JPH0899842A - 泡状酸性染毛料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】（１）ベンジルアルコール類又はピロリドン類
の一種又は二種０．５〜２０重量％、アルキルグリコシ
ド０．０１〜３重量％、酸性染料０．００５〜２．０重
量％、酸、噴射ガス剤１〜２０重量％を含有し、原液の
ｐＨが２．０〜５．５である泡状酸性染毛料。 （２）高分子化合物含有の上記泡状酸性染毛料。 （３）キサンタンガム又はヒドロキシエチルセルロース
含有の上記泡状酸性染毛料。 【効果】充分な染毛力を持ち、毛髪に塗布しやすく、泡
の安定性も優れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、染毛性に優れ、毛髪に
塗布しやすく、泡の安定性に優れた泡状酸性染毛料に関
する。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】従来、頭髪用染毛料とし
ては酸化型染毛料と酸性染毛料がある。酸化型染毛料
は、アルカリ性下で過酸化水素を作用させるために、毛
髪の損傷を生ずる危険性があるとともに皮膚刺激を生じ
る場合もある。そこで、皮膚や、頭髪への安全性の高い
染毛料として酸性染毛料が開発されてきた。しかし、こ
れらの通常の型の酸性染毛料は、染毛時に手などの皮膚
を汚し、操作が煩雑であり、染毛性が充分ではないなど
の欠点を有していた。

【０００３】これらの問題を解決する手段として既に特
開平５−２２１８３５号公報、特開平５−２７１０４１
号公報等が提案されているものの、溶剤や比較的多量の
界面活性剤が配合されているために系が均一であるため
に依然として染毛性が充分ではない。

【０００４】本発明者は上記このような背景に鑑み、充
分な染毛性を持ち、かつ操作が簡便であり、しかも安定
性に優れた酸性染毛料を開発するために鋭意検討した結
果、特定量のベンジルアルコール類又はピロリドン類
と、特定量のアルキルグリコシド類と、特定量の酸性染
料と、酸と、特定量の噴射ガス剤とを含有し、これらの
成分を含有した原液のｐＨが特定の幅にある泡状酸性染
毛料が上記の問題すべてを満足することを見出し、本発
明を完成するに至った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の請求
項１、成分（Ａ）一般式（１）

【０００６】

【化４】

【０００７】〔式中、Ｒ₁ はＨ、ＣＨ₃ 基又はＣＨ₃ Ｏ
基、Ｒ₂ は−ＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ₂ＣＨ₂ ＯＨ基、−
ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＯＨ基、−Ｃ（ＣＨ₃ ）₂ ＯＨ基、−Ｃ
Ｈ₂ ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＯＨ基、−ＣＨ₂ ＣＨ₂ ＯＨ基、−
ＣＨ₂ ＯＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＣＨ₂ ＯＨ
基、−ＣＨ＝ＣＨＣＨ₂ ＯＨ基、又は−ＯＣＨ₂ ＣＨ₂
ＯＨ基を表す。〕の群から選ばれる化合物又は一般式
（２）

【０００８】

【化５】

【０００９】〔式中、Ｒ₃ は炭素数１〜１８の直鎖又は
分岐鎖のアルキル基を示す〕で表される化合物の一種又
は二種以上を０．５〜２０重量％、成分（Ｂ）一般式
（３）

【００１０】

【化６】

【００１１】〔式中、Ｒは炭素数１〜１６の直鎖又は分
岐状のアルキル基を示し、Ｘ及びＹは同一又は異なって
−ＣＨ₂ ＣＨ₂ Ｏ−、−ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＣＨ₂ Ｏ−又は
−ＣＨ₂ ＣＨ（ＣＨ₃ ）Ｏ−を示し、Ｇは同一又は異な
って炭素数５又は６の糖残基を示し、ｎ及びｎ′は平均
値が０≦ｎ≦１０及び０≦ｎ′≦１０を示し、ｎ″は平
均値が０≦ｎ″≦３ｘ＋１を示し、ｘは平均値が１≦ｘ
≦１０を示す。〕で表されるアルキルグリコシド類の少
なくとも一種０．０１〜３重量％、成分（Ｃ）酸性染料
０．００５〜２．０重量％、成分（Ｄ）酸、成分（Ｅ）
噴射ガス剤とを含有し、（Ａ）〜（Ｄ）を含有した原液
のｐＨが２．０〜４．５であることを特徴とする泡状酸
性染毛料である。

【００１２】また、本発明の請求項２は、高分子化合物
を含有することを特徴とする請求項１記載の泡状酸性染
毛料である。さらに、本発明の請求項３は、キサンタン
ガム及び／またはヒドロキシエチルセルロースを含有す
る請求項１記載の泡状酸性染毛料である。

