JPH078814B2 - 光学活性シクロペンテノンアルコ−ル類の製造方法 - Google Patents

光学活性シクロペンテノンアルコ−ル類の製造方法

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JPH078814B2
JPH078814B2 JP21086986A JP21086986A JPH078814B2 JP H078814 B2 JPH078814 B2 JP H078814B2 JP 21086986 A JP21086986 A JP 21086986A JP 21086986 A JP21086986 A JP 21086986A JP H078814 B2 JPH078814 B2 JP H078814B2
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正好 南井
裕治 植田
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住友化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、一般式(I) (式中、Rは炭素数1〜7の直鎖アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基を示す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン類の製造方法に関する。
〈従来の技術〉 上記一般式(I)で示される光学活性な4−ヒドロキシ
−2−シクロペンテノン類は農薬、香料あるいは医薬品
などの中間体として有用であるが、特にプロスタグラン
ディン誘導体の中間体として極めて重要であり、とりわ
け置換基Rがアリル基である4−ヒドロキシ−2−アリ
ル−2−シクロペンテノンは特開昭58-41836号公報に記
載されているように、抗血小板凝集作用等の優れた薬理
作用を有するチアプロスタグランディン類への中間体と
して極めて重要な化合物である。
又、Rがプロパルギル基を示す4−ヒドロキシ−2−プ
ロパルギル−2−シクロペンテノンについても、プロパ
ルギル基を他の誘導体へと導びくことにより、プロスタ
グランディン誘導体とすることができる。
このような事から、高い光学純度でかつ工業的に有利に
該化合物を得ることが必要とされる。
従来、前記一般式(I)で示される4−ヒドロキシ−2
−シクロペンテノン類を得るための微生物酵素を用いた
不斉加水分解法として次の方法が知られている。
(1)特開昭60-64943号公報 (2)特開昭61-92578号公報 〈発明が解決しようとする問題点〉 これらの方法において、原料であるラセミアルコール
は、通常以下の方法にて合成される。
しかしながら、(II)から(III)への転位反応では、
3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン(III)以外に
も、さらに一部異性化した4−ヒドロキシ−2−シクロ
ペンテノン(IV)を副生するため、(III)のみを単独
に得ることは必ずしも容易でなく、また、次の(IV)を
得るためには更に一工程を必要とするなど、これら(II
I)および(IV)のそれぞれ単独を出発原料とする方法
は、工業的な観点からは必ずしも満足するものではな
い。
このようなことから、本発明者らは前記一般式(I)で
示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテ
ノン類を製造するうえで、前記一般式(III)および(I
V)のラセミアルコールを混合物のまま利用できれば、
工業的な実施のうえで極めて有利となることに着用し、
その製造法について検討の結果、本発明に至った。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち本発明は、一般式(III)および(IV) (式中、Rは前記と同じ意味を有する。) で示される3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン(II
I)と4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン(IV)の
混合物に脂肪族カルボン酸類を反応させて、一般式
(V)および(VI) (式中、R9はハロゲンで置換されていてもよいアルキル
基、アルケニル基を示し、Rは前記と同じ意味であ
る。) で示されるシクロペンテノンエステル類の混合物(V)
および(VI)を得、次に酵素もしくは微生物を用いて不
斉加水分解して、一般式(VII)および(I) (式中、Rは前記と同じ意味であり、*印は不斉炭素を
示す。) で示される光学活性な3−ヒドロキシ−4−シクロペン
テノン(VII)と4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノ
ン(I)の混合物を得、さらに立体を保持して、異性化
することを特徴とする一般式(I) (式中、Rは前記と同じ意味であり、*印は不斉炭素を
