JPH09104678A - 新規なアセト酢酸エステル及びその製造方法 - Google Patents

新規なアセト酢酸エステル及びその製造方法

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JPH09104678A
JPH09104678A JP8013813A JP1381396A JPH09104678A JP H09104678 A JPH09104678 A JP H09104678A JP 8013813 A JP8013813 A JP 8013813A JP 1381396 A JP1381396 A JP 1381396A JP H09104678 A JPH09104678 A JP H09104678A
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    • Y10S435/94Saccharomyces
    • Y10S435/942Saccharomyces cerevisiae

Abstract

(57)【要約】 【課題】 βラクタム抗生物質、例えばペネム、カルバ
ペネム誘導体製造の出発物質である4−アシルオキシ−
3−ヒドロキシエチル−アゼチジノンを合成するための
新規中間体を提供すること。 【解決手段】 式III a: 【化17】 (式中、R2 は、水素又はエステル化基を表し、R3
は、水素又はカルボン酸若しくは炭酸半エステルのアシ
ル基を表す)の化合物を製造する方法であって、式II
(式中、R2 及びR3 は、上記の意味を有する)の化合
物又はその塩類を、パン酵母を用いて還元し、かつ所望
の場合は、得られた式III aの化合物を、本発明による
別の式III aの化合物に転化させ、かつ場合により、得
られた遊離化合物を塩に、又は得られた塩を遊離化合物
若しくは他の塩に転化させることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、βラクタム抗生物質を製造する
ための出発物質として用いることのできる4−アシルオ
キシ−3−ヒドロキシエチル−アゼチジノンの新規な製
造方法に関し、新規中間体にも関する。本発明の方法に
より製造できる次式I:
【0002】
【化7】
【0003】の(3R,1′R)−4−アシルオキシ−
3−(1′−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノン、
特に次式Ia:
【0004】
【化8】
【0005】の(3R,4R,1′R)−4−アセトキ
シ−3−(1′−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノ
ンは、多数の、活性の高いβラクタム抗生物質、例えば
ペネム、カルバペネム又は対応するオキサペネム、ペニ
シリンあるいはセファロスポリン誘導体を製造するため
の出発物質として適している。これらの反応では、アセ
チジノンの4位においてアシルオキシ基が適切な硫黄又
は炭素求核試薬によって置換される。かかる反応は、
W. Duerckheimer et al.の便覧Angew. Chem. Int. E
d. Engl. 24, 180 (1985)に説明されている。
【0006】ペネムは、例えば、式Iの化合物を、場合
により水酸基及び/又はラクタム窒素原子において保護
基を導入した後に、メルカプタン、チオ酸、ジチオ酸、
トリチオ炭酸塩又はその類縁化合物と反応させ、窒素原
子を適当な酢酸誘導体でアルキル化又はアシル化し、最
後に硫黄含有5員環を閉環することによって得られる。
カルバペネムを合成するためには、例えば、式Iの化合
物又はかかる化合物の保護化誘導体を、適当に置換され
たエノール形シリルエーテル、スズエノラート、ボロン
エノラート、テトラアリルスズ又はその類縁化合物を用
いて置換し、得られた生成物を適宜更に処理する。
【0007】ペネム及びカルバペネムの抗生活性に関す
る本質的な判断基準には、置換基の種類及び位置だけで
なく、立体配置も関係する。式Iaのジアステレオマー
は、抗生活性を有するβラクタム抗生物質用の出発物質
として用いるのに好都合な、立体配置の、水酸基、ヒド
ロキシエチル基及びアセトキシ基を有する。しかし、他
のジアステレオマーも、更なる処理に適している。この
引き続く処理により、C(4)−エピマー・シス化合物
(4S)において、硫黄求核試薬及び炭素求核試薬を用
いた適切な反応条件の下での、置換反応の際に、式Ia
の化合物において既に存在するアゼチジノン環での置換
基のトランス配置が生ずる。
【0008】式Iの化合物の製造方法は公知である。例
えば、欧州特許第78026号明細書及びTetrahedron
Letters 23, 2293-2296 (1982)に、N−保護されたアセ
チジノン−4−カルボン酸のジアニオンをアシル化又は
ヒドロキシアルキル化し、引続いて酸化的脱炭酸を行う
ことによって、L−アスパラギン酸から、式Iaの化合
物を製造することが記載されている。欧州特許第106
652号には、グリオキシル酸のシッフ塩基をジケトン
類と反応させ、側鎖中のアセチル基をヒドロキシエチル
に還元し、ジアステレオマーエステルによって鏡像体を
分離する方法が記載されている。欧州特許第17106
4号明細書において、4−エチニルアゼチジノンを付加
環化により形成させ、次にエチニル基をアセチルに転化
し、最後にバイヤー・ヴィリガー反応によりアセトキシ
に転化する方法が記載されている。欧州特許第1818
31号明細書には、α,β−エポキシブチリルアセトニ
ルアミドを塩基を用いて環化し、生成した4−アセチル
−3−ヒドロキシエチル−アゼチジノンを酸化して4−
アセトキシ化合物にする方法が記載されている。
【0009】方法の説明本発明は、次式I:
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R1 は低級アルキル又はアリール
を意味する)の化合物の製造方法であって、次式II:
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R2 は水素又はエステル化基を意
味し、R3 は水素又はカルボン酸若しくは炭酸半エステ
ル(semiester) のアシル基を意味する)の化合物又はそ
の塩類を、鏡像異性選択的(enantioselective)還元剤
を用いて還元し、得られた次式III a:
【0014】
【化11】
【0015】の化合物において、R2 及び/又はR3
水素を意味する場合は、任意の順序でエステル化する
か、又はカルボン酸若しくは炭酸半エステルのアシル基
を導入する試薬を用いてアシル化し、又は、R2 がエス
テル化基を意味し、R3 がカルボン酸若しくは炭酸半エ
ステルのアシル基を意味する式III aの化合物又はその
塩類を、水酸基活性剤で環化し、得られた次式IV:
【0016】
【化12】
【0017】(式中、R2 はエステル化基を表し、R4
はカルボン酸又は炭酸半エステルR4COOHの残基を
意味する)の化合物を塩基を用いて異性化し、得られた
次式IVa:
【0018】
【化13】
【0019】のジアステレオマーを加水分解し、得られ
た次式III b:
【0020】
【化14】
【0021】(式中、R2 及びR3 は水素を意味する)
の化合物又はその塩を脱水剤を用いて環化し、更に得ら
れた次式V:
【0022】
【化15】
【0023】の化合物を、基R1 COO−を導入する試
薬を用いて酸化することを特徴とする方法に関する。
【0024】従来公知の方法に比べて、本発明の新規な
方法は、この方法により式Iの化合物及びそのジアステ
レオマーを、高い総収量で、高い立体選択性をもって、
僅かな反応工程により簡単かつ安価な試薬を用いて製造
することができるという著しい利点を有する。驚くべき
ことに、式IIの容易に入手しうる安価な化合物から出発
して、単一の鏡像異性選択的還元工程とこれに続く簡単
な諸反応を用いて、3個のキラル(chiral)炭素原子を有
する式Iの鏡像異性的に純粋な(enantiomericallypur
e)ジアステレオマーを得ることができる。更に驚くべ
きことは、感度の高いβ−ラクタム環を含有する化合物
Iの製造のための一連の反応工程において保護基が必要
