JPH0873189A - トラック搭載型クレーンの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラック搭載型クレーンＢの安全装置には、
左右の各ジャッキ４，４のいずれか一方の支持力が所定
値以下となった時を検出してトラックＡの左右方向への
転倒を防止するものがあったが、この安全装置では、ト
ラック搭載型クレーンＢの強度限界を越えるクレーン作
業を防止できないばかりでなく、トラックＡの前方への
転倒を防止できなかった。本発明は、これらを確実に防
止することのできる安全装置を提供しようとするもので
ある。 【構成】 前記各ジャッキ４，４のいずれか一方の支持
力が所定値以下となった時を検出してトラックＡの左右
方向への安定限界を示す限界信号を出力する安定限界信
号出力部10、伸縮ブーム６に作用する負荷Ｆの負荷限界
を示す負荷限界信号を出力する負荷限界信号出力部12、
およびこれら両限界信号出力部からの信号で以て作動し
てトラック搭載型クレーンの作動を停止する作動停止手
段または警報手段11とで以て構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、トラック搭載型クレ
ーンに用いられる安全装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】トラック搭載型クレーンＢは、図２に示
す如く、左右端部に開口部を有する案内筒２，２を備え
た基台１であって案内筒２，２がトラックＡの運転室Ａ
１と荷台Ａ２間のシャーシフレームＡ３上に横架状態と
なるようにして取付けられた基台１、前記基台１の案内
筒２，２の左右の開口部にそれぞれ伸縮自在に嵌挿され
た左右一対のアウトリガビーム３，３、各アウトリガビ
ーム３，３の外端部にそれぞれ垂設されたジャッキ４，
４、前記基台１に旋回駆動自在に取付けた旋回ポスト
５、旋回ポスト５に起伏自在に取付けられブーム起伏シ
リンダ６ａにより起伏駆動される伸縮ブーム６、および
前記旋回ポスト５または伸縮ブーム６基端部に取付けた
ウインチ７とを備え、伸縮ブーム６の先端部に配置した
ブーム先端滑車６ｂを経由して引き出された前記ウイン
チ７からのワイヤロープ８で以て吊具９を吊下するよう
構成している。

【０００３】そして、この種のトラック搭載型クレーン
Ｂでクレーン作業をする場合には、先ずアウトリガビー
ム３，３を適宜伸長させると共にジャッキ４，４を伸ば
してトラックＡの前方（運転室Ａ１側）を持ち上げてト
ラックＡを安定させる。そして、旋回ポスト５を旋回駆
動、伸縮ブーム６を起伏並びに伸縮駆動、およびウイン
チ７により吊具９を巻き上げ巻き下げ駆動し、吊具９に
吊下した吊荷を任意の位置へ移動させるのである。

【０００４】従来、この種のトラック搭載型クレーンＢ
にはクレーン作業の安全を確保するために図３に示す如
き安全装置、即ち、前記各ジャッキ４，４のいずれか一
方の支持力が所定値以下となった時を検出して安定限界
信号ａを出力する安定限界信号出力部10と、この安定限
界信号出力部10からの安定限界信号ａで以て作動してト
ラック搭載型クレーンＢの作動を停止する作動停止手段
または警報手段11とからなる安全装置が取付けられてい
る。

【０００５】前記安定限界信号出力部10は、例えば各案
内筒２，２の先端部に配置されたリミットスイッチ10
ａ，10ａであって、案内筒２，２の先端部内側上面に対
するアウトリガビーム３，３上面の非圧接状態を検出す
るリミットスイッチ10ａ，10ａで以て構成されている。
そして、案内筒２，２の先端部内側上面に対するアウト
リガビーム３，３上面の非圧接状態は、ジャッキ４，４
の支持力が低下した時に生じるものであるから、リミッ
トスイッチ10ａ，10ａで以て構成された安定限界信号出
力部10は、各ジャッキ４，４のいずれか一方の支持力が
所定値以下となった時を検出して安定限界信号ａを出力
するのである。

【０００６】安定限界信号出力部10の他の例としては、
図４に示す如く、各ジャッキ４，４に作用する負荷をそ
れぞれ検出する負荷検出手段10ｂ，10ｂと、これら負荷
検出手段10ｂ，10ｂの検出に係るいずれか一方の負荷が
予め設定した所定値以下になると安定限界信号ａを出力
する演算手段10ｃとで以て構成したものがある。

