JPH0911669A - インクジェット用圧着紙 - Google Patents
インクジェット用圧着紙Info
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- JPH0911669A JPH0911669A JP7163917A JP16391795A JPH0911669A JP H0911669 A JPH0911669 A JP H0911669A JP 7163917 A JP7163917 A JP 7163917A JP 16391795 A JP16391795 A JP 16391795A JP H0911669 A JPH0911669 A JP H0911669A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 乾燥装置付きの高速インクジェットプリンタ
で親展面に印字しても、優れたインキ発色性を示し、親
展面を圧着した後剥離しても親展面の印字が対向面に転
移することのないインクジェット用圧着紙を提供する。 【構成】 圧着紙の基紙10の親展面に接着剤組成物か
らなる塗膜層11を設ける。接着剤組成物には、天然ゴ
ム系ラテックス100重量部に対し、超微細粉無定形シ
リカ又は/及び微細鉱物粉末を5〜15重量部、水溶性
接着剤を5〜40重量部を配合した塗料を用いる。圧着
紙の透気度(JIS P8117)は1000秒以上と
する。
で親展面に印字しても、優れたインキ発色性を示し、親
展面を圧着した後剥離しても親展面の印字が対向面に転
移することのないインクジェット用圧着紙を提供する。 【構成】 圧着紙の基紙10の親展面に接着剤組成物か
らなる塗膜層11を設ける。接着剤組成物には、天然ゴ
ム系ラテックス100重量部に対し、超微細粉無定形シ
リカ又は/及び微細鉱物粉末を5〜15重量部、水溶性
接着剤を5〜40重量部を配合した塗料を用いる。圧着
紙の透気度(JIS P8117)は1000秒以上と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一時的に圧着するが必
要時に剥離できて、その親展面にインクジェットプリン
タで印字されている個人向け情報を確認することのでき
るという圧着はがき等に用いられる、インクジェット用
圧着紙に関する。
要時に剥離できて、その親展面にインクジェットプリン
タで印字されている個人向け情報を確認することのでき
るという圧着はがき等に用いられる、インクジェット用
圧着紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、郵便法の改正に伴い、封書よりも
郵便料金が安く、封書と同様に通信の機密保持ができる
親展性を有するはがきが開発されてきている。中でも、
その親展面に剥離性をもつ感圧接着剤を塗被した用紙に
各種情報を印字した後、用紙を二つ折り又は三つ折りに
折り畳み、50〜100 kg/cm 2の強圧をかけてはがき
の形態を構成するという圧着はがきが、大量の通知書類
の発送を必要とする業界で封書からの切替えとして急速
に進んでいる。
郵便料金が安く、封書と同様に通信の機密保持ができる
親展性を有するはがきが開発されてきている。中でも、
その親展面に剥離性をもつ感圧接着剤を塗被した用紙に
各種情報を印字した後、用紙を二つ折り又は三つ折りに
折り畳み、50〜100 kg/cm 2の強圧をかけてはがき
の形態を構成するという圧着はがきが、大量の通知書類
の発送を必要とする業界で封書からの切替えとして急速
に進んでいる。
【0003】従来、圧着はがきへの各種情報の印字方式
としては、主としてレザービームプリンタが使用されて
きたが、トナー定着のために圧着はがきを加熱すると、
不快臭が発生したり、接着剤の老化を進めるという問題
があった。また、レザービームプリンタの大部分は連続
式であるが、原紙は巻き取り状ではなく、1セットを基
準とする折り畳み式で、接着面どうしが接触した状態か
らこれを展開して給紙し圧着されるので、接着力が高い
場合には、加工や取扱いの不備によってブロッキングが
発生しやすかった。
としては、主としてレザービームプリンタが使用されて
きたが、トナー定着のために圧着はがきを加熱すると、
不快臭が発生したり、接着剤の老化を進めるという問題
があった。また、レザービームプリンタの大部分は連続
式であるが、原紙は巻き取り状ではなく、1セットを基
準とする折り畳み式で、接着面どうしが接触した状態か
らこれを展開して給紙し圧着されるので、接着力が高い
場合には、加工や取扱いの不備によってブロッキングが
発生しやすかった。
【0004】そこで、最近、レザービームプリンタに代
わる印字方式として、印刷と同様に巻取紙に直接、直列
ノズル連続インクジェット方式で印字を行い、それを高
周波乾燥装置でインク部を局所的に発熱させて乾燥する
という、いわば高速インクジェットプリンタが注目され
ている。かかるインクジェットプリンタによれば、ラン
ニングコストが安く、最大300m/minにも達する
高速印字によって大量の情報処理が可能となる。これに
使用される水溶性インク、例えばサイテックス社#10
07等は、染料が5〜6重量%で、その他の大部分が水
分であり、誘電率が高く、発熱に対する効率が良い。
わる印字方式として、印刷と同様に巻取紙に直接、直列
ノズル連続インクジェット方式で印字を行い、それを高
周波乾燥装置でインク部を局所的に発熱させて乾燥する
という、いわば高速インクジェットプリンタが注目され
ている。かかるインクジェットプリンタによれば、ラン
ニングコストが安く、最大300m/minにも達する
高速印字によって大量の情報処理が可能となる。これに
