JPH10287814A - 帯電防止性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性熱可塑性樹脂組成物

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JPH10287814A
JPH10287814A JP14173897A JP14173897A JPH10287814A JP H10287814 A JPH10287814 A JP H10287814A JP 14173897 A JP14173897 A JP 14173897A JP 14173897 A JP14173897 A JP 14173897A JP H10287814 A JPH10287814 A JP H10287814A
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JP
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acid
glycol
poly
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thermoplastic resin
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JP14173897A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Yamazaki
哲也 山崎
Akira Konishi
明 小西
Yukihiko Kawarada
雪彦 川原田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の衝撃強度の低下や表面剥離を招来す
ることなく、優れた帯電防止効果を発現し、かつ、その
帯電防止効果の持続性も優れる熱可塑性樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 HIPS、PPに代表される熱可塑性樹
脂(A)、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリル
酸グリシジル−プロピレン共重合体に代表される相溶化
剤(B)、並びに、ポリ(エチレンオキシド)グリコー
ルとテレフタル酸ジメチルと5−スルホイソフタル酸ジ
メチルナトリウム塩とエチレングリコールとの反応物で
ある帯電防止剤(C)を含有。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止効果と耐
衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、一般に軽量で成形加工
性に優れ、また、耐熱性、機械物性、電気的性質にも優
れ、その上美観に優れるため、電気製品のハウジング
材、電気部品材、自動車部品、包装材料等各種用途に多
量に使用されている。しかし、熱可塑性樹脂は、それ自
体は一般に絶縁体であるために静電気が発生し易く、そ
れを使った製品に静電気によりホコリが付着し易く美観
を損ねたり、あるいは、帯電した静電気により電気製
品、部品が誤作動したりする欠点を有している。これら
の欠点を改善するために、熱可塑性樹脂に界面活性剤を
塗布あるいは練り込む方法が広く用いられているが、こ
の方法では、短期間の帯電防止効果は満足できるもの
の、効果の持続性に劣り、水洗や表面の拭き取り処理に
よって効果が消失してしまい、数ケ月にわたる長期的な
効果を保持することは困難であった。
【0003】そこで、帯電防止効果の持続性を改善する
ために、例えば、高分子量型永久帯電防止剤を熱可塑性
樹脂に練り込む方法が知られており、例えば、永久帯電
防止剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールと
モノグリコールと芳香族ジカルボン酸とを反応させて得
られる、所謂ポリエーテルエステル系帯電防止剤が良く
知られている。
【0004】また、同様に永久帯電防止剤として、特開
昭59−193959号公報、特開昭63−95251
号公報、特公平4−72855号公報等には、ポリアミ
ド系化合物を熱可塑性樹脂に配合する技術が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のポリアルキレングリコールとモノグリコールと芳香族
ジカルボン酸とを反応させて得られるポリエーテルエス
テル系永久帯電防止剤を熱可塑性樹脂に練り込む方法
や、ポリアミド系化合物を熱可塑性樹脂に練り込む方法
は、何れも、十分な帯電防止効果が得られず、また、永
久帯電防止剤と熱可塑性樹脂との相溶性が悪く、成形品
の衝撃強度の低下や表面剥離等が生じるものであった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、成形品
の衝撃強度の低下や表面剥離を招来することなく、優れ
た帯電防止効果を発現し、かつ、その帯電防止効果の持
続性にも優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、熱可塑性樹脂に相溶化剤と特定構造のポ
リエーテルエステル系の帯電防止剤を配合することによ
り、他の機械物性を損なうことなく帯電防止性と衝撃強
度とに優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、熱可塑性樹脂(A)、相溶
化剤(B)、並びに、ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コール単位を含むジオール(c1)、アルキレンジオー
ル(c2)及びスルホン化フタル酸金属塩若しくはその
アルキルエステル(c3)を反応して得られる骨格を有
するポリエーテルエステル構造の帯電防止剤(C)を必
須成分とすることを特徴とする帯電防止性、耐衝撃性に
優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0009】以下に、本発明につき詳細に説明する。
【0010】本発明で使用する熱可塑性樹脂(A)とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばポリスチレ
ン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレ
ン樹脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン
共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル
−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、ア
クリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共
重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ABS樹脂
とポリカーボネイト(PC樹脂)のアロイ、ABS樹脂
とポリエステル系樹脂のアロイ、ABS樹脂とポリアミ
ド系樹脂のアロイ、ポリスチレンとポリフェニレンオキ
サイドのアロイ等のスチレン系樹脂を1成分として含む
ポリマーアロイ;ポリエチレンテレフタレート(PET
樹脂)、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、
ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレンジカルボキシレート、ポリブチレンナフタレンジ
カルボキシレート、ポリヘキサメチレンナフタレンジカ
ルボキシレート等のポリエステル系樹脂;エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン
の単独重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、プ
ロピレンおよび/またはエチレンと1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィンとのランダ
ムまたはブロック共重合体、ポリプロピレン−ポリアミ
ド系アロイ、ポリプロピレン−ポリエステル系アロイ等
のポリオレフィンを含むアロイ樹脂等のオレフィン系樹
脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポ
リフェニレンオキサイド樹脂;ポリメチルメタクリレー
ト樹脂(PMMA樹脂);ポリカーボネート樹脂;PC
樹脂とPBT樹脂とのアロイに代表されるポリカーボネ
ート樹脂とポリエステル系樹脂のアロイ;ポリカーボネ
ート樹脂とポリアミド樹脂のアロイなどが挙げられる。
【0011】なかでも帯電防止剤との相溶性に優れ、帯
電防止効果の改善効果が顕著となる点からスチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂を含むポリマ
ーアロイ、ポリカーボネート樹脂とポリエステル系樹脂
のアロイ、および、オレフィン系樹脂が好ましい。ポリ
エステル系樹脂としてPBT樹脂、スチレン系樹脂とし
てHIPS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂と
ポリエステル系樹脂のアロイとしてABS樹脂とPC樹
脂のアロイ等が好ましく、なかでも、HIPS樹脂、A
BS樹脂が特に好ましい。また、オレフィン系樹脂とし
ては、帯電防止剤との相溶性に優れ、帯電防止効果の改
善効果が顕著となる点からポリエチレン、ポリプロピレ
ンの単独あるいは共重合体が好ましく、特にポリプロピ
レン単独あるいは共重合体が好ましい。
【0012】本発明で使用される相溶化剤(B)とは、
分子構造内にカルボキシル基、酸無水物基又はエポキシ
基を有するビニル系重合体であれば特に限定されるもの
ではない。カルボキシル基を含有するビニル系重合体と
しては、カルボキシル基あるいは酸無水物基を有するビ
ニル系単量体と、他のビニル系単量体から得られる化合
物であり、これらは1種類単独又は2種類以上を用いる
ことができる。カルボキシル基あるいは酸無水物基を有
するビニル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸等
のカルボキシル基を有するビニル系単量体、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン酸、無水シ
トラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水
フタル酸等の酸無水物基を含有するビニル系重合体が挙
げられる。エポキシ基を有するビニル系重合体として
は、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル等と他
のビニル系単量体から得られる化合物であり、これらは
1種類単独又は2種類以上を用いることができる。これ
らのなかでも、他のビニル系単量体、特にスチレン系単
量体、オレフィン系単量体との反応性が良好である点か
らアクリル酸、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、
(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
【0013】他のビニル系単量体とは、ビニル基を有す
る単量体であれば特に制限されるものではなく、例えば
エチレン、塩素化エチレン、塩化ビニリデン、プロピレ
ン等のオレフィン系単量体、スチレンやα-メチルスチ
レン等のスチレン系単量体、メチルペンテン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、1-ブテン、アクリル酸メチル等
のアクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸メチル等
の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これら
は1種類単独又は2種類以上を用いることができる。特
に、熱可塑性樹脂(A)として、スチレン系樹脂を用い
る場合には、スチレンやα-メチルスチレン等のスチレ
ン系単量体が、相溶化の効果が良好となり好ましい。従
ってこの場合、相溶化剤(B)としては、スチレン系単
量体と(メタ)アクリル酸との共重合体あるいはスチレ
ン系単量体と無水マレイン酸との共重合体であること
が、特に相溶性に優れる点から好ましい。また、熱可塑
性樹脂(A)として、オレフィン系樹脂を用いる場合に
は、エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体が、
相溶化の効果が良好となり好ましい。従ってこの場合、
相溶化剤(B)としては、オレフィン系単量体と(メ
タ)アクリル酸グリシジルとの共重合体もしくはグラフ
ト重合体、オレフィン系単量体と無水マレイン酸との共
重合もしくはグラフト重合体、あるいはオレフィン系単
量体とアクリル酸との共重合あるいはグラフト重合体が
相溶化の効果が良好となり好ましい。具体的にはエチレ
ンと(メタ)アクリル酸グリシジルとの共重合体、プロ
ピレンを重合後に(メタ)アクリル酸グリシジルをグラ
