中に、水に対する
    溶解度が7%以下の疎水性化合物を1〜60重量%含有
    する、請求項2に記載の着色艶消し電着塗料およびその
    電着塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007154434A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 化粧建築板

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