JP3206011B2 - イミド誘導体およびその製造法 - Google Patents

イミド誘導体およびその製造法

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JP3206011B2 JP4809591A JP4809591A JP3206011B2 JP 3206011 B2 JP3206011 B2 JP 3206011B2 JP 4809591 A JP4809591 A JP 4809591A JP 4809591 A JP4809591 A JP 4809591A JP 3206011 B2 JP3206011 B2 JP 3206011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な光学活性なイミ
ドエステル類とイミドアルデヒドおよびラセミのイミド
エステル類ならびにその製造法に関し、これらの化合物
は、医薬、農薬等の中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】本発明の光学活性なイミドエステル類と
イミドアルデヒドおよびラセミのイミドエステル類は、
文献未記載の新規化合物であり、それらの物性、化学的
な性質および用途についても知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の新規な化合物およびその製造法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、種々検討の結果、本発明に至った。すな
わち本発明は、一般式 化1
【0005】 (式中、Rは、低級アルキル基を示す。)で示されるラ
セミのイミドエステル類を、該イミドエステル類の光学
異性体の一方のみを選択的に加水分解する能力を有する
エステラーゼを作用させ不斉加水分解させることにより
一般式 化2
【0006】 (式中、Rは低級アルキル基を示し、*印は不斉炭素原
子を表わす。)で示される光学活性なイミドエステル類
および一般式 化3
【0007】 (式中、*印は不斉炭素原子を表わす。)で示される光
学活性なイミドアルデヒドの製造法および一般式 化
1、化2、化3で示される化合物を提供するものであ
る。
【0008】上記一般式 化1で示されるラセミのイミ
ドエステル類は、マレインイミドと一般式 化4 CH=CHOCOR (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で示されるビニ
ルアルコールエステルとを付加反応させることにより得
られる。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。マ
レインイミドと一般式 化4で示されるビニルアルコー
ルエステルとの付加反応は、通常、溶媒の存在下、必要
により、光増感剤の存在下、光照射下に行われる。
【0010】ここで用いられる溶媒としては、ジクロロ
メタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トルエン、ク
ロロベンゼン、テトタヒドロフラン、ジオキサン、アセ
トン、酢酸エチル等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、
エーテル、ケトン、ハロゲン化炭化水素などの反応に不
活性な溶媒の単独または混合物があげられる。
【0011】一般式 化4で示されるビニルアルコール
エステルとしては、ビニルアセテート、ビニルプロピオ
ン酸エステル、ビニルブタン酸エステル、ビニルペンタ
ン酸エステル、ビニルヘキサン酸エステル等が例示さ
れ、その使用量は、通常、マレインイミドに対し、1〜
2当量倍である。
【0012】光増感剤を用いる場合には、通常光反応に
利用される光増感剤、例えば、ベンゾフェノン、フェニ
ルトリルケトン、アセトン、アセトフェノン、プロピオ
フェノン、アントラセン等が用いられ、その使用量は、
通常、マレインイミド1モルに対し、0.002モル倍
〜0.3モル倍の範囲である。
【0013】光照射の光源としては、通常の光反応に用
いられる光源、例えばハロゲンタングステンランプ、高
圧および低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプがあげられ
る。
【0014】反応温度は、通常、−20〜100℃、好
ましくは、−10〜80℃の範囲であり、反応時間は特
