JP5172037B1 - 冷凍切断魚卵巣およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期保存性に優れ、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるので、使用者が計量しなくても容易に使用できる上、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有する冷凍切断魚卵巣およびその製造方法の提供。
【解決手段】複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して一体化して割型内に収容して冷凍された表皮付き魚卵巣の前記長手方向に交わるように所定の角度θ1で複数切断した冷凍切断魚卵巣であって、切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあることを特徴とする冷凍切断魚卵巣によって、課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍切断魚卵巣およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるので、使用者が計量しなくても容易に使用できる、保存性に優れ、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有する冷凍切断魚卵巣、およびそのような冷凍切断魚卵巣を、原料魚卵巣の大きさなどに影響されず、製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に容易に製造できる製造方法に関するものである。
魚卵は、その鮮やかな色調と独特の風味によりお握りや寿司の具材、パンやピザのトッピング材等として広く利用されている。具材やトッピング材として魚卵を手軽に利用するために、魚卵を魚の卵巣から取り出して調味液等で加工した魚卵加工品が販売されている。魚卵加工品は、保存性を高めるために冷凍されて冷凍魚卵加工品として流通されることが多い(特許文献1参照)。
一方、近年、食材の多用化に伴い、スケトウダラなどの魚卵巣を加工した明太子や辛子明太子などが食卓を賑わしている。しかしながら天然資源であるスケトウダラなどの魚が乱獲によりその捕獲量が減少していることから、製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に容易に製造でき、長期保存できる、塩蔵漬け込み魚卵巣や明太子や辛子明太子などが要求されている(特許文献2参照)。
しかし、従来の製造方法によると、例えば、Sサイズ(50〜80g程度)の原料魚卵巣の場合は、図3に示すように、先ず(イ)原料魚から取り出されブロック状に凍結された原料を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成した後、(ロ)接合部2で裁断して、(ハ)図示しないカッターを用いて機械的にカットし、(ニ)カットした魚卵巣を冷凍することにより、製品が製造されていた。
図3に示したハ−1は魚卵巣のほぼ中央部でカットされたものであり、切断面3以外の表面が表皮4で被覆されている状態を説明する説明図であり、ハ−2は魚卵巣の末端でカットされたものであり、切断面3以外の表面が帽子様の表皮4で被覆されている状態を説明する説明図であり、ハ−3は魚卵巣のほぼ中央部でカットされたものであるが、カットの際に皮膜4の一部が失はれ、魚卵が露出した状態を説明する説明図である。
図3に示した従来のこの製造方法によると機械的にカットする場合は大体定寸幅で、例えば約2cm幅で製品をカットするために、必然的に製品の質量のバラツキが大きくなる。そのため生産者は規格質量の範囲に合わせるために、計量して選別する作業が必要となる問題があった。手間と時間がかかりコストアップになる上に、発生した規格外品はロスとなり、歩留まりが悪いなどの問題もあった。
また、他の従来の製造方法によると、例えば、2Lサイズ(160〜200g程度)の魚卵巣の場合は、図4に示すように、先ず(イ)原料魚から取り出されブロック状に凍結された原料を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成した後、(ロ)接合部2で裁断して、(ハ)図示しないカッターを用いて機械的にカットし、カット品が規格質量の範囲より大きいと、再度カットし、(ニ)カットした魚卵巣を冷凍することにより、製品が製造されていた。
図4に示したハ−1は魚卵巣のヘッド部でカットされたものであり、切断面3以外の表面が表皮4で被覆されているが、規格質量の範囲の約2倍の質量を有するので半分にカットした状態を説明する説明図であり、ハ−2は魚卵巣のヘッド部でカットされたものであり、切断面3以外の表面が表皮4で被覆されているが、規格質量の範囲の約4倍の質量を有するので4分の1になるようにカットした状態を説明する説明図である。
従来のこの製造方法によると、例えば製品質量が小さな製品を製造する際は、必然的にカット幅が狭くなるので、うまくカットできずにロスとなり、また製品の質量のバラツキが大きくなる。そのため生産者は規格質量の範囲に合わせるために計量して選別する作業が必要であった。計量や選別には、手間と時間がかかり、コストアップになる上に、発生した規格外品がロスとなり歩留まりが一層悪くなるなどの問題もあった。
図5は、一対の魚卵巣の一方の一部が失われた原料魚卵巣の場合を説明する説明図である。図5に示すように、先ず(イ)原料魚から取り出され冷凍された魚卵巣を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成した後、(ロ)接合部2で裁断して、(ハ)図示しないカッターを用いて機械的にカットし、(ニ)カットした魚卵巣を冷凍することにより、製品が製造されていた。
完全な魚卵巣1を有する原料魚卵の場合でも、図3の場合に示した前記問題がある他に、図5に示した一方の一部が失われた魚卵巣1’の場合は、カット品ハ−1、ハ−2、ハ−3などが規格質量の範囲より小さくなり易く、うまくカットできず、規格外品となるなど、ロスとなり、歩留まりが悪いなどの問題もあった。
一方、水洗またはタレを混ぜることによっていくら(卵粒)特有の粘着性を弱めた後、棒状にプレス成型したトレーに流し込み冷凍成型するか、食品用ラップで巻いた後冷凍成型して棒状の形にすることを特徴とした、細巻き寿司や太巻き寿司用のいくらが提案されている(特許文献3参照)。
この提案は、さけの卵である特有の粘着性を有するいくら(卵粒)は、細巻き寿司や太巻き寿司用に用いるには困難なため、いくら(卵粒)を加工して細巻き寿司や太巻き寿司用に使用できるようにする提案である。
また、マダラ卵巣と蛋白質分解酵素とを接触させて卵巣膜から卵粒を分離することを特徴とする、マダラ卵粒を卵巣膜から分離する方法(特許文献4参照)や、スケソウダラまたはマダラの卵巣に由来する皮を準備し、スケソウダラまたはマダラに由来するバラコを含む内容物を準備し、この内容物を冷却して表面温度を−7℃以下にして、この内容物を前記皮で被覆する加工タラコおよびその製造方法(特許文献5参照)が提案されている。
また、不定形な農水産物をベルトコンベアで搬送しながらその全周3次元形状を計測し、対象物を一定の大きさに切り揃えるための自動加工データを、測定した形状データに基づいて生成できるシステムにより、農水産物加工品の歩留まり向上や生産性向上を図ることができる加工技術が提案されている(非特許文献1参照)。
特許第4929118号公報 特開2002−171942号公報 特開2006−136305号公報 特開2003−9824号公報 特開2011−155931号公報
http://www.asist.go.jp/asist_j/press_release/pr2011/pr20110606/pr20110606.html
本発明の第1の目的は、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるので、使用者が計量しなくても容易に使用できる、保存性に優れ、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有する冷凍切断魚卵巣を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような冷凍切断魚卵巣を、原料魚卵巣の大きさなどに影響されず、魚卵巣の一方もしくは両方の一部が失われた原料魚卵であっても使用でき、製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に容易に製造できる製造方法を提供することである。
本発明者らは、従来の問題を解決するために鋭意研究の結果、原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成した複数の魚卵巣を割型の一方の型内に、重ねて長手方向に連結して、所定量、収容し、その上に他方の型を、魚卵巣を押さえ込みながらセットし、セットした型内に収容した魚卵巣を冷凍後、型から取り出し、長手方向に交わるように所定の角度θ1および幅でカットすることにより、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が規格質量の範囲内にあり、保存性に優れ、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有する冷凍切断魚卵巣製品を得ることができることを見いだして、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して一体化して割型内に収容して冷凍された表皮付き魚卵巣の長手方向に交わるように所定の角度θ1で複数切断した冷凍切断魚卵巣であって、切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあることを特徴とする冷凍切断魚卵巣である。
