JPH09118874A - 帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物

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JPH09118874A
JPH09118874A JP7277613A JP27761395A JPH09118874A JP H09118874 A JPH09118874 A JP H09118874A JP 7277613 A JP7277613 A JP 7277613A JP 27761395 A JP27761395 A JP 27761395A JP H09118874 A JPH09118874 A JP H09118874A
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JP
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glycol
poly
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antistatic
urethane
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JP7277613A
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Takehisa Mizuno
武久 水野
Tetsuya Yamazaki
哲也 山崎
Katsuji Takahashi
勝治 高橋
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリエーテルエステルウレタン、例えば
ポリ(エチレンオキシド)グリコールとエチレングリコ
ールとテレフタル酸ジメチルとヘキサメチレンジイソシ
アネートとを必須成分とするポリエーテルエステルウレ
タンからなる帯電防止剤、およびこの帯電防止剤と熱可
塑性樹脂を必須成分として含有する帯電防止性樹脂組成
物。 【効果】 帯電防止剤は、熱可塑性樹脂に対し、優
れた帯電防止効果と優れた帯電防止効果の持続性とを付
与することができる。また、帯電防止性樹脂組成物は、
優れた帯電防止性と優れた帯電防止性の持続性を有し、
しかも機械的性質も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止効果と帯
電防止効果の持続性とに優れた帯電防止剤、およびこの
帯電防止剤を含有してなる帯電防止性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、一般に軽量で成形加工
性に優れ、また耐熱性、機械物性、電気的性質も良好
で、その上美観にも優れるため、電気製品のハウジング
材、電気部品、自動車部品、包装材料等、各種用途に多
量に使用されている。しかし、熱可塑性樹脂は、帯電防
止性に劣るため、それを使った製品に静電気によりホコ
リが付着し易く、美観を損ねたり、帯電した静電気によ
り電気製品、部品が誤作動したりするなどの欠点を有し
ている。
【0003】これらの欠点を改善するために、通常各種
の帯電防止剤、特に帯電防止効果の持続性に優れる帯電
防止剤、例えばポリエーテルエステル、ポリエーテルエ
ステルアミド等を熱可塑性樹脂に添加することがなされ
ている(特開平6−57153号公報、特開昭60−2
3435号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミド等の
帯電防止剤は、帯電防止効果が必ずしも十分でなく、し
かもこれを熱可塑性樹脂に添加して得られる帯電防止性
樹脂組成物は、曲げ弾性率や衝撃強度等の機械的性質に
劣るという課題を有していた。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、熱可塑
性樹脂用の添加型の帯電防止剤として、帯電防止効果と
帯電防止効果の持続性とに優れる帯電防止剤と、帯電防
止効果と帯電防止効果の持続性とに優れ、しかも曲げ弾
性率や衝撃強度等の機械的性質も良好な帯電防止性樹脂
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、エーテル結合
と、エステル結合と、ウレタン結合とを有するポリエー
テルエステルウレタンが、優れた帯電防止効果と優れた
帯電防止効果の持続性とを有すること、およびこれを単
独又は他の帯電防止剤や添加剤と共に熱可塑性樹脂に添
加して得られる帯電防止性樹脂組成物は、優れた帯電防
止性と優れた帯電防止性の持続性とを有し、しかも曲げ
弾性率や衝撃強度等の機械的性質も良好で、電化製品の
ハウジング材、電気製品の部品、自動車部品、包装材
料、家具等に有用であることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】即ち、本発明は、エーテル結合と、エステ
ル結合と、ウレタン結合とを有するポリエーテルエステ
ルウレタンからなることを特徴とする帯電防止剤、およ
び上記帯電防止剤と、熱可塑性樹脂を必須成分として含
有することを特徴とする帯電防止性樹脂組成物、を提供
するものである。
【0008】以下に、本発明につき詳細に説明する。本
発明の帯電防止剤としては、ポリエーテルエステルウレ
タンを含有してなるものであればよく、例えばポリエー
テルエステルウレタンの単独、ポリエーテルエステルウ
レタンと他の帯電防止性化合物との混合物等が挙げられ
る。
【0009】ここで用いるポリエーテルエステルウレタ
ンとしては、エーテル結合と、エステル結合と、ウレタ
ン結合とを有するものであればよく、通常はポリ(アル
キレンオキシド)構造に由来したエーテル結合を有し、
当該ポリ(アルキレンオキシド)構造部位の含有率が1
0〜90重量%、好ましくは40〜80重量%で、かつ
エステル結合とウレタン結合の数の比(エステル結合数
/ウレタン結合数)が1/5〜30/1、好ましくは1
/2〜20/1であるポリエーテルエステルウレタンを
用いるが、なかでも帯電防止効果と帯電防止効果の持続
性とに優れることから、ポリ(アルキレンオキシド)グ
リコール(a1 )と、炭素原子数2〜8のグリコール
〔ただし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール(a
1 )を除く〕(a2 )と、炭素原子数4〜20の多価カ
ルボン酸、その酸無水物およびそれらのエステル体から
なる群から選ばれる1種以上の多価カルボン酸系化合物
(a 3 )と、有機ポリイソシアネート(a4 )とを必須
の構成成分として含有するポリエーテルエステルウレタ
ンが特に好ましい。
【0010】上記ポリエーテルエステルウレタン中に必
須の構成成分として含有されるポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール(a1 )と、炭素原指数2〜8のグリコ
ール(a2 )と、多価カルボン酸系化合物(a3 )と、
有機ポリイソシアネート(a 4 )の割合は、特に限定さ
れないが、通常(a1 )10〜90重量%、(a2 )2
〜30重量%、(a3 )7〜70重量%、(a4 )0.
