JPH09121816A - 簡易にもどせる保存クラゲの製造方法 - Google Patents

簡易にもどせる保存クラゲの製造方法

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JPH09121816A
JPH09121816A JP7311564A JP31156495A JPH09121816A JP H09121816 A JPH09121816 A JP H09121816A JP 7311564 A JP7311564 A JP 7311564A JP 31156495 A JP31156495 A JP 31156495A JP H09121816 A JPH09121816 A JP H09121816A
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salted
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に熟練を要せず、簡単な操作によって、安
定した品質を有し歯ごたえ,歯ざわりの良好なクラゲを
得ることができる、保存クラゲの製造方法を提供する。 【解決手段】 保存クラゲの製造方法は、(a)塩蔵ク
ラゲを熱水中に浸漬して、前記塩蔵クラゲの総重量に対
して25〜35重量%に相当する水分を除去する工程、
(b)工程(a)で得られたクラゲを水にさらして塩な
どを除去する工程、(c)脱水処理によって工程(b)
で得られたクラゲの水分を除去し、該クラゲの重量を前
記塩蔵クラゲの総重量に対し45〜55重量%とする工
程、および(d)工程(c)で得られたクラゲを有機酸
および食塩を含む溶液で浸漬処理する工程、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は簡易にもどせる保存
クラゲ(以下、これを「簡易クラゲ」という)の製造方
法、特に簡単な湯通し,冷却のみで塩抜きや水戻しの手
間のかからない、品質の安定したクラゲを簡単に得るこ
とができる簡易クラゲの製造方法に関する。
【0002】
【技術の背景および発明が解決しようとする課題】通
常、塩蔵品の塩クラゲ(以下、「塩蔵クラゲ」という)
を食用に供するためには、まず皮状の塩蔵クラゲを好み
の幅に切り、次にこのきざみクラゲを90〜100℃程
度の熱水よって湯通しした後、直ちに冷水で浸水または
流水にて数時間〜2日間程度をかけて塩とミョウバンを
抜き、クラゲを戻す、いわゆる水戻しを行う。この湯通
しおよび水戻しを行うことにより、塩とミョウバンを抜
くと共に、クラゲの肉質の歯ごたえ,歯ざわりを良くす
ることができる。そして、さらに好ましい膨らみを得る
ために、クラゲを数回にわたって手でよく揉む。そし
て、水戻しの終わったクラゲに、醤油,塩,砂糖,食
酢,ゴマ油,化学調味料等を用いて好みの味付けを行
う。
【0003】このように、従来、塩蔵クラゲを食するに
は、クラゲの肉質を締めて歯ごたえ,歯ざわりを良くす
ると共に、塩とミョウバンを除去して膨らみを良くする
ために、湯通し,水戻しを行う必要があった。しかし、
従来の方法では、湯通しは温度と時間の正確な管理が必
要であり、水戻しは手間と時間がかかり、さらに品質の
バラツキを起こしやすく、熟練を要する。
【0004】本発明は、このような背景のもとに成され
たものであり、その目的とするところは、特に熟練を要
せず、簡単な操作によって、安定した品質を有し歯ごた
え,歯ざわりの良好なクラゲを得ることができる、簡易
クラゲの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る簡易クラゲ
の製造方法は、(a)塩蔵クラゲを熱水中に浸漬して、
前記塩蔵クラゲの総重量に対して25〜35重量%に相
当する水分を除去する工程、(b)工程(a)で得られ
たクラゲを水にさらして塩などを除去する工程、(c)
脱水処理によって工程(b)で得られたクラゲの水分を
除去し、該クラゲの重量を前記塩蔵クラゲの総重量に対
し45〜55重量%とする工程、および(d)工程
(c)で得られたクラゲを有機酸および食塩を含む溶液
で侵漬処理する工程、を含むことを特徴とする。
【0006】前記工程(a)においては、原料である塩
蔵クラゲを熱水に浸すことにより、塩蔵クラゲが熱水の
熱によって収縮して肉質を締めると共に水分を放出す