フトで導入した重合体、プロピレンを重合後に無水マレ
イン酸をグラフトで導入した重合体、プロピレンを重合
後にアクリル酸をグラフトで導入した重合体であること
が特に相溶性に優れる点から好ましい。
【0014】相溶化剤(B)の合成方法は特に制限され
るものではないが、例えばカルボキシル基あるいは酸無
水物基を有する単量体と他のビニル系単量体を開始剤の
存在下共重合を行う方法や、ビニル系単量体を1種類単
独で重合または2種類以上を共重合で得た後に、酸無水
物基を有する単量体を過酸の存在下グラフトで導入する
方法等が挙げられる。
【0015】相溶化剤(B)の分子量は特に制限される
ものではないが、例えば重量平均分子量が2,000〜
500,000の範囲にあることが好ましい。重量平均
分子量が2,000以上において成形品の耐衝撃性がよ
り優れたものとなり、500,000以下では配合後成
形品の外観が一層優れたものとなる。特に好ましくは重
量平均分子量が3,000〜400,000の範囲であ
る。
【0016】また、相溶化剤(B)中に占める、カルボ
キシル基、酸無水物基又はエポキシ基の量は特に制限さ
れるものではないが、相溶化の効果の点から、カルボキ
シル基、酸無水物基又はエポキシ基を有するビニル系単
量体と、他のビニル系単量体との合計に対して、カルボ
キシル基、酸無水物基又はエポキシ基を有するビニル系
単量体を1〜30重量%、特に1〜20重量%となる割
合で用いる範囲が好ましい。
【0017】本発明の熱可塑性樹脂組成物全体に占める
相溶化剤の含有率は特に制限されないが、例えば1〜3
0重量%であることが好ましい。即ち、1重量%以上に
おいては相溶性の効果が顕著になり衝撃強度が飛躍的に
向上し、一方、30重量%以下においては、得られた成
形品の外観が良好なものとなる。なかでも、これらの性
能バランスに優れる点から、1〜20重量%が特に好ま
しい。
【0018】本発明における帯電防止剤(C)は、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコール単位を含むジオール
(c1)、アルキレンジオール(c2)、スルホン化フ
タル酸金属塩若しくはそのアルキルエステル(c3)を
反応して得られる構造を有するポリエーテルエステルで
ある。
【0019】本発明におけるポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール単位を含むジオール(c1)としては、
その構造中にポリ(アルキレンオキシド)グリコール単
位を含めば特に制限されるものではなく、例えば、ポリ
(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(1,2−プロ
ピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリ
コールや、これらを含んでなるポリエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート化合物、エチレンオキシドとプロ
ピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体およ
びエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックま
たはランダム共重合体、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS、臭素化ビスフェノールA、
4,4−ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)アミン等のビスフェノール類のポリ(アルキレ
ンオキシド)付加物などが挙げられる。これらは1種ま
たは2種以上用いられる。
【0020】これらのなかでも特に帯電防止効果並びに
機械的特性の点から、数平均分子量が400〜200,
000のものが好ましい。即ち、数平均分子量400以
上にすることにより帯電防止効果がより顕著に向上し、
また、数平均分子量が200,000以下の場合には、
得られるポリエーテルエステルの機械的性質が良好なも
のとなる。これらのバランスに優れる点から特に数平均
分子量400〜6,000の範囲が好ましい。
【0021】また、帯電防止効果が優れることから、ポ
リ(アルキレンオキシド)グリコール単位を含むジオー
ル(c1)を構成するアルキレンオキシド構造単位は炭
素原子数2〜4のものが好ましく、炭素原子数2〜4の
アルキレンオキシド構造部分の具体例としては、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオ
キシド、テトラメチレンオキシド等が挙げられ、これら
は(c1)の1分子中単一の構成部分から成っていても
よいし、また、異なる複数の構成部分からなっていても
よい。特に帯電防止効果からは、エチレンオキシドを構
成成分として含有することが好ましい。
【0022】具体的には、エチレンオキシド鎖の含有率
(ポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位を含むジ
オール(c1)の分子量に対するエチレンオキシド基部
分の分子量の比率)が10重量%以上含有するものが帯
電防止効果の点から好ましく、特にポリ(エチレンオキ
シド)グリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド
付加物が好ましい。
【0023】更に、ポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ール単位を含むジオール(c1)は、ポリエーテルエス
テルを構成する各原料の比率で10〜90重量%となる
割合で用いられることが好ましい。10重量%以上によ
りポリエーテルエステルの帯電防止効果が著しく良好と
なり、一方、90重量%以下の場合には得られるポリエ
ーテルエステルの機械的性質や耐熱性が良好となる。特
にこれらのバランスに優れる点から40〜80重量%の
範囲が好ましい。
【0024】本発明におけるアルキレンジオール(c
2)としては、特に制限されないが、炭素原子数2〜8
のジオールであることが帯電防止効果および機械的強度
の点から好ましく、具体的には、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、1、2−ブチレングリコール、ト
リメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレング
リコール、トリエチレングリコール、オクタメチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。これらは