本発明の請求項2は、請求項1記載の冷凍切断魚卵巣において、魚卵巣がスケトウダラの卵巣であることを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の冷凍切断魚卵巣において、魚卵巣が塩蔵漬け込みあるいは明太子調味液漬け込み処理されている魚卵巣あるいはこれらの処理がなされていない魚卵巣であることを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷凍切断魚卵巣において、密封包装されていることを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷凍切断魚卵巣の製造方法であって、下記の(1)から(5)を含む工程により製造することを特徴とする冷凍切断魚卵巣の製造方法である。
(1)原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成する。
(2)下記の工程(2−1)および/または(2−2)により割型の一方の型内に熟成した魚卵巣を複数収容し、その上に他方の型をセットする。
(2−1):熟成した魚卵巣をそのまま複数使用し、製品の用途に応じて設計された割型の一方の型内に、魚卵巣の直径が大きい側(ヘッド)と魚卵巣の直径が小さい側(テール)とを組み合わせて、両者の接触部に食用接着剤を施用し、前記型の長手方向の各部分において均一質量になるように、かつ下記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して、収容した後、他方の型を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。
(2−2):熟成した魚卵巣の長手方向に交わるように所定の角度θ2で切断した魚卵巣を複数使用し、製品の用途に応じて設計された割型の一方の型内に、切断面が接するようにそれぞれの切断魚卵巣を、各接触部に食用接着剤を施用することなく、前記型の長手方向の各部分において均一質量になるように、かつ下記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して、収容した後、他方の型を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。
W=[(V1−V2)/V2]×100・・・式(1)
(但し、式(1)において、V1は一方の型内に収容した複数の魚卵巣の体積を示し、V2は魚卵巣を収容する前の割型の一方の型と他方の型をセットした際の内部容積を示す。)
(3)前記工程(2−1)および/または(2−2)でセットした型内に収容した魚卵巣を冷凍する。
(4)型内に収容した魚卵巣を冷凍後、型から取り出し、軸方向に交わるように所定の角度θ1で、製品として必要とされる規格質量の範囲内にある製品となるような幅で切断する。
(5)切断して得られた切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にある冷凍切断魚卵巣を必要に応じて密封包装して貯蔵する。
本発明の請求項1は、複数の魚卵巣を重ねて軸方向に連結して一体化して割型内に収容して冷凍された表皮付き魚卵巣の長手方向に交わるように所定の角度θ1で複数切断した冷凍切断魚卵巣であって、切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあることを特徴とする冷凍切断魚卵巣であり、
長期保存性に優れ、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるので、使用者が使用時に計量しなくても容易に使用できる上、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有するという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の冷凍切断魚卵巣において、魚卵巣がスケトウダラの卵巣であることを特徴とするものであり、
天然資源であり、乱獲によりその捕獲量が減少しているスケトウダラなどの魚の魚卵巣を用いて、製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に容易に製造できる、長期保存性に優れた塩蔵漬け込み魚卵巣や明太子や辛子明太子などの製品を提供できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の冷凍切断魚卵巣において、魚卵巣が塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理されている魚卵巣あるいはこれらの処理がなされていない魚卵巣であることを特徴とするものであり、
製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に容易に製造できる、より長期保存性に優れた製品を提供できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷凍切断魚卵巣において、密封包装されていることを特徴とするものであり、
長期保存性に確実に優れた製品を提供できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷凍切断魚卵巣の製造方法であって、前記の(1)から(5)を含む工程により製造することを特徴とする冷凍切断魚卵巣の製造方法であり、
原料魚卵巣の大きさなどに影響されず使用でき、また魚卵巣の一方もしくは両方の一部が失われた原料魚卵であっても使用でき、さらに製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に、長期保存性に優れ、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるので、使用者が使用時に計量しなくても容易に使用できる上、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有する冷凍切断魚卵巣を容易に製造できるという、顕著な効果を奏する。
図1の(1)〜(5)は、本発明の冷凍切断魚卵巣の製造方法の一例を説明する説明図である。 図2の(1)〜(5)は、本発明の冷凍切断魚卵巣の製造方法の他の例を説明する説明図である。 図3の(イ)〜(ニ)は、従来の冷凍切断魚卵巣の製造方法を説明する説明図である。 図4の(イ)〜(ニ)は、従来の他の冷凍切断魚卵巣の製造方法を説明する説明図である。 図5の(イ)〜(ニ)は、従来の他の冷凍切断魚卵巣の製造方法を説明する説明図である。 図6−1の(イ)〜(ニ)は、本発明で用いる割型の例を説明する説明図である。 図6−2の(ホ)〜(ト)は、本発明で用いる割型の他の例を説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1の(1)〜(5)は、本発明の冷凍切断魚卵巣の製造方法の一例を説明する説明図である。
図1は、例えば、Sサイズ(50〜80g程度)の原料魚卵巣を用いて冷凍切断魚卵巣を製造する場合の例である。
先ず工程(1)で、原料魚から取り出され冷凍された魚卵巣を解凍し、一対(1−1、1−2)の表皮4付き冷凍魚卵巣1を洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成させ、接合部2で裁断する。
少なくとも一晩チルド雰囲気(約2〜10℃)で熟成させるのは、魚卵巣の水分含有量が高く、例えば魚卵巣から水が滴たったり、魚卵巣が水ッポイなどの場合は、後述するように魚卵巣をカットする場合に、切り口から落子(卵粒など)が外部へ出てしまいロスとなるので、水切りして、水分含有量を下げるとともに、水分含有量を均一にする必要があり、また塩分の含有量のバラツキがある場合は、塩なれさせて、塩分の含有量を均一にする必要があるなどのために行なうものである。
その結果、後述するように冷凍した魚卵巣を所定の角度θ1で切断して、製品として必要とされる規格質量の範囲内にある製品であって、かつ均一な品質の製品を得ることができ、また、製品の食味、風味などを改善することができる。
塩なれさせて、塩分の含有量を均一にすると、製品の品質が均一になり、食味、風味を改善できる上、腐敗防止の効果がある。
一晩でもよい場合があるが、2〜3晩、行なえばさらにその効果が大きくなる。前記水切りを行なう場合、透水性のある容器、例えば底部にステンレスメッシュを備えた容器あるいはステンレスメッシュ製容器に入れて水切りすると、清潔であり容易に水切りできるので好ましい。
前記水切りを行なう場合、必要に応じて、加熱したり、吸水紙を用いて強制的に吸水したり、遠心力で強制的に脱水したりすることもできる。
接合部2で裁断する際には、魚卵が痛まないように、また落ち子と呼ばれる作業中に卵巣の中の卵の粒が流失しないように注意する必要がある。
塩蔵漬け込みあるいは明太子調味液漬け込み処理などは、特に限定されず、公知の液や装置や方法を用いて行なうことができる。
次いで、工程(2)で、工程(2−1)熟成した魚卵巣1−1、1−2を切断などせずに、そのまま使用し、製品の用途に応じて設計された割型5の一方の型5−2内に、図1に示すように、魚卵巣1−2の(テール)と魚卵巣1−1の(テール)とを組み合わせて、魚卵巣1−2のテールと魚卵巣1−1のテールとの接触部に食用接着剤(例えば、トランスグルタミラーゼ)6を施用し、前記型5−2の長手方向7の各部分において均一質量になるように、かつ魚卵巣1−1、1−2を収容する前の割型の一方の型5−2と他方の型5−1をセットした際の内部容積をV2とし、一方の型5−2内に収容した魚卵巣1−1、1−2の体積をV1とした時、下記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、魚卵巣1−1、1−2のテールを重ねて長手方向7に連結して、収容する。
そして前記型5−2内に収容した後、他方の型5−1を、図1(2)の矢印で示すように、収容した魚卵巣1−1、1−2を押さえ込みながらその上の所定の位置にセットする。
W=[(V1−V2)/V2]×100・・・式(1)
