JPH04267890A - (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法 - Google Patents

(r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法

Info

Publication number
JPH04267890A
JPH04267890A JP2631891A JP2631891A JPH04267890A JP H04267890 A JPH04267890 A JP H04267890A JP 2631891 A JP2631891 A JP 2631891A JP 2631891 A JP2631891 A JP 2631891A JP H04267890 A JPH04267890 A JP H04267890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
derivative
formula
esterase
oxy
benzene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2631891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3010382B2 (ja
Inventor
Akihiko Miyadera
宮寺 彰彦
Akihiro Imura
明弘 井村
Hideki Arifusa
有房 秀樹
Yoshiichi Kimura
芳一 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ihara Chemical Industry Co Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ihara Chemical Industry Co Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ihara Chemical Industry Co Ltd, Daiichi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Ihara Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP3026318A priority Critical patent/JP3010382B2/ja
Publication of JPH04267890A publication Critical patent/JPH04267890A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3010382B2 publication Critical patent/JP3010382B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性化合物の製造中
間体として有用な光学活性化合物、(R)−2−置換プ
ロポキシベンセン誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】オフロキサシンは強い抗菌力と広い抗菌
スペクトルを有し、合成抗菌剤として繁用されている。 一方、特開昭62−252790 号公報に記載された
ピリドベンゾオキサジン誘導体は、オフロキサシンの光
学分割体であり、(S)の絶対配位を持ち、ラセミ体に
比べて高い抗菌活性を示すことが知られている。この光
学活性ピリドベンゾオキサジン誘導体を合成するには、
中間体として(R)−2,3−ジハロゲノ−6−ニトロ
−[ (2−ヒドロキシプロピル)オキシ] ベンゼン
誘導体(1b)を経由する方法が知られており、その製
法としては特開平2−732 号公報に下記反応式によ
る方法が提案されている。
【化8】 〔式中、R’は、水酸基の保護基を示す〕
【0003】
ところが、この方法は、原料として光学活性な(R)−
1,2−プロパンジオール誘導体(2b)を使用するも
のであり、以下の問題点があった。 (1)不斉源である非天然型D−乳酸の高光学純度品を
、安定して、安価に調達することが難しい。 (2)非天然型D−乳酸から、化合物(2b)への多段
階合成工程で、光学純度の低下がおこる。 (3)上記工程は、水素化アルミニウムリチウム−エー
テル溶液を使用する等、工業的な方法ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、原料
として(R)−1,2−プロパンジオール誘導体(2b
)を使用せず、工業的に(R)−2,3−ジハロゲノ−
6−ニトロ− [(2−ヒドロキシプロピル)オキシ 
]ベンゼン誘導体(1b)を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い光学
純度を持つ(R)−2−ヒドロキシプロポキシベンゼン
誘導体(1b)を製造する方法について鋭意研究した結
果、エステラーゼを用いる不斉アシル化、加水分解によ
り、常温常圧で高い光学純度を持つ(R)−2,3−ジ
ハロゲノ−6−ニトロ−[ (2−ヒドロキシプロピル
)オキシ ]ベンゼン誘導体(1b)が高収率で製造で
きることを見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明の反応は次の反応式によって表され
る。
【化9】 〔式中、X1 及びX2 は同一又は異なってハロゲン
原子を示し、基−OC(O)R1 は有機アシル基を示
す〕すなわち、本発明は(±)−2−ヒドロキシプロポ
キシベンゼン誘導体(1a)に、エステラーゼの存在下
、有機カルボン酸類を反応させることを特徴とする(R
)−2−アシルオキシプロポキシベンゼン誘導体(3b
)の製造方法〔(a)の方法という〕;(±)−2−ア
シルオキシプロポキシベンゼン誘導体(3a)又は(R
