JPH0514698B2 - - Google Patents

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JPH0514698B2
JPH0514698B2 JP59110419A JP11041984A JPH0514698B2 JP H0514698 B2 JPH0514698 B2 JP H0514698B2 JP 59110419 A JP59110419 A JP 59110419A JP 11041984 A JP11041984 A JP 11041984A JP H0514698 B2 JPH0514698 B2 JP H0514698B2
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JP
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alkali metal
copper
cucl
reaction
complex
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JP59110419A
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JPS60255746A (ja
Inventor
Tomya Itsushiki
Tomoyuki Yui
Hideo Uno
Mitsuo Abe
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication of JPH0514698B2 publication Critical patent/JPH0514698B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は2,3,5−トリメチルベンゾキノン
(以下、TMBQと略する)の新規な製造法に関す
るものであり、詳しくは2,3,6−トリメチル
フエノール(以下、TMPと略する)を水及び炭
素数4〜10の脂肪族アルコール類中で銅ハロゲノ
錯体及びアルカリ金属ハロゲン化物またはアンモ
ニウムハロゲン化物(以下、便宜上、アルカリ金
属ハロゲン化物と略する)の存在下、分子状酸素
と接触させることを特徴とする、TMBQの製造
法に関するものである。 〔産業上の利用分野〕 TMBQはビタミンEの合成中間体として有用
な物質である。 〔従来の技術〕 TMBQの製造法としては種々の原料を用いる
方法が提案されているが、本発明はTMPを原料
としてTMBQを製造する方法に関するものであ
る。 TMPからのTMBQの製造の代表的な方法とし
ては (1) 無機酸化剤では酸化する方法 (2) 触媒の存在下、酸素で酸化する方法 がある。 (1)の方法は、例えば酸化剤として過マンガン酸
カリウム、二酸化マンガン、酸化鉛などが用いら
れており、これらの方法は高価な酸化剤が化学量
論量必要なこと、反応によつて生成する低原子価
状態の金属の処理が必要なこと等の欠点がある。 (2)の方法としては例えば触媒としてコバルト錯
体を用いる方法があるが、この方法では反応初期
の触媒の活性は相当高いが触媒の寿命が極めて短
く、工業的実施は困難である。他に触媒としてハ
ロゲン化銅を用いる方法があり、この方法は限定
された条件下では反応率、選択率ともに高いが、
解決すべき種々の基本的な欠点を有する。例え
ば、特公昭第53−17585号公報には遊離の銅イオ
ンおよびハロゲンイオンを触媒としてTMPを酸
素で酸化する方法が開示されている。この方法は
限定さた条件下では収率が高く、優れた方法であ
るが、反応速度が小さいこと、反応に及ぼす水の
影響が非常に大きいこと、生成物であるTMBQ
の単離あるいは触媒の循環使用を考慮した場合に
は大きなエネルギー消費が予想されること等の欠
点を有する。即ち反応終了後、触媒を回収し、再
使用しようとすると反応液から大量の水で抽出
し、その水溶液から蒸発等の処理をして水を除き
水を含まない触媒として回収する必要がある。し
たがつて工業的に触媒を回収、再使用しようとす
るとその操作に多大のエネルギーを消費すること
となり、極めて不利である。さらにこの方法は触
媒の活性が低いので反応に長時間を要し、空時収
率が低く、反応装置が大型化する欠点があり、工
業的実施は困難である。 特開昭第50−93931号公報は上記の方法の欠点