使用される水溶性インク、例えばサイテックス社#10
07等は、染料が5〜6重量%で、その他の大部分が水
分であり、誘電率が高く、発熱に対する効率が良い。
【0005】従来、インクジェットプリンタに使われる
専用紙としては、水溶性インクを吸収し易いように多孔
性を有する塗膜層を基紙に設けたコート紙が一般的であ
り、インクの吸収を塗膜層のみで負担させるものと、一
部基紙にもインクを吸収させるものとがある。一方、従
来の圧着紙に設けた塗膜層を構成する接着剤組成物は天
然ゴム系ラテックスと、二次粒子径が比較的大きい無定
形シリカ、及び充填剤としての澱粉粒子とを配合したも
のであり、この塗膜層は多孔性を有し、インク吸収性の
点ではインクジェット適性をある程度は満足する。
専用紙としては、水溶性インクを吸収し易いように多孔
性を有する塗膜層を基紙に設けたコート紙が一般的であ
り、インクの吸収を塗膜層のみで負担させるものと、一
部基紙にもインクを吸収させるものとがある。一方、従
来の圧着紙に設けた塗膜層を構成する接着剤組成物は天
然ゴム系ラテックスと、二次粒子径が比較的大きい無定
形シリカ、及び充填剤としての澱粉粒子とを配合したも
のであり、この塗膜層は多孔性を有し、インク吸収性の
点ではインクジェット適性をある程度は満足する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記圧着紙に
乾燥装置付きの高速インクジェットプリンタで印字した
場合、塗膜層の水溶性インクに対する吸収性が大きくな
るため、印字の発色濃度が低く、また印字後、圧着した
親展面どうしを剥離すると、一側方の親展面上の印字が
他側方の親展面に転移(転写)しやすいという欠点があ
った。この点について、更に具体的に図8に基づき言及
する。同図の(A)は圧着紙の基紙10の親展面に設け
た上記接着剤組成物の塗膜層11の上に、高速インクジ
ェットプリンタのプリンタヘッドから水溶性インク12
が供給された直後の状態を示す。塗膜層11内の大径の
無定形シリカ13の二次粒子内には接着剤組成物が浸透
せず、空洞となっているため、無定形シリカ13の二次
粒子は水溶性インク12に濡れ易く、水溶性インク12
は無定形シリカ13を通じて平面方向及び深さ方向に拡
散しやすい。同図の(B)は水溶性インク12が高周波
乾燥装置により乾燥した状態図を示す。水溶性インク1
2は塗膜層11の表面上にほぼ均一な厚みで被膜層を形
成することが発色濃度が高くて鮮明になるのであるが、
この図からわかるように水溶性インク12は乾燥時には
既にそのほとんどが塗膜層11内に浸透し、また平面方
向に拡がっていて、塗膜層11の表面には水溶性インク
12が僅かに存在するだけで被膜層を形成する状態は得
難い。従って、ハーフトーン部では水溶性インク12の
平面方向の拡がりによって濃いイメージになるだけで、
実際の印字濃度は低く、全体的にフラットな画像を形成
し、鮮明さを欠きやすかった。同図の(C)は親展面ど
うしを圧着後、剥離した状態を示す。前述のように塗膜
層11の表面に水溶性インク12の被膜層が形成されて
いないので、この塗膜層11表面の水溶性インク12部
分での圧力接着性の低下は少なく、圧着により水溶性イ
ンク12の浸透した無定形シリカ13の二次粒子の分離
が生じる。その結果、剥離時に一部の着色粒子12aが
対向面に移動し、印字の転移現象が起こるものと考えら
れる。
乾燥装置付きの高速インクジェットプリンタで印字した
場合、塗膜層の水溶性インクに対する吸収性が大きくな
るため、印字の発色濃度が低く、また印字後、圧着した
親展面どうしを剥離すると、一側方の親展面上の印字が
他側方の親展面に転移(転写)しやすいという欠点があ
った。この点について、更に具体的に図8に基づき言及
する。同図の(A)は圧着紙の基紙10の親展面に設け
た上記接着剤組成物の塗膜層11の上に、高速インクジ
ェットプリンタのプリンタヘッドから水溶性インク12
が供給された直後の状態を示す。塗膜層11内の大径の
無定形シリカ13の二次粒子内には接着剤組成物が浸透
せず、空洞となっているため、無定形シリカ13の二次
粒子は水溶性インク12に濡れ易く、水溶性インク12
は無定形シリカ13を通じて平面方向及び深さ方向に拡
散しやすい。同図の(B)は水溶性インク12が高周波
乾燥装置により乾燥した状態図を示す。水溶性インク1
2は塗膜層11の表面上にほぼ均一な厚みで被膜層を形
成することが発色濃度が高くて鮮明になるのであるが、
この図からわかるように水溶性インク12は乾燥時には
既にそのほとんどが塗膜層11内に浸透し、また平面方
向に拡がっていて、塗膜層11の表面には水溶性インク
12が僅かに存在するだけで被膜層を形成する状態は得
難い。従って、ハーフトーン部では水溶性インク12の
平面方向の拡がりによって濃いイメージになるだけで、
実際の印字濃度は低く、全体的にフラットな画像を形成
し、鮮明さを欠きやすかった。同図の(C)は親展面ど
うしを圧着後、剥離した状態を示す。前述のように塗膜
層11の表面に水溶性インク12の被膜層が形成されて
いないので、この塗膜層11表面の水溶性インク12部
分での圧力接着性の低下は少なく、圧着により水溶性イ
ンク12の浸透した無定形シリカ13の二次粒子の分離
が生じる。その結果、剥離時に一部の着色粒子12aが
対向面に移動し、印字の転移現象が起こるものと考えら
れる。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、乾燥装置付きの高速インクジェット
プリンタで印字を行った場合も、印字の発色濃度が高
く、また剥離時に印字の転移が生じることのない高品質
のインクジェット用圧着紙を提供することを目的とす
