JP3480165B2 - エアゾール噴射用酸性半永久染毛料組成物 - Google Patents

エアゾール噴射用酸性半永久染毛料組成物

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JP3480165B2 JP35017395A JP35017395A JP3480165B2 JP 3480165 B2 JP3480165 B2 JP 3480165B2 JP 35017395 A JP35017395 A JP 35017395A JP 35017395 A JP35017395 A JP 35017395A JP 3480165 B2 JP3480165 B2 JP 3480165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアゾール用酸性
半永久染毛料組成物に関する。より詳しくは、染色性に
優れ、染毛の際に染毛料組成物のタレ落ちがなく、頭皮
等への汚染が少ない、塗布操作の簡便なエアゾール用酸
性半永久染毛料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、酸性染料を毛髪内に浸透させ
て染毛する酸性半永久染毛料が、ヘアマニキュア等の一
般商品名で広く用いられている。このような酸性半永久
染毛料は、酸性染料に加えてベンジルアルコールなどの
浸透促進剤が配合されているので、毛髪への浸透性に優
れ、染色性も良好であるが、皮膚に対しても強い染色性
を有するという欠点があった。また、従来の酸性半永久
染毛料は、比較的粘度が低いために、染毛時に酸性半永
久染毛料自体が頭皮や額にタレ落ちやすいという欠点も
あった。このため、頭皮や額等が酸性半永久染毛料によ
り着色されてしまい、その後の洗浄が困難であるという
問題があった。
【0003】この問題を回避するために、酸性半永久染
毛料に増粘剤を添加してその粘性を増大させ、それによ
り額、頭皮等に対する酸性半永久染毛料のタレ落ちを防
止しようとすることが提案されている。しかし、この場
合でも、酸性半永久染毛料のタレ落ちの防止は十分なも
のではなく、逆に、粘性が高まったことにより、酸性半
永久染毛料の毛髪への塗布操作性が低下し、ムラ染まり
が生ずるという問題があった。
【0004】そこで、酸性半永久染毛料組成物を毛髪に
塗布する際の塗布操作性を向上させ、しかも頭皮や額等
の地肌への汚染を防ぐために、酸性半永久染毛料組成物
に起泡剤と噴射剤とを同時に配合したものをエアゾール
容器に充填し、エアゾール容器から保形性の良好な泡と
して噴出させ、その酸性半永久染毛料組成物の泡を毛髪
に塗布することが提案されている(特開昭61−210
023号公報、特開平7−33629号公報等)。この
場合、酸性半永久染毛料組成物の塗布操作をより簡便化
するために、エアゾール容器として、クシ状の塗布具が
じかに備えられたエアゾール容器を使用することが提案
されている(実開平6−38660号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、泡状の酸性半
永久染毛料組成物の場合、頭皮や額へのタレ落ちについ
ては十分に抑制することができたが、保形性の良好な泡
としたために比容が大きくなり、そのために、毛髪に塗
布した際の毛髪と酸性半永久染毛料組成物との浴比が全
体的に低下し、泡状としない従来の酸性半永久染毛料組
成物に比べて染色性が大きく低下してしまうという問題
があった。
【0006】このように、エアゾール系の酸性半永久染
毛料組成物は、塗布操作が簡便であり、しかも頭皮等の
地肌への汚染が抑制されたものとなっているが、染色性
に優れたものは得られていないというのが現状である。
【0007】本発明は、以上のような従来の技術の課題
を解決しようとするものであり、頭皮などを汚染せず、
しかも塗布操作性にも優れたエアゾール系の酸性半永久
染毛料組成物の染毛性を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者は、酸性染料を含有す
る酸性半永久染毛料原液と噴射剤とからなる酸性半永久
染毛料組成物をエアゾール容器から泡状に噴射させた場
合に、噴出後所定の時間内に泡密度が大きくなるように
消泡させることにより、塗布操作性を低下させることな
く、毛髪に対する酸性半永久染毛料原液の浴比を高めて