を改善する方法を提案している。この方法は反応
に対する水の悪影響を改善し、含水溶媒中でも効
率よく反応を進行させ、触媒の繰り返し使用を容
易にする方法である。この方法では反応系に予
め、あるいは間欠的に臭素、塩素、ハロゲン化水
素、次亜ハロゲン化水素酸塩、4−ブロモ−2,
3,6−トリメチルフエノール等のハロゲンまた
は反応系でハロゲンを遊離し得るハロゲン化物を
添加することにより、触媒の劣化を防止し、水相
に溶解したハロゲン化銅を触媒としてそのまま繰
り返し使用しようとしている。しかし実施例から
も明らかなように、これ等のハロゲン種を予め添
加しても繰り返し使用のかなり早い時期にこれら
は消費され、消失する。したがつて時々、ハロゲ
ン種を追加しなくてはならない。このことは操作
上、面倒であるばかりでなく、TMBQの工業的
生産にあたつてはコストアツプを招来する。 更にこれらの公知技術はいずれも有機溶媒とし
て水に完全に溶解する有機溶媒の使用が必須であ
る。したがつて反応後、目的物であるTMBQを
分離しようとした場合、触媒、溶媒からの分離操
作を煩雑にし、且つ触媒、溶媒を繰り返し使用す
る際、濃縮、脱水、精製等の操作が必要で多大の
エネルギーを必要とすることが予想される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 したがつて本発明の目的は高価な酸化剤を必要
とせず、触媒の活性が高く且つ水による触媒の活
性低下がなく、寿命が長く、生成物の取り出し及
び触媒の単離が容易であり、触媒の循環使用が可
能な方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、2,3,6−トリメチルフエノール
を水および炭素数4〜10の脂肪族アルコール類の
共存下で、 一般式 Ml〔Cu()mXn〕p (結晶水を含んでも含まなくてもよい)〔式中、
Mは周期律表においてIAで表されるアルカリ金
属アンモニウム、Cu()は二価の銅、Xはハロ
ゲン、lは1〜3の整数、mは1または2、nは
3〜8の整数、pは1または2、l+2mp=np〕 で示される銅ハロゲノ錯体、及びアルカリ金属ハ
ロゲン化物 の存在下、分子状酸素と接触させることを特徴と
する2,3,5−トリメチルベンゾキノンの製造
法である。 本発明においては銅ハロゲノ錯体およびアルカ
リ金属ハロゲン化物を触媒として使用する。銅ハ
ロゲノ錯体は単独でもTMPを酸素により容易に
酸化し、高選択率でTMBQに変換する優れた性
質を有するものであるが、銅ハロゲノ錯体と共に
アルカリ金属ハロゲン化物を使用することにより
TMBQ選択率は一層、良好となり、かつ反応速
度も大きくなる。即ち、触媒として銅ハロゲノ錯
体を用いることにより水が存在する反応系である
にもかかわらず、遊離の銅およびハロゲンイオン
という公知の触媒系よりも反応速度、TMBQ選
択性の面で優れており、且つ、また水による触媒
の活性低下が殆ど認められないという驚くべき特
徴を有する。 本発明は従来法と異なり銅ハロゲノ錯体および
アルカリ金属ハロゲン化物という新規な触媒を用
いるものであり、本発明を工業的に実施する際に
は反応容器を大幅に小さくすることが可能であ
り、本発明によれば空時収率を増大させ、更には
触媒の繰り返し使用を大いに有利にするという極
めてすぐれた効果が達成される。 本発明において用いられる銅ハロゲノ錯体は銅
とハロゲンが配位結合をした化合物、すなわち一
般式Ml〔Cu()mXn〕p (式中、Mは周期律表においてIAで表されるア
ルカリ金属またはアンモニウム、Cu()は二価
の銅、Xはハロゲン、lは1〜3の整数、mは1
または2、nは3〜8の整数、pは1または2、
l+2mp=np) で示される化合物(結晶水を含んでも含まなくて
もよい)である。 上記式においてMとしてはアルカリ金属、アン
モニウムが好ましく、アルカリ金属としてはLi、
K、Rb、Cs、好ましくはLi、K、Cs、特に好ま
しくはLiがあげられる。またハロゲンとしては
Cl、Br、Iが好ましく、特にCl、Brが好ましい。
銅ハロゲノ錯体としては例えば、Li〔CuCl3〕・
2H2O、NH4〔CuCl3〕・2H2O、(NH42〔CuCl4〕・
2H2O、K〔CuCl3〕、K2〔CuCl4〕・2H2O、Cs
〔CuCl3〕・2H2O、Cs2〔CuCl4〕・2H2O、Cs3
〔Cu2Cl7〕・2H2O、Li2〔CuBr4〕・6H2O、K
