JP3427240B2 - 毛髪用組成物 - Google Patents
毛髪用組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色した毛髪の色を持
続させる毛髪用組成物に関し、更に詳しくは、染色した
毛髪、とりわけ酸性染毛料で染色した毛髪の色落ちを効
果的に防いで色を長持ちさせ、かつ使用後の髪に高いコ
ンディショニング効果を付与してそれを長く持続させる
毛髪用組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より毛髪を染めるために汎用されて
いる酸化染毛剤は、施術時においてアルカリ性の条件下
で過酸化水素等の酸化剤を作用させるために、使い方次
第では毛髪損傷や皮膚一次刺激を起こす可能性がある。
このため、毛髪や頭皮に対する影響の少ない染毛剤とし
て、酸性染料を用いたものが開発されてきた。しかしな
がら、酸性染毛剤は、酸化染毛剤と比べてその染色堅牢
性が劣り、染色しても通常のシャンプーやトリートメン
ト剤、整髪料等の使用により、1週間程度で明らかな色
落ちが見られる。そこで、この酸性染毛剤による染色の
堅牢性を向上させるため、毛髪染色促進剤として毛髪浸
透性のあるベンジルアルコール等の有機溶剤が染毛剤自
体に配合されてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、染毛剤
に毛髪染色促進剤を配合した場合においても、染色後の
シャンプー、トリートメント剤、整髪料等の使用の繰り
返しによる色落ちは防ぐことが難しく、そのため、酸性
染毛料等で染色した毛髪に対して、繰り返し使用しても
色落ちすることのないシャンプーやトリートメント剤、
整髪料等の開発が望まれていた。また、比較的刺激性の
低い酸性染毛料を用いた場合においても、染色処理や髪
への物理的な刺激等による髪の傷みやパサツキは避けら
れず、通常のヘアトリートメント剤等による処理では効
果の持続が不十分で、染色後も長期的なコンディショニ
ング効果の持続が期待できる毛髪用製品の開発が望まれ
ていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情にかんがみ、上記欠点を克服すべく鋭意研究を重
ねた結果、毛髪用組成物において、毛髪浸透性を有する
特定の化合物を特定pHにおいて配合することにより、
染色した毛髪、とりわけ酸性染毛料で染色した毛髪の色
落ちを効果的に防いで色を長持ちさせ、かつ使用後の髪
に高いコンディショニング効果を付与してそれを長く持
続させることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成させた。 【0005】すなわち、本発明は、2−ヒドロキシベン
ジルアルコールおよび/またはフェニルエチレングリコ
ールを、染色した毛髪の色落ち防止剤として含有し、p
Hが2〜7であることを特徴とする、染色した毛髪に適
用する毛髪用組成物である。 【0006】本発明に用いられる2−ヒドロキシベンジ
ルアルコールは、別名サリゲニンあるいはサリチルアル
コールと呼ばれるものであり、染毛剤を除く毛髪用製品
への配合は前例が見あたらないものであるが、この化合
物は毛髪浸透性を有し、本発明においては染色した毛髪
の色落ちを効果的に防いで色を長持ちさせると共に、コ
ンディショニング効果を長く持続させるはたらきをも
つ。 【0007】また、本発明に用いられるフェニルエチレ
ングリコールは、別名スチレングリコールと呼ばれるも
のであり、染毛剤の組成物中における染色効果促進剤と
して配合されたり(特開昭51−151341号公
報)、抗菌、抗害虫を目的として使用されているもので
あるが、このフェニルエチレングリコールを、染色剤や
抗菌、抗害虫剤以外の毛髪用製品へ配合した前例は見あ
たらない。しかしながら、これは前述の2−ヒドロキシ
ベンジルアルコールと同様に毛髪浸透性を有し、本発明
においては染色した毛髪の色落ちを効果的に防いで色を
長持ちさせると共に、コンディショニング効果を長く持
続させるはたらきをもつ。 【0008】本発明において、2−ヒドロキシベンジル
アルコールまたはフェニルエチレングリコールは、各々
単独または組み合わせで用いることができ、その配合量
は全組成中0.1〜30重量%(以下、特に記載のある
もの以外は重量%を単に%で示す)が好ましく、1〜1
0%がより好ましい。 【0009】本発明の毛髪用組成物のpHは2〜7、よ
り好ましくは2〜6の範囲にあり、公知のpH調整剤や
pH緩衝剤により調整される。pHが2未満であると、
低すぎるpHが頭皮や毛髪に悪い影響を与えることがあ
り、逆にpHが7を超えると、酸性染毛料等で染色した
毛髪の色落ち防止効果が十分でなくなる。 【0010】また、本発明の毛髪用組成物には、上記の
必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわな
い量的、質的範囲で、粘度調整剤、毛髪セット用皮膜形