には制限されないが、マレインイミドの消失した時点を
反応終点とすることができる。
【0015】反応終了後、反応混合物を、濃縮、抽出、
洗浄、結晶化等の通常の操作に付すことにより、一般式
化1で示されるラセミのイミドエステル類を得ること
ができる。ここで得られるイミドエステル類は、Syn
体とAnti体との混合物であり、通常、Syn体が過
剰量得られる。
【0016】かかるSyn体とAnti体との混合物か
ら、例えば、Syn体を単離するためには、例えば、再
結晶操作が用いられる。かかる再結晶の溶媒としては、
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、酢酸エチル、
アセトン、ヘキサン、トルエン、石油エーテル等の単独
または混合物があげられる。その使用量は、通常、2〜
20重量倍の範囲である。
【0017】次に上記で得られた一般式 化1で示され
るラセミのイミドエステル類の不斉加水分解は、通常、
該イミドエステル類の光学異性体のどちらか一方のみを
優先的に加水分解する能力を有するエステラーゼを用い
て不斉加水分解することにより製造することができる。
【0018】尚、本発明におけるエステラーゼとはリパ
ーゼを含む広義のエステラーゼを意味する。この反応で
用いられるエステラーゼを生産する微生物としては、一
般式 化1で示されるラセミのイミドエステル類を不斉
加水分解する能力を有するエステラーゼを生産する微生
物であればよく、特に限定されるものではない。
【0019】このような微生物の具体例としては、たと
えばエンテロバクター属、アルスロバタクー属、ブレビ
オバクテリウム属、シュードモナス属、アルカリゲネス
属、ミクロコッカス属、クロモバクテリウム属、ミクロ
バクテリウム属、コリネバクテリウム属、バシルス属、
ラクトバシルス属、トリコデルマ属、キャンディダ属、
サッカロミセス属、ロドトルラ属、クリプトコッカス
属、トルロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム属、アス
ペルギルス属、リゾプス属、ムコール属、オーレオパシ
ディウム属、アクチノムコール属、ノカルディア属、ス
トレプトミセス属、ハンゼヌラ属、アクロモバクター属
に属する微生物が例示される。
【0020】上記微生物の培養は、通常、常法に従って
行われ、例えば液体培養を行なうことにより培養液を得
ることができる。たとえば、滅菌した液体培地〔かび
類、酵母類用には麦芽エキス・酵母エキス培地(水1l
にペプトン5g、グルコース10g、麦芽エキス3g、
酵母エキス3gを溶解し、pH6.5とする)、細菌用
には加糖ブイヨン培地(水1lにグルコース10g、ペ
プトン5g、肉エキス5g、NaCl3gを溶解し、p
H7.2とする)〕に微生物を接種し、通常20〜40
℃で1〜3日間往復振盪培養をすることにより行なわ
れ、また必要に応じて固体培養を行なってもよい。
【0021】また、これらの微生物起源のエステラーゼ
のなかには市販されているものがあり、容易に入手する
ことができる。市販エステラーゼの具体例としては、た
とえば以下のものが挙げられる。
【0022】シュードモナス属のリパーゼ〔リパーゼP
(天野製薬製)〕、アスペルギルス属のリパーゼ〔リパ
ーゼAP(天野製薬製)〕、ムコール属のリパーゼ〔リ
パーゼM−AP(天野製薬製)〕、キャンディダ・シリ
ンドラッセのリパーゼ〔リパーゼMY(名糖産業
製)〕、アルカリゲネス属のリパーゼ〔リパーゼPL
(名糖産業製)〕、アクロモバクター属のリパーゼ〔リ
パーゼAL(名糖産業製)〕、アルスロバクター属のリ
パーゼ〔リパーゼ合同BSL(合同酒精製)〕、クロモ
バクテリウム属のリパーゼ(東洋醸造製)、リゾプス・
デレマーのリパーゼ(タリパーゼ(田辺製薬製)〕、リ
ゾプス属のリパーゼ〔リパーゼサイケン(大阪細菌研究
所)〕。
【0023】また、動物・植物エステラーゼを用いるこ
ともでき、これらの具体的なエステラーゼとしては、ス
テアプシン、パンクレアチン、ブタ肝臓エステラーゼ、
Wheat Germエステラーゼ等を挙げることができる。
【0024】この反応で用いられるエステラーゼとして
は動物、植物、微生物から得られた酵素が用いられ、そ
の使用形態としては、精製酵素、粗酵素、酵素含有物、
微生物培養液、培養物、菌体、培養ロ液及びそれらを処
理した物など種々の形態で必要に応じて用いることがで
き、酵素と微生物を組合わせて用いることもできる。あ
るいはまた、樹脂等に固定化した固定化酵素、固定化菌
体として用いることもできる。