)−2−アシルオキシプロポキシベンゼン誘導体(3b
)をエステラーゼの存在下、加水分解することを特徴と
する(R)−2−ヒドロキシプロポキシベンゼン誘導体
(1b)の製造方法〔(b)の方法という〕;並びに(
±)−2−ヒドロキシプロポキシベンゼン誘導体(1a
)に、エステラーゼの存在下、有機カルボン酸類を反応
させ、次いで得られた(R)−2−アシルオキシプロポ
キシベンゼン誘導体(3b)をエステラーゼの存在下、
加水分解することを特徴とする(R)−2−ヒドロキシ
プロポキシベンゼン誘導体(1b)の製造方法〔(c)
の方法という〕を提供するものである。
【0007】本発明において原料として用いられる化合
物(1a)は、例えば3−(2,3−ジハロゲノ−6−
ニトロフェニル)オキシ−2−プロパノンを還元する方
法、特開平1−250369号公報記載の方法等により
容易に製造することができる。以下、各々の方法につい
て説明する。
【0008】(a)の方法:本方法は水が多量に存在し
ない条件下、あるいは水を系外に除去しつつ実施するの
が好ましく、特に有機溶媒中で実施するのが好ましい。 用いられる有機溶媒としては、例えば低級ケトン類、エ
ーテル類、ハロゲン化炭化水素類、低級炭化水素類、脂
環式炭化水素類、芳香族炭化水素類が使用される。具体
的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、クロロホルム、ヘキサン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はこれら
溶媒類を必要に応じ混合した混合溶媒類を用いることが
できる。高収率で目的物を得るためにはエーテル系溶媒
を用いるのが特に好ましい。また、溶媒量は化合物(1
a)基準で0〜500倍重量、特に1〜100倍重量と
なるようにするのが好ましい。
【0009】アシル化剤として用いる有機カルボン酸類
としては、特に制限されないが、原料入手の容易性等か
ら置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の脂肪酸類
が好ましく、より好ましくは脂肪酸エステル化合物、脂
肪酸無水物、脂肪酸アミドが用いられる。より具体的に
は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、ヘキサン酸
メチル、ヘキサン酸プロピル、無水酢酸、無水プロピオ
ン酸、酢酸アミド等を挙げることができる。
【0010】本発明におけるエステラーゼとはリパーゼ
を含む広義のエステラーゼを意味する。また本発明の不
斉アシル化、加水分解等に用いられるエステラーゼとし
ては、特に限定されるものではなく、微生物が生産する
エステラーゼあるいは動物、植物由来のエステラーゼを
挙げることができる。また、これらの微生物起源のエス
テラーゼのなかには市販されているものがあり、容易に
入手することができる。市販エステラーゼの具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。シュードモナス
属のリパーゼ〔リパーゼP(天野製薬製)〕、アスペル
ギルス属のリパーゼ〔リパーゼAP(天野製薬製)〕、
ムコール属のリパーゼ〔リパーゼM−AP(天野製薬製
)〕、キャンディダ・シリンドラッセのリパーゼ〔リパ
ーゼMY(名糖産業製)〕、アルカリゲネス属のリパー
ゼ〔リパーゼPL(名糖産業製)〕、アクロモバクター
属のリパーゼ〔リパーゼAL(名糖産業製)〕、アルス
ロバクター属のリパーゼ〔リパーゼ合同BSL(合同酒
精製)〕、クロモバクテリウム属のリパーゼ(東洋醸造
製)、リゾプス・デレマーのリパーゼ〔パリパーゼ(田
辺製薬製)〕、リゾプス属のリパーゼ〔リパーゼサイケ
ン(大阪細菌研究所)〕、その他リパーゼ(長瀬産業製
)、リパーゼL(天野製薬製)、リパーゼCE5(天野
製薬製)、パンクレアチンF(天野製薬製)。また、本
発明におけるエステラーゼの使用形態としては、精製酵
素、粗酵素、酵素含有物、微生物培養液、培養物、菌体
、培養ろ液およびそれらを処理したもの等をそのまま用
いてもよいし、ダウエックス、アンバーライト等のイオ
ン交換樹脂、オイパーギット、ブロムシアン活性化セフ
ァデックス、セライト等の適当な固定化担体に固定化し
たものを用いてもよい。
【0011】更に、化合物(1a)、有機カルボン酸類
、エステラーゼのモル比に関しては、有機カルボン酸類
は、化合物(1a)基準で0.5 〜1000モル当量
、より好ましくは、10〜300モル当量を用いればよ
く、またエステラーゼは、そのエステラーゼの比活性に
もよるが、化合物(1a)基準で0.001 〜100
倍、より好ましくは0.01〜10倍の重量となるよう
に加えればよい。 また、反応温度は、−20℃〜100℃、特に20℃〜
50℃とするのが好ましい。
【0012】得られた化合物(3b)の絶対配置は、用
いたエステラーゼの起源によるが、リパーゼPを用いた
場合にはR体のみである。一方、アシル化を受けなかっ
たS体の化合物も反応系内には存在するが、目的とする
化合物と未反応の化合物は、カラムクロマトグラフィー
、蒸留等、通常の方法で容易に分離、精製することがで
きる。得られたR体は、常法により化学的に脱アシル化
し、化合物(1b)へ導くことができる。
【0013】(b)の方法:この方法は、化合物(3a
)、(a)の方法で得られる化合物(3b)又は別法に
より調製した化合物(3b)を原料とし、加水分解し高
い光学純度を持つ化合物(1b)を合成する方法である
。上記化合物(3b)の由来は、特に問わないが、光学
純度が実際的に光学活性体と呼べる程度、すなわち50
%e.e.以上であれば良い。但しこれは、50%e.
e.以下の光学純度の化合物(3b)に対する、本法の
適用を何ら制限するものではない。なお、R1 がプロ
ピル基又はブチル基である化合物(3b)を原料として
用いた場合、化合物(1b)の光学純度が高くなるため
、特に好ましい。
