JPH09107923A - トランスグルタミナーゼを用いる成形食品の製造方法 - Google Patents

トランスグルタミナーゼを用いる成形食品の製造方法

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JPH09107923A
JPH09107923A JP7272266A JP27226695A JPH09107923A JP H09107923 A JPH09107923 A JP H09107923A JP 7272266 A JP7272266 A JP 7272266A JP 27226695 A JP27226695 A JP 27226695A JP H09107923 A JPH09107923 A JP H09107923A
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JP
Japan
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transglutaminase
food
gelatin
retaining
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JP7272266A
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Takahiko Soeda
孝彦 添田
Akira Okuaki
明 奥秋
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細切り昆布などの非保形性食品素材に保形性
を付与して機械的製法による寿司やおにぎりの具材や芯
材としての機械適性を具備させる。 【解決手段】 非保形性食品素材とゼラチン水溶液との
混合物にトランスグルタミナーゼを作用させた後成形加
工することを特徴とする成形食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形食品、更に詳
しくは非保形性食品素材にゼラチン及びトランスグルタ
ミナーゼを使用して保形性を付与することによる成形食
品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、スーパーストア、コンビニエン
スストアなどで既製の寿司やおにぎりなどもごく普通に
みかけるようになってきている。
【0003】そして、このような寿司やおにぎりのなか
には、その具材としてあるいは芯材として、細切昆布な
どの佃煮、おかか(削り節)、しゃけなどの魚肉のほぐ
し身、辛子明太子などの魚卵、梅肉などのペースト状の
もの等の非保形性食品素材が使用されているものがあ
る。
【0004】ところで、このような寿司やおにぎりは、
大量の生産のためには機械的製造に頼らざるを得ず、し
かもなるべく全工程にわたって自動化されることが強く
望まれることは言うまでもない。例えば、上記の非保形
性食品素材の具材や芯材が、寿司やおにぎりの製造工程
において一定量を迅速に挟み込みまたは充填が可能であ
ることが強く望まれる。
【0005】しかしながら、前記の非保形性食品素材
中、作業性からみて、例えば梅肉は比較的自動充填が可
能であるが、しゃけ、おかか、昆布などは機械的充填が
困難であった。例えば、昆布の佃煮は細切昆布を使うた
め、一定量を分割したり掴んだりすることが難しく、手
詰め作業でもまとまった形で詰めにくいのが実状であ
る。
【0006】確かに、業界ではこの問題点に対して、種
々の検討がなされてきた。例えば、大豆タンパク質、澱
粉類、増粘多糖類などにより保形性化が試みられたが、
機械適性の問題を克服するまでの改善はみられなかっ
た。このような現状から、昆布、おかかなどの食品の持
つ本来の味、風味、食感などを損なわないで、ばらけや
すく、かつ一定量の分割が可能となれば、作業性は大幅
に改善されるところである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前項に記載の従来技術
の背景下、本発明は、非保形性食品素材を寿司やおにぎ
りの具材や芯材に使用する場合に一定量を迅速に挟み込
みまたは充填が可能となるように、これに所定の形状、
例えばキューブ状、棒状、シート状などの形状の保形性
(成形性)を付与する方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく鋭意研究の結果、ゼラチン及びトラン
スグルタミナーゼを使用して酵素反応を行なうことによ
って非保形性食品素材に保形性を付与することができる
ことを見出し、このような知見に基づいて本発明を完成
した。
【0009】すなわち、本発明は、非保形性食品素材と
ゼラチン水溶液との混合物にトランスグルタミナーゼを
作用させた後成形加工することを特徴とする成形食品の
製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】非保形性食品としては、まぐろ、かつおな
どのフレークやでんぶ、削り節などの魚介類、レバーペ
ースト、挽肉、牛、豚、トリのそぼろなどの畜肉類、い
くらや辛子明太子などの魚卵類、ねぎやかいわれなどの
野菜類、のりや細切昆布の佃煮などの海草類等を挙げる
ことができる。
【0012】ゼラチンは、その種類は成形性付与の面か
らは特に制限されるものではない。通常は、アルカリ処
理ゼラチンを使用することができる。成形したい対象食
品(非保形性食品素材)によっては、わずかな味、風味
もネックとなる場合は、豚皮由来のものが使いやすい。
このように、目的とする成形食品によって適切なゼラチ
ンを用いるとよい。