〔CuBr3〕、(NH42〔CuBr4〕・2H2O、Cs2
〔CuBr4〕、Cs〔CuBr3〕などがあげられる。これ
らの銅ハロゲノ錯体は公知方法、例えばMellor's
Comprehensive Treatment on Inorganic and
Theoretical Chemistry,Vol,p182〜201
(Longman)により合成することができる。 このようにして合成した銅ハロゲノ錯体は融点
の測定などによつて同定できる。例えば、合成し
た塩化銅リチウム錯体Li〔CuCl3〕・2H2Oは赤褐
色を呈しており、塩化第二銅CuCl2・2H2Oの緑
色の結晶とは外観において全く異なり、その融点
は130〜135℃を示す。塩化銅リチウムLi
〔CuCl3〕・2H2O、塩化第二銅CuCl2・2H2Oの融
点は文献(Mellor's Comprehensive Treatment
on Inorganic and Theoretical Chemistry,
Vol,p184,p169(Longman)によればそれぞ
れ、130℃、110℃である。 銅ハロゲノ錯体の水溶液と塩化第二銅水溶液の
可視吸収スペクトルは820〜880nmにおいて極大
吸収(λmax)を持ち、その極大吸収は高濃度に
なるにしたがつて長波長側にシフトする(図1)。
そして同一濃度において銅ハロゲノ錯体と塩化第
二銅の極大吸収を与える波長を比較すると全く異
なる。また波長800nmにおいて濃度変化に対す
るモル吸光係数(logεで表示)の変化をみると塩
化第二銅は3mol/以上の濃度でモル吸光係数
は飽和し、その値は1.45である。銅ハロゲノ錯体
の場合、例えばLi〔CuCl3〕・2H2Oの場合、
3mol/以上の濃度でモル吸光係数は飽和し、
その値は1.52であり、塩化第二銅のモル吸光係数
とは全く違う値を示す(図2)。 更にLi〔CuCl3〕・2H2Oの飽和水溶液に塩化リ
チウムを溶解していくと800nmでのモル吸光係
数は1.63に近づいていく(図3)。本発明におい
て例えば塩化銅リチウム錯体Li〔CuCl3〕・2H2O
と塩化リチウムを用いる時はその水溶液のモル吸
光係数(logε)が1.4〜1.63であるような場合が好
都合である。 銅ハロゲノ錯体水溶液は銅ハロゲノ錯体の濃度
によつても異なるが、約3.0以下のPHを示す。銅
ハロゲノ錯体の水溶液にアルカリ金属ハロゲン化
物を溶解すると驚いたことにさらにPHは低下し、
その値はアルカリ金属ハロゲン化物の添加量にほ
ぼ比例して低下する。またPHはアルコール類が混
入してもその傾向は全く変わらない。 銅ハロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン化物を
含む触媒水溶液のPHは通常2以下、好ましくは2
〜−1、最も好ましくは1〜−0.5である。 アルカリ金属ハロゲン化物はNaCl、LiCl、
KCl、CsCl、NaBr、NH4Br、KBr、CsBr、
NaI、LiI、KI、CcIなどであり、収率、反応速度
の面から特にLiClの使用が好ましい。しかしなが
ら異種のアルカリ金属ハロゲン化物の使用も可能
である。アルカリ金属ハロゲン化物の代わりにハ
ロゲン化水素を用いた銅ハロゲノ錯体を使用する
と反応生成物として4−クロル−トリメチルフエ
ノール(以下、4−C1−TMPと略す)を主生成
物として与え、目的とするTMBQの収率は極め
て低くなる。 本発明の一般的な実施方法は銅ハロゲノ錯体と
アリカリ金属ハロゲン化物を所定の割合で所定量
の水に溶解させることにより触媒を調製し、次い
で有機溶媒、TMPを仕込み、酸素と接触させる
ことにより行う。 銅ハロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン化物の
組成は反応を制御する重要な因子の一つである。
銅ハロゲノ錯体を基準にして考えた場合、銅ハロ
ゲノ錯体に対するアルカリ金属ハロゲン化物の使
用割合は、使用する銅ハロゲノ錯体、アルカリ金
属ハロゲン化物の種類によつて異なるが、一般的
にはアルカリ金属ハロゲン化物の使用割合が極め
て大きいときには反応速度を低下させることがあ
り、好ましくない。又、アルカリ金属ハロゲン化
物の使用割合が極めて小さいときにはその効果が
表れない。さらにアルカリ金属ハロゲン化物の使
用割合は反応系の水相におけるアルカリ金属ハロ
ゲン化物の溶解性によつて制約を受ける。したが
つてアルカリ金属ハロゲン化物の使用量は一概に