【0014】この方法で用いる溶媒としては、水、およ
びリン酸バッファ、クエン酸バッファ、コハク酸バッフ
ァ、グリシンバッファ、いわゆるGoodのバッファと
して知られるバッファ等の、生化学的に通常用いられて
いるバッファ系でよく、そのバッファのイオン強度濃度
としては、0〜500mM、より好ましくは50〜20
0mM、pHについては3〜11、より好ましくは5〜
9の範囲であればよい。また溶媒は、基質重量に対し、
1〜1000倍、より好ましくは10〜100倍の重量
となるように用いればよい。このとき、メタノール、エ
タノール等の低級アルコール類、アセトン、アセトニト
リル等の水と混和する有機溶媒、DMF、DMSO、D
MI等の非プロトン性極性溶媒を溶媒量の1/20容量
程度まで加えると、反応速度増大に有効なことがある。
【0015】またエステラーゼに関しては、上記アシル
化反応(a)で使用したものと同様である。更に、化合
物(3b)と、エステラーゼのモル比は、そのエステラ
ーゼの比活性にもよるが、化合物(3b)基準で0.0
01 〜100倍、より好ましくは0.01〜10倍の
重量となるように加えればよい。また反応温度は、−2
0℃〜100℃、特に20℃〜50℃が好ましい。
【0016】得られる化合物(1b)の絶対配置は、用
いたエステラーゼの起源によるが、リパーゼPを用いた
場合には、R体のみが得られる。一方、加水分解を受け
なかった、S体の化合物も反応系内には存在するが、目
的とする化合物と、未反応のS体の化合物とは、カラム
クロマトグラフィー、蒸留等の通常の方法で分離・精製
する事が出来る。
【0017】(c)の方法:化合物(1a)を(a)の
方法に準じてエステラーゼの存在下、アシル化し高光学
純度の化合物(3b)を得、更に化合物(3b)を(b
)の方法に準じてエステラーゼにより加水分解すれば著
しく光学純度の高い化合物(1b)が得られる。エステ
ラーゼとして、リパーゼPを用いた場合、得られる生成
物の絶対配置はR配置である。また、このようにして得
られた化合物(1b)を、常法によりアシル化すれば容
易に化合物(3b)を得ることが出来る。
【0018】
【発明の効果】本発明は、(R)−2,3−ジハロゲノ
−6−ニトロ−[ (2−ヒドロキシプロピル)オキシ
 ]ベンゼン誘導体(1b)又は(R)−2,3−ジハ
ロゲノ−6−ニトロ−[ (2−アシルオキシプロピル
)オキシ ]ベンゼン誘導体(3b)を製造する工程に
おいて、エステラーゼによる不斉アシル化、あるいは加
水分解反応を利用し、常温、常圧の穏やかな条件下、光
学活性な原料を用いることなく、高純度の光学活性な目
的物を得ることを特徴とし、従来の化学合成的手法の様
に、高価な光学活性原料を用い、ドラスチックな条件の
多段階工程を経て目的物に導く際に発生する光学純度の
低下等の問題点を回避しうるものである。
【0019】
【実施例】以下実施例及び参考例により本発明を具体的
に説明する。 1)光学純度の測定(HPLC全面積法)使用カラム:
Ciralcel OD (ダイセル化学工業製)溶出
条件  :エタノール100%   1.0ml/mi
n 検出条件  :UV  254nm なお、光学純度測定に際し、化合物は全て乾燥テトラヒ
ドロフラン/ピリジン中、3,5−ジニトロベンゾイル
クロリドにて60℃、1時間、前処理して3,5−ジニ
トロベンゾイル誘導体として分析した。また、(3b)
については、本前処理に先立って、メタノールと1規定
塩酸の等量混合液中、70℃、3時間処理し、化学的に
脱アセチル化したものについて光学純度を測定した。
【0020】参考例1 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(±)−1
a:X1 =X2 =F〕 3−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェニル)オキ
シ−2−プロパノン4.62g(20mmol)をメタ
ノール50mlに溶解し、これに水10mlを加えた。 氷冷下、攪拌しながら、1規定塩酸10mlを加えた後
、水素化ホウ素ナトリウム200mg(5.29mmo
l)を2mlの水に溶解した溶液を滴下した。この塩酸
と水素化ホウ素ナトリウム液を加える操作を、2時間か
けて5回繰り返した。反応後、クロロホルムで抽出し、
クロロホルム層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得た残渣をカラムクロマトグラフィ
ーに付し、(±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−
[ (2−ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン4
.53g(収率97%)を得た。このものを常法により
p−トルエンスルホン酸エステル誘導体としたところ融
点68℃〜70℃で、特開平1−250369号公報記
載の文献値と一致した。
【0021】実施例1 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(±)−1
a:X1 =X2 =F〕から(R)−2,3−ジフル
オロ−6−ニトロ−[ (2−アセトキシプロピル)オ
キシ ]ベンゼン〔(R)−3b:X1 =X2 =F
,R1 =CH3 〕への変換 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン400mg(
1.72mmol)を、イソプロピルエーテルと酢酸ビ
ニルモノマーを容量比1:1に混合した液の2mlに溶
解したのち、リパーゼP200mgを粉末状のまま加え
、室温にて4時間攪拌した。この間、リパーゼは溶解せ
ず懸濁状であった。 反応終了後リパーゼを0.45ミクロンのメンブランフ
ィルターにて濾去し、得られた濾過液を濃縮した。ここ
で得た油状物にイソプロピルエーテル10mlを加え、
濃縮する操作を3回、酢酸エチル10mlを加えて濃縮