1〜40重量%〔ただし、(a1 )と(a2 )と(a
3 )と(a4 )の合計は100重量%〕であり、なかで
も帯電防止効果が高く、熱可塑性樹脂との相溶性が良好
で、機械的性質、耐熱性等に優れる帯電防止性樹脂組成
物が得られることから、(a1 )40〜80重量%、
(a2 )3〜20重量%、(a3 )13〜55重量%、
(a4 )0.5〜20重量%が好ましい。
【0011】本発明においてポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール(a1 )としては、特に制限されるもの
ではなく、例えばポリ(エチレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、
ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(1,2
−ブチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレ
ンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドのブロック又はランダム共重合体、エチレン
オキシドとテトラヒドロフランのブロック又はランダム
共重合体等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用
いる。
【0012】上記ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル(a1 )は、分子量の大きさに制限されないで用いる
ことができるが、通常は数平均分子量200〜20,0
00のものを用いる。なかでも、帯電防止効果に優れる
ポリエーテルエステルウレタンが得られると共に価格が
安いことから、数平均分子量400〜6,000のもの
が好ましく、特に数平均分子量400〜4,000のも
のが好ましい。
【0013】また、これらポリ(アルキレンオキシド)
グリコール(a1 )の中では、帯電防止効果に優れるポ
リエーテルエステルウレタンが得られることから、アル
キレンオキシド構造単位の炭素原子数が2〜4のものが
好ましく、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシド構造
単位の具体例としては、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、1,2−ブチレンオキシド、テトラメチレン
オキシド等が挙げられる。なかでも、特に帯電防止効果
の優れるポリエーテルエステルウレタンが得られること
から、分子中に含まれるエチレンオキシド構造部位の平
均含有率が50重量%以上のポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールが特に好ましく、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコールが最も好ましい。
【0014】本発明における炭素原子数2〜8のグリコ
ール〔ただし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
(a1 )を除く。以下、このただし書きを省略する。〕
(a 2 )としては、例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,2−ブチレングリコール、トリメチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル
−1,3−プロピレングリコール、オクタメチレングリ
コール等のアルキレングリコールを通常用いるが、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキ
サンジオール等の脂環式炭化水素ジオールなどを用いる
こともでき、これらは1種又は2種以上で用いる。
【0015】上記アルキレングリコールとしては、なか
でも曲げ弾性率や衝撃強度等の機械的性質に優れる帯電
防止性樹脂組成物が得られることから、炭素原子数2〜
4のアルキレングリコールが好ましく、エチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
【0016】本発明における多価カルボン酸系化合物
(a3 )としては、炭素原指数4〜20の二価、三価お
よび四価以上のカルボン酸、その酸無水物、およびそれ
らのエステル体の単独又は二種以上の混合物等が挙げら
れる。
【0017】上記二価カルボン酸およびその酸無水物と
しては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−
2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホ
イソフタル酸ナトリウム、およびこれらのアルキル核置
換体やハロゲン核置換体等の芳香族ジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸およびジシクロヘキシル−4,4′−
ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュ
ウ酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等が挙げられる。
【0018】三価カルボン酸およびその酸無水物として
は、例えば1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−
ナフタレントリカルボン酸、2,6,7−ナフタレント
リカルボン酸、3,3′,4−ジフェニルトリカルボン
酸、ベンゾフェノン3,3′,4−トリカルボン酸、ジ
フェニルエーテル−3,3′,4−トリカルボン酸、お
よびこれらのアルキル核置換体、ハロゲン核置換体等の
芳香族トリカルボン酸、エチレン−1,1,2−トリカ
ルボン酸、プロピレン−1,2,3−トリカルボン酸等
の脂肪族トリカルボン酸、およびこれらの無水物等が挙
げられる。
【0019】四価カルボン酸およびその酸無水物として
は、例えばピロメリット酸、ジフェニル−2,2′,
3,3′−テトラカルボン酸、ベンゾフェノン−2,
2′,3,3′−テトラカルボン酸、ジフェニルスルホ
ン−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸、ジフェニ
ルエーテル−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸等の芳香
族テトラカルボン酸、エチレン−1,1,2,2−テト
ラカルボン酸、プロピレン−1,1,3,3−テトラカ
ルボン酸等の脂肪族テトラカルボン酸、およびこれらの
モノ無水物や二無水物等が挙げられる。
【0020】また、多価カルボン酸およびその酸無水物
のエステル体とは、上記多価カルボン酸やその酸無水物
のモノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、テ