る。
になされたもので、乾燥装置付きの高速インクジェット
プリンタで印字を行った場合も、印字の発色濃度が高
く、また剥離時に印字の転移が生じることのない高品質
のインクジェット用圧着紙を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、親展面を有す
る用紙の親展面どうしが剥離可能に接着するように折り
畳んで圧着してなる圧着紙において、前記親展面に接着
剤組成物による塗膜層を設けて透気度(JIS P81
17)が1000秒以上となるように構成したものであ
る。
る用紙の親展面どうしが剥離可能に接着するように折り
畳んで圧着してなる圧着紙において、前記親展面に接着
剤組成物による塗膜層を設けて透気度(JIS P81
17)が1000秒以上となるように構成したものであ
る。
【0009】上記接着剤組成物は、天然ゴム系ラテック
ス100重量部に対し、超微細粉無定形シリカ又は/及
び微細鉱物粉末を5〜15重量部、水溶性接着剤を5〜
40重量部を配合してなるものである。
ス100重量部に対し、超微細粉無定形シリカ又は/及
び微細鉱物粉末を5〜15重量部、水溶性接着剤を5〜
40重量部を配合してなるものである。
【0010】接着剤組成物は感圧接着剤であり、天然ゴ
ム系ラテックスは感圧接着剤の基剤として用いられるも
ので、例えば、天然ゴムにメタアクリル酸メチル等を重
合したものが自着性、耐ブロッキング性などの点で好適
である。
ム系ラテックスは感圧接着剤の基剤として用いられるも
ので、例えば、天然ゴムにメタアクリル酸メチル等を重
合したものが自着性、耐ブロッキング性などの点で好適
である。
【0011】超微細粉無定形シリカとしては、超微細粉
無定形シリカを主成分とする二次粒子(平均粒子径3μ
m以下)を使用する。この二次粒子の空隙に水溶性イン
クが吸蔵される。二次粒子を構成するシリカとしては2
0〜30nmの超微粒子が、光を拡散せず、光の吸収も
ほとんど起こらないので、この細孔構造の中で乾燥した
水溶性インクによって濃度、彩度に優れた印字が得られ
る点で好ましい。
無定形シリカを主成分とする二次粒子(平均粒子径3μ
m以下)を使用する。この二次粒子の空隙に水溶性イン
クが吸蔵される。二次粒子を構成するシリカとしては2
0〜30nmの超微粒子が、光を拡散せず、光の吸収も
ほとんど起こらないので、この細孔構造の中で乾燥した
水溶性インクによって濃度、彩度に優れた印字が得られ
る点で好ましい。
【0012】微細鉱物粉末としては炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、焼成マグネシウム、カオリン、酸化チタ
ンなど塗工用顔料として利用されるものを併用してもよ
い。
酸カルシウム、焼成マグネシウム、カオリン、酸化チタ
ンなど塗工用顔料として利用されるものを併用してもよ
い。
【0013】水溶性接着剤としては、接着剤組成物の塗
膜層の乾燥後、その塗膜層に水溶性インクが浸透するの
を抑止するバリア性を付与するために、主接着剤である
天然ゴム系ラテックスと共に塗膜層中に連続した毛細管
を形成しないものであればよい。例えば、澱粉及びその
誘導体、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等)、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性接着剤
は保水性が高く、天然ゴム系ラテックスの基紙への浸透
を抑止する効果がある点で好ましい。
膜層の乾燥後、その塗膜層に水溶性インクが浸透するの
を抑止するバリア性を付与するために、主接着剤である
天然ゴム系ラテックスと共に塗膜層中に連続した毛細管
を形成しないものであればよい。例えば、澱粉及びその
誘導体、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等)、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性接着剤
は保水性が高く、天然ゴム系ラテックスの基紙への浸透
を抑止する効果がある点で好ましい。
【0014】接着剤組成物には、必要に応じて、分散
剤、消泡剤、滑剤、増粘剤、ゴム老化防止剤、消臭剤、
着色剤、染料固着剤等の通例の添加剤を加えてもよい。
剤、消泡剤、滑剤、増粘剤、ゴム老化防止剤、消臭剤、
着色剤、染料固着剤等の通例の添加剤を加えてもよい。
【0015】本発明のインクジェット用圧着紙は、三つ
折りはがきや二つ折りはがき等のように折り畳んで圧着
するタイプのはがき、あるいはカード等に適用できる。
このうち、三つ折り又は二つ折りはがきでは、親展面上
の少なくとも一部に接着剤組成物の塗膜層を設けて、こ
の塗膜層の表面に個人向けの各種情報をインクジェット
プリンタで印字後、三つ折り又は二つ折り状に折り畳
み、圧着することにより構成する。
折りはがきや二つ折りはがき等のように折り畳んで圧着
するタイプのはがき、あるいはカード等に適用できる。
このうち、三つ折り又は二つ折りはがきでは、親展面上
の少なくとも一部に接着剤組成物の塗膜層を設けて、こ
の塗膜層の表面に個人向けの各種情報をインクジェット
プリンタで印字後、三つ折り又は二つ折り状に折り畳
み、圧着することにより構成する。
【0016】
【作用】微細粉無定形シリカの径の大きい二次粒子では
細孔の大きなものもあり、吸蔵された水溶性インクは移
動し易いため、この無定形シリカを多量に配合すると塗
膜層中に水溶性インクが浸透し易くなって塗膜層の表面
上にインク被膜層を形成しにくくなり、また微細鉱物粉
末も多量に配合すると脱落しやすくなる。従って圧着後
