JPH08964B2 - 熱処理炉用ロ−ル - Google Patents
熱処理炉用ロ−ルInfo
- Publication number
- JPH08964B2 JPH08964B2 JP8667987A JP8667987A JPH08964B2 JP H08964 B2 JPH08964 B2 JP H08964B2 JP 8667987 A JP8667987 A JP 8667987A JP 8667987 A JP8667987 A JP 8667987A JP H08964 B2 JPH08964 B2 JP H08964B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- resistance
- build
- heat treatment
- treatment furnace
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱処理炉内に配設され、鋼板を焼鈍し搬送す
るためのロールであって、特に高温耐摩耗性と耐ビルド
アップ性に優れた熱処理炉用ロール（以下ハースロール
という）に関するものである。
るためのロールであって、特に高温耐摩耗性と耐ビルド
アップ性に優れた熱処理炉用ロール（以下ハースロール
という）に関するものである。
（従来の技術） 例えば連続熱処理炉内に配設されるハースロールは、
600〜1300℃の酸化性又は還元性雰囲気温度で長時間連
続して被熱処理材を焼鈍し、搬送させるためにその表面
は摩耗を受けたり、また被熱処理材の付着酸化物や鉄粉
がロール表面に凝着、堆積していわゆるビルドアップを
形成したりしている。
600〜1300℃の酸化性又は還元性雰囲気温度で長時間連
続して被熱処理材を焼鈍し、搬送させるためにその表面
は摩耗を受けたり、また被熱処理材の付着酸化物や鉄粉
がロール表面に凝着、堆積していわゆるビルドアップを
形成したりしている。
このような摩耗やビルドアップによる凹凸がハースロ
ール上に発生すると、被熱処理材である鋼板が搬送され
る間に疵付けられて、品質の低下の原因となっている。
このような鋼板の品質低下を防止するために、定期的に
操業を中断して熱処理炉内を冷却した後、作業者が炉内
に入ってハースロールの表面を研削手入れしたり、ロー
ルそのものを取り替えたりしている。
ール上に発生すると、被熱処理材である鋼板が搬送され
る間に疵付けられて、品質の低下の原因となっている。
このような鋼板の品質低下を防止するために、定期的に
操業を中断して熱処理炉内を冷却した後、作業者が炉内
に入ってハースロールの表面を研削手入れしたり、ロー
ルそのものを取り替えたりしている。
このため、従来からハースロール材質を高クロム、高
ニッケル含有の耐熱合金に改良したり、あるいは特公昭
57-29549号公報等で記載されているように、ロール表面
にジルコニアやアルミナ等のセラミックを溶射被覆した
りしていた。
ニッケル含有の耐熱合金に改良したり、あるいは特公昭
57-29549号公報等で記載されているように、ロール表面
にジルコニアやアルミナ等のセラミックを溶射被覆した
りしていた。
（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、耐熱合金の改良でも凝着堆積に起因す
るビルドアップの発生防止には効果が薄く、またジルコ
ニアやアルミナの溶射被覆層は、高温雰囲気中で粒子間
強度が劣化して被膜自体の剥離が生成するという欠点か
ら、高温耐摩耗性とビルドアップの防止において十分に
満足し得るものになっていない。
るビルドアップの発生防止には効果が薄く、またジルコ
ニアやアルミナの溶射被覆層は、高温雰囲気中で粒子間
強度が劣化して被膜自体の剥離が生成するという欠点か
ら、高温耐摩耗性とビルドアップの防止において十分に
満足し得るものになっていない。
本発明者等はこれら酸化性又は還元性雰囲気中で使用
されるハースロールに適用すべき高温耐摩耗性に優れ、
かつビルドアップ防止効果の大きい被覆材料を種々研究
検討した結果、ハースロール基体との密着性に優れ、剥
離することなく、かつ高温強度にも優れた被覆材を見出
し本発明を完成した。
されるハースロールに適用すべき高温耐摩耗性に優れ、