成剤、髪質改良剤、pH調整剤、洗浄剤、乳化剤、乳化
助剤、噴射剤等、毛髪用組成物において汎用である成分
の配合が可能である。粘度調整剤としては、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、キサンタンガム等の水溶性高分子や脂肪
酸アルキロールアミド等の非イオン性界面活性剤等を使
用することができ、毛髪セット用皮膜形成剤としてはカ
チオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化
グアーガム、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ジアリ
ル4級アンモニウム塩重合物等のカチオン性重合体;ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリビニルアルコール等の非イオン性重
合体;メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマ
ーハーフエステル、アクリル酸エステル−メタクリル酸
エステルコポリマー等のアニオン性重合体;ジアルキル
アミノエチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレ
ートコポリマーのクロル酢酸両性化物、オクチルアクリ
ルアミド−ブチルアミノエチルメタクリレート−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート−アクリレートコポリマー
等の両性重合体等を使用することができる。また、髪質
改良剤として、シリコーン油、高重合シリコーン、環状
シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性
シリコーン、カチオン性シリコーン等のシリコーン誘導
体や陽イオン性界面活性剤、pH調整剤としてクエン
酸、乳酸等の酸またはその塩、洗浄剤として公知の陰イ
オン性界面活性剤や両性界面活性剤、乳化剤としてポリ
オキシアルキレン付加型界面活性剤等の非イオン性界面
活性剤、乳化助剤として高級アルコールやグリセリン脂
肪酸エステル類等、噴射剤として液化石油ガス、窒素ガ
ス、炭酸ガス、ジメチルエーテル等を使用することがで
きる。さらに、これらに加えて、高級脂肪酸、直鎖ある
いは分岐鎖を有するエステル類、炭化水素、油脂類等の
油性成分、多価アルコール、低級アルコール等の水性成
分、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌
剤、美容成分等、通常化粧料に配合される他の成分も配
合することができる。 【0011】本発明の毛髪用組成物は、他の成分との併
用や容器の機構により、液状、乳液状、クリーム状、ゲ
ル状、ムース状、ミスト状、粉末状等、種々の形態にて
実施することができる。 【0012】また、本発明の毛髪用組成物に、コンディ
ショニング成分やヘアトリートメント成分等を配合して
ヘアコンディショナー、ヘアリンス、ヘアパック等とし
たり、洗浄剤基剤と組み合わせてシャンプーとしたり、
毛髪セット用皮膜形成剤等の整髪料基剤と組み合わせて
ヘアスタイリング剤とするなど、種々の毛髪用製品に応
用が可能で、いずれも染色した毛髪の色落ちを効果的に
防いで色を長持ちさせ、かつ使用後の髪に高いコンディ
ショニング効果を付与してそれを長く持続させるという
本発明の効果を有するものである。 【0013】 【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明す
る。なお、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。 【0014】実施例1〜7および比較例1、2 ヘア
コンディショナー 表1に示す組成および下記製法にてヘアコンディショナ
ーを調製し、酸性染料で毛髪を染色した人毛の毛束を用
いて、下記方法により染色持続性、使用後の毛髪の風合
いおよびその持続性の評価を行った。表1に結果を併せ
て記す。 【0015】 【表1】 【0016】(製法) A.成分(1)〜(4)および(6)〜(9)を加熱溶
解する。 B.成分(13)を加熱する。 C.AにBを加え、乳化する。 D.Cを冷却し、成分(5)、(12)を加えた後、成
分(10)、(11)で混合物のpHを3.5に調整し
てヘアコンディショナーを得る。 【0017】(評価方法)白髪混じりの人毛の毛束を、
酸性染毛料を含有する市販のヘアカラートリートメント
(注1)で茶色に染色した後、市販の通常タイプのシャ
ンプーで洗浄した。次に、実施例1〜7および比較例
1、2のヘアコンディショナーの試料を各々塗布し、2
5℃で15分間放置した後洗浄し、乾燥した。このヘア
コンディショナーとシャンプーの使用を5回繰り返し、
下記の評価基準(a)、(b)により、染色持続性、使
用後の毛髪の風合い(毛髪のパサツキのなさ)を評価し