魚卵巣1−1、1−2の体積V1の測定法は、特に限定されるものではないが、例えば、収容した魚卵巣1−1、1−2の全質量と、収容した魚卵巣1−1、1−2の平均密度を計測し、計算により体積V1を求める例や、連結した魚卵巣1−1、1−2を常温の水を満たした容器中に入れた際に、容器外に溢れた水の体積を実測し、それを体積V1とする例を挙げることができる。
また、例えば、一方の型5−2内に魚卵巣1−1、1−2を収容したまま常温の水を満たした容器中に入れた際に、容器外に溢れた水の体積を実測した場合は、型5−2自体の容積を差し引いた、補正した体積を体積V1とする例を挙げることができる。
内部容積V2の測定法も、特に限定されるものではないが、例えば、割型の一方の型5−2と他方の型5−1をセットした割型の断面積と長手方向の長さを実測し、計算する例や、割型の内部に常温の水を満たし、その水の体積を実測する例などを挙げることができる。
前記テールと前記テールとの接触部は表皮4同士が接しているので、食用接着剤6を施用しないと、よく接着しない場合があり、両者は後の工程中で、あるいは取り扱い中などに剥離する恐れがある。そのため食用接着剤6を表皮4上に施用して両者が剥離しないようにすることが好ましい。使用する接着剤は食用接着剤であればよく、特に限定されるものではない。
食用接着剤の市販品の例として、具体的には、例えば、トランスグルタミナーゼがグルタミン残基とリシン残基を架橋結合させる原理のアクティバTG−B(味の素(株)製)や、他に、パールミートGTAや同パールミートGTCなど(千葉製粉(株)製)などを挙げることができる。
前記割合W(体積%)を5〜10%の範囲内にすることにより、魚卵巣1−1、1−2を重ねて長手方向7に連結して、前記型5−2内に収容した後、他方の型5−1を、魚卵巣1−1、1−2を押さえ込むようにして加圧すると、長手方向の各部分において容量が大きい箇所は、その大きさ程度に応じて、加圧されて、容量が少ない箇所に、その少なさ程度に応じて、移動するので前記型5−2の長手方向の各部分においてより一層均一質量になる。
前記割合W(体積%)が5%未満では、容量が大きい箇所が少なすぎて、加圧が不十分となり、移動が不十分となり、前記型5−2の長手方向7の各部分において均一質量にならない恐れがある。
前記割合W(体積%)が10%を超えると、容量が大きい箇所が多くなりすぎて、過度に加圧され、魚卵や魚卵巣が壊れたり、あるいは型が壊れたり、型から魚卵巣が外部へ流失したりする恐れがある。
図5に示した一方の一部が失われた魚卵巣1’の場合は、カット品ハ−1、ハ−2、ハ−3などが規格質量の範囲より小さくなり易いので、規格外品となるなど、ロスとなり、歩留まりが悪いなどの問題があったが、本発明によれば、例えば前記カット品ハ−1、ハ−2、ハ−3を、あるいはこれらのカット品のいずれかを、割型5の一方の型5−2内に、魚卵巣1−2のテールと魚卵巣1−1のテールとの接触部に食用接着剤6を施用して収容する際などにおいて、前記型5−2の長手方向7の各部分における質量の均一性を損なわないように、食用接着剤を施用するか、あるいは施用せずに、前記接触部に介在させて、収容した後、前記と同様にして、他方の型5−1を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットすることにより、カット品ハ−1、ハ−2、ハ−3などをロスにすることなく有効利用することができる。
次いで、工程(3)で、前記工程(2)でセットした型5内に収容した魚卵巣1−1、1−2を冷凍する。
冷凍する際に型5−1の質量が大きく、型5−1が落下するなど型崩れしなければ、型5を特に固定する必要はないが、軽い型5−1の場合は上方に浮いてしまったり、落下するなど型崩れするので、その場合は、例えば紐や針金などの固定手段を用いて型5を巻くなどして固定して冷凍することが好ましい。
冷凍は、例えば1時間以内に急速冷凍することもできるが、1晩かけて冷凍することもできる。急速冷凍すると氷結晶生成帯を素早く通過できるので、氷結晶が小さくなり、ドリップが流出しないので品質を向上できる。
冷凍する方法、装置などは特に限定されるものではなく、公知の方法、装置などを使用することができる。
次いで、工程(4)で、型5内に収容した魚卵巣1−1、1−2を冷凍後、型5から取り出し、長手方向7に交わるように所定の角度θ1で、この例ではほぼ90°の角度で、製品として必要とされる規格質量の範囲内にある製品となるような幅で切断する。
この例ではほぼ90°の角度で切断した例を挙げたが、あまり小さな角度を採用すると、切断面3の部分が大きい製品となる。切断面3の部分が大きい製品は、例えば人工卵を使用した製品とみなされるので商品価値が低下する恐れがある。
本発明でいう(規格質量の範囲内にある)とは、製品として必要とされる規格質量およびその許容バラツキの範囲内にあるということであって、通常、製品を使用する側、すなわちユーザー側からその製品を使用してユーザー側の商品を製造する際に必要とされる製品の質量およびその許容バラツキの範囲であり、ユーザー側から製品の重要な品質管理値として要望されるものである。
具体的には、例えば、2g±0.5g、3g±0.5g、4g±0.5g、4.5g±0.5g、7g±1.0g、9g±1.0g、18g±1.0gなどの例を挙げることができる。これらの例の中で、例えば2g±0.5gという記載は、2gが規格質量を表し、±0.5gが許容バラツキの範囲を表し、この例では、(2g±0.5g)が(規格質量の範囲内にある)という意味である。他も同様である。
この例の(2g±0.5g)の場合、(2g−0.5g)未満であると、製品として不合格となり、歩留が悪くなる。
一方、(2g+0.5g)を超えると、製品として不合格となり、歩留が悪くなる上、例えば、誤って、最終包装形態で一定質量の製品を密封包装すると、包装された製品の数が少なく、使用者が不信感を持ったり違和感を持ったりするので、信用が低下し、売れ行きが低下する恐れがある。他も同様である。
規格質量の範囲を例えば、3g±1gと決めたとすると、下限値が2g、上限値が4gとなり、上限値が下限値の倍になる。この例だと、極端な例として、密封包装して100g/袋の製品だとすると、下限値2gの時は50個/袋、上限値最高4gのときは25個/袋となってしまうので、販売する製品としてはバラツキが大き過ぎて好ましくない。
前記(18g±1.0g)の冷凍切断魚卵巣は、細巻き寿司用冷凍切断魚卵巣や太巻き寿司用冷凍切断魚卵巣の場合の1例であり、例えば外径約10mm、長さ約180mmの細巻き寿司や太巻き寿司に使用される。
本発明の製造方法により、前記細巻き寿司用冷凍切断魚卵巣や太巻き寿司用冷凍切断魚卵巣などを容易に製造できる。
前記、所定の角度θ1は、45°未満となると、規格質量が3gなどと小さなときには製品が長細くなり、両端の角度が鋭角になり、作業中や凍結運搬中、あるいはユーザーが使用中に折れや割れが発生したりするので、ハンドリング性が悪く、また、45°未満となると、カット時の両端のロスがおおくなる。ロス部は本発明においては再使用できるが、作業量が増える問題がある。
そのため、θ1は、一般的には切断面3の面積が小さくなるように、45°〜90°が好ましい。
おにぎりの具として使用するには、おにぎりの大きさにもよるが、長さが長くなって具材が製品の外部にはみ出したりせず、巻き寿司の具として使用したとき、両端部がユーザーの希望する中具となるようにするためには90°に近い方が好ましく、おにぎりの具、巻き寿司の具などの場合は、θ1は、80°〜90°がより好ましい。
以上のようにして、切断して得られた切断面3以外の表面が前記表皮4で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣a〜yの質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるとともに、食味、風味などに優れる均一な品質を有する製品を得ることができる。
そして工程(5)で、冷凍切断魚卵巣a〜yを必要に応じて密封包装して貯蔵する。
以上のように、本発明の冷凍切断魚卵巣は、その切断面3以外の表面が表皮4で被覆されている。
しかし、実際の製造現場において、冷凍された多数の本発明の冷凍切断魚卵巣の中の幾つかの製品において、カットの際などに皮膜4が失はれ切断面3以外の表面の一部が表皮4で被覆されていないものが含まれていても、冷凍されているので、外観からその存在を見出し、検出したら不良品として系外に排除するなどを容易に、かつ経済的に行なうことは非常に困難を伴うものである。
一方、表皮4のない部分が大きい製品は、人工卵を使用した製品とみなされるので商品価値が低下する恐れがあるし、また前記図3に示したハ−3のように、カットの際に皮膜4の一部が失われ、魚卵が露出した状態になってしまうと、魚卵が流出したり、散逸したりする恐れがある。
そこで、これらを総合的に考えて、切断面3以外の表面が表皮4で被覆されている本発明の冷凍切断魚卵巣とは、次のように定義することができる。
すなわち、切断面3以外の表面の皮膜4が失れてはいるが人工卵を使用した製品とみなされない範囲にあり、かつ切断面3以外の表面の皮膜4が失れてはいるが、魚卵が流出したり散逸したりする恐れがない範囲にあれば、表皮4で被覆されていないものが含まれていても、それは、切断面3以外の表面が表皮4で被覆されている本発明の冷凍切断魚卵巣であるとする。
具体的には、例えば、切断面3以外の表面の80%以上、好ましくは90%以上が表皮4で被覆されているが、切断面3以外の表面の20%未満が表皮4で被覆されていないものが含まれていても、それは、実質的に、切断面3以外の表面が表皮4で被覆されている本発明の冷凍切断魚卵巣であるとする。
図2は、例えば、2Lサイズ(160〜200g程度)の原料魚卵巣を用いて冷凍切断魚卵巣を製造する場合の例である。
先ず工程(1)で、原料魚から取り出され冷凍された一対(1−1、1−2)の表皮4付き冷凍魚卵巣1を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成し、接合部2で裁断した。