ないことである。
【0025】置換基の定義に用いた一般的表現及び名称
は好ましくは次のような意味をもつ。即ち:例えば低級
アルキル、低級アルコキシ又は低級アルカノールの「低
級」とは、他に示されていない限り、そのように示され
る基及び基が1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個
の炭素原子を有するという意味である。
【0026】エステル化基R2 としては例えば低級アル
キル、シクロアルキル、又はアリール低級アルキルがあ
り、低級アルキルが好ましい。
【0027】カルボン酸又は炭酸半エステルのアシル基
3 とは、例えば低級アルカノイル、シクロアルキルカ
ルボニル又はアリールカルボニル;あるいは低級アルコ
キシカルボニル、アリールオキシカルボニル又はアリー
ル低級アルコキシカルボニルである。カルボン酸又は炭
酸半エステルR4 COOHの残基R4 は上記に対応する
意味をもち、したがって、例えば、低級アルキル、シク
ロアルキル又はアリール、あるいは低級アルコキシ、ア
リールオキシ又はアリール低級アルコキシがある。アシ
ル基R3 としては低級アルカノイル又はアリールカルボ
ニルが好ましく、基R4 としてはしたがって低級アルキ
ル若しくはアリールが有利である。
【0028】低級アルキルR1 、R2 又はR4 は、好ま
しくは1〜7個の炭素原子を有し、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はtert
−ブチルが挙げられる。
【0029】アリールR1 又はR4 は、6〜14個、好
ましくは6〜10個の炭素原子を有し、例えば非置換若
しくは置換フェニル、1−ナフチル又は2−ナフチルが
挙げられる。好適な置換基としては、例えばメチルのよ
うな低級アルキル;ヒドロキシ;メトキシのような低級
アルコキシ;アセトキシのような低級アルカノイルオキ
シ;塩素又は臭素のようなハロゲン;又はニトロが挙げ
られる。置換基は、例えば4−メチルフェニル、3,5
−ジメチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−クロ
ロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフ
ェニル又は3,5−ジニトロフェニルにおけるように、
フェニル環の2位、3位又は4位において1個以上存在
してよい。
【0030】シクロアルキルR2 又はR4 は例えば3〜
8個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有しており、例
えばシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシ
ルが挙げられる。
【0031】アリール低級アルキルR2 において、低級
アルキルは好ましくは1〜4個の炭素原子を有してお
り、例えばメチル又はエチルが挙げられる。アリール低
級アルキルR2 中のアリールは、好ましくは、アリール
1 において説明したのと同じ意味を有し、同様に、複
数個、例えば2個又は3個のアリール基が存在しうる。
アリール低級アルキルR2 としては例えばベンジル、4
−メチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−ニトロ
ベンジル、2−フェニルエチル、ジフェニルメチル、ジ
(4−メトキシフェニル)−メチル、トリチル、1−ナ
フチルメチル及び2−ナフチルメチルがある。
【0032】低級アルカノイルR3 は1〜8個、好まし
くは2〜5個の炭素原子を有しており、例えばアセチ
ル、プロピオニル、ブチリル又はピバロイルが挙げられ
る。
【0033】シクロアルキルカルボニルR3 としては、
例えば、4〜9個、好ましくは4〜7個の炭素原子を有
しており、例えばシクロプロピルカルボニル、シクロペ
ンチルカルボニル又はシクロヘキシルカルボニルが挙げ
られる。
【0034】アリールカルボニルR3 において、アリー
ルは6〜14個の炭素原子を有しており、好ましくはア
リールR1 について述べたのと同じ意味を有する。アリ
ールカルボニルR3 としては例えばベンゾイル、p−ト
ルイル、4−メトキシベンゾイル、3,5−ジニトロベ
ンゾイル、1−ナフチルカルボニル又は2−ナフチルカ
ルボニルが挙げられる。
【0035】低級アルコキシカルボニルR3 における低
級アルコキシは、好ましくは1〜7個の炭素原子を有し
ており、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、
n−ブトキシ又はイソブトキシが挙げられる。
【0036】アリルオキシカルボニルR3 において、ア
リルオキシは6〜14個、好ましくは6〜10個の炭素
原子を有しており、例えば、非置換若しくは置換フェノ
キシ、1−ナフトキシ又は2−ナフトキシである。フェ
ノキシの好適な置換基としては、アリールR1 に関して
上述したような基が挙げられ、例えばメチルのような低
級アルキル、メトキシのような低級アルコキシ、塩素の
ようなハロゲン、又はニトロがある。
【0037】アリール低級アルコキシカルボニルR3
おいてアリール低級アルコキシは、好ましくは1〜4個
の炭素原子を有する低級アルコキシから成り、例えばメ
トキシ又はエトキシと、先にアリールR1 に関して述べ
た意味を有するアリールとから成り、同様に、複数個、
例えば2個又は3個のアリール基が存在していてよい。
かかるアリール低級アルコキシには例えばベンジルオキ
シ、4−メチルベンジルオキシ、4−メトキシベンジル
オキシ、4−ニトロベンジルオキシ、2−フェニルエト
キシ及びジフェニルメトキシがある。
【0038】低級アルコキシ、アリールオキシ及びアリ
ール低級アルコキシR4 は、例えば、対応する低級アル
コキシカルボニル、アリールオキシカルボニル及びアリ
ール低級アルコキシカルボニル基R3 について述べたの
と同じ意味を有する。
【0039】塩類としては、例えば式II、III 、III a
又はIII bの化合物のアミノ基の、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸若しくはリン酸のような無機塩類、又は、酢
酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、
プロピオン酸、グリコール酸、フマル酸、安息香酸、メ
タスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、樟脳−10−スルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、4−ニトロベンゼンスルホ
ン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸若しくはナ
フタレン−2−スルホン酸のような有機カルボン酸若し
くはスルホン酸による酸付加塩類が挙げられる。その他
の酸付加塩類は、式IV又はIVaの1,3オキサジン中の
イミドエステル基の窒素から、強酸、例えば塩酸若しく
は硫酸のような鉱酸又は上記スルホン酸によって形成さ
れる。
【0040】式II、III 、III a又はIII bのカルボン
酸は、ナトリウム塩又はカリウム塩のようなアルカリ金
属塩類を形成することができ、また、マグネシウム塩又
はカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩類;銅、鉛
又は亜鉛塩のような重金属塩類;アンモニウム塩類;有
機アミン、例えばシクロヘキシルアミン、ジエチルアミ
ン、シクロヘキシルエチルアミン、ジブチルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン又はトリ−(2−ヒ
ドロキシエチル)アミンのような、場合により置換され
たモノ−、ジ−、若しくはトリ−アルキルアミンによる
塩類、又は例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム若しくはテトラブチルアンモニウムの
ようなテトラ置換有機アンモニウムイオンによる塩類を
形成しうる。
【0041】R2 及びR3 が水素を意味する式II、III
、III a及びIII bの化合物も、内部塩を形成しう