染色性を大きく向上させることができることを見出し、
本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、酸性染料0.01〜3重
量%、浸透促進剤としての芳香族アルコール又はN−ア
ルキルピロリドン3〜20重量%、泡質安定剤として
非イオン界面活性剤0.3〜3重量%及び粘度調整剤と
して水溶性高分子1.0〜1.5重量%を含有し、粘
度が1000〜50000csであって、緩衝能で示さ
れる酸濃度が0.01g当量/l以上である酸性半永久
染毛料原液と噴射剤とからなり、エアゾール容器に充填
して泡状に噴出させて使用するエアゾール噴射用酸性半
永久染毛料組成物であって、噴出後10秒以内に、25
℃で1気圧での泡密度が0.1g/ml以上となるよう
に消泡することを特徴とするエアゾール噴射用酸性半永
久染毛料組成物を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明のエアゾール噴射用酸性半永久染毛
料組成物は、エアゾール容器から泡状に噴出した場合
に、噴出後から消泡しはじめてその泡密度が高くなる傾
向を有するものである。これにより、毛髪に対する酸性
半永久染毛料原液の浴比を高めて染色性を大きく向上さ
せることができる。この場合、噴出後10秒以内に、2
5℃で1気圧での泡密度が0.1g/ml以上、好まし
くは0.2g/ml以上となるように消泡することが必
要である。10秒後にも泡密度が0.1g/ml未満で
あると、毛髪に対する酸性半永久染毛料原液の浴比が低
くなるので染色性が低下してしまう結果となる。
【0012】なお、本発明のエアゾール噴射用酸性半永
久染毛料組成物の塗布操作性は、その泡をブラシや手に
とって毛髪に塗布するに要する時間内(通常、噴出から
数秒以内)においてはある程度の泡として存在している
ために、大きく低下することはない。
【0013】次に、本発明の酸性半永久染毛料組成物を
構成する酸性半永久染毛料原液について説明する。
【0014】本発明において使用する酸性半永久染毛料
原液は酸性染料を含有する。更に、酸性染料の毛髪への
浸透を促進させて染色性を高めるための浸透促進剤と、
原液のpHを酸性染料の作用pH範囲2〜5に調整する
ための酸成分を含有する。
【0015】また、酸性半永久染毛料原液の粘度(ブル
ックフィールドB型粘度計/30℃)は、低過ぎるとエ
アゾール容器から噴出させた際に泡を形成しにくくなっ
て塗布操作性が低下し、逆に高過ぎると泡としてエアゾ
ール容器から噴出しにくくなるので、好ましくは100
0〜50000cs、より好ましくは2000〜400
00csである。粘度の調整は、後述する増粘剤などを
配合することにより適宜行うことができる。
【0016】本発明において使用する酸性染料として
は、一般に毛髪の染色に使用されている酸性染料であれ
ば特に限定されず、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色
102号、赤色104号、赤色105号、赤色106
号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2
号、赤色201号、赤色227号、赤色230号、赤色
231号、赤色232号、橙205号、橙207号、黄
色202号、黄色203号、緑色201号、緑色204
号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色
205号、かっ色201号、赤色401号、赤色502
号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙4
02号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、
黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色40
1号、黒色401号等を挙げることができる。
【0017】これらの酸性染料の原液中の含有量は、好
ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.1〜
2%である。
【0018】本発明において使用する浸透促進剤として
は、好ましくは式(1)の芳香族アルコールもしくは式
(2)のN−アルキルピロリドンを挙げることができ
る。
【0019】
