JP2526625B2 - 光学活性な1−フェニルエタノ―ル誘導体およびその製造法 - Google Patents

光学活性な1−フェニルエタノ―ル誘導体およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、一般式(I) (式中、Rは水素原子またはアセチル基を示し、Rは水
素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基またはハ
ロゲン原子を示す。※印は不斉炭素であることを示
す。) で示される光学活性な1−フェニルエタノール誘導体お
よびその製造法に関する。
<従来の技術> 上記一般式(I)で示される1−フェニルエタノール
誘導体は文献未記載の新規化合物であり、従来よりその
製法については勿論のこと、化合物としての有用性等に
ついても全く知られていない。
<発明が解決すべき課題> 前記一般式(I)で示される1−フェニルエタノール
誘導体は、医薬、農薬等の中間体としても有用である
が、特に有機電子材料とりわけ液晶化合物の中間体とし
て非常に有用である。
たとえば、該1−フェニルエタノール誘導体は、代表
的には次式に示されるような方法により液晶化合物へ導
くことができ、該化合物は強誘電性液晶として非常に優
れている。
<課題を解決するための手段> 本発明は、このような新規にしてかつ有用な前記一般
式(I)で示される1−フェニルエタノール誘導体を提
供するものである。
かかる一般式(I)で示される1−フェニルエタノー
ル誘導体は、一般式(II) (式中、R′は前記と同じ意味を有する。) で示されるdl−エステル類を、該エステル類の鏡像体の
いずれか一方を加水分解する能力を有するエステラーゼ
を用いて不斉加水分解することにより製造することがで
きる。
この反応は、原料であるdl−エステル類(II)の光学
活性体のうちのいずれか一方を加水分解する能力を有す
るエステラーゼを用いて、該エステル類の光学活性体の
一方を加水分解する(不斉加水分解)ことにより行われ
る。
この反応で用いられるエステラーゼを生産する微生物
としては、エステル類(II)を不斉加水分解する能力を
有するエステラーゼを生産する微生物であればよく、特
に限定されるものではない。
尚、本発明におけるエステラーゼとはリパーゼを含む
広義のエステラーゼを意味する。
このような微生物の具体例としては、たとえばエンテ
ロバクター属、アルスロバクター属、プレビバクテリウ
ム属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、ミクロコ
ッカス属、クロモバクテリウム属、ミクロバクテリウム
属、コリネバクテリウム属、パシルス属、ラクトバシル
ス属、トリコデルマ属、キャンディダ属、サッカロミセ
ス属、ロドトルラ属、クリプトコッカス属、トルロプシ
マ属、ピヒア属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、
リゾプス属、ムコール属、オーレオバシデイウム属、ア
クチノムコール属、ノカルデイア属、ストレプトミセス
属、ハンゼヌラ属、アクロモバクター属に属する微生物
が例示される。
上記微生物の培養は、通常、常法に従って行われ、た
とえば液体培養を行うことにより培養液を得ることがで
きる。
たとえば滅菌した液体培地[かび類、酵母類用には麦
芽エキス・酵母エキス培地(水1にペプトン5g、グリ
コース10g、麦芽エキス3g、酵母エキス3gを溶解し、pH
6.5とする)、細菌用には加糖ブイヨン培地(水1に
ペプトン5g、グルコース10g、肉エキス5g、NaCl3gを溶
解し、pH7.2とする)]に微生物を接種し、通常30〜40
℃で1〜3日間往復震盪培養をすることにより行なわ
れ、また必要に応じて固体培養を行ってもよい。
また、これらの微生物起源のエステラーゼのなかには
市販されているものがあり、容易に入手することができ
る。市販エステラーゼの具体例としては、たとえば以下
のものが挙げられる。
シュードモナス属のリパーゼ[リパーゼP(天野製薬
製)]、アスペルギルス属のリパーゼ[リパーゼAP(天
野製薬製)]、ムコール属のリパーゼ[リパーゼMAP
(天野製薬製)]、キャンディダ・シリンドラッセのリ
パーゼMY(名糖産業製)]、アルカリゲネス属のリパー
ゼ[リパーゼPL(名糖産業製)]、アクロモバクター属