剥離する際に印字が対向面に転移するようになるので、
微細粉無定形シリカ又は微細鉱物粉末は5〜15重量部
が好ましい。
細孔の大きなものもあり、吸蔵された水溶性インクは移
動し易いため、この無定形シリカを多量に配合すると塗
膜層中に水溶性インクが浸透し易くなって塗膜層の表面
上にインク被膜層を形成しにくくなり、また微細鉱物粉
末も多量に配合すると脱落しやすくなる。従って圧着後
剥離する際に印字が対向面に転移するようになるので、
微細粉無定形シリカ又は微細鉱物粉末は5〜15重量部
が好ましい。
【0017】超微細粉無定形シリカに代えて又は超微細
粉無定形シリカと併用して微細鉱物粉末を配合するの
は、接着剤組成物の基紙への浸透を防止し、また水溶性
インクの塗膜層への浸透を抑えるバリア層の形成を補助
するためである。
粉無定形シリカと併用して微細鉱物粉末を配合するの
は、接着剤組成物の基紙への浸透を防止し、また水溶性
インクの塗膜層への浸透を抑えるバリア層の形成を補助
するためである。
【0018】超微細粉無定形シリカ又は/及び微細鉱物
粉末の配合比率を上記理由により低く押さえなければな
らないが、その配合比率が低いと圧着後の接着力(以下
感圧接着力という。)が高くなり過ぎるため、これの調
節のために水溶性接着剤が配合されるのである。水溶性
接着剤の配合比率を増加するに比例して感圧接着力は低
下する。
粉末の配合比率を上記理由により低く押さえなければな
らないが、その配合比率が低いと圧着後の接着力(以下
感圧接着力という。)が高くなり過ぎるため、これの調
節のために水溶性接着剤が配合されるのである。水溶性
接着剤の配合比率を増加するに比例して感圧接着力は低
下する。
【0019】水溶性接着剤の配合量は、利用する材料に
よって感圧接着力を低下させる効果が異なり、さらに充
填剤配合率、使用者の要求する感圧接着力、天然ゴム系
ラテックス自体の感圧接着力等も関係しているが、天然
ゴム系ラテックス100重量部に対しては、5〜40重
量部が実用的である。水溶性接着剤をそれ以上に配合す
ると、圧着紙が高い湿度にさらされた場合、吸湿により
圧着紙の水分が異常に高くなり、加圧時に水溶性接着剤
がシール性を高め、剥離性を損なってしまうことがあ
る。この防止策としてメラミン樹脂、尿素樹脂、あるい
はポリアミド樹脂を併用して水溶性接着剤の再湿性(水
に対する溶解性)を低下せしめることが望ましい。さら
に、パラフィン、ポリエチレン、脂肪酸誘導体、ジルコ
ニウム化合物などのブロッキング防止剤を少量使用する
ことも良策であるが、この中にはインクの受理性を損な
うものがあるので、予めそれらの性能を確認して利用に
供した方がよい。
よって感圧接着力を低下させる効果が異なり、さらに充
填剤配合率、使用者の要求する感圧接着力、天然ゴム系
ラテックス自体の感圧接着力等も関係しているが、天然
ゴム系ラテックス100重量部に対しては、5〜40重
量部が実用的である。水溶性接着剤をそれ以上に配合す
ると、圧着紙が高い湿度にさらされた場合、吸湿により
圧着紙の水分が異常に高くなり、加圧時に水溶性接着剤
がシール性を高め、剥離性を損なってしまうことがあ
る。この防止策としてメラミン樹脂、尿素樹脂、あるい
はポリアミド樹脂を併用して水溶性接着剤の再湿性(水
に対する溶解性)を低下せしめることが望ましい。さら
に、パラフィン、ポリエチレン、脂肪酸誘導体、ジルコ
ニウム化合物などのブロッキング防止剤を少量使用する
ことも良策であるが、この中にはインクの受理性を損な
うものがあるので、予めそれらの性能を確認して利用に
供した方がよい。
【0020】また水溶性接着剤を配合することにより、
水溶性インクの塗膜層内への浸透を抑止し、水溶性イン
クは塗膜層の表面上で被膜層状に乾燥固化するようにな
る。こうして塗膜層表面上の印字部の大部分は水溶性イ
ンクの被膜層で覆われ、この覆い部分は、圧着すべき対
向面との接着力を保持するものの、非印字面どうしの接
着力よりも遥かに剥離性が高いため、対向面側へ転移す
ることなく、対向面から剥離することになる。
水溶性インクの塗膜層内への浸透を抑止し、水溶性イン
クは塗膜層の表面上で被膜層状に乾燥固化するようにな
る。こうして塗膜層表面上の印字部の大部分は水溶性イ
ンクの被膜層で覆われ、この覆い部分は、圧着すべき対
向面との接着力を保持するものの、非印字面どうしの接
着力よりも遥かに剥離性が高いため、対向面側へ転移す
ることなく、対向面から剥離することになる。
【0021】この点について更に具体的に図5に基づき
説明すると、同図の(A)のように、前述した図8に示
す従来の場合に比較して、インクジェットプリンタから
供給される水溶性インク12は塗膜層11内に浸透し難
く、平面方向に拡がらない。同図の(B)のように水溶
性インク乾燥後は水溶性インク12は塗膜層11の深さ
方向への浸透が少なく、塗膜層11の表面に水溶性イン
ク12がほぼ均一な厚みで被膜層を形成する。そのため
印字濃度が高く、ハーフトーン部の忠実性も高くなる。
塗膜層11表面には水溶性インク12の被膜層が形成さ
れていると、その部分の感圧接着力が低下する。従っ
て、同図の(C)のように剥離すると、無定形シリカ1
3の二次粒子及び鉱物粉末である顔料の粒子径が小さ
く、しかも水溶性接着剤の比率が大きいので鉱物粉末で
ある顔料の脱落は起こり難いことも相まって、図8の
(C)のように着色粒子12aの移動が起こらないもの
と考えられる。
説明すると、同図の(A)のように、前述した図8に示
す従来の場合に比較して、インクジェットプリンタから
供給される水溶性インク12は塗膜層11内に浸透し難
く、平面方向に拡がらない。同図の(B)のように水溶
性インク乾燥後は水溶性インク12は塗膜層11の深さ
