JPH08808Y2 - 農用トラクタにおけるインプルメント作業機取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、農用トラクタの後部に各種の作業機を連結
するインプルメント作業機取付構造に関するものであ
る。

（ロ）従来の技術 従来、農用トラクタにおいては、ミッションケースの
後部に設けるロアーリンク取付部に、通常はロータリ作
業機を連結しながら、インプルメント作業機である草刈
用モアーを装着する場合もロアーリンク取付部を利用し
て装着していた。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところが、ロアーリンク取付部に刈取用モアーを装着
する場合には、刈取られた牧草や芝を入れるバックの装
着ができず、特別な部品を準備する必要があった。した
がって、全体構造が複雑でコスト高となっていた。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案では、前車輪と後車輪との間に芝刈機等のイン
プルメント作業機を位置させて、リフトアームに連結す
るワイヤーをインプルメント作業機に連結し、同インプ
ルメント作業機を、リフトアームに連動して昇降自在と
したインプルメント作業機取付装置において、ミッショ
ンケースの後部下方位置の両側に、3P支点ピンを介して
ロアーリンクを装着するロアーリンクヒンジを連結し
て、同ロアーリンクヒンジの下側にインプルメント作業
機取付用のブラケットを装着すると共に、ドロバーヒッ
チに前記ワイヤーを巻掛けるプーリを軸支し、かつ、PT
O出力軸用安全カバーには下部両側にサイドカバーを連
設してワイヤーを摺接する如く構成したことを特徴とす
る農用トラクタにおけるインプルメント作業機取付装置
を提供せんとするものである。

（ホ）作用 ミッションケースにロアーリンクヒンジを装着する場
合は、同ミッションケースの後部下方位置の両側に、3P
支点ピンと同時にロアーリンクヒンジを連結する。そし
て、ロアーリンクヒンジの両側で、かつ、3P支点ピンの
両端にロアーリンクを連結しながら同ロアーリンクによ
りインプルメント作業機の部品を装備することができる
ものである。

そして、これと同時にロアーリンクヒンジの下側に設
けるブラケットによりインプルメント作業機を装着する
ことができるものである。

また、インプルメント作業機を、リフトアームに連結
するワイヤーにより吊装して、同ワイヤーはドロバーヒ
ッチに連結したプーリを介して巻掛けられているから、
同インプルメント作業機はリフトアームに連動して上下
昇降するものである。そして、ワイヤーPTO出力軸用途
カバーのサイドカバーに摺接しながら上下動するもので
ある。

（ヘ）効果 本考案によれば、ミッションケースの後部下方位置の
両側に、3P支点ピンを介してロアーリンクを装着するロ
アーリンクヒンジを連結し、同ロアーリンクヒンジの下
側にはインプルメント作業機取付用のブラケットを装着
したものであるから、ロアーリンクにより各種作業機を
連結できながら、かつ、ブラケットにも各種のインプル
メント作業機が装着でき、したがって、構造が簡単であ
りながら、ロアーリンク側とブラケット側とに複数個の
作業機を連結することができるものである。また、ロア
ーリンク及びブラケットの取付けや取外しが容易である
から、作業能率が向上するものである。

そして、インプルメント作業機を吊装して上下昇降さ
せるワイヤーをリフトアームに接続すると共に、ドロバ
ーヒッチに設けるプーリに巻掛けながら、かつ、PTO出
力軸用安全カバーのサイドカバーに摺接させて上下動す
るものであるから、同インプルメント作業機はリフトア
ームの上下作動に連動して円滑に昇降するものである。

（ト）実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、第１図
において、（１）は農用トラクタのシャーシフレームで
前部にエンジン（２）を搭載しながら、後部にはミッシ
ョンケース（３）を連結している。（３−１）は前車
輪、（３−２）は後車輪、（４）はミッションケース
（３）の上部に設ける油圧昇降装置で、（５）はリフト
アームである。そして、ミッションケース（３）の後部
下方位置（ａ）で、かつ、左右両側には、第２図及び第
３図に示す如くロアーリンクヒンジ（６）を固着してお
り、（７）は同ロアーリンクヒンジ（６）をミッション
ケース（３）に固着する固定ボルト、（８）は両側をロ
アーリンクヒンジ（６）に支持された3P支点ピンで、左
右両側にロアーリンク（９）を装着する軸支部（10）を
設けている。（11）は3P支点ピン（８）をロアーリンク
ヒンジ（６）に固定する固定板、（12）は固定用ボル
ト、（13）はナットである。（14）は3P支点ピン（８）
の中央部に設けるドロバーヒッチで、後方にドロバー
（15）を連結可能としている。また、（16）はロアーリ
ンクヒンジ（６）の下部に連結するブラケットで、モア
ーなどのインプルメント作業機（Ａ）を着脱自在に装着
できるように取付孔（17）を設けている。

（18）は固定ボルト、（19）はミッションケース
（３）の後部に突設するPTO出力軸（20）をカバーする
安全カバーで、下部両側にサイドカバー（21）を延設し
ている。（22）はロアーリンク（９）とリフトアーム
（５）とを連結するリフトリンク、（23）はインプルメ
ント作業機（Ａ）を機体中央位置にて吊装する取付リン
クで、基部（23−１）を前記ブラケット（16）の取付孔
（17）に装着している。

