JPH08217650A - 泡状酸性染毛料組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴射時に形成される泡が毛髪に塗布しやす
く、毛髪への泡の付着性に優れ、且つ染色性に優れ、し
かも塗布中及び塗布後の放置時間中におけるタレ落ちが
改善された泡状酸性染毛料組成物の提供。 【構成】 （Ａ）酸性染料、（Ｂ）Ｎ−アルキルピロリ
ドン、低級アルキレンカーボネート及び芳香族アルコー
ルから選ばれる一種又は二種以上の有機溶剤、（Ｃ）非
イオン性界面活性剤、（Ｄ）ポリアルキレングリコー
ル、（Ｅ）酸及び（Ｆ）噴射剤を含有する泡状酸性染毛
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、泡状酸性染毛料組成
物、詳しくは、噴射時に形成される泡が毛髪に塗布しや
すく、毛髪への泡の付着性に優れ、且つ染色性に優れ、
しかも塗布中及び塗布後の放置時間中におけるタレ落ち
が改善された泡状酸性染毛料組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、酸性染毛剤には、安全性の高い酸
性染料と浸透溶剤が用いられている。この酸性染毛剤に
用いられている酸性染料は毛髪への浸透性及び染色性が
良好であるものの、皮膚へも同様に強い染色性があるた
め、上記酸性染毛剤は、塗布時にタレ落ちて頭皮や額な
どを汚着すると、その後の洗浄が困難であるという欠点
があった。このため、塗布中のタレ落ちがなく、従って
頭皮などへの汚着を起こさない酸性染毛剤として、噴射
剤と共に密閉容器に充填し、エアゾールボタンを押すこ
とによって泡として噴射される、いわゆるエアゾール状
（泡状）染毛剤が提案されている（特開昭６１−２１０
０２３号公報など参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来のエアゾール状染毛剤は、塗布中のタレ落ちはある
程度改善されているものの、塗布後の放置時間中のタレ
落ちについては不十分なものであった。また、本出願人
は、起泡剤として１分子中に水酸基を２個以上有する液
晶形成非イオン性界面活性剤を配合したエアゾール状染
毛剤を提案した（特願平５−１７７００９号）が、この
エアゾール状染毛剤は、泡質、染色性、彩度及びシャン
プー堅牢性に優れているものの、毛髪への泡の付着性に
ついては未だ改善の余地のあるものであった。

【０００４】従って、本発明の目的は、噴射時に形成さ
れる泡が毛髪に塗布しやすく、毛髪への泡の付着性に優
れ、且つ染色性に優れ、しかも塗布中及び塗布後の放置
時間中におけるタレ落ちが改善された泡状酸性染毛料組
成物を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、浸透溶剤として特定の有機溶剤を用いると共
に、これに非イオン性界面活性剤及びポリエチレングリ
コールを併用した泡状酸性染毛料組成物が、上記目的を
達成するものであることを知見した。

【０００６】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、下記の（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）、（Ｅ）及
び（Ｆ）の成分を含有することを特徴とする泡状酸性染
毛料組成物を提供するものである。 （Ａ）酸性染料 （Ｂ）Ｎ−アルキルピロリドン、低級アルキレンカーボ
ネート及び芳香族アルコールから選ばれる一種又は二種
以上の有機溶剤 （Ｃ）非イオン性界面活性剤 （Ｄ）ポリアルキレングリコール （Ｅ）酸 （Ｆ）噴射剤

【０００７】以下、本発明の泡状酸性染毛料組成物につ
いて詳述する。本発明で用いられる（Ａ）成分の酸性染
料としては、通常の化粧品等に使用されている水溶性酸
性染料を用いることができ、例えば、赤色１２０号、黄
色４号、黄色５号、赤色２０１号、赤色２２７号、だい
だい色２０５号、かっ色２０１号、赤色５０２号、赤色
５０３号、赤色５０４号、赤色５０６号、だいだい色４
０２号、黄色４０２号、黄色４０６号、黄色４０７号、
赤色２１３号、赤色２１４号、赤色３号、赤色１０４
号、赤色１０５号の（１）、赤色１０６号、緑色２号、
緑色３号、だいだい色２０７号、黄色２０２号の
（１）、黄色２０２号の（２）、青色２０２号、青色２
０３号、青色２０５号、青色２号、黄色２０３号、青色
２０１号、緑色２０１号、青色１号、赤色２３０号の
（１）、赤色２３１号、赤色２３２号、緑色２０４号、
緑色２０５号、赤色４０１号、黄色４０３号の（１）、
緑色４０１号、緑色４０２号、黒色４０１号、紫色４０
１号などが挙げられる。