一晩チルド雰囲気で熟成させるのは、前述のようにバラツイテいた水分含有量を均一にし、塩なれさせて、塩分の含有量を均一にするなど品質を安定させ、また、製品の食味、風味などを改善し、後述するように冷凍した魚卵巣を所定の角度θ1で切断して、製品として必要とされる規格質量の範囲内にある製品を得るためである。
接合部2で裁断する際には、魚卵が痛まないように、また、落ち子やドリップが流失しないように注意する必要がある。
塩蔵漬け込みあるいは明太子調味液漬け込み処理などは、特に限定されず、公知の液や装置や方法を用いて行なうことができる。
次いで、工程(2)で、工程(2−2)複数の熟成した魚卵巣1−1、1−2の長手方向7に交わるように所定の角度θ2で、この例ではほぼθ2=45°の角度で切断した魚卵巣(A、B、C、D、E、F、G、H・・・)の中から選択した5個(ア、イ、ウ、エ、オ)を使用し、製品の用途に応じて設計された割型5の一方の型5−2内に、切断面3が接するようにそれぞれの切断魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を、各接触部に食用接着剤を施用することなく、前記型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように、かつ魚卵巣1−1、1−2を収容する前の割型の一方の型5−2と他方の型5−1をセットした際の内部容積をV2とし、一方の型5−2内に収容した魚卵巣1−1、1−2の体積をV1とした時、下記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、複数の魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。
W=[(V1−V2)/V2]×100・・・式(1)
前記の例で、ほぼθ2=45°の角度で切断するのは、熟成した魚卵巣1−1、1−2が大きいためであり、切断しないと規格質量の範囲内にある製品を得るには厚さを極端に薄くすることになり、極端に薄くすると種々の問題がでるので、好ましくないからである。
この切断角度θ2は特に限定されるものではないが、図2に示したように複数の魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を、切断面3同士を重ねて長手方向7に連結して、収容するので、あまり角度θ2が小さいと型5から容積の小さな部分がはみ出したりして、型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように収容するのが困難となる恐れがある。したがって、困難を伴わずに、型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように収容できる範囲の角度θ2を選択することが好ましい。
通常、成熟した卵巣1−1、1−2のヘッド端部分の角度は、長手方向7に対して30°〜70°の範囲にあるので、30°〜70°の範囲のθ2でカットすると、カットされた魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)の表皮4の面積が小さくなるのを防ぐことができる。表皮4の面積が小さくなると、魚卵巣を押さえ込みながら型5に収容した際に表皮4のない部分がでる恐れがある。
表皮4のない部分が大きい製品は、例えば人工卵を使用した製品とみなされるので商品価値が低下する恐れがある。
また、θ2が30°未満になると魚卵巣が大きいので、カット長さが著しく長くなり、カット後の作業でバラ子が分離して落ちるなど、歩留まりも悪くなる恐れがある。
逆に、θ2が70°を超えると、型5に魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)並べて収容すると、収容した時点で既に切断面3が多く現れており、しかも魚卵巣を押さえ込みながらセットする際に、押さえ込み時の力によってバラ子が分離して魚卵巣アと魚卵巣イの上部の隙間、卵巣イと魚卵巣ウの上部の隙間などに入り、表皮4の面積が小さくなる恐れがある。
そのため、θ2は30°〜70°の範囲が好ましい。
それぞれの切断魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)の接触部の少なくとも一方は魚卵の切断面3であるので、魚卵が食用接着剤の働きをするので、別に食用接着剤を施用する必要がない。
前記割合W(体積%)を5〜10%の範囲内にすることにより、魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を重ねて長手方向7に連結して、前記型5−2内に収容した後、他方の型5−1で魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を押さえ込むようにして加圧すると、長手方向の各部分において容量が大きい箇所は、その大きさ程度に応じて、加圧されて、容量が少ない箇所に、その少なさ程度に応じて、移動するので前記型5−2の長手方向の各部分においてより一層均一質量になる。
従来、図5に示したように、一方の一部が失われた魚卵巣1’の場合は、カット品ハ−1、ハ−2、ハ−3などが規格質量の範囲より小さくなり易く、規格外品となるなど、ロスとなり、歩留まりが悪いなどの問題があったが、本発明によれば、例えば図5に示したカット品ハ−1、ハ−2、ハ−3を、あるいはこれらのカット品のいずれかを、割型5の一方の型5−2内に、魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を重ねて長手方向7に連結して収容する際などにおいて、前記型5−2の長手方向7の各部分における質量の均一性を損なわないように、ある魚卵巣と他の魚卵巣との間に食用接着剤を施用するか、あるいは施用せずに、連結部に介在させて、収容した後、前記と同様にして、他方の型5−1を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットすることにより、カット品ハ−1、ハ−2、ハ−3などをロスにすることなく有効利用することができる。
前記割合W(体積%)が5%未満では、容量が大きい箇所が少なすぎて、加圧が不十分となり、移動が不十分となり、前記型5−2の長手方向7の各部分において均一質量にならない恐れがある。
前記割合W(体積%)が10%を超えると、容量が大きい箇所が多くなりすぎて、過度に加圧され、魚卵巣が壊れたり、あるいは型が壊れたり、型から魚卵巣が外部へ流失したりする恐れがある。
図2においては、工程(2)において、工程(2−2)により割型5の一方の型(5−2)内に熟成した魚卵巣の長手方向に交わるように所定の角度θ2で切断した魚卵巣を接触部に食用接着剤を施用せずに複数収容した例について説明した。
そして、前記図1においては、工程(2)において、工程(2−1)により、割型5の一方の型(5−2)内に魚卵巣1−2の(テール)と魚卵巣1−1の(テール)とをそれぞれ1つ組み合わせて接触部に食用接着剤を施用し収容した例について説明した。
しかし、本発明においては、組み合わせや、収容する魚卵巣の数はこれらに限定されるものではなく、状況に応じて魚卵巣の直径が大きい側(ヘッド)と魚卵巣の直径が小さい側(テール)とを組み合わせて、あるいは状況に応じて(ヘッド)と(ヘッド)とをそれぞれ1つずつ、あるいはさらに多数組み合わせて、両者の接触部に食用接着剤を施用し、前記型の長手方向の各部分において均一質量になるように、かつ前記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して、収容することもできる。
さらに、本発明においては、工程(2)において、工程(2−1)と工程(2−2)とを組み合わせて、割型5の一方の型(5−2)内に熟成した魚卵巣を複数収容することもできる。
通常、例えば、魚卵巣が小さい場合(例えば、Sサイズ50〜80g)には工程(2−1)を使用し、魚卵巣が大きい場合(例えば、2Lサイズ160〜200g)には工程(2−2)を使用し、例えば、大きいものと小さいものが混じっている場合には、工程(2−1)と工程(2−2)とを組み合わせて使用することができるが、どのような場合にどの工程を使用するかあるいは組み合わせて使用するかは、これらの例に限定されるものではない。
次いで、工程(3)で、前記工程(2)でセットした型5内に収容した魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を冷凍する。
冷凍する際に型5−1の質量が大きく、型5−1が落下するなど型崩れしなければ、型5を特に固定する必要はないが、軽い型5−1の場合は上方に浮いてしまったり、落下するなど型崩れするので、その場合は紐や針金などの固定手段を用いて型5を巻くなどして固定して冷凍することが好ましい。
冷凍は、例えば1時間以内に急速冷凍することもできるが、1晩かけて冷凍することもできる。急速冷凍すると氷結晶生成帯を素早く通過できるので、氷結晶が小さくなり、ドリップが流出しないので品質を向上できる。
冷凍する方法、装置などは特に限定されるものではなく、公知の方法、装置などを使用することができる。
次いで、工程(4)で、型5内に収容した魚卵巣(ア、イ、ウ、エ、オ)を冷凍後、型5から取り出し、長手方向7に交わるように所定の角度θ1で、この例ではほぼθ1=90°の角度で、製品として必要とされる規格質量の範囲内にある製品となるような幅で切断する。
θ1は、前記のように、一般的には切断面3の面積が小さくなるように、45°〜90°が好ましい。
(5)切断して得られた切断面3以外の表面が前記表皮4で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣a〜yの質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるとともに、食味、風味などに優れ、かつ均一な品質を有する冷凍切断魚卵巣a〜yを得ることができる。
冷凍切断魚卵巣a〜yを必要に応じて密封包装して貯蔵する。