た。また、これらのうち風合いの良かった毛束について
さらに5回洗浄、乾燥を繰り返し、評価基準(c)によ
り風合いの持続性を評価した。 注1:(商品名)パステリッシュカラートリートメント
#001((株)コーセー製) 【0018】(評価基準) 〈1〉染色持続性(染色した毛髪の色落ち防止効果) 人毛の毛束の染め色の変化を、肉眼にて観察した。 評価基準(a) ◎ : 染め色がほとんど変わらない ○ : 染め色がやや褪せた △ : 染め色が褪せた × : 染め色がほとんど残っていない 〈2〉使用後の毛髪の風合い(毛髪のパサツキのなさ) 評価基準(b) ◎ : 処理前よりかなり良い ○ : 処理前よりやや良い △ : 処理前と変わらない × : 処理前より悪い 〈3〉毛髪の風合いの持続性 評価基準(c) ◎ : 洗浄前と変わらない ○ : 洗浄前よりやや悪い △ : 洗浄前より悪いが、染色直後よりは良い × : 洗浄前より悪く、染色直後よりも悪い 【0019】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜7のヘアコンディショナーは、比較例1、2のものと
比較して、染色持続性、使用後の毛髪の風合いおよび風
合いの持続性において、極めて優れた効果を示した。 【0020】実施例8〜12および比較例3、4 シ
ャンプー 表2に示す組成および下記製法にてシャンプーを調製
し、酸性染料で毛髪を染色した人毛の毛束を用いて、下
記方法により染色持続性、使用後の毛髪の風合いおよび
その持続性の評価を行った。表2に結果を併せて記す。 【0021】 【表2】 【0022】(製法) A.成分(1)〜(5)、(8)および(9)を均一に
混合する。 B.成分(6)および(7)で混合物のpHを調整して
シャンプーを得る。 【0023】(評価方法)白髪混じりの人毛の毛束を、
酸性染毛料を含有する市販のヘアカラートリートメント
(注1と同じもの)で茶色に染色した後、実施例8〜1
2および比較例3、4のシャンプーで洗浄し、乾燥させ
た。この洗浄、乾燥の操作を5回繰り返し、前述の評価
基準(a)、(b)により、染色持続性、使用後の毛髪
の風合いを評価した。 【0024】表2の結果から明らかなように、実施例8
〜12のシャンプーは、比較例3、4のものと比較し
て、染色持続性、使用後の毛髪の風合いおいて、極めて
優れた効果を示した。 【0025】実施例13 スタイリングムース 下に示す組成および製法でスタイリングムースを調製し
た。 (組成) (成 分) (重量%) (1)2−ヒドロキシベンジルアルコール 2.5 (2)フェニルエチレングリコール 2.5 (3)メチルポリシロキサン 3 (4)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1 (5)モノラウリン酸ポリグリセリル 2 (6)濃グリセリン 5 (7)クエン酸 0.4 (8)クエン酸ナトリウム 0.2 (9)エタノール 13 (10)香料 0.4 (11)精製水 残 量 (12)噴射剤(液化石油ガス) 3.5 【0026】(製法) A.成分(1)〜(6)を均一に混合する。 B.成分(9)〜(11)を均一に混合する。 C.AとBを混合して、成分(7)および(8)で混合
物のpHを5.0に調整する。 D.Cと成分(12)をエアゾール缶に充填してスタイ
リングムースを得る。 【0027】以上のようにして得られた実施例13のス
タイリングムースを染色後の毛髪に使用すると、染めた
色が長持ちし、仕上がり後の毛髪の風合いおよび風合い
の持続性においても極めて優れた効果を示した。 【0028】 【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の毛髪用組成
物は、染色した毛髪、とりわけ酸性染毛料で染色した毛
髪の色落ちを効果的に防いで色を長持ちさせ、かつ仕上
がりの髪に高いコンディショニング効果を付与してそれ
を長く持続させる効果を有するものであり、毛髪の染色
効果を持続させる毛髪用組成物として優れた品質を有す
る。
続させる毛髪用組成物に関し、更に詳しくは、染色した
毛髪、とりわけ酸性染毛料で染色した毛髪の色落ちを効
果的に防いで色を長持ちさせ、かつ使用後の髪に高いコ
ンディショニング効果を付与してそれを長く持続させる
毛髪用組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より毛髪を染めるために汎用されて
いる酸化染毛剤は、施術時においてアルカリ性の条件下
で過酸化水素等の酸化剤を作用させるために、使い方次
第では毛髪損傷や皮膚一次刺激を起こす可能性がある。
このため、毛髪や頭皮に対する影響の少ない染毛剤とし
て、酸性染料を用いたものが開発されてきた。しかしな
がら、酸性染毛剤は、酸化染毛剤と比べてその染色堅牢
性が劣り、染色しても通常のシャンプーやトリートメン
ト剤、整髪料等の使用により、1週間程度で明らかな色
落ちが見られる。そこで、この酸性染毛剤による染色の