【０００８】上記酸性染料は、一種又は二種以上を組み
合わせて用いることができ、全組成物中に０．０００１
〜１０重量％（以下、単に％で示す）、特に０．２〜１
％配合するのが好ましい。

【０００９】また、本発明で用いられる（Ｂ）成分の有
機溶剤は、Ｎ−アルキルピロリドン、低級アルキレンカ
ーボネート及び芳香族アルコールから選ばれるものであ
り、、これらのうち、Ｎ−アルキルピロリドンとして
は、例えば、Ｎ−メチルピロリドン、Ｎ−エチルピロリ
ドンなどが挙げられる。また、低級アルキレンカーボネ
ートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート等などが挙げられ、芳香族アルコール
としては、例えば、ベンジルアルコール、ベンジルオキ
シエタノール、β−フェニルエチルアルコールなどが挙
げられる。

【００１０】上記有機溶剤は、一種又は二種以上を組み
合わせて用いることができ、上記（Ａ）成分の酸性染料
の毛髪への浸透性を高める観点から、全組成中に０．１
〜４０％、特に１〜２０％配合するのが好ましい。

【００１１】また、本発明で用いられる（Ｃ）成分の非
イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノパルミテ
ート、ＰＯＥ（２０）ソルビタントリステアレート、グ
リセリルモノミリステート、ＰＯＥ（１５）グリセリル
モノステアレートなどのエステル型非イオン性界面活性
剤、ＰＯＥ（２）セチルエーテル、ＰＯＥ（４）ステア
リルエーテル、ＰＯＥ（２３）ラウリルエーテル、ＰＯ
Ｅ（２０）ベヘニルエーテル、ＰＯＥ（２０）ノニルフ
ェニルエーテル、ＰＯＥ（１０）オクチルフェニルエー
テル、ＰＯＥ（９）−ｓｅｃ−トリデシルエーテル、Ｐ
ＯＥ（９）−ｓｅｃ−テトラデシルエーテルなどのエー
テル型非イオン性界面活性剤なども挙げられるが、より
好ましくは、下記（１）〜（５）に示す液晶形成非イオ
ン性界面活性剤（１分子中に水酸基を２個以上有し、室
温〜５０℃の水に非イオン性界面活性剤を１〜１０％と
なるように分散させた時に液晶を形成するもの）が挙げ
られる。

【００１２】（１）下記〔化１〕の一般式（１）で表わ
されるα−モノ（メチル分岐アルキル）グリセリルエー
テル。

【００１３】

【化１】

【００１４】（２）下記〔化２〕の一般式（２）で表わ
される長鎖アルキルトリメチロール。

【００１５】

【化２】

【００１６】（３）下記〔化３〕の一般式（３）で表わ
されるトリメチロール。

【００１７】

【化３】

【００１８】（４）下記〔化４〕の一般式（４）で表わ
されるメチル分岐脂肪酸エステル。

【００１９】

【化４】

【００２０】（５）下記〔化５〕の一般式（５）で表わ
されるグリセリルエーテル化多価アルコール。

【００２１】

【化５】

【００２２】上記非イオン性界面活性剤は、一種又は二
種以上を組み合わせて用いることができ、全組成中に
０．１〜１０％、特に０．５〜７％配合するのが好まし
い。

【００２３】また、本発明で用いられる（Ｄ）成分のポ
リアルキレングリコールは、噴射時に形成される泡を毛
髪に塗布しやすくし、且つ塗布中及び塗布後の放置時間
中の染色液のタレ落ちによる頭皮などへの汚着を防ぐこ
とを目的として配合するものである。該ポリアルキレン
グリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールなどが挙げられ、特にポリエチレン
グリコールが好ましく、その中でも、平均分子量が２
０，０００〜５，０００，０００のポリエチレングリコ
ール、特に１，０００，０００〜３，０００，０００の
ポリエチレングリコールが好ましい。また、上記ポリエ
チレングリコールとしては、水酸基の水素原子がメチル
基などの低級アルキル基で置換されたものも用いられ
る。