【0025】不斉加水分解反応は、原料の一般式 化3
で示されるラセミのイミドエステル類と上記酵素もしく
は微生物の混合物を、通常緩衝液中で激しく攪拌するこ
とによって行われる。
【0026】緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナ
トリウム、リン酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、
酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムの如き有機酸塩の
緩衝液等が用いられ、そのpHは、好アルカリ性菌の培
養液やアルカリ性エステラーゼではpH8〜11、好ア
ルカリ性でない微生物の培養液や耐アルカリ性を有しな
いエステラーゼでは、pH5〜8が好ましい。濃度は通
常0.05〜2M、好ましくは0.05〜0.5Mの範
囲である。
【0027】反応温度は通常10〜60℃であり、反応
時間は一般的には0.5〜70時間であるが、これに限
定されることはない。
【0028】また、不斉加水分解の際、緩衝液に加えて
トルエン、クロロホルム、メチルイソブチルケトン、ジ
クロルメタン等の反応に不活性な有機溶媒を使用するこ
ともできる。
【0029】かかる不斉加水分解反応により、原料の一
般式 化1で示されるラセミのイミドエステル類の光学
異性体のいずれか一方のみが加水分解されて、目的の一
般式化 3で示される光学活性なイミドアルデヒド類が
生成し、一方、原料のイミドエステル類のうちの他方の
光学活性体である一般式 化2で示される光学活性なイ
ミドエステル類は加水分解残としてそのまま残存するこ
とになる。
【0030】このような不斉加水分解反応終了後、反応
液をたとえばメチルイソブチルケトン、酢酸エチル、ジ
クロロメタン、クロロホルム等の溶媒により抽出処理
し、有機層から溶媒を留去したのち濃縮残渣をカラムク
ロマトグラフィーで処理する等の方法により不斉加水分
解生成物である光学活性なイミドアルデヒドと不斉加水
分解残である光学活性なイミドエステル類〔原料のイミ
ドエステル類中の光学活性体のうち加水分解されなかっ
たもの〕を分離することができる。
【0031】ここで得られた光学活性なイミドエステル
類は必要に応じて更に加水分解し、先に得た光学活性な
イミドアルデヒドとは対掌体の光学活性なイミドアルデ
ヒドとすることもできる。
【0032】以上の方法により目的とする一般式 化2
で示される光学活性なイミドエステル類および一般式
化3で示される光学活性なイミドアルデヒドを得ること
ができ、必要に応じさらにカラムクロマトグラフィーに
より精製することもできる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、農薬、医薬等の中間体として
有用な化合物および工業的にも有利なその製造法を提供
するものである。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳しく
説明するが本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。
【0035】実施例16−アセトキシ−3−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプ
タン−2,4−ジオン 500mlの光反応器(125W高圧水銀ランプ)にマ
レインイミド(4.3g,44.3ミリモル)、ベンゾ
フェノン(485mg,2.66ミリモル),ビニルア
セテート(4.96g,57.6ミリモル)および塩化
メチレン500mlを仕込み、水冷下66時間攪拌す
る。反応終了後、反応混合物を減圧下に濃縮し、濃縮残
渣を得る。
【0036】この残渣を酢酸エチル:クロロホルム=
1:3の溶液でカラムクロマト精製し、Syn/Ant
iの混合物を結晶として得る。この結晶を冷酢酸エチル
にて洗浄し、さらにエーテルにて再結晶し、Syn体の
6−アセトキシ−3−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプ
タン−2,4−ジオンの白色結晶4.45g(収率55
%)を得る。
【0037】融点 127℃ TLC(酢酸エチル)Rf0.47H NMR(500MHz,CDCl3 ) δ 2.02(3H,s,CH3 CO),2.34〜
2.40(1H,m,C−7−H),3.03〜3.0
6(2H,m,C−1−H,C−7−H),3.68〜