る。
【0042】式I又はIaの化合物は3個の互いに独立
したキラル炭素原子、すなわちβ−ラクタム環の3及び
4位の炭素原子と、ヒドロキシエチル側鎖の水酸基と結
合している1′位の炭素原子を有する。式Iは2種のジ
アステレオマー化合物、すなわち(3R,4R,1′
R)異性体(例えば式Iaの化合物)と、(3R,4
S,1′R)異性体とを包含する。
【0043】式III 、III a、III b、IV及びIVaの化
合物は2個の互いに独立したキラル炭素原子を有する。
【0044】式III :
【0045】
【化16】
【0046】は4個の生じうるジアステレオマーを全て
包含する。式III aはこれらのうちの2種のジアステレ
オマー、すなわち(2R,3S)異性体と(2S,3
S)異性体を包含する。これに対し、式III bの化合物
は、(2S,3S)配置を有する。式IVは同様に2個の
ジアステレオマー化合物、すなわち(5R,6R)異性
体と(5S,6R)異性体、即ち式IVaの化合物を包含
する。
【0047】式Vの化合物は、単一構造のものであり、
(3S,1′R)異性体を成している。
【0048】本明細書において、「ジアステレオマー的
に純粋(diastereomerically pure)」とは、相当するジ
アステレオマーが、他のジアステレオマーを含む混合物
中に少なくとも80%含まれるという意味である。この
ように1つのジアステレオマー成分が高い割合で含まれ
ていると、適当な塩類又は適当な誘導体を、簡単な物理
的分離法により、例えば本発明の化合物の再結晶によ
り、ジアステレオマーの成分を95%以上に、若しくは
他のジアステレオマーを通常の分析法ではもはや識別し
えなくなる程度まで高めることができる。「鏡像異性的
に純粋」も同様の意味である。
【0049】反応工程 式IIの化合物の還元は化学的又は生化学的方法によって
行う。適当な鏡像異性選択的還元剤とは、式IIの化合物
との反応の際に、(3S)構造を有する式III aのジア
ステレオマーを主として生じさせる、すなわちラセミ体
の出発物質から光学活性化合物を生成させる還元剤であ
る。その際本発明の方法にとって、例えば(2S)配置
などのC(2)における配置も同時に好ましいかどうか
は重要でない。
【0050】生化学的鏡像異性選択的還元剤の好ましい
例として、パン酵母(saccharomyces cerevisiae)及び
パン酵母中に存在する酸化還元酵素がある。還元用とし
ては任意の由来のパン酵母が用いられ、例えばAmerican
Type Culture Collection社からATCC 26403
という番号で入手できるパン酵母が用いられる。他の酵
母又は真菌類、例えばCandida albicans, Geotrichum c
andidum, Schizosaccharomyces pombe, Saccharomycesa
cid-faciens, Rhodotorula rubra, Curvularialunata,
Curvularia falcata又は Mortierella raman-nianaも適
している。また、単離したオキシドレダクターゼ、有利
にはβ−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドジヒド
リド(NADH)又はNADHリン酸(NADHPH)
によるオキシドレダクターゼ、例えば酵母−アルコール
−デヒドロゲナーゼ、 Mucor javanicusから得られるジ
ヒドロキシアセトンレダクターゼ、豚の心臓から得られ
るβ−ヒドロキシアシル−CoA−デヒドロゲナーゼ、
パン酵母から得られる脂肪酸シンセターゼ(β−ケトレ
ダクターゼ成分を含む)、Pseudomonas lemoignei又は
Rhodopseudomonas spheroidesから得られるD−β−ヒ
ドロキシブチラート−デヒドロゲナーゼ及びその他のオ
キシドレダクターゼも適している。
【0051】完全な細胞、例えばパン酵母を用いた還元
では、微生物を適当な予備培養において生体条件下に保
ち、必要な場合、増殖させる。培地は通常の培地、例え
ば、所望ならば微量元素を含有するpH値6〜8の間の
緩衝グルコース溶液である。式IIの基質を、培地に対し
て1L につき1〜50gの濃度で加え、水素供与体の機
能を有する他のグルコース又はその他の炭水化物、及
び、例えば、水素供与体として、ギ酸塩、次亜リン酸
塩、又はエタノールを与える。培養は室温から40℃の
間で、有利にはやや高い温度、例えば30℃〜37℃の
間で行われかつ強力に混合される。
【0052】単離した酵素を用いた還元の場合、オキシ
ドレダクターゼにとって不可欠のNADHないしNAD
PHを in sutuで再生する更なる酵素、例えばClostrid
iumkluyveri又はこれから得られる酵素を加えることが
好ましい。その際、水素供与体としては、分子状水素、
ギ酸塩、次亜リン酸塩、又はメチルビオロゲンのような
ビオロゲン類の存在下での電子化学的還元が適してい
る。更なる酵素を用いずに、NADHないしはNADP
Hを、例えばエタノール又はギ酸塩を用いて再生するこ
とも可能である。
【0053】化学的鏡像異性選択的還元剤には、例え
ば、キラル不均質性触媒、又はキラル均質性触媒の存在
下における水素、キラルボラン及びジボラン並びにキラ
ルアルミニウムヒドリドがある。
【0054】キラル不均質性触媒としては、例えば、鏡
像異性的に純粋な酒石酸及びナトリウムブロミドを用い
て変性されたラネーニッケル触媒、又は、キラルアミ
ン、例えば、鏡像異性的に純粋な1−フェニルエチルア
ミンで変性された白金触媒が挙げられる。好適なキラル
均質性触媒としては例えば、ホスフィンがキラルである
ロジウムビスホスフィンヒドリド錯体が挙げられ、例え
ば鏡像異性的に純粋なシクロヘキシル−メチル−O−メ
トキシフェニルホスフィン又は2,3−O−イソプロピ
リデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン(DIOP)が含まれる。
【0055】好適なキラルボラン及びジボランとしては
例えば鏡像異性的に純粋なジイソピノカンフェイルボラ
ン又はリチウム−B−イソピノカンフェイル−9−ボラ
ビシクロ〔3.3.1〕ノニルヒドリドがある。好適な
キラルアルミニウムヒドリドは、リチウムアルミニウム
ヒドリドを、等量の鏡像異性的に純粋なキラルアルコー
ル、アミン又はアミノアルコール、例えば1,1′−ジ
(β−ナフトール)、o,o−ジメチル−N−ピロリジ
ニルメチル−アニリン又はダボン(Darvon)アルコール
と反応させることにより得られる。
【0056】上記化学的鏡像異性選択的還元剤は通常の
反応条件下で用いられる。キラル不均質若しくは均質性
触媒の存在下での水素添加は、例えば、触媒の性質に応
じて1〜100バールの水素圧で、0°〜120℃の温
度の間で、不活性溶媒、例えばエタノールのようなアル
コール、酢酸エチルのようなエステル、又はシクロヘキ
サン若しくはトルエンのような炭化水素中で行われる。
キラルボラン、ジボラン及びアルミニウムヒドリドを用
いた還元では、好ましくは、無水エーテル溶媒、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又は1,2−ジ
メトキシエタンを用いて、−80°〜+50℃、好まし
くは−30°〜0℃の温度で行う。
【0057】鏡像異性選択的還元反応により得られる式
III aの化合物においてR2 が水素を表す場合は、閉環
して式IVの化合物を形成する前に遊離カルボキシ基をエ
ステル化しなければならない。エステル化は通常の条件
下で、例えば低級アルカノール、シクロアルカノール又
はアリール低級アルカノールのような過剰量の対応する
アルコールR2 OHを、酸類、例えば塩化水素、濃硫
酸、ポリリン酸又は五酸化リンのような可能な限り無水
状態の無機酸類、又はp−トルエンスルホン酸のような
有機スルホン酸、酸性イオン交換体、又は三フッ化ホウ
素エーテラートのようなルイス酸を加え、かつ所望なら
ばモレキュラーシーブのような脱水剤の存在下で、又
は、塩化メチレン、クロロホルム又は四塩化炭素のよう
なハロゲン化炭化水素、又はベンゼン若しくはトルエン
のような芳香族炭化水素を用いた共沸蒸留による反応水
