JPH09118642A - 2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造法 - Google Patents
2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造法Info
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Abstract
キシトリフェニレンの製造法の提供。 【解決手段】 カテコールと遷移金属化合物とを反応さ
せて2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシト
リフェニレンと、2,3,6,7,10,11−ヘキサ
ヒドロキシトリフェニレンの遷移金属錯体および/また
はキノン体を含有する反応混合物を生成させ、この反応
混合物を還元処理する。
Description
ティック液晶のメソゲン(Synthesis,477,1994;Liq.Cry
st.15,851,1993;J.Mater.Chem,1261,1992)、ロイコ染
料(J.Chem.Soc.(C),1397,1971)、半導体(J.Electroana
l.Chem,169,325,1984;Synthetic Matals,19,697,1987)
等の原料として有用な2,3,6,7,10,11−ヘ
キサヒドロキシトリフェニレン(以下、HHTPと略記
する)の新規な製造法に関する。
アルコキシベンゼンを出発原料に使用して、無水塩化鉄
(III) の存在下(Synthesis,477,1994; Liq.Cryst.15,
851,1993)あるいはp−クロラニルの存在下( J.Chem.
Soc.(C),1397,1971 )に酸化的カップリングを行わせる
ことで、三量体である2,3,6,7,10,11−ヘ
キサアルコキシトリフェニレンを生成させ、次いでこの
生成物を三臭化ホウ素又は臭化水素等の存在下に脱アル
キル化する方法が知られている。しかし、この従来法に
於ける酸化的カップリング反応は、硫酸などの酸性成分
と大量の溶媒を必要とするばかりでなく、p−クロラニ
ルを用いる方法では、HHTPと副生成物との分離に極
めて多大な労力がかかる欠点があった。尚、Synthesis,
477,1994には、無水塩化鉄(III) とその9.5倍モル以
上の硫酸とを反応させて硫酸鉄(III) の硫酸溶液を調製
し、この溶液とカテコールを反応させることにより、H
HTPの鉄(II)錯体を得る旨が報告されているが、現在
のところ、この錯体からHHTPを純粋な形で単離でき
ていない。
製造原料に従来使用されて来たジアルコキシベンゼン
を、カテコールに代替させることで、ジアルコキシベン
ゼンを使用した場合に必須であった脱アルキル化工程を
不要ならしめ、かつ従来よりも高収率でHHTPを製造
できる方法を提供することを目的とする。
製造法は、カテコールと遷移金属化合物を反応させて、
HHTPと、HHTPの遷移金属錯体および/またはキ
ノン体を含有する反応混合物をまず生成させ、次いで、
この反応混合物を、HHTPの共存下に、還元処理して
HHTPの遷移金属錯体および/またはキノン体をHH
TPに転化させ、しかる後、還元処理を施した反応混合
物からHHTPを回収することを特徴とする。
ノールであるカテコールと、遷移金属化合物とを反応さ
せる工程であって、遷移金属化合物としては、例えば、
鉄、銅、マンガン、コバルト、バナジウム、タリウム、
チタン、モリブデンなどのハロゲン化物、シアン化物、
硫黄酸化物、窒素酸化物、酸化物、キレート化物などが
使用できるが、好ましくは鉄のハロゲン化物、シアン化
物、硫黄酸化物、窒素酸化物、酸化物、キレート化物が
使用される。なかでも、無水塩化鉄(III) および塩化鉄
(III) の水和物が好ましく、塩化鉄(III) の水和物に
は、2. 0水和物、2. 5水和物、3. 5水和物および
6水和物が包含される。上記遷移金属化合物の使用量
は、無水物換算でカテコール1モルあたり、通常0. 0
1〜20モルの範囲で、好ましくは1〜5モル、さらに
好ましくは1. 5〜3. 5モル、最も好ましくは2. 0
〜3. 2モルの範囲で選ばれる。遷移金属化合物を無水
物換算でカテコール1モル当たり0. 01〜2モルの範
囲で使用する場合、酸化剤を併用することが望ましい。
酸化剤としては、酸素、塩素、塩化銅(II)などが使用可
能であって、その使用量はカテコール1モル当たり通常
0. 01〜10. 0モル程度である。尚、塩化銅(II)を
使用する場合の酸化剤の使用量は、無水物換算の量であ
る。カテコールと遷移金属化合物との反応は、特別な反
応溶媒を使用しないでも進行させることができる。例え
ば、遷移金属化合物として塩化鉄(III) の水和物を使用
した場合、特に6水和物を使用した場合には、反応温度
をその水和物の融点以上に設定するか、あるいは機械的
攪拌または超音波の照射により、カテコールと上記水和
物との接触を促進させて反応熱により水和物を融解させ
る方法を採用すれば、必ずしも反応溶媒を必要としな
い。しかしながら、カテコールは常温で固体(融点10
4〜105℃)であり、塩化鉄(III) も常温で固体であ
るので(無水物の融点317℃、6水和物の融点37.
