JPS602661A - 熱処理炉用ロ−ル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱処理炉用ロール、特に各種金属板、例えば珪
素鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、その仙台金板
、銅およびその合金板等の熱処理において、雰囲気温度
３００〜１２００℃の範囲で好適に使用しうる熱処理炉
用ロールに関するものである。

（従来技術） 従来、この種の熱処理炉用ロールとしては、（１）高ク
ロム、高ニツケル含有の耐熱合金製ロールを水冷又は非
水冷で直接被熱処理材を支持し、搬送に用いる金属ロー
ル、 （２）前記（１）の耐熱合金製ロールの寿命延長を目的
として、耐熱合金製ロール表面にＡｔ２０５　ｅ　Ｚｒ
Ｏ２ｅｓｔｏ２．　ｓｔｃ等のセラミックスを溶着被膜
したもの、又は、セラミック、セラミックファイバーを
スリーブ状にして、被熱処理材を支持し搬送に用いるセ
ラミックロール、 （３）黒鉛又は黒鉛質繊維をスリーブ状にして被熱処理
材を支持し、搬送に用いるカーデンロール、等が考案さ
れ使用されている。

しかし、これら何れの炉内ロールにおいても、希望する
特性をすべて満足するに至っていない。

即ち、水冷金属ロールにおいてはロール表面温度の低下
によシ、ロールピックアップの発生には効果があるが、
水冷による熱量損失が非常に大きくなるという欠点があ
る。また非水冷金属ロールにおいては、水冷による熱量
損失は解消できるものの炉内温度（ロール温度）が８０
０℃以上の高温下においては、ロールピックアップの多
発によシ、被熱処理材に押疵をつける等の品質低下をま
ねく結果となる。

前記、耐熱合金製ロールのロールピックアップ防止を図
る手段として、耐熱合金製ロール表面に種々のセラミッ
クスの溶着被膜あるいはスリーブ状にして使用したロー
ルにおいては、セラミックスとしてＳｔＣを用いた場合
、特に８ｏｏ℃以上の高温焼鈍を必要とする珪素鋼、ス
テンレス午のストリップにおいてロール表面上に鉄粉も
しくは鉄酸化物粉体が付着し、被熱処理材に疵をつける
ロールピックアップが発生しやすい。この傾向は、還元
性の雰囲気中において著しい発生となる。

また、炭素質スリーブを用いた場合は、炉内のわずかな
酸素や水蒸気によって酸化損耗が進行し耐用性が低下す
るため、炉内を非酸化性雰囲気にしなければならず煩雑
な操作が要求されかつ装置コストが高くなると同時に炭
素、質スリーブの使用範囲が非酸化性雰囲気に限定され
る。

さらに、Ａｔ２０３質、ｚｒＯ２質等の場合、熱膨張係
数が大きく熱処理炉の急速な昇温あるいは炉温変動を生
じた場合、スポーリング性破壊やクラックの発生による
耐用性の低下を起こす。また、特公昭５７−８８４７号
公報等で提案されている溶融５ｌＯ２４質スリーブは熱
膨張係数が小さい為、耐スポーリング抵抗は大きいが１
０００℃以上で長時間使用すると、溶融５ｔｏ２質の、
造品形態は、非晶質から結晶化が進み、低膨張性を失い
耐用しなくなる。

また、製造過程における焼成においても結晶形態から１
．　ＯＯ０℃以下の温度でしか焼成できないため、焼成
後の溶融５ＩＯ２質スリーブは、低強度であシ研削によ
る平滑度が出しにくいこと、また、使用中の機械的衝撃
で破壊しやすい等の問題がある。

（発明の目的） このような実情に鑑み本発明は、耐ロールピックアツプ
性に優れ、かつ耐スポーリング性に優れ、高強度を有す
るとともに扁泥算囲気下において、高耐用性を発現す□
る熱処理炉用ロールを提供しようとするものである。

（発明の構成・作用） 本発明は高温雰囲気の熱処理炉内において被熱処理材を
支持し、搬送する炉内ロールにおいて、金属板を支持す
る表面に、Ｃｒ２Ｏ，を３０〜７０チ含み、残部がＡｔ
２０３から成る無機材料のスリーブあるいは溶着被膜を
設けた熱処理炉用ロールを要旨とする。