【0013】次に、ゼラチン水溶液のゼラチン濃度と対
象食品に対する添加比率について説明する。この濃度と
添加比率は相互に関係しており、一般に、ゼラチン濃度
が低い場合は添加比率は多い必要があり、逆にゼラチン
濃度が高い場合は添加比率は少なくてよい。具体的に
は、例えば、ゼラチン濃度は1〜30%、好ましくは5
〜15%である。ゼラチン濃度が1%以下であるときは
トランスグルタミナーゼの基質としての機能が十分発揮
されず保形性付与機能が弱い。一方、ゼラチン濃度が3
0%以上では加温により溶解可能でも、その品温が少し
でも低下するとゼラチンが速やかに凝固してしまい食品
製造時の作業性が非常に悪くなってしまうので好ましく
ない。
【0014】また、非保形性食品素材に対するゼラチン
水溶液の添加比率は、食品素材1部(重量部)に対して
0.01〜0.5部、好ましくは0.02〜0.2部で
ある。この添加比率が食品素材1部に対して、0.01
部以下の時は食品素材の表面が当該ゼラチン水溶液で覆
われる部分が少なくて満足な保形性を与えることが出来
ない。また、添加比率が0.5部以上の時は保形性は十
分であるが、食品素材本来の味、風味や食感とは異なる
ものになり、自然感、天然感が消失してしまい好ましく
ない。
【0015】トランスグルタミナーゼは、周知の如く、
その酵素反応の一つにタンパク質中のリジンとグルタミ
ン間での架橋重合化能を有するものであり、その由来は
特に問うものではない。即ち、微生物由来(特開平01
−27471号公報参照)、モルモット肝臓由来(特公
平01−50382号公報参照)、魚類由来(関信夫
ら、日本水産学会誌第56巻第1号、125〜132ペ
ージ(1990)の記載参照)並びに遺伝子組み換え法
により調製されたもの(特開平01−300889号公
報、特開平05−199883号公報及び特開平06−
225775号公報参照)などいずれのトランスグルタ
ミナーゼでも用いることができる。ただし、機能性及び
経済性の点から、好ましくはカルシウム非依存性のもの
がよい。例えば上述の微生物由来のトランスグルタミナ
ーゼがいずれの条件も満足するものであり、現時点では
最適といえる。なお、微生物由来のトランスグルタミナ
ーゼは、例えば、「アクティバ」TG−Bおよび「アク
ティバ」TG−Kの商品名の下、酵素製剤の形態で市販
されている(いずれも、味の素(株)製)。
【0016】トランスグルタミナーゼの使用量は、ゼラ
チン水溶液の濃度や酵素反応条件(トランスグルタミナ
ーゼの酵素作用の条件)とも関連するが、通常はゼラチ
ン1g当り0.5〜50ユニットが適当である。この濃
度が0.5ユニット以下であると、保形性付与機能がは
っきりしない。一方、50ユニット以上では保形性付与
機能は示すが、得られた成形食品において過度の酵素反
応による離水がおこる傾向を示し好ましくない。
【0017】因みに、本発明でいうトランスグルタミナ
ーゼの活性単位(ユニット)はつぎのようにして測定さ
れる。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロオキシアミンを基質として反応を
おこない、生成したヒドキサム酸をトリクロロサクサン
存在下で鉄錯体を形成させた後525nmの吸光度を測
定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め活性を算出
する。詳しくは前掲特開昭64−27471参照のこ
と。
【0018】非保形性食品素材とゼラチン水溶液との混
合物にトランスグルタミナーゼを作用させた後成形加工
する態様は、例えば次の通りである。
【0019】先ず、非保形性食品素材にゼラチン水溶液
を添加し、ゼラチン水溶液が食品素材の表面によく行き
渡るように手もしくは混合機で混合する。次いで、この
混合物に対して、トランスグルタミナーゼを少量の水に
溶解して添加し、さらに混合する。また、非保形性食品
素材、ゼラチン水溶液及びトランスグルタミナーゼの3
者を一挙に撹拌することもでき、この場合は、その場で
(in situ)形成された非保形性食品素材とゼラ
チン水溶液との混合物にトランスグルタミナーゼを作用
させたことになる。
【0020】この食品素材、ゼラチン水溶液及びトラン
スグルタミナーゼ3者の混合物は、成形用のトレーに移
される。所望の成形サイズに合わせて、トレーの高さや
幅を決定すればよい。寿司用の芯材であれば、例えば約
10nm程度厚のものであればよい。このトレー中の充
填物はラップなどでカバーしてから丁寧に空気を除くよ
うにして圧搾する。
【0021】これをトレーを常温以下の温度、好ましく
は0〜20℃の冷蔵庫に30分から24時間程度保持す
ることによって酵素反応をおこなう。酵素反応条件とし
ては、特に限定されるところではないが、食品素材が生
鮮物である場合は、常温以下である程度時間をかけて、
例えば30分〜2時間程度処理されることが望ましい。
【0022】このようにして行なった酸素反応処理後、
そのまま、又は切断成形操作を容易にする目的で冷凍さ
れる。冷凍後、そのままもしくは解凍してから所望の大
きさに切断して寿司の具材やおにぎりの芯材とする。
【0023】本発明による成形食品は、上に説明したよ
うに寿司の具材やおにぎりの芯材に使用できることはも
ちろんであるが、所望によりその他の用途にも使用する
ことができる。先に説明したように、例えば梅肉は、そ
のままでも比較的自動充填が可能であるが、本発明の成
形食品の形態にすると、より自動充填が容易となり、ま
た成形食品の形態とすることにより、従来とは異なる楽
しみ方も可能となる。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の技術的範囲はこれによって限定されるもの