の除去を行って反応させる。酸性エステル化は、例えば
0℃からアルコールR2 OHの沸点又は上記連行溶媒と
の共沸混合物の沸点までの間の温度で行われる。エステ
ル化は、アルキル化剤、例えばエーテル溶液中のジアゾ
メタン、又は、塩化ベンジル及び式III aの化合物のナ
トリウム塩若しくは好ましくはセシウム塩を用いて行う
こともできる。
【0058】鏡像選択的還元反応により得られる式III
aの化合物においてR3 が水素を表す場合は、閉環して
IVの化合物を形成する前に遊離アミノ基をアシル化しな
ければならない。アシル化は通常の反応条件下で行わ
れ、例えばアシル基R3 に対応するカルボン酸無水物若
しくはカルボン酸塩化物のようなカルボン酸ハロゲン化
物を用いるか、又は、アシル基R3 に対応する、例えば
クロロギ酸エステルのようなハロホルム酸エステルなど
の炭酸半エステル誘導体を用いて、かつ場合により、例
えばp−トルエンスルホン酸のような酸か又は例えばト
リエチルアミン、ジメチルベンジルアミン若しくはN−
メチルモルホリンのような第三級アミンのような塩基;
1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン
又は1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−
7−エンのようなアミジンのような塩基;ピリジン、ル
チジン若しくは4−ジメチルアミノピリジンのようなピ
リジン塩基;又はナトリウム、カリウム又はカルシウム
のカーボネートのようなアルカリ金属又はアルカリ土類
金属のカーボネートを添加して、不活性溶液、例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサ
ンのようなエーテル;塩化メチレンのようなハロゲン化
炭化水素;エチル酢酸のようなエステル;ジメチルホル
ムアミド又はN−メチルピロリドンのようなアミド;又
はアセトニトリルのようなニトリル中で、−20℃から
溶媒の沸点までの温度、好ましくは0°〜50℃の温度
でアシル化を行う。アシル化剤の過剰使用は、式III a
の化合物の水酸基が同時にアシル化されないために避け
るべきである。
【0059】上記のエステル化及びアシル化工程の順序
は任意に選択できる。R2 がエステル化基、例えば低級
アルキル、シクロアルキル又はアリール低級アルキルで
あり、R3 がカルボン酸又は炭酸半エステルのアシル
基、例えば低級アルカノイル、シクロアルキルカルボニ
ル若しくはアリールカルボニル、又は低級アルコキシカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル若しくはアリール
低級アルコキシカルボニルを意味するような式III aの
化合物は、C(3)の水酸基の活性化する試薬を用いて
環化することにより式IVの5,6−ジヒドロ−1,3,
4H−オキサジンを形成する。基R3 のカルボニル基の
酸素による水酸基は離核性脱離基に転化して分子内で脱
離する。
【0060】水酸基を活性化する好適な試薬としては、
例えばアルコールからハロゲン化物を製造するために通
常使用されるハロゲン化剤、例えば五塩化リン、三塩化
リン、三臭化リン、二塩化トリフェニルホスフィン、二
臭化トリフェニルホスフィンのようなハロゲン化リン、
又は当量のトリフェニルホスフィン及び四塩化炭素、更
に反応性有機酸ハロゲン化物、例えばホスゲン、塩化オ
キサリル、塩化シアヌル酸又は塩化ジメチルホルムアミ
ド若しくは特に塩化チオニルが挙げられる。それらのハ
ロゲン化剤を用いて、C(3)における水酸基が、活性
化された無機又は有機エステルに転化させられるが、こ
のエステルは、次に、通常の方法ではハロゲン化イオン
と反応せず、カルボニル基の酸素によって分子内置換さ
れる。反応は溶媒を用いずに、又は、好ましくは不活性
溶媒、例えば、トルエンのような炭化水素、塩化メチレ
ンのような塩素化炭化水素、酢酸エチルのようなエステ
ル、又はジエチルエーテル若しくはジオキサンのような
エーテル中で、0°〜150℃の温度で、例えば溶媒の
沸点又は室温で行う。所望ならば、遊離したハロゲン化
水素を結合する塩基、例えばトリエチルアミン、ジメチ
ルアニリン又はN−メチルモルホリンのような第三級ア
ミンか、又は、ピリジンのようなピリジン塩基を添加す
ることができ、また、所望ならば、触媒量のアミド、例
えばジメチルホルムアミド若しくはヘキサメチルリン酸
トリアミド;又は塩化スズ若しくは塩化アルミニウムの
ようなルイス酸を加えることもできる。反応は好ましく
は当量又はやや過剰量の、例えば1.05〜1.5当量
のハロゲン化剤を用いて行う。
【0061】水酸基を活性化する他の好適な試薬として
は、アルコールからスルホネートを製造するための試
薬、例えば、塩化メタンスルホン酸、塩化ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸クロリド、p−ニトロ
ベンゼンスルホン酸クロリド若しくは2,4−ジニトロ
ベンゼンスルホン酸クロリドのようなスルホン酸ハロゲ
ン化物;又は無水トリフルオロメタンスルホン酸のよう
な無水スルホン酸が挙げられる。これらの試薬は、例え
ば、上記のハロゲン化剤用不活性溶剤、例えば塩化メチ
レン又はジエチルエーテル中で、トリエチルアミンのよ
うな上記塩基のうちの1種の存在下、−30℃〜50℃
の温度、例えば0℃から室温の間で使用する。
【0062】別の水酸基を活性化する更なる試薬として
は、カルボニルビスイミダゾール又はジ−2−ピリジル
カーボネートのような反応性カルボニル誘導体、及び、
ホスフィンとアゾ化合物との組成物、例えばアゾジカル
ボン酸ジエチルエステルとトリフェニルホスフィンの組
成物又は4−メチル−1,2,4−トリアゾリジン−
3,5−ジオンとトリフェニルホスフィンの組成物が挙
げられる。前記試薬は、好ましくは極性不活性溶媒、例
えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン又は1,2−
ジメトキシエタン中で、−30℃〜+50℃の温度、例
えば0℃から室温の間の温度で使用する。
【0063】式IVの化合物において、R2 がエステル化
基、例えば低級アルキル、シクロアルキル又はアリール
低級アルキルであり、R4 がカルボン酸又は炭酸半エス
テルの基、例えば低級アルキル、シクロアルキル若しく
はアリール、又は低級アルコキシ、アリールオキシ若し
くはアリール低級アルコキシである場合は、適切な塩基
を用いた処理により(5R,6R)ジアステレオマー又
は(5R,6R)ジアステレオマーと(5S,6R)ジ
アステレオマーとの混合物を、(5S,6R)配置を有
する式IVaの純ジアステレオマー化合物に転化すること
ができ、即ち6員環における置換基CH3 及びCOOR
2 のトランス配置を達成することができる。かかる異性
化のために適した塩基としては、トリエチルアミン若し
くはトリブチルアミンのような第三級アミン;ピリジン
若しくはルチジンのようなピリジン誘導体;1,5−ジ
アザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン若しくは
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−
エンのようなアミジン塩基、リチウムジイソプロピルア
ミド若しくはリチウムヘキサメチルジシラジドのような
立体障害を有する第二級アミンのアルカリ金属塩類;又
は炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム若しくはフッ化
カリウムのような塩基性のアルカリ金属及びアルカリ土
類金属の塩類が挙げられる。異性化は例えば極性無水溶
媒、例えばエタノール、tert−ブタノール、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン若しくはアセトニトリル中で50
°〜100℃の温度で、又は無極性無水溶媒、例えばト
ルエン、クロロベンゼン若しくはジクロロベンゼンのよ
うな芳香族炭化水素中で80°〜150℃の温度、例え
ば溶媒の沸点で行う。
【0064】次の工程において、式IVaの化合物の1,
3−オキサジン環が開裂され、同時にアシルアミノ基と
