JPH0889271A - インジゴの製造法 - Google Patents

インジゴの製造法

Info

Publication number
JPH0889271A
JPH0889271A JP23279894A JP23279894A JPH0889271A JP H0889271 A JPH0889271 A JP H0889271A JP 23279894 A JP23279894 A JP 23279894A JP 23279894 A JP23279894 A JP 23279894A JP H0889271 A JPH0889271 A JP H0889271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indigo
aqueous solution
indole
producing
culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23279894A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Goto
誠 後藤
Shoichi Nara
昭一 奈良
Masato Terasawa
真人 寺沢
Hideaki Yugawa
英明 湯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP23279894A priority Critical patent/JPH0889271A/ja
Publication of JPH0889271A publication Critical patent/JPH0889271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 インジゴ生産菌またはその処理物を、インド
ールを含有する水性溶液に作用させて該水溶液中にイン
ジゴを生成蓄積させ、該水溶液からインジゴを採取する
インジゴの製造法において、該水溶液に酸化剤を添加す
ることを特徴とする方法。 【効果】 酵素法によりインジゴを効率よく製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インドールから、効率
よくインジゴを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インジゴは、化学合成法により製
造され、工業用染料として広く利用されている。しかし
ながら、化学合成法は、反応が多段階になるので収率が
悪く、また化学的分解による副産物が多い等の欠点があ
った。
【0003】また、インジゴを製造する種々の方法の中
で有望視されている方法として、シュードモナス属微生
物を用いてインドールから製造する方法〔P. M. M. Gra
y :Proc. Royal Soc. London, ser. B, vol.102, p2263
-2279 (1928) 、特開平4−287691号公報〕、ミ
コバクテリウム属微生物を用いてインドールから製造す
る方法〔O. Sebck and H. Aeger : Nature, vol.196, p
79-795 (1962) 〕、マイクロコッカス属微生物を用いて
インドールから製造する方法〔M. Fujioka andH. Wada
: Biochimica et Biopysica Acta, vol.158, p70-78
(1968) 〕、シュードモナス属微生物由来のキシレンオ
キシゲナーゼまたはナフタレンオキシゲナーゼ遺伝子を
つないだプラスミドを含有する Escherichia coli を酵
素触媒として用い、インドールから製造する方法〔Burt
D. Ensley, Barry J. Ratzkin, Timthy D. Osslund an
d Mary J. Simon ; Science, vol.222, p167-169 (198
3) 〕、モルセラ属菌を用いてインドールから製造する
方法〔J. Eyal, Md. A. Mabud,and J. F. Walter ; App
lied Biochemistry and Biotechnology, vol.30, p303-
312 (1991) 〕、ロドコッカス属微生物由来遺伝子をつ
ないだプラスミドを含有する Escherichia coli を酵素
触媒として用い、インドールから製造する方法〔S. Har
t and D. R. Woods : Journal of General Microbiolo
gy, vol.138, p205-509 (1992)〕、アシネトバクター属
菌を用いてインドールから製造する方法(特願平5−2
10439号公報)等が挙げられるが、いずれも未だ実
際的な製造技術を確立するには至っておらず、効率よく
インジゴを製造する方法の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効率よく、
かつ高収率でインジゴを製造することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率よく
インジゴを製造する方法を確立すべく、鋭意検討を行っ
た結果、インジゴ生産菌またはその処理物を、インドー
ルを含有する水溶液に作用させて該水溶液中にインジゴ
を生成蓄積させ、該水溶液からインジゴを採取するイン
ジゴの製造法において、該水溶液に酸化剤を添加するこ
とにより効率よくインジゴが生産可能なことを見出し、