1種または2種以上用いられる。
【0025】これらの中でも、得られるポリエーテルエ
ステルの機械的強度が優れることから、炭素原子数2〜
4のアルキレンジオールが好ましく、特に、エチレング
リコールが好ましい。
【0026】本発明における帯電防止剤(C)は、多価
カルボン酸若しくはそのエステルとして、スルホン化フ
タル酸金属塩若しくはそのエステル(c3)を必須の成
分として用いるものであるが、(c3)に加え、その他
の多価カルボン酸若しくはそのエステル(c4)を併用
すること、即ち、ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル単位を含むジオール(c1)、アルキレンジオール
(c2)及びスルホン化フタル酸金属塩若しくはそのエ
ステル(c3)に加え、更にその他の多価カルボン酸又
はそのエステル(c4)を反応させた構造を有するもの
であることが帯電防止効果並びに機械的強度の点から好
ましい。
【0027】スルホン化フタル酸金属塩若しくはその塩
(c3)としては、特にその構造が特定されるものでは
ないが、スルホン化フタル酸金属塩、またはスルホン化
フタル酸金属塩のモノエステル体およびジエステル体な
どのスルホン化フタル酸金属塩の一部または全部がエス
テル化された化合物が挙げられ、具体的には、スルホテ
レフタル酸ナトリウム塩、スルホテレフタル酸カリウム
塩、スルホテレフタル酸マグネシウム塩、スルホテレフ
タル酸カルシウム塩、スルホイソフタル酸ナトリウム
塩、スルホイソフタル酸カリウム塩、スルホイソフタル
酸マグネシウム塩、スルホイソフタル酸カルシウム塩、
スルホテレフタル酸モノメチルナトリウム塩、スルホテ
レフタル酸モノメチルカリウム塩、スルホテレフタル酸
モノメチルマグネシウム塩、スルホテレフタル酸モノメ
チルカルシウム塩、スルホテレフタル酸ジメチルナトリ
ウム塩、スルホテレフタル酸ジメチルカリウム塩、スル
ホテレフタル酸ジメチルマグネシウム塩、スルホテレフ
タル酸ジメチルカルシウム塩、スルホイソフタル酸モノ
メチルナトリウム塩、スルホイソフタル酸モノメチルカ
リウム塩、スルホイソフタル酸モノメチルマグネシウム
塩、スルホイソフタル酸モノメチルカルシウム塩、スル
ホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩、スルホイソフタ
ル酸ジメチルカリウム塩、スルホイソフタル酸ジメチル
マグネシウム塩、スルホイソフタル酸ジメチルカルシウ
ム塩等が挙げられる。本発明におけるスルホン化フタル
酸エステル金属塩のエステル体としては、メチルエステ
ルやエチルエステルなどの炭素原子数が6以下の低級ア
ルキルエステルが好ましく用いられる。これらは1種ま
たは2種以上が用いられる。
【0028】また、(c3)と併用し得るその他の多価
カルボン酸若しくはそのエステル(c4)としては、特
に制限されるものではないが、二価、三価および四価以
上の多価カルボン酸およびカルボン酸無水物またはこれ
ら多価カルボン酸のエステル体の一種単独または二種以
上の混合物を示し、また、その多価カルボン酸を構成す
る炭素原子数は4〜20であることが好ましい。
【0029】その他の多価カルボン酸とは二価以上の多
価カルボン酸またはそのカルボン酸無水物で、二価カル
ボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−
2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4´−ジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸およびこれら
のアルキル核置換カルボン酸、ハロゲン核置換カルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸およ
びジシクロヘキシル−4,4´−ジカルボン酸等の脂環
式ジカルボン酸、およびコハク酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸および無
水マレイン酸、無水フタル酸等、三価カルボン酸として
は、1,2,4−トリメリット酸、1,2,5−ナフタ
レントリカルボン酸、2,6,7−ナフタレントリカル
ボン酸、3,3´,4−ジフェニルトリカルボン酸、ベ
ンゾフェノン3,3´,4−トリカルボン酸、ジフェニ
ルエーテル−3,3´,4−トリカルボン酸およびこれ
らのアルキル核置換体、ハロゲン核置換体等の芳香族ト
リカルボン酸、およびエチレン1,1,2−トリカルボ
ン酸、プロピレン−1,2,3−トリカルボン酸等の脂
肪族トリカルボン酸およびこれらのトリカルボン酸無水
物等、四価カルボン酸としては、ピロメリット酸、ジフ
ェニル−2,2´,3,3´−テトラカルボン酸、ベン
ゾフェノン−2,2´,3,3´−テトラカルボン酸、
ジフェニルスルホン−2,2´,3,3´−テトラカル
ボン酸、ジフェニルエーテル−2,2´,3,3´−テ
トラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカ
ルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸およびエチレン−
1,1,2,2−テトラカルボン酸、プロピレン−1,
1,3,3−テトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボ
ン酸およびこれらのテトラカルボン酸モノ無水物および
テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは1
種または2種以上用いられる。
【0030】これらの中で、重合性、色調および物性の
点からテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸が好ま
しく、特にテレフタル酸が好ましい。また、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸を
併用すると、目的とするポリエーテルエステルの分子量
を容易に上げることができ好ましい。
【0031】次に多価カルボン酸エステルとは、前記多
価カルボン酸のモノエステル体、ジエステル体およびト
リ、テトラエステル体などの多価カルボン酸の一部また
は全部がエステル化された化合物で、具体的にはテレフ
タル酸モノメチル、テレフタル酸モノエチル、テレフタ
ル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジ
メチル、アジピン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、トリ
