JP2018158309A - 遠心脱水機 - Google Patents

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Abstract

【課題】直胴型遠心脱水機において、水分の抜けを容易にしてかつ圧搾効率を高めて、ケーキ含水率を低減するとともに、電力負荷を軽減することを図る。
【解決手段】直径が一定である外円筒と、該外円筒内で速度差をもって回転する回転胴の外周に螺旋翼を巻装しているとともにスラッジケーキが排出される側の胴端径が拡張してなるスクリューコンベアを有する遠心脱水機において、前記外円筒のスラッジケーキ排出部末端位置でのコーン状円筒内面と前記スクリューコンベアのスラッジケーキ排出部位置のコーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間が、前記外円筒と前記スクリューコンベアの両者が直胴である位置での前記外円筒と前記スクリューコンベアの間隔の比率を小さくするとともに、前記スラッジ排出隙間のスラッジ出側の断面積をスラッジ入側断面積より比率を小さくすることで、スラッジケーキ排出時に圧縮力をかける。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水処理や工業排水処理、あるいは化学・食品工業用諸生産品において、汚泥や微粒を含む処理液を遠心力により固液分離し固形物及び分離液の回収を行う遠心脱水機に関するものである。
従来、処理液(汚泥スラリー)から汚泥等を遠心力で固液分離するのにデカンタ型遠心脱水機が広く使用されている(特許文献1、2参照)。遠心脱水機は、動力部(モーターとギア等の駆動装置、汚泥スラリーを保持し回転する外円筒(ボウル)、該ボウル内で汚泥固形物を排出方向に運ぶスクリューコンベア、及び排出関連装置から構成される。従来のデカンタ型遠心脱水機では、ボウルは直胴円錐部と先端ほど径が小さくなるテーパーの部分(円錐部)からなる。円錐部では回転中心からの距離(径)が短くなるため、最終的に汚泥を排出する時点での遠心力が弱くなり、含水率が高くなる現象が見られる等の欠点があった。
本出願人らはこのような従来のデカンタ型遠心脱水機の欠点を解消するものとして、特許文献3に記載される直胴型遠心脱水機を提供した。該直胴型遠心脱水機は、ボウルの内周壁がその回転軸に沿って延在する円筒形を形成し、沈殿した重成分(スラッジケーキ)をボウル外へ排出するための排出経路を前記ボウルの一端壁内に設け、排出経路のボウルの開口がボウル内周壁近傍に設けられるとともに、排出経路が排出量を制限する絞り通路となっており、これによって排出経路の開口近傍に圧密状態のスラッジケーキの堆積層を形成させ、絞り通路の排出抵抗によって形成される堆積層の厚さに応じて脱水ケーキに作用する遠心水頭圧と、スクリューコンベアの搬送力によって、排出経路を介し前記圧密状態のスラッジケーキが直接排出されることを特徴とするものである。これにより、ボウル内のスラッジケーキの堆積層のうち、最も高い圧密作用を受けている部分のみを直接排出するので、スラッジケーキ含水率を従前以上に低下することができた。
更に特許文献4においては、特許文献3の直胴式遠心脱水機を改良する意図で、以下の装置が発明されている。この発明では、直胴型遠心脱水機のボウル内に設置されている、スクリューコンベアの回転胴の外周面が、前半がストレート部であり、該ストレート部から先に径大方向に傾斜したテーパー部からなっているものである。前記回転胴のストレート部の内周面に無機凝集剤を供給する経路を有し、且つ前記ストレート部には、前記経路と連通し無機凝集剤添加用のオリフィスとボウルの環状空間内に突出する無機凝集剤添加用ノズルが設けられているものである。本発明により、いっそうのスラッジケーキ含水率の低減効果が得られていた。
前述したように、脱水性能を向上させる意図を持って、直胴式遠心脱水機においては、種々の発明がなされてきたが、これらの発明では、スラッジケーキ含水率を低下させることが主眼であった。したがって、従前のいわゆるデカンタ式遠心脱水機に比べて、スラッジケーキ含水率が低い利点があったが、その駆動電力には改善がなされておらず、近年の省エネルギー促進の動向に対応できる技術開発が行われてきていなかった。
