JPH078820B2 - 光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の製法 - Google Patents

光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の製法

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JPH078820B2
JPH078820B2 JP61210868A JP21086886A JPH078820B2 JP H078820 B2 JPH078820 B2 JP H078820B2 JP 61210868 A JP61210868 A JP 61210868A JP 21086886 A JP21086886 A JP 21086886A JP H078820 B2 JPH078820 B2 JP H078820B2
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裕治 植田
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は一般式(I) (式中、Rは で示される置換基であり、X−YはCH2-CH2もしくはシ
スCH=CHを、R′は水素原子もしくはアルキル基を示
す) で示される光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−
シクロペンテノン類の製法に関する。
〈従来の技術〉 上記一般式(I)で示される光学活性な2−置換−4−
ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類は農薬、香料ある
いは医薬品の中間体として有用であり、たとえばプロス
タグランデイン誘導体の重要中間体として用いることが
できる。
さらに又、これらの光学活性体はたとえばパラトルエン
スルホン酸やメタンスルホン酸などによりスルホン酸エ
ステルに導いたのち、塩基と反応させるか、あるいは又
酢酸ソーダ、ジクロル酢酸ソーダ、トリクロル酢酸ソー
ダなどと反応させて対応するエステルとしたのち加水分
解することによって、もとの配位とは逆の立体配位を有
する2−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン
類に導いて利用することもできる。
従来、かかる一般式(I)で示される光学活性な2−置
換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の製造法
についてはたとえば以下に示されるような方法が知られ
ている。
1)Tetrahedron Letters.,No.49,4959(1973) 2)J.Am.Chem.Soc.,97 865(1975) 〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、1)の方法については収率、光学純度の
点で必ずしも満足できるものではなく、副生物もいくつ
か生成するという問題があり、また、2)の方法につい
ては原料であるトリケトン体の製造が容易でなく、その
後の工程数も多くて工業的に有利な方法であるとは言え
ないなどの問題があり、いずれの方法も工業的製造法と
しては不満足なものであって、工業的に有利な製造法が
要望されていた。
このようなことから、本発明者らは一般式(I)で示さ
れる2−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン
類を工業的有利に製造すべく検討の結果、本発明に至っ
た。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち本発明は、一般式(III)および(IV) (式中、Rは前記と同じ意味を有する。) で示されるdl−シクロペンテノンアルコールの混合物に
脂肪族カルボン酸類を反応させて、一般式(V)および
(VI) (式中、Rは前記と同じ意味を有し、R1はアシルオキシ
ル基を示す。) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、次い
で微生物が生産するエステラーゼあるいは動植物由来の
エステラーゼを用いて不斉加水分解し、一般式(VII)
および(I) (式中、Rは前記と同じ意味を有する) で示される光学活性な置換−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノン類の混合物を得、さらに立体を保持して転位す
ることを特徴とする前記一般式(I)で示される光学活
性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン
類の製法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、原料として用いられる一般式(III)
および(IV)で示されるdl−シクロペンテノンアルコー
ルの混合物は、たとえば次式に示されるようにフランカ
ルビノール類を転位させることにより容易に合成するこ
とができる。
かかるdl−シクロペンテノンアルコール(III)および
(IV)の混合物と脂肪族カルボン酸類とのエステル化反
応は、エステル製造の常法が適用され、ラセミ体の(II
I)および(IV)の混合物に脂肪族カルボン酸、その酸
無水物あるいはその酸ハライドを溶媒の存在もしくは非
存在下に触媒を用いて反応させることにより実施され
る。
ここで、原料である脂肪族カルボン類としては、たとえ
ば以下の化合物が例示される。
酢酸、酢酸クロリド、酢酸ブロミド、無水酢酸、プロピ
オン酸、プロピオン酸クロリドまたはブロミド、無水プ
ロピオン酸、ブチリルクロリドまたはブロミド、カプロ
イルクロリドまたはブロミド、カプリル酸クロリドまた