メリット酸モノメチル、モノメチルトリメリット酸無水
物、トリメリット酸トリメチル、ピロメリット酸テトラ
メチル、エチレンテトラカルボン酸テトラメチルエステ
ル等が挙げられる。本発明における多価カルボン酸エス
テル体としては、メチルエステルやエチルエステルなど
の炭素原子数が6以下の低級アルキルエステルが好まし
く用いられる。
【0032】本発明においては、既述の通り、多価カル
ボン酸若しくはそのエステルとして、スルホン化フタル
酸金属塩若しくはそのエステル(c3)に加えて、その
他の多価カルボン酸若しくはそのエステル(c4)を併
用することが帯電防止効果並びに機械的強度の点から好
ましく、具体的な(c3)及び(c4)の使用量として
は、例えば、スルホン化フタル酸金属塩若しくはそのエ
ステル(c3)は、最終的に得られるポリエーテルエス
テルを構成する各原料の比率で0.1〜60重量%の範
囲で組み込まれることが帯電防止効果の点から好まし
い。特に、0.5〜40重量%の範囲がとりわけ、帯電
防止効果が顕著になり好ましい。
【0033】次に(c4)の使用量としては、ポリエー
テルエステルを構成する各原料の比率で5〜70重量%
の範囲で用いられることが好ましい。即ち、5重量%以
上では得られるポリエーテルエステルの衝撃強度改善効
果が良好となり、また、70重量%以下の場合は、ポリ
エーテルエステルの帯電防止効果が著しく良好なものと
なる。特に、これらの性能バランスが良好となる点から
10〜50重量%であることが好ましい。
【0034】帯電防止剤(C)を構成する、ポリエーテ
ルエステルの製造方法に関しては、特に限定されない
が、好ましく使用される、ポリ(アルキレンオキシド)
グリコール単位を含むジオール(c1)、アルキレンジ
オール(c2)及びスルホン化フタル酸金属塩若しくは
そのエステル(c3)、及び、その他の多価カルボン酸
又はそのエステル(c4)を反応させた構造を有するも
のを例に挙げられば、例えば、 (1):ポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位を
含む長鎖ジオール(c1)と、アルキレンジオール(c
2)と、多価カルボン酸若しくはそのエステル(c4)
との反応により末端水酸基のポリエーテルエステルを
得、これとスルホン化フタル酸金属塩若しくはそのエス
テル(c3)とを反応させることにより目的とするポリ
エーテルエステルを得る方法、
【0035】(2):ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コール単位を含むジオール(c1)と、アルキレンジオ
ール(c2)と、スルホン化フタル酸金属塩若しくはそ
のエステル(c3)の反応により末端水酸基のポリエー
テルエステルを得、これに、ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール単位を含むジオール(c1)および/ま
たはアルキレンジオール(c2)を加え、次いで、多価
カルボン酸若しくはそのエステル(c4)と反応させる
ことにより目的とするポリエーテルエステルを得る方
法、
【0036】(3):ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コール単位を含むジオール(c1)と、アルキレンジオ
ール(c2)と、スルホン化フタル酸金属塩若しくはそ
のエステル(c3)と、必要に応じ多価カルボン酸若し
くはそのエステル(c4)とを反応させることによりポ
リエーテルエステルを得る方法等が挙げられる。
【0037】上記(1)〜(3)の各方法において、ポ
リ(アルキレンオキシド)グリコール単位を含むジオー
ル(c1)と、アルキレンジオール(c2)と、酸成分
((c3)及び(c4))とを反応させる際には、具体
的は、常圧下100〜200℃で反応を行ない、前記酸
成分が定量的に反応したのを見極めた後に200〜30
0℃に昇温し、かつ減圧下に行なうことができる。
【0038】上記ポリエーテルエステルの製造に関する
触媒には、非常に多くの化合物が有効であるが、特に第
一段階ではアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸
塩、第二段階では亜鉛、マンガン、コバルト、アンチモ
ン、ゲルマニウム、チタン、スズ、ジルコニウムの化合
物が用いられ、特にエステル交換反応や重縮合反応等全
てに有効な触媒としてテトラアルキルチタネート、蓚酸
スズが好ましく用いられる。触媒は通常ポリエーテルエ
ステルの全反応原料に対し0.005〜1.0重量%で
使用される。
【0039】酸化防止剤はポリエーテルエステルの製造
中またはその製造後の任意の時期に加えることができ、
例えば第二段階の重縮合工程に入る時点でポリエステル
エラストマーの酸化劣化を防止するため重縮合反応を阻
害しない酸化防止剤を加えることができる。
【0040】これらの酸化防止剤としては、リン酸、亜
リン酸の脂肪族、芳香族エステルまたはフェノール系誘
導体特に高度に立体障害を示す基をもついわゆるヒンダ
ードフェノール類が用いられる。更に数種の酸化防止剤
や紫外線吸収剤等の安定剤を併用するのも好ましい。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、詳述した
通り、熱可塑性樹脂(A)と相溶化剤(B)とポリエー
テルエステル構造の帯電防止剤(C)を必須成分とする
ことを特徴としており、帯電防止性、耐衝撃性に優れた
性能を発現するものである。
【0042】本発明の熱可塑性樹脂組成物全体に占め
る、帯電防止剤(C)の含有率は、特に制限されないが
例えば1〜30重量%であることが好ましい。即ち、1
重量%以上では、帯電防止性樹脂組成物の帯電防止性並
びににその持続性が良好なものとなり、また、30重量
%以下の場合には樹脂組成物の機械的性質が良好になり
好ましい。これらのバランスに優れる点から中でも5〜
25重量%であることが好ましい。
【0043】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、十分な
帯電防止性を有しているが、用途によっては、公知のイ
オン性帯電防止剤を任意の時期に混合してもよい。これ
らの公知のイオン性帯電防止剤の代表例としては、
【0044】
【式1】R−SO3M 式1
【0045】で表わされるスルホン酸金属塩が挙げられ
る。本発明における、式1で示されるスルホン酸金属塩
は、Rがアルキル基、またはアルキルアリール基もしく
はアリール基およびMがアルカリ金属またはアルカリ土
類金属から構成されるスルホン酸金属塩であればいかな
るものでも良いが、特にRが炭素原子数8〜30程度の