【０００７】前記作動停止手段または警報手段11は、そ
れが作動停止手段である場合には、例えば、その作動時
に伸縮ブーム６の伸長並びに倒伏、ウインチ７の巻き上
げ、および旋回ポスト５の旋回の各駆動を指示する操作
信号の伝達を遮断するよう車輌搭載型クレーンＢの操作
信号伝達経路に介装した操作信号遮断手段で構成してい
る。また、前記作動停止手段または警報手段11は、それ
が警報手段である場合には、例えば、ブザーあるいは警
告灯で構成している。

【０００８】このように構成した従来の安全装置は、ト
ラックＡが左右方向に転倒するに先立って発生する反転
倒側のジャッキ４の指示力低下を、安定限界信号出力部
10で以て検出し、この検出結果でトラック搭載型クレー
ンＢの作動を停止するものであるから、トラックＡの左
右方向への転倒を防止することができるものである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラッ
ク搭載型クレーンＢのクレーン作業の安全は、単にトラ
ックの左右方向への転倒を防止するのみでは確保できる
ものではない。即ち、トラック搭載型クレーンＢのクレ
ーン作業の安全は、トラックＡの左右方向への転倒を防
止する他、伸縮ブーム６に作用する負荷がトラック搭載
型クレーンＢの構造物（伸縮ブーム６、旋回ポスト５
等）の強度限界を越えるのを防止すること、および、ト
ラックＡの前方への転倒を防止することで初めて確保さ
れるものである。従って、上記した従来の安全装置で
は、トラック搭載型クレーンＢのクレーン作業の安全を
充分に確保できないという問題があった。

【００１０】この発明の目的は、上記従来の安全装置の
問題点を解決し、トラック搭載型クレーンＢが架装され
たトラックＡの左右方向への転倒を防止できる他、伸縮
ブーム６に作用する負荷がトラック搭載型クレーンＢの
構造物（伸縮ブーム６、旋回ポスト５等）の強度限界を
越えること、およびトラックＡの前方への転倒を防止す
ることができる新規な安全装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のトラック搭載型クレーンの安全装置は、
以下の如く構成する。左右端部に開口部を有する案内筒
２，２を備えた基台１であって案内筒２，２がトラック
Ａの運転室Ａ１と荷台Ａ２間のシャーシフレームＡ３上
に横架状態となるようにして取付けられた基台１、前記
基台１の案内筒２，２の左右の開口部にそれぞれ伸縮自
在に嵌挿された左右一対のアウトリガビーム３，３、各
アウトリガビーム３，３の外端部にそれぞれ垂設された
ジャッキ４，４、前記基台１に旋回駆動自在に取付けた
旋回ポスト５、旋回ポスト５に起伏自在に取付けられブ
ーム起伏シリンダ６ａにより起伏駆動される伸縮ブーム
６、および前記旋回ポスト５または伸縮ブーム６基端部
に取付けたウインチ７とを備え、伸縮ブーム６の先端部
に配置したブーム先端滑車６ｂを経由して引き出された
前記ウインチ７からのワイヤロープ８で以て吊具９を吊
下してなるトラック搭載型クレーンＢに用いられる安全
装置であって、当該安全装置を、前記各ジャッキ４，４
のいずれか一方の支持力が所定値以下となったことを検
出してトラック搭載型クレーンＢが取付けられたトラッ
クＡの左右方向への安定限界を示す限界信号を出力する
安定限界信号出力部10、伸縮ブーム６に作用する負荷Ｆ
の負荷限界を示す負荷限界信号を出力する負荷限界信号
出力部、およびこれら両限界信号出力部からの安定限界
信号および負荷限界信号で以て作動してトラック搭載型
クレーンＢの作動を停止する作動停止手段または警報手
段11とで以て構成すると共に、前記負荷限界信号出力部
を、伸縮ブーム６の起伏角度および長さを検出する伸縮
ブーム姿勢検出手段、伸縮ブーム６がトラックＡの前方
領域に位置する如き旋回ポスト５の旋回角度を検出する
伸縮ブーム前方領域検出手段、伸縮ブーム６に作用する
負荷を負荷実際値として検出する伸縮ブーム負荷検出手
段、および前記各検出手段からの検出信号を受け取って
演算する演算手段であって、前記伸縮ブーム前方領域検
出手段が伸縮ブーム６の前方領域を検出していない時に
は伸縮ブーム６に作用する負荷がトラック搭載型クレー
ンの強度によって定まる強度限界値に達すると前記負荷
限界信号を出力し、前記伸縮ブーム前方領域検出手段が
伸縮ブーム６の前方領域を検出している時には伸縮ブー
ム６に作用する負荷がトラックＡを前方へ転倒させる前
方転倒限界対応値に達すると前記負荷限界信号を出力す
る演算手段とで以て構成したことを特徴とするトラック
搭載型クレーンの安全装置。