示す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン類の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において原料として用いられる前記一般式(II
I)および(IV)で示される3−ヒドロキシ−4−シク
ロペンテノン(III)と4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノン(IV)は、以下に示すようにフランカルビノー
ル(II)の転位反応により容易に合成することができ
る。
かかるラセミ体の3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノ
ン(III)と4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン(I
V)の混合物と脂肪族カルボン酸類とのエステル化反応
は、エステル製造の常法が適用され、ラセミ体の(II
I)および(IV)の混合物に脂肪族カルボン酸その酸無
水物あるいはその酸ハライドを溶媒の存在もしくは非存
在下に触媒を用いて反応させることにより実施される。
ここで、原料である脂肪族カルボン酸類としては、たと
えば以下の化合物が例示される。
酢酸、酢酸クロリド、酢酸ブロミド、無水酢酸、プロピ
オン酸、プロピオン酸クロリドまたはブロミド、無水プ
ロピオン酸、ブチリルクロリドまたはブロミド、カプロ
イルクロリドまたはブロミド、カプリル酸クロリドまた
はブロミド、カプリノイルクロリドまたはブロミド、ド
デカノインクロリドまたはブロミド、パルミトイルクロ
リドまたはブロミド、クロルアセチルクロリドまたはブ
ロミド、ジクロルアセチルクロリドまたはブロミド。
反応に用いる脂肪族カルボン酸類は原料であるラセミの
シクロペンテノン(III)および(IV)の混合物に対し
て1当量以上必要であり、上限については特に制限され
ないが、好ましくは1〜4当量である。
この反応において、溶媒を使用する場合、その溶媒とし
てはたとえばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、ク
ロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
ン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、エーテル、ハロ
ゲン化炭化水素等の反応に不活な溶媒の単独または混合
物があげられる。その使用量については特に制限なく使
用することができる。
触媒としては、たとえばトリエチルアミン、トリn−ブ
チルアミン、ピリジン、ピコリン、炭酸ナトリウム、ナ
トリウムメチラート、炭酸水素カリウム等の有機あるい
は無機塩基性物質があげられる。その使用量は特に制限
されないが、通常ラセミのシクロペンテノン(III)お
よび(IV)の混合物に対して1〜5当量である。
溶媒として有機アミンを使用する場合は、該アミンが触
媒として作用することもある。
又、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の
酸類を触媒として用いることもできる。
反応温度は通常−20℃〜150℃であるが、好ましくは−1
0℃〜120℃の範囲である。
反応時間については特に制限はない。
このような反応によって、一般式(V)および(VI)で
示されるラセミのシクロペンテノンエステル類の混合物
が容易に、かつ好収率で得られ、これらは通常の分離手
段、たとえば抽出、分液、濃縮、蒸留等により反応混合
物から容易に単離することができるが、次工程へは反応
混合物のまま進むことができる。
一般式(VII)および(I)で示される光学活性な3−
ヒドロキシ−4−シクロペンテノン(VII)と4・ヒド
ロキシ−2−シクロペンテノン(I)は、一般式(V)
および(VI)で示されるラセミシクロペンテノンエステ
ル類の混合物のいずれか一方の光学活性体を加水分解す
る能力を有する微生物エステラーゼもしくは動植物エス
テラーゼを用いて、該エステル類の光学活性体の一方を
加水分解することにより得られる。
この反応で用いられるエステラーゼを生産する微生物と
しては、ラセミシクロペンテノンエステル類の混合物を
不斉加水分解する能力を有するエステラーゼを生産する
微生物であればよく、特に限定されるものではない(本
発明におけるエステラーゼとはリパーゼを含む広義のエ
ステラーゼを意味する。)。
このような微生物の具体例としては、たとえば以下の属
に属する微生物が挙げられる。
エンテロバクター属、アルスロバクター属、ブレビバク
テリウム属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、ミ
クロコッカス属、クロモバクテリウム属、ミクロバクテ
リウム属、コリネバクテリウム属、バシルス属、ラクト
バシルス属、トリコデルマ属、キャンディダ属、サッカ
ロミセス属、ロドトルラ属、クリブトコッカス属、トル
ロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム属、アスペルギル
