JPH0910522A - 固液分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の変容積スクリューを用いた固液分離装
置にあった問題を解決する。 【構成】 垂直又は傾斜状に配置されたスクリュー又は
リボンスクリューの回転によって固液分離しつつ固体分
を排出管に送りだす固液分離装置である。スクリュー又
はリボンスクリュー１９は、その羽根部の上下間隔が下
部から上部に向かって一定で、かつ、スクリューの内外
径も下部から上部に向かって一定のものを使用する。こ
のスクリュー又はリボンスクリュー１９の上部には、こ
れらと同期して回転し、被搬送物を圧縮して固液分離し
つつ排出管２１に送りだす脱水プラグ２０を、スクリュ
ー羽根部と分離して配置する。また、必要に応じて、脱
水プラグ２０をスクリュー羽根部に対して接離移動自在
に設置するとともに、コイルスプリング２２によってス
クリュー羽根部方向に付勢する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば台所から出る生
ゴミを破砕した後の固液分離装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】台所からでる生ゴミを水切りする、すな
わち固液分離するもののうち、送りスクリュー方式の固
液分離装置にあっては、脱水，絞り効果を得るために、
スクリュー本体に次のような細工が単独に、または組み
合わされて施されている。

【０００３】 図２に示すように、下部側から上部側
に向かってスクリュー羽根部１の上下間隔Ｐ₁ 〜Ｐ
₃ （スクリューピッチ）を漸次狭くなるように形成す
る。 中実スクリューの場合には、スクリュー胴部の直径
が下部側より上部側に向かって漸次大きくなるように形
成する。 スクリュー外側の直径が下部側より上部側に向かっ
て漸次小さくなるように形成する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】送りスクリューに上記
した〜のような細工、すなわち、下部側より上部側
に向かって搬送部の容積が減少するような細工を施した
場合（以下、このような送りスクリューを「変容積スク
リュー」という）、絞り，脱水効果は得られるものの、
以下に列挙するような問題を有する。

【０００５】1) 下部側より上部側に向かってスクリュ
ー羽根部の上下間隔及びスクリュー羽根部の内外径が一
定の送りスクリュー（以下、このような送りスクリュー
を「等容積スクリュー」という）を加工する場合と比較
して、その加工が困難であり加工費用も高くつく（２倍
程度）。

【０００６】2) 絞り率はスクリューによって一定であ
るので、絞り率を変化させようとすれば、スクリュー自
体を交換する必要がある。 3) 搬出容量，スクリュー面粗度，スクリュー羽根部の
上下間隔，回転数等諸条件が同じ場合には、等容積スク
リューと比較して、スクリュー内部に被搬送物（例えば
生ゴミ）が残留し易く、悪臭発生の原因となる。 4) 同時処理量の多少によって脱水効果が異なる。

【０００７】一方、等容積スクリューは上記したような
問題は生じないが、スクリューの下部側より上部側に向
かって搬送部の容積が一定であるので、被搬送物には圧
縮，絞り作用は働かず、脱水効果は得られない。

【０００８】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、従来の変容積スクリューを用いた
固液分離装置にあった問題を解決できる固液分離装置を
提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の固液分離装置は、垂直又は傾斜状に配
置されたスクリュー又はリボンスクリューの回転によっ
て固液分離しつつ固体分を排出管に送りだす固液分離装
置において、前記スクリュー又はリボンスクリューは、
その羽根部の上下間隔が下部から上部に向かって一定
で、かつ、スクリューの内外径も下部から上部に向かっ
て一定のものを使用するとともに、このスクリュー又は
リボンスクリューの上部には、これらと同期して回転
し、被搬送物を圧縮して固液分離しつつ排出管に送りだ
す脱水プラグを、スクリュー羽根部と分離して配置して
いるのであり、必要に応じて、脱水プラグをスクリュー
羽根部に対して接離移動自在に設置するとともに、弾性
部材によってスクリュー羽根部方向に付勢しているので
ある。