【００１３】本発明における成分（Ａ）の具体例として
はベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フ
ェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、アニスア
ルコール、ｐ−メチルベンジルアルコール、α−ジメチ
ルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フ
ェノキシエタノール、エチレングリコールモノベンジル
エーテル、Ｎ−メチルピロリドン、Ｎ−オクチルピロリ
ドン、Ｎ−ラウリルピロリドン等が挙げられる。

【００１４】本発明の酸性染毛料には、これらの化合物
の一種以上を組成物総量を基準として、０．５〜２０重
量％（以下ｗｔ％と略記する）が、より好ましくは１．
０〜１５ｗｔ％が配合される。配合量が０．５ｗｔ％未
満では、毛髪を着色するのに充分な効果が得られず、２
０ｗｔ％を超えると、べたつき及び強烈な異臭が生じる
とともに、最終的に得られる組成物の性状が泡状にはな
らない。

【００１５】本発明で用いられる（Ｂ）成分において、
Ｒで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル
基、ｎ−プロピル基、イソブチル基、ｓｅｃ−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘ
キサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の直
鎖又は分岐を有する炭素数１〜１６のアルキル基が挙げ
られ、好ましくは炭素数１〜１２の直鎖又は分岐を有す
るアルキル基が挙げられる。

【００１６】本発明において、Ｘ又はＹで表される基と
しては、−ＣＨ₂ ＣＨ₂ Ｏ−、−ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＣＨ₂
Ｏ−及び−ＣＨ₂ ＣＨ（ＣＨ₃ ）Ｏ−が挙げられる。

【００１７】本発明において、Ｇで表わされる炭素数５
又は６の糖残基としては、アノマー炭素に水酸基を有す
るものとして例示すると、リボース、アラビノース、キ
シロース、リキソース等の５炭糖及びグルコース、ガラ
クトース、マンノース、フルクトース、アルトロース、
イドース、タロース等の６炭糖が挙げられ、好ましい糖
残基としては、グルコースが挙げられる。（Ｇ）ｘ（Ｘ
≧２）で表される基の例としてはマルトース、ラクトー
ス、マルトトリオース等が挙げられる。

【００１８】本発明において、ｎ及びｎ′は平均値がそ
れぞれ０≦ｎ≦１０及び０≦ｎ′≦１０を示し、ｎ″及
びｘは平均値がそれぞれ０≦ｎ″≦３ｘ＋１及び１≦ｘ
≦１０を示し、ｘは好ましくは１≦ｘ≦５である。

【００１９】本発明において、好ましいアルキルグリコ
シド類としては、メチルグリコシド、エチルグリコシ
ド、ブチルグリコシド、オクチルグリコシド及びドデシ
ルグリコシド等が挙げられる。特にオクチルグリコシド
が望ましい。

【００２０】本発明のアルキルグリコシド類は、いずれ
も公知の化合物であり、公知の製造方法、例えば特開平
１−２８３２９４号に記載の方法によって製造すること
ができる。

【００２１】本発明の泡状酸性染毛料には、これらのア
ルキルグリコシド類を組成物総量を基準として、０．０
１〜３ｗｔ％が、好ましくは０．１〜１．５ｗｔ％が配
合される。０．０１ｗｔ％以下であると、泡状になら
ず、３ｗｔ％以上であると毛髪を着色するのにその量に
見合う充分な効果が得られない。

【００２２】本発明における酸性染料は主としてタール
系色素であり、化学構造から大別すると、ニトロ染料、
アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キ
サンテン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、イ
ンジゴイド染料等が挙げられる。例えば、赤色２号、赤
色３号、赤色１０２号、赤色１０４号、赤色１０５号、
赤色１０６号、黄色４号、黄色５号、緑色３号、青色１
号、赤色２０１号、赤色２２７号、赤色２２０号、赤色
２３０号、赤色２３１号、赤色２３２号、橙色２０５
号、橙色２０７号、黄色２０２号、黄色２０３号、緑色
２０１号、緑色２０４号、緑色２０５号、青色２０２
号、青色２０３号、青色２０５号、褐色２０１号、赤色
４０１号、赤色５０２号、赤色５０３号、赤色５０４
号、赤色５０６号、橙色４０２号、黄色４０２号、黄色
４０３号、黄色４０６号、黄色４０７号、緑色４０１
号、緑色４０２号、紫色４０１号、黒色４０１号等が用
いられる。