のリパーゼ[リパーゼAL(名糖産業製)]、アルスロバ
クター属のリパーゼ[リパーゼ合同BSL(合同酒精
製)]、クロモバクテリウム属のリパーゼ(東洋醸造
製)、リゾプス・デレマー属のリパーゼ[タリパーゼ
(田辺製薬製)]、リゾプス属のリパーゼ[リパーゼサ
ロケン(大阪細菌研究所)]。
また、動物・植物エステラーゼを用いることもでき、
これらの具体的なエステラーゼとしては、以下のものを
挙げることができる。
ステアプシン、パンクレアチン、ブタ肝臓エステラー
ゼ、Wheat Germエステラーゼ。
この反応で用いられるエステラーゼとしては動物、植
物、微生物から得られた酵素が用いられ、その使用形態
としては精製酵素、粗酵素、酵素含有物、微生物培養
液、培養物、菌体、培養ロ液およびそれらを処理した物
など種々の形態で必要に応じて用いることができ、酵素
と微生物を組み合わせて用いることもできる。あるいは
また、樹脂等に固定化した固定化酵素、固定化菌体とし
て用いることもできる。
不斉加水分解反応は、原料dl−エステル類(II)と上
記酵素もしくは微生物の混合物を、通常緩衝液中で激し
く攪拌することによって行われる。
緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナトリウム、
リン酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウムの如き有機酸塩の緩衝液等が
用いられ、そのpHは、好アルカリ性菌の培養液やアルカ
リ性エステラーゼではpH8〜11、好アルカリ性でない微
生物の培養液や耐アルカリ性を有しないエステラーゼで
はpH5〜8が好ましい。濃度は通常0.05〜2M、好ましく
は0.05〜0.5Mの範囲である。
反応温度は通常10〜60℃であり、反応時間は一般的に
は3〜70時間であるが、これに限定されることはない。
かかる反応により、原料dl−エステル類(II)の光学
活性体のいずれか一方が加水分解されて、一般式(I)
において置換基Rが水素原子である光学活性な1−フェ
ニルエタノール誘導体が加水分解生成物として生成し、
一方、原料化合物のうちの他方の光学活性体である置換
基Rがアセチル基である光学活性な1−フェニルエタノ
ール誘導体は加水分解残としてそのまま残存することに
なり、結局、本発明方法においては加水分解生成物およ
び加水分解残として上記二種の光学活性な化合物が同時
に得られることになる。
尚、不斉加水分解反応の際、緩衝液に加えてトルエ
ン、クロロホルム、メチルイソブチルケトン、ジクロル
メタン等の反応に不活性な有機溶媒を使用することもで
き、これらを使用することによって不斉水解を有利に行
うこともできる。
このような加水分解反応終了後、加水分解反応液をた
とえばメチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチルエ
ーテル等の溶媒により抽出処理し、有機層から溶媒を留
去したのち濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで処理
する等の方法により加水分解性成物である置換基Rが水
素原子の光学活性な1−フェニルエタノール誘導体と加
水分解残である置換基Rがアセチル基の光学活性1−フ
ェニルエタノール誘導体を分離することができる。
ここで得られた置換基Rがアセチル基である光学活性
な1−フェニルエタノール誘導体は、必要に応じて更に
加水分解し、先に得た置換基Rが水素原子である光学活
性な1−フェニルエタノール誘導体とは対掌体の光学活
性なアルコール類とすることもできる。
なお、この不斉水解反応でリパーゼとしてシュードモ
ナス属あるいはアルスロバクター属に属するリパーゼを
用いる場合には比較的高い光学純度で光学活性な1−フ
ェニルエタノール誘導体を得ることができる。
このような不斉加水分解反応の原料であるdl−エステ
ル類(II)は、一般式(III) (式中、R′は前記と同じ意味を有する) で示されるアルコール類を酢酸類と反応させてアセチル
化することにより、容易に得ることができる。
このアセチル化反応において使用される酢酸類として
は、酢酸、無水酢酸、酢酸ハライド(たとえば酢酸クロ
リド、酢酸ブロミド)などが挙げられる。
この反応は、通常のエステル化の条件が適用され、溶
