JPS63250449A - 熱処理炉用ロ−ル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱処理炉内に配設され、鋼板を焼鈍し搬送する
ためのロールであって、特に高温耐摩耗性とビルドアッ
プ防止に優れた熱処理炉用ロール（以下ハースロール）
に関するものである。

（従来の技術） 例えば、連続熱処理炉内に配設されるハースロールは６
００〜１３００℃の酸化性又は還元性雰囲気温度で長時
間連続して被熱処理材を焼鈍し、搬送させるためにその
表面は摩耗を受けたり、また被熱処理材の付着酸化物や
鉄粉がロール表面に凝着堆積していわゆるビルドアップ
を形成したりしている。

このような摩耗やビルドアップによる凹凸がハースロー
ル上に発生すると、被熱処理材である鋼板が搬送される
間に疵付けられて、品質の低下の原因となっている。こ
のような鋼板の品質低下を防止するために、定期的に操
業を中断して熱処理炉内を冷却した後、作業者が炉内に
入ってハースロールの表面を研削手入れをしたり、ロー
ルそのものを取り替えたりしている。

このため従来からハースロールの材質を高クロム、高ニ
ツケル含有の耐熱合金に改良したり、あるいは特公昭５
７−２９５４９号公報等で記載されているように、ロー
ル表面にジルコニアやアルミナ等のセラミックスを溶射
被覆したりしていた。

しかし耐熱合金の改良でも凝着堆積に起因するビルドア
ップの発生防止には効果が薄く、またジルコニアやアル
ミナの溶射被覆層は高温雰囲気中で粒子間強度が劣化し
て皮膜自体の剥離が生成するという欠点から、高温耐摩
耗性とビルドアップの防止において充分に満足し得るも
のになっていない。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明者等はこれら酸化性又は還元性雰囲気中で使用さ
れるハースロールに適用すべき高温耐摩耗性に優れ、か
つビルドアップ防止の効果の大きい被覆材料及び被覆方
法を種々研究の結果、ハースロール基体との密着性に優
れ、剥離することなく、かつ高温強度にも優れた被覆ロ
ールを見出し、本発明を完成した。

すなわち本発明は酸化性又は還元性雰囲気中に配設され
て使用するに際して優れた高温耐摩耗性とビルドアップ
防止効果の大きい被覆層をロール表面に形成したハース
ロールを提供することを目的になされたもの・である。

（問題点を解決するための手段） 本発明はＴｉ系窒化物及びＴｔ系炭化物（以下ＴｉＮ。

ＴｉＣとする）よりなるセラミック被覆を有する熱処理
炉用ロールを要旨とするものである。

以下、本発明について詳細に述べる。

ハースロールの基体は、耐熱鋳鋼で作られる。

これらの基体にはその表面部にＴｉＮもしくはＴｉＣよ
りなるセラミック被膜が溶射法により施こされる。

本発明において溶射原料にＴｉＮもしくはＴｉｃを用い
たのは、セラミックスの中でも耐食性、耐摩耗性に優れ
、かつ融点がそれぞれ２９５０℃。

３２６０℃と高く、耐熱性に優れる上に熱伝導率が比較
的大きいことから金属基体に被覆する場合、溶射施工後
の冷却時に溶射被膜中に熱応力を残留させることが少な
いため、有利であると考えたからである。

本発明者等は、各非酸化物セラミックスの鉄酸化物に対
する耐反応性を調べるために以下の実験を行った。

本実験で用いた酸化鉄粉と各セラミック粉末試料の物性
値を第１表に示す。実験は、Ｆｅ５Ｏａ粉末と個々のセ
ラミック粉末の体積比を１：１に混合し、５００ｋｇ／
ｃＪで１０婁ｌφ×１０１鳳ｌのサイズにプレス成形後
、１０００　ｋｇ／ｃｒＡの静水圧でｃｉｐ処理を行っ
た。この混合成形試料の昇温時（５℃／ｍ１ｎ）におけ
る線膨張収縮曲線を９５％Ｎｔ−５％Ｈｚ雰囲気下で測
定した。