【００１０】

【作用】本発明の固液分離装置は、垂直又は傾斜状に配
置されたスクリュー又はリボンスクリューの回転によっ
て固液分離しつつ固体分を排出管に送りだす固液分離装
置において、前記スクリュー又はリボンスクリューは、
その羽根部の上下間隔が下部から上部に向かって一定
で、かつ、スクリューの内外径も下部から上部に向かっ
て一定のものを使用しているので、スクリュー本体の加
工が容易である。また、スクリュー又はリボンスクリュ
ーの上部には、これらと同期して回転し、被搬送物を圧
縮して固液分離しつつ排出管に送りだす脱水プラグを、
スクリュー羽根部と分離して配置しているので、脱水プ
ラグのみを取り替えれば絞り率を変化させることができ
る。また、脱水プラグをスクリュー羽根部に対して接離
移動自在に設置するとともに、弾性部材によってスクリ
ュー羽根部方向に付勢すれば、脱水プラグは、羽根部に
よって搬出されてくる被搬送物に押されて搬出方向に変
位する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の固液分離装置を図１に示す実
施例に基づいて説明する。図１は本発明の固液分離装置
の一実施例を断面して示す概略図である。

【００１２】図１において、１１は網目状の部材で形成
される濾過内筒１１ａと同じく網目状の部材で形成され
る濾過外筒１１ｂを同心状に配置した濾過部であり、濾
過内筒１１ａの下端は排水管１２に接続され、濾過外筒
１１ｂの下端は機台１３に固定されている。

【００１３】１４は前記機台１３に軸受け１５を介して
回転自在に支持された駆動輪であり、その下部外周にプ
ーリ１６ａを外嵌状に固定し、このプーリ１６ａとタイ
ミングベルト１７を介して連結するプーリ１６ｂに駆動
源である例えばモータ１８の回転を伝達することで回転
するようになっている。そして、この駆動輪１４の上面
には前記した濾過内筒１１ａと濾過外筒１１ｂで形成さ
れる環状空間１１ｃに挿入されるコイル状のリボンスク
リュー１９が取り付けられている。

【００１４】このリボンスクリュー１９は、その羽根部
の上下間隔（スクリューピッチ）が下部から上部に向か
って一定で、かつ、スクリューの内外径も下部から上部
に向かって一定の、すなわち、スクリューの下部から上
部に向かって搬送容積が一定の等容積スクリューであ
る。従って、このリボンスクリュー１９による搬送時、
被搬送物には圧縮，絞り作用は働かず、脱水効果は得ら
れない。

【００１５】２０は前記リボンスクリュー１９の上部
に、このリボンスクリュー１９と同期して回転し、かつ
その羽根部と分離して取り付けられた脱水プラグであ
り、この脱水プラグ２０と濾過外筒１１ｂで形成される
容積は、リボンスクリュー１９の搬送容積よりも小さく
なされ、リボンスクリュー１９によって送られてきた被
搬送物を減容し、脱水する。減容し、脱水された被搬送
物は、脱水プラグ２０に設置された羽根２０ａによって
排出管２１に送られる。

【００１６】本実施例では、この脱水プラグ２０を、リ
ボンスクリュー１９の羽根部の上端に設けた軸１９ａと
脱水プラグ２０のボス部２０ｂに半円状の溝を刻設し、
これら溝に鋼球をいれたボールスプラインにより、リボ
ンスクリュー１９の羽根部と同調して回転し、かつ、羽
根部に対して接離移動自在に設置するとともに、例えば
コイルスプリング２２によって前記羽根部方向に付勢す
るものを開示している。

【００１７】このような構成とすることで、被搬送物の
脱水プラグ２０に対する抗力（圧縮力）の変動により、
脱水プラグ２０はリボンスクリュー１９の軸方向に変位
する。また、コイルスプリング２２のばね定数を適正に
選定すれば、前記脱水プラグ２０の作用と相まって被搬
送物に適当な圧縮力が作用し、優れた脱水効果が得られ
ることになる。

【００１８】なお、２３は機台１３上に前記濾過部１１
を覆うように設置されたケーシング、２４はケーシング
２３の下方に設置された搬入管、２５はケーシング２３
に設けられた排水管を示す。