切断面3以外の表面が表皮4で被覆されている本発明の冷凍切断魚卵巣の定義については前述の通りである。
密封包装して貯蔵した本発明の冷凍切断魚卵巣は、使用する際はそのまま使用することもできるが、例えば、常温で、約1時間程度で解凍することができるので、各種の料理に容易に使用できる。
本発明においては、必要に応じて、例えば、食塩、唐辛子などの香辛料、砂糖・ぶどう糖などの糖類、増粘多糖類、発酵調味料、グルタミン酸ナトリウム・核酸系旨味調味料などの各種調味料、有機酸、醸造酢、柑橘果汁、色素、発色剤、酸化防止剤、香料などを使用することができる。
本発明で使用する割型の例を、図6−1の(イ)〜(ニ)および図6−2の(ホ)〜(ト)に示す。
図6−1の(イ)は、一方が円筒型5−2であり、他方がやや小さい扁平型5−1である例を示す。
図6−1の(ロ)は、一方が三角型5−2であり、他方もやや小さい三角型である例を示す。
図6−1の(ハ)は、一方が四角型5−2であり、他方もやや小さい四角型である例を示す。
図6−1の(ニ)は、一方が円筒型を複数横方向に連結した型5−2であり、他方もそれに合わせて円筒型を複数横方向に連結した型である例を示す。
図6−1の(イ)〜(ニ)の場合には、割型5の一方の型5−2内に複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を、収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットすると、卵巣に力がかかった状態となっている。
この状態で、その後の凍結工程において型崩れが起きず、安定して卵巣を保持できればよいが、その後の凍結工程などにおいて型崩れが起きる恐れがあり、安定して卵巣を保持できるようにする必要があると考えられる場合は、例えば、前記のような固定手段を工夫するか、次に説明するような固定方法を工夫して使用することが好ましい。勿論、これらの固定手段や固定方法に限定されるものではない。
図6−2の(ホ)は、一方が円筒型を複数横方向に連結した型5−2であって、長手方向7の両サイドの中央部および長手方向7に直交する両サイドの中央部に割型の一方の型と他方の型を結合するための結合部8を合計4個備えており、他方の型5−1もそれに合わせて円筒型を複数横方向に連結した型であって、長手方向7の両サイドの中央部および長手方向7に直交する両サイドの中央部に割型の一方の型と他方の型を結合するための結合部8を合計4個備えている例を示す。
前記のようにして割型5の一方の型5−2内に複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を、収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。セットした後、ネジ9を用いて型5−1と型5−2を固定する。割型5内に収容した卵巣に力がかかった状態となるが、ネジ9により型5−1と型5−2を固定しているので、その後の凍結工程において型崩れが起きず、安定して卵巣を保持できる。
図6−2の(ヘ)は、一方が円筒型の型5−2であって、長手方向7に直交する両サイドの中央部に割型の一方の型と他方の型を結合するための結合部8を2個備えており、他方の型5−1もそれに合わせて円筒型の型であって、長手方向7に直交する両サイドの中央部に割型の一方の型と他方の型を結合するための結合部8を2個備えている例を示す。
前記のようにして割型5の一方の型5−2内に複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を、収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。セットした後、ネジ9を用いて型5−1と型5−2を固定する。割型5内に収容した卵巣に力がかかった状態となるが、ネジ9により型5−1と型5−2を固定しているので、その後の凍結工程において型崩れが起きず、安定して卵巣を保持できる。
図6−2の(ト)は、円筒型の型5−1と他方の円筒型の型5−2を備えた割型5であって、長手方向7に直交するそれぞれのサイドの中央部あたりに割型の一方の円筒型の型5−1と他方の円筒型の型5−2を結合して開閉自在にするためのヒンジ10が、間隔をおいて2個設置されており、ヒンジ10に対応する反対側にホックなどの係止材11が2個設置されている例を示す。
前記のようにして割型5の一方の型5−2内に複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を、ヒンジ10を使って回転させて、収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。セットした後、係止材11を用いて型5−1と型5−2を固定する。割型5内に収容した卵巣に力がかかった状態となるが、係止材11を用いて型5−1と型5−2を固定しているので、その後の凍結工程において型崩れが起きず、安定して卵巣を保持できる。
以上のように本発明で使用する割型の形状や寸法や長手方向7に対して横方向に連結する型の個数、固定したり係止したりする手段などは特に限定されるものではなく、製品に要求される特性および生産性などを考慮して決めることができる。長手方向7に対して横方向に同じ型を連結した例を示したが、異なる型を連結することもできる。また、長手方向7に同じ型や異なる型あるいはこれらの組み合わせた型を連結することもできる。
本発明で使用する割型の材質も強度があり、耐久性および安全性に優れるものであれば金属、セラミック、木、プラスチック、ガラス、シート(例えばポリプロピレンフィルム)などあるいはこれら2つ以上の組み合わせでよく、特に限定されるものではない。これらの中でもステンレススチールは強度、耐久性および安全性の観点から好ましく使用できる。
以上説明した本発明で使用する割型はいずれも、その両端部が閉鎖されておらず、オープンである場合の例を示した。しかし、両端部はオープンであってもよく、閉鎖されていてもよく、あるいは片側の端部がオープンであり、他の端部は閉鎖されていてもよい。
オープンであると、一方の型5−2内に複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を、収容した魚卵巣を押さえ込む時に、オープンサイドから力が逃げるために長手方向の各部分において均一質量になり易いが、押さえつけた後、両端を押さえて形を整える必要がある。
閉鎖されていると、一方の型5−2内に複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した後、他方の型5−1を、収容した魚卵巣を押さえ込むだけで、成型(整型)できるので、両端を押さえて形を整える必要がない。しかし、収容した魚卵巣を押さえ込み長手方向の各部分において均一質量にするためには、オープンの場合に比較して、やや強い力が必要になる。
なお、仮に割型のオープンサイドからはみ出たものも再度使用できるため、オープンであっても特に問題とはならない。
したがって、オープンとするか、閉鎖とするか、あるいは両者を組み合わせるかは、製品の形状、寸法、種類など、およびユーザーの要望などに従って選択することが好ましい。
本発明の冷凍切断魚卵巣の製造は、手作業で行なうこともでき、また必要な機械装置を1台あるいは複数使用して全自動で連続的に製造することもでき、またこれらを組み合わせて製造することもできる。
本発明で製品を密封包装して収容するために使用する容器としては、バリヤー性容器が好ましい。
好ましいガスバリヤー性容器包装体は、合成樹脂のトレー容器か、合成樹脂フィルムおよび/または金属箔のラミネート材からなるプラスチック袋である。
例えば、袋状容器では、アルミナ蒸着PETフィルム/ポリアミド/ポリプロピレンフィルムを、ポリプロピレンフィルム面ではりあわせた袋や、トレー容器と蓋材の組み合わせ容器では、トレー容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれをトレー状に成形したものとトレー容器上蓋フィルム(ガラス蒸着PET/ポリアミド/ポリプロピレン系シーラント)などが使用できる。また、トレーについては、例えば製品が入る程度の仕切りやくぼみがあるものにするとなお、使用者が使用し易くなる。
本発明で使用する魚卵巣の魚類としては、特に限定されないが、たとえばマダラ、スケトウダラなどのタラ、ニシン、飛魚、シシャモ、鮭類、カレイ類、マグロ類、タイなどの魚類の卵巣、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせを挙げることができる。魚卵巣としては、生魚卵巣であってもよい。冷凍処理が施された魚卵巣については、解凍処理を施した後に使用する。
本発明においては、前記工程を、例えば、米国航空宇宙局(NASA)の規格でクラス100〜クラス10000のクリーンルームやクリーンブース内等で無菌的に行なうなど、無菌環境で行なうことが好ましい。無菌環境で行なう際には使用する設備・包材・容器、ならびに原料魚や水および/または調味液などは充分に殺菌されたものを使用することが好ましい。
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に記載のWの%は(体積%)を示す。
(実施例1)
食用接着剤を使用して図1に示す工程により規格質量の範囲3g±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造した例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(原料サイズは50−80g)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、チルド庫中で一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