【００１２】

【作用】本発明のトラック搭載型クレーンの安全装置
は、トラックＡの左右方向の転倒を防止する従来の安全
装置の構成に加えて、伸縮ブーム６に作用する負荷の負
荷限界を示す負荷限界信号を出力する負荷限界信号出力
部を設け、この負荷限界信号出力部からの負荷限界信号
によっても作動停止手段または警報手段11を作動させる
ようにすると共に、この負荷限界信号出力部を、伸縮ブ
ーム６が前方領域に位置しない時には伸縮ブーム６に作
用する負荷がトラック搭載型クレーンの強度によって定
まる強度限界値に達すると前記負荷限界信号を出力し、
伸縮ブーム６が前方領域に位置する時には伸縮ブーム６
に作用する負荷がトラックを前方へ転倒させる前方転倒
限界対応値に達すると前記負荷限界信号を出力するよう
にしたものである。

【００１３】従って、トラック搭載型クレーンＢが架装
されたトラックＡの左右方向への転倒を防止できる他、
伸縮ブーム６に作用する負荷がトラック搭載型クレーン
Ｂの構造物（伸縮ブーム６、旋回ポスト５等）の強度限
界を越えること、およびトラックＡの前方への転倒を防
止することができるのである。

【００１４】

【実施例】以下本発明のトラック搭載型クレーンの安全
装置の実施例を、図１に基づいて説明する。本発明の安
全装置は、トラックＡの左右方向の転倒を防止する従来
の安全装置の構成に加えて、伸縮ブーム６に作用する負
荷が、トラック搭載型クレーンＢの構造物（伸縮ブーム
６、旋回ポスト５等）の強度限界に達したとき、および
トラックＡの前方への転倒限界に達した時に負荷限界信
号を出力する負荷限界信号出力部を追加して構成したも
のであるから、図３および４に示し従来の安全装置の説
明で用いた符合は、以下の説明においても同義のものと
してそのまま援用するものとする。

【００１５】図１において、12は、伸縮ブーム６に作用
する負荷Ｆが負荷限界に達した時に負荷限界信号ｂを出
力する負荷限界信号出力部である。負荷限界信号出力部
12からの負荷限界信号ｂは、トラック搭載型クレーンＢ
の作動を停止させるための作動停止手段または警報手段
11に入力されており、当該作動停止手段または警報手段
11を作動させるようになっている。作動停止手段または
警報手段11は、安定限界信号出力部10からの安定限界信
号ａおよび負荷限界信号出力手段12からの負荷限界信号
ｂによって作動するようになっている。

【００１６】前記負限界信号出力部12は、伸縮ブーム６
の起伏角度θおよび長さＬを検出する伸縮ブーム姿勢検
出手段12ａ、伸縮ブーム６がトラックＡの前方領域に位
置する如き旋回ポスト５の旋回角度Θを検出する伸縮ブ
ーム前方領域検出手段12ｂ、伸縮ブーム６に作用する負
荷Ｆを負荷実際値として検出する伸縮ブーム負荷検出手
段12ｃ、および前記各検出手段12ａ，12ｂ，12ｃからの
各検出信号θ，Ｌ，Θ，Ｆを受け取って演算する演算手
段13とで以て構成している。

【００１７】演算手段13は、伸縮ブーム姿勢検出手段12
ａからの伸縮ブーム姿勢（伸縮ブーム６の起伏角度θお
よび長さＬで定まる姿勢）に関する信号を受け取り、受
け取りに係る信号の関数として伸縮ブーム６に作用する
負荷Ｆの強度限界値Ｆａmax（トラック搭載型クレーン
Ｂの構造物の強度によって定まる限界値）を出力する強
度限界値出力手段13ａ、伸縮ブーム６がトラックＡの前
方領域に位置している状態でトラックＡを前方に転倒さ
せることなく伸縮ブーム６に作用可能な負荷Ｆの限界値
Ｆｂmax （前方転倒限界対応値）を出力する前方転倒限
界対応値出力手段13ｂ、強度限界値出力手段13ａからの
強度限界値Ｆａmax および前方転倒限界対応値出力手段
13ｂからの前方限界対応値Ｆｂmax を受け取り、そのう
ちのいずれか一方を選択して後述する比較手段13ｄに出
力する限界値選択手段13ｃ、および限界値選択手段13ｃ
からの信号および前記伸縮ブーム負荷検出手段12ｃから
の実際負荷Ｆ信号を受け取り後者の値が前者の値に達す
ると負荷限界信号ｂを出力する比較手段13ｄとから構成
している。比較手段13ｄから出力される負荷限界信号ｂ
は、負荷限界信号出力部12の出力として作動停止手段ま
たは警報手段11に入力されるようになっている。