はブロミド、カプリノイルクロリドまたはブロミド、ド
デカノインクロリドまたはブロミド、パルミトイルクロ
リドまたはブロミド、クロルアセチルクロリドまたはブ
ロミド、ジクロルアセチルクロリドまたはブロミド。
反応に用いる脂肪族カルボン酸類は原料であるdl−シク
ロペンテノンアルコール(III)および(IV)の混合物
に対して1当量以上必要であり、上限については特に制
限されないが、好ましくは1〜4当量の範囲である。
この反応において、溶媒を使用する場合、その溶媒とし
てはたとえばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、ク
ロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
ン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、エーテル、ハロ
ゲン化炭化水素等の反応に不活な溶媒の単独または混合
物があげられる。その使用量については特に制限なく使
用することができる。
触媒としては、たとえばトリエチルアミン、トリn−ブ
チルアミン、ピリジン、ピコリン、炭酸ナトリウム、ナ
トリウムメチラート、炭酸水素カリウム等の有機あるい
は無機塩基性物質があげられる。その使用量は特に制限
されないが、通常dl−シクロペンテノンアルコール(II
I)および(IV)の混合物に対して1〜5倍当量であ
る。
溶媒として有機アミンを使用する場合は、該アミンが触
媒として作用することもある。
又、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の
酸類を触媒として用いることもできる。
反応温度は通常−20℃〜150℃であるが、好ましくは−1
0℃〜120℃の範囲である。
反応時間については特に制限はない。
このような反応によって、一般式(V)および(VI)で
示されるdl−シクロペンテノンエステル類の混合物が容
易に、かつ好収率で得られ、これらは通常の分離手段、
たとえば抽出、分液、濃縮、蒸留等により反応混合物か
ら容易に単離することができるが、次工程へは反応混合
物のまま進むことができる。
一般式(VII)および(I)で示される光学活性な置換
ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類は、一般式(V)
および(VI)で示されるdl−シクロペンテノンエステル
類の混合物を加水分解する能力を有する微生物エステラ
ーゼもしくは動植物エステラーゼを用いて、該エステル
類の光学活性体の一方を加水分解することにより得られ
る。
この反応で用いられるエステラーゼを生産する微生物と
しては、dl−シクロペンテノンエステル類の混合物を不
斉加水分解する能力を有するエステラーゼを生産する微
生物であればよく、特に限定されるものではない(本発
明におけるエステラーゼとはリパーゼを含む広義のエス
テラーゼを意味する。) このような微生物の具体例としては、たとえば以下の属
に属する微生物が挙げられる。
エンテロバクター属、アルスロバクター属、ブレビバク
テリウム属、シユードモナス属、アルカリゲネス属、ミ
クロコッカス属、クロモバクテリウム属、ミクロバクテ
リウム属、コリネバクテリウム属、バシルス属、ラクト
バシルス属、トリコデルマ属、キャンディダ属、サッカ
ロミセス属、ロドトルラ属、クリプトコッカス属、トル
ロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム属、アスペルギル
ス属、リゾプス属、ムコール属、オーレオバシディウム
属、アクチノムコール属、ノカルディア属、ストレプト
ミセス属、ハンゼヌラ属、アクロモバクター属に属する
微生物があげられる。
上記微生物の培養は、通常常法に従って液体培養を行な
うことにより培養液を得る。たとえば滅菌した液体培地
〔かび類、酵母類用には麦芽エキス・酵母エキス培地
(水1にペプトン5g、グルコース10g、麦芽エキス3
g、酵母エキス3gを溶解し、pH6.5とする)、細菌用には
加糖ブイヨン培地(水1にグルコース10g、ペプトン5
g、肉エキス5g、Nacl3gを溶解し、pH7.2とする)〕に微
生物を接種し、通常20〜40℃で1〜3日間往復振盪培養
を行なう。また必要に応じて固体培養を行なってもよ
い。
また、これらの微生物起源のエステラーゼのなかには市
販されているものがあり、容易に入手することができ
る。市販エステラーゼの具体例としては、たとえば以下
のものが挙げられる。シュードモナス属のリパーゼ(天
野製薬製)アスペルギルス属のリパーゼ(リパーゼAP
(天野製薬製))、ムコール属のリパーゼM-Ap(天野製
薬製)、キャンディダ・シリンドラッセのリパーゼ(リ
パーゼMY(名糖産業製))アルカリゲネス属のリパーゼ
(リパーゼPL(名糖産業製))、アクロモバクター属の
リパーゼ(リパーゼAL(名糖産業製))、アルスロバク
ター属のリパーゼ(新日本化学製)、クロモバクテリウ
ム属のリパーゼ(東洋醸造製)、リゾブス・デレマーの
リパーゼ(タリパーゼ(田辺製薬製))、リゾブス属の
リパーゼ(リパーゼサイケン(大阪細菌研究所)) また、動物・植物エステラーゼを用いることもでき、こ
れらの具体的なエステラーゼとしては、以下のものを挙
げることができる。
ステアプシン、パンクレアチン、ブタ肝臓エステラー
ゼ、Wheat Germエステラーゼ。
この反応で用いられるエステラーゼ(加水分解酵素)、
動物、植物、微生物から得られた酵素の使用形態として
は、精製酵素、粗酵素、酵素含有物、微生物培養液、培
養物、菌体、培養口液及びそれらを処理した物など種々
の形態で必要に応じて用いることができ、酵素と微生物
を組合わせて用いることもできる。あるいはまた、樹脂
等に固定化した固定化酵素、固定化菌体として用いるこ
ともできる。
この加水分解反応は、dl−シクロペンテノンエステル類