【００２３】本発明の酸性染毛料には、これら酸性染料
の一種以上を組成物総量に対し、０．００５〜４ｗｔ％
が、より好ましくは０．０１〜１．０ｗｔ％が配合され
る。０．００５ｗｔ％未満であると充分な染毛力が得ら
れず、４ｗｔ％を超えると手肌の汚れが著しく、実用上
の問題がある。

【００２４】本発明における酸としては、クエン酸、グ
リコール酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、酪酸、
フマル酸、レブリン酸、リンゴ酸、サリチル酸、酢酸、
乳酸、プロピオン酸、吉草酸、酒石酸、リン酸、塩酸、
マンデル酸等が挙げられる。その配合量は、本発明の泡
状染毛料組成物の原液のｐＨが２．０〜４．５になる必
要量であり、好ましくはｐＨが２．３〜３．５になる必
要量である。ｐＨが４．５を超えると毛髪を着色するの
に充分な効果が得られず、ｐＨが２．０未満であると泡
状にならなくなる。

【００２５】本発明の泡状染毛料には、さらに天然、半
合成又は合成のいわゆる高分子化合物を添加してもよ
く、それによって原液を長期安定化するとともに、液だ
れせず使用時の取扱いを容易にすることができ、泡の安
定性も向上することができる。望ましい天然高分子化合
物として、例えば、キサンタンガム、カードラン、プル
ラン、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、ペクチン
（ナトリウム）等を挙げることができる。また、半合成
高分子化合物として、ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等のセルロース誘導体を挙げることができる。さら
に、合成高分子化合物として、例えばポリビニルアルコ
ールを挙げることができる。これらの中で特に望ましい
のは、キサンタンガム（米国ＫＥＬＣＯ社製、ケルトロ
ール）と平均重合度４００〜１０００のヒドロキシエチ
ルセルロースである。

【００２６】本発明における噴射ガス剤としては、ブタ
ン、イソブタン、プロパン等のＬＰＧガス、ジメチルエ
ーテル、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられる。この噴射
ガスの含有量は、１〜２０ｗｔ％である。１ｗｔ％未満
又は、２０ｗｔ％を超えた場合は泡状にはならない。

【００２７】本発明組成物には、前記の必須成分の他
に、その性能を損なわない範囲で紫外線吸収剤、油性成
分、シリコーン誘導体、防腐剤、乳化剤、殺菌剤、酸化
防止剤、メントール等の清涼剤、香料等を添加すること
ができる。ここで油性成分としては脂肪酸エステル類、
直鎖又は分岐鎖のアルキルグリセリンエーテル、分岐の
高級アルコール等が挙げられる。また、本発明の組成物
の溶液化のための溶剤としては主に精製水が用いられる
が、必要ならばアルコール、エチレングリコール、グリ
セリン等を併用することもできる。

【００２８】

【実施例】次に、本発明を実施例をもって詳細に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例中の数値は重量％である。ここ
で、実施例の説明に先立ち、各実施例及び比較例に於て
採用した試験方法について説明する。

【００２９】（１）毛髪着色効果試験 （イ）サンプル試験毛 毛束（白色毛髪の束）５ｇを市販のシャンプーにて洗浄
し、乾燥後、試験試料２ｇを塗布し、３分間放置後、３
０秒間水洗いし、３０秒間シャンプーにて洗浄し、３０
秒間水ですすいだ後、風乾した。

【００３０】（ロ）評価法 試験試料処理前及び処理後のサンプル試験毛束につい
て、高速色彩計（村上色材（株）製ＣＭＳ−１０００
型）を用いて測色を行い、各サンプル試験毛のＸ，Ｙ，
Ｚ値をＨｕｎｔｅｒのＬ，ａ，ｂ表色系へ変換し、下記
の式により処理前と処理後の色差（ΔＥ）を求め、その
数値から、下記評価基準に従って評価した。ΔＥが大き
い程、毛髪が着色したことになる。

【００３１】ΔＥ＝｛（Ｌ−Ｌ_o ）² ＋（ａ−ａ_o ）²
＋（ｂ−ｂ_o ）² ｝^1/2 Ｌ_o ，ａ_o ，ｂ_o ：処理前のサンプル毛のＬ，ａ，ｂ値 Ｌ，ａ，ｂ ：処理後のサンプル毛のＬ，ａ，ｂ値 評価基準 ×；ΔＥ値が１５以下 「ほとんど着色効果がない」 △；ΔＥ値が１６〜２５ 「やや着色効果がある」 ○；ΔＥ値が２６〜３５ 「着色効果がある」 ◎；ΔＥ値が３６以上 「非常に着色効果がある」 （２）毛髪着色効果の実用テスト 各例における酸性染毛料を白髪混じりのパネラー２０名
に使用してもらい、着色効果を「白髪隠し効果」により
下記評価基準で評価を行った。

