JP4789889B2 - (r)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法 - Google Patents
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Description
したがって、本発明の目的は、簡便、かつ安価な方法で、環境的に負荷をかけることなく、香料等として有用な(R)−2−アルキルシクロペンタノンを高収率、高光学純度で製造することができる方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記式(2)
また、本発明は、下記式(3)
また、この不斉加水分解における反応系の水素イオン濃度は、pH5.0〜8.0、特にはpH6.0〜7.0とすると、光学純度の低下が避けられるため好ましい。したがって、適宜、炭酸水素塩等の水溶液を添加するなどして、反応系の水素イオン濃度を上記範囲内に保つことが好ましい。
ガスクロ装置:6890N-Antosampler(Agilent社製、商品名)
カラム:CHIRALDEX G-DP(0.25mm×30m)(アステック社製、商品名)
温度:60〜180℃(毎分1℃昇温)
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3.5時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(該反応後の上記ラセミ体の転換率86%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留し、112.1g(収率75%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後14時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(87g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、50.7gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率74%、純度99%、光学純度85.0%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水イソ酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率78%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、86.7g(収率58%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレート(100g,446mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後72時間で上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(76g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、52.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率76%、純度99%、光学純度88.2%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水プロピオン酸(260.3g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率81%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留し、98.1g(収率70%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネート(100g,475mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(80g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、62.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率85%、純度99%、光学純度84.5%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水酢酸(204.0g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率83%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=100:1〜20:1)して、103.0g(収率79%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテート(100g,509mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後18時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(61g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、50.2gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率64%、純度99%、光学純度70.3%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水吉草酸(372.5g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率85%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、120.7g(収率76%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエート(100g,420mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(58g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、42.8gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率66%、純度99%、光学純度52.1%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水オクタン酸(540.8g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率88%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、147.7g(収率79%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエート(100g,357mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(50g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、43.5gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率79%、純度99%、光学純度35.0%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水ノナン酸(597.0g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、118.4g(収率60%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエート(100g,340mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(48g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、40.3gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率77%、純度99%、光学純度28.0%ee)。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水安息香酸(452.5g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、103.3g(収率60%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエート(100g,387mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。ガスクロマトグラフィーにて反応を追跡したが、反応は進行せず、目的とする(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得ることはできなかった。
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水デカン酸(65.3g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率74%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、136.4g(収率66%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエート(100g,324mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(44g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、35.5gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率71%、純度99%、光学純度12.0%ee)。
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)1.0g(対基質1(w/w)%)gを加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(87g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、63.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率92%、純度99%、光学純度85.0%ee)。
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)2.0g(対基質1(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(200g,892mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(120g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、114.2gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率83%、純度99%、光学純度62.3%ee)。
3,000mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後8時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(61g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、55.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率80%、純度99%、光学純度67.7%ee)。
3,000mlフラスコに0.5Mリン酸バッファー(pH7)1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後8時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(59g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、54.3gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率79%、純度99%、光学純度78.0%ee)。
200mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)100mlを仕込み、これにブルクホルデリア・セパシア(Burkhorderia cepacia)由来のリパーゼ(Lipase PS、アマノエンザイム社製)1.0g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(10.0g,44.6mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(6.0g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、4.8gの(S)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度6.8%ee)。
200mlフラスコにメタノール100mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)1.0g(対基質20(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(5.0g,22.3mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後48時間反応を行った時点での(R)−2−ペンチルシクロペンタノンへの転換率は28%であったため反応を中止した。
200mlフラスコにエタノール100mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)1.0g(対基質20(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(5.0g,22.3mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後48時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、減圧濃縮して粗生成物(3.4g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、2.4gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度34.0%ee)。
(1)2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−エチルシクロペンタノン(75.2g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−エチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、76.9g(収率63%)の2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−エチル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,5.5mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.43gの(R)−2−エチルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度64.0%ee)。
(1)2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−プロピルシクロペンタノン(84.1g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−プロピルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、83.7g(収率64%)の2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,5.1mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.45gの(R)−2−プロピルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度71.9%ee)。
(1)2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ヘキシルシクロペンタノン(112.7g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ヘキシルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率75%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、108.6g(収率68%)の2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,4.2mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.5gの(R)−2−ヘキシルシクロペンタノンを得た(収率71%、純度99%、光学純度78.0%ee)。
(1)2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ヘプチルシクロペンタノン(122.1g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ヘプチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率77%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、118.4g(収率70%)の2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,4.0mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.53gの(R)−2−ヘプチルシクロペンタノンを得た(収率73%、純度99%、光学純度72.6%ee)。
(1)2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ノニルシクロペンタノン(140.9g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ノニルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率78%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、130.0g(収率69%)の2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,3.6mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.53gの(R)−2−ノニルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度99%、光学純度73.2%ee)。
(1)2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−メチルシクロペンタノン(65.8g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−メチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、70.0g(収率62%)の2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−メチル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,5.9mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で上記2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.5g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.39gの(S)−2−メチルシクロペンタノンを得た(収率66%、純度98%、光学純度3.4%ee)。
実施例の結果から分かるように、本発明の製造方法により、高収率、高光学純度の(R)−2−アルキルシクロペンタノンを得ることができた。特に前記式(2)において、R2がエチル基、プロピル基またはイソプロピル基である2−アルキルシクロペンテノールエステルを原料として用いた場合は、非常に高い光学純度の生成物を得ることができた(実施例1〜3)。
Claims (4)
- 下記式(3)
- R1が、ペンチル基、ヘキシル基またはヘプチル基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
- R2が、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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