する操作を1回行った。ここで得た油状物をカラムクロ
マトグラフィーに付し、(R)−2,3−ジフルオロ−
6−ニトロ−[ (2−アセトキシプロピル)オキシ 
]ベンゼン190mg(収率  対理論  80%)を
得た。光学純度は94.0%e.e.であった。このも
のを、光学純度測定の項で記載した方法で脱アセチル化
したのち、p−トルエンスルホン酸エステル誘導体とし
たものの融点は文献値のそれと一致した。
【0022】参考例2 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
アセトキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(±)−3
a:X1 =X2 =F,R1 =CH3 〕(±)−
2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−ヒドロキ
シプロピル)オキシ ]ベンゼン500g(2.15m
mol)を、ピリジン1.5ml に溶解後、氷冷下、
攪拌しながら無水酢酸1.5ml を滴下した。その後
、室温にて一夜、攪拌を続けた。反応液を氷水中に注ぎ
クロロホルムにて抽出した。クロロホルム層を、1規定
塩酸、水にて順次洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムに
て乾燥した。溶媒を留去し、(±)−2,3−ジフルオ
ロ−6−ニトロ−[ (2−アセトキシプロピル)オキ
シ ]ベンゼン400mg(68%)を得た。
【0023】実施例2 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
アセトキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(±)−3
a:X1 =X2 =F,R1 =CH3 〕より(R
)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−ヒド
ロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(R)−1b:
X1 =X2 =F〕への変換 参考例2で得た、(±)−2,3−ジフルオロ−6−ニ
トロ−[ (2−アセトキシプロピル)オキシ ]ベン
ゼン400mg(1.451mmol )に、100m
Mリン酸一カリウム/リン酸二ナトリウム緩衝液pH7
.0 を2ml、リパーゼP100mgを加え、室温で
5時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加えて抽出後
、クロロホルム層を水洗し、無水硫酸ナトリウム乾燥後
濃縮して得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付
し精製し、(R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−
[ (2−ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼンを
130mg(収率  対理論  76%)得た。光学純
度は、93.2%e.e.であった。このものを常法に
よりp−トルエンスルホン酸エステル誘導体としたもの
の融点は文献値のそれと一致した。
【0024】実施例3 (R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(R)−1
b:X1 =X2 =F〕の合成 実施例1と同様の方法によって、4.53gの(±)−
2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−ヒドロキ
シプロピル)オキシ ]ベンゼンを、不斉アシル化し、
(R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
アセトキシプロピル)オキシ ]ベンゼンを、2.46
g、96.6%e.e.で得た。このものを、実施例2
の方法に準じて、100mMリン酸一カリウム/リン酸
二ナトリウム緩衝液pH7.0 の150mlに、20
mlのアセトンを加えた反応溶媒中、リパーゼP2.5
 gで、室温で6時間処理し、(R)−2,3−ジフル
オロ−6−ニトロ−[ (2−ヒドロキシプロピル)オ
キシ ]ベンゼン1.49g(収率  対理論  66
%)を得た。光学純度は99.6%e.e.であった。 この様に(1a)より(3b)を経て(1b)へ至る方
法は、上記のように光学純度が99.6%e.e.と驚
くべき高純度で得られたものである。
【0025】実施例4 (R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(R)−1
b:X1 =X2 =F〕の合成 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
アセトキシプロピル)オキシ ]ベンゼン1gを10%
メタノールを含有する100mMクエン酸緩衝液pH7
、100mlに加え、パンクレアチンF(天野製薬)1
0gにて30℃、13時間処理した。反応液を高速液体
クロマトグラフィーにて分析したところ、反応率は98
%(対理論)、光学純度は99.8%e.e.であった
。 反応終了液を実施例2と同様に精製することにより、(
R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−ヒ
ドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン387mg(収
率  対理論  92%)を得た。光学純度は99.8
%e.e.であった。
【0026】実施例5 (R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(R)−1