方向への浸透が少なく、塗膜層11の表面に水溶性イン
ク12がほぼ均一な厚みで被膜層を形成する。そのため
印字濃度が高く、ハーフトーン部の忠実性も高くなる。
塗膜層11表面には水溶性インク12の被膜層が形成さ
れていると、その部分の感圧接着力が低下する。従っ
て、同図の(C)のように剥離すると、無定形シリカ1
3の二次粒子及び鉱物粉末である顔料の粒子径が小さ
く、しかも水溶性接着剤の比率が大きいので鉱物粉末で
ある顔料の脱落は起こり難いことも相まって、図8の
(C)のように着色粒子12aの移動が起こらないもの
と考えられる。
【0022】天然ゴム系ラテックス100重量部に対
し、超微細粉無定形シリカ又は/及び微細鉱物粉末を5
〜15重量部、水溶性接着剤を5〜40重量部を配合し
てなる塗膜層は、通常のフォーム用紙やOCR用紙等の
圧着はがきの基紙に6〜10g/m2 程度の軽量に設け
た場合でも、水溶性インクの塗膜層への浸透を抑えるバ
リアー層を形成できて、JIS P8117による透気
度が1000秒以上と著しく高くなることが特徴であ
る。透気度は、水溶性インクのバリアー性と相関性があ
り、従来の圧着紙のように、レザービームプリンタの走
行性を考慮して透気度を1000秒未満にすると、塗膜
層中に水溶性インクが浸透し易くなり、圧着面を剥がし
た際に、印字が対向面に転移するようになる。
し、超微細粉無定形シリカ又は/及び微細鉱物粉末を5
〜15重量部、水溶性接着剤を5〜40重量部を配合し
てなる塗膜層は、通常のフォーム用紙やOCR用紙等の
圧着はがきの基紙に6〜10g/m2 程度の軽量に設け
た場合でも、水溶性インクの塗膜層への浸透を抑えるバ
リアー層を形成できて、JIS P8117による透気
度が1000秒以上と著しく高くなることが特徴であ
る。透気度は、水溶性インクのバリアー性と相関性があ
り、従来の圧着紙のように、レザービームプリンタの走
行性を考慮して透気度を1000秒未満にすると、塗膜
層中に水溶性インクが浸透し易くなり、圧着面を剥がし
た際に、印字が対向面に転移するようになる。
【0023】
【実施例】図1及び図2は本発明に係るインクジェット
用圧着紙を三つ折りタイプの圧着はがきに適用した例を
示す。圧着はがきの基紙10の表面に所定の接着剤組成
物からなる塗料をコートしてなる剥離可能な親展面6
a,6bが、裏面に剥離不可能な接着面7a,7bがそ
れぞれ設けられていて、宛名情報印字面5のある上紙片
2が表面になるように、中紙片3、下紙片4とともに折
り曲げ線8に沿って断面Z形状に折り畳んで圧着するこ
とにより構成される。
用圧着紙を三つ折りタイプの圧着はがきに適用した例を
示す。圧着はがきの基紙10の表面に所定の接着剤組成
物からなる塗料をコートしてなる剥離可能な親展面6
a,6bが、裏面に剥離不可能な接着面7a,7bがそ
れぞれ設けられていて、宛名情報印字面5のある上紙片
2が表面になるように、中紙片3、下紙片4とともに折
り曲げ線8に沿って断面Z形状に折り畳んで圧着するこ
とにより構成される。
【0024】図3及び図4は二つ折りタイプの圧着はが
きに適用した例を示す。圧着はがきの基紙10の裏面に
所定の接着剤組成物からなる塗料をコートしてなる剥離
可能な親展面6a,6bが設けられていて、宛名情報印
字面5のある上紙片2が表面になるように下紙片4と、
また親展面6a,6bどうしが重なるように折り畳んで
圧着することにより構成される。
きに適用した例を示す。圧着はがきの基紙10の裏面に
所定の接着剤組成物からなる塗料をコートしてなる剥離
可能な親展面6a,6bが設けられていて、宛名情報印
字面5のある上紙片2が表面になるように下紙片4と、
また親展面6a,6bどうしが重なるように折り畳んで
圧着することにより構成される。
【0025】以下、上記接着剤組成物の実施例を挙げ
る。 実施例1 コールターカウンター法による代表粒径(D50)が3μ
m以下、好ましくは1.2μmの無定形シリカ(1)
(カープレックスFPS−101:塩野義製薬製)15
重量部を、アクリル系分散剤を溶解した水に分散する。
ポリビニルアルコール(ゴーセノールGL−05:日本
合成化学工業製)を水に分散して加温溶解した液の固形
分15重量部と填料分散液とを混合する。これに天然ゴ
ム系ラテックス固形分100重量部と耐水化剤(1)
(スミレーツレジン5001(ポリアミド樹脂):住友
化学工業製)1.5重量部を加え、均一に攪拌して、塗
料を調製する(以下、特別に断らない限り、配合部数は
固形分で表示する)。この塗料をコーティングロッドを
用いて圧着はがきの基紙94g/m2 に6±1g/m2
となるように塗工して塗膜層11を形成し、105°C
の乾燥機内で2分間乾燥した。
る。 実施例1 コールターカウンター法による代表粒径(D50)が3μ
m以下、好ましくは1.2μmの無定形シリカ(1)
(カープレックスFPS−101:塩野義製薬製)15
重量部を、アクリル系分散剤を溶解した水に分散する。
ポリビニルアルコール(ゴーセノールGL−05:日本
合成化学工業製)を水に分散して加温溶解した液の固形
分15重量部と填料分散液とを混合する。これに天然ゴ
ム系ラテックス固形分100重量部と耐水化剤(1)
(スミレーツレジン5001(ポリアミド樹脂):住友
化学工業製)1.5重量部を加え、均一に攪拌して、塗
料を調製する(以下、特別に断らない限り、配合部数は
固形分で表示する)。この塗料をコーティングロッドを
用いて圧着はがきの基紙94g/m2 に6±1g/m2
となるように塗工して塗膜層11を形成し、105°C
の乾燥機内で2分間乾燥した。
【0026】実施例2 コールターカウンター法による代表粒径(D50)が2.