特開2002−336735号公報 特開2006−192403号公報 特許第4153138号公報 特許第5191565号公報
特許文献4に示される直胴式遠心脱水機では、遠心脱水の後半において、スクリューコンベアとボウルの間隔を漸減的に狭くすることと、薬注方法を改善することで、従来の直胴式遠心脱水機の脱水性能を向上できるものであった。その結果、スラッジケーキ含水率を低下することが可能な高性能機が得られた。
このように、前記直胴式遠心脱水機は優秀な脱水機であるが、更に、改善の必要があった。下水汚泥等の有機汚泥では、水分が70〜80質量%である条件が、最も搬送が容易である。この水分条件の範囲内において、汚泥含水率を下げることにより、汚泥量を削減できる効果がある。例えば、汚泥が含水率を75から70%低下させると、汚泥量(Wet)を4 wet-ton/dry-tonから3.3 wet-ton/dry-tonに低減できる。つまり、汚泥量を20%低減できる。この結果、汚泥処分に関わる費用が低減できる効果がある。従って、従来型の直胴式遠心脱水機での汚泥含水率を75〜80質量%から70〜75質量%に低減するニーズがあったが技術的に対応できていなかった。
また、脱水処理における省エネルギーの要望も高い。現状の遠心式脱水機では、処理水1m3当りの電力消費量は、1.2〜1.5 kwh/ m3であるが、これを低減することが求められている。遠心脱水機の電力消費を低減するには、遠心脱水機での回転部の重量に伴う回転動力ロス、水を回転させるための動力、汚泥を回転させるための動力、空気抵抗等のその他動力などがある。これらを低減することが必要である。
まず、回転部の重量に伴う回転動力ロスについては、重量低減することで可能であるが、高強度材料の採用、回転部直径の小径化による慣性力低減、動力伝達部の摩擦などがある。このうち、高強度材料と動力伝達部の摩擦については、設計上の対応で可能であるため、装置の発明に関する項目は回転部直径の小径化である。しかし、回転部直径を小径化すると、脱水機の内容積が縮小するため、処理水量が低下する、スラッジケーキ含水率が増加するなどの問題があった。従って、回転部直径が小径化しても、スラッジケーキ含水率が悪化しない、また処理量が低下しない新しい装置が求められていた。
以上に説明したように、従来の遠心脱水機においては汚泥脱水機に求められる2つの性能、即ちスラッジケーキ含水率低減と運転動力低減を同時に達成することができなかった。
そこで、本発明は、スラッジケーキ含水率低減と運転動力低減を同時に達成できる遠心脱水機を提供することを目的とするものである。
上記問題点を解決する本発明の遠心脱水機は、以下の構成を有するものである。
(1)スラリーを保持している部分で直径が一定であって一方向に回転する外円筒(ボウル5)と、該ボウル5内でボウル5と同軸において速度差をもって回転する回転胴の外周に螺旋翼を巻装しているとともにスラッジケーキが排出される側の胴端径が拡張してなるスクリューコンベア6を有する直胴式遠心脱水機に関わる装置である。ボウル5のスラッジケーキ排出部位置に設置されているコーン状円筒内面15とスクリューコンベア6のスラッジケーキ排出部位置に設置されているコーン状円筒外面16が構成するスラッジ排出隙間14の間隔(図3中のL2)が、ボウル5とスクリューコンベア6の両者が直胴である位置でのボウル5とスクリューコンベア6の間隔(図3中のL1)の0.08から0.3倍であり、かつスラッジ排出隙間14の断面積がスラッジ出側(図3中のS2)においてスラッジ入側(図3中のS1)に対して0.3から0.66倍とする。この特徴により、スラッジ排出隙間14内で排出されるスラッジケーキを圧縮することにより、脱水性能を高めた遠心脱水機である。
(2)直胴式遠心脱水機であって、コーン状円筒内面15とコーン状円筒外面16がなすスラッジ排出隙間14に、スラッジケーキの排出を抑制するフィン17が設置されている遠心脱水機である。