【００１９】本発明の固液分離装置は上記したような構
成であり、例えば洗皿（シンカー）から排出され、破砕
された生ゴミは水道水と一緒に搬入管２４を通って濾過
部１の環状空間１１ｃに導かれる。環状空間１１ｃ内の
前記生ゴミと水道水は、モータ１８によってプーリ１６
ｂ，タイミングベルト１７，プーリ１６ａ，駆動輪１４
を介して回転されているリボンスクリュー１９によって
上方に移動される。この上方への移動中、水分は濾過内
筒１１ａから排水管１２を通り、また、濾過外筒１１ｂ
から排水管２５を通って排水される。なお、図示省略し
たが、排水管２５の上方位置にもう１つ排水管を設置
し、仮に濾過外筒１１ｂの下部が目詰まりした場合に、
この上方の排水管から流出するようにしてもよい。

【００２０】リボンスクリュー１９によって順次上方に
搬送されてきた生ゴミはリボンスクリュー１９の上部に
配置した脱水プラグ２０の作用により減容，脱水されて
生ゴミ固形物となり、羽根２０ａによって排出管２１か
ら排出される。

【００２１】なお、図示省略したが、濾過外筒１１ｂと
ケーシング２３間や濾過内筒１１ａ内に掻き取り板や掃
除スクリュー等を配設し、前記した生ゴミを固液分離し
て排出管２１へと排出する間、モータ１８の回転や他の
駆動源からの回転をこれら掻き取り板や掃除スクリュー
等に伝達し、濾過内筒１１ａの内周面や濾過外筒１１ｂ
の外周面に、粘着性のあるもの，微粒子のドロドロした
ものが付着するのを防止するようにしてもよい。

【００２２】また、図１に示す実施例では濾過部１１を
垂直配置したものを示したが、濾過部１１を傾斜配置し
てもよい。さらに、リボンスクリュー１９に代えて通常
のスクリュー（中実スクリュー）を用いても良く、ま
た、濾過部１１は図１に示したような内外二重管構成し
たものでなくても、例えば特開平５−１８４９６３号公
報に記載されたような筒状の濾過外筒に通常のスクリュ
ーを設置したものであってもよい。またさらに、図１に
示すコイルスプリング２２に代えて、弾性ゴムを使用し
たり、油圧ダンパ等を使用してもよい。

【００２３】以上説明した本発明の固液分離装置は、図
示省略したが、流し台の外部に設置したり、また流し台
の下部に設置したりして使用する。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の固液分離
装置は、垂直又は傾斜状に配置されたスクリュー又はリ
ボンスクリューの回転によって固液分離しつつ固体分を
排出管に送りだす固液分離装置において、前記スクリュ
ー又はリボンスクリューは、その羽根部の上下間隔が下
部から上部に向かって一定で、かつ、スクリューの内外
径も下部から上部に向かって一定のものを使用するとと
もに、スクリュー又はリボンスクリューの上部には、こ
れらと同期して回転し、被搬送物を圧縮して固液分離し
つつ排出管に送りだす脱水プラグを、スクリュー羽根部
と分離して配置しているので、加工，製作が非常に容易
で安価な等容積スクリューを用いて十分な脱水効果を得
ることができる。この脱水効果は、被搬送物の減容，減
量化をはかるばかりでなく、例えば被搬送物が生ゴミで
あり、次工程にバイオ処理部を配置する場合には、バイ
オの消化作用を促進する効果がある。

【００２５】また、本発明の固液分離装置では、脱水プ
ラグのみを取り替えれば絞り率を変化させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の固液分離装置の一実施例を断面して示
す概略図である。

【図２】従来の固液分離装置に使用されている変容積ス
クリューの一例を示す外形図である。

【符号の説明】

１１ 濾過部 １９ リボンスクリュー ２１ 排出管 ２２ コイルスプリング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直又は傾斜状に配置されたスクリュー
   又はリボンスクリューの回転によって固液分離しつつ固
   体分を排出管に送りだす固液分離装置において、前記ス
   クリュー又はリボンスクリューは、その羽根部の上下間
   隔が下部から上部に向かって一定で、かつ、スクリュー
   の内外径も下部から上部に向かって一定のものを使用す
   るとともに、このスクリュー又はリボンスクリューの上
   部には、これらと同期して回転し、被搬送物を圧縮して
   固液分離しつつ排出管に送りだす脱水プラグを、スクリ
   ュー羽根部と分離して配置したことを特徴とする固液分
   離装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の固液分離装置において、
   脱水プラグをスクリュー羽根部に対して接離移動自在に
   設置するとともに、弾性部材によってスクリュー羽根部
   方向に付勢したことを特徴とする固液分離装置。