決定できないが、銅ハロゲノ錯体に対し通常1〜
15倍モル、好ましくは1〜10倍モル、特に好まし
くは2〜5倍モルである。 本発明においては反応系内の水相における銅ハ
ロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン化物の両者を
組合せた濃度が反応収率、反応速度に大きな影響
を与える。即ち、この場合も反応系に添加する水
の量が反応を効率良く行うための最も重要な因子
の一つである。反応の効率の面からすると、銅ハ
ロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン化物からなる
触媒系の水相における濃度はできるだけ高い方が
良い結果を与える。鋼ハロゲノ錯体とアルカリ金
属ハロゲン化物からなる触媒系の水相における濃
度が20wt%以下ではTMBQの選択性は大きく低
下する。銅ハロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン
化物からなる触媒系のアルコール類を除いた水相
における濃度は溶解度も考慮して、好ましくは20
〜80wt%、更に好ましくは20〜70wt%、特に好
ましくは20〜60wt%である。 銅ハロゲノ錯体およびアルカリ金属ハロゲン化
物の使用量は収率、反応速度の両面から最適な範
囲が存在する。即ち銅ハロゲノ錯体およびアルカ
リ金属ハロゲン化物の使用量が極めて少ない場合
にはTMBQ収率は低く、反応速度も小さいとい
う傾向がある。また銅ハロゲノ錯体とアルカリ金
属ハロゲン化物の使用量をある量以上多くして
も、その効果は飽和状態となり、量を多くする意
味はない。本発明において使用する銅ハロゲノ錯
体およびアルカリ金属ハロゲン化物の使用量は使
用する銅ハロゲノ錯体の種類によつて変わるので
一概に決定できないが、銅ハロゲノ錯体とアルカ
リ金属ハロゲン化物の好ましい組成の触媒系にお
いて銅ハロゲノ錯体によりその使用量を表すと銅
ハロゲノ錯体の使用量はTMPに対して0.1〜5倍
モル、好ましくは0.5〜3倍モル、特に好ましく
は1〜2倍モルである。 本発明に用いられる水およびアルコール類とは
単に水とアルコール類の共存を意味する。即ち、
本発明では水とアルコール類が全く、あるいは殆
ど混ざり合わないためアルコール類の相と触媒水
溶液相とが分離する系(不均一反応系)で、本発
明は実施される。したがつて本発明によれば、触
媒の循環使用、生成物の効果的な分離等が可能で
ある。 本発明に用いられるアルコール類は炭素数4〜
10の脂肪族アルコールである。しかしながら水へ
の溶解度を考慮すれば、炭素数5〜10の脂肪族ア
ルコールが好ましい。本発明におけるアルコール
類として例えば、n−ブタノール、n−アミルア
ルコール、iso−アミルアルコール、n−ヘキシ
ルアルコール、2−エチルヘキサノール、n−ヘ
プチルアルコール、n−オクチルアルコール、n
−ノニルアルコール、n−デシルアルコールなど
が好ましい。本発明において用いられる水および
アルコール類は触媒である銅ハロゲノ錯体および
アルカリ金属ハロゲン化物の溶解、原料である
TMPの溶解、並びに酸素の溶解に優れた効果を
示す。したがつて、これらの溶液を接触させるだ
けで目的とするTMBQの生成が極めて有効に行
われる。 本発明において、特に炭素数5〜10の脂肪族ア
ルコール類を選択した場合、驚いたことに反応系
は完全に付均一な系になるにもかかわらず、反応
は何等の悪影響も受けず円滑に進行する。更に反
応後、触媒相である水相、TMBQを含むアルコ
ール相である有機相とを単に相分離するだけで得
られるので、触媒の再使用、TMBQの取り出し
のための後処理が極めて簡単となり好都合であ
る。 本発明におけるアルコール類の使用量はTMP
の溶解、水に対するアルコール類の割合を考慮し
て決められ、アルコール類の使用量は水に対して
0.5〜10倍、好ましくは0.8〜5倍、特に好ましく
は1.5〜2倍(容量基準)である。逆にアルコー
ル類に対する水の使用量は0.1〜2倍、好ましく
は0.2〜1.25倍、特に好ましくは0.5〜0.67倍(容
量基準)である。 反応温度は用いる銅ハロゲノ錯体及びアルカリ
金属ハロゲン化物の種類、使用量、水の使用量、
及びアルコール類の種類によつて異なるが、一般
に10〜120℃が好ましく、30〜100℃が更に好まし
く、40〜80℃が最も好ましい。反応時間も、用い