(3)前記(1)の直胴式遠心脱水機において、コーン状円筒内面15とコーン状円筒外面16がなすスラッジ排出隙間14に、スラッジケーキの排出を抑制するフィン17が設置されていることを特徴とする遠心脱水機である。
(4)コーン状円筒内面15とコーン状円筒外面16により構成されるスラッジ排出隙間14において、コーン状円筒内面15にフィン17が設置されており、かつフィン17がコーン状円筒外面16とスクリューコンベア6末端となす接続線(屈曲線18)に対する勾配が0.1〜0.5の範囲で設置されていることを特徴とする前記(2)又は(3)のいずれかに記載の遠心脱水機である。ここで、勾配とは、フィン17の直径方向の高さ(図4、図5中のH)とフィン17の長さ(図4参照)で定義されるものである。
(5)コーン状円筒内面15とコーン状円筒外面16がなすスラッジ排出隙間14において、コーン状円筒外面16にフィン17が設置されており、かつフィン17がコーン状円筒外面16とスクリューコンベア6の末端が形成する屈曲線18に対して、スクリューコンベア6のボウル5に対する回転の反対方向に向かって0.06〜0.50の勾配で設置されている(2)又は(3)のいずれかの遠心脱水機である。
(6)コーン状円筒内面15とコーン状円筒外面16がなすスラッジ排出隙間14において、コーン状円筒内面15にフィン17が設置されており、かつフィン17がコーン状円筒外面16とスクリューコンベアの末端が形成する屈曲線18に対して、スクリューコンベア6のボウル5に対する回転方向と同方に向って0.12〜0.55の勾配で設置されている(2)又は(3)のいずれかの遠心脱水機である。
(7)設置されているフィン17の数、及びフィン17単体でのスクリューコンベア末端とコーン状円筒外面がなす円に投影する範囲を角度(図5中のθ)で表した値の総和が240度以上である(2)から(6)のいずれかの遠心脱水機である。
本発明の装置を用いることにより、汚泥を含むスラリーを効果的に脱水できる。処理性能として、従来の遠心脱水機に対して、スラッジケーキ含水率を低減し汚泥処分量を低減できる。また、スラッジケーキを圧搾できて、小容積であっても、高性能処理が可能であることから、運転所要動力を低減して、省エネルギーが可能となる。
本発明に関わる遠心脱水機の断面図である。 本発明に関わる遠心脱水機のスラッジケーキ排出部付近の拡大断面の概略図である。 本発明に関わる遠心脱水機のスラッジケーキ排出部付近の寸法を定義するための拡大簡略図である。 スクリューコンベア6からスラッジ排出隙間14を構成するコーン状円筒外面16にかけてのスクリュー8及びフィン17の設置状態を説明する図である。 スラリーケーキ排出隙間のスクリューコンベアに付属するコーン状円筒外面16へのフィン17の設置図である。
以下、本発明に係る直胴式遠心脱水機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る遠心脱水機を示し、図2はスラッジケーキ排出部周辺の拡大概略図である。図3はスラッジケーキ排出部周辺の本発明の数値条件を示すものである。図4はスラッジケーキ排出部位置でのスクリューコンベア6に付属するコーン状円筒外面16及びフィン17の構造を示す図である。図5はスラリーケーキ排出隙間のスクリューコンベアに付属するコーン状円筒外面16へのフィン17の設置図である。
本発明の装置では、図中には記載されていないモーターによって回転される駆動装置1が設置されている。駆動装置1は、直径が一定であって一方向に回転する外円筒(ボウル5)と、ボウル5内部でボウル5と同軸において速度差をもって回転する回転胴の外周に螺旋翼(スクリュー8)を巻装しているとともにスラッジケーキが排出される側の胴端径が拡張してなるスクリューコンベア6を回転させる。