【化1】 (式(1)中、R1は水素原子、メチル基等の低級アル
キル基又はメトキシ基などの低級アルコキシ基であり、
Yはメチレン基などのアルキレン基、ビニレン基などの
アルケニレン基又は単結合であり、Zは水素原子又は水
酸基であり、p及びqは独立的に0〜5の整数である。
また。式(2)中、R2はメチル基、オクチル基などの
アルキル基である。) 式(1)の芳香族アルコールの好ましい具体例として
は、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェ
ネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチ
ルベンジルアルコール、フエノキシエタノール、フェノ
キシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール
等を挙げることができる。また、式(2)のN−アルキ
ルピロリドンの好ましい具体例としては、N−メチルピ
ロリドン、N−エチルピロリドン、N−オクチルピロリ
ドン等を挙げることができる。
【0020】これらの浸透促進剤の原液中の含有量とし
ては、含有量が少な過ぎると染色性が満足すべきレベル
まで達せず、多過ぎても効果の増大は期待できないの
で、好ましくは3〜20重量%、より好ましくは5〜1
5重量%である。
【0021】本発明において使用する酸としては、毛髪
自身がイオン緩衝能を有していることを考慮すると好ま
しくは弱酸を用いる。弱酸の具体例としては、クエン
酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、酢酸、フ
マル酸、リンゴ酸、レブリン酸、酪酸、吉草酸、シュウ
酸、マレイン酸、マンデル酸、リン酸等が挙げられる。
この場合、これらの弱酸と、それらのナトリウム塩、カ
リウム塩あるいはアンモニウム塩等と併用することによ
り原液に緩衝能をもたせることが好ましい。
【0022】酸の原液中の濃度としては、酸濃度を緩衝
能で示した場合に好ましくは0.01g当量/l以上、
より好ましくは0.02g当量/l以上である。
【0023】本発明の酸性半永久染毛料原液は、前述し
たように、エアゾール噴出時に泡状に噴出し、噴出後直
ちに消泡して泡密度が高くなるように、原液の粘度がブ
ルックフィールドB型粘度計(30℃下)で1000〜
50000csとなるように粘度調整剤を含有すること
が好ましい。このような粘度調整剤としては、水溶性高
分子を使用することが好ましく、例えば、キサンタンガ
ム、グアーガムなどの天然ガム類もしくはその変成品、
ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、アル
ギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコールなどア
ルギン酸誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリエチレングリコールなどの合成高分子等
を挙げることができる。中でも、天然ガム類もしくはそ
の変成品、又はセルロース誘導体を用いることがより好
ましい。
【0024】なお、これらの水溶性高分子は、単独もし
くは2種以上を併用することができる。また、その原液
中の含有量は、意図した原液粘度に応じて適宜決定する
ことができる。
【0025】更に、酸性半永久染毛料原液には、生じた
泡の安定性を調整する目的で泡質安定剤を含有させるこ
とが好ましい。このような泡質安定剤としては、界面活
性剤を使用することが好ましい。このような界面活性剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン−sec−アルキルエーテル、
アルキルグリセリルエーテル、アルキルペンタエリスリ
ルグリセリルエーテル、アルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリエ
ーテル変成シリコーン類、アルキルリン酸塩等を挙げる
ことができる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレン−sec−アルキルエーテ
ル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルペンタエリ
スリルグリセリルエーテル、ポリエーテル変性シリコー