の混合物と上記酵素もしくは微生物を通常緩衝液中で激
しく攪拌することによって行なわれる。
緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナトリウム、リ
ン酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウムの如き有機酸塩の緩衝液等が用
いられ、そのpHは、好アルカリ性菌の培養液やアルカリ
性エステラーゼではpH8〜11、好アルカリ性でない微生
物の培養液や耐アルカリ性を有しないエステラーゼでは
pH5〜8が好ましい。
濃度は通常0.05〜2M、好ましくは0.05〜0.5Mの範囲であ
る。
反応温度は通常10〜60℃であり、反応時間は一般的には
4〜70時間であるが、これに限定されることはない。
尚、加水分解の際、緩衝液に加えてトルエン、クロロホ
ルム、メチルイソブチルケトン、ジクロルメタン等の反
応に不活性な有機溶媒を使用することもでき、これらを
使用することによって不斉水解を有利に行うことができ
る。
このような加水分解反応終了後、反応液から加水分解生
成物および加水分解残を分離するためには、加水分解反
応液たとえばメチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エ
チルエーテル等の溶媒により抽出処理し、有機層から溶
媒を留去したのち濃縮残渣を更に蒸留するか、カラムク
ロマトグラフィーで処理する等の方法により光学活性な
置換−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(VII)お
よび(I)の混合物と加水分解残である光学活性な置換
−アシルオキシ−2−シクロペンテノンをそれぞれ分離
することができる。
ここで回収された光学活性な置換−アシルオキシ−2−
シクロペンテノン類はこれを更に加水分解し、対称体製
造の原料として用いることができる。
なお、この不斉水解反応でリパーゼとしてシユードモナ
ス属あるいはアルスロバクター属に属するリパーゼを用
いる場合には比較的高い光学純度で光学活性な置換ヒド
ロキシ−2−シクロペンテノン類を得ることができる。
また、この加水分解のさい、緩衝液に加えてトルエン、
クロロホルム、メチルイソブチルケトン、ジクロルメタ
ン等の反応に不活性な有機溶媒を使用することもでき、
これらを使用することによって不斉水解を有利に行うこ
とができる。
一般式(I)で示される光学活性な2−置換−4−ヒド
ロキシ−2−シクロペンテノン類は、前述の方法により
得られる一般式(VII)および(I)で示される光学活
性な置換−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類を塩基
もしくは触媒の存在下に立体を保持したまま転位させる
ことにより製造される。
尚、この反応工程の原料である一般式(VII)で示され
る光学活性な5−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノン類については従来全く知られておらず、dl−体
としてのみTetrahedoron Letters.,1131〜1134(1977)
に記載されているが、該文献には4−位の水酸基と5−
位の置換基の立体配位については全く記載されていな
い。もちろん光学活性体およびその分離などについては
その可能性すら記載されておらず、分離された光学活性
体が立体を保持したまま転位する可能性や、立体を保持
したまま転位して得られる2−置換−4−ヒドロキシ−
2−シクロペンテノン類に関する立体配位については記
載はおろうかその認識すらみられない。
一方、上記一般式(VII)で示される光学活性な5−置
換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の立体異
性体として、Acta Chemie Academiae Scientiarum Hung
aricae、Tomus 102(1)、PP91〜100(1979)には次の
方法が記載されている。
しかし、上記式(VIII)化合物は前記一般式(VII)で
示される光学活性な5−置換−4−ヒドロキシ−2−シ
クロペンテノン類とは立体配位が異なるため、その製造
のためには出発原料である(−)−Cis-2−オキソビシ
クロ〔3.3.0〕−オクタ−6−エン−3−オールが光学
活性体でなければならないうえ、(VIII)に至るまで多
数の工程を必要とし、必ずしも満足のいく方法とは言え
ない。
このように、本発明における一般式(VII)で示される
光学活性な5−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン類は従来知られていなかった方法により合成され
た化合物であって、その立体配位についても本発明者ら
が初めて明らかにしたものである。
かかる光学活性な5−置換−4−ヒドロキシ−2−シク
ロペンテノン類を立体を保持したまま転位させるにあた
っては、できるだけ光学純度を高く保持したまま、すな
わち極力ラセミ化を少くして転位させることが必要であ
り、そのためには使用する塩基もしくは触媒、温度等に
ついて適切な条件下に実施することが好ましい。
この転位反応で使用される溶媒としては、たとえば、
水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、ベン
ゼン、トルエン、酢酸エチル、クロルベンゼン、ペプタ
ン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、ジエチルエーテ
ル、シクロヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水
素、エーテル、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素