かつビルドアップ防止効果の大きい被覆材料を種々研究
検討した結果、ハースロール基体との密着性に優れ、剥
離することなく、かつ高温強度にも優れた被覆材を見出
し本発明を完成した。
すなわち、本発明は酸化性または還元性雰囲気中に配
設されて使用するに際して優れた高温耐摩耗性とビルド
アップ防止効果の大きい被覆層をロール表面に形成した
ハースロールを提供することを目的とするものである。
設されて使用するに際して優れた高温耐摩耗性とビルド
アップ防止効果の大きい被覆層をロール表面に形成した
ハースロールを提供することを目的とするものである。
（問題点を解決するための手段） 本発明はケイ化物、またはケイ化物とメタルのサーメ
ットよりなる被覆を有する熱処理炉用ロールを要旨とす
るものである。
ットよりなる被覆を有する熱処理炉用ロールを要旨とす
るものである。
以下、本発明について詳細に述べる。
ハースロールの基体は、耐熱鋳鋼で作られる。これら
の基体にはその表面部にケイ化物、すなわちCrSi2，MoS
i2，ZrSi2，TiSi2，WSi2，NbSi2のいずれか１種類から
成る被膜を溶射法で形成する。尚、施工方法について
は、通常のガスプラズマ、水プラズマ、エアープラズマ
でもかまわないが、被膜を母材により強固に形成する場
合は、LPPS法（減圧プラズマ法）によって施工した方が
望ましい。
の基体にはその表面部にケイ化物、すなわちCrSi2，MoS
i2，ZrSi2，TiSi2，WSi2，NbSi2のいずれか１種類から
成る被膜を溶射法で形成する。尚、施工方法について
は、通常のガスプラズマ、水プラズマ、エアープラズマ
でもかまわないが、被膜を母材により強固に形成する場
合は、LPPS法（減圧プラズマ法）によって施工した方が
望ましい。
本発明において、溶射原料に上記のケイ化物を用いた
のは、耐食性、耐摩耗性に優れ、かつ耐熱性に優れる上
に熱伝導率が比較的大きいことから、金属基体に被覆す
る場合、溶射施工後の冷却時に溶射被膜中に熱応力を残
留させることが少ないため、有利であると考えたからで
ある。
のは、耐食性、耐摩耗性に優れ、かつ耐熱性に優れる上
に熱伝導率が比較的大きいことから、金属基体に被覆す
る場合、溶射施工後の冷却時に溶射被膜中に熱応力を残
留させることが少ないため、有利であると考えたからで
ある。
尚、溶射被膜のボンドコーティングとサーメット層の
メタル成分は、CoCrAlY系,NiCrAlY系の耐熱合金の他Ni-
Cr合金等を使用することによって耐スポール性の向上を
図ることができる。
メタル成分は、CoCrAlY系,NiCrAlY系の耐熱合金の他Ni-
Cr合金等を使用することによって耐スポール性の向上を
図ることができる。
本発明者等は、連続焼鈍炉用ハースロール材質として
の耐ビルドアップ性と高温耐摩耗性を調査するために下
記の実験を行った。
の耐ビルドアップ性と高温耐摩耗性を調査するために下
記の実験を行った。
実施例１ 実験に用いた試験装置を第１図及び第２図に示す。SC
H22（25Cr-20Ni-0.4C）を素材とした半径35mmの半月形
加圧ロール６を製作し、第１表に示す溶射を行った２枚
の各溶射試料4,4′上を往復摺動させ、ビルドアップ発
生を再現できるような評価装置を用いた。２枚の溶射試
料4,4′は30mm×50mm×5mmサイズのSUS製基板に両面溶
射したもの４と、片面溶射したもの４′を用い、半月形
加圧ロール６と２枚の試料4,4′の間にはビルドアップ
原料５（Fe3O4等の酸化鉄粉）を散布し、トレイ３中に
収容する。これらの装置は、つぼ型電気炉２の中に配置
され、N2‐５％H2の還元雰囲気中で850℃の一定温度で
４時間加圧ロール６を往復運動させ、ビルドアップの発
生を起こさせる。
H22（25Cr-20Ni-0.4C）を素材とした半径35mmの半月形
加圧ロール６を製作し、第１表に示す溶射を行った２枚
の各溶射試料4,4′上を往復摺動させ、ビルドアップ発
生を再現できるような評価装置を用いた。２枚の溶射試
料4,4′は30mm×50mm×5mmサイズのSUS製基板に両面溶
射したもの４と、片面溶射したもの４′を用い、半月形
加圧ロール６と２枚の試料4,4′の間にはビルドアップ
原料５（Fe3O4等の酸化鉄粉）を散布し、トレイ３中に
収容する。これらの装置は、つぼ型電気炉２の中に配置
