JPH09123732A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インカーセンサ及びアスピレータファンを装
置内に組み込んだ型式の自動車用空気調和装置のコスト
ダウンを図ること。 【解決手段】 コントロールパネル３を備えたケーシン
グ２内に回路基板５が取り付けられている自動車用空気
調和装置用制御装置１において、回路基板５に、パネル
３に形成された吸気取入口６から車室内の空気をケーシ
ング２内に取り入れるためのアスピレータファン８３を
取り付けると共に、車室内温度検出素子８１も空気取入
口６から取り入れられた車室内空気の流路Ｘ中に配置さ
れるよう取り付け、且つ冷却を必要とする所要の部品９
１、９２を流路Ｘ内であって検出素子８１よりも下流側
に配置されるよう回路基板５に取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車室内温度を検出
するための感温素子及びアスピレータファンを装置内に
組み込んだ自動車用空気調和装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年のオート式の自動車用空気調和装置
にあっては、例えば実開平３−７３２０７号公報に開示
されているように、車室内の温度を検出するためのサー
ミスタの如きインカーセンサをアスピレータファンと共
に所定のハウジング内に収納する構成が一般的である。
しかしながら、この従来の構成によると、インカーセン
サ及びアスピレータファンを取り付けるための専用の基
板及びこれを収納するための専用のケースが必要となる
ため、コストが高くならざるを得ないという問題点を有
している。

【０００３】そこで、車両のコントロールパネルに車室
内空気を流すボックスを構成する構成部分の一部である
ボックス本体部を一体に成形し、該ボックス本体部に蓋
体を組み付けることによってボックスを構成すると共
に、該ボックスにインカーセンサとファン及び蓋体に構
成された駆動回路等によって構成されるアスピレータフ
ァンとを一体に取り付けるようにして、コストの低減及
び組み付け性の向上を図るようにした構成（実開平４−
１１４８０９号公報）、及び車室内の空気を吸い込むた
めのファンを回転駆動するモータとファンによって生じ
る空気流の気温を検知するための気温センサとをアスピ
レータフレームに取り付けた自動車の室温検出用アスピ
レータにおいて、モータを電源に接続するための接続端
子と気温センサを制御回路に接続するための接続端子と
を、車室内の操作盤の背後に設けられたプリント基板に
形成された配線に直接接続されるようアスピレータフレ
ームの外面に突設させ、これにより配線構造を簡単化し
て取り扱い及び組み立てを容易にした構成（実公平７−
３４７４７号公報）等が提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の構成は
アスピレータのケースの一部をコントロールパネルと共
有化しただけのものであり、それによるコストの低減は
非常に小さく、かえってコントロールパネルの組み付け
工数が増加してしまうという問題を生じるものである。
一方、後者の構成によると、端子部の基板はコントロー
ルパネルと共有化されるという効果を奏するが、コント
ロールパネルとコントロールユニットとの間に必要なハ
ーネス本数及び端子数が増加してしまい、全体としての
コストの低減の度合いは小さいと言わざるをえない。

【０００４】本発明の目的は、従来のものに比べて大幅
にコストダウンを図ることができる、インカーセンサ及
びアスピレータファンを装置内に組み込んだ型式の自動
車用空気調和装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の特徴は、コントロールパネルを備えたケーシ
ング内に回路基板が取り付けられている制御装置を含ん
で成る自動車用空気調和装置において、前記回路基板
に、前記パネルに形成された吸気取入口から車室内の空
気をケーシング内に取り入れるためのアスピレータファ
ン及び該アスピレータファンの駆動回路を取り付けると
共に、車室内温度を検出するための検出素子を前記吸気
取入口から取り入れられた車室内空気の流路中に配置さ
れるよう前記回路基板上に取り付け、且つ冷却を必要と
する所要の部品の一部又は全部を前記流路内であって前
記検出素子よりも下流側に配置されるよう前記回路基板
に取り付けた点にある。