ではない。
【0025】実施例1 アルカリ処理ゼラチン(ニッピ(株)製ゼラチン粉末)
100gに水900gを加え、40〜50℃にて加温し
て溶解した。このゼラチン水溶液が常温になってから、
これを昆布佃煮5,000gに均一になるように注ぎ込
んで撹拌した。この混合物に対して、トランスグルタミ
ナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG−B、比活
性60ユニット/g)3gをわずかの水(9ml)に溶
解した液を添加し、均一に混合した。この混合物をアル
ミ製のトレーに高さ約10mm程度となるように充填
し、さらにラップで内容物から空気を除去するように、
かつ空隙を潰して圧搾するようにカバーしてから約10
℃の冷蔵庫に一晩放置した。
【0026】ついで、冷蔵庫から出してそのまま約−2
5℃の冷凍庫に移し、一晩保管した。最後に、冷凍庫か
ら出して、半解凍状態でスライサーにより10mm幅に
切断し棒状の寿司用芯材を調製した。
【0027】このものは容易に手で掴むことができ、か
つ寿司の形での試食でも寿司および昆布佃煮の味風味を
損なうことのない品質を有していた。
【0028】実施例2 アルカリ処理ゼラチン(ニッピ(株)製ゼラチン粉末)
20gに水280gを加え、約50℃にて加温して溶解
した。このゼラチン水溶液が常温になってから、これを
醤油を主体に調味された削り節1,000gに均一にな
るように注ぎ込んで撹拌した。この混合物に対して、ト
ランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」
TG−K、比活性100ユニット/g)1gをわずかの
水(5ml)に溶解してから添加し、均一に混合した。
この混合物をアルミ製のトレーに高さ約10mm程度と
なるように充填し、さらにラップで内容物から空気を除
去するように、かつ空隙を潰して圧搾するようにカバー
してから約20℃の室温にて60分間放置した。
【0029】ついで、そのままの状態で約−25℃の冷
凍庫に移し、一晩保管した。最後に、冷凍庫から出し
て、半解凍状態でスライサーにより10mm幅に切断し
棒状の寿司用芯材を調製した。
【0030】このものは容易に手で掴むことができ、か
つ寿司及びおかかの味風味を損なうことのない品質を有
していた。
【0031】実施例3 アルカリ処理ゼラチン(ニッピ(株)製ゼラチン粉末)
30gに水170gを加え、約50℃にて加温して溶解
した。このゼラチン水溶液が常温になってから、これを
すばやく、香辛料を主体として調味ずけされた辛子明太
子1,000g(福屋(株)製)に均一になるように注
ぎ込んだ。この混合物に対して、トランスグルタミナー
ゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG−B、比活性6
0ユニット/g)3gをわずかの水(9ml)に溶解
し、添加混合した。この混合物をアルミ製のトレーに高
さ約10mm程度となるように充填し、さらにラップで
内容物から空気を除去するように、かつ空隙を潰して圧
搾するようにカバーしてから約10℃の冷蔵庫に一晩放
置した。
【0032】ついで、冷蔵庫から出してそのまま約−2
5℃の冷凍庫に移し、一晩保管した。最後に、冷凍庫か
ら出して、凍結状態のままでスライサーにより10mm
幅に切断し棒状の寿司用芯材を調製した。
【0033】このものは容易に手で掴むことができ、か
つ寿司及び辛子明太子の味風味を損なうことのない品質
を有していた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、細切り昆布の佃煮など
の非保形性食品素材にゼラチン水溶液及びトランスグル
タミナーゼを加え、所定条件下酵素反応をおこなうこと
によって、未加熱状態で種々の形に成形可能で、かつ一
定量を計量できる成形食品を容易に提供することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非保形性食品素材とゼラチン水溶液との
    混合物にトランスグルタミナーゼを作用させた後成形加
    工することを特徴とするトランスグルタミナーゼを用い
    る成形食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ゼラチン水溶液の濃度が5〜15%、ト
    ランスグルタミナーゼの使用量がゼラチン1g当り1〜
    30ユニット及びトランスグルタミナーゼの作用温度が
    0〜20℃であることを特徴とする請求項1記載の成形
    食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 非保形食品素材が佃煮類又は魚卵類であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の成形食品の製
    造方法。
JP7272266A 1995-10-20 1995-10-20 トランスグルタミナーゼを用いる成形食品の製造方法 Pending JPH09107923A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007060920A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Ajinomoto Co Inc 加工食品の製造法
JP5172037B1 (ja) * 2012-10-30 2013-03-27 株式会社極洋 冷凍切断魚卵巣およびその製造方法

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