汚泥スラリーは汚泥スラリー供給管2を経由して、汚泥スラリー供給室9に送られる。汚泥スラリーは、更に汚泥スラリー流入口10を経由して、ボウル5とスクリューコンベア6の間に形成される空間(脱水空間11)に供給される。ボウル5は、一般的に毎分1000〜1800回転で回転し、汚泥スラリー中の汚泥(固形物)は遠心力によりボウル5内面に押し付けられる。この時の遠心力は1200〜3000G(加速度で約12,000〜30,000m/s2)である。この操作により、スラリー固形分(スラッジケーキ)と水が分離される。スクリューコンベア6は、ボウル5に対して毎分0.5〜5回転ほどの差速を持ち、遠心力によりボウル5内面に堆積したスラッジケーキを図1の右方向に移動させる。ボウル5は、スラッジケーキを搬送する部位において、直径が一定である。図1に示すように、図左側においては、スクリューコンベア6の直径は一定であり、スラッジケーキを排出するスラッジ排出隙間14に近い位置において、スラッジ排出隙間14の方向に向けて拡大しているスクリューコンベアテーパー部7となる。スクリューコンベアテーパー部7の長さはスクリューコンベア6の全長の15〜40%の長さである。
スラッジケーキは、脱水空間11中をスクリューコンベア6の回転により、図1の右方向に移動していき、スクリューコンベアテーパー部7で圧縮されていく。更に、スラッジケーキは、ボウル5末端に設置されているコーン状円筒内面15とスクリューコンベア6末端に接続するコーン状円筒外面16によって形成されるスラッジ排出隙間14に送られる。ここで、スクリューコンベア6の直胴部での脱水空間11でのボウル5とスクリューコンベア6の間隔(図3中のL1)とボウル5とスクリューコンベア6のスラッジケーキをスラッジ排出隙間14に押し出す部分である屈曲線18での間隔(図3中のL2)を適正にすることで、スクリューコンベアテーパー部7での圧縮力を高めて、スラッジケーキの含水率を低減する。
この際のL1とL2の比率を0.08<L2/L1<0.3にすることで、低含水率が得られる。脱水空間の隙間の減少率が大きい条件であるL2/L1が0.08以下の場合は、脱水空間11からの容積減少が過激となり、スラッジケーキを過剰に圧縮するため、条件によっては、屈曲線18を通過する際に、抵抗が大きくなりスラッジケーキが通過できないことが起きる。一方、L2/L1が0.3よりも大きい場合は、脱水ケーキの圧縮が不十分で、スラッジケーキの含水率が低下しない問題がある。
次に、スラッジケーキは、スラッジ排出隙間14に送られる。スラッジ排出隙間14は、スラッジケーキ排出方向(図1右方向)に向かって、直径が小さくなる2つの面によって形成されるものであり、スラッジ排出隙間14の詳細構造は図2及び図3に示されるものである。ここで、2つの面とは、ボウル5に接続するスラッジケーキ排出部位置でのコーン状円筒内面15とスクリューコンベア6のスラッジケーキ排出部位置のコーン状円筒外面16である。
本発明では、更にスラッジ排出隙間14でのスラッジケーキの圧縮を良好にするためには、スラッジ排出隙間14の入口の断面積(図3中のS1)に対する出口の断面積(図3中のS2)の比(S2/S1)と適正にすることが良い。従来型の直胴式遠心脱水機では、脱水処理を脱水空間11でのみ行うことを設計基準としており、スラッジ排出隙間14での脱水を考慮していなかった。つまり、スラッジ排出隙間14の形状は、ただ単に、スラッジケーキが排出できれば良いとの考えであり、特許文献4に示されるように、スラッジ排出隙間14の長さが短く、かつ入口と出口の断面積の変化が小さいものであった。
スラッジ排出隙間14での十分な圧搾効果を発揮するためには、スラッジ排出隙間14でのスラッジケーキの入口位置での断面積に対して、出口位置での断面積を小さくすることで、スラッジ排出隙間14を通過している間に、スラッジケーキに圧縮力をかける。この圧縮力により、スラッジケーキから水分を分離する。分離された水分は、遠心力により、脱水空間11の方向に逆流し、一方スラッジケーキは脱水空間11でのスクリューコンベア6の搬送力により、スラッジ排出隙間14中で押出される。本発明の遠心脱水機では、この原理より従来型の遠心脱水機に比べ、スラッジケーキ含水率が一層低下する。なお、スラッジ排出隙間14の断面積を変化させる方法としては、スラッジ排出隙間14の間隔を一定として、直径が小さくなるに伴い断面積を縮小させる設計方法とスラッジ排出隙間14の間隔を変化させて、直径と間隔の両方での変化で、入側に対して出側の断面積を縮小する設計方法がある。