る銅ハロゲノ錯体の種類、量並びに反応温度、水
の使用量、及びアルコール類の種類等により異な
るが5〜300分程度である。 本発明に用いられる原料のTMPは如何なる製
法によるものでも使用しうる。例えばフエノール
類のアルキル化(例えばm−クレゾール、2,3
−キシレール、2,5−キシレノールのアルキル
化)、ポリメチルフエノールのトランスアルキル
化、2,3,6−トリメチルベンゼンスルホン酸
のアルカリ溶融、2,3,6−トリメチルクメン
の酸化、あるいはタール分の分留、フエノール類
からの分離等により得られるTMPが用いられる。 本発明で用いる酸素とは純酸素或いは含酸素ガ
スを意味し、含酸素ガスには酸素富化空気、空
気、不活性ガスで希釈された酸素などが含まれ
る。本発明に用いられる酸素を希釈することので
きる不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アル
ゴンなどがあげられる。圧力は酸素分圧として
0.05〜50Kg/cm2(絶対圧)、好ましくは0.1〜20
Kg/cm2、更に好ましくは0.2〜10Kg/cm2、更に好
ましくは0.3〜3Kg/cm2で、最も好ましくは0.3〜
1Kg/cm2で行うのが有利である。 本発明はTMPを水及びアルコール類中で銅ハ
ロゲノ錯体及びアルカリ金属ハロゲン化物の存在
下、酸素と接触させることにより達成できるが、
反応器に撹拌反応器を用いるのが最も好ましい実
施態様であり、これにより効率の良い気液の接触
が可能となる。 本発明の反応は酸素ガスを反応器に通気する方
法、あるいは吸収された酸素を補給して所定圧力
を保つようにしたガス循環法により達成できる。 本発明はバツチ方式で反応できることは勿論、
セミ回分式、あるいは連続流通方式で反応を行わ
せることもできる。 〔作用および効果〕 本発明によれば銅ハロゲノ錯体及びアルカリ金
属ハロゲン化物を触媒として使用することによ
り、TMPを酸素により容易に酸化し、高収率、
高選択率でTMBQに変換することができる。す
なわち銅ハロゲノ錯体を単独で使用した場合に比
べ、本発明によればアルカリ金属ハロゲン化物を
併用するので、さらに選択率は向上し、収率も約
10%向上させることが可能である。 本発明は水が存在する反応系であるにもかかわ
らず、遊離の銅およびハロゲンイオンという公知
の触媒系よりも反応速度、TMBQ選択性の面で
優れており、且つ、また水による触媒の活性低下
が殆ど認められないという驚くべき特徴を有し工
業的に極めて有利である。 本発明によれば反応速度が大きいので空時収率
が大きく、工業的に実施する際には反応容器を大
幅に小さくすることが可能である。 本発明においては生成物であるTMBQの分取
は極めて容易である。すなわち、本発明において
は炭素数4〜10の脂肪族アルコールを用いるので
常に水相と有機相が分離し、炭素数5〜10の脂肪
族アルコールを用いるとその分離はさらに良好と
なる。したがつて有機相は溶媒を留去しTMBQ
を得ることができるし、また水相はそのまま或い
は必要ならば濃縮或いは精製して触媒液として繰
り返し使用できるので工業的に極めて優れてい
る。 また得られた有機相はそのまま還元することに
よりビタミンEの前駆体である2,3,5−トリ
メチルヒドロキノンを得ることができる。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例、比較例によつて更に詳
しくは説明する。なお、実施例、比較例における
反応率、収率はモル基準で表す。 実施例1〜4、比較例1〜5 予め調製した結晶銅ハロゲノ錯体または市販の
銅ハロゲノ錯体25mmolとアルカリ金属ハロゲン
化物75mmolを四ツ口フラスコに仕込んだ。水10
〜20mlを入れ、撹拌下、触媒液を調製した。 次にTMP3.4g(25mmol)と10mlのn−オク
タノールを仕込んだ。 反応系を酸素で置換した後、反応混合物を60℃
に保ち、且つ800rpmで激しく撹拌した。酸素は
カスホルダーおり逐次、供給し、その消費量をガ
スビユーレツトにより測定した。酸素ガス吸収が
停止した時点を反応終了とした。反応後、有機相
と水相に分液し有機相についてガスクロマトグラ
フにより分析した。その結果を第1表に示す。
【表】
【表】 実施例 5〜13 TMP25mmolとこれに対して種々の割合の銅
ハロゲノ錯体Li〔CuCl3〕・2H2OとLiClを添加し、
n−オクタノール10ml、水10mlの存在下に実施例