【００１８】演算手段13における限界値選択手段13ｃに
は、伸縮ブーム前方領域検出手段12ｂからの信号が入力
されており、この伸縮ブーム前方領域検出手段12ｂが伸
縮ブーム６が前方領域にないとき（伸縮ブーム６がトラ
ックＡの前方を向いていない状態）には、限界値選択手
段13ｃから強度限界値Ｆａmax が比較手段13ｄに出力さ
れるようになっている。また、伸縮ブーム前方領域検出
手段12ｂが伸縮ブーム６が前方領域にあること（伸縮ブ
ーム６がトラックＡの前方を向いている状態）を検出し
ている時には、限界値選択手段13ｃから前方限界対応値
Ｆｂmax が比較手段13ｄに出力されるようになってい
る。

【００１９】即ち、負荷限界信号出力部12の演算手段13
は、伸縮ブーム姿勢検出手段12ａ、伸縮ブーム前方領域
検出手段12ｂ、および伸縮ブーム負荷検出手段12ｃから
の検出信号を受け取り、伸縮ブーム前方領域検出手段12
ｂが伸縮ブーム６の前方領域を検出していない時には伸
縮ブーム６に作用する負荷Ｆがトラック搭載型クレーン
Ｂの強度によって定まる強度限界値Ｆａmax に達すると
作動停止手段または警報手段11へ負荷限界信号ｂを出力
し、伸縮ブーム前方領域検出手段12ｂが伸縮ブーム６の
前方領域を検出している時には伸縮ブーム６に作用する
負荷ＦがトラックＡを前方へ転倒させる前方転倒限界対
応値Ｆｂmax に達すると作動停止手段または警報手段11
へ負荷限界信号ｂを出力するよう構成しているのであ
る。

【００２０】なお、前記演算手段13の前方転倒限界対応
値出力手段13ｄが出力する前方転倒限界対応値Ｆｂmax
は、予め記憶した所定値を用いても良いし、強度限界値
出力手段13ａから出力される強度限界値Ｆａmax を所定
の割合で低減させた値を用いるようにしても良い。

【００２１】また、伸縮ブーム負荷検出手段12ｃは、ブ
ーム起伏シリンダ６ａを介して伸縮ブーム６に作用する
負荷を検出するものとしても良いし、吊具９に吊下され
る吊荷の荷重を検出するものとしても良い。前者の場合
には、ブーム起伏シリンダ６ａの力路に介装され力を電
気信号に変換するロードセルで構成するか、あるいはブ
ーム起伏シリンダ６ａの負荷保持側油室の油圧力を電気
信号に変換する油圧−電気変換器で構成する。また、後
者の場合には、ブーム起伏シリンダ６ａの力路に介装さ
れ力を電気信号に変換するロードセル、伸縮ブーム姿勢
検出手段12ａ、およびこれらロードセルと伸縮ブーム姿
勢検出手段12ａからの信号を受け取り、受け取りに係る
信号の関数として吊荷の荷重を算出する荷重算出手段と
で以て構成するか、あるいはワイヤロープ８に作用する
張力を検出するロードセルで以て構成すれば良い。

【００２２】

【発明の効果】以上の如く構成し作用する本発明のトラ
ック搭載型クレーンの安全装置は、トラック搭載型クレ
ーンＢが架装されたトラックＡの左右方向への転倒を防
止する従来の安全装置に負荷限界信号出力部12を付加
し、この負荷限界信号出力部12で以て、伸縮ブーム６に
作用する負荷がトラック搭載型クレーンＢの構造物（伸
縮ブーム６、旋回ポスト５等）の強度限界を越えるこ
と、およびトラックＡの前方への転倒を防止するように
したものであるから、簡単な構成でありながら、トラッ
ク搭載型クレーンＢのクレーン作業の安全を確実に確保
することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るトラック搭載型クレーンの安全装
置の説明図である。