され、N2‐５％H2の還元雰囲気中で850℃の一定温度で
４時間加圧ロール６を往復運動させ、ビルドアップの発
生を起こさせる。
尚、図中１は雰囲気ガス導入管、７は加圧ロッド、８
は加重材料、９はカウンターバランス、10はシール板、
１は減速機である。
は加重材料、９はカウンターバランス、10はシール板、
１は減速機である。
以上の再現試験において、第２図の如く、半月形ロー
ル６と直接接触する面をＡ面、その裏側の面をＢ面、そ
してＢ面と向い合う面をＣ面とし、試験後のビルドアッ
プ発生状況を第２表に示すような耐ビルドアップ性指数
を用いて、それぞれの評価点を合計した値で比較した。
また、ビルドアップ源であるFe3O4の付着面積率の平均
値をもって溶射試料の耐ビルドアップ性を評価した。
ル６と直接接触する面をＡ面、その裏側の面をＢ面、そ
してＢ面と向い合う面をＣ面とし、試験後のビルドアッ
プ発生状況を第２表に示すような耐ビルドアップ性指数
を用いて、それぞれの評価点を合計した値で比較した。
また、ビルドアップ源であるFe3O4の付着面積率の平均
値をもって溶射試料の耐ビルドアップ性を評価した。
耐ビルドアップ性試験結果を第３表に示す。トップコ
ートが各種のケイ化物（〜）から成る場合と、CrSi
2を含む各種サーメット被膜（〜）から成る場合
は、いずれも、比較材のAl2O3等に比べて耐ビルドアッ
プ性に優れることがわかる。
ートが各種のケイ化物（〜）から成る場合と、CrSi
2を含む各種サーメット被膜（〜）から成る場合
は、いずれも、比較材のAl2O3等に比べて耐ビルドアッ
プ性に優れることがわかる。
また、サーメット被膜の場合、CrSi2の含有量を増加
させる程、耐ビルドアップ性が向上しており、メタル量
はできるだけ少なくした方が望ましい。この点に関して
は、MoSi2，ZrSi2等他のケイ化物についても同様の結果
を得た。これはケイ化物の酸化鉄に対する不活性な性
質、つまり互いに反応し難い特性が顕著に現われてくる
ためである。
させる程、耐ビルドアップ性が向上しており、メタル量
はできるだけ少なくした方が望ましい。この点に関して
は、MoSi2，ZrSi2等他のケイ化物についても同様の結果
を得た。これはケイ化物の酸化鉄に対する不活性な性
質、つまり互いに反応し難い特性が顕著に現われてくる
ためである。
実施例２ 連続焼鈍炉用ハースロール材質の高温耐摩耗性を調べ
るために、下記の実験を行った。第３図に示す如くSUS3
10Sを素材とし、直径120mm、胴長100mmのテストロール1
2を作製し、その表面に第４表を示す種々の材質を0.3〜
0.5mm厚さに溶射被覆した。これを発熱体13による850℃
の加熱下、酸化雰囲気と還元雰囲気中で75×500×10（m
m）のSS41鋼板14と端部支点15による自重荷重で回転接
触させ、高温耐摩耗性を調査した。
るために、下記の実験を行った。第３図に示す如くSUS3
10Sを素材とし、直径120mm、胴長100mmのテストロール1
2を作製し、その表面に第４表を示す種々の材質を0.3〜
0.5mm厚さに溶射被覆した。これを発熱体13による850℃
の加熱下、酸化雰囲気と還元雰囲気中で75×500×10（m
m）のSS41鋼板14と端部支点15による自重荷重で回転接
触させ、高温耐摩耗性を調査した。
第５表により、本発明（〜）は、比較材のAl2O3
（），ZrO2（）に比べて、耐摩耗性に優れることが
わかった。また、メタル成分として、Ni-Cr系（〜
）、CoCrAlY系（）、NiCrAlY系（）を使用したサ
ーメット系材質の被膜（〜）にしてもあまり耐摩耗
性は劣化せず、充分な耐摩耗性と耐スポール性を発揮す
ることが認められた。
（），ZrO2（）に比べて、耐摩耗性に優れることが
わかった。また、メタル成分として、Ni-Cr系（〜
）、CoCrAlY系（）、NiCrAlY系（）を使用したサ
ーメット系材質の被膜（〜）にしてもあまり耐摩耗
性は劣化せず、充分な耐摩耗性と耐スポール性を発揮す
ることが認められた。
尚、MoSi2，CrSi2，ZrSi2以外のケイ化物TiSi2，WS
i2，NbSi2等についても同様の結果を得ており、従来の
セラミック被膜より優れた耐摩耗性を有する。
i2，NbSi2等についても同様の結果を得ており、従来の