ス属、リゾプス属、ムコール属、オーレオバシディウム
属、アクチノムコール属、ノカルディア属、ストレプト
ミセス属、ハンゼヌラ属、アクロモバクター属に属する
微生物があげられる。
上記微生物の培養は、通常常法に従って液体培養を行な
うことにより培養液を得る。たとえば、滅菌して液体培
地〔かび類、酵母類用には麦芽エキス・酵母エキス培地
(水1にペプトン5g、グルコース10g、麦芽エキス3
g、酵母エキス3gを溶解し、pH6.5とする)、細菌用には
加糖ブイヨン培地(水1にグルコース10g、ペプトン5
g、肉エキス5g、Nacl 3gを溶解し、pH7.2とする)〕に
微生物を接種し、通常20〜40℃で1〜3日間往復振盪培
養を行なう。また必要に応じて固体培養を行なってもよ
い。
また、これらの微生物起源のエステラーゼのなかには市
販されているものがあり、容易に入手することができ
る。市販エステラーゼの具体例としては、たとえば以下
のものが挙げられる。
シュードモナス属のリパーゼ(天野製薬製)アスペルギ
ルス属のリパーゼ(リパーゼAP(天野製薬製))、ムコ
ール属のリパーゼ M−Ap(天野製薬製)、キャンディ
ダ・シリンドラッセのリパーゼ(リパーゼMY(名糖産業
製))アルカリゲネス属のリパーゼ(リパーゼPL(名糖
産業製))、アクロモパクター属のリパーゼ(リパーゼ
AL(名糖産業製))、アルスロパクター属のリパーゼ
(リパーゼ合同BSL(合同酒精製))、クロモバクテリ
ウム属のリパーゼ(東洋醸造製)、リゾプス・デレマー
のリパーゼ(タリパーゼ(田辺製薬製))、リゾプス属
のリパーゼ(リパーゼサイケン(大阪細菌研究所))。
また、動物・植物エステラーゼを用いることもでき、こ
れらの具体的なエステラーゼとしては、以下のものを挙
げることができる。
ステアプシン、パンクレアチン、ブタ肝臓エステラー
ゼ、Wheat Germエステラーゼ。
この反応で用いられるエステラーゼ(加水分解酵素)、
動物、植物、微生物から得られた酵素の使用形態として
は、精製酵素、粗酵素、酵素含有物、微生物培養液、培
養物、菌体、培養ロ液及びそれらを処理した物など種々
の形態で必要に応じて用いることができ、酵素と微生物
を組合わせて用いることもできる。あるいはまた、樹脂
等に固定化した固定化酵素、固定化菌体として用いるこ
ともできる。
この加水分解反応は、ラセミーシクロペンテノンエステ
ル類の混合物と上記酵素もしくは微生物を通常緩衝液中
で激しく攪拌することによって行なわれる。
緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウムの如き有機酸塩の緩衝液等が用
いられ、そのpHは、好アルカリ性菌の培養液やアルカリ
性エステラーゼではpH8〜11,好アルカリ性でない微生物
の培養液や耐アルカリ性を有しないエステラーゼではpH
5〜8が好ましい。
濃度は通常0.05〜2M、好ましくは0.05〜0.5Mの範囲であ
る。
反応温度は通常10〜60℃であり、反応時間は一般的には
4〜70時間であるが、これに限定されることはない。
このような反応により、加水分解物である光学活性な3
−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン(VII)と4−ヒ
ドロキシ−2−シクロペンテノン(I)の混合物と加水
分解残である光学活性なシクロペンテノンエステル類を
得ることができる。
反応終了後、反応液から加水分解生成物および加水分解
残を分離するためには、加水分解液をたとえばメチルイ
ソブチルケトン、酢酸エチル、エチルエーテル等の溶媒
により抽出処理し、有機層から溶媒を留去したのち濃縮
残渣を更に蒸留するか、カラムクロマトグラフィーで処
理する等の方法により加水分解生成物である光学活性な
ヒドロキシシクロペンテノン類の混合物と加水分解残で
ある光学活性なシクロペンテノンエステル類をそれぞれ
分離することができる。
ここで回収された光学活性なシクロペンテノンエステル
類はこれを更に加水分解し、対称体製造の原料として用
いることができる。
次に、ここで得た光学活性な3−ヒドロキシ−4−シク
ロペンテノン(VII)および4−ヒドロキシ−2−シク
ロペンテノン(I)の混合物から、光学活性な4−ヒド
ロキシ−2−シクロペンテノン(I)への異性化反応に
ついて説明する。
光学活性な3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン(VI
I)および4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン
(I)の混合物から、光学活性な4−ヒドロキシ−2−
シクロペンテノン(I)への異性化は通常、塩基もしく
は触媒の存在下に立体を保持したまま転位させることに
よりおこなわれる。この反応ではできるだけ光学純度を
高く保持したまま、すなわち極力ラセミ化を少くして転
位させる必要があり、そのためには使用する塩基もしく
は触媒、温度等について適切な条件下に実施する必要が
ある。