5℃)、反応溶媒の使用はカテコールと塩化鉄(III) と
の反応を均一系で進行させるうえで望ましい。反応溶媒
としては、カテコールおよび遷移金属化合物を溶解でき
る溶媒であれば何れも使用可能である。具体的には、
水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンな
どケトン類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドな
どの極性溶媒、テトラヒドロフラン、エチルエーテルな
どの含酸素有機溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジ
クロロエタンなどのハロゲン系有機溶媒、およびこれら
の混合溶媒が使用可能であり、特に水が好ましい。反応
溶媒を使用する目的は、上記した通り、カテコールと遷
移金属化合物との反応を均一系で進行させることにある
ので、反応溶媒の最小必要量は、反応に供するカテコー
ルおよび遷移金属化合物を完全に溶解させるに足りる量
である。従って、反応溶媒を使用する場合にあっては、
上記の最小必要量以上を下限として任意に溶媒使用量を
選ぶことができるが、上記最小必要量の2容量倍程度
が、一般に溶媒使用量の上限である。カテコールと遷移
金属化合物、特に塩化鉄(III) との反応には、触媒を必
ずしも必要としないが、触媒を使用して反応を促進させ
ることもできる。使用可能な触媒としては、硫酸、リン
酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、BF3 ・O(C2 H5 )
2 のような酸性物質、アセチルアセトンのようなキレー
ト剤、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間
移動触媒を挙げることができる。これら触媒の使用量
は、遷移金属化合物1モル(無水物換算)当り、通常
0.5モル以下、好ましくは0.00001〜0.3モ
ル、さらに好ましくは0.0005〜0.05モル、最
も好ましくは0.005〜0.02モルの範囲にある。
触媒量が多すぎる場合は、カテコールの四量化、五量
化、六量化のような多量化反応が起こり、収率低下を招
く恐れがある。また、触媒として硫酸、リン酸、硝酸な
どの酸を0.5モルを超える量で用いると、カテコール
のスルホン化、ホスホン化、ニトロ化などの反応を併発
する恐れがある。カテコールと遷移金属化合物との反応
は、常圧下で温度−30〜120℃の範囲で進行させる
ことができるが、通常は0〜100℃、好ましくは20
〜80℃、より好ましくは30〜60℃の範囲で行わ
れ、反応時間は0. 01〜100時間、好ましくは0.