1と同様の方法で反応処理した。その結果を第2
表に示す。 なお反応後、水相とアルコール相が分離してお
り、水相(触媒相)は分液した後、循環使用が可
能であつた。
【表】 実施例 14〜16 TMP25mmol、予め調製した結晶Li〔CuCl3〕・
2H2O25mmolとLiCl75mmol、n−ヘキサノー
ル10mlを四ツ口フラスコに入れ、添加する水の量
を種々変えて実施例1と同様に反応した。その結
果を第3表に示す。 なお反応後、水相とアルコール相が分離してお
り、水相(触媒相)を分液した後、循環使用が可
能であつた。
【表】 実施例 17〜22 TMP25mmol、予め調製した結晶Li〔CuCl3〕・
2H2O25mmolおよびLiCl75mmolを用い、使用
する溶媒を種々変えて反応した。その結果を第4
表に示す。 なお反応後、水相とアルコール相が分離してお
り、水相(触媒相)は分液した後、循環使用が可
能であつた。
【表】
【表】 実施例 23〜27 TMP25mmol、予め調製した結晶Li〔CuCl3〕・
2H2O 25mmolとLiCl75mmolを使用し、溶媒の
n−オクタノールの量を種々変えた以外は実施例
1と同様にして反応した。その結果を第5表に示
す。 なお反応後、水相とアルコール相が分離してお
り、水相(触媒相)は分液した後、循環使用が可
能であつた。
【表】 実施例 28〜32 TMP25mmol、Li〔CuCl3〕・2H2O 25mmol、
LiCl90mmolを用い、反応温度を種々変えた以外
は実施例1と同様に反応した。その結果を第6表
に示す。 なお反応後、水相とアルコール相が分離してお
り、水相(触媒相)は分液した後、循環使用が可
能であつた。
【表】 比較例 6 塩化第一銅2.5g(25mmol)、塩化リチウム4.2
g(100mmol)およびメタノール20mlを四ツ口
フラスコに入れ、撹拌下、均一な触媒溶液を調製
した。 この触媒溶液にTMP 3.4g(25mmol)を入
れ実施例1と同じ条件で反応を行つた。反応時間
の経過と共に反応容器の内壁、撹拌棒に茶褐色の
重合物が多量に付着した。また反応途中からまつ
たく酸素吸収が認められなくなつた。酸素吸収が
停止した時点で反応液(付着重合物はそのまま)
を大量の水に投入し、トルエンで抽出しガスクロ
による分析を行つたが、少量のTMPが検出され
たのみであつた。従つて、反応したTMPのほぼ
全量は重合物に添加したものと思われる。 比較例 7 塩化銅リチウム錯体Li〔CuCl3〕・2H2O 25m
molとLiCl75mmol、水10mlを四ツ口フラスコに
入れ、撹拌下、触媒液を調製した。 次にフエノール2.4g(25mmol)とn−ヘキ
サノール10mlを仕込み実施例1と同様の条件で反
応処理した。反応時間は4時間を要した。 反応成績は次の通りでありベンゾキノンの生成
は認められなかつた。 フエノール反応率 91.3% o−クロロフエノール収率 1.6% p−クロロフエノール収率 35.2% ジクロロフエノール収率 2.0% その他はガスクロでは検出されなかつた。 実施例 33 TMP 6.8g(50mmol)、銅ハロゲノ錯体Li
〔CuCl3〕2H2O 10.6(50mmol)塩化リチウム6.4
g(150mmol)、n−ヘキサノール20mlおよび水
20mlをを四ツ口フラスコに仕込み実施例1と同様
の操作で1時間反応を行つた。反応後、有機相と
水相に分離した。有機相に200mlのベンゼンを加
え、分液ロート中で振とうすると少量の水が分離
してきた。ベンゼン相と水相とに分離し、水相は
先に得られた水相と合わせた。 ベンゼン相をガスクロマトグラフにより分析し
TMP反応率とTMBQ収率を求めた。一方、水相
は再び四ツ口フラスコに戻し、新たにTMP6.8g
とn−ヘキサノール20mlを仕込み同様に反応を行
つた。この様な操作を何回かくり返し、触媒の劣
化状況を調べた。 その結果を第7表に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は銅ハロゲノ錯体の濃度変化に対する可
視吸収スペクトルの極大吸収波長(λmax)の変
化、第2図は当該濃度変化に対する可視吸収スペ
クトルのモル吸光係数(logε)の変化、第3図は
ハロゲンの濃度変化に対する可視吸収スペクトル
のモル吸光係数(logε)の変化を示したものであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2,3,6−トリメチルフエノールを水およ