アルキル基またはアルキルアリール基、MがNa、K、
Li、Mg、Ca等から選択されるものが好ましい。
【0046】このようなスルホン酸金属塩の具体例とし
ては、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン
酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル
スルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリ
ウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ド
デシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスル
ホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウ
ム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデシル
スルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチ
ウム、ドデシルスルホン酸マグネシウム、ドデシルスル
ホン酸カルシウムなどを挙げることができる。
【0047】なかでもドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ドデシルスルホン酸ナトリウムが好ましく用い
られる。
【0048】また、本発明の帯電防止性樹脂組成物に対
して、式1に示されるスルホン酸金属塩は必ずしも必要
でないが、少量添加することにより、ポリエーテルエス
テルとの相互的作用から帯電防止性能が著しく向上する
ことから好ましいが、本発明の帯電防止性樹脂組成物全
体に対して5重量%を越えて添加すると、樹脂組成物の
表面が粗面化したり、着色や物性低下の原因になり好ま
しくない。一般的には0.1〜3重量%の範囲が最も好
ましい。
【0049】さらに、本発明においてはその他公知の帯
電防止剤を併用してもよいのは勿論のことである。
【0050】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、公知の
添加剤、例えば酸化防止剤として、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロ
ヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2、2−メ
チレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノー
ル)、 4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−
メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネー
ト、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト等、紫
外線吸収剤として、p−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール等、滑剤として、パラフ
ィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステア
ロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、
オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシ
ステアリン酸トリグリセリド等、難燃剤として、酸化ア
ンチモン、水酸化アルミニウム、ほう酸亜鉛、トリクレ
ジルホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフ
ェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン、ヘキ
サブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA等、
着色剤として、酸化チタン、カーボンブラック等、充填
剤として、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊
維、ガラス球、カーボン繊維等を必要に応じて添加する
ことができる。
【0051】また、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリオキシメチレン、塩素化ポリエチレン等の他の
熱可塑性樹脂を必要に応じて混合することができる。
【0052】本発明の帯電防止性、耐衝撃性に優れた熱
可塑性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば熱可塑性樹脂(A)、相溶化剤
(B)、帯電防止剤(C)および必要に応じてスルホン
酸金属塩やその他の添加剤成分とを所定量配合し、ヘン
シェルミキサー、タンブラーミキサー等の混合機で予備
混合した後、押出機、ニーダー、熱ロール、バンバリー
ミキサー等で溶融混合をすることによって容易に製造で
きる。
【0053】
【実施例】以下の参考例に本発明記載の帯電防止剤
(C)と比較化合物の合成例、熱可塑性樹脂(A)、相
溶化剤(B)、帯電防止剤(C)の配合例と評価結果を
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお以下の各例において%および部は、それ
ぞれ重量%および重量部を示す。
【0054】参考合成例1 温度調節器、窒素導入管、攪拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量1010のポ
リ(エチレンオキシド)グリコール614部、テレフタ
ル酸ジメチル399部、5−スルホイソフタル酸ジメチ
ルナトリウム塩29部、エチレングリコール401部お
よび触媒として酢酸カルシウム2.7部を仕込み、窒素
流入下180℃で2時間かけて、メタノールを除去しな
がら攪拌を続けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰
のエチレングリコール等の留出物を除去しながら、21
0℃にて2時間反応を進行させた。更に、触媒としてテ
トラブチルチタネート1.5部を加え、250℃まで昇
温した。次いで0.3mmHgの減圧下で2時間反応さ
せた後に窒素加圧下ストランド状で取り出し、ペレタイ
ズを行うことにより、ペレット状のポリエーテルエステ
ルを得た。以下これを帯電防止剤(C1)と称する。こ
の帯電防止剤(C1)の溶融粘度は、レオメーターRD