1〜50時間、より好ましくは0. 1〜25時間の範囲
で選ばれる。本発明の第1工程で得られる反応混合物
は、通常、反応生成物としてHHTP、HHTPの遷移
金属錯体、HHTPのキノン体、HHTPとHHTPの
キノン体との錯体であるキンヒドロン、さらにはカテコ
ールの四量体であるオクタヒドロキシジベンゾナフタセ
ンを含有する外、未反応の遷移金属化合物およびカテコ
ール、反応溶媒、触媒などを含有する。ここで、HHT
Pのキノン体とは、HHTPの水酸基の一部又は全部が
酸化されたキノン構造を有する誘導体を意味する。
元処理を施し、これに含まれるHHTPの遷移金属錯体
および/またはキノン体をHHTPに還元する工程であ
る。この還元処理に際しては、反応混合物中にHHT
P、HHTPとHHTPのキノン体との錯体であるキン
ヒドロン、オクタヒドロキシジベンゾナフタセン(カテ
コールの四量体)、反応溶媒、触媒などを含まれていて
差し支えない。しかし、未反応の遷移金属化合物が反応
混合物中に残存する場合には、HHTPの遷移金属錯体
および/またはキノン体の還元に悪影響を及ぼすので、
これを予め除去しておくことが好ましい。未反応遷移金
属化合物の除去は、水または塩酸水溶液を反応混合物に
混合して、これに未反応遷移金属化合物を溶解させて濾
別する方法で行うことができる。反応混合物に水溶性の
触媒が共存する場合は、この操作で当該触媒も同時に除
去される。水または塩酸水溶液の使用量は、容積基準で
反応混合物の1〜20倍、好ましくは2〜10倍、さら
に好ましくは3〜5倍の範囲で選ばれる。塩酸水溶液の
濃度は、通常、0.1〜12規定、好ましく1〜6規
定、さらに好ましくは2〜4規定が選ばれる。尚、第1
工程の反応溶媒として、水と混和しない有機溶媒を使用
した場合には、前記の濾別操作に先立ち、これを相分離
させて反応混合物から除去しておくことが好ましい。本
発明の還元処理には、亜鉛、マグネシウム、アルミニウ
ムなどの金属、ハイドロサルファイトナトリウム、硫化
水素、二酸化硫黄、塩化スズ(II)、水素、ギ酸、アスコ
ルビン酸などが還元剤として使用可能であり、なかでも
亜鉛、マグネシウム、ハイドロサルファイトナトリウム
が好ましく、亜鉛およびハイドロサルファイトナトリウ
ムが特に好ましい。還元剤の使用量は、第1工程で得ら
れた反応混合物100g当たり通常12モル以内、好ま
しくは0. 1〜10モル、さらに好ましくは0. 5〜5
モル、最も好ましくは1. 0〜5モルの範囲である。還
元剤の効果を高めるために、ピリジン、トリプロピルア
ミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどで例示
される3級アミンを、還元処理系内に共存させることも
でき、その場合の3級アミンの使用量は、還元剤1モル
当たり通常5モル以内、好ましくは0. 25〜3モル、
さらに好ましくは0. 4〜2モル、最も好ましくは0.
5〜1. 5モルの範囲である。本発明の還元処理は無溶
媒でも進行させることができる。しかし、一般的には、
本発明の還元処理を阻害せず、しかも目的生成物である
HHTPが溶解可能な溶媒を使用するのが通例であっ
て、その場合の反応溶媒としては、例えば、水、グリセ
リン、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセ
トン等のケトン類、エチレングリコール、プロピレング
リコール等のグリコール類、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類、酢酸、ギ酸等のカルボン酸類、アセトニトリ
ル等の極性溶媒及びこれらの混合物が使用できる。なか
でも、水、エタノール、酢酸水溶液、稀塩酸、水酸化ナ
トリウム水溶液が好ましく、特に水が好ましい。還元処
理は常圧下で行うのが通常であって、反応温度には0〜
100℃の範囲が採用可能であるが、通常は20〜30
℃の範囲が採用され、反応時間は0. 1分以上、好まし
くは20分〜24時間の範囲にある。反応終了後は、反
応混合物をそのまま冷却しHHTPを析出させる。反応
混合物中に不溶物が存在する場合には、例えば、熱濾過
を行って不溶物を取り除いた後、冷却してHHTPを析
出させる。析出したHHTPを濾過などの方法により回
収し、これを無水酢酸、アセトンまたはメタノールなど
で洗浄することにより、高純度なHHTPを製造するこ
とができる。本発明の第2工程である還元処理は、第1
工程から得られる反応混合物を対象として第1工程で生