    び炭素数4〜10の脂肪族アルコール類の共存下
    で、 一般式 Ml〔Cu()mXn〕p (結晶水を含んでも含まなくてもよい)〔式中、
    Mは周期率表においてIAで表されるアルカリ金
    属またはアンモニウム、Cu()は二価の銅、X
    はハロゲン、lは1〜3の整数、mは1または
    2、nは3〜8の整数、pは1または2、l+
    2mp=np〕 で示される銅ハロゲノ錯体、及びアルカリ金属ハ
    ロゲン化物の存在下、分子状酸素と接触させるこ
    とを特徴とする2,3,5−トリメチルベンゾキ
    ノンの製造法。 2 銅ハロゲノ錯体が Li〔CuCl3〕・2H2O、NH4〔CuCl3〕・2H2O、
    (NH42〔CuCl4〕・2H2O、K〔CuCl3〕、K2
    〔CuCl4〕・2H2O、Cs〔CuCl3〕・2H2O、Cs2
    〔CuCl4〕・2H2O、Cs3〔Cu2Cl7〕・2H2O、Li2
    〔CuBr4〕・6H2O、K〔CuBr3〕、(NH42
    〔CuBr4〕・2H2O、Cs2〔CuBr4〕、Cs〔CuBr3〕 である特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 銅ハロゲノ錯体がLi〔CuCl3〕・2H2Oまたは
    Li2〔CuBr4〕・6H2Oである特許請求の範囲第2項
    記載の方法。 4 銅ハロゲノ錯体の使用量が2,3,6−トリ
    メチルフエノールに対して0.1〜5倍モルである
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 アルカリ金属ハロゲン化物が NaCl、LiCl、KCl、CsCl、NaBr、NH4Br、
    KBr、CsBr、Nal、LiI、KIおよびCsI からなる群から選ばれる少なくとも一種である特
    許請求の範囲第1記載の方法。 6 アルカリ金属ハロゲン化物が LiClである特許請求の範囲第5項記載の方法。 7 銅ハロゲノ錯体に対するアルカリ金属ハロゲ
    ン化物の割合が1〜15倍モルである特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 8 銅ハロゲノ錯体に対するアルカリ金属ハロゲ
    ン化物の割合が1〜10倍モルである特許請求の範
    囲第7項記載の方法。 9 アルコール類が炭素数5〜10の脂肪族アルコ
    ールである特許請求の範囲第1項記載の方法。 10 アルコール類中のTMPの濃度を10〜80%
    とする特許請求の範囲第1項記載の方法。 11 水の使用量が炭素数4〜10の脂肪族アルコ
    ール類に対し、0.1〜2容量倍である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 12 反応系の水相における銅ハロゲン錯体とア
    ルカリ金属ハロゲン化物の両者の濃度の和が20〜
    80wt%である特許請求の範囲第1項記載の方法。 13 反応系の水相における銅ハロゲノ錯体とア
    ルカリ金属ハロゲン化物の両者の濃度の和が20〜
    60wt%である特許請求の範囲第12項記載の方
    法。 14 銅ハロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン化
    物を含む水相(触媒相)のPHが2以下である特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 15 銅ハロゲノ錯体とアルカリ金属ハロゲン化
    物を含む水相(触媒相)のPH2〜−0.5である特
    許請求の範囲第14項記載の方法。 16 反応温度が10〜120℃である特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 17 反応温度が40〜80℃である特許請求の範囲
    第16項記載の方法。 18 反応圧力の酸素分圧が0.05〜50Kg/cm2(絶
    対圧)である特許請求の範囲第1項記載の方法。 19 反応圧力の酸素分圧が0.3〜1Kg/cm2であ
    る特許請求の範囲第18項記載の方法。
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