JP2507247Y2 - 移動式クレ―ンの過負荷防止装置における限界値選択安全装置 - Google Patents

移動式クレ―ンの過負荷防止装置における限界値選択安全装置

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JP2507247Y2 JP1654390U JP1654390U JP2507247Y2 JP 2507247 Y2 JP2507247 Y2 JP 2507247Y2 JP 1654390 U JP1654390 U JP 1654390U JP 1654390 U JP1654390 U JP 1654390U JP 2507247 Y2 JP2507247 Y2 JP 2507247Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、移動式クレーンのブームに作用する負荷の
実際値を限界値と対比し実際値が限界値に達すると移動
式クレーンの動作を制限する移動式クレーンの過負荷防
止装置における限界値選択安全装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 第1図は、移動式クレーンのクレーン作業状態を示し
たもので、1は走行車体2上に旋回自在に架装した旋回
台、3は旋回台1上に起伏調節自在に枢着された伸縮ブ
ーム、4は伸縮ブーム3の先端から荷物を吊下げるため
フック5を吊持するワイヤロープ6を巻取り、繰出し駆
動するウインチである。旋回台1の後端にはクレーンの
安定性能を増大させ吊上能力を向上させるカウンタウエ
イト7が着脱自在に取付けられている。8aおよび8bは前
記カウンタウエイト7の上部に付加的に取付けられた補
助カウンタウエイトである。9は移動式クレーンを安定
支承するためのアウトリガ装置であり、張出ビーム10の
先端に固設したジャッキ11を走行車体2の側方に張り出
して設置するようになっており、その張出幅は通常2〜
3段階に調節できるようになっている。
この種移動式クレーンは、一般に旋回台1後部に取付
けたカウンタウエイトの重量を大きくすればクレーンの
安定性能が増大し、また、アウトリガ装置9の張出幅を
大きくすればクレーンの安定性能が増大し、クレーンの
吊上能力が向上するようになっている。
従来の移動式クレーンは、伸縮ブーム3の先端から吊
下した吊荷による転倒方向のモーメントが限界値を越え
クレーンが転倒するのを未然に防止するため過負荷防止
装置12が取付けられている。当該過負荷防止装置12は移
動式クレーンの伸縮ブーム3に作用する吊荷による転倒
方向のモーメント(以下実際値と言う)を検出する負荷
検出手段13と、当該負荷検出手段13が検出した実際値を
限界値と対比し実際値が限界値に達すると移動式クレー
ンの動作を制限する制限信号を出力する演算手段14とで
構成されている。前記演算手段14は、前述した如くカウ
ンタウエイトの取付量とアウトリガ装置の張出幅により
移動式クレーンの吊上能力が変動するので、移動式クレ
ーンの作業姿勢(カウンタウエイトの装着状態やアウト
リガ装置の張出状態等の作業姿勢)毎に複数の限界値を
準備しておりこの複数の限界値から任意の限界値を選択
して用いるようになっている。
(考案が解決しようとする課題) 従来、この種過負荷防止装置12においては、前記限界
値の選択を、手動選択スイッチを用いてオペレータが手
動で選択する方法が用いられていたが、オペレータの怠
慢や操作忘れにより実際の作業姿勢に該当する限界値よ
り大きな値の限界値が選択される場合があり、この場合
許容される以上の荷重を吊上げてクレーンを転倒させた
り、伸縮ブームやクレーン本体を破損させる恐れがあっ
た。
本考案は、上記問題点を解決するためになされたもの
で、オペレータが怠慢や操作忘れにより実際の作業姿勢
に該当する限界値より大きな値の限界値を選択しようと
しても、実際の作業姿勢に該当する限界値より大きな値
の限界値を選択できないようにして、過負荷防止装置の
信頼性を向上させることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため、本考案の移動式クレーンの
過負荷防止装置における限界値選択安全装置は、移動式
クレーンのブームに作用する負荷の実際値を検出する負
荷検出手段と、負荷検出手段が検出した実際値を限界値
と対比し実際値が限界値に達すると移動式クレーンの動
作を制限する制限信号を出力する演算手段とを備えてな
り、特に、前記演算手段は、移動式クレーンの作業姿勢
毎の複数の限界値を準備しておりこの複数の限界値から
任意の限界値を手動選択スイッチにて選択するよう構成
した移動式クレーンの過負荷防止装置に用いられる限界
値選択安全装置であって、 手動選択スイッチにより選択される各限界値に対応す
る移動式クレーンの各作業姿勢を識別可能に検出する作
業姿勢検出手段を設け、この作業姿勢検出手段の検出信
号を前記演算手段に入力し、前記演算手段は、前記手動
選択スイッチが作業姿勢検出手段の検出した移動式クレ
ーンの実際の作業姿勢に該当する限界値よりも大きな値
の限界値を選択するよう操作された時、当該手段選択ス
イッチによる限界値の選択を不能にするよう構成したこ
とを特徴とする。
(作用) 本考案によれば、移動式クレーンの実際の作業姿勢を
作業姿勢検出手段により識別可能に検出し、この作業姿