トラエステル体などの多価カルボン酸やその酸無水物の
一部又は全部がエステル化された化合物が挙げられ、な
かでもアルキルエステル体、特にメチルエステルやエチ
ルエステルなどの炭素原子数が6以下の低級アルキルエ
ステル体、例えばテレフタル酸モノメチル、テレフタル
酸モノエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ
メチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、
マロン酸ジエチル、トリメリット酸モノメチル、モノメ
チルトリメリット酸無水物、トリメリット酸トリメチ
ル、ピロメリット酸テトラメチル、エチレンテトラカル
ボン酸テトラメチルエステル等が好ましい。
【0021】これら多価カルボン酸系化合物(a3 )の
中で好ましいものとしは、芳香族ジカルボン酸および/
又はそのアルキルエステル体が挙げられ、特にテレフタ
ル酸とそのジメチルエステル体が好ましい。
【0022】尚、トリメリット酸、ピロメリット酸等の
三価以上の多価カルボン酸、その酸無水物、およびそれ
らのエステル体を併用すると、ポリエーテルエステルウ
レタンの分子量を容易に上げることができ、好ましい場
合もある。
【0023】上記多価カルボン酸系化合物(a3 )は、
1種または2種以上で用いる。本発明における有機ポリ
イソシアネート(a4 )としては、例えばエチレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレ
ンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチル
カプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマ
レート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネー
ト、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シ
クロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
レンジイソシアネート(水添TDI)、トリレンジイソ
シアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ジエチルベンゼンジイソシアネート、1,6,1
1−ウンデカントリイソシアネートなどが挙げられる。
【0024】これら有機ポリイソシアネート(a4 )の
中では、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、特にヘキ
サメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジ
イソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジ
イソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネ
ート(水添TDI)が好ましい。最も好ましいものとし
ては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)が挙げられる。
【0025】本発明で用いるポリエーテルエステルウレ
タンの製造方法に関しては、特に限定されないが、例え
ばポリ(アルキレンオキシド)グリコール(a1
と、炭素原子数2〜8のグリコール(a2 )と、多価カ
ルボン酸系化合物(a3 )の反応により末端水酸基のポ
リエーテルエステルを得、これと有機ポリイソシアネー
ト(a4 )とを反応させることによりポリエーテルエス
テルウレタンを得る方法、ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール(a1 )および/又は炭素原子数2〜8
のグリコール(a2 )と、多価カルボン酸系化合物(a
3 )の反応により末端水酸基のポリエーテルエステル又
は末端水酸基のポリエステルを得、これにポリ(アルキ
レンオキシド)グリコール(a1 )および/又は炭素原
子数2〜8のグリコール(a2 )を加え、さらに有機ポ
リイソシアネート(a4 )と反応させることによりポリ
エーテルエステルウレタンを得る方法、等が挙げられ
る。
【0026】上記、の方法において、末端水酸基の
ポリエーテルエステル又は末端水酸基のポリエステルの
製造方法は特に限定されないが、反応の第一段階で触媒
の存在下に多価カルボン酸系化合物(a3 )とポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコール(a1 )および/又は炭
素原子数2〜8のグリコール(a2 )とのエステル化反
応および/又はエステル交換反応を行い、引続いて第二
段階で触媒の存在下に高温減圧下で重縮合する方法が好
ましい。尚、反応の第一段階では、通常炭素原子数2〜
8のグリコール(a2 )を多価カルボン酸系化合物(a
3 )に対して過剰に用いる。
【0027】ここで用いる触媒としては、非常に多くの
化合物が有効であることが知られているが、特に第一段
階の反応ではアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸
塩等が、また第二段階の反応では亜鉛、マンガン、コバ
ルト、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、スズ、ジル
コニウムの化合物等が挙げられ、特にエステル交換反応
や重縮合反応等全てに有効な触媒としてテトラアルキル
チタネート、蓚酸スズが好ましい。これらの触媒はポリ
エーテルエステルの全反応原料100重量部に対して、
通常0.005〜0.3重量部使用される。
【0028】また、上記末端水酸基のポリエーテルエス
テル又は末端水酸基のポリエステルの製造方法に際して
は、その製造中又はその製造後の任意の時期に酸化防止
剤を加えることができ、例えば第二段階の重縮合工程に
入る時点等で重縮合反応を阻害しない酸化防止剤を加え
ることができる。
【0029】これらの酸化防止剤としては、リン酸、亜
リン酸の脂肪族、芳香族エステル又はフェノール系誘導
体等が挙げられ、なかでも特に高度に立体障害を示す基
をもつ、いわゆるヒンダードフェノール類が好ましい。
更に数種の酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤を併用
するのも好ましい。
【0030】また、上記の方法における末端水酸基の
ポリエーテルエステルと有機ポリイソシアネート(a
4 )との反応、および上記の方法における末端水酸基
のポリエーテルエステル又は末端水酸基のポリエステル
とポリ(アルキレンオキシド)グリコール(a1 )およ
び/又は炭素原子数2〜8のアルキレングリコール(a
2 )と有機ポリイソシアネート(a4 )との反応は、例
えばイソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)の当
量比(NCO/OH)が0.5〜1.5、好ましくは
0.7〜1.1となる範囲でこれらを混合し、温度80
〜250℃で、1時間〜5時間のような条件下で行うこ
とができる。この反応は、反応を促進させるために触媒
を用いて実施できるが、触媒を用いずに実施することも
可能である。ポリエーテルエステルウレタンの分岐を抑
制するためには、触媒を用いずに実施する方が好まし
い。
【0031】ポリエーテルエステルウレタンの数平均分
子量は、特に限定されないが、通常ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算で
5,000〜500,000の範囲であり、なかでもポ
リマーの分枝等に由来する不溶不融のゲルの発生が少な
く、機械的性質、耐熱性等に優れる帯電防止性樹脂組成
物が得られることから、20,000〜200,000
の範囲が好ましい。
【0032】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、上記ポ
リエーテルエステルウレタンからなる本発明の帯電防止
剤を熱可塑性樹脂に添加することにより得ることができ
る。本発明の帯電防止性樹脂組成物全体に占めるポリエ
ーテルエステルウレタンの含有率は、特に限定されない
が、通常1〜30重量%、なかでも帯電防止効果と機械
的性質に優れる帯電防止性樹脂組成物が得られることか
ら、5〜25重量%が好ましい。
【0033】本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、
特に限定されるものではなく、例えばポリスチレン樹
脂、ポリメチルスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹
脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重
合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ア
クリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリ
ロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合
体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂、ABS樹脂とポ
リカーボネイトのアロイ、ABS樹脂とポリエステル系
樹脂のアロイ、ABS樹脂とポリアミド系樹脂のアロ
イ、ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドのアロイ
等のスチレン系樹脂を1成分として含むポリマーアロ
イ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレ
ート、ポリブチレンナフタレンジカルボキシレート、ポ
リヘキサメチレンナフタレンジカルボキシレート等のポ
リエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等のオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン
66等のポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂とポ
リエステル系樹脂のアロイ、ポリカーボネート樹脂とポ
リアミド樹脂のアロイなどが挙げられる。
【0034】これら熱可塑性樹脂のなかでも、帯電防止
剤との相溶性に優れ、帯電防止効果の改善効果が顕著と
なることから、HIPS樹脂、ABS樹脂等に代表され
るスチレン系樹脂およびABS樹脂とPCのアロイ等に
代表されるスチレン系樹脂を含むポリマーアロイが好ま
しく、特にスチレン系樹脂が好ましい。
【0035】本発明の帯電防止性樹脂組成物としては、
ポリエーテルエステルウレタンの単独からなる帯電防止
剤を添加したものでも十分な帯電防止性を有している
が、用途によっては他の帯電防止性化合物、なかでもイ
オン性帯電防止剤を併用すると、ポリエーテルエステル
ウレタンとの相互作用により帯電防止性能が著しく向上
し、好ましい。帯電防止性樹脂組成物全体に占めるイオ
ン性帯電防止剤の含有率は、通常5重量%以下であり、
なかでも着色、物性低下、表面の粗面化が少なく良好な
帯電防止性樹脂組成物が得られることから、0.1〜3
重量%が好ましい。
【0036】ここで用いるイオン性帯電防止剤の添加時
期は、特に制限されないが、通常は帯電防止性樹脂組成
物の製造に際してポリエーテルエステルウレタンと共に
熱可塑性樹脂に混合する。
【0037】上記イオン性帯電防止剤の代表例として
は、一般式(I)
【0038】
【化1】R−SO3M ・・・(I) で表されるスルホン酸金属塩が挙げられる。
【0039】上記一般式(I)で表されるスルホン酸金
属塩は、式中のRがアルキル基、アルキルアリール基又
はアリール基、Mがアルカリ金属又はアルカリ土類金属
から構成されるスルホン酸金属塩であればいかなるもの
でもよいが、特にRが炭素原子数8〜30程度のアルキ
ル基又はアルキルアリール基、Mがナトリウム、カリウ
ム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムであるもの
が好ましい。
【0040】このようなスルホン酸金属塩としては、例
えばオクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸
ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルス
ルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウ
ム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホ
ン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、
ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデシルスル
ホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウ
ム、ドデシルスルホン酸マグネシウム、ドデシルスルホ
ン酸カルシウム等が挙げられ、なかでもドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウ
ムが好ましい。
【0041】本発明の帯電防止性樹脂組成物には、公知
の添加剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,
6−ジメチルフェノール、2,2−メチレンビス−(4
−エチル−6−t−メチルフェノール)、4,4′−チ
オビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニル
フェニル)ホスファイト等の酸化防止剤、p−t−ブチ
ルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−(2′−ヒドロキシ−
4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等
の紫外線吸収剤、パラフィンワックス、ステアリン酸、
硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレ
ート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリル
アルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド等
等の滑剤、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、ほう
酸亜鉛、トリクレジルホスフェート、トリス(ジクロロ
プロピル)ホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブ
ロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビス
フェノールA等の難燃剤、酸化チタン、カーボンブラッ
ク、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン
系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインド
リノン系顔料等の着色剤、炭酸カルシウム、クレー、シ
リカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等の重点剤
などを必要に応じて添加することができる。
【0042】本発明の帯電防止性樹脂組成物の製造方法
は、特に限定されるものではないが、例えばポリエー
テルエステルウレタン、熱可塑性樹脂、および必要に応
じてスルホン酸金属塩やその他の添加剤成分を所定量配
合し、必要に応じてヘンシェルミキサー、タンブラーミ
キサー等の混合機で予備混合した後、押出機、ニーダ
ー、熱ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練をする
方法、予めポリエーテルエステルウレタンと、スルホ
ン酸金属塩やその他の添加剤成分とを混合、好ましくは
溶融混練して帯電防止剤とし、これと熱可塑性樹脂と
を、必要に応じてヘンシェルミキサー、タンブラーミキ
サー等の混合機で予備混合した後、押出機、ニーダー、
熱ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練をする方法
等が挙げられる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の帯電防止剤は、エーテル
結合と、エステル結合と、ウレタン結合とを有するポリ
エーテルエステルウレタンからなるものであり、例えば
ポリ(アルキレンオキシド)構造に由来したエーテル結
合を有し、当該ポリ(アルキレンオキシド)構造部位の
含有率が10〜90重量%で、かつエステル結合とウレ
タン結合の数の比(エステル結合数/ウレタン結合数)
が1/5〜30/1であるポリエーテルエステルウレタ
ン、好ましくはポリ(アルキレンオキシド)グリコール
(a1 )と、炭素原子数2〜8のグリコール(a2
と、炭素原子数4〜20の多価カルボン酸、その酸無水
物およびそれらのエステル体からなる群から選ばれる1
種以上の多価カルボン酸系化合物(a3 )と、有機ポリ
イソシアネート(a 4 )とを必須の構成成分として含有
するポリエーテルエステルウレタンの単独、又はこのポ
リエーテルエステルウレタンと他の帯電防止性化合物と
の混合物等が挙げられる。
【0044】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、上記ポ
リエーテルエステルウレタンからなる本発明の帯電防止
剤と熱可塑性樹脂とを必須成分として含有するものであ
り、例えば上記ポリエーテルエステルウレタン、スチレ
ン系樹脂、スチレン系樹脂を含むポリマーアロイ等の熱
可塑性樹脂、および必要に応じてスルホン酸金属塩等の
その他の帯電防止剤やその他の添加剤成分を所定量配合
し、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の混合
機で予備混合した後、押出機、ニーダー、熱ロール、バ
ンバリーミキサー等で溶融混練をする等の方法により得
られる。
【0045】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、例中において%および部は、いずれも重
量基準である。
【0046】実施例1 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量572のポリ(エチレンオキシド)
グリコール343部、テレフタル酸ジメチル233部、
エチレングリコール224部および触媒としてテトラブ
チルチタネート0.8部を仕込み、窒素流入下210℃
でメタノールを除去しながら2時間撹拌を続け、次いで
20mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の
留出物を除去しながら、210℃にて4時間反応を進行
させて、末端水酸基のポリエーテルエステル(水酸基当
量805)558部を得た。
【0047】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でヘキサメチレンジイソシアネート55部を2時
間かけて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け、赤外分
光分析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パ
ンに取り出して冷却した後、カッティングして、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーを用いた標準ポリス
チレン換算数平均分子量46,000のポリエーテルエ
ステルウレタンからなるペレット状の帯電防止剤を得
た。以下、これを帯電防止剤Aと称する。
【0048】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合〔ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール(a1 )と、炭素原子数2〜8のグリコ
ール(a2 )と、多価カルボン酸系化合物(a3 )と、
有機ポリイソシアネート(a 4 )の割合〕と、エステル
結合とウレタン結合の数の比(エステル結合数/ウレタ
ン結合数)を、表1に示す。