本発明では、S2/S1は0.3〜0.66が良い。S2/S1が0.66以上の場合は、断面積変化が小さくスラッジケーキの圧縮度が低いため、スラッジケーキ含水率が十分に低下しない。一方、S2/S1が0.3以下の場合は、断面積変化が大きすぎて、スラッジケーキが詰まりやすくなる問題がある。
また、本発明者らは、更にスラッジ排出隙間14でのスラッジケーキの圧縮を増長する方法を研究し、スラッジ排出隙間14にスラッジケーキの移動を抑制するためのフィン17を付けることが有効であることを見出した。つまり、図2に示されるように、スラッジ排出隙間14を構成するコーン状円筒内面15又はコーン状円筒外面16にスラッジケーキの移動を抑制する角度にフィン17を付ける。コーン状円筒外面16にフィン17が設置されている状態を図4に示す。フィン17の設置により、スラッジケーキの移動が更に抑制されて、スラッジ排出隙間14内でのスラッジケーキの圧縮度が高まる。
フィン17を用いて適正なスラッジケーキ含水率にするためには、屈曲線18におけるスクリューコンベア6とコーン状円筒内面15の接線とフィン17とが形成する勾配には適正な値がある。勾配が小さ過ぎると、フィン17がスラッジケーキを押さえつける力が強くなりすぎて、スラッジケーキの移動が阻害される。一方、勾配が大きすぎると、フィン17はスラッジケーキに対して十分な圧縮力を与えられない問題が起きる。フィン17がコーン状円筒内面15に設置されている場合は、勾配は0.1〜0.6が適正である。ここで、勾配は、コーン状円筒内面15又はコーン状円筒外面16に設置されているフィン17の直径方向の高さ(図5中のH)とフィン17の長さで定義するものとする。これは、スラッジケーキを円滑に流すために、フィン17の傾きが場所によって変化するため、局所での角度で定義できないからである。
フィン17がコーン状円筒外面16に設置されている場合は、スクリューコンベア6と共にコーン状円筒外面16とがボウル5とコーン状円筒内面15に対して、フィン17がコーン状円筒内面15に設置されている場合とは、勾配の適正値が異なる。これは、コーン状円筒内面15は毎分0.5〜5回の速度差で回転していることの影響を考慮する必要があるからである。
屈折線18からスクリューコンベア6のボウル5に対する回転の反対方向に向かって、フィン17が、勾配を持って設置されている場合は、より浅い角度(小さな勾配)が望ましく、その勾配0.06〜0.50が良い。一方、スクリューコンベア6のボウル5に対する回転する方向に向かってフィン17が勾配を持って設置されている場合は、より深い角度(大きな勾配)が望ましく、その勾配は0.12〜0.55が良い。
フィン17は、スラッジ排出隙間14において、単独のフィン17のスラッジケーキの排出方向から見たカバー角度(図5での角度θ)の総和(カバー角度)が240度以上であることが望ましい。カバー角度が240度よりも小さいと、スラッジケーキが自由に抜けられる空間が大きくなりすぎて、フィン17によるスラッジケーキ圧縮効果が小さくなる。また、フィン17の設置数は、上記の条件を満たすために、1条から6条に設置することが望ましい。
一方、水は、ボウル5とスクリューコンベア6の間の脱水空間11において、固形分(スラッジケーキ)を除去されて清浄化された状態になりながら、図1左方向に移動していく。更に水はボウルの側面(排水ダム12)を超えて、排水口13から装置外に出される。排水ダム12の高さを調整することにより、脱水空間11でのボウル5の内面からの水位高さを調整できる。
本発明の実施例として、図1に示すボウル5の直径が430mmであり、長さが1720mmである本発明の装置での処理結果を示す。基準処理能力は1時間当たり10立方メートルであった。比較例1として、特許文献4の図1に記載される装置での処理例を示す。この装置は、ボウルの直径が455mmであり、長さが1720mmであった。
処理実験での装置構成は、本発明の各条件を実施できるように、スクリューコンベア6の直径、コーン状円筒外面16、コーン状円筒内面15、及びフィン17を変化させた。本処理実験では、活性汚泥法によって発生したし尿汚泥を処理した。汚泥条件は、汚泥(固体)濃度2.5〜3質量%であり、また凝集剤として、メタアクリル酸ジメチルアミノエチルを0.6〜1質量%の比率で添加した。汚泥スラリー処理量は10立方メートル/時であった。