媒の存在もしくは非存在下に触媒を用いて反応させるこ
とにより行われる。
この反応において、酢酸類の使用量はアルコール類
(III)に対して1当量以上必要であり、上限について
は特に制限されないが、好ましくは1.2〜2当量であ
る。
この反応において溶媒を使用する場合、その溶媒とし
ては、たとえばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、
アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、
クロロホルム、クロルベンゼン、ジクロルメタン、ジク
ロルエタン、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ヘキ
サン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、エーテル、ハ
ロゲン化炭化水素等の反応に不活性な溶媒の単独または
混合物が使用され、その使用量については特に制限され
ない。
触媒としては、たとえばジメチルアミノピリジン、ト
リエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、
ピコリン、イミダゾール、炭酸ナトリウム、炭酸水素カ
リウム等の有機あるいは無機塩基性物質が挙げられ、そ
の使用量は特に制限されないが、通常原料アルコール類
(III)に対して1〜5当量倍である。
溶媒として有機アミンを使用する場合は、該アミンが
触媒として作用することもある。
又、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等
の酸類を触媒として用いることもできる。
反応温度は、通−30℃〜100℃であるが、好ましく
は、−20℃〜90℃である。
反応時間は特に制限されず、原料のアルコール類(II
I)が反応系から消失した時点を反応終点とすることが
できる。
反応終了後、通常の分離手段、たとえば抽出、分液、
濃縮、再結晶等によりdl−エステル類(II)が収率よく
得られ、これは必要により更にカラムクロマトグラフィ
ー等で精製することができるが、次工程の不斉加水分解
反応へは反応混合物のまま使用することができる。
また、この反応における原料アルコール類(III)
は、一般式(IV) (式中、R′は前記と同じ意味である) で示されるケトン類を還元剤を用いて還元することによ
り、容易に得ることができる。
この反応における還元剤として、好適には水素化ホウ
素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、アルミニウムイソプ
ロポキシド、リチウム−トリ−t−ブトキシアルミニウ
ム水素化物、リチウム−トリ−s−ブチルホウ素水素化
物、ボラン、リチウムアルミニウム水素化物−シリカゲ
ル、アルカリ金属−アンモニア、ラネーニッケル−水素
などが使用され、その使用量は原料ケトン類(IV)に対
して少くとも1当量以上必要であり、通常1〜10当量の
範囲である。
この反応は通常溶媒中で行われ、かかる溶媒として
は、たとえばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチル
エーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼ
ン、クロロホルム、ジクロルメタン等のエーテル、ハロ
ゲン化炭化水素、アルコール等の反応に不活性な溶媒の
単独または混合物が使用される。
反応温度は通常、−30℃〜100℃の範囲であるが、好
ましくは−20℃〜90℃の範囲である。
反応時間については特に制限されない。
このようにして得られた反応混合物から、分液、濃
縮、蒸留、結晶化等の操作により、アルコール類(II
I)を収率よく得ることができるが、次工程のdl−エス
テル類(II)を得るためには必ずしもアルコール類(II
I)を単離する必要はなく、反応混合物のまま次工程へ
進んでもよい。
尚、この反応における原料であるケトン類(IV)は4
−アセチル安息香酸とベンジルハライド類(たとえばベ
ンジルクロライド、ベンジルブロマイド、p−メチルベ
ンジルクロライド、p−メトキシベンジルクロライド、
p−クロロベンジルクロライド、p−エチルベンジルク
ロリド、m−メチルベンジルクロライド、m−エチルベ