セラミック被膜より優れた耐摩耗性を有する。
（発明の効果） 上記実施例にも示す如く、本発明のハースロールは高
温耐摩耗性及び耐ビルドアップ性に著しく優れており、
ロール寿命延長に大きく貢献するものである。
温耐摩耗性及び耐ビルドアップ性に著しく優れており、
ロール寿命延長に大きく貢献するものである。
第１図、第２図はビルドアップ試験評価装置及び方法の
説明図、第３図は耐摩耗性の評価試験装置の概略を示す
説明図である。 4,4′……溶射試料、５……ビルドアップ原料、６……
加圧ロール、12……溶射テストロール、14……接触用鋼
板。
説明図、第３図は耐摩耗性の評価試験装置の概略を示す
説明図である。 4,4′……溶射試料、５……ビルドアップ原料、６……
加圧ロール、12……溶射テストロール、14……接触用鋼
板。
Claims (2)
- 【請求項１】ケイ化物CrSi2，MoSi2，ZrSi2，TiSi2，WS
i2，NbSi2のいずれか１種類から成る被覆を有する高温
耐摩耗性と耐ビルドアップ性に優れた熱処理炉用ロー
ル。 - 【請求項２】CrSi2，MoSi2，ZrSi2，TiSi2，WSi2，NbSi
2のいずれか１種類のケイ化物とNi-Cr,CoCrAlY,NiCrAlY
のいずれか１種類のメタルとから成るサーメット被覆を
有する高温耐摩耗性と耐ビルドアップ性に優れた熱処理
炉用ロール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8667987A JPH08964B2 (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | 熱処理炉用ロ−ル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8667987A JPH08964B2 (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | 熱処理炉用ロ−ル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63250448A JPS63250448A (ja) | 1988-10-18 |
| JPH08964B2 true JPH08964B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=13893706
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8667987A Expired - Lifetime JPH08964B2 (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | 熱処理炉用ロ−ル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08964B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06228723A (ja) * | 1992-12-21 | 1994-08-16 | Praxair St Technol Inc | 耐溶融金属侵食性材料およびその製造方法 |
| JP2004162147A (ja) * | 2002-11-15 | 2004-06-10 | Plasma Giken Kogyo Kk | 溶射被膜を有する窒化アルミニウム焼結体 |
| JP5875072B2 (ja) * | 2012-07-02 | 2016-03-02 | 関西電力株式会社 | 溶射材料焼結体及び溶射材料の製造方法 |
| CN114015992B (zh) * | 2021-11-01 | 2022-05-20 | 重庆嘉陵特种装备有限公司 | 一种适用于钛合金表面抗高温氧化隔热涂层及其制备方法 |
-
1987
- 1987-04-08 JP JP8667987A patent/JPH08964B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63250448A (ja) | 1988-10-18 |
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