3.71(1H,m,C−5−H),5.32〜5.3
8(1H,m,C−6−H),9.10(1H,s,N
H) 13C NMR(50MHz,CDCl3 ) ppm 20.6(q),32.0(t),34.4
(d),46.3(d),64.0(d),169.8
(s),174.7(s),179.3(s)IR(K
Br)3200,1750,1710cm-1 元素分析:C8 9 4 Nとしての計算値:C,52.46;
H,4.96;N,7.65 分析値:C,52.55;H,4.79;N,7.88
【0038】濾液を濃縮して残渣1.89g得る。Sy
n/Anti=1/1 また、冷酢酸エチル洗浄濾液からは、Anti体が回収
される。Anti体の物性を以下に示す。H NMR(500MHz,CDCl3 ) δ 2.08(3H,s,CH3 CO),2.60〜
2.74(2H,m,C−7−H),3.28〜3.4
6(2H,m,C−1−H,C−5−H),5.13〜
5.20(1H,m,C−6−H),9.22(1H,
s,NH) 13C NMR(50MHz,CDCl3 ) ppm 20.7(q),31.4(t),35.7
(d),48.6(d),69.5(d),169
(s),176.2(s),179.1(s) Syn/Antiの決定は、H NMRにおけるNOE
測定により行った。SynのC−1,6間のNOEは1
0.8%であり、Antiのそれは2.0%であった。
【0039】実施例26−n−ブタノイルオキシ−3−アザビシクロ〔3,
2,0〕ヘプタン−2,4−ジオン 500mlの光反応器(125W高圧水銀ランプ)にマ
レインイミド(4.3g,44.3ミリモル)、ベンゾ
フェノン(484mg,2.66ミリモル),n−酪酸
ビニル(10.32g,88.6ミリモル)および塩化
メチレン500mlを仕込み、室温で96時間攪拌す
る。反応終了後、反応混合物を減圧下に濃縮し、粗生成
物9.11gを得る。
【0040】この粗生成物をカラムクロマト精製する。
(展開溶媒は、ヘキサン:酢酸エチル=2:3の溶液か
ら始め順次酢酸エチルの割合を増加させる。)(dl)
Syn体3.93g(Rf=0.63),(dl)An
ti体2.61g(Rf=0.68)の白色結晶をそれ
ぞれ得る。Syn体の収率:42%,Anti体の収
率:28%それぞれの物性を以下に示す。
【0041】Syn−6−n−ブタノイルオキシ−3−
アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプタン−2,4−ジオン H NMR(500MHz,CDCl3 ) δ 0.94(3H,t,J=7.5Hz,CH3 ),
1.63(2H,m,CH2 ),2.28(2H,d
t,J=7.5,2.5Hz,CH2 ),2.36〜
2.43(1H,m,C7-H−α),3.05〜3.1
2(2H,m,C1-H,C7-H−β),3.71〜3.
75(1H,m,C5-H),5.37〜5.42(1
H,m,C6-H) 13C NMR(125MHz,CDCl3 ) ppm 13.6(q),18.0(t),32.1
(t),34.5(t),35.7(d),45.3
(d),63.7(d),172.4(s),174.
5(s),179.1(s) IR(KBr)3210,1773,1741,170
8cm-1 融点:104.0〜104.5℃
【0042】Anti−6−n−ブタノイルオキシ−3
−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプタン−2,4−ジオ
H NMR(500MHz,CDCl3 ) δ 0.90(3H,t,J=7.5Hz,CH3 ),
1.57〜1.62(2H,m,CH2 ),2.26
(2H,t,J=7.5Hz,CH2 ),2.51〜
2.59(1H,m),2.67〜2.72(1H,
m),3.28〜3.32(1H,m),3.37〜
3.39(1H,m),5.11〜5.14(1H,
m) 13C NMR(125MHz,CDCl3 ) ppm 13.4(q),17.9(t),31.3
(t),35.6(t),35.6(d),48.6
(d),69.3(d),172.3(s),176.
5(s),179.4(s) IR(KBr)3250,1775,1720cm-1
【0043】実施例3 6−アセトキシ−3−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプ
タン−2,4−ジオン(Syn体)3.40g(14.