内径17mm、長さ300mmの割型5の一方の型5−2内に、図1に示すように、魚卵巣1−2の(テール)と魚卵巣1−1の(テール)とを組み合わせて、魚卵巣1−2のテールと魚卵巣1−1のテールとの接触部に食用接着剤(トランスグルタミラーゼ、商品名:アクテイバTG−B、味の素(株)製)6を施用し、前記型5−2の長手方向7の各部分において均一質量になるように長手方向7に連結して、収容した(収容した魚卵巣の全質量=87.2g、収容した魚卵巣の平均密度=1.191g/cm)。
そして前記型5−2内に収容した後、他方の型5−1を、図1(2)の矢印で示すように、収容した魚卵巣1−1、1−2を押さえ込みながらその上の所定の位置にセットした。
V1は73.2cm(87.2g/1.191g/cm=73.2cm)、V2は68.1cm[(1.7cm/2)×3.14×30cm=68.1cm]、Wは7.5%{[(73.2cm−68.1cm)/68.1cm]×100=7.5%}であった。
前記のように、V1は収容した魚卵巣の平均密度と収容した魚卵巣の全質量から計算したものであり、V2は型5の断面積と長さから計算したものである。
型5−1を所定の位置にセットした後、割型5に針金を巻いて冷凍中などに型崩れしないようにした。
それを凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用して、−30℃、1時間急速凍結後(中心温度―18℃以下)、室温(23℃)で5分放置し、割型5から取り出し、長手方向に対してθ1=90°(直角)で、10mm間隔にて、包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットして得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣28個の個々の質量を測定した結果を、表1に示す。
表1から、規格質量の範囲内にあるものが89.3%であることが判る。
また、表1から、規格質量の範囲外のものが10.7%および(切り滓など3.2g)発生したことが判る。しかし規格質量の範囲外のものは、魚卵巣1−2のテールと魚卵巣1−1のテールとを接触させて型5−2の長手方向7に連結して、収容する際に、前記型5−2の長手方向7の各部分における質量の均一性を損なわないように、接触部に挿入して介在させ、介在させた後、他方の型5−1を、図1(2)の矢印で示すように、収容した魚卵巣1−1、1−2を押さえ込みながらその上の所定の位置にセットすることにより、長手方向7に均一質量になるようにして、使用することが可能であるので、ロスにならないことを確認できた。
(実施例2)
食用接着剤を使用しないで、図2に示す工程により、規格質量の範囲4.5g±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造した例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(原料サイズは160−200g)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、チルド庫中で一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
熟成し裁断した魚卵巣1−1、1−2の長手方向7に交わるようにθ2=45°〜60°の角度で切断した魚卵巣を使用し、切断面3が接するようにそれぞれの切断魚卵巣を、内径23mm、長さ300mmの割型5の一方の型5−2内に、食用接着剤6を施用せずに、前記型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した(収容した魚卵巣の全質量=162.5g、収容した魚卵巣の平均密度=1.191g/cm)後、他方の型5−1を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットした。
V1は136.4cm(162.5g/1.191g/cm=136.4cm)、V2は124.6cm[(2.3cm/2)×3.14×30cm=124.6cm]、Wは9.5%{[(136.4cm−124.6cm)/124.6cm]×100=9.5%}であった。
前記のように、但し、V1は収容した魚卵巣の平均密度と収容した魚卵巣の全質量から計算したものであり、V2は型5の断面積と長さから計算したものである。
型5−1を所定の位置にセットした後、割型5に針金を巻いて冷凍中などに型崩れしないようにした。
それを凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用して、−30℃、1時間急速凍結後(中心温度―18℃以下)、室温(23℃)で5分放置し、割型5から取り出し、長手方向に対してθ1=90°(直角)で、8mm間隔にて、包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットをした。
カットして得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣32個の個々の質量を測定した結果を、表1に示す。
表1から、規格質量の範囲内にあるものが90.6%であることが判る。
また、表1から、規格質量の範囲外のものが9.4%および(切り滓など8.4g)発生したことが判る。しかし規格質量の範囲外のものは、切断魚卵巣を、一方の型5−2内に、前記型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容する際に、前記型5−2の長手方向7の各部分における質量の均一性を損なわないように、切断面3間に挿入して介在させ、介在させた後、他方の型5−1を、図2(2)の矢印で示すように、収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上の所定の位置にセットすることにより、長手方向7に均一質量になるようにして、使用することが可能であるので、ロスにならないことを確認できた。
(実施例3)
食用接着剤を使用しないで、図2に示す工程により規格質量の範囲3±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造した例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(原料サイズは160−200g)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、チルド庫中で一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
熟成し裁断した魚卵巣1−1、1−2の長手方向7に交わるようにθ2=45°〜60°の角度で切断した魚卵巣を使用し、切断面3が接するようにそれぞれの切断魚卵巣を、内径17mm、長さ300mmの割型5の一方の型5−2内に、食用接着剤6を施用せずに、前記型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容した(収容した魚卵巣の全質量=86.5g、収容した魚卵巣の平均密度=1.191g/cm)後、他方の型5−1を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットした。
V1は72.6cm(86.5g/1.191g/cm=72.6cm)、V2は68.1cm[(1.7cm/2)×3.14×30cm=68.1cm]、Wは6.6%{[(72.6cm−68.1cm)/68.1cm]×100=6.6%}であった。
前記のように、V1は収容した魚卵巣の平均密度と収容した魚卵巣の全質量から計算したものであり、V2は型5の内径と長さから計算したものである。
型5−1を所定の位置にセットした後、割型5に針金を巻いて冷凍中などに型崩れしないようにした。
それを凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用して、−30℃、1時間急速凍結後(中心温度―18℃以下)、室温(23℃)で5分放置し、割型5から取り出し、長手方向に対してθ1=90°(直角)で、10mm間隔にて、包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットをした。
カットして得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣26個の個々の質量を測定した結果を、表1に示す。
表1から、規格質量の範囲内にあるものが88.5%であることが判る。
また、表1から、規格質量の範囲外のものが11.5%および(切り滓など5.9g)発生したことが判る。しかし規格質量の範囲外のものは、切断魚卵巣を、一方の型5−2内に、前記型5の長手方向7の各部分において均一質量になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向7に連結して、収容する際に、前記型5−2の長手方向7の各部分における質量の均一性を損なわないように、切断面3間に挿入して介在させ、介在させた後、他方の型5−1を、図2(2)の矢印で示すように、収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上の所定の位置にセットすることにより、長手方向7に均一質量になるようにして、使用することが可能であるので、ロスにならないことを確認できた。
Figure 0005172037
実施例1〜3で得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を常温で、約1時間程度で解凍して、おにぎりの具とし、パネルメンバー10人でそれぞれ10検体について食して下記の評価基準に従って、評価した結果、◎ないし○であった。おにぎりは美味しく、具は品質が均一であり、かつ外観、食味、風味に優れているので、製品として商品価値が特に高いことを確認した。
評価基準:◎、○、△、×の評価基準は、以下の通りである。
◎・・特に美味しく、具は品質がより均一であり、かつ外観、食味、風味により優れているので、特に商品価値が高い。
○・・美味しく、具は品質が均一であり、かつ外観、食味、風味に優れているので、製品として商品価値が高い。