堅牢性を向上させるため、毛髪染色促進剤として毛髪浸
透性のあるベンジルアルコール等の有機溶剤が染毛剤自
体に配合されてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、染毛剤
に毛髪染色促進剤を配合した場合においても、染色後の
シャンプー、トリートメント剤、整髪料等の使用の繰り
返しによる色落ちは防ぐことが難しく、そのため、酸性
染毛料等で染色した毛髪に対して、繰り返し使用しても
色落ちすることのないシャンプーやトリートメント剤、
整髪料等の開発が望まれていた。また、比較的刺激性の
低い酸性染毛料を用いた場合においても、染色処理や髪
への物理的な刺激等による髪の傷みやパサツキは避けら
れず、通常のヘアトリートメント剤等による処理では効
果の持続が不十分で、染色後も長期的なコンディショニ
ング効果の持続が期待できる毛髪用製品の開発が望まれ
ていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情にかんがみ、上記欠点を克服すべく鋭意研究を重
ねた結果、毛髪用組成物において、毛髪浸透性を有する
特定の化合物を特定pHにおいて配合することにより、
染色した毛髪、とりわけ酸性染毛料で染色した毛髪の色
落ちを効果的に防いで色を長持ちさせ、かつ使用後の髪
に高いコンディショニング効果を付与してそれを長く持
続させることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成させた。 【0005】すなわち、本発明は、2−ヒドロキシベン
ジルアルコールおよび/またはフェニルエチレングリコ
ールを、染色した毛髪の色落ち防止剤として含有し、p
Hが2〜7であることを特徴とする、染色した毛髪に適
用する毛髪用組成物である。 【0006】本発明に用いられる2−ヒドロキシベンジ
ルアルコールは、別名サリゲニンあるいはサリチルアル
コールと呼ばれるものであり、染毛剤を除く毛髪用製品
への配合は前例が見あたらないものであるが、この化合
物は毛髪浸透性を有し、本発明においては染色した毛髪
の色落ちを効果的に防いで色を長持ちさせると共に、コ
ンディショニング効果を長く持続させるはたらきをも
つ。 【0007】また、本発明に用いられるフェニルエチレ
ングリコールは、別名スチレングリコールと呼ばれるも
のであり、染毛剤の組成物中における染色効果促進剤と
して配合されたり(特開昭51−151341号公
報)、抗菌、抗害虫を目的として使用されているもので
あるが、このフェニルエチレングリコールを、染色剤や
抗菌、抗害虫剤以外の毛髪用製品へ配合した前例は見あ
たらない。しかしながら、これは前述の2−ヒドロキシ
ベンジルアルコールと同様に毛髪浸透性を有し、本発明
においては染色した毛髪の色落ちを効果的に防いで色を
長持ちさせると共に、コンディショニング効果を長く持
続させるはたらきをもつ。 【0008】本発明において、2−ヒドロキシベンジル
アルコールまたはフェニルエチレングリコールは、各々
単独または組み合わせで用いることができ、その配合量
は全組成中0.1〜30重量%(以下、特に記載のある
もの以外は重量%を単に%で示す)が好ましく、1〜1
0%がより好ましい。 【0009】本発明の毛髪用組成物のpHは2〜7、よ
り好ましくは2〜6の範囲にあり、公知のpH調整剤や
pH緩衝剤により調整される。pHが2未満であると、
低すぎるpHが頭皮や毛髪に悪い影響を与えることがあ
り、逆にpHが7を超えると、酸性染毛料等で染色した
毛髪の色落ち防止効果が十分でなくなる。 【0010】また、本発明の毛髪用組成物には、上記の
必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわな
い量的、質的範囲で、粘度調整剤、毛髪セット用皮膜形
成剤、髪質改良剤、pH調整剤、洗浄剤、乳化剤、乳化
助剤、噴射剤等、毛髪用組成物において汎用である成分
の配合が可能である。粘度調整剤としては、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、キサンタンガム等の水溶性高分子や脂肪
酸アルキロールアミド等の非イオン性界面活性剤等を使
用することができ、毛髪セット用皮膜形成剤としてはカ
チオン化セルロース、カチオン化デンプン、カチオン化
グアーガム、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ジアリ
ル4級アンモニウム塩重合物等のカチオン性重合体;ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリビニルアルコール等の非イオン性重
合体;メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマ
ーハーフエステル、アクリル酸エステル−メタクリル酸
エステルコポリマー等のアニオン性重合体;ジアルキル