以下、本発明について詳述する。

本発明のロールの被覆層は、Ｃｒ２Ｏ３量属チ、残部Ａ
ｔ２０５からなる。

Ｃｒ２Ｏ３は一般に、鉄系金属との濡れ性、反応性が悪
いために、高温雰囲気下で焼鈍する熱処理炉の搬送ロー
ルとして使用する場合、材質的に耐ピツクアツプ性に優
れた材料である。

ところが、Ｃｒ２Ｏ３学味の場合、成形体の廁造上の問
題から制約を受ける。焼結体スリーブの場合、Ｃｒ２Ｏ
３は気化蒸発し易い傾向があり、固体反応を促進するた
めに、高温下で焼成を行なっても気孔等を発生して緻密
で高強度の成形体は得難い。この問題点を解決し、緻密
で高強度の成形体を得るためには、焼結反応の促進が必
要となシ、そのためにはＡｚ２ｏ、の添加が効果を発揮
する。

Ａｔ２０３はＣｒ２Ｏ３と結晶形態が似ていること、熱
膨張係数が近似していること、さらには、Ａｔ２０３（
５） 自体の特性として、高強度焼結体を形成し易いこと等、
高強度の成形体を得るのに極めて効果的な添加材料であ
る。而して、搬送用ロールに適した成形体を得るために
は、３０係以上のＡｔ２０３量が不可欠である。しかし
、耐ピツクアツプ性の問題からＣｒ２Ｏ３量が３０係以
上必要となるので、おのずからＡｔ２０３量は７０係が
添加量の上限となってくる。

また、無機羽料スリーブ表面、耐熱合金製ロール表面に
溶着被膜によシ包囲してなるロールを得るための溶射法
においても、Ｃｒ２Ｏ３単体では、高強度化、緻密化は
し難く、無機材料スリーブ、耐熱合金製ロール等母材と
の接着強度が充分でなく母材と溶着被膜との間で剥離し
易く、使用に耐えない。

この問題の解決を図るためにもＡｔ２０３を３０％以上
加えることによシ、溶着被膜の緻密化、強度の向上が可
能となシ、使用に供することができる。Ａｔ２０３はＣ
ｒ　２０５と溶融温度が近く、また固溶体を形成し易い
ので、溶射の場合の添加材料としても優れてい（６） る。この場合においてもＣｒ２０５（ｉは耐ピツクアツ
プ性と被膜の緻密性および強度の面から決定され、Ｃｒ
２Ｏ５量３０〜７０　％が必要であ１）　Ａｊ２０５　
量においてもＣｒ２Ｏ３の残部すなわち７０〜３０ヂが
必要となることは焼成体スリーブの場合と同様である。

次に、ロールビックアップ性について、調査を行なった
結果について述べる。

ロールピックアツプ性試験に用いた試料は、表−１に示
すような粉末の焼結により製造したＣｒ２０３−Ａｔ２
０５系焼成体、Ｃｒ　２０３−　Ａｔ２０３系溶射物お
よび比較品としての耐熱鋳鋼であシ、之等についてロー
ルぎツクアップ性を調査した。

（７） 試験片は５０Ｘ５０鰭の厚み１０ｍの平板吠であシ、表
−１に示すようにＡ１〜Ａ　１１４での試料を周章した
。平板２枚の５ＱＸ５Ｑｍの面間にぎックアップ原料で
ある鉄酸化物粉末をのせて重ね合わせ、その上に１　’
ｆ、ｇ／ｃｍ２の荷重を加え、更にピックアップ原料と
２枚の平板がとすシ合わされるような動きを与える。こ
の様な試験装置を雰囲気制御可能な電気炉中に設置する
ものである。

ロールピックアツプ性の試験は、雰囲気温度１００００
Ｈ２（１０％）−Ｎ２（９０％）雰囲気で５時間行ない
試験後試料を取出して、ピックアップを発生している部
分の面積を画像解析装置を用いて測定する。この値を２
枚の試験片面積（５０ｘ５０ｍ）で割算したぎツクアッ
プ面積の割合をもってぎックアップ発生率とした。♂ツ
クアラプ発生率を第１図に、また試験後の表面性状観察
結果を表−２に示した。