エステル官能基が加水分解される。加水分解は酸を用い
て行うのが好ましいが、塩基を用いて行うこともでき
る。
【0065】好適な酸としては、例えば、塩酸、硫酸若
しくはリン酸のような無機酸類か、又はアルカンスルホ
ン酸若しくはアレンスルホン酸のような、例えばメタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸若しくはp−ニト
ロベンゼンスルホン酸のような有機強酸類を、好ましく
は水性溶液、例えば水又は水と有機溶媒、例えばエタノ
ール、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエー
テル若しくはモノブチルエーテルとの混合物中で、80
°〜150℃の温度、好ましくは約100℃で用いる。
【0066】好適な塩基としては、好ましくは水又は上
記のような水と有機溶媒との混合物中の、50°〜12
0℃の温度、例えば約80℃の温度の、金属水酸化物、
例えば水酸化リチウム若しくはナトリウム若しくはカリ
ウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム若
しくはカリウムのようなアルカリ金属カーボネート、又
は水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムのようなテト
ラ置換水酸化アンモニウム類が挙げられる。塩基性加水
分解は、例えば30%水溶液の形態の過酸化水素を加え
ることにより促進することができる。
【0067】R2 及びR3 が水素を表している、加水分
解により得られる式III bの化合物は、通常の脱水剤を
用いて環化すると式Vのβ−ラクタムを形成する。好適
な脱水剤としては、塩化アセチル、塩化チオニル又は三
塩化リン、無水酢酸、トリエチエルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム等が挙げられるが、好ましく
は、シジクロヘキシルカルホジイミド若しくはジイソプ
ロピルカルボジイミドのようなカルボジイミド、ヨウ化
2−クロロ−1−メチルピリジニウム、又は2,2′−
ジピリシルジスルフィドを、例えばトリフェニルホスフ
ィンのようなホスフィンの存在下に用いる。カルボジイ
ミドは、当量の、例えばトリエチルアミンのような第三
級アミン又はピリジンのようなピリジン塩基の存在下、
不活性溶媒中、例えばアセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ニトロメタン、テトラヒドロフラン又はジオキ
サン中で、25°〜80℃、例えば約50℃の温度で用
いるのが好ましい。ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリ
ニジウムを用いた反応の場合、当量の第三級アミン、例
えばトリエチルアミンが加えられ、縮合は0°〜50℃
の温度、例えばほぼ室温で、塩化メチレンのような不活
性溶媒中で行われる。2,2′−ジピリジルジスルフィ
ドとトリフェニルホスフィンを用いた縮合は前記極性溶
媒のうちの1種、好ましくはアセトニトリル中で、50
°〜85℃の温度、例えばアセトニトリルの沸点で行
う。2,2′−ジピリジルジスルフィドの代りに、触媒
量の2−メルカプトピリジンと当量の穏和な酸化剤、例
えば酸化マンガンとを用いることもできる。
【0068】脱水剤としては、α−アミノ酸の縮合のた
めのペプチド化学において用いられている試薬、例えば
ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフ
ィン酸クロリド、1−ベンゾトリアゾリルオキシ−トリ
ス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホ
スフェート又は2−エトキシ−1−メトキシカルボニル
−1,2−ジヒドロキノリンも適している。
【0069】式Vの化合物はR1 COO−基を導入する
試薬を用いて酸化されて式Iの化合物を生成する。酸化
は化学的又は好ましくは電気化学的に行われる。
【0070】R1 COO−基を導入する化学的酸化剤と
しては、例えば、過酸化アセチル−tertブチル、過酸化
プロピオニル−tertブチル、過酸化ベンゾイル−tertブ
チル又は過酸化ジベンゾイルのような対応するアシル過
酸化物が挙げられる。好ましくは、過酸化tertブチル
は、触媒量の第一銅塩類、例えば第一銅の塩化物、臭化
物又は2−エチルヘキサノエートを用いて、不活性溶剤
中、例えばベンゼン、石油エーテル、アセトニトリル又
はアセトニトリル/氷酢酸中で反応させる。触媒は過酸
化ジベンゾイルとの反応の場合は不要である。アセチル
基を導入する他の酸化剤としては、例えば酢酸鉛(IV)
及び酢酸水銀(II)が挙げられる。
【0071】電気化学的酸化用には、単一セルか、又は
例えば多孔性の白土、ガラス又は塩化ポリビニル若しく
はポリプロピレンのようなプラスチックの機械的隔膜
か、又は、例えばナフィオン(Nafion)という商品名で
入手できるイオン交換膜を備えかつ白金のような貴金
属、チタン/イリジウム合金若しくはチタン/タンタル
合金のようなチタン合金、ニッケル、二酸化鉛、ガラス
状カーボン及び/又はグラファイトから製造された電極
を備えた分離セルを用いる。電気化学的酸性アシル化
は、残基R1 に対応するカルボン酸、例えば酢酸又はプ
ロピオン酸中で、あるいはこの酸と不活性有機溶媒、例
えばアセトニトリル、ジオキサン若しくはジメチルホル
ムアミド、又はトリエチルアミンのような第三級アミン
との混合物中、例えば酢酸/アセトニトリル、酢酸/ト
リエチルアミン、プロピオン酸/アセトニトリル又は安
息香酸/アセトニトリルの混合物中で行い、その際導電
性塩類、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム若しく
はテトラアルキルアンモニウムの塩類、例えばリチウ
ム、ナトリウム、テトラエチルアンモニウム若しくはテ
トラブチルアンモニウムのテトラフルオロホウ酸塩、酢
酸塩若しくは硝酸塩を添加する。電解に適した電流密度
は、0°〜50℃の温度、好ましくは室温から30℃の
間の温度で10〜400mA/cm2、例えば約50mA/cm2
ある。
【0072】化学的酸性アシル化及び電気化学的酸性ア
シル化のいずれも、有利なことに、C(3)におけるヒ
ドロキシエチル基とC(4)におけるアシルオキシ基と
が互いにトランス配置に位置している式Iの化合物を生
成させ、すなわち(3R,4R,1′R)配置を有する
ジアステレオマーを生成させる。
【0073】前記化合物の塩類は通常の方法で得られ
る。式II、III 、III a又はIII bの化合物中のアミノ
基の酸付加塩類又は式IV又はIVaの化合物中のイミドエ
ステル基の窒素原子の酸付加塩類は、例えば酸又は適当
な陰イオン交換剤、好ましくは化学量論量又はわずかに
過剰の造塩剤を用いた処理によって形成される。遊離カ
ルボキシ基又は遊離アミノ基を有する内部塩類、例えば
式II、III 、III a又はIII bの化合物の塩類は、例え
ば酸付加塩類のような塩類を、例えば塩基によって等電
点に中和することにより、又はイオン交換剤若しくはエ
ポキシド、例えばプロピレンオキシドを用いて処理する
ことにより生成させることができる。カルボキシ基を有
する式II、III 、III a又はIII bの化合物の塩類は、
例えば金属化合物、例えば適当な有機カルボン酸のアル
カリ金属塩類、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウ
ム塩を用いて、又は無機アルカリ金属塩類若しくはアル
カリ土類金属塩類、例えば炭酸水素ナトリウム、化学量
論量若しくはやや過剰のアルカリ金属水酸化物、例えば
水酸化リチウム、ナトリウム若しくはカリウム;又はア
ンモニア若しくは適当な有機アミンを用いて生成させる
ことができる。
【0074】塩類は通常の方法で、すなわち金属塩類及
びアンモニウム塩類は例えば適当な酸を用いて、酸付加
塩類は例えば適当な塩基性試薬剤を用いて遊離化合物に
転化できる。
【0075】本発明の方法には、中間体を単離して残り
の方法工程をこの中間体を用いて行うという態様、並び
に出発物質と試薬を in situで生成し及び/又は中間体