これらの処理実験での装置条件、処理条件と処理結果を表1に示す。実施例1から10は、本発明の装置において、装置構成を変化させながら処理を行ったものである。スラッジケーキ含水率を最適にできる遠心力で運転条件とした。評価指標はスラッジケーキ含水率と処理動力であった。
Figure 2018158309
実施例1から3は、スラッジ排出隙間14にフィンが設置されていない装置での処理結果である。L2/L1は0.09から0.28であり、またS2/S1は0.34から0.6であり、本発明の装置設計の範囲に入っている。実施例3では、スラッジケーキ含水率がやや高い傾向があったことから、遠心力を高めた処理を行った。これらの実施例では、スラッジケーキ含水率は72.6から75.8質量%であった。処理動力は、0.78から0.89kWh/m3であった。なお、遠心力を高めた実施例3がやや処理動力が高い結果であった。
実施例4から7は、スラッジ排出隙間14に本発明のフィン17が設置されている装置での処理例である。実施例4では、カバー角度が本発明でより良好になる前記(7)の範囲を外れていた。その結果、スラッジケーキ含水率が75.2質量%であり、処理動力は0.95kWh/m3であった。この結果は、従来技術の処理例である比較例1、及びフィン17が付いておらず、スラッジケーキ排出隙間14の構造条件が本発明の範囲を外れている比較例3よりも良好な結果であったが、他のフィン17がある装置での実施例よりも含水率が高い値であった。実施例5から7は、本発明でのより良好な装置条件での実施例であり、スラッジケーキ含水率が70.9から73.3質量%であり、処理動力も0.9kWh/m3以下と良好な成績であった。
実施例8から10は、スラッジ排出隙間14の断面積の減少率が請求項1の範囲であり、かつフィン17が設置されている装置での処理例である。いずれもスラッジケーキ含水率と処理動力が良好な結果であった。ただし、実施例10では、勾配が前記(4)の条件を外れているため、含水率が他の2処理例よりも高かった。
一方、従来型の直胴式遠心脱水機を使用した比較例1では、スラッジケーキ含水率が78.8質量%と高く、また処理動力も1.31kWh/m3であった。処理動力が大きい理由は、脱水性能を確保するために、ボウル径を大きくしているため、装置とスラリーの回転に関わるエネルギー消費が大きいためである。比較例2から5では、実施例と同じ装置に、スラッジケーキ排出隙間14の構成を本発明の範囲から外れたものにした。これらの装置構成では、スラッジケーキ含水率が高くなり、また処理動力が増加しているか、含水率は低いものの、処理が不安定になっていた。
本発明の装置は、下水処理、し尿処理、活性汚泥法での工業排水処理等の有機汚泥処理で発生した汚泥スラリーを脱水する処理に適用できる。また、微細粒子を含むスラリーの水と粒子の分離処理に適用できる。
1‥‥駆動装置
2‥‥汚泥スラリー供給管
3‥‥汚泥スラリー供給口
4‥‥脱水機外筒
5‥‥ボウル
6‥‥スクリューコンベア
7‥‥スクリューコンベアテーパー部
8‥‥スクリュー
9‥‥汚泥スラリー供給室
10‥‥汚泥スラリー流入口
11‥‥脱水空間
12‥‥排水ダム
13‥‥排水口
14‥‥スラッジ排出隙間
15‥‥コーン状円筒内面
16‥‥コーン状円筒外面
17‥‥フィン
18‥‥屈曲線
(4)コーン状円筒内面15とコーン状円筒外面16により構成されるスラッジ排出隙間14において、コーン状円筒内面15にフィン17が設置されており、かつフィン17がコーン状円筒外面16とスクリューコンベア6末端がなす接続線(屈曲線18)に対する勾配が0.1〜0.5の範囲で設置されていることを特徴とする前記(2)又は(3)のいずれかに記載の遠心脱水機である。ここで、勾配とは、フィン17の直径方向の高さ(図4、図5中のH)をフィン17の長さ(図4中参照)で割った値で定義されるものである。

Claims (7)