ンジルクロライド)とから容易に製造することができ
る。
<発明の効果> かくして、本発明の方法によれば、新規にして、しか
も液晶化合物等の中間体として非常に有用な前記一般式
(I)で示される光学活性な1−フェニルエタノール誘
導体を収率よく製造することができる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 攪拌装置、温度計を装着した4つ口フラスコに4−ア
セチル安息香酸ベンジルエステル30.49g(0.12モル)、
エタノール50mlおよびクロロホルム150mlを仕込み、こ
れに15〜25℃にて水素化ホウ素ナトリウム2.3g(0.06モ
ル)を10分を要して加える。
同温度にて2時間保温後、反応混合物を氷水中にあ
け、酢酸エチル200mlにて2回抽出処理する。有機層を
水洗したのち、減圧下に濃縮して4−(1−ヒドロキシ
エチル)フェニルカルボン酸ベンジルエステル(III−
1)29.2g(収率95%)を得た。[▲n25 D▼1.5680] 次に、ここで得た(III−1)27.95g(0.11モル)を
トルエン150mlおよびピリジン50mlからなる混合液に溶
解し、これに塩化アセチル9.42g(0.12モル)を15〜20
℃にて2時間を要して加える。同温度で1時間、30〜35
℃にて2時間保温する。反応終了後、10℃以下に冷却し
たのち3N塩酸水300mlを加え、有機層を分液したのち
水、5%重曹水、水にて順次洗浄する。有機層を減圧下
に濃縮し、さらにカラムクロマトにて精製して4−(1
−アセトキシエチル)フェニルカルボン酸ベンジルエス
テル(II−1)32.14g(収率98%)を得た。[▲n25 D
▼1.5301] 上で得た(II−1)19.08g(64ミリモル)を0.1Mリン
酸バッファ(pH7.0)400ml、クロロホルム10mlおよびア
マノリパーゼ「P」4gと混合し、40〜45℃で20時間激し
く攪拌する。
反応終了後、反応混合物をメチルイソブチルケトン60
0mlにて抽出処理する。有機層を減圧下に濃縮し、その
残渣をヘキサン:酢酸エチル=12:1の混合液を溶離溶媒
としてカラムクロマト精製して(+)−4−(1−ヒド
ロキシエチル)フェニルカルボン酸ベンジルエステル7.
21g[▲[α]20 D▼+35.4゜(c=1,CHCl3)、▲n25 D
▼1.5691]および(−)−4−(1−アセトキシエチ
ル)フェニルカルボン酸ベンジルエステル10.22g[▲
[α]20 D▼−52゜,(c=1,CHCl3)、▲n25 D▼1.529
8]を得た。
実施例2 攪拌装置、温度計を装着した4つ口フラスコに4−ア
セチルフェニルカルボン酸メチルベンジルエステル32.1
7g(0.12モル)、エタノール50ml、ジクロルメタン100m
lおよびテトラヒドロフラン50mlを仕込み、これに15〜2
5℃にて水素化ホウ素ナトリウム2.3g(0.06モル)を10
分を要して加える。同温度にて2時間保温後、反応混合
物を氷水中にあけ、実施例1と同様に後処理を行なって
4−(1−ヒドロキシエチル)フェニルカルボン酸メチ
ルベンジルエステル(III−2)31.43g(収率97%)を
得た。
次にここで得た(III−2)29.71g(0.11モル)をジ
クロルメタン200mlおよびピリジン50mlからなる混合液
に溶解し、これに塩化アセチル9.42g(0.12モル)を含
むジクロルメタン溶液50mlを室温にて滴下する。約2時
間後、反応液を8N塩酸300mlに注ぎ出し、抽出操作を行
う。有機層を水、7%重曹水、水にて順次洗浄をしたの
ち無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去して薄
黄色油状の4−(1−アセトキシエチル)フェニルカル
ボン酸メチルベンジルエステル(II−2)33.3g(収率9
7%)を得た。
上で得た(II−2)15.6g(50ミリモル)を0.3Mリン
酸バッファ(pH7.0)200ml、クロロホロム10mlおよびア
マノリパーゼ「P」3gと混合し、38〜40℃で24時間激し
く攪拌する。
反応終了後、反応混合物を酢酸エチル600mlにて抽出
処理する。有機層を減圧下に濃縮し、その残渣をヘキサ
ン:酢酸エチル=12:1の混合液を溶離溶媒としてカラム
クロマト分離・精製して(+)−4−(1−ヒドロキシ
エチル)フェニルカルボン酸メチルベンジルエステル5.