【0049】実施例2 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量572のポリ(エチレンオキシド)
グリコール400部、テレフタル酸ジメチル204部、
エチレングリコール196部および触媒としてテトラブ
チルチタネート0.8部を仕込み、窒素流入下210℃
でメタノールを除去しながら2時間撹拌を続け、次いで
5mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留
出物を除去しながら、210℃にて4時間反応を進行さ
せて、末端水酸基のポリエーテルエステル(水酸基当量
3,130)564部を得た。
【0050】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でヘキサメチレンジイソシアネート13部を2時
間かけて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け、赤外分
光分析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パ
ンに取り出して冷却した後、カッティングして、数平均
分子量58,000のポリエーテルエステルウレタンか
らなるペレット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯
電防止剤Bと称する。
【0051】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表1に示す。
【0052】実施例3 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量1,011のポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール404部、テレフタル酸199部、エチ
レングリコール223部および触媒として三酸化アンチ
モン0.4部を仕込み、窒素流入下210℃でメタノー
ルを除去しながら2時間撹拌を続け、次いで10mmH
gの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留出物を除
去しながら、210℃にて4時間反応を進行させて、末
端水酸基のポリエーテルエステル(水酸基当量158
0)622部を得た。
【0053】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でヘキサメチレンジイソシアネート32部を2時
間かけて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け赤外分光
分析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パン
に取り出して冷却した後、カッティングして、数平均分
子量180,000のポリエーテルエステルウレタンか
らなるペレット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯
電防止剤Cと称する。
【0054】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表1に示す。
【0055】実施例4 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量1,011のポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール404部、テレフタル酸ジメチル155
部、エチレングリコール149部および触媒としてシュ
ウ酸スズ0.7部を仕込み、窒素流入下210℃でメタ
ノールを除去しながら2時間撹拌を続け、次いで40m
mHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留出物
を除去しながら、210℃にて4時間反応を進行させ
て、末端水酸基のポリエーテルエステル(水酸基当量5
56)565部を得た。
【0056】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でヘキサメチレンジイソシアネート81部を2時
間かけて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け、赤外分
光分析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パ
ンに取り出して冷却した後、カッティングして、数平均
分子量37,000のポリエーテルエステルウレタンか
らなるペレット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯
電防止剤Dと称する。
【0057】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表1に示す。
【0058】実施例5 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量1,011のポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール353部、テレフタル酸ジメチル204
部、1,4−ブタンジオール283部および触媒として
テトラブチルチタネート0.8部を仕込み、窒素流入下
210℃でメタノールを除去しながら2時間撹拌を続
け、次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレングリ
コール等の留出物を除去しながら、210℃にて4時間
反応を進行させて、末端水酸基のポリエーテルエステル
(水酸基当量3,040)579部を得た。
【0059】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でヘキサメチレンジイソシアネート45部を2時
間かけて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け、赤外分
光分析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パ
ンに取り出して冷却した後、カッティングして、数平均
分子量77,000のポリエーテルエステルウレタンか
らなるペレット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯
電防止剤Eと称する。
【0060】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表2に示す。
【0061】実施例6 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量572のポリ(エチレンオキシド)
グリコール400部、テレフタル酸ジメチル204部、
エチレングリコール196部および触媒としてテトラブ
チルチタネート0.8部を仕込み、窒素流入下210℃