【図２】トラック搭載型クレーンの説明図である。

【図３】従来のトラック搭載型クレーンの安全装置の説
明図である。

【図４】従来のトラック搭載型クレーンの安全装置にお
ける安全限界信号出力部の他の例の説明図である。

【符号の説明】

Ａ；トラック、Ａ１；運転室、Ａ２；荷台、Ａ３；シャ
ーシフレーム、Ｂ；トラック搭載型クレーン、１；基
台、２，２；案内筒、３，３；アウトリガビーム、４，
４；ジャッキ、５；旋回ポスト、６；伸縮ブーム、６
ａ；ブーム起伏シリンダ、６ｂ；ブーム先端滑車、７；
ウインチ、８；ワイヤロープ、９；吊具、10；安定限界
信号出力部、10ａ，10ａ；リミットスイッチ、11；作動
停止手段または警報手段、12；負荷限界信号出力部、12
ａ；伸縮ブーム姿勢検出手段、12ｂ；伸縮ブーム前方領
域検出手段、12ｃ；伸縮ブーム負荷検出手段、13；演算
手段、13ａ；強度限界値出力手段、13ｂ；前方転倒限界
対応値出力手段、13ｃ；限界値選択手段、ａ；安定限界
信号、ｂ；負荷限界信号、Ｆ；伸縮ブームに作用する実
際負荷、Ｆａmax ；強度限界値、Ｆｂmax ；前方転倒限
界対応値、Ｌ；伸縮ブームの長さ、θ；伸縮ブームの起
伏角度、Θ；旋回角度、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右端部に開口部を有する案内筒２，２
   を備えた基台１であって案内筒２，２がトラックＡの運
   転室Ａ１と荷台Ａ２間のシャーシフレームＡ３上に横架
   状態となるようにして取付けられた基台１、前記基台１
   の案内筒２，２の左右の開口部にそれぞれ伸縮自在に嵌
   挿された左右一対のアウトリガビーム３，３、各アウト
   リガビーム３，３の外端部にそれぞれ垂設されたジャッ
   キ４，４、前記基台１に旋回駆動自在に取りつけた旋回
   ポスト５、旋回ポスト５に起伏自在に取付けられブーム
   起伏シリンダ６ａにより起伏駆動される伸縮ブーム６、
   および前記旋回ポスト５または伸縮ブーム６基端部に取
   付けたウインチ７とを備え、伸縮ブーム６の先端部に配
   置したブーム先端滑車６ｂを経由して引き出された前記
   ウインチ７からのワイヤロープ８で以て吊具９を吊下し
   てなるトラック搭載型クレーンＢに用いられる安全装置
   であって、 当該安全装置を、前記各ジャッキ４，４のいずれか一方
   の支持力が所定値以下となったことを検出してトラック
   搭載型クレーンＢが取付けられたトラックＡの左右方向
   への安定限界を示す安定限界信号ａを出力する安定限界
   信号出力部10、伸縮ブーム６に作用する負荷Ｆの負荷限
   界を示す負荷限界信号ｂを出力する負荷限界信号出力部
   12、およびこれら両限界信号出力部10，12からの安定限
   界信号および負荷限界信号で以て作動してトラック搭載
   型クレーンＢの作動を停止する作動停止手段または警報
   手段11とで以て構成すると共に、 前記負荷限界信号出力部12を、伸縮ブーム６の起伏角度
   θおよび長さＬを検出する伸縮ブーム姿勢検出手段12
   ａ、伸縮ブーム６がトラックＡの前方領域に位置する如
   き旋回ポスト５の旋回角度Θを検出する伸縮ブーム前方
   領域検出手段12ｂ、伸縮ブーム６に作用するブーム負荷
   Ｆを負荷実際値として検出する伸縮ブーム負荷検出手段
   12ｃ、および前記各検出手段からの検出信号を受け取っ
   て演算する演算手段であって前記伸縮ブーム前方領域検
   出手段12ｂが伸縮ブーム６の前方領域を検出していない
   時には伸縮ブーム６に作用する負荷Ｆがトラック搭載型
   クレーンＢの強度によって定まる強度限界値Ｆａmax に
   達すると前記負荷限界信号を出力し、前記伸縮ブーム前
   方領域検出手段12ｂが伸縮ブーム６の前方領域を検出し
   ている時には伸縮ブーム６に作用する負荷Ｆがトラック
   Ａを前方へ転倒させる前方転倒限界対応値Ｆｂmax に達
   すると前記負荷限界信号ｂを出力する演算手段13とで以
   て構成したことを特徴とするトラック搭載型クレーンの
   安全装置。