S−II(RHEOMETRIC INC.製、以下RD
Sと表記)を用いて、窒素雰囲気下250℃、回転数1
00rpm)で測定したところ、その測定値は88Pa
・sであった。
【0055】参考合成例2 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量2040のポ
リ(エチレンオキシド)グリコール600部、テレフタ
ル酸ジメチル394部、5−スルホイソフタル酸ジメチ
ルナトリウム塩29部、エチレングリコール396部お
よび触媒として酢酸カルシウム2.8部を仕込み、窒素
流入下180℃で2時間かけて、メタノールを除去しな
がら攪拌を続けた。次いで5mmHgの減圧下で過剰の
エチレングリコール等の留出物を除去しながら、210
℃にて2時間反応を進行させた。更に、触媒としてテト
ラブチルチタネート1.5部を加え、250℃まで昇温
した。次いで0.3mmHgの減圧下で3時間反応させ
た後に窒素加圧下ストランド状で取り出し、ペレタイズ
を行うことにより、ペレット状のポリエーテルエステル
を得た。以下これを帯電防止剤(C2)と称する。この
帯電防止剤(C2)について、実施例1と同様に測定し
た溶融粘度は、96Pa・sであった。
【0056】参考合成例3 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量1000のビ
スフェノールA・ポリ(エチレンオキシド)グリコール
付加物703部、テレフタル酸ジメチル286部、5−
スルホテレフタル酸ジメチルナトリウム塩29部、エチ
レングリコール204部および触媒として酢酸カルシウ
ム2.7部を仕込み、窒素流入下180℃で2時間かけ
て、メタノールを除去しながら攪拌を続けた。次いで1
0mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留
出物を除去しながら、210℃にて2時間反応を進行さ
せた。更に、触媒としてテトラブチルチタネート1.5
部を加え、250℃まで昇温した。次いで0.2mmH
gの減圧下で2時間反応させた後に窒素加圧下ストラン
ド状で取り出し、ペレタイズを行うことにより、ペレッ
ト状のポリエーテルエステルを得た。以下これを帯電防
止剤(C3)と称する。この帯電防止剤(C3)につい
て、実施例1と同様に測定した溶融粘度は、93Pa・
sであった。
【0057】参考合成例4 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量3000のビ
スフェノールA・ポリ(エチレンオキシド)グリコール
付加物604部、テレフタル酸ジメチル304部、5−
スルホテレフタル酸ジメチルナトリウム塩29部、エチ
レングリコール270部および触媒として酢酸カルシウ
ム2.7部を仕込み、窒素流入下180℃で2時間かけ
て、メタノールを除去しながら攪拌を続けた。次いで1
0mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留
出物を除去しながら、210℃にて2時間反応を進行さ
せた。更に、触媒としてテトラブチルチタネート1.5
部を加え、250℃まで昇温した。次いで0.2mmH
gの減圧下で2時間反応させた後に窒素加圧下ストラン
ド状で取り出し、ペレタイズを行うことにより、ペレッ
ト状のポリエーテルエステルを得た。以下これを帯電防
止剤(C4)と称する。この帯電防止剤(C4)につい
て、実施例1と同様に測定した溶融粘度は、108Pa
・sであった。
【0058】参考合成例5 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量1011のポ
リエチレングリコール608部、テレフタル酸ジメチル
429部、エチレングリコール420部および触媒とし
て酢酸カルシウム2.8部を仕込み、窒素流入下180
℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌を続
けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレング
リコール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時
間反応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチ
タネート1.8部を加え、250℃まで昇温した。次い
で0.4mmHgの減圧下で3時間反応させた後に窒素
加圧下ストランド状で取り出し、ペレタイズを行うこと
により、ペレット状のポリエーテルエステルを得た。以
下これを帯電防止剤(C5)と称する。この帯電防止剤
(C5)について、実施例1と同様に測定した溶融粘度
は、80Pa・sであった。
【0059】参考合成例6 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量572のポリ
エチレングリコール552部、ヘキサミチレンジアミン
とアジピン酸から予め調整したナイロン6・6塩(AH
塩)80部、アジピン酸141部及び触媒としてテトラ
ブチルチタネート0.8部を仕込み、窒素流入下220
℃で1時間加熱撹拌した後、260℃、0.4mmHg
の減圧下で6時間反応させた。その後、窒素加圧下スト
ランド状で取り出し、ペレタイズを行うことにより、ペ
レット状のポリエーテルエステルアミドを得た。以下こ
れを帯電防止剤(C6)と称する。この帯電防止剤(C
6)について、実施例1と同様に測定した溶融粘度は、
82Pa・sであった。
【0060】実施例1〜28および比較例1〜16 各成分を下記第1表〜第8表に示す割合で混合し、
(株)東洋精機製作所製26mm2軸押出機を用いて2
20℃で混練押出した。得られたペレットを山城精機製
1オンス射出成形機を用い、シリンダー温度220℃に
て3mm厚平板を作成し、次の各評価を行った。評価結果
を第1表〜第8表に示す。 (1)衝撃強度試験 ASTM D−3763に準拠して、計装化落錘衝撃試
験装置Dynatup(General Resear
ch Corporation製GRC730−I型)
を実施した。単位はJである。 (2)帯電防止性能試験(成形翌日) 80×80×3mmの平板を23℃、相対湿度50%で
24時間状態調整後、SM−8210型超絶縁計(東亜
電波工業(株)製)を用いて表面固有抵抗を測定した。
測定値の単位はΩ/sqである。 (3)帯電防止性能の持続試験(1) 80×80×3mmの平板を流水(20℃)で30分洗
浄後、23℃、相対湿度50%で24時間状態調整後、
SM−8210型超絶縁計(東亜電波工業(株)製)を