△・・美味しさ、品質の均一性、外観、食味、風味の少なくとも1つにおいて、商品とするにはもう一工夫が必要である。
×・・美味しさ、品質の均一性、外観、食味、風味の少なくとも1つにおいて劣るので、商品とすることはできない。
一方、実施例1〜3で得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣をそれぞれ複数個、アルミナ蒸着PETフィルム/ポリアミド/ポリプロピレンフィルムからなる積層フィルムを、ポリプロピレンフィルム面ではりあわせて作製したガスバリヤー性容器包装袋に真空包装機を用いて収容して密封包装した。そして−25℃の冷凍庫中に1.5年保管した。
1、3、6、9、12、15、18ケ月毎にパネルメンバー10人で前記のようにして食し、前記評価基準に従って、外観、風味、食味、品質について評価した。
実施例1〜3で得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣は、1.5年保管後も外観、風味、食味に優れ、品質が維持されており長期保存性が高いことを確認した。
実施例1〜3で得られた調製直後の本発明のスケトウダラ冷凍切断魚卵巣および前記のようにして、F級(設定温度:−25℃)の冷凍庫中に1.5年保管した後、食品衛生関係法規集に記載の食品衛生細菌検査法(及び検査結果の表記方法)に従って、一般生菌の菌数/gについては3検体について測定し、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌についても3検体を用いて陰性であるか、陽性であるかについて、検査した。
(検査法)
食品衛生関係法規集(食品衛生研究会編集)/附録の食品規格基準一覧表および食品衛生関係法規集別巻(東京都令規版)に記載の食品衛生細菌検査法より実施した。
なお、同検査結果の表記方法にしたがって表記した。
(使用した培地)
細菌数:標準寒天培地
大腸菌群:デソキシコレート培地
腸炎ビブリオ:アルカリペプトン水、TCBS寒天培地
サルモネラ属菌:DHL培地
黄色ブドウ球菌:卵黄添加マンニット食塩培地
検査した結果を次に示す。
(調製直後)
(実施例1) (実施例2) (実施例3)
一般生菌の菌数/g ≦300 3.1×10 ≦300
≦300 5.7×10 ≦300
≦300 1.4×10≦300
大腸菌群 陰性 陰性 陰性
黄色ブドウ球菌 陰性 陰性 陰性
サルモネラ菌 陰性 陰性 陰性
腸炎ビブリオ菌 陰性 陰性 陰性
(−25℃で1.5年保管後)
(実施例1) (実施例2) (実施例3)
一般生菌の菌数/g ≦300 6.7×108.0×10
≦300 2.8×10 ≦300
≦300 4.6×10≦300
大腸菌群 陰性 陰性 陰性
黄色ブドウ球菌 陰性 陰性 陰性
サルモネラ菌 陰性 陰性 陰性
腸炎ビブリオ菌 陰性 陰性 陰性
食品衛生法によれば、一般生菌数が1.0×10以下であれば生食として摂取できるレベルであり、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌および腸炎ビブリオ菌については陰性であれば生食として摂取できるレベルであると規定している。
したがって、実施例1〜3の調製直後および−25℃で1.5年保管後の本発明のスケトウダラ冷凍切断魚卵巣は、生食としても摂取できるレベルにあり、安全性が高いことが判った。
(比較例1)
図3に示す従来の工程により規格質量の範囲3g±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造することを目標にした例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(原料サイズは50−80g)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
接合部2で裁断したものを、長手方向に対してθ1=90°(直角)に10mm間隔にてカットをした。包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットした後、市販の凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用し−30℃、1時間急速凍結(中心温度―18℃以下)した。
得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣52個の個々の質量を測定した結果を、表2に示す。
表2から、規格質量の範囲内にあるものが21.2%と少なく、規格質量の範囲外のものは78.8%と多く、かつ製品の質量のバラツキが非常に大きいことが判る。
規格質量の範囲外のものは使用することが不可能であるので、ロスが大きいことを確認できた。
なお、割型に収容して急速凍結してからカットすることを行なわないで、解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成し、接合部2で裁断したものをカットしたので、落ち子が発生し、更に歩留が悪くなった。
Figure 0005172037
(比較例2)
図4に示す従来の工程により規格質量の範囲4.5g±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造することを目標にした例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(原料サイズは160−200g)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
接合部2で裁断したものを、長手方向に対してθ1=90°(直角)に10mm間隔にてカットをした。包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットした後、市販の凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用し−30℃、1時間急速凍結(中心温度―18℃以下)した。
得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣67個の個々の質量を測定した結果を、表3に示す。
表3から、規格質量の範囲内にあるものが10.4%と少なく、規格質量の範囲外のものは89.6%と多く、かつ製品の質量のバラツキが非常に大きいことが判る。
規格質量の範囲外のものは使用することが不可能であるので、ロスが大きいことを確認できた。
なお、割型に収容して急速凍結してからカットすることを行なわないで、解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成し、接合部2で裁断したものをカットしたので、落ち子が発生し、更に歩留が悪くなった。
Figure 0005172037
(比較例3)
図4に示す従来の工程により規格質量の範囲3g±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造することを目標にした例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(原料サイズは160−200g)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
接合部2で裁断したものを、長手方向に対してθ1=90°(直角)に8mm間隔にてカットをした。包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットした後、市販の凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用し−30℃、1時間急速凍結(中心温度―18℃以下)した。
得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣59個の個々の質量を測定した結果を、表4に示す。
表4から、規格質量の範囲内にあるものが0%、規格質量の範囲外のものが100%、かつ製品の質量のバラツキが非常に大きいことが判る。
規格質量の範囲外のものは使用することが不可能であるので、全部がロスとなった。
なお、割型に収容して急速凍結してからカットすることを行なわないで、解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成し、接合部2で裁断したものをカットしたので、落ち子が発生した。
Figure 0005172037
(比較例4)
図5に示す従来の工程により規格質量の範囲3g±0.5gのスケトウダラ冷凍切断魚卵巣を製造することを目標にした例:
スケトウダラ原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣(一対の魚卵巣の一方の一部が失われた原料魚卵巣KC)を解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成したものを接合部2で裁断した。
接合部2で裁断したものを、長手方向に対してθ1=90°(直角)に10mm間隔にてカットをした。包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットした後、市販の凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用し−30℃、1時間急速凍結(中心温度―18℃以下)した。
カットして得られたスケトウダラ冷凍切断魚卵巣67個の個々の質量を測定した結果を、表5に示す。
表5から、規格質量の範囲内にあるものが25.4%、規格質量の範囲外のものが74.6%、かつ製品の質量のバラツキが非常に大きいことが判る。
規格質量の範囲外のものは使用することが不可能であるので、ロスが大きいことを確認できた。
なお、割型に収容して急速凍結してからカットすることを行なわないで、解凍し、洗浄、塩蔵後に明太子調味液漬け込み処理し、一晩チルド雰囲気で熟成し、接合部2で裁断したものをカットしたので、落ち子が発生し、更に歩留が悪くなった。