b:X1 =X2 =F〕の合成 (±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ブチリルオキシプロピル)オキシ ]ベンゼン1gを1
0%メタノールを含有する100mMクエン酸緩衝液1
00mlに加え、リパーゼM−AP(天野製薬)1gに
て30℃、13時間処理した。反応液を高速液体クロマ
トグラフィーにて分析したところ、反応率は99%(対
理論)、光学純度は99.8%e.e.であった。 反応終了液を実施例2と同様に精製することにより、(
R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−ヒ
ドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン360mg(収
率  対理論  94%)を得た。光学純度は99.8
%e.e.であった。
【0027】実施例6 (R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(R)−1
b:X1 =X2 =F〕の合成 実施例4の(±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−
[ (2−アセトキシプロピル)オキシ ]ベンゼンの
代わりに(±)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[
 (2−バレリルオキシプロピル)オキシ ]ベンゼン
を使用し、実施例4と同様に反応を行い、高速液体クロ
マトグラフィーにて分析したところ、反応率は99%(
対理論)、光学純度は99.8%e.e.であった。 反応終了液を実施例2と同様に精製することにより、(
R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−ヒ
ドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン340mg(収
率  対理論  93%)を得た。光学純度は99.8
%e.e.であった。
【0028】実施例7 (R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2−
ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼン〔(R)−1
b:X1 =X2 =F〕の合成 実施例5のリパーゼM−APの代わりに表1に示した酵
素を使用し実施例5と同様に反応した。反応液に生成し
た(R)−2,3−ジフルオロ−6−ニトロ−[ (2
−ヒドロキシプロピル)オキシ ]ベンゼンを高速液体
クロマトグラフィーにて分析して表1の結果を得た。
【0029】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  次の一般式 【化1】 〔式中、X1 及びX2 は同一又は異なってハロゲン
    原子を示す〕で表される(±)−2−ヒドロキシプロポ
    キシベンゼン誘導体(1a)に、エステラーゼの存在下
    、有機カルボン酸類を反応させることを特徴とする、次
    の一般式 【化2】 〔式中、基−C(O)R1 は有機アシル基を示し、X
    1 及びX2 は前記と同意である〕で表される(R)
    −2−アシルオキシプロポキシベンゼン誘導体(3b)
    の製造方法。
  2. 【請求項2】  次の一般式 【化3】 〔式中、X1 及びX2 は同一又は異なってハロゲン
    原子を、基−C(O)R1 は有機アシル基を示す〕で
    表される(±)−2−アシルオキシプロポキシベンゼン
    誘導体(3a)又は(R)−2−アシルオキシプロポキ
    シベンゼン誘導体(3b)をエステラーゼの存在下、加
    水分解することを特徴とする、次の一般式 【化4】 〔式中、X1 及びX2 は前記と同意である〕で表さ
    れる(R)−2−ヒドロキシプロポキシベンゼン誘導体
    (1b)の製造方法。
  3. 【請求項3】  次の一般式 【化5】 〔式中、X1 及びX2 は同一又は異なってハロゲン
    原子を示す〕で表される(±)−2−ヒドロキシプロポ
    キシベンゼン誘導体(1a)に、エステラーゼの存在下
    、有機カルボン酸類を反応させ、次いで得られた次の一
    般式【化6】 〔式中、基−C(O)R1  は有機アシル基を示し、
    X1 及びX2 は前記と同意である〕で表される(R
    )−2−アシルオキシプロポキシベンゼン誘導体(3b
    )をエステラーゼの存在下、加水分解することを特徴と
    する、次の一般式 【化7】 〔式中、X1 及びX2 は前記と同意である〕で表さ
    れる(R)−2−ヒドロキシプロポキシベンゼン誘導体
    (1b)の製造方法。
JP3026318A 1991-02-20 1991-02-20 (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法 Expired - Fee Related JP3010382B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3026318A JP3010382B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-20 (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3026318A JP3010382B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-20 (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04267890A true JPH04267890A (ja) 1992-09-24
JP3010382B2 JP3010382B2 (ja) 2000-02-21