本発明を完成するに到った。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるインジゴ生産菌は、インジゴ生成能を有する
微生物であればいかなる菌株でもよく、既知の菌株又は
新たに取得された菌株が用いられるが、これらの変異株
であってもよい。
【0007】その具体例としては、アシネトバクター
(Acinetobacter) sp.MY−15菌株(以下、これを
「MY−15」と略称することがある)、アシネトバク
ター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceti
cus)ATCC 19606株(以下、これを「ATCC
19606」と略称することがある)、アシネトバク
ターsp. VA−66株(以下、これを「VA−66」と
略称することがある)又はアシネトバクターsp. VA−
251株(以下、これを「VA−251」と略称するこ
とがある)、シュードモナス(Pseudkomonas) sp. MY
−6株(FERMP−11963:特開平6−3878
2号参照。以下、これを「MY−6」と略称することが
ある)等が挙げられ、好ましくは、アシネトバクターs
p. MY−15、シュードモナスsp. MY−6等が挙げ
られる。
【0008】インジゴ生産菌は、下記の方法により取得
することができる。例えば、河川の水、草木および土壌
等のサンプルを滅菌水に懸濁した後、その一部を、キシ
レン、安息香酸等を主炭素源とする液体培地に接種し、
30℃程度の中温で48時間程度振盪培養し、その一部
を前記液体培地に植え継ぎ、同様に振盪培養を数回繰り
返す(集積培養)。その後、培養液を滅菌水等で適度に
希釈し、キシレン、安息香酸等を主炭素源とする平板培
地に塗布し、コロニーを単離する。単離されたコロニー
又は既知の保存菌株について、30℃程度の中温で、後
記するインドール含有水溶液に作用させ、青色の色素を
生成するコロニーを選択することによりインジゴ生産菌
を選抜することができる。
【0009】前記MY−15、VA−66及びVA−2
51は本発明者らにより新たに土壌から分離された菌株
で、その菌学的及び分類学的性質は以下の共通した性質
を有す。
【0010】I.顕微鏡的性質 (a)細胞の形及び大きさ:桿菌、1×2μm (b)多形態の有無:無し (c)運動性:無し (d)胞子の有無:無し (e)グラム染色:陰性
【0011】II.培養的性質 (a)肉汁寒天培地における生育:有り (b)資化可能な炭素源:フマル酸、クエン酸、リンゴ
酸、n−カプリン酸、アジピン酸、エタノール、酢酸、
安息香酸等
【0012】III.生育条件 (a)生育温度:中温 (b)生育pH:中性 (c)酸素要求性
【0013】IV.生理学的性質 (a)オキシダーゼ:陰性 (b)カタラーゼ:陽性 (c)ゼラチン液化:陰性 (d)硝酸塩還元:陰性 (e)グルコース発酵性:陰性 (f)尿素分解:陰性
【0014】MY−15は受託番号:FERM BP−
4613として、VA−66はFERM BP−477
0として及びVA−251はFERM BP−4771
として、いずれも工業技術院生命工学工業技術研究所に
国際寄託されている。
【0015】インジゴ生産菌の培養に用いる培地の炭素
源は、使用する菌株によって異なるが、フマル酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、酢酸等の有機酸、エタノール、安息香
酸、m−キシレン等が利用できる。
【0016】窒素源としては、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム
塩;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム
等の硝酸塩;アンモニア等を用いることができる。
【0017】無機物としては、リン酸カリウム、硫酸マ
グネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、銅等を用いることが
できる。また、必要に応じて、ビタミン、アミノ酸また
は酵母エキス、ペプトン等の栄養源を添加することがで
きる。
【0018】培養は通気撹拌、振盪等の好気的条件下で
行い、培養温度は20〜45℃、好ましくは30〜37
℃が適当である。培養途中のpHは6〜9、好ましくは7
〜8付近とすることができ、培養中のpHの調整は、酸又
はアルカリを添加して行うことができる。
【0019】本発明の方法は、上記の如く培養すること
により得られる培養物、培養物から遠心分離等により回
収された菌体、又はそれらの処理物を用いて実施するこ
とができる。
【0020】培養した菌体は、該菌体を予めリン酸緩衝
液等の緩衝液(pH7)で洗浄した後用いることもでき
る。洗浄用のリン酸緩衝液の濃度は0.05M 〜0.2
M 程度が好適に用いられる。菌体は、そのまま使用する
ことができるし、該菌体を必要により固定化等の処理を
して用いることもできる。
【0021】また、上記「処理物」とは、培養物又はそ
れから回収された菌体を固定化して得られる固定化物、
該菌体を超音波、圧擦等の手段で粉砕した粉砕物、該粉
砕物を水等で抽出した抽出物、該抽出物をさらに硫安塩
析、カラムクロマトグラフィー等の処理により得られる
酵素成分、さらにこれら粉砕物、抽出物、酵素成分等を
固定化して得られる固定化物を意味するものである。菌
体等の固定化は、それ自体既知の通常用いられる方法に
従い、ポリアクリルアミド、アルギン酸又はカラギーナ