成されたHHTPの共存下に、HHTPの遷移金属錯体
および/またはキノン体を還元しているが、これはHH
TPの存在が本発明の還元処理の条件であることを意味
しない。従って、例えば、第1工程で得た反応混合物を
塩酸水溶液と混合し、生じた沈殿物を濾別して水洗し、
次いでその沈殿物のメタノール可溶分を採取し、そのメ
タノール溶液に水を投入し、生じた沈殿物を濾別するこ
とによってHHTPのみを単離し、HHTPを単離した
残りの沈殿物(この沈殿物中には、HHTPの遷移金属
錯体とHHTPのキノン体が含まれる)に本発明の還元
処理を施してHHTPを取得することができる。また、
本発明の還元処理によれば、HHTPの遷移金属錯体お
よび/またはキノン体が如何なる方法で製造されたかを
問わず、これをHHTPに還元することができるので、
例えば、硫酸鉄(III) の硫酸溶液とカテコールとを反応
させて得られる反応混合物に、本発明の還元処理を施し
てHHTPを製造することもできる。
明するが、これら実施例は本発明を限定するものではな
い。各実施例で得られたHHTPの純度測定は、高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)で行った(カラム:
DuPont社製のZorvax ODS 4.6×250mm 、移動相:CH3
CN/H2 O/H3 PO4 =60/40/0.1、流
速:1.0ml/分、保持時間:2.4分)。また、構
造確認は、実施例で得たHHTPを水−メタノールから
再結晶させて針状結晶を取得し、これと、1,2−ジメ
トキシベンゼンから2段階で合成したHHTPとを対比
することで行った。両者のHPLCの保持時間とNMR
スペクトルは、完全に一致した[ 1H−NMR(400
MHz,CD3 OD):δ4.85(s,OH),7.
74(s,Ar)ppm:13C−NMR(100MH
z,DMSO−d6):δ107.85,121.9
2,145.30ppm]。 実施例1 カテコール5.5g(0.05モル)と塩化鉄(III) 6
水和物27.0g(塩化鉄(III) として0.1モル、水
として0.6モル)の混合物を、50℃に加熱し7時間
攪拌した。得られた反応混合物を3規定の塩酸水溶液1
00mlに投入し、沈澱を濾別して水洗した。この沈澱
物をメタノールに溶かし、不溶分を濾別した後、濾液に
水を投じて生ずる沈澱を濾別、乾燥して2.6gのHH
TPを得た。収率46%、純度98.5%。 実施例2 カテコール5.5gと、塩化鉄(III) 6水和物27.0
gとの混合物を、40℃に加熱し7時間攪拌した。得ら
れた反応混合物を3規定の塩酸水溶液100mlに投入
し、沈澱を濾別して水洗した。この沈澱物を10重量%
のハイドロサルファイトナトリウム水溶液で、沈澱物が
灰色になるまで洗浄後、再び水洗して減圧乾燥し、4.
1gのHHTPを得た。収率76%、純度91.0%。 実施例3 カテコール5.5gと、塩化鉄(III) 6水和物27.0
gとの混合物を、50℃に加熱し7時間攪拌した。得ら
れた反応混合物を3規定の塩酸水溶液100mlに投入
し、沈澱を濾別して水洗した。この沈澱物を実施例2と
同様な方法で後処理し、3.7gのHHTPを得た。収
率69%、純度92.1%。 実施例4 カテコール5.5gと、塩化鉄(III) 6水和物27.0
gとの混合物を、70℃に加熱し7時間攪拌した。得ら
れた反応混合物を3規定の塩酸水溶液100mlに投入
し、沈澱を濾別して水洗した。この沈澱物を実施例2と
同様な方法で後処理し、2.4gのHHTPを得た。収
率45%、純度70.0%。 実施例5 カテコール5.5gと、塩化鉄(III) 6水和物27.0
gと、濃硫酸0.49gとの混合物を、50℃に加熱し
4時間攪拌した。得られた反応混合物を3規定の塩酸水
溶液100mlに投入し、沈澱を濾別して水洗した。こ
の沈澱物を実施例2と同様な方法で後処理し、3.5g
のHHTPを得た。収率65%、純度92.0%。 実施例6 無水塩化鉄(III) 32.4g(0.2モル)に、水冷下
で、水21.6g(1.2モル)をゆっくり滴下した。
塩化鉄(III) 水溶液が室温まで冷却してから、これにカ
テコール11.1g(0.1モル)を加え、50℃で7
時間攪拌した。得られた反応混合物を3規定の塩酸水溶
液100mlに投入し、沈澱を濾別して水洗した。この
沈澱物を実施例2と同様な方法で後処理し、6.2gの
HHTPを得た。収率57%、純度94.2%。 実施例7 カテコール11.0gと、塩化鉄(III) 6水和物10.