1ミリモル)、リパーゼ(アマノA−12)3.02g
およびpH7.2リン酸緩衝液(100ml)の混合溶
液を30℃にて5時間攪拌した。GCにより反応をチェ
ックしたところイミドエステル類とイミドアルデヒドの
組成は1:1であった。 反応後、チオ硫酸ナトリウム
を飽和するまで加え、次いで、酢酸エチル100mlさ
らにジクロロメタン100mlにて抽出し、有機層を合
わせて濃縮する。白色の粉末結晶の(−)−6−アセト
キシ−3−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプタン−2,
4−ジオン418mgを得る。 〔α〕D 28=−134.2°(C 1.82,CHCl
3 ) 融点:82.3〜83℃ H NMR,13C NMRおよびIRのデータはラセ
ミ体と同一である。
【0044】実施例4 6−アセトキシ−3−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘプ
タン−2,4−ジオン260mg(1.42ミリモ
ル)、リパーゼ(アマノA−12)200mgおよびp
H7.2リン酸緩衝液(30ml)の混合溶液を25℃
にて16時間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチ
ル30mlにて3回抽出し、有機層を合わせて濃縮し、
157mgの残渣を得る。次に、分取用薄層クロマトグ
ラフィー(酢酸エチル溶媒)にて精製し、白色結晶の
(−)−6−アセトキシ−3−アザビシクロ〔3,2,
0〕ヘプタン−2,4−ジオン66mg(Rf 0.3
6)を得た。イミドアルデヒド体の物性を以下に示す。
【0045】H NMR(500MHz,CDCl3 ) δ 2.44(1H,dd),2.94〜3.17(4
H,m),8.60(1s,NH),9.78(1H,
s,CHO) 13C NMR(50MHz,CDCl3 ) ppm 35.6(t),35.7(t),43.8
(d),179.2(s),198.6(s) IR(neat)3450,3250,1780,17
00cm-1 元素分析:C6 7 3 Nとしての計算値:C,51.07;
H,4.00;N,9.92 分析値:C,51.10;H,4.04;N,9.82
【0046】実施例3 6−ブタノイルオキシ−3−アザビシクロ〔3,2,
0〕ヘプタン−2,4−ジオン(Syn体)200mg
(0.95ミリモル)、リパーゼ(アマノA−12)2
00mgおよびpH7.2リン酸緩衝液(10ml)の
混合溶液を32℃にて6.5時間攪拌する。 反応後、
亜硫酸水素ナトリウムを過剰に加え、30分間攪拌す
る。次いで過剰量の亜硫酸水素ナトリウムを吸引濾過に
より除く。濾液を100mlのクロロホルムで5回抽出
し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、(−)−6−
ブタノイルオキシ−3−アザビシクロ〔3,2,0〕ヘ
プタン−2,4−ジオン(Syn体)51mgを得る。
【0047】融点:104.2〜105.4℃ 〔α〕D 20=−62.7°(C 1.5 ,CHC
3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−141468(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 207/40 C07D 209/52 C12P 17/10 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 化1 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で示されるラセ
    ミのイミドエステル類を、該イミドエステル類の光学異
    性体の一方のみを選択的に加水分解する能力を有するエ
    ステラーゼを作用させ不斉加水分解させることを特徴と
    する一般式 化2 (式中、Rは低級アルキル基を示し、*印は不斉炭素原
    子を表わす。)で示される光学活性なイミドエステル類
    および一般式 化3 (式中、*印は不斉炭素原子を表わす。)で示される光
    学活性なイミドアルデヒドの製造法。
  2. 【請求項2】一般式 化1で示されるラセミのイミドエ
    ステル類を、マレインイミドと一般式 化4 CH=CHOCOR (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で示されるビニ
    ルアルコールエステルとを付加反応させることにより得
    ることを特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】一般式 化1 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で示されるラセ
    ミのイミドエステル類。
  4. 【請求項4】一般式 化2 (式中、Rは低級アルキル基を示し、*印は不斉炭素原
    子を表わす。)で示される光学活性なイミドエステル
    類。
  5. 【請求項5】一般式 化3 (式中、*印は不斉炭素原子を表わす。)で示される光
    学活性なイミドアルデヒド。
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