【００３２】「白髪隠し効果」 ×；白髪が目立たなくなったと答えた人が７人以下の場
合 △；白髪が目立たなくなったと答えた人が８〜１３人の
場合 ○；白髪が目立たなくなったと答えた人が１４〜１７人
の場合 ◎；白髪が目立たなくなったと答えた人が１８人以上 （３）泡安定性テスト ａ．原液を調整し、エアゾールにした直後、２５℃での
泡の状態 ｂ．原液を調整し、エアゾールにしたものを４０℃で１
ヵ月保存し、２５℃のウォーターバスに半日置いた泡の
状態としたときのａ、ｂについてそれぞれを観察し、泡
にならなかった場合を×、泡になった場合を○とした。

【００３３】（４）総合評価 毛髪着色効果、実用テストによる白髪隠し効果、泡安定
性の結果から下記の評価基準に従って総合評価を行っ
た。

【００３４】評価基準 ×；×又は△が１つでもある場合 ○；×又は△が１つもない場合 実施例１〜５、比較例１〜１０ 表１、表２及び表３に示す配合組成の泡状酸性染毛料を
調製し、前記諸試験を行い、表４にその結果を示した。

【００３５】

【表１】

【００３６】

【表２】

【００３７】

【表３】

【００３８】

【表４】

【００３９】このように、本発明による実施例は染毛性
に優れ、毛髪に塗布しやすく、泡の安定性に優れるのに
対し、比較例はこれらの点で一段と劣っていた。

【００４０】なお、本発明の実施例１の処方において、
酸性染料として黒色４０１号、紫色４０１号、橙色２０
５号の合計配合量を２．２％配合する他は同様にして泡
状酸性染毛料を調製し、前記諸試験を行った。その結
果、使用の際、肌につき過ぎ、使用後も落ちにくかっ
た。

【００４１】

【発明の効果】以上記載の如く、本発明は、染毛性や泡
の安定性に優れた泡状酸性染毛料を提供することは明ら
かである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 成分（Ａ）一般式（１） 【化１】 〔式中、Ｒ₁ はＨ、ＣＨ₃ 基又はＣＨ₃ Ｏ基、Ｒ₂ は−
   ＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ₂ＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ（Ｃ
   Ｈ₃ ）ＯＨ基、−Ｃ（ＣＨ₃ ）₂ ＯＨ基、−ＣＨ₂ ＣＨ
   （ＣＨ₃ ）ＯＨ基、−ＣＨ₂ ＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ₂ Ｏ
   ＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＣＨ₂ ＯＨ基、−ＣＨ
   ＝ＣＨＣＨ₂ ＯＨ基、又は−ＯＣＨ₂ ＣＨ₂ ＯＨ基を表
   す。〕の群から選ばれる化合物又は一般式（２） 【化２】 〔式中、Ｒ₃ は炭素数１〜１８の直鎖又は分岐鎖のアル
   キル基を示す〕で表される化合物の一種又は二種以上を
   ０．５〜２０重量％、成分（Ｂ）一般式（３） 【化３】 〔式中、Ｒは炭素数１〜１６の直鎖又は分岐状のアルキ
   ル基を示し、Ｘ及びＹは同一又は異なって−ＣＨ₂ ＣＨ
   ₂ Ｏ−、−ＣＨ（ＣＨ₃ ）ＣＨ₂ Ｏ−又は−ＣＨ₂ ＣＨ
   （ＣＨ₃ ）Ｏ−を示し、Ｇは同一又は異なって炭素数５
   又は６の糖残基を示し、ｎ及びｎ′は平均値が０≦ｎ≦
   １０及び０≦ｎ′≦１０を示し、ｎ″は平均値が０≦
   ｎ″≦３ｘ＋１を示し、ｘは平均値が１≦ｘ≦１０を示
   す。〕で表されるアルキルグリコシド類の少なくとも一
   種０．０１〜３重量％、成分（Ｃ）酸性染料０．００５
   〜２．０重量％、成分（Ｄ）酸、成分（Ｅ）噴射ガス剤
   とを含有し、（Ａ）〜（Ｄ）を含有した原液のｐＨが
   ２．０〜４．５であることを特徴とする泡状酸性染毛
   料。
2. 【請求項２】 高分子化合物を含有することを特徴とす
   る請求項１記載の泡状酸性染毛料。
3. 【請求項３】 キサンタンガム及び／又はヒドロキシエ
   チルセルロースを含有することを特徴とする請求項１記
   載の泡状酸性染毛料。