6μmの無定形シリカ(2)(ファインシールX37:
トクヤマ製)を用い、ポリビニルアルコール25重量
部、耐水化剤(1)2.5重量部とした以外は実施例1
と同様に実施した。
6μmの無定形シリカ(2)(ファインシールX37:
トクヤマ製)を用い、ポリビニルアルコール25重量
部、耐水化剤(1)2.5重量部とした以外は実施例1
と同様に実施した。
【0027】実施例3 無定形シリカ(1)を7.5重量部、軽質炭酸カルシウ
ム(TP−22H:奥多摩工業製)7.5重量部、ポリ
ビニルアルコール12重量部、耐水化剤(1)1.2重
量部とした以外は実施例1と同様に実施した。
ム(TP−22H:奥多摩工業製)7.5重量部、ポリ
ビニルアルコール12重量部、耐水化剤(1)1.2重
量部とした以外は実施例1と同様に実施した。
【0028】実施例4 無定形シリカ(1)を10重量部、マグネシヤ(酸化マ
グネシウム:宇部化学工業製)5重量部、ポリビニルア
ルコール14重量部、耐水化剤(1)1.4重量部とし
た以外は実施例1と同様に実施した。
グネシウム:宇部化学工業製)5重量部、ポリビニルア
ルコール14重量部、耐水化剤(1)1.4重量部とし
た以外は実施例1と同様に実施した。
【0029】実施例5 無定形シリカ(1)を5重量部、軽質炭酸カルシウム8
重量部、酸化チタン(A−110:堺化学工業製)2重
量部、ポリビニルアルコール12重量部、耐水化剤
(1)1.5重量部とした以外は実施例1と同様に実施
した。
重量部、酸化チタン(A−110:堺化学工業製)2重
量部、ポリビニルアルコール12重量部、耐水化剤
(1)1.5重量部とした以外は実施例1と同様に実施
した。
【0030】実施例6 カオリン(プレスディスパースドHT:エンゲルハード
MC社製)を5重量部、ポリビニルアルコール15重量
部、耐水化剤(1)1.5重量部とした以外は実施例1
と同様に実施した。
MC社製)を5重量部、ポリビニルアルコール15重量
部、耐水化剤(1)1.5重量部とした以外は実施例1
と同様に実施した。
【0031】実施例7 天然ゴム系ラテックス固形分100重量部に対して、無
定形シリカ(1)を10重量部、水に加熱溶解した燐酸
エステル澱粉(ニールガムA−55:アベベ社製)30
重量部、天然ゴム系ラテックス100重量部を混合し、
耐水化剤(2)(スミレーツレジン5004(ポリアミ
ドポリウレア樹脂):住友化学工業製)3重量部を添加
する。紙への塗工、その他は実施例1と同様に実施し
た。
定形シリカ(1)を10重量部、水に加熱溶解した燐酸
エステル澱粉(ニールガムA−55:アベベ社製)30
重量部、天然ゴム系ラテックス100重量部を混合し、
耐水化剤(2)(スミレーツレジン5004(ポリアミ
ドポリウレア樹脂):住友化学工業製)3重量部を添加
する。紙への塗工、その他は実施例1と同様に実施し
た。
【0032】実施例8 実施例7について燐酸エステル澱粉25重量部、耐水化
剤(2)2.5重量部に減量し、ポリエチレンワックス
エマルジョンを0.8重量部添加した以外は実施例1と
同様に実施した。
剤(2)2.5重量部に減量し、ポリエチレンワックス
エマルジョンを0.8重量部添加した以外は実施例1と
同様に実施した。
【0033】実施例9 実施例7について燐酸エステル澱粉20重量部、耐水化
剤(2)2重量部に減量し、ポリエチレンワックスエマ
ルジョン(SNコート289:サンノプコ社製)を0.
8重量部、及び粘着防止剤(ZR−30(ジルコニウム
系化合物):サンノプコ社製)を商品量で3重量部添加
した以外は実施例1と同様に実施した。
剤(2)2重量部に減量し、ポリエチレンワックスエマ
ルジョン(SNコート289:サンノプコ社製)を0.