る。工程(a)において、塩蔵クラゲの総重量に対して
除去される水分の割合が25重量%より少ないと、クラ
ゲの熱収縮が不十分で、塩,ミョウバンをぬくための水
戻し工程に時間がかかり、また使用時の湯通し工程にお
いてクラゲの熱収縮が大きく水で冷やすだけではすぐに
戻らず、従来の湯通し,水戻しと同様な処理が必要とな
る。一方、塩蔵クラゲの総重量に対して除去される水分
の割合が35重量%をこえると、クラゲの熱収縮が大き
く成りすぎ歩留まりが悪くなる。
【0007】また、この工程(a)において、熱水の温
度を好ましくは70〜80℃とする。塩蔵クラゲを熱水
中に浸漬する時間は、熱水の温度によっても異なるが、
通常は10〜40秒程度とすることが望ましい。
【0008】前記工程(b)においては、前記工程
(a)で得られたクラゲを流水で2〜5時間に亘ってさ
らすことが好ましく、この工程によって塩蔵クラゲに含
まれる塩やミョウバンなどを除去することができる。こ
の工程(b)が終わった時点で、クラゲの重量は前記塩
蔵クラゲの総重量に対し、好ましくは75〜85重量%
とされる。
【0009】続いて、前記工程(c)の脱水処理が行わ
れる。この脱水処理においては、例えば遠心脱水機を用
いて工程(b)で得られたクラゲの水分を強制的に脱水
し、クラゲの重量を前記塩蔵クラゲの総重量に対し45
〜55重量%とする。
【0010】この脱水処理を行うことにより、次の工程
(d)の工程において、有機酸および食塩を含む浸漬液
の吸収をよくし、保存性を高めることができる。工程
(c)において、クラゲの重量が前記塩蔵クラゲの総重
量に対し45重量%未満であると、工程(d)において
有機酸および食塩を含む溶液の吸収率が不十分となり、
好ましくない細菌の繁殖を招きやすくなる。また、クラ
ゲの重量が前記塩蔵クラゲの総重量に対し、55重量%
を越えると、工程(d)における溶液の吸収率は高くな
るものの、歩留まりが悪く経済性に欠ける。
【0011】次いで、工程(d)において、工程(c)
で得られた脱水処理後のクラゲを有機酸および食塩を含
む溶液を用いて浸漬処理を行う。この浸漬処理によっ
て、クラゲの保存性を高める。このときに用いられる溶
液のpHを2.5〜3.0に調整し、浸漬後のクラゲの
pHを4.0〜4.5にすることが望ましい。クラゲの
pHが4.0より小さいと、pHが小さくなるにつれて
保存性が良好になるが保存後のクラゲを戻したときに歯
ごたえが悪くなる。また、pHが4.5より大きいと、
pHが大きくなるにつれて保存性にかける。
【0012】このようにして得られた本発明の簡易クラ
ゲは、ナイロンやポリエチレンなどのプラスチック製の
袋などに入れられ、さらに真空包装されることが好まし
い。そして、クラゲを食する場合には、包装袋から取り
出した後、熱水で短時間湯通しを行い、直ちに冷水で冷
やすことにより使用することができる。
【0013】以上のように、本発明の簡易クラゲの製造
方法によれば、湯通し,冷却の簡単な操作で特に熟練を
要さずに品質の安定した良好なクラゲを得ることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の保存クラゲの製造
方法の好ましい実施の形態の一例について述べる。
【0015】まず、皮状の塩蔵クラゲを適当な幅に刻
み、刻み塩クラゲを作成する。ここでは、例えば裁断機
を使用して塩クラゲの幅を均等にすることが好ましい。
【0016】次いで、刻み塩クラゲを洗浄し、ゴミ,汚
れ,塩,ミョウバンなどを除去する。ここでは、例えば
回転式ドラム洗浄機で注水しながら15〜20分間洗浄
を行う。
【0017】次いで、洗浄された刻み塩クラゲを例えば
8〜10倍量以上の70〜80℃(例えば80℃)の熱
水に10〜40秒間(例えば30秒)浸すことにより、
塩クラゲが熱水の熱により収縮することによって水分を
出す。このときの脱水率は、原料である塩蔵クラゲの総
重量の25〜35重量%(例えば30重量%)となるよ
うに熱水の温度および浸漬時間を調整する。この工程を
経ることにより、クラゲの食感を良好に保ちながら、次
の工程における塩やミョウバンの除去を効率的に行うこ
とができる。
【0018】次いで、塩クラゲを例えば流水で2〜5時
間さらすことにより、塩やミョウバンをほぼ完全に抜く
ことができる。この水さらしの工程によって、クラゲの
重量は、前記塩蔵クラゲの総重量に対し75〜85重量