と最終生成物とを隔離せずに更に後処理するという態
様、並びに式IIの化合物が直接式III bの純ジアステレ
オマー化合物に還元されて、式IVのオキサジンを生成す
るための閉環及びIVaの生成のための異性化及び式III
bの純ジアステレオマー化合物の生成のための再環裂は
不必要である態様も含まれる。
【0076】本発明は、特に、式Iの化合物の製造のた
めの方法全体又はその一部について説明した好ましい反
応条件の下での、以下に述べるような新規な方法工程に
も関連する。
【0077】好ましい方法は、R1 が低級アルキル又は
アリールを表す式Iの化合物の製造方法であって、式V
の化合物を、電気化学的に、酸R1 COOHの存在下
に、10〜400mA/cm2の電流密度及び0°〜50℃の
温度で酸性アシル化することを特徴とする方法である。
該方法工程は、更に詳しくはR1 がメチルである式Ia
の化合物の製造に有利である。
【0078】別の好ましい方法は、R2 が水素又はエス
テル化基、例えば低級アルキル、シクロアルキル又はア
リール低級アルキルを表し、R3 が水素又はカルボン酸
若しくは炭酸半エステルのアシル基、例えば前者として
は低級アルカノイル、シクロアルキルカルボニル若しく
はアリールカルボニル、又は後者としては低級アルコキ
シカルボニル、アリールオキシカルボニル若しくはアリ
ール低級アルコキシカルボニルを表す場合の式III aの
化合物の製造方法であって、R2 及びR3 が上記の意味
を有する、又はその塩類である式IIの化合物をパン酵母
を用いて還元することを特徴とする方法である。該方法
は、更に詳しくは、R2 が水素又は低級アルキルを表
し、R3 が低級アルカノイル又はアリールカルボニルを
表している式IIの化合物の還元に有利である。本発明は
特に実施例に記載の方法に関する。
【0079】更なる処理 式Iの化合物及び特に式Iaの純ジアステレオマーは、
従来公知の多くの方法のうちの1つに従って多様な最終
生成物に転化させることができる。これらの方法の大部
分は、この目的のために、水酸基及び/又はβ−ラクタ
ム窒素原子が保護基によって保護されている式Iの化合
物の誘導体を必要とする。かかる保護基は、例えば保護
基についての標準的文献に記載の方法で容易に導入する
ことができる。
【0080】しかし、更なる反応工程を避けるために式
Iの化合物を保護基を用いずに処理すると有利である。
例えば、式Iaの化合物を、欧州特許出願第21573
9号明細書に記載のように、窒素原子が保護されている
α−アミノチオカルボン酸であるN−アリルオキシカル
ボニル−チオ−グリシンと反応させることができ、僅か
なステップで更に高い活性の抗生(5R,6S,1′
R)−2−アミノメチル−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−ペネム−3−カルボン酸に処理することがで
きる。該最終生成物の種々の特性及びその用途について
は、例えば西独国特許出願第34 31 980号明細
書に記載されている。
【0081】中間体 本発明は更に新規な中間体及びその製造方法に関する。
本発明は、特に、R2 が水素又はエステル化基、例えば
低級アルキル、例えばメチル若しくはエチル、シクロア
ルキル、例えばシクロヘキシル、若しくはアリール低級
アルキル、例えばベンジルを表し、R3 が水素又はカル
ボン酸若しくは炭酸半エステルのアシル基、例えば前者
として低級アルカノイル、例えばアセチル若しくはプロ
ピニオル、シクロアルキルカルボニル、例えばシクロヘ
キシルカルボニル、又はアリールカルボニル、例えばベ
ンゾイル;又は後者として低級アルコキシカルボニル、
例えばメトキシカルボニル若しくはn−ブトキシカルボ
ニル、アリールオキシカルボニル、例えばフェノキシカ
ルボニル、又はアリール低級アルコキシカルボニル、例
えばベンジルオキシカルボニルを表している式IIIの化
合物及びその純ジアステレオマー及びその2つのジアス
テレオマーの混合物及びその塩類に関する。
【0082】本発明は、特に、R2 が水素又は低級アル
キル、例えばメチル又はエチルを表し、R3 が水素、低
級アルカノイル、例えばアセチル、又はアリールカルボ
ニル、例えばベンゾイルを表している式III aの化合物
及びその純ジアステレオマー、例えば式III bのジアス
テレオマー及び2つのジアステレオマー、例えば式III
aの2つのジアステレオマーの混合物並びにその塩類に
関する。
【0083】本発明は、更に詳しくは、R2 が水素又は
低級アルキル、例えばメチル又はエチルを表しR3 が低
級アルカノイル、例えばアセチル、又はアリールカルボ
ニル、例えばベンゾイルを表す式III aの化合物及びそ
の純ジアステレオマー及びその塩類、並びにR2 及びR
3 が水素を表している式III bの化合物及びその塩類に
関する。
【0084】本発明は、また、R2 がエステル化基、例
えば低級アルキル、例えばメチル若しくはエチル、シク
ロアルキル、例えばシクロヘキシル、又はアリール低級
アルキル、例えばベンジルを表し、R4 がカルボン酸又
は炭酸半エステルR4 COOHの基、例えば前者として
は低級アルキル、例えばメチル若しくはエチル、シクロ
アルキル、例えばシクロヘキシル、又はアリール、例え
ばフェニル;後者としては低級アルコキシ、例えばエト
キシ若しくはn−ブトキシ、アリールオキシ、例えばフ
ェノキシ、又はアリール低級アルコキシ、例えばベンジ
ルオキシを表す式IVの化合物及びその純ジアステレオマ
ー及びその塩類に関する。
【0085】本発明は、特に、R2 が低級アルキル例え
ばメチル又はエチルを表し、R4 がメチルのような低級
アルキル又はフェニルのようなアリールを表す式IVの化
合物及びその純ジアステレオマー例えば式IVaのジアス
テレオマー並びにその塩類に関する。
【0086】本発明は式Vの化合物にも関する。
【0087】本発明は特に実施例に記載の中間物に関す
る。前記中間体の製造方法としては、特に、上記の本発
明による方法全体のうちの対応の方法工程が挙げられ
る。この方法には更に、それ自体公知の後処理、例えば
本発明による化合物を、本発明による他の化合物へ転化
すること、及び遊離化合物をその塩類、又は塩類を対応
する遊離化合物又は他の塩類へ転化することも含まれ
る。
【0088】式IIの出発物質は公知であるか、又は公知
の方法に従って、例えばH. Bohme他著の「Chemische Be
richte」 92, 1599 (1959)によるアシルアミド−クロル
メタンを用いたアセト酢酸エステルのアミドアルキル化
によって製造することができる。
【0089】以下の実施例は本発明の説明に供するもの
であり、本発明の範囲を限定するものでは決してない。
【0090】実施例1:α−ベンゾイルアミノメチル−
アセト酢酸エチルエステルのパン酵母を用いた還元 200mlのリン酸緩衝剤(pH7.0)、30gのパン酵
母(Klipfel 社製)及び40gのグルコースを500ml
のエーレンマイヤーフラスコ中で33℃及び250rpm
で振盪した。30分後に、20.7gのα−ベンゾイル
アミノメチルアセト酢酸エチルエステルを加え、それか
ら24時間後に更に25gのグルコースを、更に48時
間後に15gのグルコースを加えた。混合物は合計14
4時間の間33℃で振盪した。反応溶液をceliteTMを介
してろ過し、水溶液をエチルアセテートを用いて7回抽
出し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒をロ
ータリーエバポレーターで除去した。残渣を、トルエン
及びエチルアセテートを用いて、シリカゲル上のクロマ
トグラフィーによって分離した。
【0091】(2S,3S)−2−ベンゾイルアミノメ
チル−3−ヒドロキシ酪酸エチルエステル: 融点72〜73℃;〔α〕D =−30.2°(ジオキサ
ン、c=0.14%);UV(エタノール)λmax =2
26nm(ε=11540);IR(CH2 Cl2 )34
49、1721、1663、1579cm-1;TLC(シ
リカゲル、トルエン/エチルアセテート=1:2)Rf
=0.32。
【0092】(2R,3S)−2−ベンゾイルアミノメ
チル−3−ヒドロキシ酪酸エチルエステル: 油状物;〔α〕D =−9.1°(ジオキサン、c=0.