ン等の適当な担体に固定化させる方法により行うことが
できる。
【0022】かくして得られるインジゴ生産菌又はその
処理物を、インドールを含有する水性溶液に作用させる
ことにより、該水性溶液中にインジゴを生成蓄積させる
ことができる。
【0023】該菌体またはその処理物をインドールと反
応させるには、通常の酵素反応と同様に、例えば0.1
M リン酸緩衝液(pH6〜9)あるいは水溶液(pH6〜
9)等の水性溶液中で、20〜50℃、好ましくは30
〜40℃の温度で、通常10〜72時間反応させる。本
水性溶液には、反応時に酸化剤を添加する。
【0024】酸化剤としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝
酸カリウム等の硝酸塩、塩化第二鉄等の金属塩、ハロゲ
ン、ペルオクソ酸等が挙げられ、好ましくは、亜硝酸ナ
トリウム、塩化第二鉄が挙げられる。添加濃度は、酸化
剤の種類によって異なるが、インジゴ生成を阻害しない
濃度で加えることが望ましく、通常、0.001〜0.
05%(W/V)、好ましくは0.005〜0.02%であ
る。
【0025】反応は、通気攪拌等の好気的条件下で行
う。水性溶液中のインドール濃度は、インドールが酵素
反応により変換させられ、インジゴを生成し得る濃度で
あれば特に制限されないが、好ましくは、0.8mMを越
えないように一括あるいは逐次添加するのが好ましい。
【0026】水性溶液に添加する菌体またはその処理物
の添加量は、特に制限されるものではないが、一般に
0.5〜10%(W/V)が用いられる。
【0027】上記した水性溶液における酵素反応温度は
20〜45℃、好ましくは30〜37℃が適当であり、
反応中の水性溶液のpHは6〜9、好ましくは7〜8付近
とすることができ、pHの調整は、酸又はアルカリを添加
して行うことができる。酵素反応は、通気撹拌、振盪等
の好気的条件下で、通常約5〜48時間行うことができ
る。
【0028】上記の如く酵素反応させることにより、水
性溶液中にインジゴを著量生成蓄積させることができ
る。
【0029】上記の酵素反応によってインジゴを生成蓄
積させた後、水性溶液からインジゴを採取するには、そ
れ自体既知の通常用いられる分離、精製法に従って行う
ことができ、例えば、酢酸エチル、ジメチルスルホキシ
ド、クロロホルム等の溶媒にインジゴを溶解させ、溶媒
を蒸発させ、インジゴ結晶を得る方法、又はアルカリ条
件下に亜二チオン酸ナトリウムを加えた水溶液にインジ
ゴを溶解させ、還元条件下に膜等を用いて菌体を分離
し、空気で酸化してインジゴ結晶を得る方法等を用いる
ことができる。
【0030】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0031】実施例1 (NH4)2 SO4 :3g、KH2 PO4 :0.5g、K
2 HPO4 :0.5g、MgSO4 ・7H2 O:0.5
g、NaCl:0.5g、FeSO4 ・7H2O:10m
g、CaCl2 ・2H2 O:10mg、酵母エキス1gお
よび蒸留水:1,000ml(pH7.0)の培地100ml
を、500ml容の三角フラスコ2本に分注し、120
℃、15分間滅菌処理したものに、それぞれエタノール
1mlを添加後、アシネトバクター sp.MY−15菌株を
植菌し、30℃にて24時間振とう培養した。
【0032】また、上記と同様の培地1,000mlを5
L 容の三角フラスコに入れ、120℃、15分間滅菌処
理したものに、エタノール10mlを添加後、上記振とう
培養液20mlを接種し、これを30℃にて24時間振と
うした。得られた培養液を遠心分離(8,000rpm 、
15分、4℃)して集菌した菌体を、以下のとおり反応
に供試した。
【0033】回収した菌体を0.1M リン酸緩衝液(pH
7)200mlで1回洗浄した後、同液に表−1の酸化剤
を加えた反応液500mlに懸濁し、100mgインドール
を添加し、30℃で24時間反応させた。途中、12時
間後にインドール100mgを添加した。反応後、生成さ
れたインジゴは、酢酸エチルを加えて抽出し、酢酸エチ
ル画分を分取して得た。結果を、表−1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、効率よく、かつ
高収率でインジゴを製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジゴ生産菌またはその処理物を、イ
    ンドールを含有する水性溶液に作用させて該水性溶液中
    にインジゴを生成蓄積させ、該水性溶液からインジゴを
    採取するインジゴの製造法において、該水性溶液に酸化
    剤を添加することを特徴とする方法。
JP23279894A 1994-09-28 1994-09-28 インジゴの製造法 Pending JPH0889271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23279894A JPH0889271A (ja) 1994-09-28 1994-09-28 インジゴの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23279894A JPH0889271A (ja) 1994-09-28 1994-09-28 インジゴの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0889271A true JPH0889271A (ja) 1996-04-09

