JP5149802B2 - 光学活性コハク酸イミド化合物の製造法 - Google Patents
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Description
(1)シンコニジンが非常に高価であり、また流通量が少なく大量に供給することが困難であること。
(2)シンコニジンが、基質1モルに対して1モル以上必要であること。
(3)再結晶を複数回実施しなければ光学純度が向上しないこと。
(4)コハク酸イミド化合物のラセミ化合物から光学活性化合物を得るために塩の形成、再結晶、アミンの除去といった多段階の操作が必要で、非常に操作が繁雑であること。
そのため従来法では不可能な、操作性に優れ安価で実施可能でありかつ光学選択性の高い新規製造法が待たれていた。
即ち、本発明は、
〔1〕式(1)
アルキル基または置換されていてもよい炭素原子数6ないし12の芳香族基を表し、
R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、直鎖状、枝分かれ状もしくは環状であってよい炭素原子数1ないし12のアルキル基、置換されてもよい炭素原子数2ないし6のアシル基、置換されていてもよい炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基、芳香環部が置換されていてもよいベンジル基または芳香環部が置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基を表すか、あるいは、
R2およびR3は結合する窒素原子と一緒になって環を形成することができ、
R4は水素原子、直鎖状、枝分かれ状もしくは環状であってよい炭素原子数1ないし12のアルキル基または置換されていてもよい炭素原子数6ないし12の芳香族基を表す。)で表されるコハク酸イミド化合物のラセミ化合物を加水分解酵素の存在下で処理して、その片方のエナンチオマーを選択的に加水分解し、次いで後処理を行うことによる、式(2)
〔2〕前記加水分解酵素が、プロテアーゼ、エステラーゼまたはリパーゼであることを特徴とする〔1〕記載の製造方法。
〔3〕前記加水分解酵素が、ペニシリウム(Penicillium)を起源とするリパーゼ、キャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)を起源とするリパーゼまたは豚肝臓由来のエステラーゼ(PLE)であることを特徴とする〔1〕記載の製造方法。
〔4〕前記加水分解酵素が、豚肝臓由来のエステラーゼ(PLE)であることを特徴とする〔1〕記載の製造方法。
〔5〕前記式(2)で表される光学活性コハク酸イミド化合物が、式(3)
〔6〕前記式(2)で表される光学活性コハク酸イミド化合物が、式(4)
〔7〕前記後処理が有機溶媒による抽出である、〔1〕記載の製造方法。
〔8〕前記式(1)および式(2)で表される光学活性コハク酸イミド化合物が、それぞれR1が直鎖状もしくは枝分かれ状であってもよい炭素原子数1ないし6のアルキル基を表し、R2が芳香環部が置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基を表し、R3およびR4が水素原子を表す化合物である〔1〕ないし〔4〕のいずれか1つに記載の製造方法。
〔9〕〔6〕または〔8〕に記載の製造方法により製造された光学活性コハク酸イミド化合物を(R)−(−)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4−スピロ−3’−ピロリジン−1,2’,3,5’−テトラオン(以下、「化合物A」という。)に変換する工程を含む化合物Aの製造方法。
〔10〕化合物Aの製造方法であって;
(a)〔6〕または〔8〕に記載の製造方法により光学活性コハク酸イミド化合物を製造する工程;
(b)前記工程(a)で製造された光学活性コハク酸イミド化合物のベンジルオキシカルボニルアミノ基をアミノ基に変換する工程;
(c)前記工程(b)により得られた生成物のアミノ基をピロール−1−イル基に変換する工程;
(d)前記工程(c)により得られた生成物のピロール−1−イル基を2−トリクロロアセチルピロール−1−イル基に変換する工程;および
(e)前記工程(d)により得られた生成物を4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミンと反応させて化合物Aに変換する工程
を含む製造方法。
本明細書における直鎖状、枝分かれ状もしくは環状であってよい炭素原子数1ないし12のアルキル基とは、炭素原子数が1ないし12個よりなる直鎖状、枝分かれ状または環状の炭化水素基を表し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル記、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、アダマンチル基等が具体例として挙げられる。
置換されてもよい炭素原子数6ないし12の芳香族基としては、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし12のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし12のアルキルオキシ基、ジ(炭素原子数1ないし12のアルキル)アミノ基等から選ばれる同一または相異なった1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換されてもよい炭素原子数2ないし6のアシル基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基等から選ばれる同一または相異なった1個以上の置換基で置換されていてもよいメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、s−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基等が挙げられる。
置換されてもよい炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基等から選ばれる同一または相異なった1個以上の置換基で置換されていてもよいメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、i−プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、i−ブチルオキシカルボニル基、s−ブチルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