用いて表面固有抵抗を測定し、効果の持続性を確認し
た。測定値の単位はΩ/sqである。 (4)帯電防止性能の持続試験(2) 80×80×3mmの平板を23℃、相対湿度50%で
3カ月間状態調整後、SM−8210型超絶縁計(東亜
電波工業(株)製)を用いて表面固有抵抗を測定し、効
果の持続性を確認した。測定値の単位はΩ/sqであ
る。 (5)表面剥離の判定 落錘衝撃試験において、荷重引き抜き後の貫通面におけ
る表面剥離の有無を目視にて確認した。
【0061】尚、表中における(A1)、(A2)、
(B1)〜(B4)、(C7)は以下に示す通りであ
る。 熱可塑性樹脂(A): (A1)東レ(株)製ABS樹脂 商品名「トヨラック
500」 (A2)大日本インキ化学工業(株)製HIPS樹脂 商品名「ディックスチレンSR−550」 (A3)日本ポリケム(株)製ポリプロピレン樹脂 商品名「ノバテックPP BC6C」 (A4)日本ポリケム(株)製ポリプロピレン樹脂 商品名「ノバテックPP BC04A」 相溶化剤(B): (B1)(スチレン/(メタ)アクリル酸)=(90/
10)の共重合体、重量平均分子量:約280,000 (B2)(スチレン/(メタ)アクリル酸)=(85/
15)の共重合体、重量平均分子量:約300,000 (B3)スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂 ARCO Chemical(株)製 商品名「ダイラーク232」 重量平均分子量:約150,000 無水マレイン酸含量:約8重量% (B4)日本ポリオレフィン(株)製 商品名「レクスパールRA−3150」 エチレンと(メタ)アクリル酸グリシジルとの共重合体 (メタ)アクリル酸グリシジル含有量:約15重量% (B5)ユニロイヤル(株)製 商品名「ポリボンドPB−1001」 ポリプロピレンのアクリル酸変性樹脂、 アクリル酸含有量:約6重量% 帯電防止剤(C): (C7)Atochem(株)製 ポリエーテルエステ
ルアミド 商品名「PEBAX4011」を使用した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形品
の衝撃強度の低下や表面剥離を招来することなく、優れ
た帯電防止効果を発現し、かつ、その帯電防止効果の持
続性にも優れたものとなる。従って、電化製品のハウジ
ング材、電気製品の部品、自動車部品、包装材料、家
具、その他各種工業部品等に有用である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)、相溶化剤(B)、
    並びに、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位を
    含むジオール(c1)、アルキレンジオール(c2)及
    びスルホン化フタル酸金属塩若しくはそのアルキルエス
    テル(c3)を反応して得られる骨格を有するポリエー
    テルエステル構造の帯電防止剤(C)を必須成分とする
    ことを特徴とする帯電防止性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 相溶化剤(B)が、カルボキシル基、
    酸無水物基又はエポキシ基含有のビニル系重合体である
    請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 相溶化剤(B)が、スチレン系単量体
    とカルボキシル基含有不飽和単量体との共重合体、又
    は、スチレン系単量体と酸無水物基含有不飽和単量体と
    の共重合体である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 相溶化剤(B)が、オレフィン系単量
    体とカルボキシル基含有不飽和単量体との共重合体もし
    くはグラフト重合体、オレフィン系単量体と酸無水物基
    含有不飽和単量体との共重合体もしくはグラフト重合
    体、又は、オレフィン系単量体とエポキシ基含有不飽和
    単量体との共重合体もしくはグラフト重合体である請求
    項2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂(A)が、 HIPS樹
    脂あるいはABS樹脂である請求項1又は3記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィ
    ン系樹脂である請求項1又は4記載の組成物。
  7. 【請求項7】 帯電防止剤(C)が、(c1)、(c
    2)及び(c3)に加え、更にその他の多価カルボン酸
    又はそのエステル(c4)を反応させた構造を有するも
    のである請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
    ル単位を含むジオール(c1)が、数平均分子量400
    〜200,000のポリ(アルキレンオキシド)グリコ
    ールである請求項1又は7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 数平均分子量400〜200,000
    のポリ(アルキレンオキシド)グリコールが、アルキレ
    ンオキシド中にポリエチレンオキシド単位を10重量%
    以上含有するものである請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 ポリ(アルキレンオキシド)グリコ
    ール単位を含むジオール(c1)が、ビスフェノール類
    の両末端水酸基に、数平均分子量400〜200,00
    0のポリ(アルキレンオキシド)グリコールが付加した
    構造のジオールである請求項8又は9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 ビスフェノール類の両末端水酸基
    に、数平均分子量400〜200,000のポリ(アル
    キレンオキシド)グリコールが付加した構造のジオール
    が、ビスフェノールAにエチレンオキシドを付加した構
    造のものである請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 各成分の配合比率が、(A)、
    (B)及び(C)の合計100重量部に対して、熱可塑
    性樹脂(A)が40〜98重量部、相溶化剤(B)が1
    〜30重量部、帯電防止剤(C)が1〜30重量部であ
    る請求項1〜11の何れか1つに記載の組成物。
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