この反応で使用される溶媒としては、たとえば、水、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、ベンゼン、
トルエン、酢酸エチル、クロルベンゼン、ヘプタン、ジ
クロルメタン、ジクロルエタン、ジエチルエーテル、シ
クロヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、エー
テル、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素のごとき
反応に不活性な溶媒の単独または混合物が使用される。
この反応で使用される塩基もしくは触媒としては、たと
えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メ
チルピペリジン、N、N′−ジメチルピペラジン、ピリ
ジン、ルチジンなどの有機第3級アミン、アルミナ、シ
リカゲルなどの金属酸化物、苛性ソーダ、苛性カリ、炭
酸ソーダ、炭酸カリ、炭酸水素ナトリウム、リン酸1水
素カリウムなどの塩基性緩衝液などが適当であり、これ
らは単独または2種以上で用いられる。
かかる塩基もしくは触媒の使用量は特に制限されない
が、通常は原料である光学活性な3−ヒドロキシ−4−
シクロペンテノン(VII)に対して0.05〜60倍モルであ
り、有機第3級アミンや塩基性緩衝液は溶媒を兼ねて用
いることもできる。
反応温度は−20〜130℃の範囲であり、使用する溶媒、
塩基もしくは触媒によって適当に選択される。
たとえば、溶媒として水非存在下に反応を実施する場合
にはラセミ化が起こりにくいため−10〜130℃の範囲で
反応を行うことができる。また、有機第3級アミン−水
混合系の場合には−10〜90℃の範囲が好ましく、水のみ
あるいは強塩基性化における転位反応では−20〜50℃の
範囲が好ましい。
反応時間については特に制限されない。
このようにして得られた反応混合物から、抽出、分液、
濃縮、蒸留等の一般的な操作によって目的とする一般式
(I)の光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテ
ノン類が光学純度よく、かつ収率よく得ることができ
る。かくして得られる本願の目的化合物である光学活性
な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類としてはR
(+)の立体配位をもつ以下の化合物が例示される。
4−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテノン、
2−エチル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン、
4−ヒドロキシ−2−n−ペンチル−2−シクロペンテ
ノン、2−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−シクロ
ペンテノン、4−ヒドロキシ−2−n−ブチル−2−シ
クロペンテノン、2−イソブチル−4−ヒドロキシ−2
−シクロペンテノン、4−ヒドロキシ−2−n−ペンチ
ル−2−シクロペンテノン、2−イソペンチル−4−ヒ
ドロキシ−2−シクロペンテノン、4−ヒドロキシ−2
−n−ヘキシル−4−シクロペンテノン、4−ヒドロキ
シ−2−n−ヘプチル−2−シクロペンテノン、2−ア
リル−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン、2−
(2−シス−プテニル)−4−ヒドロキシ−2−シクロ
ペンテノン、4−ヒドロキシ−2−(ω−ブチニル)−
2−シクロペンテノン、2−(2−シス−ペンテニル)
−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン、4−ヒドロ
キシ−(2−トランス−ペンテニル)−2−シクロペン
テノン、2−(3−シス−ヘキセニル)−4−ヒドロキ
シ−2−シクロペンテノン、4−ヒドロキシ−2−プロ
パルギル−2−シクロペンテノン、4−ヒドロキシ−2
−(2−ペンチニル)−4−シクロペンテノン、4−ヒ
ドロキシ−2−(2−メチルアリル)−2−シクロペン
テノン、2−(3−シス−ヘキセニル)−4−ヒドロキ
シ−2−シクロペンテノン、4−ヒドロキシ−2−プロ
パルギル−2−シクロペンテノン、4−ヒドロキシ−2
−(2−ペンチニル)−4−シクロペンテノン、4−ヒ
ドロキシ−2−(2−メチルアリル)−2−シクロペン
テノン。
〈発明の効果〉 かくして、本発明の方法によれば一般式(III)および
(IV)で示される3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノ
ンと4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンの混合物か
らそれぞれを単離することなく、そのまま原料として目
的とする一般式(I)で示される光学活性な4−ヒドロ
キシ−2−シクロペンテノン類を工業的有利に製造する
ことができ、実用価値は極めて高い。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 攪拌装置、温度計を装着したフラスコにdl−3−ヒドロ
キシ−2−n−ペンチル−4−シクロペンテノン(III-
1)とdl−4−ヒドロキシ−2−n−ペンチル−2−シ
クロペンテノン(IV-1)の混合物(III-1/IV−1=85/1
5)16.8g、硫酸1gおよび無水酢酸35gを仕込み、70℃に
て4時間攪拌を続ける。
反応終了後、減圧にて無水酢酸を留去し、残渣をトルエ
ンにて抽出する。トルエン層は1%重曹水にて洗浄し、
さらに水洗する。有機層からトルエンを留去し、濃縮残
渣をトルエン:酢酸エチル=10:1の混合液にてカラムク
ロマドグラフィ精製する。dl−3−アセトキシ−2−n
−ペンチル−4−シクロペンテノン(V−1)およびdl
−4−アセトキシ−2−n−ペンチル−2−シクロペン
テノン(VI-1)の混合物19.9g(95%)を得た。(V−
1)/(VI-1)=83/17(b.p.106〜115℃/0.2〜0.5mmH
g) 次に上で得た混合物10gおよびシュードモナス属リパー
ゼ(アマノ「p」天野製薬製)300mgを0.3Mリン酸バッ
フアー(pH7.0)200ml中、30〜35℃にて10時間激しく攪
拌する。反応終了後、反応液をメチルイソブチルケトン
50mlにて4回抽出する。得られた有機層から溶媒を留去
し、濃縮残渣を酢酸エチル:トルエン=3:5の混合溶液
にてカラムクロマト精製し、l−3−ヒドロキシ−2−
n−ペンチル−4−シクロペンテノン(VII-1)および
d−4−ヒドロキシ−2−n−ペンチル−2−シクロペ
ンテノン(I−1)の混合物3.4g〔((VII-1)/
(I)=80/20)、旋光度−42.1°(c=1,クロロホル
ム)〕とd−3−アセトキシ−2−n−ペンチル−4−
シクロペンテノンおよびl−4−アセトキシ−2−n−
ペンチル−2−シクロペンテノンの混合物6.3g〔旋光度
+87.5°(c=1,クロロホルム)〕を得た。
次にここで得たl−3−ヒドロキシ−2−n−ペンチル
−4−シクロペンテノン(VII-1)およびd−4−ヒド
ロキシ−2−n−ペンチル−2−シクロペンテノン(I
−1)の混合物1g、アルミナ20gおよびベンゼン50ml
を、50℃にて7時間攪拌する。反応終了後アルミナを
別し、さらにメタノール10mlにて2回洗浄する。液は
あわせて濃縮し、残渣をトルエン−酢酸エチル=5:3の
混合液にてカラムクロマト精製し、R(+)−4−ヒドロキ
シ−2−n−ペンチル−2−シクロペンテノン0.94gを
得た。
旋光度+12.7°(c=1,クロロホルム) 実施例2 フラスコにdl−2−アリル−3−ヒドロキシ−4−シク
ロペンテノン(III-2)とdl−2−アリル−4−ヒドロ
キシ−2−シクロペンテノン(IV-2)の混合物〔(III-
2/IV-2)=82/18)13.8g、トルエンスルホン酸0.5gおよ
び無水酢酸27.6gを仕込み、90℃にて4時間加熱する。
以下、実施例1に準じて後処理、精製し、dl−3−アセ
トキシ−2−アリル−4−シクロペンテノン(V−2)
および、dl−4−アセトキシ−2−アリル−2−シクロ
ペンテノン(VI-2)16.1g(96%収率)を得た。〔(V
−2)/(VI-2)=81/19〕、b.p.82〜90℃/0.7〜1.2mm
Hg dl−3−アセトキシ−2−アリル−4−シクロペンテノ
ン(V−2)およびdl−4−アセトキシ−2−アリル−
2−シクロペンテノン(VI-2)の混合物10gおよびシュ
ードモナス属リパーゼ800mgを、0.8Mリン酸バッフアー
(pH7.0)250ml中、20〜25℃にて7時間、激しく攪拌す
る。反応終了後、実施例1に準じて後処理、精製し、l
−2−アリル−3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノン
(VII-2)およびd−2−アリル−4−ヒドロキシ−2
−シクロペンテノン(I−2)の混合物3.07g〔(VII-
2)/(I−2)=77/23)、旋光度▲〔α〕20 D▼−18.
5°(c=1,クロロホルム)〕とd−3−アセトキシ−
2−アリル−4−シクロペンテノンおよびl−4−アセ
トキシ−2−アリル−2−シクロペンテノンの混合物5.
9g〔旋光度+60.4°(c=1,クロロホルム〕を得た。
次にここで得たl−2−アリル−3−ヒドロキシ−4−
シクロペンテノン(VII-2)およびd−2−アリル−4
−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン(I−2)の混合
物2g、ピリジン0.5g、アルミナ30gおよびクロロホルム5
0mlを40〜60℃にて10時間攪拌する。
反応終了後アルミナを別し、さらにメタノール10mlに
て2回洗浄する。液にあわせて濃縮し、残渣をトルエ
ン−酢酸エチル=5:3の混合液にてカラムクロマト精製
し、R(+)−2−アリル−4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノン(I−2)1.84gを得た。
旋光度+18.1°(c=1,クロロホルム) 実施例3 フラスコに、無水酢酸15g、メチルイソブチルケトン13.
2gおよび硫酸0.9gを仕込む。次にdl−3−ヒドロキシ−
2−プロパルギル−4−シクロペンテノン(III-3)とd
l−4−ヒドロキシ−2−プロパルギル−2−シクロペ
ンテノン(IV-3)の混合物((III-3)/(IV-3)=70/
30)13.6gのメチルイソブチルケトン50gの溶液を40℃に
て2時間かかって加える。同温度にて2時間保温ののち
水100mlおよびメチルイソブチルケトン50gを加える。水
層を分液ののち、有機層は1%NaOH水にて洗浄する。水
洗ののち濃縮し、さらに、減圧にて蒸留する。dl−3−
アセトキシ−2−プロパルギル−4−シクロペンテノン
(V−3)およびdl−4−アセトキシ−2−プロパルギ
ル−2−シクロペンテノン(VI-3)16.2g(収率91%)
を得た。〔(V−3)/(VI-3)=72/28〕、b.p.118〜
130℃/0.1〜0.2mmHg〕 dl−3−アセトキシ−2−プロパルギル−4−シクロペ
ンテノン(V−3)およびdl−4−アセトキシ−2−プ
ロパルギル−2−シクロペンテノン(VI-3)の混合物10
gおよびアルスロバクター属リパーゼ(新日本化学社
製)100mgを、0.3Mリン酸バッフアー(pH7.0)100ml
中、30℃にて8時間激しく攪拌する。
反応終了後、実施例1に準じて後処理、精製し、l−3
−ヒドロキシ−2−プロパルギル−4−シクロペンテノ
ン(VII-3)およびd−−4−ヒドロキシ−2−プロパ
ルギル−2−シクロペンテノン(I−3)の混合物3.24
g〔(VII-3)/(I−3)=66/34、旋光度▲〔α〕20 D
▼−25.8°(c=1,クロロホルム)〕とd−3−アセト
キシ−2−プロパルギル−4−シクロペンテノンおよび
l−4・アセトキシ−2−プロパルギル−2−シクロペ
ンテノンの混合物5.5g〔旋光度▲〔α〕20 D▼+53.1°
(c=1,クロロホルム)〕を得た。
次にここで得たl−3−ヒドロキシ−2−プロパルギル
−4−シクロペンテノン(VII-3)およびd−4−ヒド
ロキシ−2−プロパルギル−2−シクロペンテノン(I
−3)の混合物2gをピリジンと水の混合溶液(1/10容量
比)10mlに溶解し、塩基性アルミナ6gを加え、30℃にて
20時間攪拌する。
反応終了後、アルミナを別し、液を1N塩酸水にて中
和ののち、メチルイソブチルケトン20mlにて4回抽出す
る。有機層をあつめ濃縮する。残渣をトルエン−酢酸エ
チル=1:1の混合液にてカラムクロマト精製し、R(+)
4−ヒドロキシ−2−プロパルギル−2−シクロペンテ
ノン(I−3)1.61gを得た。
旋光度▲〔α〕20 D▼+9.6°(c=1,クロロホルム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 53/00 E 7419−4H C07C 67/08 69/145

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは炭素数1〜7の直鎖アルキル基、アルケニ
    ル基、アルキニル基を示す。) で示される3−ヒドロキシ−4−シクロペンテノンと4
    −ヒドロキシ−2−シクロペンテノンの混合物に脂肪族
    カルボン酸類を反応させて一般式 (式中、R9はハロゲンで置換されていてもよいアルキル
    基、アルケニル基を示し、Rは前記と同じ意味であ
    る。) で示されるシクロペンテノンエステル類の混合物を得、
    次に酵素もしくは微生物を用いて不斉加水分解して、一
    般式 (式中、Rは前記と同じ意味であり、*印は不斉炭素を
    示す。) で示される光学活性な3−ヒドロキシ−4−シクロペン
    テノンと4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンの混合
    物を得、さらに立体を保持して、異性化することを特徴
    とする一般式、 (式中、Rは前記と同じ意味であり、*印は不斉炭素を
    示す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
    テノン類の製造方法。
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