でメタノールを除去しながら2時間撹拌を続け、次いで
5mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留
出物を除去しながら、210℃にて4時間反応を進行さ
せて、末端水酸基のポリエーテルエステル(水酸基当量
3,390)564部を得た。
【0062】次いで、このポリエーテルエステルにエチ
レングリコール15部を加え、更に190℃でヘキサメ
チレンジイソシアネート50部を2時間かけて滴下し、
滴下終了後1時間反応を続け、赤外分光分析でイソシア
ネート基の消失を確認した後、冷却パンに取り出して冷
却した後、カッティングして、数平均分子量30,00
0のポリエーテルエステルウレタンからなるペレット状
の帯電防止剤を得た。以下、これを帯電防止剤Fと称す
る。
【0063】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表2に示す。
【0064】実施例7 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量3,000のポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール1200部、テレフタル酸ジメチル38
8部、エチレングリコール372部および触媒としてテ
トラブチルチタネート2.0部を仕込み、窒素流入下2
10℃でメタノールを除去しながら2時間撹拌を続け、
次いで「イルガノックス1330」(日本チバガイギー
株式会社製酸化防止剤)5部を加えた後、5mmHgの
減圧下で過剰のエチレングリコール等の留出物を除去し
ながら、210℃にて4時間反応を進行させて、末端水
酸基のポリエーテルエステル(水酸基当量3,300)
1,575部を得た。
【0065】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でヘキサメチレンジイソシアネート35部を2時
間かけて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け、赤外分
光分析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パ
ンに取り出して冷却した後、カッティングして、数平均
分子量81,000のポリエーテルエステルウレタンか
らなるペレット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯
電防止剤Gと称する。
【0066】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表2に示す。
【0067】実施例8 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量572のポリ(エチレンオキシド)
グリコール343部、テレフタル酸ジメチル233部、
エチレングリコール224部および触媒としてテトラブ
チルチタネート0.8部を仕込み、窒素流入下210℃
でメタノールを除去しながら2時間撹拌を続け、次いで
20mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の
留出物を除去しながら、210℃にて4時間反応を進行
させて、末端水酸基のポリエーテルエステル(水酸基当
量810)558部を得た。
【0068】次いで、このポリエーテルエステルに、1
90℃でイソホロンジイソシアネート70部を2時間か
けて滴下し、滴下終了後1時間反応を続け、赤外分光分
析でイソシアネート基の消失を確認した後、冷却パンに
取り出して冷却した後、カッティングして、数平均分子
量26,000のポリエーテルエステルウレタンからな
るペレット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯電防
止剤Hと称する。
【0069】また、得られたポリエーテルエステルウレ
タン中に含有される成分割合を表2に示す。
【0070】
【表1】 *1):ポリ(アルキレンオキシド)グリコール(a1 ) *2):炭素原子数2〜8のグリコール(a2 ) *3):多価カルボン酸系化合物(a3 ) *4):有機ポリイソシアネート(a4
【0071】
【表2】
【0072】比較例1 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量572のポリ(エチレンオキシド)
グリコール343部、テレフタル酸ジメチル233部、
エチレングリコール224部、「イルガノックス101
0」(日本チバガイギー株式会社製酸化防止剤)1部お
よび触媒としてテトラブチルチタネート0.8部を仕込
み、窒素流入下210℃でメタノールを除去しながら2
時間撹拌を続け、次いで1mmHg以下の減圧下で過剰
のエチレングリコール等の留出物を除去しながら、24
0℃にて4時間反応を進行させた後、冷却パンに取り出
して冷却した後、カッティングして、数平均分子量5
3,000のポリエーテルエステルからなるペレット状
の帯電防止剤を得た。以下、これを帯電防止剤A′と称
する。
【0073】比較例2 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置を備え付けたフラス
コに、数平均分子量572のポリ(エチレンオキシド)
グリコール552部、ヘキサメチレンジアミンとアジピ
ン酸からあらかじめ調製したナイロン6・6塩80部、
アジピン酸141部、「イルガノックス1098」(日
本チバガイギー株式会社製酸化防止剤)1.5部および
触媒としてテトラブチルチタネート0.8部を仕込み、
窒素流入下220℃で1時間攪拌した後、260℃、1
mmHg以下の減圧下で6時間反応を進行させた後、冷
却パンに取り出して冷却した後、カッティングして、2
5℃、0.5%o−クロロフェノール溶液の相対粘度η
r が1.88のポリエーテルエステルアミドからなるペ
レット状の帯電防止剤を得た。以下、これを帯電防止剤
B′と称する。
【0074】実施例9〜24および比較例3〜8 各成分を表3〜表7に示す割合で混合し、(株)東洋精
機製作所製25mm2軸押出機を用いて220℃で混練
押出してペレット化した。得られたペレットを1オンス
射出成形機を用い、シリンダー温度220℃にて各試験
片を作成し、以下のようにして曲げ弾性率、アイゾット
衝撃強度および帯電防止性を測定した。結果を表3〜表
8に示す。
【0075】(1)曲げ弾性率:ASTM D790に
準拠して測定した。測定値の単位はkg/cm2であ
る。 (2)アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準拠
して、ノッチ付き厚さ1/4インチの試験片を用いて測
定した。測定値の単位はkg・cm/cm2 である。
【0076】(3)帯電防止性:80×80×3mmの
平板を23℃、相対湿度50%で24時間状態調整した
後、SM−8210型超絶縁計〔東亜電波工業(株)