8g(塩化鉄(III) として0.04モル、水として0.
24モル)と、水5ml(0.28モル)との混合物を
50℃に加熱し、24時間酸素を吹き込みながら攪拌し
た。得られた反応混合物を3規定の塩酸水溶液100m
lに投入し、沈澱を濾別して水洗した。この沈澱物を実
施例2と同様な方法で後処理し、1.5gのHHTPを
得た。収率14%、純度92.0%。 実施例8 カテコール11.0gと、塩化鉄(III) 6水和物10.
8gと、水5mlと、塩化銅(II)2水和物6.8g
(0.04モル)との混合物を50℃に加熱し、24時
間酸素を吹き込みながら攪拌した。得られた反応混合物
を3規定の塩酸水溶液100mlに投入し、沈澱を濾別
して水洗した。この沈澱物を実施例2と同様な方法で後
処理し、2.8gのHHTPを得た。収率26%、純度
91.9%。 比較例1 0℃に冷却した70容量%硫酸500ml(7.1モ
ル)に、無水塩化鉄(III) 120g(0.74モル)を
少量ずつ加えて硫酸鉄(III) の硫酸水溶液を調製し、こ
の溶液に塩化鉄(III) の存在が認められないことを確認
した。この硫酸鉄(III) の硫酸水溶液にカテコール2
5.3g(0.23モル)を少量ずつ添加し、25℃で
24時間攪拌した。反応の初期段階では緑色であった溶
液は、反応の進行と共に濃紺色に変色した。反応後、反
応混合物をクラッシュアイスに投入し、沈澱物をフィル
ターで濾別して水洗した。水洗後、この沈澱をトルエン
に分散させ、共沸によって水分を除去した。こうして得
られた反応生成物中には、HHTPは全く存在せず、、
HHTPの鉄錯体が160質量%(収量40.0g)含
まれていた。 実施例9 比較例1で得られた沈澱物を、10重量%のハイドロサ
ルファイトナトリウム水溶液で、沈澱物が灰色になるま
で洗浄後、再び水洗して減圧乾燥し、19.1gのHH
TPを得た。収率77%、純度80.0%。 実施例10 比較例1で得られたHHTP鉄錯体10gを、2.4規
定の塩酸100mlに懸濁させて加温した。そこに塩化
第1スズ100gを加えると、懸濁物は灰褐色になっ
た。これに濃塩酸250mlを加えて冷却し、懸濁物を
濾過した。得られた濾過物をメタノール抽出して乾燥す
ることにより、2gのHHTPを得た。純度91.0
%。 実施例11 比較例1で得られたHHTP鉄錯体10gを、酢酸10
0ml及び12規定塩酸10mlの混合液に懸濁させ、
加温した。そこに亜鉛末1gを加えると水素が発生した
が、HHTP鉄錯体の色は殆ど変化しなかった。冷却
後、1規定の塩酸に投入して濾過した。濾過物をメタノ
ール抽出して乾燥することにより、82mgのHHTP
を得た。純度89.0%。 実施例12 無水塩化鉄(III) 16.2g(0.1モル)に、メタノ
ール19.2g(0.6モル)を水冷下に加えれると塩
化水素が発生し、均一な溶液になった。そこにカテコー
ル5.5g(0.05モル)を添加し、室温下で12時
間攪拌して反応混合物を得た。この反応混合物を3規定
の塩酸水溶液100mlに投入し、沈澱を濾別して水洗
した。得られた沈澱物を実施例2と同様に、10重量%
のハイドロサルファイトナトリウム水溶液で処理した。
HPLCで求めたHHTPの収率は8.4%であった。
なお、HHTPの外に、構造不明な多量の副生成物のピ
ークが2本観察された。 実施例13 無水塩化鉄(III) 16.2g(0.1モル)に、塩化メ
チレン50.96g(0.6モル)を室温下で添加する
と、スラリー状の溶液となった。そこにカテコール5.