Family

ID=16944930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23279894A Pending JPH0889271A (ja) 1994-09-28 1994-09-28 インジゴの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0889271A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0861887A2 (en) * 1997-02-18 1998-09-02 Canon Kabushiki Kaisha Microbial processes using electrolyzed water

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0861887A2 (en) * 1997-02-18 1998-09-02 Canon Kabushiki Kaisha Microbial processes using electrolyzed water
EP0861887A3 (en) * 1997-02-18 1999-08-04 Canon Kabushiki Kaisha Microbial processes using electrolyzed water

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001037469A (ja) エピクロロヒドリンの微生物分解
JPS60224488A (ja) 微生物学的手段によるl−カルニチンの製造
JPH0889271A (ja) インジゴの製造法
JP3525190B2 (ja) ε−ポリ−L−リジンを著量に生産する菌株及びそれを用いたε−ポリ−L−リジンの製造法
US5496715A (en) Process for preparing indigo
JP3245254B2 (ja) 新規微生物及びこれを用いるヌートカトンの製造法
JPH07327690A (ja) インジゴの製造法
JP3514799B2 (ja) リパーゼ及びこれを産生する微生物
JP3011472B2 (ja) 酵素法によるインジゴの製造法
JPH06261776A (ja) 酵素法によるインジゴの製造方法
JP2964163B2 (ja) R(―)―1,3―ブタンジオールの製造法
JP3090761B2 (ja) 光学活性乳酸の製造法
JPH06261777A (ja) 酵素法によるインジゴの製造方法
JPH04304893A (ja) 微生物による含窒素複素環化合物の水酸化物の製造方法
JPH0638782A (ja) 酵素法によるインジゴ製造法
JP3413294B2 (ja) 2,5−ジヒドロキシピリジンの製造法および2,5−ジヒドロキシピリジン生産菌
JP2981298B2 (ja) 新規微生物
JP2928797B2 (ja) p―キシレン耐性コリネバクテリウム属細菌及びこれを用いる反応方法
JP3862277B2 (ja) 新規な胆汁酸変換微生物
JPH04320680A (ja) インジゴ生成能を有するシュードモナス属に属する微生物の培養方法
JPH04287691A (ja) 酵素法によるインジゴの製造法
JP2993766B2 (ja) sec−セドレノールの製造法
JPH0417637B2 (ja)
JPH0417638B2 (ja)
JP2586283B2 (ja) 微生物学的手段によってl−カルニチンを製造する方法