ン類を用いることがより好ましい。これらの泡質安定剤
は単独でも2種以上を用いてもよい。
【0026】これらの泡質安定剤としての界面活性剤の
原液中の含有量は、少な過ぎると噴出時に泡が形成され
にくく、多過ぎると泡が安定化し過ぎて直ちに消泡しな
くなるので、好ましくは0.1〜5重量%、より好まし
くは0.3〜3重量%である。
【0027】更に、酸性半永久染毛料原液には、酸性染
料や浸透促進剤の溶解性を高めるために、公知の低級ア
ルコールや低級ポリオールを含有させることが好まし
い。このような低級アルコールの具体例としては、エタ
ノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブ
タノールなどを挙げることができる。また、低級ポリオ
ールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙
げることができる。
【0028】また、酸性半永久染毛料原液には、本発明
の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、パラフィン
油、ラノリン、シリコーン、高級脂肪酸、高級アルコー
ル等の油剤、毛髪保護剤、殺菌剤、育毛養毛剤、防腐
剤、抗フケ剤、紫外線吸収剤、香料等の一般の化粧料に
用いられている種々の添加物を添加することができる。
【0029】本発明の酸性半永久染毛料組成物は、上述
の酸性半永久染毛料原料に加えて噴射剤を含有する。噴
射剤としては、プロパン、ブタン、イソペンタン等の液
化石油ガス、ジメチルエーテル、HCFC123,HF
C134a,HFC152a等のフロンガス等を挙げる
ことができる。
【0030】これらの噴射剤の使用量は、少な過ぎると
泡の形成が困難となり、更に原液自体の噴出が困難とな
る。逆に多過ぎても得られる効果に差がないので、好ま
しくは酸性半永久染毛料原液100重量部に対し、好ま
しくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜15重
量部である。
【0031】本発明の酸性半永久染毛料組成物は、常法
により製造することができる。例えば、酸性染料とその
他の成分を含有する酸性半永久染毛料原液をエアゾール
容器に噴射剤とともにを充填することにより製造するこ
とができる。この場合、塗布操作を簡便とするために、
エアゾール容器としてクシやブラシ等の塗布具を備えた
ものを使用することが好ましい。特に、塗布具が、クシ
歯幅がクシ歯間隔より広いクシ構造を有し、且つクシ歯
からエアゾール噴射用酸性半永久染毛料組成物が噴出す
るような構造(実開平6−38660号公報)となって
いるものが好ましい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を以下の実施例により具体的に
説明する。
【0033】実施例1〜4及び比較例1〜2 表1の組成のエアゾール用酸性半永久染毛料組成物の原
液を常法に従って調製した。
【0034】
【表1】 (重量%) 実施例 比較例 成分 1 2 3 4 1 2 エタノール 15.0 10.0 15.0 15.0 15.0 15.0 1,3-フ゛チレンク゛リコール − 10.0 − 5.0 − − グリセリン − − 5.0 − − −ヘ゛ンシ゛ルアルコール 5.0 − 5.0 3.0 5.0 5.0ヘ゛ンシ゛ルオキシエタノール − 5.0 − 3.0 − − N-メチルヒ゜ロリト゛ン 5.0 − 8.0 − 5.0 5.0 クエン酸 3.0 5.0 − − 3.0 3.0 乳酸 − − 3.0 − − − リン酸 − − − 3.0 − − グリコール酸 − − − 2.0 − − NaOHaq soln. (・・・・・pH3とするのに必要な量・・・・)イソステアリルヘ゜ンタエリスリルク゛リセリルエーテル − 0.1 2.0 − − 6.0イソステアリルク゛リセリルエーテル 0.1 − − 1.0 0.1 0.1ホ゜リオキシエチレン (23)ラウリルエーテル − − − 0.05 − 1.0ホ゜リエーテル 変性シリコーン*1 0.5 0.5 0.6 0.05 0.5 − キサンタンガム 1.0 1.5 1.0 1.5 0.3 1.0 黒色401号 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 橙色205号 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 粘度(cs) 20000 25000 20000 20000 800 20000 緩衝能(g当量/l) 0.014 0.024 0.013 0.025 0.014 0.014 表注*1:シリコーンSH3775,東レ社製