【０００６】冷却を必要とする所要の部品としては、比
較的大きな電流が流れる抵抗器、トランジスタ、集積回
路素子、放熱器等をその一例として挙げることができ
る。アスピレータファンによって吸気取入口から取り込
んだ車室内空気の流路を安定に得るため、吸気取入口と
アスピレータファンとの間にダクト又はハウジングを設
けるとより効果的である。冷却を必要とする所要の部品
はアスピレータファンの直後に配置されるのが好まし
い。

【０００７】アスピレータファンが回転すると、吸気取
入口から車室内の空気をケーシング内に取り込むことが
でき、これにより生じた空気流の流路内に配置された検
出素子は車室温と同一の温度となり車室内温度の検出が
可能となる。また、この空気流によって検出素子よりも
下流側に配置された抵抗器、トランジスタ、放熱器等の
強制空冷を行うことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例について詳細に説明する。

【０００９】図１は本発明により構成された自動車用空
気調和装置のための制御装置１を分解して示す断面図、
図２は制御装置１の分解した状態の斜視図である。図１
及び図２を参照しながら説明すると、制御装置１は自動
車用空気調和装置の本体装置（図示せず）を制御するた
めのものであり、ケース本体２と、運転者等が操作して
行う各種の操作スイッチ類が取り付けられておりケース
本体２の前部に装着されるコントロールパネル部３とを
有し、ケース本体２とコントロールパネル部３とが接続
されることにより形成される収納空間４内には回路基板
５が収納、配置される。

【００１０】コントロールパネル部３がケース本体２に
図示しない公知の手段によって固定された状態にあって
は、回路基板５は、その前端縁５Ａがコントロールパネ
ル部３の背面下端のスリット３Ａに挿通されてコントロ
ールパネル部３内に形成されている凹部３Ｂに嵌め込ま
れており、一方その後端縁５Ｂはケース本体２内に形成
されている凹部２Ａに嵌め込まれており、これにより回
路基板５がケース本体２とコントロールパネル部３とに
より形成される収納空間４内に位置決めされて固定され
る。なお、回路基板５には自動車用空気調和装置の本体
装置を制御するための公知の制御回路が組立られている
が、図１ではそれらの大部分は図示するのが省略されて
いる。なお、図３には、制御装置１の組立状態の外観が
斜視図にて示されている。

【００１１】この制御装置１では、コントロールパネル
部３に形成されたスリット状の吸気取入口６から車室内
の空気を連続的に取り入れ、これにより作られた車室内
空気の流路内に車室内温度を検出するたの検出素子であ
るサーミスタを配置してなるアスピレータ装置を構成す
るため、コントロールパネル部３内には隔壁体７により
比較的小さな室８が形成されている。そして、回路基板
５の室８に対応する部分には、サーミスタ８１、遮蔽板
８２、永久磁石８３Ｄがその下面に取り付けられている
アスピレータファン８３、永久磁石８３Ｄと協働してア
スピレータファン８３を回転駆動させるための駆動コイ
ル８４が図示の如く設けられており、これによりアスピ
レータ装置が構成されている。符号１１は、回路基板５
を外部の所要の回路と電気的にと接続するためのコネク
タである。

【００１２】図４には、回路基板５上に構成されたアス
ピレータ装置の構成が拡大して詳細に示されている。サ
ーミスタ８１は吸気取入口６の近傍に位置することにな
るよう回路基板５に半田付けされて固定され、これと同
時に所要の配線が完成するようになっている。アスピレ
ータファン８３は、回路基板５に接着、ビス止め等の適
宜の手段で固着された支持台８３Ａに堅固に垂設された
固定軸８３Ｂに回転自在に羽根部材８３Ｃが取り付けら
れて成っており、羽根部材８３Ｃの下面にはその周方向
に所定の間隔をあけて永久磁石片８３Ｄが取り付けられ
ている。一方、回路基板５の下面であって永久磁石片８
３Ｄの通過位置に対応した箇所に一組の駆動コイル８４
が接着、ねじ止め等の公知の適宜の手段で固定されてお
り、駆動コイル８４に図示しない駆動電流供給から駆動
電流を流すことにより羽根部材８３Ｃを回転させる公知
の構成となっている。

【００１３】サーミスタ８１とアスピレータファン８３
との間にはアスピレータファン８３の一部を覆うように
形成された遮蔽板８２が回路基板５に固定されており、
これによりアスピレータファン８３の羽根部材８３Ｃが
回転することにより、車室内の空気を吸気取入口６から
取り込み、室８内には矢印Ｘで示される室内空気の流路
が形成される。

【００１４】アスピレータファン８３の回転により室８
から排出された空気流の有効利用を図るため、アスピレ
ータファン８３の下流側には、回路基板５に取り付けら
れる各種部品のうち、冷却を必要とする部品が配置され
ている。図示の実施の形態においては、電源のレギュレ
ータＩＣ素子９１とドアモータ等の各種アクチュエータ
を駆動するための駆動用ＩＣ素子９２が室８の出口近傍
に配置されている。

【００１５】したがって、駆動コイル８４に所定の駆動
電流が供給されることにより羽根部材８３Ｃが回転する
と、吸気取入口６から室８内に取り付けられた車室内空
気はサーミスタ８１を車室内の温度と同一の温度とし、
且つレギュレータＩＣ素子９１及び駆動用ＩＣ素子９２
を強制空冷しそれらの温度上昇を低く抑えることができ
る。

【００１６】制御装置１は上述の如く構成されているの
で、次のような利点を得ることができる。 (1) アスピレータファン専用のケース及び基板が不要と
なるのでコストを大幅に低減させることができる。 (2) アスピレータファンとコントロールユニット間のハ
ーネス及びコネクタも不要となるのでコストの低減を図
ることができるほか、ハーネス断線やコネクタの接触不
良等の故障がなくなるので装置の信頼性を著しく高める
ことができる。 (3) アスピレータファンの気流による冷却効果で、温度
上昇の大きい素子の放熱器を削除又は小型化でき、コス
トダウンとなる。特に２４Ｖ系のコントロールユニット
では、電源レギュレータ等の温度上昇が大きい為、その
効果には著しいものがある。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、アスピレ
ータファン専用のケース及び基板が不要となり、アスピ
レータファンとコントロールユニット間のハーネス及び
コネクタも不要となるのでコストの低減を図ることがで
きるほか、ハーネス断線やコネクタの接触不良等の故障
がなくなるので装置の信頼性を著しく高めることができ
る。また、アスピレータファンの気流による冷却効果
で、温度上昇の大きい素子の放熱器を削除又は小型化で
き、この点からもコストの低減を期待することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明により構成された自動車用空気調和装置
のための制御装置を分解して示す断面図。

【図２】図１に示した制御装置の分解斜視図。

【図３】図１に示した制御装置を組み立てた状態の外観
を示す斜視図。

【図４】図１に示した制御装置の回路基板上に構成され
たアスピレータ装置の構成を拡大して詳細に示す洋舞拡
大断面図。

【符号の説明】

１ 制御装置 ２ ケース本体 ３ コントロールパネル部 ４ 収納空間 ５ 回路基板 ６ 吸気取入口 ８１ サーミスタ ８３ アスピレータファン ８４ 駆動コイル ９１ レギュレータＩＣ素子 ９２ 駆動用ＩＣ素子 Ｘ 流路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コントロールパネルを備えたケーシング
   内に回路基板が取り付けられている制御装置を含んで成
   る自動車用空気調和装置において、前記回路基板に、前
   記パネルに形成された吸気取入口から車室内の空気をケ
   ーシング内に取り入れるためのアスピレータファン及び
   該アスピレータファンの駆動回路を取り付けると共に、
   車室内温度を検出するための検出素子を前記吸気取入口
   から取り入れられた車室内空気の流路中に配置されるよ
   う前記回路基板上に取り付け、且つ冷却を必要とする所
   要の部品の一部又は全部を前記流路内であって前記検出
   素子よりも下流側に配置されるよう前記回路基板に取り
   付けたことを特徴とする自動車用空気調和装置。