製〕を用いて表面固有抵抗を測定した。次いで、この試
験片を流水で20分洗浄し、再び23℃、相対湿度50
%で24時間状態調整した後、同様に表面固有抵抗を測
定し、効果の持続性を確認した。また、23℃、相対湿
度50%で3ケ月間状態調整した後、同様に表面固有抵
抗を測定し、効果の持続性を確認した。測定値の単位は
Ω/□である。
【0077】尚、表中、ABS樹脂はダイセル化学工業
(株)製「セビアンV−300」、HIPSは大日本イ
ンキ化学工業(株)製「ディックスチレンGH−965
0」、DBSは竹本油脂(株)製ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、TB−160は松本油脂(株)製ア
ルキルスルホネートである。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【発明の効果】本発明の帯電防止剤は、熱可塑性樹脂に
対し、優れた帯電防止効果と電防止効果の持続性を付与
することができる。また、本発明の帯電防止性樹脂組成
物は、優れた帯電防止性と帯電防止性の持続性を有し、
しかも機械的性質も良好で、電化製品のハウジング材、
電気製品の部品、自動車部品、包装材料、家具等に有用
である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーテル結合と、エステル結合と、ウレ
    タン結合とを有するポリエーテルエステルウレタンから
    なることを特徴とする帯電防止剤。
  2. 【請求項2】 ポリエーテルエステルウレタンが、ポリ
    (アルキレンオキシド)構造に由来したエーテル結合を
    有し、当該ポリ(アルキレンオキシド)構造部位の含有
    率が10〜90重量%で、かつエステル結合とウレタン
    結合の数の比(エステル結合数/ウレタン結合数)が1
    /5〜30/1である請求項1記載の帯電防止剤。
  3. 【請求項3】 ポリエーテルエステルウレタンが、ポリ
    (アルキレンオキシド)グリコール(a1 )と、炭素原
    子数2〜8のグリコール〔ただし、ポリ(アルキレンオ
    キシド)グリコール(a1 )を除く〕(a2 )と、炭素
    原子数4〜20の多価カルボン酸、その酸無水物および
    それらのエステル体からなる群から選ばれる1種以上の
    多価カルボン酸系化合物(a3 )と、有機ポリイソシア
    ネート(a4 )とを必須の構成成分として含有するもの
    である請求項1又は2記載の帯電防止剤。
  4. 【請求項4】 ポリエーテルエステルウレタンが、ポリ
    (アルキレンオキシド)グリコール(a1 )と、炭素原
    子数2〜8のグリコール(a2 )と、多価カルボン酸系
    化合物(a3 )と、有機ポリイソシアネート(a4 )と
    を必須の構成成分として、(a1 )10〜90重量%、
    (a2 )2〜30重量%、(a3 )7〜70重量%、
    (a4 )0.1〜40重量%〔ただし、(a1 )と(a
    2 )と(a3 )と(a4 )の合計は100重量%〕とな
    る割合で含有するものである請求項3記載の帯電防止
    剤。
  5. 【請求項5】 有機ポリイソシアネート(a4 )が、脂
    肪族ジイソシアネートである請求項3又は4記載の帯電
    防止剤。
  6. 【請求項6】 ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
    (a1 )が、数平均分子量200〜20,000のポリ
    (アルキレンオキシド)グリコールである請求項3、4
    又は5記載の帯電防止剤。
  7. 【請求項7】 数平均分子量200〜20,000のポ
    リ(アルキレンオキシド)グリコールが、エチレンオキ
    シド構造部位の平均含有率が50重量%以上のポリ(ア
    ルキレンオキシド)グリコールである請求項6記載の帯
    電防止剤。
  8. 【請求項8】 数平均分子量200〜20,000のポ
    リ(アルキレンオキシド)グリコールが、ポリ(エチレ
    ンオキシド)グリコールである請求項6記載の帯電防止
    剤。
  9. 【請求項9】 炭素原子数2〜8のグリコール(a2
    が、アルキレングリコールである請求項3〜8のいずれ
    か1つに記載の帯電防止剤。
  10. 【請求項10】 アルキレングリコールが、炭素原子数
    2〜4のアルキレングリコールである請求項9記載の帯
    電防止剤。
  11. 【請求項11】 多価カルボン酸系化合物(a3 )が、
    芳香族ジカルボン酸および/又はそのアルキルエステル
    体である請求項4〜10のいずれか1つに記載の帯電防
    止剤。
  12. 【請求項12】 芳香族ジカルボン酸および/又はその
    アルキルエステル体が、テレフタル酸および/又はテレ
    フタル酸ジメチルである請求項11記載の帯電防止剤。
  13. 【請求項13】 ポリエーテルエステルウレタンが、数
    平均分子量5,000〜500,000のポリエーテル
    エステルウレタンである請求項1〜12のいずれか1つ
    に記載の帯電防止剤。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1つに記載
    の帯電防止剤と、熱可塑性樹脂を必須成分として含有す
    ることを特徴とする帯電防止性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 ポリエーテルエステルウレタンの含有
    率が、1〜30重量%である請求項14記載の帯電防止
    性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 更に、有機スルホン酸金属塩を含有す
    る請求項14又は15記載の帯電防止性樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂であ
    る請求項14〜16のいずれか1つに記載の帯電防止性
    樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191146A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Kao Corp 熱可塑性樹脂組成物
JP2013508474A (ja) * 2009-10-15 2013-03-07 ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド 静電散逸性tpuおよびその組成物
KR102439061B1 (ko) * 2021-06-18 2022-08-31 산요가세이고교 가부시키가이샤 열가소성 수지용 대전 방지제

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