【００２４】上記ポリアルキレングリコールは、一種又
は二種以上を組み合わせて用いることができ、全組成中
に０．００１〜１．０％、特に０．０１〜０．２％配合
するのが好ましい。

【００２５】また、本発明で用いられる（Ｅ）成分の酸
は、上記（Ｂ）成分の有機溶媒と組み合わせることによ
り、酸性染料を毛髪内に浸透させる目的で配合するもの
であり、毛髪自身がイオン交換能を持つことから、弱酸
であることが好ましい。このような弱酸の具体例として
は、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳
酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸、酪酸、吉
草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、リン酸など
が挙げられる。これらの弱酸は、更にそのカリウム塩、
ナトリウム塩などと組み合わせて系に緩衝能を持たせる
ことがより好ましい。

【００２６】上記酸は、一種又は二種以上を組み合わせ
て用いることができ、全組成中に０．５〜１０％、特に
１〜７％配合するのが好ましい。また、本発明の泡状酸
性染毛料組成物全体のｐＨは、上記の弱酸及びその塩で
調整して、２〜５、特に２．５〜４にすることが好まし
い。ｐＨが２以下であると、頭皮や手に対する色移りが
多くなり、またｐＨが５以上であると、酸性染料の浸透
促進効果が低下する傾向にある。

【００２７】また、本発明で用いられる（Ｆ）成分の噴
射剤としては、通常のエアゾール化粧料で使用される公
知の液化ガスであればよく、例えば、ＬＰＧ、ハロン、
ジメチルエーテル、イソペンタンなどが挙げられる。

【００２８】上記噴射剤は、高い起泡性を得、適度な噴
射速度を得るため、全組成中に１〜２０％、特に３〜１
５％配合するのが好ましい。また、充填後のエアゾール
缶の内圧が３〜５kg／cm²G（２５℃）となるように調整
充填するのが好ましい。

【００２９】本発明の泡状酸性染毛料組成物の上記
（Ａ）〜（Ｆ）成分以外の残部としては水が配合され
る。また、本発明の泡状酸性染毛料組成物には、上記
（Ｂ）成分の有機溶剤への溶解性を高める目的で、公知
の低級アルコールや低級ポリオールを含有させても良
い。このような低級アルコール及び低級ポリオールの具
体例としては、エタノール、イソプロパノール、ｎ−プ
ロパノール、ｎ−ブタノール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、イソプレングリコール、１，３−
ブチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。

【００３０】また、本発明の泡状酸性染毛料組成物に
は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、
陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン化セ
ルロースなどの陽イオン重合体、キサンタンガムなどの
陰イオン重合体、両性重合体、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどの水溶性高分子、パラフィン油、ラノリン、シ
リコーン油などの油剤、殺菌剤、育毛養毛剤、防腐剤、
抗フケ剤、香料などの一般の化粧品中に通常許容されう
る成分を含有させても良い。

【００３１】本発明の泡状酸性染毛料組成物は、常法に
従い、上記（Ａ）〜（Ｅ）成分及び必要に応じて水を混
合して染色組成物原液を調製し、該原液と上記（Ｆ）成
分の噴射剤とを耐圧容器に充填することにより製造する
ことができる。ここで、上記（Ａ）〜（Ｅ）成分を含有
する原液は、全組成中に８０〜９９％とするのが好まし
い。

【００３２】本発明の泡状酸性染毛料組成物を使用する
には、例えば、くしやブラシなどに噴出させた泡を受け
とって頭髪に塗布し、塗布後１分間〜３０分間程度放置
してから洗い流すことにより染毛することができる。