  1. スラリー水を保持する位置において直径が一定であって一方向に回転する外円筒と、該外円筒内で該外円筒と同軸において速度差をもって回転する回転胴の外周に螺旋翼を巻装しているとともにスラッジケーキが排出される側の胴端径が拡張しているスクリューコンベアを有する遠心脱水機において、前記外円筒のスラッジケーキ排出部位置に設置されているコーン状円筒内面と前記スクリューコンベアの前記スラッジケーキ排出部位置に設置されているコーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間の間隔(L2)が、前記外円筒と前記スクリューコンベアの両者が直胴である位置での前記外円筒と前記スクリューコンベアの間隔(L1)の0.08から0.3倍であり、かつ前記スラッジ排出隙間のスラッジ出側の断面積(S2)がスラッジ入側の断面積(S1)の0.3から0.66倍であることを特徴とする遠心脱水機。
  2. スラリー水を保持する位置において直径が一定であって一方向に回転する外円筒と、該外円筒内で該外円筒と同軸において速度差をもって回転する回転胴の外周に螺旋翼を巻装しているとともにスラッジケーキが排出される側の胴端径が拡張しているスクリューコンベアを有する遠心脱水機において、前記外円筒のスラッジケーキ排出部位置に設置されているコーン状円筒内面とスクリューコンベアのスラッジケーキ排出部位置に設置されているコーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間にフィンが設置されていることを特徴とする遠心脱水機。
  3. スラッジケーキ排出部位置で外円筒に付属する前記コーン状円筒内面とスラッジケーキ排出部位置でスクリューコンベアに付属する前記コーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間にフィンが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水機。
  4. スラッジケーキ排出部位置での前記外円筒に付属する前記コーン状円筒内面とスラッジケーキ排出部位置でのスクリューコンベアに付属する前記コーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間において、前記コーン状円筒内面にフィンが設置されており、かつ該フィンが前記コーン状円筒内面と前記外円筒の末端とが形成する線に対して0.1〜0.6の勾配で設置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の遠心脱水機。
  5. スラッジケーキ排出部位置での外円筒に付属する前記コーン状円筒内面とスラッジケーキ排出部位置でのスクリューコンベアに付属する前記コーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間において、前記コーン状円筒外面にフィンが設置されており、かつ該フィンが前記コーン状円筒外面と前記スクリューコンベアの末端が形成する線に対して、前記スクリューコンベアの回転の反対方向に向かって0.06〜0.50の勾配で設置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の遠心脱水機。
  6. スラッジケーキ排出部位置での前記外円筒に付属する前記コーン状円筒内面とスラッジケーキ排出部位置での前記スクリューに付属する前記コーン状円筒外面がなすスラッジ排出隙間において、前記コーン状円筒内面にフィンが設置されており、かつ該フィンが前記コーン状円筒外面と前記スクリューコンベアの末端が形成する線に対して、スクリューコンベアの回転方向に向かって0.12〜0.55の勾配で設置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の遠心脱水機。
  7. 設置されている前記フィンの数及び該フィン単体でのスクリューコンベア末端と前記コーン状円筒外面がなす円に投影する範囲を角度で表した値の総和が240度以上であることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の遠心脱水機。
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