アミノエチル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレ
ートコポリマーのクロル酢酸両性化物、オクチルアクリ
ルアミド−ブチルアミノエチルメタクリレート−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート−アクリレートコポリマー
等の両性重合体等を使用することができる。また、髪質
改良剤として、シリコーン油、高重合シリコーン、環状
シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性
シリコーン、カチオン性シリコーン等のシリコーン誘導
体や陽イオン性界面活性剤、pH調整剤としてクエン
酸、乳酸等の酸またはその塩、洗浄剤として公知の陰イ
オン性界面活性剤や両性界面活性剤、乳化剤としてポリ
オキシアルキレン付加型界面活性剤等の非イオン性界面
活性剤、乳化助剤として高級アルコールやグリセリン脂
肪酸エステル類等、噴射剤として液化石油ガス、窒素ガ
ス、炭酸ガス、ジメチルエーテル等を使用することがで
きる。さらに、これらに加えて、高級脂肪酸、直鎖ある
いは分岐鎖を有するエステル類、炭化水素、油脂類等の
油性成分、多価アルコール、低級アルコール等の水性成
分、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌
剤、美容成分等、通常化粧料に配合される他の成分も配
合することができる。 【0011】本発明の毛髪用組成物は、他の成分との併
用や容器の機構により、液状、乳液状、クリーム状、ゲ
ル状、ムース状、ミスト状、粉末状等、種々の形態にて
実施することができる。 【0012】また、本発明の毛髪用組成物に、コンディ
ショニング成分やヘアトリートメント成分等を配合して
ヘアコンディショナー、ヘアリンス、ヘアパック等とし
たり、洗浄剤基剤と組み合わせてシャンプーとしたり、
毛髪セット用皮膜形成剤等の整髪料基剤と組み合わせて
ヘアスタイリング剤とするなど、種々の毛髪用製品に応
用が可能で、いずれも染色した毛髪の色落ちを効果的に
防いで色を長持ちさせ、かつ使用後の髪に高いコンディ
ショニング効果を付与してそれを長く持続させるという
本発明の効果を有するものである。 【0013】 【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明す
る。なお、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。 【0014】実施例1〜7および比較例1、2 ヘア
コンディショナー 表1に示す組成および下記製法にてヘアコンディショナ
ーを調製し、酸性染料で毛髪を染色した人毛の毛束を用
いて、下記方法により染色持続性、使用後の毛髪の風合
いおよびその持続性の評価を行った。表1に結果を併せ
て記す。 【0015】 【表1】 【0016】(製法) A.成分(1)〜(4)および(6)〜(9)を加熱溶
解する。 B.成分(13)を加熱する。 C.AにBを加え、乳化する。 D.Cを冷却し、成分(5)、(12)を加えた後、成
分(10)、(11)で混合物のpHを3.5に調整し
てヘアコンディショナーを得る。 【0017】(評価方法)白髪混じりの人毛の毛束を、
酸性染毛料を含有する市販のヘアカラートリートメント
(注1)で茶色に染色した後、市販の通常タイプのシャ
ンプーで洗浄した。次に、実施例1〜7および比較例
1、2のヘアコンディショナーの試料を各々塗布し、2
5℃で15分間放置した後洗浄し、乾燥した。このヘア
コンディショナーとシャンプーの使用を5回繰り返し、
下記の評価基準(a)、(b)により、染色持続性、使
用後の毛髪の風合い(毛髪のパサツキのなさ)を評価し
た。また、これらのうち風合いの良かった毛束について
さらに5回洗浄、乾燥を繰り返し、評価基準(c)によ
り風合いの持続性を評価した。 注1:(商品名)パステリッシュカラートリートメント
#001((株)コーセー製) 【0018】(評価基準) 〈1〉染色持続性(染色した毛髪の色落ち防止効果) 人毛の毛束の染め色の変化を、肉眼にて観察した。 評価基準(a) ◎ : 染め色がほとんど変わらない ○ : 染め色がやや褪せた △ : 染め色が褪せた × : 染め色がほとんど残っていない 〈2〉使用後の毛髪の風合い(毛髪のパサツキのなさ) 評価基準(b) ◎ : 処理前よりかなり良い ○ : 処理前よりやや良い △ : 処理前と変わらない × : 処理前より悪い 〈3〉毛髪の風合いの持続性 評価基準(c) ◎ : 洗浄前と変わらない ○ : 洗浄前よりやや悪い △ : 洗浄前より悪いが、染色直後よりは良い × : 洗浄前より悪く、染色直後よりも悪い 【0019】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜7のヘアコンディショナーは、比較例1、2のものと
比較して、染色持続性、使用後の毛髪の風合いおよび風