8重量部、及び粘着防止剤(ZR−30(ジルコニウム
系化合物):サンノプコ社製)を商品量で3重量部添加
した以外は実施例1と同様に実施した。
【0034】実施例10 実施例7について無定形シリカ(1)を15重量部に増
量し、燐酸エステル澱粉20重量部、耐水化剤(2)2
重量部に減量した以外は実施例1と同様に実施した。
量し、燐酸エステル澱粉20重量部、耐水化剤(2)2
重量部に減量した以外は実施例1と同様に実施した。
【0035】実施例11 実施例7について無定形シリカ(1)を15重量部に増
量し、燐酸エステル澱粉20重量部に減量し、粘着防止
剤を商品量で3重量部添加した以外は実施例1と同様に
実施した。
量し、燐酸エステル澱粉20重量部に減量し、粘着防止
剤を商品量で3重量部添加した以外は実施例1と同様に
実施した。
【0036】比較例1 無定形シリカ(1)20重量部をアクリル系分散剤を溶
解した水に分散する。これに小麦粉澱粉(マルカマ:グ
リコ栄養食品製)180重量部を追加し、天然ゴム系ラ
テックス100重量部を混合して塗料を調製する以外は
実施例1と同様に実施した。
解した水に分散する。これに小麦粉澱粉(マルカマ:グ
リコ栄養食品製)180重量部を追加し、天然ゴム系ラ
テックス100重量部を混合して塗料を調製する以外は
実施例1と同様に実施した。
【0037】比較例2 比較例1の無定形シリカ(1)を代表粒径が5.0μm
と大きい無定形シリカ(3)(カープレックス#80
D:塩野義製薬製)に変えて20重量部とし、小麦粉澱
粉を120重量部に変更した以外は実施例1と同様に実
施した。
と大きい無定形シリカ(3)(カープレックス#80
D:塩野義製薬製)に変えて20重量部とし、小麦粉澱
粉を120重量部に変更した以外は実施例1と同様に実
施した。
【0038】比較例3 比較例2の無定形シリカ(3)を30重量部に増量し、
小麦粉澱粉を50重量部に変更した以外は実施例1と同
様に実施した。
小麦粉澱粉を50重量部に変更した以外は実施例1と同
様に実施した。
【0039】比較例4 比較例2の無定形シリカ(3)を40重量部に増量し、
小麦粉澱粉を110重量部に変更した以外は実施例1と
同様に実施した。
小麦粉澱粉を110重量部に変更した以外は実施例1と
同様に実施した。
【0040】比較例5 比較例2の無定形シリカ(3)を代表粒径が14.7μ
mと更に大きい無定形シリカ(4)(カープレックスB
S−304:塩野義製薬製)に変えて30重量部とし、
小麦粉澱粉を60重量部に変更した以外は実施例1と同
様に実施した。以上の実施例1乃至11と比較例1乃至
5の各塗料の組成を図6に示す。
mと更に大きい無定形シリカ(4)(カープレックスB
S−304:塩野義製薬製)に変えて30重量部とし、
小麦粉澱粉を60重量部に変更した以外は実施例1と同
様に実施した。以上の実施例1乃至11と比較例1乃至
5の各塗料の組成を図6に示す。
【0041】上記各実施例及び各比較例に従って製作し
たインクジェット用圧着紙について、接着力、インク発
色性及び印字の転移性の各性能試験を行った。図7はそ
の結果を示す。以下各性能試験の方法とその評価の仕方
を説明する。 (1)接着力 塗料をはがき基紙にコートした面(以下、単に接着面と
称する)を内側に折り畳み、接着面どうしを合わしてロ
ール加圧により接着し、その接着力を測定する。ロール
加圧には、ロールシーラーMS−9000(大日本印刷
株式会社製)を使用した。ロール加圧条件ははがき基紙
が94g/m2 である加工紙は、3枚重ねとし、幅10
cmの試料をロールシーラーの目盛り19(約190μ
m)、はがき基紙が128g/m2 である加工紙は2枚
重ねとし、幅10cmの試料をロールシーラーの目盛り1
5(約150μm)の条件でローラー処理を行う。各実
施例及び各比較例のインクジェット用圧着紙は上記の条
件でロール圧着を行い、20°C、65%RHの環境下
に2時間放置した後、テンシロン型万能試験機で速度3
00mm/分、剥離角90°(T型剥離)で剥離し、そ
の抵抗値を測定する。試料は、測定記録直後及び完了直
前の各15%の部分を削除し、残部を4等分して5点の
数値を平均して接着力g/25mmを求める。剥離可能
な接着力とは、60乃至300g/25mm、望ましく
は100乃至200g/25mmである。
たインクジェット用圧着紙について、接着力、インク発
色性及び印字の転移性の各性能試験を行った。図7はそ
の結果を示す。以下各性能試験の方法とその評価の仕方
を説明する。 (1)接着力 塗料をはがき基紙にコートした面(以下、単に接着面と
称する)を内側に折り畳み、接着面どうしを合わしてロ
ール加圧により接着し、その接着力を測定する。ロール
加圧には、ロールシーラーMS−9000(大日本印刷
株式会社製)を使用した。ロール加圧条件ははがき基紙
が94g/m2 である加工紙は、3枚重ねとし、幅10
cmの試料をロールシーラーの目盛り19(約190μ
m)、はがき基紙が128g/m2 である加工紙は2枚
重ねとし、幅10cmの試料をロールシーラーの目盛り1
5(約150μm)の条件でローラー処理を行う。各実
施例及び各比較例のインクジェット用圧着紙は上記の条
件でロール圧着を行い、20°C、65%RHの環境下
に2時間放置した後、テンシロン型万能試験機で速度3
00mm/分、剥離角90°(T型剥離)で剥離し、そ
の抵抗値を測定する。試料は、測定記録直後及び完了直
前の各15%の部分を削除し、残部を4等分して5点の
数値を平均して接着力g/25mmを求める。剥離可能
な接着力とは、60乃至300g/25mm、望ましく
は100乃至200g/25mmである。
【0042】(2)インク発色性 インクジェットプリンタ(シャープ10−735X)の
インクタンクにサイテックス社#1007インクを注射
器で注入し、普通モード又は高濃度モードでそれぞれ接
着面にベタ印字を行い、印字濃度をマクベス濃度計によ
って測定した。
インクタンクにサイテックス社#1007インクを注射
器で注入し、普通モード又は高濃度モードでそれぞれ接
着面にベタ印字を行い、印字濃度をマクベス濃度計によ
って測定した。
【0043】(3)印字の転移性 上記(2)で印字した試料について、印字部と印字して
いない接着面(非印字部)を合わした状態で、上記
(1)の方法によって圧着する。圧着後1昼夜、20°
C、65%RHの雰囲気下で放置した後に剥離し、印字
部の対向面に転移したインクの濃度を非印字部の対向面
をコントロールして、マクベス濃度計で反射率を測定し
た。白地の転移面の濃度(0.08)とベタ黒部の濃度
の両者間の差が大きい程、転移が激しいことを表してい
る。その両者間の濃度差が0.01でも目視で確認でき
る程度の転移が認められる。
いない接着面(非印字部)を合わした状態で、上記
(1)の方法によって圧着する。圧着後1昼夜、20°
C、65%RHの雰囲気下で放置した後に剥離し、印字
部の対向面に転移したインクの濃度を非印字部の対向面
をコントロールして、マクベス濃度計で反射率を測定し
た。白地の転移面の濃度(0.08)とベタ黒部の濃度
の両者間の差が大きい程、転移が激しいことを表してい
る。その両者間の濃度差が0.01でも目視で確認でき
る程度の転移が認められる。
【0044】図7の表から明らかなように、比較例1〜
5のインクジェット用圧着紙では、透気度1000秒未
満になり、親展面の印字の対向面への転移が起こり、印
字濃度も低かった。これに対し、本発明の実施例1〜1
1のインクジェット用圧着紙では、透気度1000秒以
上で、親展面の印字の対向面への転移が防止され、印字
は鮮明で、濃度は高かった。またインク発色性について
は比較例1〜5に比べて均一で鮮明な画像が得られた。
5のインクジェット用圧着紙では、透気度1000秒未
満になり、親展面の印字の対向面への転移が起こり、印
字濃度も低かった。これに対し、本発明の実施例1〜1
1のインクジェット用圧着紙では、透気度1000秒以
上で、親展面の印字の対向面への転移が防止され、印字
は鮮明で、濃度は高かった。またインク発色性について