芳香環部が置換されていてもよいベンジル基としては、芳香族部がハロゲン原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし12のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし12のアルキルオキシ基、ジ(炭素原子数1ないし12のアルキル)アミノ基等から選ばれる同一または相異なった1個以上の置換基で置換されていてもよいベンジル基を表す。
芳香環部が置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基としては、芳香族部がハロゲン原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし12のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし12のアルキルオキシ基、ジ(炭素原子数1ないし12のアルキル)アミノ基、等から選ばれる同一または相異なった1個以上の置換基で置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基を表す。
「R2およびR3は結合して環を形成」する場合とは、R2およびR3が一緒になって、それらに結合するNと共にピペリジン環、ピロリジン環、コハク酸イミド環、マレイミド環
等を形成する場合が挙げられる。
R1としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基等が挙げられる。
R2としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられる。
R3としては、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、t−ブチルオキ
シカルボニル基等が挙げられる。
R4としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基等が挙げられる。
使用する加水分解酵素としては、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ等が挙げられるが、好ましくはペニシリウム(Penicillium)を起源とするリパーゼ(例えばリパーゼR;アマノエンザイム社製)、キャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)を起源とするリパーゼ(例えばキラザイムL−2(Chirazyme L−2);ロッシュ社製)、豚肝臓由来のエステラーゼ(PLE);例えばシグマ社製、ロッシュ社製、バイオカタリティクス社製等)がよく、更に好ましくは豚肝臓から抽出したエステラーゼ(PLE)がよい。
加水分解酵素は天然型のもの、または固定化等の加工品として市販されているものを使用することができ、一種類単独でまたは二種類以上を混合して使用することができる。
加水分解酵素の使用量としては、通常、式(1)で表されるコハク酸イミド化合物1gに対して0.01ないし3000mgの範囲で使用することができ、好ましくは0.1ないし100mgの範囲である。
溶媒としては、水、緩衝液溶媒、有機溶媒、有機溶媒と水の混合系溶媒、有機溶媒と緩衝液溶媒の混合系溶媒を使用する。
緩衝液としては、酸性化合物とアルカリ性化合物を水中で混合し任意のpHに調整したものを使用する。
緩衝液に使用する酸性化合物としては、例えば、リン酸、クエン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられるが、好ましくはリン酸、クエン酸が使用される。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが使用される。
緩衝液の濃度は0.01ないし2.0mol/Lの範囲で使用することができ、好ましくは0.03ないし0.3mol/Lの範囲である。
有機溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、かつ、目的とする反応を妨げないものであれば特に制限はなく、アルコール類(例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)等を使用することが出来る。
上記有機溶媒は一種類単独でまたは二種類以上を混合して用いることができる。
溶媒の使用量としては、通常、式(1)で表されるコハク酸イミド化合物に対して1ないし200質量倍使用することができ、好ましくは、5ないし50質量倍の範囲である。
反応温度は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0ないし80℃の範囲で行うのがよく、さらに好ましくは20ないし50℃の範囲がよい。
反応操作としては、反応中のpHの変化に対して酸性化合物またはアルカリ性化合物を例えば水溶液として滴下投入し、任意のpHに調整することができる。
目的とする式(2)で表される光学活性コハク酸イミド化合物は、例えば、反応終了後、反応液を濾過して不溶物を除き、適当な溶媒により反応物を抽出し、水洗することにより加水分解物を除去し、溶媒を減圧濃縮することにより得ることができる。また、必要により再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により精製することができる。
また、式(1)で表される化合物を加水分解酵素の産生能を有する微生物、例えば、ペニシリウム(Penicillium)、キャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)などの培養物またはその処理物で処理することによっても式(2)で表される化合物を製造することができる。
また、特許文献1の参考例および実施例並びに非特許文献4の実験項(Experimental Section)には前記式(4)で表される光学活性コハク酸イミド化合物から化合物Aを製造する方法が具体的に記載されており、該製造方法は、以下の工程:
(i)前記式(4)で表される光学活性コハク酸イミド化合物のベンジルオキシカルボニルアミノ基をエタノール中でパラジウム炭素を用いて加水素化分解してアミノ基に変換する工程、
(ii)工程(i)により得られた生成物のアミノ基を酢酸中で2,5−ジメトキシテトラヒドロフランと反応させる工程、
(iii)工程(ii)により得られた生成物をクロロホルム中でトリクロロアセチルクロリドと反応させる工程、