95g[▲[α]20 D▼+36.3゜(c=1,CHCl3)、▲n25 D
▼1.5688]および(−)−4−(1−アセトキシエチ
ル)フェニルカルボン酸メチルベンジルエステル8.27g
[▲[α]20 D▼−55.5゜(c=1,CHCl3)、▲n25 D
1.5300] 実施例3 実施例1で用いたと同様のフラスコに4−アセチル安
息香酸クロルベンジルエステル8.64g(0.03モル)、エ
タノール20mlおよびテトラヒドロフラン60mlを仕込み、
これに10〜20℃にて水素化ホウ素ナトリウム(0.03モ
ル)1.15gを30分を要して加える。同温度で2時間保持
する。以下、実施例1に準じて後処理して 4−(1−ヒドロキシエチル)フェニルカルボン酸ク
ロルベンジルエステル8.35g(III−3)(収率96%)を
得る。
次に、ここで得た(III−3)7.25g(0.025モル)を
トルエン20ml、ピリジン10mlおよび無水酢酸10mlととも
に30℃にて5時間攪拌する。以下、実施例1に準じて後
処理して 4−(1−アセトキシエチル)−フェニルカルボン酸
クロルベンジルエステル(II−3)8.22(収率99%)を
得る。
上の(III−3)6.64g(0.02モル)を0.2モル リン
酸バッファ−(pH7.0)100ml、トルエン3mlおよびアマ
ノリパーゼ「P」1gと混合し、35〜40℃にて24時間攪拌
する。反応終了後、メチルイソブチルケトンにて抽出処
理する。以下実施例1に準じて後処理して(+)−4−
(1−ヒドロキシエチル)フェニルカルボン酸クロルベ
ンジルエステル2.42g[▲[α]25 D▼+39.4゜(C=1,
CHCl3)、▲n25 D▼1.5764]および(−)−4−(1−
アセトキシエチル)フェニルカルボン酸クロルベンジル
エステル3.66g[▲[α]25 D▼−60゜(C=1,CHC
l3)、▲n25 D▼1.5336]を得る。
実施例4 4−アセチル安息香酸クロルベンジルエステルに代え
て4−アセチル安息香酸メトキシベンジルエステル8.49
g(0.03モル)を使用する以外は実施例3と同モルスケ
ールで同様に反応、後処理して(+)−4−(1−ヒド
ロキシエチル)フェニルカルボン酸メトキシベンジルエ
ステル2.34g〔▲〔α〕25 D▼+37.2゜(c=1,CHC
l3),▲n25 D▼1.5721〕および(−)−4−(1−ア
セトキシエチル)フェニルカルボン酸メトキシベンジル
エステル3.61g〔▲〔α〕25 D▼−50゜(c=1,CHC
l3),▲n25 D▼1.5328〕を得た。
尚、各中間体の収率は次のとおりであった。
4−(1−ヒドロキシエチル)フェニルカルボン酸メ
トキシベンジルエステル(III−4) 収率95.5% 4−(1−アセトキシエチル)フェニルカルボン酸メ
トキシベンジルエステル(II−4) 収率98.5%

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは水素原子またはアセチル基を示し、R′は
    水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基または
    ハロゲン原子を示す。※印は不斉炭素であることを示
    す。) で示される光学活性な1−フェニルエタノール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、R′は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基またはハロゲン原子を示す。) で示されるdl−エステル類を、該エステル類の鏡像体の
    いずれか一方を加水分解する能力を有するエステラーゼ
    を用いて不斉加水分解することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載の光学活性な1−フェニルエタノール
    誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、R′は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基またはハロゲン原子を示す。) で示されるアルコール類を酢酸類と反応させて一般式 (式中、R′は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基またはハロゲン原子を示す。) で示されるdl−エステル類を得、該エステル類の鏡像体
    のいずれか一方を加水分解する能力を有するエステラー
    ゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の光学活性な1−フェニルエタノー
    ル誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】一般式 (式中、R′は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基またはハロゲン原子を示す。) で示されるケトン類を還元剤を用いて還元して一般式 (式中、R′は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基またはハロゲン原子を示す。) で示されるアルコール類を得、次いで酢酸類と反応させ
    て一般式 (式中、R′は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシル基またはハロゲン原子を示す。) で示されるdl−エステル類を得、該エステル類の鏡像体
    のいずれか一方を加水分解する能力を有するエステラー
    ゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の光学活性な1−フェニルエタノー
    ル誘導体の製造法。
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