【0035】得られた原液90重量部をエアゾール噴出
バルブを有するPET製の容器に充填し、更に液化石油
ガス9重量部とジメチルエーテル1重量部とを充填する
ことにより、エアゾール容器に充填された酸性半永久染
毛料組成物を得た。得られた組成物について、以下の泡
密度試験と染色性試験とを行った。
【0036】(泡密度試験)実施例1〜4及び比較例1
〜2の酸性半永久染毛料組成物を、それぞれエアゾール
容器から100mlのガラス製容器に25℃、1気圧下
で山盛りに噴出し、10秒放置した後に余分な泡をヘラ
ですりきり、100mlに対応する重量を測定し、泡密
度(g/ml)を求めた。そして得られた数値を以下の
判定基準により評価した。得られた結果を表2に示す。
【0037】泡密度評価基準 ○:泡密度が0.1g/ml以上である場合 ×:泡密度が0.1g/ml未満である場合
【0038】(染色性試験)実施例1〜4及び比較例1
〜2の酸性半永久染毛料組成物を、それぞれエアゾール
容器からゴルフボール大の量を噴出させ、それを重さ約
3gの白髪毛束に塗布した。室温で15分間放置した
後、ぬるま湯ですすぎ、更にシャンプー処理とリンス処
理を施した。得られた染色毛を色彩色差計(CR20
0、ミノルタ社製)で測定し、元の白髪毛束からの色差
(△E)を求めた。その結果を表2に示す。この場合、
△Eが高いほど染色性が高いことを示している。
【0039】
【表2】 実施例 比較例 評価項目 1 2 3 4 1 2 泡密度 ○ ○ ○ ○ × ×染色性(△E) 50 53 51 56 36 32
【0040】表2から、実施例1〜4の組成物は、いず
れも泡密度が0.1g/ml以上であり、高い染色性を
示したが、比較例1の組成物は粘度が低く、また比較例
2の組成物は生じた泡が非常に安定なため、どちらも1
0秒放置後の泡密度が0.1g/ml未満であり、染色
性が低いものであった。
【0041】実施例5〜7及び比較例3 表3の組成のエアゾール用酸性半永久染毛料組成物の原
液を常法に従って調製した。
【0042】
【表3】 (重量%) 実施例 比較例 成分 5 6 7 3 エタノール 10.0 10.0 15.0 15.0 1,3-フ゛チレンク゛リコール 5.0 5.0 5.0 5.0ヘ゛ンシ゛ルアルコール 5.0 5.0 5.0 3.0ヘ゛ンシ゛ルオキシエタノール 3.0 3.0 3.0 3.0 クエン酸 1.0 5.0 − − 乳酸 5.0 − 3.0 3.0 NaOHaq soln. (pH3とするのに必要な量)イソステアリルヘ゜ンタエリスリルク゛リセリルエーテル − − 2.0 −ホ゜リオキシエチレン (9)-sec-テトラテ゛シルエーテル 1.0 2.0 − 1.0ホ゜リエーテル 変成シリコーン*1 0.1 0.3 0.3 −ヒト゛ロキシエチルセルロース 1.0 1.0 1.0 − 黒色401号 0.03 0.03 0.03 0.03 橙色205号 0.06 0.06 0.06 0.06 粘度(cs) 20000 20000 20000 <100 緩衝能(g当量/l) 0.030 0.025 0.015 0.015
【0043】得られた原液90重量部をエアゾール噴出
バルブを有するPET製の容器に充填し、更に液化石油
ガス8.5重量部とジメチルエーテル1.5重量部とを
充填することにより、エアゾール容器に充填された酸性
半永久染毛料組成物を得た。得られた組成物について、
実施例1と同様に泡密度試験と染色性試験とを行い評価
した。得られた結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】実施例5〜7の組成物は、いずれも泡密度
が0.1g/ml以上であり、高い染色性を示したが、
比較例3の組成物は、粘度が低過ぎるために10秒放置
後の泡密度が0.1g/ml未満であり、染色性も低い
ものであった。
【0046】実施例8及び比較例4 表5の組成のエアゾール用酸性半永久染毛料組成物の原
液を常法に従って調製した。また、噴出10秒後の泡密