（24）はインプルメント作業機（Ａ）を前側より吊装
する平行リンク状の取付リンクであって、同インプルメ
ント作業機（Ａ）はリフトアーム（５）の先端に基部を
連結したワイヤー（25）により吊装されながら、上下に
昇降自在となっている。（26）はドロバーヒッチ（14）
の後端に連結するプーリ、（26−１）は機体中央下部に
設けるプーリで、前記ワイヤー（25）の中間を巻掛けて
いる。（27）はプーリ取付座、（28）はインプルメント
作業機（Ａ）にて刈取られた芝を収納するバックで、同
インプルメント作業機（Ａ）とパイプ（29）にて連結さ
れていると共に、ロアーリンク（９）上に載置されてい
る。

また、第６図及び第７図は他の実施例で、農用トラク
タの前輪舵取装置を示しており、（30）はステアリング
ハンドルで、下部に距離を判別する受信センサー（31）
を連結している。（32）は左側前車輪（33）のナックル
アーム（34）上に設ける受信センサー、（35）は右側前
車輪（36）のナックルアーム（37）上に設ける発信セン
サーである。そして、左右の発信センサー（32）（35）
と受信センサー（31）との各距離を判断して、距離の差
があればモータースイッチ（38）をON・OFFしてステア
リングハンドル（30）を回動せしめて常に機体が直進す
るように構成している。（39）は駆動モータである。

また、第８図は前車輪駆動部の側断面図であって、
（40）はフロントアクスルケース、（41）は増速装置
で、デフ装置（42）及びブレーキ装置（48）より構成さ
れている。（44）はステアリングシャフトに連動して作
動するプッシュロッドで、先端は前記ブレーキ装置（4
3）に連動している。（45）は作動アーム、（46）はバ
ネ体、（47）はプッシュロッド（44）の基部の上下両側
位置に設ける調整ボルトで、左右の切り角を調整自在と
している。

本考案の実施例は上記のように構成されており、した
がって、ミッションケース（３）に3P支点ピン（８）を
装着する場合は、同3P支点ピン（８）の固定板（11）と
ロアーリンクヒンジ（６）を連結し、さらに、同ロアー
リンクヒンジ（６）をミッションケース（３）に固定ボ
ルト（７）により固定するものである。そして、ロアリ
ンクヒンジ（６）にブラケット（16）を固定ボルトによ
り固定する。また、機体の中央部に吊装されたインプル
メント作業機（Ａ）は、ワイヤー（25）によりリフトア
ーム（５）と連結されており、同リフトアーム（５）を
上方に回動させることによりインプルメント作業機
（Ａ）は上昇し、逆にリフトアーム（５）を下方に降ろ
すとインプルメント作業機（Ａ）は降下して芝刈作業が
できるものである。また、同インプルメント作業機
（Ａ）により刈取られた芝はパイプ（29）を介してバッ
グ（28）に収納されるものである。

以上の如く、本考案によれば、ミッションケース
（３）の後部下方位置（ａ）の両側に、3P支点ピン
（８）を介してロアーリンク（９）を装着するロアーリ
ンクヒンジ（６）を連結して、同ロアーリンクヒンジ
（６）の下側にインプルメント作業機取付用のブラケッ
ト（16）を装着したものであるから、ロアーリンクヒン
ジ（６）によりロアーリンク（９）を装着しながら、同
ロアーリンク（９）によりインプルメント作業機（Ａ）
の構成部品である芝用バッグ（28）を装着することがで
きながら、ロアーリンクヒンジ（６）に設けるブラケッ
ト（16）によりモアーなどのインプルメント作業機
（Ａ）を同時に装着することができるものである。

したがって、ロアーリンクヒンジ（６）に装着するロ
アーリンク（９）及びブラケット（16）により各種作業
機を装着できて作業能率を向上させることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を装備する農用トラクタの全体側面図、
第２図は本考案要部の拡大側面図、第３図は同背面図、
第４図はドロバーヒッチの側面図、第５図はプーリ取付
部の背面図、第６図は他の実施例であって、農用トラク
タの平面図、第７図は同正面図、第８図は増速機構を有
するフロントアクスル部の拡大断面図である。 （Ａ）：インプルメント作業機 （ａ）：後部下方位置 （３）：ミッションケース （３−１）：前車輪 （３−２）：後車輪 （５）：リフトアーム （６）：ロアーリンクヒンジ （８）:3P支点ピン （９）：ロアーリンク （14）：ドロバーヒッチ （16）：ブラケット （19）：安全カバー （21）：サイドカバー （25）：ワイヤー （26）：プーリ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前車輪（３−１）と後車輪（３−２）との
   間に芝刈機等のインプルメント作業機（Ａ）を位置させ
   て、リフトアーム（５）に連結するワイヤー（25）をイ
   ンプルメント作業機（Ａ）に連結し、同インプルメント
   作業機（Ａ）を、リフトアーム（５）に連動して昇降自
   在としたインプルメント作業機取付装置において、 ミッションケース（３）の後部下方位置（ａ）の両側
   に、3P支点ピン（８）を介してロアーリンク（９）を装
   着するロアーリンクヒンジ（６）を連結して、同ロアー
   リンクヒンジ（６）の下側にインプルメント作業機取付
   用のブラケット（16）を装着すると共に、ドロバーヒッ
   チ（14）に前記ワイヤー（25）を巻掛けるプーリ（26）
   を軸支し、かつ、PTO出力軸用安全カバー（19）には下
   部両側にサイドカバー（21）を連設してワイヤー（25）
   を摺接する如く構成したことを特徴とする農用トラクタ
   におけるインプルメント作業機取付装置。