また、同一成形試料を９５％Ｎ　ｚ　−５％ｆ（、雰囲
気中で９５０℃×４時間焼成した後、反応生成物の有無
を粉末ＸｖＡ回折法を用いて調べた。

第１表供試試料の物性値 第１図は、各セラミックス粉末とＦｅ３Ｏ４粉末の混合
成形体を９５％Ｎ２−５％Ｈ２雰囲気下で昇温し、その
際の膨張収縮率測定結果である。これより、ＺｒＣ，Ｚ
ｒＮ、　Ｚｒｔｈ等は膨張し、他のセラミックスは収縮
挙動を示した。ＺｒＣ，ＺｒＮ等の膨張については、Ｆ
ｅ、Ｏ，の還元される過程で発生するＨｔＯによるＺｒ
Ｏ，への酸化反応で生成するＣＯ□およびＮ２ガスに起
因していると考えられる。

一方、収縮挙動を示す中では、ＴｉＣ，ＴｔＮが比較的
収縮率は小さく、焼結反応が進み難いものと推測され、
Ｂ４ｃ、　ＭｏＢ１．　Ｃｒ３Ｃ２，ＴｌＢ２等に比べ
て、Ｆｅ、０．との反応性が低いことが推測された。

第２図は、９５％Ｎ２−５％Ｈ２雰囲気中で９５０℃×
４時間焼成した混合試料をＸ線回折法を用いて同定した
例である。ｉ）〜ｉｖ）の中でｉ）のＢ、Ｃとｉｉ　）
のＭｏＢ、はそれぞれＦｅｄ、　ＦｅｚＢ及び（ＭＯｚ
ＦｅＢｚ）　Ｉｏ等の反応生成物が確認された。この他
のセラミックスでは、ＺｒＢｚ、　ＴｉＢｚ、　Ｃｒ３
ＣｇもＦｅＢ、　ＰｅＴｉＯｓ＋　（Ｃｒ、Ｐｅ）７ｃ
ｔ等の反応生成物が検出された。また、ｉｉｉ　）のＺ
ｒＣに関しては、Ｆｅ、ＩＯ，＋４１＋！　→３　Ｆｅ
　＋　４　Ｈ２Ｏで生成される１１ｔＯと反応し、殆ん
どＺｒＯ□に変化しており、ＦｅＪ４の共存する還元雰
囲気では酸化し易いことがわかった。ＺｒＮについても
同様の結果を得た。

一方、ｉｖ）のＴｉＮではＴｉＸ０□□１が極く微量生
成したが、ＺｒＣやＺｒＮに比べて、Ｎ２−Ｈ，雰囲気
で安定であることがわかった。又、ＴｉＣについてもＴ
ｉＮと同様であった。

更に、本発明者等は連続焼鈍炉のハースロールの耐ビル
ドアップ性を調査するために、下記の実験を行った。

実験に用いた試験装置を第３図及び第４図に示す。５Ｃ
Ｈ２２（２５Ｃｒ　−２ＯＮｉ　−０，４Ｃ）を素材と
した半径３５龍の半月形加圧ロール６を製作し、第２表
に示す溶射を行った２枚の各溶射試料４゜４′上を往復
摺動させ、ビルドアップ発生を再現できるような評価装
置を用いた。２枚の溶射試料４゜４′は３０ｉｎａＸ５
０龍×５■霞サイズのＳＯＳ　１５基板に両面溶射した
もの４と、片面溶射したもの４′を用い、半月形加圧ロ
ール６と２枚の試料４．４′の間にはビルドアップ原料
５　（Ｆｅ３０．等の酸化鉄粉）を散布し、トレイ３中
に収容する。これらの装置は、つぼ型電気炉２の中に配
置され、Ｎｚ５％Ｈ２の還元雰囲気中で８５０℃の一定
温度で４時間加圧ロール６を往復運動させ、ピルドアフ
プの発生を起こさせる。