【００３３】

【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。

【００３４】実施例１ 下記〔表１〕に示す組成の泡状酸性染毛料組成物（本発
明品１〜５及び比較品１〜３）を下記〔製造法〕により
それぞれ調製し、それらの泡の付着性／タレ落ちにくさ
／染色性について下記〔評価方法〕により評価した。そ
の結果を下記〔表１〕に示す。

【００３５】〔製造法〕 本発明品１〜５；有機溶剤、ポリエチレングリコール及
び非イオン性界面活性剤〔ＬＣ−２（花王製のイソステ
アリルペンタエリスリルグリセリルエーテル）、ソフタ
ノール９０（日本触媒化学製のＰＯＥ（９）−ｓｅｃ−
トリデシルエーテル）、又はエマルゲン１２３Ｐ（花王
製のＰＯＥ（２３）ラウリルエーテル）〕の溶液に、イ
オン交換水、酸性染料、９５％エタノール及び乳酸を加
えてよく攪拌する。これを水酸化ナトリウムでｐＨ３．
０に調整し、原液とする。次に、該原液をエアゾール容
器に充填し、ＬＰＧを加圧下で容器内に充填する。 比較品１及び２；有機溶剤及び非イオン性界面活性剤の
溶液に、イオン交換水、酸性染料、９５％エタノール及
び乳酸を加えてよく攪拌する。これを水酸化ナトリウム
でｐＨ３．０に調整し、原液とする。次に、該原液をエ
アゾール容器に充填し、ＬＰＧを加圧下で容器内に充填
する。 比較品３；有機溶剤、ポリエチレングリコール、イオン
交換水、酸性染料、９５％エタノール及び乳酸を混合
し、よく攪拌する。これを水酸化ナトリウムでｐＨ３．
０に調整し、原液とする。次に、該原液をエアゾール容
器に充填し、ＬＰＧを加圧下で容器内に充填する。

【００３６】〔評価方法〕白髪まじりの２０名の評価者
に、各泡状酸性染毛料組成物の泡の付着性、タレ落ちに
くさ及び染色性を官能評価させ、その結果を以下の基準
により示した。 評価基準 ◎；８０％以上の者が泡の付着性又はタレ落ちにくさ又
は染色性が良いと評価した。 ○；５０％以上〜８０％未満の者が泡の付着性又はタレ
落ちにくさ又は染色性が良いと評価した。 △；２５％以上〜５０％未満の者が泡の付着性又はタレ
落ちにくさ又は染色性が良いと評価した。 ×；２５％未満の者が泡の付着性又はタレ落ちにくさ又
は染色性が良いと評価した。

【００３７】

【表１】

【００３８】

【発明の効果】本発明の泡状酸性染毛料組成物は、噴射
時に形成される泡が毛髪に塗布しやすく、毛髪への泡の
付着性に優れ、且つ染色性に優れ、しかも塗布中及び塗
布後の放置時間中におけるタレ落ちが改善されたもので
ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 浩幸 東京都墨田区文花２−１−３ 花王株式会 社東京研究所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記の（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、
   （Ｄ）、（Ｅ）及び（Ｆ）の成分を含有することを特徴
   とする泡状酸性染毛料組成物。 （Ａ）酸性染料 （Ｂ）Ｎ−アルキルピロリドン、低級アルキレンカーボ
   ネート及び芳香族アルコールから選ばれる一種又は二種
   以上の有機溶剤 （Ｃ）非イオン性界面活性剤 （Ｄ）ポリアルキレングリコール （Ｅ）酸 （Ｆ）噴射剤
2. 【請求項２】 上記（Ｃ）成分の非イオン性界面活性剤
   が、１分子中に水酸基を２個以上有する液晶形成非イオ
   ン性界面活性剤である請求項１記載の泡状酸性染毛料組
   成物。
3. 【請求項３】 上記（Ｄ）成分のポリアルキレングリコ
   ールが、その平均分子量が２０，０００〜５，０００，
   ０００のポリエチレングリコールである請求項１記載の
   泡状酸性染毛料組成物。