%(例えば80重量%)となる。
【0019】次いで、例えば遠心脱水機を用いてクラゲ
の脱水を行い、クラゲの重量を前記塩蔵クラゲの総重量
に対し45〜55重量%とする。このようにクラゲの水
分をある程度除去することにより、次工程の浸漬処理に
おける溶液の吸収効率を高め、保存性を良くすることが
できる。
【0020】次に、クラゲの約2倍量に相当する、食酢
酸および食塩を含む溶液に12〜18時間つけ込み、ク
ラゲの重量を前記塩蔵クラゲの75〜85重量%(例え
ば80重量%)に調整する。前記溶液はクラゲの保存性
を高めるために、有機酸例えば酢酸、クエン酸、リンゴ
酸、あるいはこれらを含む食酢、好ましくは抗菌性の高
い酢酸を含み、そのpHは2.5〜3.0に調整され浸
漬後のクラゲのpHを4.0〜4.5にすることが好ま
しい。また、前記溶液には、1.0〜1.5重量%(例
えば1.5重量%)の食塩が含まれることが好ましい。
このように食塩を加えることにより、クラゲの保存性を
より高めると共に、有機酸によって軟化されやすいクラ
ゲの肉質を堅くし、また保水性を高め、良好な歯ごた
え,歯ざわりを保持することができる。この溶液処理に
よって、クラゲは、例えば5℃の冷蔵で90日間保存し
ても、良好な保存性並びに良好な品質を得ることができ
る。
【0021】このようにして得られたクラゲは、例え
ば、ナイロンやポリエチレン製の袋にクラゲとクラゲに
対し10重量%程度の保存用の前記溶液を詰めた後、真
空包装によって包装されることが望ましい。包装された
クラゲは好ましくは、例えば5℃程度の冷蔵保存を行
う。
【0022】本発明の簡易クラゲを食する場合には、包
装から取り出したクラゲをそのまままたは水洗いした
後、80〜90℃の熱水にてクラゲがカールするまで約
10〜30秒間浸漬して湯通しを行い、その後直ちにク
ラゲを冷水によって冷やす。このように、本発明の簡易
クラゲによれば、簡単な湯通しと冷却とによって特に熟
練を要さず、良好な歯ごたえ,歯ざわりを有する高品質
のクラゲを提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)塩蔵クラゲを熱水中に浸漬して、
    前記塩蔵クラゲの総重量に対して25〜35重量%に相
    当する水分を除去する工程、 (b)工程(a)で得られたクラゲを水にさらして塩な
    どを除去する工程、 (c)脱水処理によって工程(b)で得られたクラゲの
    水分を除去し、該クラゲの重量を前記塩蔵クラゲの総重
    量に対し45〜55重量%とする工程、および (d)工程(c)で得られたクラゲを有機酸および食塩
    を含む溶液で浸漬処理する工程、 を含むことを特徴とする、簡易にもどせる保存クラゲの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 工程(a)において、前記熱水は70〜80℃であるこ
    とを特徴とする、簡易にもどせる保存クラゲの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 工程(d)において、前記溶液をpH2.5〜3.0に
    調整し浸漬後のクラゲのpHを4.0〜4.5とするこ
    とを特徴とする、簡易にもどせる保存クラゲの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2144978A1 (es) * 1998-12-15 2000-06-16 Inversoga S L L Procedimiento para la elaboracion de medusas y su transformacion en un producto alimenticio.
JP2015019665A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 ボソン カンパニー, リミテッド 低塩の塩蔵クラゲ
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KR20200080857A (ko) * 2018-12-27 2020-07-07 주식회사 나눔푸드 해파리 젓갈의 제조방법 및 이로부터 제조되는 해파리 젓갈

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