14%);UV(エタノール)λmax =226nm(ε=
11000);IR(CH2 Cl2 )3444、171
9、1647、1601、1578cm-1;TLC(シリ
カゲル、トルエン/エチルアセテート=1:2)Rf=
0.38。
【0093】(2S,3S)−及び(2R,3S)エス
テルの鏡像異性純度を、Mosher試薬R(+)α−メトキ
シ−α−トリフルオロ−メチル−フェニル酢酸クロリド
を用いて誘導した後に、プロトンNMR分光光度計及び
HPLC(高性能液クロマトグラフィー)を用いて検査
すると、99%を上回っていた。
【0094】水性相を、4N HClを用いてpH2に調整
し、酸を、各250mlのエチルアセテートで7回抽出し
た。有機相を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸
発させて濃縮した。残渣をOptiUPC12(商品名)
シリカゲル上の逆相クロマトグラフィーにより、水を用
いて分離した。
【0095】(2S,3S)−2−ベンゾイルアミノメ
チル−3−ヒドロキシ酪酸; 融点99〜101℃(エチルアセテートから);〔α〕
D =−21.2°(ジオキサン、c=0.55%);U
V(エタノール)λmax =227nm(ε=1136
0);IR(CH2 Cl2 )3312、1735、15
77、1490cm-1;TLC(UPC12、水/アセトニ
トリル=9:1)Rf=0.25。
【0096】(2R,3S)−2−ベンゾイルアミノメ
チル−3−ヒドロキシ酪酸; シクロヘキシルアンモニウム塩として単離された;
〔α〕D =+10°(エタノール、c=0.72%);
UV(エタノール)λmax =227nm(ε=1100
0);IR(CH2 Cl2 )3381、1657、16
25、1518、1486cm-1;TLC(UPC12、水
/アセトニトリル=9:1)Rf=0.33。
【0097】酸類を次のようにしてエステル化した。即
ち、620mgの酸類の混合物を、250mgのp−トルエ
ンスルホン酸を含有する12mlのエタノール中で45℃
に28時間加熱した。反応溶液を濃縮し、エチルアセテ
ートで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を用いて洗
浄し、乾燥し、蒸発により濃縮した。生成したエチルエ
ステルは、上記エステルと同一であり、Rf(シリカゲ
ル、トルエン/エチルアセテート=1:2)=0.32
及び0.38であり、鏡像異性純度は99%を上回っ
た。
【0098】実施例2:水素、白金及びキラルアミンを
用いたα−ベンゾイルアミノメチル−アセト酢酸エチル
エステルの還元 40mgの酸化白金及び0.28mlのR(+)−1−フェ
ニルエチルアミンを、標準圧力で1時間、20mlのトル
エン中で予め加水分解した。20mlのトルエン中の4g
のα−ベンゾイルアミノメチル−アセト酢酸エチルエス
テルを加え、この混合物を、標準圧力、室温で22時間
加水分解した。反応溶液をろ過し、蒸発により濃縮し
た。得られた2−ベンゾイルアミノメチル−3−ヒドロ
キシ酪酸エチルエステルの異性体組成物をキラル固定相
(Chirasil-Val(商品名))上のガスクロマトグラフィ
ーにより検査した結果、(2S,3R):(2R,3
S):(2S,3S):(2R,3R)=13:14:
24:49であった。鏡像異性S(−)−1−フェニル
エチルアミンをR(+)−1−フェニルエチルアミンの
代りに用いると、(2S,3R):(2R,3S):
(2S,3S/2R,3R)=10:21:69という
異性体比が得られた。
【0099】実施例3:水素、白金及びキラルアミンを
用いたα−アセチルアミノメチル−アセト酢酸エチルエ
ステルの還元 実施例2と同様の方法で、トルエン中の4.1gのα−
アセチルアミノメチル−アセト酢酸エチルエステルを、
0.38mlのS(−)−1−フェニルエチルアミンの存
在下に、41mgの酸化白金上で加水分解し更に反応させ
た。Chirasil-Val(商品名)上でのガスクロマトグラフ
ィー分析の結果、異性体比は(2S,3R):(2R,
3S):(2S,3S):(2R,3R)=20:1
9:22:39であった。R(+)−1−フェニルアミ
ンを用いた場合、異性体比(2S,3R):(2R,3
S):(2S,3S):(2R,3R)=16:22:
22:39が得られた。
【0100】実施例4:(5R,6R)−6−メチル−
2−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,3,4H−オキ
サジニル−5−カルボン酸エチルエステル 0.6mlの塩化メチレン中の300mgの(2S,3S)
−2−ベンゾイルアミノメチル−3−ヒドロキシ酪酸エ
チルエステルの溶液に0.123mlの塩化チオニルを加
えた。反応溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、
トルエンに溶解し、蒸発により濃縮した。残渣を少量の
エチルアセテート中に懸濁してろ過し標記化合物の塩酸
塩(融点125〜126℃)を結晶質の形で得た。
〔α〕D =+25.6°(水、c=0.09%);UV
(エタノール)λmax =236nm(ε=11000);
IR(CH2 Cl2 )1737、1656、1379cm
-1
【0101】塩酸塩をエチルアセテートに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナト
リウムを用いて乾燥すると遊離塩基が油状物として単離
された。TLC(シリカゲル、トルエン/エチルアセテ
ート 1:1)Rf=0.69;〔α〕D =+81.4
°(ジオキサン、c=0.30%);UV(エタノー
ル)λmax =235nm(ε=13930);IR(CH
2 Cl2 )1727、1659cm-1
【0102】実施例5:(5R,6R)−6−メチル−
2−フェニル−5,6−ジヒドロ−1,3,4H−オキ
サジニル−5−カルボン酸エチルエステル 実施例4と同様にして、1.6gの(2R,3S)−2
−ベンゾイルアミノメチル−3−ヒドロキシ酪酸エチル
エステルを、塩化メチレン中の0.66mlの塩化チオニ
ルを用いて環化した。標記化合物が油状物として単離さ
れた。TLC(シリカゲル、トルエン/エチルアセテー
ト1:1)Rf=0.55;〔α〕D =−9.6°(ジ
オキサン、c=0.31%);UV(エタノール)λ
max =234nm(ε=12120);IR(CH2 Cl
2 )1730、1658cm-1
【0103】実施例6:6−メチル−2−フェニル−
5,6−ジヒドロ−1,3,4H−オキサジニル−5−
カルボン酸エチルエステルの異性化 標記化合物の(5R,6R)アイソマー247mgを1ml
のジオキサン中に溶解し、0.05mlの1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エンを加えた。
この混合物を90℃で7時間加熱し、それからトルエン
を用いて希釈し、希釈塩化ナトリウム溶液を用いて2回
洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し濃縮
した。残渣をエチルアセテートに溶解し、HClガスを
溶液に加えた。標記化合物の(5S,6R)アイソマー
の塩酸塩の結晶をろ取し、エチルアセテートを用いて洗
浄した。融点125〜126℃であり、実施例4の生成
物と同一であった。同様の生成物がトルエン中での異性
化(16時間、110℃)において得られた。
【0104】実施例1のパン酵母還元により得られた2
−ベンゾイルアミノメチル−3−ヒドロキシ酪酸エチル
エステルの(2S,3S)−及び(2R,3S)−アイ
ソマーの粗混合物は、実施例4と同様に塩化チオニルを
用いて直接環化し、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕−ウンデク−7−エンを用いてトルエン中で110
℃で16時間加熱することにより異性化することができ
た。HClガスをエチルアセテート溶液中に導入するこ
とにより、標記化合物の(5R,6R)アイソマーの塩
酸塩(融点125〜126℃)が得られた。
【0105】実施例7:(2S,3R)−2−アミノメ
チル−3−ヒドロキシ酪酸 3gの(5S,6R)−6−メチル−2−フェニル−
5,6−ジヒドロ−1,3,4H−オキサジニル−5−
カルボン酸エチルエステルを3mlの水に溶解し、2mlの
16%塩酸を加えて、この全体を還流下で5時間加熱し
た。この溶液を4℃に冷却し、結晶質の安息香酸をろ取
して水で洗浄し、ろ液を蒸発により完全に濃縮した。油
状残渣を、反応を完結せしめるために各20mlのエチル
アセテートを用いて4回攪拌すると、標記化合物の塩酸
塩が結晶質の形で得られこれをろ取した。融点120〜
123℃;TLC(UPC12、水)Rf=0.8;
〔α〕D =−11.0°(水、c=0.81%);IR
(KBr)1719、1623、1486cm-1
【0106】参考例8:(3S,1′R)−3−(1′
−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノン 266mgの(2S,3R)−2−アミノメチル−3−ヒ