Figure 0005172037
(比較例5)
水洗したいくら(平均直径約6mmの卵粒)を使用して、両端部が閉鎖された割型5を使用した以外は実施例1と同様にして、図1に示す工程により規格質量の範囲3g±0.5gの冷凍切断いくらの製造を試みた例:
水洗していくら特有の粘着性を弱めた後、実施例1で使用した内径17mm、長さ300mmの割型5の一方の型5−2内に、水洗したいくらを少しずつ供給すると、半円形の型5−2の両側の壁の高さまで供給することができた。
しかし、さらに水洗したいくらを供給し続けると型5−2の両側の壁を越えて外部へ流出してしまった。
したがって、前記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、いくらを型5−2内に収容することはできなかった。
いくらを、型5−2の両側の壁の高さまで収容した後、他方の型5−1をセットしたが、収容したいくらを押さえ込むことはできず、型5−1にはいくらが無い状態であった。
すなわち、V2は68.1cm[(1.7cm/2)×3.14×30cm=68.1cm]であるが、V1は、V2の約半分の約35cmであり、したがって、Wは0%である。
このようにして型5−1を所定の位置にセットした後、一応、割型5の回りに固定するための針金を巻いた。
それを凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用して、収容したいくらがこぼれないよう注意しながら、−30℃、1時間急速凍結後(中心温度―18℃以下)、室温(23℃)で5分放置し、割型5から取り出し、長手方向に対してθ1=90°(直角)で、カット幅10mmにて、包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットして得られた冷凍切断いくら28個の個々の質量を測定した結果を、表6に示す。
表6から、規格質量の範囲内にあるものが1個で、3.6%、規格質量の範囲外のものが96.4%であることが判る。
規格質量の範囲外のものは使用することが不可能であるので、ロスが大きいことを確認できた。
なお、包丁でカットする時にいくらがつぶれて、割れてドリップが非常に多く発生し、これもロスになった。
(比較例6)
水洗したいくら(平均直径約6mmの卵粒)を使用して、比較例5と同様にして、図1に示す工程により規格質量の範囲3g±0.5gの冷凍切断いくらの製造を試みた他の例:
カット幅20mmにて、包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした以外は比較例5と同様にして冷凍切断いくらを調製した。
カットして得られた冷凍切断いくら15個の個々の質量を測定した結果を、表6に示す。
表6から、規格質量の範囲内にあるものが1個で、6.7%、規格質量の範囲外のものが93.3%であることが判る。
規格質量の範囲外のものは使用することが不可能であるので、ロスが大きいことを確認できた。
なお、包丁でカットする時にいくらがつぶれて、割れてドリップが非常に多く発生し、これもロスになった。
(比較例7)
水洗したいくら(平均直径約6mmの卵粒)を使用し、実施例1で使用した割型5と類似の割型を用い、規格質量の範囲3g±0.5gの冷凍切断いくらの製造を試みた例:
実施例1で使用した内径17mm、長さ300mmの割型5の一端部がクローズタイプの一方の型5−1と一端部がクローズタイプの他方の型5−2を予め所定の位置にセットして一端部がクローズになるように、他端部がオープンになるように割型5を組み立ててセットした後、割型5の回りに固定するための針金を巻いた。
この割型5のオープンサイドを入口にして、この入口から水洗したいくらを、押し込むことなく(押し込むといくらが潰されて割れてしまう。割れるとドリップが多く流出する。)、流し込むようにして収容した。すなわち、V1とV2は68.1cm[(1.7cm/2)×3.14×30cm=68.1cm]であり、Wは0%である。
収容した後、割型5のオープンサイドをクローズした。
それを凍結機[(株)ダイキン製スパイラルフリーザーGF117−304]を使用して、−30℃、1時間急速凍結後(中心温度―18℃以下)、室温(23℃)で5分放置し、割型5から取り出し、長手方向に対してθ1=90°(直角)で、カット幅10mmにて、包丁とまな板を使用して、物差しで測定しながらカットした。
カットして得られた冷凍切断いくら26個の個々の質量を測定した結果を、表6に示す。
表6から、規格質量の範囲内にあるものが16個で、61.5%、規格質量の範囲外のものが38.5%であることが判る。
なお、包丁でカットする時にいくらが割れてドリップが非常に多く、これもロスになった。
規格質量の範囲外のものは、前記のように割型5のオープンサイドから流し込んで再使用できる可能性があるが、取り扱いや加工工程数が多くなると、いくらが割れたり、傷付いたりするので、製品の商品価値を低化させる恐れがある。
Figure 0005172037
本発明は、複数の魚卵巣を重ねて軸方向に連結して一体化して割型内に収容して冷凍された表皮付き魚卵巣の長手方向に交わるように所定の角度θ1で複数切断した冷凍切断魚卵巣であって、切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあることを特徴とする冷凍切断魚卵巣であり、長期保存性に優れ、個々の冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあるので、使用者が使用時に計量しなくても容易に使用できる上、食味、風味などに優れるとともに均一な品質を有するという顕著な効果を奏し、また本発明の製造方法は、そのような本発明の冷凍切断魚卵巣を、原料魚卵巣の大きさなどに影響されず、魚卵巣の一方もしくは両方の一部が失われた原料魚卵であっても使用でき、製造中に発生した切断片なども使用でき、低ロスで経済的に容易に製造できるという顕著な効果を奏するので、その産業上の利用価値が甚だ大きい。
1、1−1、1−2 魚卵巣
1’ 一方の一部が失われた魚卵巣
2 接合部
3 切断面
4 表皮
5、5−1、5−2 割型
6 食用接着剤
7 長手方向
8 結合部
9 ネジ
10 ヒンジ
11 係止材

Claims (5)

  1. 複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して一体化して割型内に収容して冷凍された表皮付き魚卵巣の前記長手方向に交わるように所定の角度θ1で複数切断した冷凍切断魚卵巣であって、切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にあることを特徴とする冷凍切断魚卵巣。
  2. 魚卵巣がスケトウダラの卵巣であることを特徴とする請求項1記載の冷凍切断魚卵巣。
  3. 魚卵巣が塩蔵漬け込みあるいは明太子調味液漬け込み処理されている魚卵巣あるいはこれらの処理がなされていない魚卵巣であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の冷凍切断魚卵巣。
  4. 密封包装されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷凍切断魚卵巣。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷凍切断魚卵巣の製造方法であって、下記の(1)から(5)を含む工程により製造することを特徴とする冷凍切断魚卵巣の製造方法。
    (1)原料魚から取り出され冷凍された表皮付き冷凍魚卵巣を解凍し、洗浄後、そのまま、あるいは塩蔵漬け込みあるいは明太子調味液漬け込み処理し、少なくとも一晩チルド雰囲気で熟成する。
    (2)下記の工程(2−1)および/または(2−2)により割型の一方の型内に熟成した魚卵巣を複数収容し、その上に他方の型をセットする。
    (2−1):熟成した魚卵巣をそのまま複数使用し、製品の用途に応じて設計された割型の一方の型内に、魚卵巣の直径が大きい側(ヘッド)と魚卵巣の直径が小さい側(テール)とを組み合わせて、両者の接触部に食用接着剤を施用し、前記型の長手方向の各部分において均一質量になるように、かつ下記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して、収容した後、他方の型を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。
    (2−2):熟成した魚卵巣の長手方向に交わるように所定の角度θ2で切断した魚卵巣を複数使用し、製品の用途に応じて設計された割型の一方の型内に、切断面が接するようにそれぞれの切断魚卵巣を、各接触部に食用接着剤を施用することなく、前記型の長手方向の各部分において均一質量になるように、かつ下記式(1)で表される割合W(体積%)が5〜10%の範囲になるように、複数の魚卵巣を重ねて長手方向に連結して、収容した後、他方の型を収容した魚卵巣を押さえ込みながらその上にセットする。
    W=[(V1−V2)/V2]×100・・・式(1)
    (但し、式(1)において、V1は一方の型内に収容した複数の魚卵巣の体積を示し、V2は魚卵巣を収容する前の割型の一方の型と他方の型をセットした際の内部容積を示す。)
    (3)前記工程(2−1)および/または(2−2)でセットした型内に収容した魚卵巣を冷凍する。
    (4)型内に収容した魚卵巣を冷凍後、型から取り出し、長手方向に交わるように所定の角度θ1で、製品として必要とされる規格質量の範囲内にある製品となるような幅で切断する。
    (5)切断して得られた切断面以外の表面が前記表皮で被覆されており、切断されたそれぞれの冷凍切断魚卵巣の質量が製品として必要とされる規格質量の範囲内にある冷凍切断魚卵巣を必要に応じて密封包装して貯蔵する。
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