（９） 第１図に示したｆ、ファツジ発生率の幅は１゜回の試験
におけるバラツキを示している。第１図に示した２ツク
アップ発生率の小さい順から挙げると、Ａ　８　：　Ｃ
ｒ２Ｏ３７０％　−Ａｔ２０５３０　％溶射物、＆　６
　：　Ｃｒ２Ｏ３５０％　−Ａｔ２０３５０％溶射物、
Ａ７：Ｃｒ２０３７０　’ＩＩ　−ＡＬ２０ｓ　３０％
無焼結、Ａ５：Ｃｒ２Ｏ３５０％−Ａ１．２０３５０　
％焼結体、Ａ４：Ｃｒ２Ｏ５３０％　−Ａｔ２０３７０
　％溶射物、Ａ３：Ｃｒ２Ｏ３３０％　−Ａｔ２０３７
０　％焼結体、Ａ　１０　：Ｃｒ２Ｏ５８５％　−Ａｔ
２０５１５　％溶射物、Ａ９：Ｃｒ２Ｏ３８５％　−Ａ
／２０３１５　％焼結体、屋２：Ｃｒ２Ｏ５２０％−Ａ
ｔ２０５８０　％溶射物、点１：Ｃｒ２０３２０　％　
−Ａｔ２０３８０％無焼結、Ａ１１：耐熱鋳鋼である。

以上の結果からＣｒ２Ｏ３を３０チ以上含有しないと、
ピックアップの発生が極めて多くなシ、当初の目的、即
ち耐ピツクアツプ性の良い材料としての条件を満足しな
い。Ｃｒ２Ｏ３量３０チ以上では耐ピツクアツプ性に優
れるがＣｒ２Ｏ３量が７０％を越えると緻密で高強度の
成形体を得ることが困難となシ、制約を受ける。即ち、
粉体から製造した焼結体では、強度が不十分であること
から、脆く機械的な摩擦、衝撃によシ、表面に凹凸が発
生し、そこを起点として、ピックアップが多発する。他
方、溶射物の場合においてもＣｒ２Ｏ５量が７０％を越
えると溶射被膜の強度不足に伴なう剥離の発生あるいは
表面に微細な亀裂を発生し、そのくぼみを起点として、
ピックアップが発生する。

この様にＣｒ２Ｏ３量を３０〜７０チ（好ましくは４０
〜７０チ）含有し、残部Ａｔ２０３からなる被膜層をロ
ールに構成することによシ、ピックアップ原料との反応
性に乏しく、かつ使用中の亀裂発生に伴なうピックアッ
プ発生率の低い熱処理炉用ロールの提供が可能となる。

以下、実施例について説明する。

実施例 耐熱鋳鋼製ロール表面にＣｒ２０５　（３０’１）−Ａ
ｔ２０５（７０％）、Ｃｒ２Ｏ３（５０％）−Ａｔ２０
３（５０％）、Ｃｒ２０ｇ（８５％）−Ａｔ２０３（１
５％）の夫々から成る溶射被膜を形成し、表面平滑度が
１００μｍ以下になるように研削し熱処理炉用ロールと
した。

また、粉末の焼結にょシ製造したＣｒ２Ｏ３（５０％）
−Ａｔ２０３（５０％）およびＣｒ　２０！＋　（２０
％）−Ａｔ２０．（８０％）の各焼結体を、表面平滑度
が１００μｍ以下になるように研削し、焼結体スリーブ
を製作した。

さらに、従来品として、耐熱鋳鋼Ｍｒ１−ルを用意した
。

上記６種類の熱処理炉用ロールを実際の鋼板熱処理炉（
温度８００〜１０５０’Ｃ１Ｎ２−Ｈ２−Ｈ２０雰囲気
）で１８００時間使用した結果を表−３に示す。

（１３） （発明の効果） 上記、実施例の結果からも明らかな如く本発明のロール
は、耐ロールピックアツプ性に著しく優れておシロール
寿命延長に大きく貢献するので産業上稗益するところが
極めて犬である。

【図面の簡単な説明】

第１図は各種試料のピックアップ発生率を示したもので
ある。 （１５） 扇　／　図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 金属板を支持する表面にＣｒ２０３３０〜７０チを含み
   、残部がＡｔ２０３から成る無機材料の被覆層を形成し
   て成る熱処理炉用ロール。