尚、図中１は雰囲気ガス導入管、７は加圧ロンド、８は
加重材料、９はカウンターバランス、１０はシール板、
１１は減速機である。

以上の再現試験において、第４図の如く、半月形ロール
６と直接接触する面をＡ面、その裏側の面を８面、そし
て８面と向い合う面を０面とし、試験後のビルドアンプ
発生状況を第３表に示すような耐ビルドアップ性指数を
用いて、それぞれの評価点を合計した値で比較した。ま
た、ビルドアップ源であるＦａｘＯａの付着面積率の平
均値をもって溶射試料の耐ビルドアップ性を評価した。

第２表　溶射試料 （注）溶射膜厚はポンドコート１５０μｍ、トップコー
ト２００μｍ程度とし、 Ａｒ＋Ｈｚガスを用いてプラズマを容射施工を行った。

第３表　耐ビルドアップ性指数 耐ビルドアップ性試験結果を第４表に示す。トップコー
トがＴｉＣ（［相］）とＴｉＮ（■）から成る各種サー
メット被膜は、いずれの比較材よりも耐ビルドアップ性
指数が高く、かつＦｅ３Ｏ４粉の付着面積率が小さく、
耐ビルドアップ性に優れることがわかった。

また、Ｔｉｃ、　ＴｉＮに関しては、トップコートをＣ
ｏＣｒＶＹとのサーメット組織にしても耐ビルドアップ
性はさほど低下せず、充分な耐用性を示すことを確認し
た。

第４表　耐ビルドアップ性試験結果 連続焼鈍炉用ハースロール材質の高温耐摩耗性を調べる
ために、下記の実験を行った。第５図に示す如＜　５Ｕ
Ｓ３１０Ｓを素材とし、直径１２０鶴、胴長１００　ｍ
ｍのテストロール１２を作製し、その表面に第５表に示
す種々の材質を０．３〜０．５　ｍｍ厚さに溶射被覆し
た。これを発熱体１３による８５０℃の加熱下、酸化雰
囲気と還元雰囲気中で７５×５００Ｘ１０（ｍｍ）’の
５Ｓ４１鋼板１４と端部支点１５による自重荷重で回転
接触させ、高温耐摩耗性を調査した。

第５表　試験ロール材質 尚、溶射被覆の厚さはすべて０．３〜０．５鶴の範囲で
施工した。

第６表に示すように本発明（［相］、■）は、比較材の
ＮｔＣｈ　（■）　、　Ｚｒ０ｚ（■）等に比べて、耐
摩耗性に優れることがわかった。また、その他の非酸化
物セラミックスにしても大気雰囲気では酸化が著しく起
こり、耐摩耗性が劣化するため、充分な耐用性が発揮で
きない。

第６表　各溶射試料の摩耗量 尚、メタル成分にはＣｏＣｒＡ７Ｙを使用したが、Ｎ１
ＣｒＡｊＹ系でも同等の結果を得た。さらに耐スボ−ル
性を向上させる際は、ＣｏＣｒＡ／Ｙ　等のメタルヲ若
干トップコート層に添加した、いわゆるサーメット居に
すればよい。

（発明の効果） 上記実施例にも示す如く、本発明のハースロールは高温
耐摩耗性及び耐ビルドアンプ性に著しく優れており、ロ
ール寿命延長に太き（貢献するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は各セラミック粉末とＦｅＪ、粉末から成る混合
成形体の線膨張収縮曲線、第２図は、各混合成形体の焼
成後の粉末Ｘ線回折結果である。第３図、第４図はビル
ドアンプ試験評価装置及び方法の説明図、第５図は耐摩
耗性の評価試験装置の概略を示す説明図である。 ４．４′・・・溶射試料、５・・・ピルドア・ノブ原料
、６・・・加圧ロール、１２・・・溶射テストロール、
１４・・・接触用鋼板。 温良（°の 第２図 ２θ（ｄｅｇ、］

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｔｉ系窒化物あるいはＴｉ系炭化物よりなるセラミック
   被覆を有する耐ビルドアップ性と耐摩耗性に優れた熱処
   理炉用ロール。