合いの持続性において、極めて優れた効果を示した。 【0020】実施例8〜12および比較例3、4 シ
ャンプー 表2に示す組成および下記製法にてシャンプーを調製
し、酸性染料で毛髪を染色した人毛の毛束を用いて、下
記方法により染色持続性、使用後の毛髪の風合いおよび
その持続性の評価を行った。表2に結果を併せて記す。 【0021】 【表2】 【0022】(製法) A.成分(1)〜(5)、(8)および(9)を均一に
混合する。 B.成分(6)および(7)で混合物のpHを調整して
シャンプーを得る。 【0023】(評価方法)白髪混じりの人毛の毛束を、
酸性染毛料を含有する市販のヘアカラートリートメント
(注1と同じもの)で茶色に染色した後、実施例8〜1
2および比較例3、4のシャンプーで洗浄し、乾燥させ
た。この洗浄、乾燥の操作を5回繰り返し、前述の評価
基準(a)、(b)により、染色持続性、使用後の毛髪
の風合いを評価した。 【0024】表2の結果から明らかなように、実施例8
〜12のシャンプーは、比較例3、4のものと比較し
て、染色持続性、使用後の毛髪の風合いおいて、極めて
優れた効果を示した。 【0025】実施例13 スタイリングムース 下に示す組成および製法でスタイリングムースを調製し
た。 (組成) (成 分) (重量%) (1)2−ヒドロキシベンジルアルコール 2.5 (2)フェニルエチレングリコール 2.5 (3)メチルポリシロキサン 3 (4)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1 (5)モノラウリン酸ポリグリセリル 2 (6)濃グリセリン 5 (7)クエン酸 0.4 (8)クエン酸ナトリウム 0.2 (9)エタノール 13 (10)香料 0.4 (11)精製水 残 量 (12)噴射剤(液化石油ガス) 3.5 【0026】(製法) A.成分(1)〜(6)を均一に混合する。 B.成分(9)〜(11)を均一に混合する。 C.AとBを混合して、成分(7)および(8)で混合
物のpHを5.0に調整する。 D.Cと成分(12)をエアゾール缶に充填してスタイ
リングムースを得る。 【0027】以上のようにして得られた実施例13のス
タイリングムースを染色後の毛髪に使用すると、染めた
色が長持ちし、仕上がり後の毛髪の風合いおよび風合い
の持続性においても極めて優れた効果を示した。 【0028】 【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の毛髪用組成
物は、染色した毛髪、とりわけ酸性染毛料で染色した毛
髪の色落ちを効果的に防いで色を長持ちさせ、かつ仕上
がりの髪に高いコンディショニング効果を付与してそれ
を長く持続させる効果を有するものであり、毛髪の染色
効果を持続させる毛髪用組成物として優れた品質を有す
る。
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(72)発明者 佐藤 百合子
東京都北区栄町48番18号 株式会社コー
セー研究所内
(56)参考文献 特開 平6−92824(JP,A)
特開 昭51−151341(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A61K 7/00 - 7/50
CA(STN)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 2−ヒドロキシベンジルアルコールおよ
び/またはフェニルエチレングリコールを、染色した毛
髪の色落ち防止剤として含有し、pHが2〜7であるこ
とを特徴とする、染色した毛髪に適用する毛髪用組成
物。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19116795A JP3427240B2 (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 毛髪用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0920625A JPH0920625A (ja) | 1997-01-21 |
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Family Applications (1)
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JP19116795A Expired - Fee Related JP3427240B2 (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 毛髪用組成物 |
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-
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