度を実施例1と同様に評価し、表5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】得られた原液90重量部をエアゾール噴出
バルブを有するPET製の容器に充填し、更に液化石油
ガス8.5重量部とジメチルエーテル1.5重量部とを
充填することにより、エアゾール容器に充填された酸性
半永久染毛料組成物を得た。更に、このエアゾール容器
にじかにクシ状の塗布具を接続した。
【0049】実施例8及び比較例4の酸性半永久染毛料
組成物、並びに市販のチューブ入りジェル状の酸性半永
久染毛料(付属の専用ブラシで塗布)を、白髪率20%
のモニター3名に、それぞれ使用してもらい、「塗布の
しやすさ」、「使用量」、「地肌等への着色」、「白髪
の隠蔽性」について評価した。その結果を表6に示す。
なお、それぞれの評価項目について、良好な場合を○、
不良な場合を×、それらの中間を△と評価した。
【0050】
【表6】モニター 使用品目 塗布のしやすさ 使用量 地肌への着色 白髪の隠蔽性 A 実施例8 ○*1 30g ○*2 ○*3 B 比較例4 △*4 16g ○*5 ×*6 C 市販品 ×*7 35g ×*8 ×*9 表6注 *1: 片手ででき泡の伸びもよく、短時間で塗布ができた。 *2: 地肌への着色が全くなかった。 *3: 髪全体の白髪がほとんど目立たなくなった。 *4: 片手でできるが泡がパサパサしており髪になじみにくく、しかも液だれ がして手がよごれた。 *5: 地肌への着色が全くなかった。 *6: 着色が薄く白髪の目立ちが大きかった。 *7: 両手を使わねばならず、しかもジェルが伸びないので塗布した箇所にか たまってしまった。 *8: 額や頭皮が着色してしまった。 *9: 塗りムラができ、白髪の目立ちが大きかった。
【0051】表6から、実施例8の組成物は、泡密度も
使用量も適切であり、塗布のしやすさ、地肌等への着
色、白髪の隠蔽性についても問題なかった。
【0052】比較例4は、10秒後の泡密度が小さく、
そのため泡がパサパサして髪になじみにくく、また、泡
が消えにくいために使用量も下がったため、白髪の隠蔽
性が悪かった。
【0053】なお、市販品はジェルの伸びが悪くムラ染
まりした。又、地肌等への着色も多かった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、塗布操作性に優れたエ
アゾール系の酸性半永久染毛料組成物の染毛性を向上さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−33629(JP,A) 特開 昭61−210023(JP,A) 特開 平6−345628(JP,A) 特開 昭58−189106(JP,A) 特開 平5−221824(JP,A) 特開 平8−217650(JP,A) 実開 平6−38660(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性染料0.01〜3重量%、浸透促進
    剤としての芳香族アルコール又はN−アルキルピロリド
    ン3〜20重量%、泡質安定剤としての非イオン界面活
    性剤0.3〜3重量%及び粘度調整剤として水溶性高
    分子1.0〜1.5重量%を含有し、粘度が1000〜
    50000csであって、緩衝能で示される酸濃度が
    0.01g当量/l以上である酸性半永久染毛料原液と
    噴射剤とからなり、エアゾール容器に充填して泡状に噴
    出させて使用するエアゾール噴射用酸性半永久染毛料組
    成物であって、噴出後10秒以内に、25℃で1気圧で
    の泡密度が0.1g/ml以上となるように消泡するこ
    とを特徴とするエアゾール噴射用酸性半永久染毛料組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエアゾール噴射用酸性半
    永久染毛料組成物が、塗布具を備えたエアゾール容器に
    充填されていることを特徴とする酸性半永久染毛料エア
    ゾール製品。
  3. 【請求項3】 塗布具が、クシ歯幅がクシ歯間隔より広
    いクシ構造を有し、且つクシ歯からエアゾール噴射用酸
    性半永久染毛料組成物が吐出する請求項記載の酸性半
    永久染毛料エアゾール製品。
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