ドロキシ酪酸、600mgのトリフェニルホスフィン、5
0mgの2−メルカプトピリジン及び200mgの二酸化マ
ンガンを5mlのアセトニトリルに懸濁させた懸濁液を7
0℃で6時間加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲ
ル上でエチルアセテートを用いてクロマトグラフィーに
かけた。標記化合物がテトラヒドロフランから再結晶さ
れた。融点101℃;TLC(シリカゲル、エチルアセ
テート)Rf=0.15;〔α〕D =−64.2°(D
MSO、c=1.18%);IR(CH2 Cl2 )36
04、3415、1758cm-1
【0107】大きなバッチ反応器中で、15gの(2
S,3R)−2−アミノメチル−3−ヒドロキシ酪酸ヒ
ドロクロリドを50mlの塩化メチレン中でスラリー化
し、12.5mlのトリエチルアミンを加え、この混合物
を室温で16時間攪拌した。遊離アミノ酸をろ取し乾燥
した。2.36gのトリフェニルホスフィン及び1.9
9gの2,2′−ジピリジルジスルフィドを、10mlの
アセトニトリル中の1.26gのこのアミノ酸に加え、
80℃で2時間加熱した。この混合物をロータリーエバ
ポレーター中蒸発により濃縮しかつエチルアセテートを
用いて120gのシリカゲル上でクロマトグラフィーに
かけた。融点101℃(テトラヒドロフロンから)。
【0108】参考例9:(3R,4R,1′R)−4−
アセトキシ−3−(1′−ヒドロキシエチル)−2−ア
ゼチジノン 4gの(3S,1′R)−3−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−アゼチジノン及び1gのテトラブチルアンモ
ニウムテトラフルオロホウ酸塩を50mlの氷酢酸及び1
mlの水に溶解した溶液を、非分割セル中の白金電極上で
電流密度50mA/cm2で4時間加水分解した。溶媒をトル
エンを用いてロータリーエバポレーター中で除去し、残
渣をシリカゲル上でエチルアセテートを用いてクロマト
グラフィーによって精製した。融点103〜105℃;
〔α〕D =+59.7(クロロホルム、c=0.36
%);UV(クロロホルム)λmax =269nm(ε=7
3);IR(クロロホルム)3602、3406、17
84、1366cm-1;TLC(シリカゲル、エチルアセ
テート)Rf=0.51。
【0109】氷酢酸の代りに、電解を次の溶媒混合物中
で行うことができた。即ち:氷酢酸/アセトニトリル
1:1及び1:9、氷酢酸/アセトニトリル/エチルア
セテート1:2:9。テトラフルオロホウ酸ナトリウ
ム、テトラフルオロホウ酸リチウム及び硝酸アンモニウ
ムも導電性の塩類として適していた。白金(箔状、網
状、線状)、VA.4及び炭素ガラスを陽極として用い
ることができた。
【0110】参考例10:4(R)−(N−アリルオキ
シカルボニルグリシルチオ)−3(S)−(1′(R)
−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジノン N−アリルオキシカルボニル−チオグリシンのジシクロ
ヘキシルアンモニウム塩426mgを1.2mlの1N 水酸
化ナトリウム水溶液に溶解した溶液を1.5mlのCH2
Cl2 を用いて3回洗浄し、0.1N 塩酸を用いてpH8
〜9に調整した。得られたチオール酸水溶液を、17
3.2mgの(3R,4R,1′R)−4−アセトキシ−
3−(1′−ヒドロキシエチル)−2−アゼチジオンを
1.7mlのアセトニトリルに溶解した溶液に25℃で注
いだ。0.1mlの0.1N 水酸化ナトリウム水溶液を加
えた後に、その混合物を更に35分間21〜23℃で攪
拌した。仕上げに、250mlのエチルアセテート及び3
0gのNaClを分液漏斗に入れ、反応混合物をそこに
加えた。十分に振盪して水性相を分離した後に、有機相
を再度50mlの5%NaHCO3 水溶液で洗浄し、50
mlのブラインで2回洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥
させた。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し
た。標記化合物が非晶質粉末の形で得られた。粗生成物
をシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製する
ことができた(トルエン/エチルアセテート=2:
3)。Rf値=0.23(Merck下塗板、トルエン/エチ
ルアセテート=1:4、発色剤としてニンヒドリンを用
いた)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェラルド・ラモス スイス国、4144 アルレシュハイム、ゲネ ラル・ギサン−シュトラーセ 35 (72)発明者 ジャック・ベルジール スイス国、4125 リーヘン、グシュタルテ ンラインヴェーク 61

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式III a: 【化1】 (式中、R2 は、水素又はエステル化基を表し、R3
    は、水素又はカルボン酸若しくは炭酸半エステルのアシ
    ル基を表す)の化合物を製造する方法であって、 次式II: 【化2】 (式中、R2 及びR3 は、上記の意味を有する)の化合
    物又はその塩類を、パン酵母を用いて還元し、かつ所望
    の場合は、得られた式III aの化合物を、本発明による
    別の式III aの化合物に転化し、かつ場合により、得ら
    れた遊離化合物を塩に、あるいは得られた塩を遊離化合
    物若しくは他の塩に転化することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 エステル化基R2 が、低級アルキル、シ
    クロアルキル又はアリール低級アルキルを表し、アシル
    基R3 が低級アルカノイル、シクロアルキルカルボニ
    ル、アリールカルボニル、低級アルコキシカルボニル、
    アリールオキシカルボニル又はアリール低級アルコキシ
    カルボニルを表す、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 エステル化基R2 が、低級アルキルを表
    し、アシル基R3 が低級アルカノイル又はアリールカル
    ボニルを表す、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 次式III : 【化3】 (式中R2 は、水素又はエステル化基を表し、R3 は、
    水素又はカルボン酸若しくは炭酸半エステルのアシル基
    を表す)の化合物、その純ジアステレオマー若しくは2
    つのジアステレオマーの混合物又はそれらの塩類。
  5. 【請求項5】 R2 が、水素、低級アルキル、シクロア
    ルキル又はアリール低級アルキルを表し、R3 が、水
    素、低級アルカノイル、シクロアルキルカルボニル、ア
    リールカルボニル、低級アルコキシカルボニル、アリー
    ルオキシカルボニル又はアリール低級アルコキシカルボ
    ニルを表す、請求項4記載の式III の化合物、その純ジ
    アステレオマー若しくは2つのジアステレオマーの混合
    物又はそれらの塩類。
  6. 【請求項6】 R2 が、水素又は低級アルキルを表し、
    3 が水素、低級アルカノイル又はアリールカルボニル
    を表す、請求項4記載の式III の化合物、その純ジアス
    テレオマー若しくは2つのジアステレオマーの混合物又
    はそれらの塩類。
  7. 【請求項7】 次式III a: 【化4】 (式中、R2 は、水素又は低級アルキルを表し、R3
    低級アルカノイル又はアリールカルボニルを表す)であ
    る、請求項4記載の化合物、その純ジアステレオマー又
    はそれらの塩類。
  8. 【請求項8】 次式III b: 【化5】 (式中、R2 及びR3 は、水素を表す)である、請求項
    4記載の化合物又はその塩類。
  9. 【請求項9】 次式IV: 【化6】 (式中、R2 は、エステル化基を表し、R4 は、カルボ
    ン酸若しくは炭酸半エステルR4 COOHの残基を表
    す)の化合物、その純ジアステレオマー又はそれらの塩
    類。
  10. 【請求項10】 R2 が、低級アルキル、シクロアルキ
    ル又はアリール低級アルキルを表し、R4 が、低級アル
    キル、シクロアルキル、アリール、低級アルコキシ、ア
    リールオキシ又はアリール低級アルコキシを表す、請求
    項9記載の式IVの化合物、その純ジアステレオマー又は
    それらの塩類。
  11. 【請求項11】 R2 が、低級アルキルを表し、R4
    が、低級アルキル又はアリールを表す、請求項9記載の
    式IVの化合物、その純ジアステレオマー又はそれらの塩
    類。
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