(iv)工程(iii)により得られた生成物を乾燥ジメチルホルムアミド中でトリエチルアミンと4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミン塩酸塩との混合物と反応させる工程、(v)工程(iv)により得られた化合物Aを酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒から結晶化して単離する工程、
からなる。
尚、式(2)で表される光学活性コハク酸イミド化合物の光学純度は、光学活性カラムを使用した高速液体クロマトグラフィーによる測定結果から、エナンチオマーとの面積比率より決定した。
カラム:CHIRALPAK AD−H(ダイセル化学工業製)
展開溶媒:イソプロピルアルコール/ヘキサン=23/77(容積比)
オーブン温度:40℃,
検出法:UV216nm
また、式(2)で表される光学活性コハク酸イミド化合物の定量収率は、逆相系高速液体クロマトグラフィーを用い、フタル酸ジアリルを内部標準物質とする定量分析を行うことにより決定した。
カラム:XBridge C18 (ウォーターズ製)
展開溶媒:水/アセトニトリル/酢酸=58/42/0.1(容積比)
オーブン温度:40℃,
検出法:UV210nm
(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミドの製造
エステラーゼ(PLE(21kU/g);シグマ社製、凍結乾燥品)0.5gをpH6.5に調整した0.07mol/Lリン酸緩衝液200mLに溶解し、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミド10gをテトラヒドロフラン20gに溶解したものを加えた。30℃で48時間攪拌し、t−ブチルメチルエーテル100mLを加えた後、セライト(No.545)で濾過し、t−ブチルメチルエーテル50mLで洗浄した。濾液を分液後、有機層を100mLの水で数回洗浄し、溶媒を減圧留去した後、酢酸エチル、ヘキサンで再結晶し、光学純度98.9%e.e.(鏡像体過剰率)の(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミド3.6g(収率36%)を白色結晶として得た。
尚、本例で使用した2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミドは、特開平5−186472号公報に記載された方法により合成した。
(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミドの製造
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミド5.0gをジメチルスルホキシド100gに溶解し、0.05mol/Lクエン酸緩衝液(pH4.4)100gを加えた後に5%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5に調整した。これにエステラーゼ(PLE(2.7kU/mL);バイオカタリティクス社製、硫安懸濁液)0.28mLを加え、25℃で78時間攪拌した後に反応液を定量分析した。その結果、この反応液には光学純度97.5%e.e.の(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニルコハク酸イミド2.4g(定量収率48.6%)が含まれていた。
Claims (5)
- 式(1)
R1は直鎖状、枝分かれ状もしくは環状であってよい炭素原子数1ないし12のアルキル基または置換されていてもよい炭素原子数6ないし12の芳香族基を表し、
R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、直鎖状、枝分かれ状もしくは環状であってよい炭素原子数1ないし12のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数2ないし6のアシル基、置換されていてもよい炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基、芳香環部が置換されていてもよいベンジル基または芳香環部が置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基を表すか、あるいは、
R2およびR3は、結合する窒素原子と一緒になって環を形成することができ、
R4は水素原子、直鎖状、枝分かれ状もしくは環状であってよい炭素原子数1ないし12のアルキル基または置換されていてもよい炭素原子数6ないし12の芳香族基を表す。)で表されるコハク酸イミド化合物のラセミ化合物を豚肝臓由来のエステラーゼ(PLE)の存在下で処理して、その片方のエナンチオマーを選択的に加水分解し、次いで後処理を行うことによる、式(3)
- 前記後処理が有機溶媒による抽出である、請求項1記載の製造方法。
- 前記式(1)および式(3)で表される光学活性コハク酸イミド化合物が、それぞれR1が直鎖状もしくは枝分かれ状であってもよい炭素原子数1ないし6のアルキル基を表し、R2が芳香環部が置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基を表し、R3およびR4が水素原子を表す化合物である請求項1に記載の製造方法。
- (R)−(−)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4−スピロ−3’−ピロリジン−1,2’,3,5’−テトラオンの製造方法であって;
(a)請求項2または請求項4に記載の製造方法により光学活性コハク酸イミド化合物を製造する工程;
(b)前記工程(a)で製造された光学活性コハク酸イミド化合物のベンジルオキシカルボニルアミノ基をアミノ基に変換する工程;
(c)前記工程(b)により得られた生成物のアミノ基をピロール−1−イル基に変換する工程;
(d)前記工程(c)により得られた生成物のピロール−1−イル基を2−トリクロロアセチルピロール−1−イル基に変換する工程;および
(e)前記工程(d)により得られた生成物を4−ブロモ−2−フルオロベンジルアミンと反応させて(R)−(−)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4−スピロ−3’−ピロリジン−1,2’,3,5’−テトラオンに変換する工程
を含む製造方法。
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