Family

ID=12190045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3026318A Expired - Fee Related JP3010382B2 (ja) 1991-02-20 1991-02-20 (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3010382B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002079485A1 (fr) * 2001-03-29 2002-10-10 Kaneka Corporation Procede de production de derive de (r)-2-hydroxy-1-phenoxypropane avec prevention de la formation de produits secondaires de transfert

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002079485A1 (fr) * 2001-03-29 2002-10-10 Kaneka Corporation Procede de production de derive de (r)-2-hydroxy-1-phenoxypropane avec prevention de la formation de produits secondaires de transfert

Also Published As

Publication number Publication date
JP3010382B2 (ja) 2000-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000515371A (ja) N―アシルアゼチジン―2―カルボン酸の生物学的分割
EP0512848B1 (en) Enzymatic resolution of alpha-tertiary carboxylic acid esters
JPH04267890A (ja) (r)−2−プロポキシベンゼン誘導体の製造法
JP2687789B2 (ja) 光学活性3−フェニルグリシッド酸エステル類化合物の製法
EP0474250A2 (en) Enzymatic process for separating the optical isomers of racemic 1,2-diols
JPH06256278A (ja) 光学活性α−カルバモイルアルカン酸誘導体およびその製法
JPH01281098A (ja) 光学活性カルボン酸及び光学活性カルボン酸エステルの製造方法
US5637500A (en) Process for preparing optically active alpha-hydroxyalkene derivatives
US5702928A (en) Process for producing optically active triazole compounds and method of racemizing optically active triazole compounds
JP3206011B2 (ja) イミド誘導体およびその製造法
JPH04228092A (ja) 光学活性な2級アルコール化合物の製造方法
JPH0573396B2 (ja)
JP3218772B2 (ja) アセチレンアルコール類の製造法
JPS63293A (ja) 光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンの製造方法
JPH03254695A (ja) 光学活性アミノプロパンジオール誘導体及びその対掌体エステルの製造方法
JP3203865B2 (ja) アセチレンアルコール化合物の製造法
JP2526625B2 (ja) 光学活性な1−フェニルエタノ―ル誘導体およびその製造法
JP3007461B2 (ja) 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法
JP3545442B2 (ja) 光学活性4−(2−ハロ−1−ヒドロキシエチル)−2−トリフルオロメチルチアゾールの製造方法
JPH08119958A (ja) 光学活性クロマン化合物の製造方法
JPH01247100A (ja) 光学活性カルボン酸誘導体の製造方法
JP3970898B2 (ja) 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法
JPS6363396A (ja) d−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造方法
JPH07194392A (ja) 光学活性2−(4−ヒドロキシ)フェニルプロピオン酸誘導体及びそのエステルの製造方法
JPH0560919B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081210

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081210

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081210

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees