JP4789889B2 - (r)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法 - Google Patents

(r)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、食品・香粧品用の調合香料の素材、光学活性δ−ラクトン類の中間体等として有用な(R)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法に関する。
従来、2−アルキルシクロペンタノンは、香料化合物として広く知られており、特に2−ペンチルシクロペンタノンはジャスミン的フルーティー、フローラル香を有するフレグランス香料、2−ヘキシルシクロペンタノンはジャスミン様で拡散性のあるフローラル、ハーバル香を有するフレグランス香料、2−ヘプチルシクロペンタノンはジャスミン様でグリーン、フルーティー、フローラル、ハーバル香を有するフレグランス香料として重要な化合物である(非特許文献1参照)。
ところで、これらの香料化合物には不斉炭素があるため、(R)−体と(S)−体の両鏡像異性体が存在する。香料化合物において、鏡像異性体間で異なった性質(香気の強度、香気の質等)を示す場合があることは一般に知られており、例えば、2−ペンチルシクロペンタノンおよび2−ヘプチルシクロペンタノンにおける鏡像異性体間では、いずれも(R)−体の嗜好性が(S)−体より高いことが報告されている(非特許文献2参照)。
また、2−ヘキシルシクロペンタノンおよび2−ヘプチルシクロペンタノンにおける鏡像異性体間では香気の質が異なっており、いずれも(R)−体は(S)−体に比べて、トップノートがクリアで、拡散性が高いことが報告されている(非特許文献3参照)。
したがって、2−アルキルシクロペンタノンを香料として用いる場合、ラセミ体を用いたときに比べて(R)−体を用いた方が、嗜好性、拡散性が向上し、天然感を付与できるなど、香料としての品質が向上することは明らかである。また、(R)−2−アルキルシクロペンタノンは、香気成分である(R)−δ−ラクトン類の合成原料としても大変有用である。
従来、光学活性な2−アルキルシクロペンタノンを合成する技術として、不斉触媒であるRu−BINAP錯体を用いた水素化により、光学活性な2−ペンチルシクロペンタノン、2−ヘキシルシクロペンタノンを得る方法(非特許文献2参照)、および上記Ru−BINAP触媒を用いて光学活性な2−ヘキシルシクロペンタノン、2−ヘプチルペンタノン得る方法(非特許文献3参照)が知られている。
合成香料−化学と商品知識 印藤元一著 化学工業日報社 第37回TEAC要旨集(1993)依頼講演−1 Tetrahedron Lett.43(2002)、p.9081-9084
従来、(R)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法としては、前述した不斉触媒を使用する製造方法しか知られていなかったが、不斉触媒を使用する製造方法は、高価な不斉触媒を用いて高圧下で反応させる必要があり、コスト的および環境的な問題点があった。
したがって、本発明の目的は、簡便、かつ安価な方法で、環境的に負荷をかけることなく、香料等として有用な(R)−2−アルキルシクロペンタノンを高収率、高光学純度で製造することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、今回、ラセミ体の2−アルキルシクロペンタノンをエノールエステル化した後、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼを用いて不斉加水分解することにより、香料等として有用な(R)−体の2−アルキルシクロペンタノンが高収率、高光学純度で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(2)
Figure 0004789889
(式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする、下記式(1)
Figure 0004789889
(式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される(R)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法である。
また、本発明は、下記式(3)
Figure 0004789889
(式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表されるラセミ体の2−アルキルシクロペンタノンをエノールエステル化して、下記式(2)
Figure 0004789889
(式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを得た後、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする、下記式(1)
Figure 0004789889
(式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される(R)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法である。
本発明によれば、香料化合物、香料原料等として有用な光学活性(R)−2−アルキルシクロペンタノンを、簡便、かつ安価な方法で、環境的に負荷をかけることなく、高収率、高光学純度で製造することができる。
本発明の製造方法は、概略下記の反応スキームで表現される。
Figure 0004789889
上記スキームで示したように、目的物である(R)−2−アルキルシクロペンタノンは、下記式(2)
Figure 0004789889
で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼを用いて不斉加水分解することにより作製される。
式(2)中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示し、具体的には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等が例示される。特にR1がペンチル基、ヘキシル基またはヘプチル基であると、良好な香調を有する(R)−2−アルキルシクロペンタノンが得られる。
また、式(2)中、R2は炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が例示される。R2がエチル基、プロピル基またはイソプロピル基であると、(R)−2−アルキルシクロペンタノンを特に高収率で得ることができる。
式(2)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルは、例えば、下記式(3)
Figure 0004789889
で表されるラセミ体の2−アルキルシクロペンタノンをエノールエステル化することにより得ることができる。式(3)中、R1は、式(2)中におけるR1と同様である。
式(3)で表されるラセミ体の2−アルキルシクロペンタノンをエノールエステル化するには、例えば、p−トルエンスルホン酸等の有機酸あるいは、過塩素酸等の無機酸の存在下、式(3)で表されるラセミ体の2−アルキルシクロペンタノンと、これにR2CO−基を導入するためのカルボン酸無水物:(R2CO)2Oとを、トルエン、テトラヒドロフラン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、四塩化炭素等の有機溶媒中で、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いる場合、溶媒の還流温度で1〜20時間、過塩素酸等の無機酸を用いる場合、0〜50℃で0.1〜10時間、好ましくは、0.5〜5時間、撹拌しながら上記両化合物を反応させる。該反応後は、例えば、反応液に水を加えて有機層を洗浄し、乾燥、濾過した後、溶媒を減圧濃縮し、得られた粗生成物に対し、さらに精留、各種クロマトグラフィー等の処理を行うことにより、式(2)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを高収率で得ることができる。
本発明では、式(2)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルの不斉加水分解を、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼ(例えば、Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)を用いて行う。これにより光学純度の高い(R)−2−アルキルシクロペンタノンを高収率で得ることができる。なお、このカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼは、セライト等の担体に固定することにより、反応後の回収が容易になる。
上記リパーゼを用いた不斉加水分解は、例えば、水、リン酸バッファー、アセトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、トルエン、ヘキサン等の適宜の溶媒に、式(2)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを上記溶媒に対して、0.1〜30(w/v)%、好ましくは、3〜10(w/v)%となるように加えるとともに、上記リパーゼを、式(2)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルに対して、0.1〜100(w/w)%、好ましくは、0.5〜20(w/w)%となるように加えて、0〜80℃で1〜96時間、好ましくは、20〜40℃で5〜96時間、撹拌しながら行う。上記溶媒中において、上記範囲内の温度および時間で、上記範囲内の量のリパーゼを用いて上記範囲内の量の2−アルキルシクロペンテノールエステルを不斉加水分解することにより、他の条件下に比べて、得られる(R)−2−アルキルシクロペンタノンの光学純度および収率を、より一層向上させることができ、特に光学純度に関しては、通常、60〜90ee%の光学純度を得ることができる。
また、この不斉加水分解における反応系の水素イオン濃度は、pH5.0〜8.0、特にはpH6.0〜7.0とすると、光学純度の低下が避けられるため好ましい。したがって、適宜、炭酸水素塩等の水溶液を添加するなどして、反応系の水素イオン濃度を上記範囲内に保つことが好ましい。
上記不斉加水分解を行った後は、反応液を濾過して上記リパーゼを除去し、トルエン等の有機溶媒で抽出、乾燥、濃縮、蒸留等の操作を必要に応じて行うことにより、目的物である(R)−2−アルキルシクロペンタノンを分離精製することができる。
本発明により製造された(R)−2−アルキルシクロペンタノンは、特に調合香料を作製する際の素材香料として使用することにより、ラセミ体を使用した場合と比べ、より自然で、より特徴的な香調を有する香料組成物を提供することができる。また、(R)−2−アルキルシクロペンタノンは、香料化合物として非常に重要な(R)−δ−ラクトン類の合成原料としても大変有用である。
以下、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、(R)−2−ペンチルシクロペンタノンの光学純度は、キラル液相を用いたガスクロマトグラフィー法により決定した。
ガスクロ装置:6890N-Antosampler(Agilent社製、商品名)
カラム:CHIRALDEX G-DP(0.25mm×30m)(アステック社製、商品名)
温度:60〜180℃(毎分1℃昇温)
[実施例1]
下記反応式に従って、(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た。
Figure 0004789889
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3.5時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(該反応後の上記ラセミ体の転換率86%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留し、112.1g(収率75%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後14時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(87g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、50.7gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率74%、純度99%、光学純度85.0%ee)。
[実施例2]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水イソ酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率78%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、86.7g(収率58%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレート(100g,446mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後72時間で上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルイソブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(76g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、52.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率76%、純度99%、光学純度88.2%ee)。
[実施例3]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水プロピオン酸(260.3g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率81%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留し、98.1g(収率70%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネート(100g,475mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルプロピオネートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(80g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、62.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率85%、純度99%、光学純度84.5%ee)。
[実施例4]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水酢酸(204.0g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ペンチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率83%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=100:1〜20:1)して、103.0g(収率79%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテート(100g,509mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後18時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルアセテートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(61g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、50.2gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率64%、純度99%、光学純度70.3%ee)。
[実施例5]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水吉草酸(372.5g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率85%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、120.7g(収率76%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエート(100g,420mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルペンタノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(58g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、42.8gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率66%、純度99%、光学純度52.1%ee)。
[実施例6]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水オクタン酸(540.8g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率88%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、147.7g(収率79%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエート(100g,357mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルオクタノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(50g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、43.5gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率79%、純度99%、光学純度35.0%ee)。
[実施例7]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水ノナン酸(597.0g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、118.4g(収率60%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエート(100g,340mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルノナノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(48g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、40.3gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率77%、純度99%、光学純度28.0%ee)。
[比較例1]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水安息香酸(452.5g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、103.3g(収率60%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルベンゾエート(100g,387mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。ガスクロマトグラフィーにて反応を追跡したが、反応は進行せず、目的とする(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得ることはできなかった。
[比較例2]
(1)2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ペンチルシクロペンタノン(102.8g,0.67mol)、無水デカン酸(65.3g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌を行った(反応後の転換率74%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、136.4g(収率66%)の2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートを得た。
(2)2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートのリパーゼによる加水分解
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水2,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエート(100g,324mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルデカノエートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(44g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、35.5gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率71%、純度99%、光学純度12.0%ee)。
[実施例8]
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)1.0g(対基質1(w/w)%)gを加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(87g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、63.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率92%、純度99%、光学純度85.0%ee)。
[実施例9]
pH電極を付した3,000mlフラスコにイオン交換水1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)2.0g(対基質1(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(200g,892mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。反応系の水素イオン濃度はpH6.5を保つよう、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(120g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、114.2gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率83%、純度99%、光学純度62.3%ee)。
[実施例10]
3,000mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後8時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(61g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、55.0gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率80%、純度99%、光学純度67.7%ee)。
[実施例11]
3,000mlフラスコに0.5Mリン酸バッファー(pH7)1,000mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)10g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(100g,446mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後8時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(59g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、54.3gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率79%、純度99%、光学純度78.0%ee)。
[比較例3]
200mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)100mlを仕込み、これにブルクホルデリア・セパシア(Burkhorderia cepacia)由来のリパーゼ(Lipase PS、アマノエンザイム社製)1.0g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(10.0g,44.6mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後20時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(6.0g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、4.8gの(S)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度6.8%ee)。
[比較例4]
200mlフラスコにメタノール100mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)1.0g(対基質20(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(5.0g,22.3mmol)を加え、30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後48時間反応を行った時点での(R)−2−ペンチルシクロペンタノンへの転換率は28%であったため反応を中止した。
[比較例5]
200mlフラスコにエタノール100mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)1.0g(対基質20(w/w)%)を加え、次いで、実施例1の(1)で得た2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレート(5.0g,22.3mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後48時間で、上記2−ペンチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、減圧濃縮して粗生成物(3.4g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、2.4gの(R)−2−ペンチルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度34.0%ee)。
[実施例12]
(1)2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−エチルシクロペンタノン(75.2g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−エチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、76.9g(収率63%)の2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−エチル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,5.5mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−エチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.43gの(R)−2−エチルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度64.0%ee)。
[実施例13]
(1)2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−プロピルシクロペンタノン(84.1g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−プロピルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、83.7g(収率64%)の2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,5.1mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−プロピル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.45gの(R)−2−プロピルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度98%、光学純度71.9%ee)。
[実施例14]
(1)2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ヘキシルシクロペンタノン(112.7g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ヘキシルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率75%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、108.6g(収率68%)の2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,4.2mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ヘキシル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.5gの(R)−2−ヘキシルシクロペンタノンを得た(収率71%、純度99%、光学純度78.0%ee)。
[実施例15]
(1)2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ヘプチルシクロペンタノン(122.1g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ヘプチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率77%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、118.4g(収率70%)の2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,4.0mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ヘプチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.53gの(R)−2−ヘプチルシクロペンタノンを得た(収率73%、純度99%、光学純度72.6%ee)。
[実施例16]
(1)2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−ノニルシクロペンタノン(140.9g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−ノニルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率78%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、130.0g(収率69%)の2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,3.6mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で、上記2−ノニル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.6g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.53gの(R)−2−ノニルシクロペンタノンを得た(収率70%、純度99%、光学純度73.2%ee)。
[比較例6]
(1)2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートの調製
3Lフラスコにラセミ体の2−メチルシクロペンタノン(65.8g,0.67mol)、無水酪酸(316.4g,2.0mol)、およびトルエン(1,000ml)を仕込み、室温下(18℃)にて撹拌しながら、70%過塩素酸水溶液1.0gを加え、22〜25℃で3時間撹拌して、上記2−メチルシクロペンタノンのエノールエステル化反応を行った(反応後の転換率70%)。
次いで、反応液を冷却後、冷水500mlを加え、有機層を水にて洗浄を行った後に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをさらに精留して、70.0g(収率62%)の2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートを得た。
(2)2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートのリパーゼによる加水分解
30mlフラスコに0.1Mリン酸バッファー(pH7)20mlを仕込み、これにカンディダ・アンタークティカ由来のリパーゼ(Novozym 435、登録商標、Novozymes社製)0.1g(対基質10(w/w)%)を加え、次いで、前記(1)で得た2−メチル−1−シクロペンテニルブチレート(1.0g,5.9mmol)を加えて30℃にて撹拌して、加水分解反応を行った。該反応をガスクロマトグラフィーにて追跡し、反応開始後24時間で上記2−メチル−1−シクロペンテニルブチレートが消失したことを確認後、反応液を濾過、ヘキサン抽出し、ヘキサン層を水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して粗生成物(0.5g)を得た。この粗生成物をさらに精留し、0.39gの(S)−2−メチルシクロペンタノンを得た(収率66%、純度98%、光学純度3.4%ee)。
(評価)
実施例の結果から分かるように、本発明の製造方法により、高収率、高光学純度の(R)−2−アルキルシクロペンタノンを得ることができた。特に前記式(2)において、R2がエチル基、プロピル基またはイソプロピル基である2−アルキルシクロペンテノールエステルを原料として用いた場合は、非常に高い光学純度の生成物を得ることができた(実施例1〜3)。

Claims (4)

  1. 下記式(2)
    Figure 0004789889
    (式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする、下記式(1)
    Figure 0004789889
    (式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される(R)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法。
  2. 下記式(3)
    Figure 0004789889
    (式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表されるラセミ体の2−アルキルシクロペンタノンをエノールエステル化して、下記式(2)
    Figure 0004789889
    (式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される2−アルキルシクロペンテノールエステルを得た後、カンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする、下記式(1)
    Figure 0004789889
    (式中、R1は炭素数2〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される(R)−2−アルキルシクロペンタノンの製造方法。
  3. R1が、ペンチル基、ヘキシル基またはヘプチル基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  4. R2が、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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