5g(0.05モル)を添加すると、激しく塩化水素が
発生し、系は固化した。室温下で12時間放置した後、
固体を3規定の塩酸水溶液100mlに投入し、沈澱を
濾別して水洗した。得られた沈澱物を実施例2と同様
に、10重量%のハイドロサルファイトナトリウム水溶
液で処理した。HPLCで求めたHHTPの収率は1
3.8%であった。なお、HHTPの外に、構造不明な
多量の副生成物のピークが1本観察された。 実施例14 無水塩化鉄(III) 16.2g(0.1モル)に、ジメチ
ルホルムアミド43.9g(0.6モル)を氷冷下に添
加すると、気体が激しく発生し、均一な溶液となった。
そこにカテコール5.5g(0.05モル)を添加し、
50℃に加熱し、12時間攪拌して反応混合物を得た。
しかる後、このものを3規定の塩酸水溶液100mlに
投入し、沈殿物を濾別して水洗した。得られた沈殿物を
実施例2と同様に、10重量%のハイドロサルファイト
ナトリウム水溶液で処理し、200mgのHHTP(純
度20%)を得た。 実施例15 銅(II)アセチルアセトナト1.31g(5.0ミリモ
ル)を2規定塩酸水溶液120mlに溶解させた後、カ
テコール11.0g(100ミリモル)をこれに投入
し、70℃に加温した。次いでこの加温溶液に、30%
過酸化水素25mlを75mlの蒸留水で希釈した希釈
液をゆっくり滴下し、滴下終了後、3時間反応させた。
しかる後、液中に生じた沈殿物を濾別して乾燥し、HH
TPの銅錯体を含有する反応生成物10.1gを得た。
上記の反応生成物を10重量%のハイドロサルファイト
ナトリウム水溶液で還元処理した。還元処理した生成物
を水洗し、減圧乾燥すると200mgのHHTP(純度
90%)が得られた。 実施例16 マンガン(II)アセチルアセトナト1.76g(5.0ミ
リモル)を2規定塩酸水溶液120mlに溶解させた
後、カテコール11.0g(100ミリモル)をこれに
投入し、70℃に加温した。次いでこの加温溶液に、3
0%過酸化水素25mlを75mlの蒸留水で希釈した
希釈液をゆっくり滴下し、滴下終了後、3時間反応させ
た。しかる後、液中に生じた沈殿物を濾別して乾燥し、
HHTPのマンガン錯体を含有する反応生成物6.6g
を得た。上記の反応生成物を実施例15と同様に還元処
理した。還元処理した生成物を水洗し、減圧乾燥すると
60mgのHHTP(純度91%)が得られた。
Claims (4)
- 【請求項1】 2,3,6,7,10,11−ヘキサヒ
ドロキシトリフェニレンの遷移金属錯体および/または
キノン体を還元処理することを特徴とする2,3,6,
7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製
造法。 - 【請求項2】 カテコールと遷移金属化合物とを反応さ
せて2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシト
リフェニレンと、2,3,6,7,10,11−ヘキサ
ヒドロキシトリフェニレンの遷移金属錯体および/また
はキノン体を含有する反応混合物を生成させ、この反応
混合物を還元処理することを特徴とする2,3,6,
7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製
造法。 - 【請求項3】 カテコールと遷移金属化合物とを反応さ
せることを特徴とする2,3,6,7,10,11−ヘ
キサヒドロキシトリフェニレンの製造法。 - 【請求項4】 前記の遷移金属化合物が、塩化鉄(III)
である請求項2または3記載の製造法。
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