のごとき反応に不活性な溶媒の単独または混合物が使用
される。
この反応で使用される塩基もしくは触媒としては、たと
えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メ
チルピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジ
ン、ルチジンなどの有機第3級アミン、アルミナ、シリ
カゲルなどの金属酸化物、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸
ソーダ、炭酸カリ、炭酸水素ナトリウム、リン酸1水素
カリウムなどの無機塩基類あるいは炭酸塩緩衝液などの
塩基性緩衝液などが適当であり、これらは単独または2
種以上で用いられる。
かかる塩基もしくは触媒の使用量は特に制限されない
が、通常は原料である光学活性な4−シクロペンテノン
アルコール類に対して0.05〜60倍モルであり、有機第3
級アミンや塩基性緩衝液は溶媒を兼ねて用いることもで
きる。
反応温度は−20〜130℃の範囲であり、使用する溶媒、
塩基もしくは触媒によって適当に選択される。
たとえば、溶媒として水非存在下に反応を実施する場合
にはラセミ化が起こりにくいため−10〜90℃の範囲で反
応を行うことができる。また、有機第3級アミン−水混
合系の場合には−10〜50℃の範囲が好ましく、水のみあ
るいは強塩基性下における転位反応では−20〜30℃の範
囲が好ましい。
反応時間については特に制限されない。
このようにして得られた反応混合物から、抽出、分液、
濃縮、蒸留等の一般的な操作によって目的とする一般式
(I)で示される光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ
−2−シクロペンテノン類が得られる。
〈発明の効果〉 かくして、本発明の方法により、光学活性な2−置換−
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類(I)を光学
純度よく、かつ収率よく得ることができ、これは医薬で
あるプロスタグランディン誘導体の中間体として極めて
有用である。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 フラスコに水1,000mlおよび酢酸ナトリウム0.2gを仕込
み、5%酢酸にてpHを4.4に調整する。
これに2−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−フル
フリルアルコール20gを加え、14時間加熱攪拌する。
反応終了後、トルエン200mlにて2回抽出する。有機層
を減圧下に濃縮し、濃縮残渣19.6gを得る。
この濃縮残渣19.6gをジクロルメタン100mlに溶解し、ピ
リジン30mlを加える。内温を0〜10℃に保ちながら塩化
アセチル13.0gを2時間を要して加える。同温度で1時
間保温後、25〜30℃にて3時間反応させる。
反応終了後、水、1%希塩酸、1%重曹水、水で順次洗
浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃
縮し、濃縮残渣23.0gを得る。
これを、トルエン:酢酸エチル(5:2)混合液を用いて
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4−ア
セトキシ−5−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−
2−シクロペンテノン(V−1)および4−アセトキシ
−2−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シク
ロペンテノン(VI-1)の混合物17.6gを得た。(V−
1)と(VI-1)の生成比率は70:30である。
屈折率 ▲n20 D▼ 1.4866 次に、ここで得た4−アセトキシ−5−(ω−メトキシ
カルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(V−
1)および4−アセトキシ−2−(ω−メトキシカルボ
ニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(VI-1)の混合
物4g、0.3Mリン酸バッファー(pH7.5)100ml、ジクロル
メタン3mlおよびシュードモナス属リパーゼ(アマノリ
パーゼ「P」)300mgを仕込み、25〜30℃にて15時間激
しく攪拌する。
反応終了後、反応液をトルエン40mlにて2回抽出する。
有機層を合わせて減圧下に濃縮し、濃縮残渣3.85gを得
る。
濃縮残渣をトルエン:酢酸エチル(5:2)を用いてカラ
ムクロマト精製し、l−4−ヒドロキシ−5−(ω−メ
トキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン
(VII-1)およびd−4−ヒドロキシ−2−(ω−メト
キシカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(I
−1)の混合物1.16g〔旋光度−9.7°(C=1,CHC
l3)、放置すれば結晶化する。〕 とd−4−アセトキシ−5−(ω−メトキシカルボニル
ヘキシル)−2−シクロペンテノンおよびl−4−アセ
トキシ−2−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2
−シクロペンテノンの混合物2.40g〔旋光度+7.9°(C
=1,CHCl3)〕を得た。
次にここで得たl−4−ヒドロキシ−5−(ω−メトキ
シカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(VII-
1)とd−4−ヒドロキシ−2−(ω−メトキシカルボ
ニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(I−1)の混
合物0.5gをアルミナ10gとともにトルエン30ml中、30〜4
0℃で24時間攪拌する。
反応終了後、アルミナを別し、液を濃縮する。
濃縮残渣はさらにトルエン−酢酸エチル(5:4)にてシ
リカゲルカラムクロマト精製し、4R(+)−ヒドロキシ
−2−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シク
ロペンテノン0.45gを得た。
▲〔α〕20 D▼ +15.3°(C=1、メタノール) m.p 59℃ 別途、アルミナにかえ、(VII-1)および(I−1)の
混合物0.48gをクロラール0.59g、トリエチルアミン0.04
gおよびジクロルメタン10mlとともに30〜40℃にて5時
間攪拌する。反応終了後、反応液を水、1%塩酸水、1
%重ソウ水、水にて順次洗浄する。有機層を濃縮後、残
渣をカラムクロマト精製し、4R(+)−ヒドロキシ−2
−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペ
ンテノン0.4gを得た。
▲〔α〕20 D▼ +15.1°(C=1、メタノール) m.p.57〜8℃ 実施例2 実施例1においてリパーゼをアルスロバクター属リパー
ゼ(新日本化学製)200mgに代える以外は実施例1と同
様に反応、後処理、精製する。l−4−ヒドロキシ−5
−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペ
ンテノン(VII-1)およびd−4−ヒドロキシ−2−
(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2−シクロペン
テノン(I−1)の混合物1.02g〔旋光度−9.2°(C=
1、CHCl3)、放置すれば結晶化する。〕 とd−4−アセトキシ−5−(ω−メトキシカルボニル
ヘキシル)−2−シクロペンテノンおよびl−4−アセ
トキシ−2−(ω−メトキシカルボニルヘキシル)−2
−シクロペンテノン2.64g〔旋光度▲〔α〕20 D▼+7.4
°(C=1、CHCl3)、▲n20 D▼ 1.4879〕を得た。
次にここで得たl−4−ヒドロキシ−5−(ω−メトキ
シカルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(VII-
1)とd−4−ヒドロキシ−2−(ω−メトキシカルボ
ニルヘキシル)−2−シクロペンテノン(I−1)の混
合物0.48g、ピリジン0.2g、アルミナ10gおよびテトラヒ
ドロフラン20mlを30〜35℃中で20時間攪拌する。
反応終了後、アルミナを別し、液を濃縮する。
濃縮残渣を実施例1と同様、シリカゲルカラムクロマト
精製する。4R(+)−ヒドロキシ−2−(ω−メトキシ
カルボニルヘキシル)−2−シクロペンテノン0.42gを
得た。
▲〔α〕20 D▼ +13.1°(C=1、メタノール) m.p.59〜60℃
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 31/02 Z 8017−4G C07B 53/00 7419−4H (72)発明者 近藤 倫正 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 Acta Chemica Acade miae Scientiarum Hu ngaricae,Tomus,102[1 ],PP.91−100(1979)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは で示される置換基であり、X−YはCH2-CH2もしくはシ
    スCH=CHを、R′は水素原子もしくはアルキル基を示
    す。R1はアシルオキシル基を示す。) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類の混合物
    を、微生物が生産するエステラーゼあるいは動植物由来
    のエステラーゼを用いて不斉加水分解して一般式 (式中、Rは前記と同じ意味を有する。) で示される光学活性な置換−ヒドロキシ−2−シクロペ
    ンテノン類の混合物を得、さらに立体を保持して転位す
    ることを特徴とする一般式 (式中、Rは前記と同じ意味を有する。) で示される光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−
    シクロペンテノン類の製法。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Rは で示される置換基であり、X−YはCH2-CH2もしくはシ
    スCH=CHを、R′は水素原子もしくはアルキル基を示
    す。) で示されるdl−シクロペンテノンアルコールの混合物に
    脂肪族カルボン酸類を反応させて、一般式 (式中、Rは前記と同じ意味を有し、R1はアシルオキシ
    ル基を示す。) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類の混合物を
    得、次いで微生物が生産するエステラーゼあるいは動植
    物由来のエステラーゼを用いて不斉加水分解して一般式 (式中、Rは前記と同じ意味を有する。) で示される光学活性な置換ヒドロキシ−2−シクロペン
    テノン類の混合物を得、さらに立体を保持して転位する
    ことを特徴とする一般式 (式中、Rは前記と同じ意味を有する。) で示される光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−
    シクロペンテノン類の製法。
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