は比較例1〜5に比べて均一で鮮明な画像が得られた。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、各種情報
を親展面にインクジェットプリンタで印字後、親展面を
圧着して剥離しても、印字の転移が起こることがなく、
インクの発色濃度は高く、高速インクジェットの水溶性
インクに対する印字適性に最適なものである。
を親展面にインクジェットプリンタで印字後、親展面を
圧着して剥離しても、印字の転移が起こることがなく、
インクの発色濃度は高く、高速インクジェットの水溶性
インクに対する印字適性に最適なものである。
【図1】三つ折り折りタイプの圧着はがきの一例を折り
畳み状態で示す斜視図である。
畳み状態で示す斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】二つ折り折りタイプの圧着はがきの一例を折り
畳み状態で示す斜視図である。
畳み状態で示す斜視図である。
【図4】図3におけるB−B線断面図である。
【図5】本発明のインクジェット圧着紙の拡大断面図を
示し、(A)は塗膜層の表面上に水溶性インクが供給さ
れた状態図、(B)は水溶性インクの乾燥後の状態図、
(C)は圧着後、剥離した状態図である。
示し、(A)は塗膜層の表面上に水溶性インクが供給さ
れた状態図、(B)は水溶性インクの乾燥後の状態図、
(C)は圧着後、剥離した状態図である。
【図6】各実施例及び各比較例の塗料の組成を示す図表
である。
である。
【図7】各性能試験の結果を示す図表である。
【図8】従来例のインクジェット圧着紙の拡大断面図を
示し、(A)は塗膜層の表面上に水溶性インクが供給さ
れた状態図、(B)は水溶性インクの乾燥後の状態図、
(C)は圧着後、剥離した状態図である。
示し、(A)は塗膜層の表面上に水溶性インクが供給さ
れた状態図、(B)は水溶性インクの乾燥後の状態図、
(C)は圧着後、剥離した状態図である。
10 基紙 11 塗膜層 12 水溶性インク
Claims (2)
- 【請求項1】 親展面を有する用紙の親展面どうしが剥
離可能に接着するように折り畳んで圧着してなる圧着紙
において、前記親展面に接着剤組成物による塗膜層を設
けて透気度(JIS P8117)が1000秒以上と
なるように構成してあることを特徴とするインクジェッ
ト用圧着紙。 - 【請求項2】 前記接着剤組成物が、天然ゴム系ラテッ
クス100重量部に対し、超微細粉無定形シリカ又は/
及び微細鉱物粉末を5〜15重量部、水溶性接着剤を5
〜40重量部を配合してなる請求項1記載のインクジェ
ット用圧着紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7163917A JPH0911669A (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | インクジェット用圧着紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7163917A JPH0911669A (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | インクジェット用圧着紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0911669A true JPH0911669A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15783286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7163917A Pending JPH0911669A (ja) | 1995-06-29 | 1995-06-29 | インクジェット用圧着紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0911669A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0939378A (ja) * | 1995-08-03 | 1997-02-10 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 圧着記録用紙および折り畳み圧着記録用紙の製造方法 |
JP2001303001A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-10-31 | Toppan Forms Co Ltd | トナー定着性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート |
JP2002265903A (ja) * | 2001-03-07 | 2002-09-18 | Daio Paper Corp | 疑似接着用紙 |
JP2003105287A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Daio Paper Corp | 疑似接着用紙 |
JP2005153317A (ja) * | 2003-11-26 | 2005-06-16 | Sato Corp | 配送伝票 |
JP2010518266A (ja) * | 2007-02-06 | 2010-05-27 | エスエーピーピーアイ ネザーランズ サーヴィシーズ ビー.ヴイ | 塗料配合の調製方法及びそれを用いて塗工した紙 |
JP2015003394A (ja) * | 2013-06-19 | 2015-01-08 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2019010781A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 北越コーポレーション株式会社 | インクジェット記録用圧着用紙及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-29 JP JP7163917A patent/JPH0911669A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0939378A (ja) * | 1995-08-03 | 1997-02-10 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 圧着記録用紙および折り畳み圧着記録用紙の製造方法 |
JP2001303001A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-10-31 | Toppan Forms Co Ltd | トナー定着性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート |
JP2002265903A (ja) * | 2001-03-07 | 2002-09-18 | Daio Paper Corp | 疑似接着用紙 |
JP2003105287A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Daio Paper Corp | 疑似接着用紙 |
JP2005153317A (ja) * | 2003-11-26 | 2005-06-16 | Sato Corp | 配送伝票 |
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JP2015003394A (ja) * | 2013-06-19 | 2015-01-08 | 株式会社リコー | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2019010781A (ja) * | 2017-06-29 | 2019-01-24 | 北越コーポレーション株式会社 | インクジェット記録用圧着用紙及びその製造方法 |
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