勢検出手段により検出した移動式クレーンの実際の作業
姿勢に対応した信号により、手動選択スイッチの選択状
態をチェックし、手動選択スイッチが前記作業姿勢検出
手段の検出した移動式クレーンの実際の作業姿勢に該当
する限界値よりも大きな値の限界値を選択するよう操作
された時、当該手動選択スイッチによる限界値の選択を
不能にするよう構成しているので、手動選択スイッチに
より選択された限界値は、実際の作業姿勢に該当する限
界値かそれよりも小さな値の限界値しか選択することが
できず、誤って過荷重を吊上げクレーンを転倒させた
り、伸縮ブームやクレーン本体を損傷させるおそれがな
くなるのである。
(実施例) 以下この考案の一実施例を第2図および第5図に基づ
いて説明する。なお、第1図において用いた1ないし14
の符号は以下の説明においても同義のものとして説明す
る。
第2図は過負荷防止装置12の構成を示したものであ
る。14は演算手段であり、当該演算手段14には、吊荷に
より伸縮ブーム3に作用するモーメントの実際値を検出
する負荷検出手段13が検出した実施値(実際モーメント
信号M)が入力されると共に、ブーム長さ検出手段15と
ブーム起伏角検出手段16からそれぞれブーム長さ信号L
とブーム起伏角信号Θが入力されるようになっている。
また、演算手段14には、移動式クレーンの各作業姿勢
毎、すなわちカウンタウエイトの装着状態とアウトリガ
装置の張出状態の組合せ毎にブーム長さLとブーム起伏
角Θに対応した複数の限界値が記憶部17に記憶されてお
り、これら複数の限界値は後述する手動選択スイッチに
より移動式クレーンの作業姿勢に対応した任意の限界値
が選択されるようになっている。この手動選択スイッチ
によって選択された限界値は演算手段14に入力される前
記ブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θをインデック
スとして伸縮ブーム3の稼働状態に対応した限界モーメ
ントMmとして読み出され、前記負荷検出手段13が検出し
た実際モーメントMと対比され、実際モーメントMが当
該限界モーメントMmに達すると移動式クレーンの動作を
制限する制限信号を自動停止手段18あるいは警報器19に
出力するように構成されている。
20はカウンタウエイトの接着状態に応じて前記複数の
限界値を選択するための手動選択スイッチである。当該
手動選択スイッチ20は押しボタンスイッチで構成されて
おり、前記複数の限界値のうち、カウンタウエイト無時
の限界値・カウンタウエイト7のみ装着時の限界値・カ
ウンタウエイト7と補助カウンタウエイト8a装着時の限
界値・カウンタウエイト7と補助カウンタウエイト8a、
8b装着時の限界値を順次選択できるようになっている。
なお、手動選択スイッチ20の選択状態は表示パネル21の
クレーン略図の該当部分22に発光表示されるようになっ
ている。
23はアウトリガ装置9の張出状態に応じて前記複数の
限界値を選択するための手動選択スイッチである。当該
手動選択スイッチ23は押しボタンスイッチで構成されて
おり、前記複数の限界値のうち、アウトリガ装置9の張
出幅が最小時の限界値・中間時の限界値・最大時の限界
値を順次選択できるようになっている。なお、手動選択
スイッチ23の選択状態は表示パネル21のクレーン略図の
該当部分24に発光表示されるようになっている。
25、26、27はそれぞれカウンタウエイト7と補助カウ
ンタウエイト8a・8bの装着状態を検出するカウンタウエ
イト装着状態検出スイッチである。当該カウンタウエイ
ト装着状態検出スイッチ25、26、27は第4図に示す如く
旋回台1の後端部に取付けられており、それぞれカウン
タウエイト7、補助カウンタウエイト8a、補助カウンタ
ウエイト8bの接着状態を検出し、演算手段14に入力する
ようになっている。演算手段14は、カウンタウエイト装
着状態検出スイッチ25、26、27が検出した実際のカウン
タウエイトの装着状態に対応した信号とカウンタウエイ
トの装着状態に対応する限界値を選択する手動選択スイ
ッチ20の選択状態を比較し、手動選択スイッチ20が前記
カウンタウエイト装着状態検出スイッチ25、26、27が検
出した実際のカウンタウエイトの装着状態に該当する限
界値よりも大きな値の限界値を選択するよう操作された
時、当該手段選択スイッチ20による限界値の選択が誤っ
ているものとして不能にし、表示パネル21の表示部28に
エラー表示するようになっている。
29はアウトリガ装置9の張出状態を検出するアウトリ
ガ張出検出器であり、第5図に示す如くコード巻取り器
30のコード繰出し量をポテンショメータで電気的に検出
する従来周知のもので、アウトリガ装置9の張出幅を最
小張出状態S1、中間張出状態S2、最大張出状態S3の3段
階に判別して検出し、演算手段14に入力するようになっ
ている。演算手段14はアウトリガ張出幅検出器29が検出
した実際の張出幅に対応した信号と前記アウトリガ装置
9の張出状態に対応する限界値を選択する手動選択スイ
ッチ23の選択状態を比較し、手動選択スイッチ23がアウ
トリガ張出幅検出器29が検出した実際のアウトリガ装置
の張出幅に該当する限界値よりも大きな値の限界値を選
択するよう操作された時、当該手動選択スイッチ23によ
る限界値の選択が誤っているものとして不能にし、表示
パネル21の表示部28にエラー表示するようになってい
る。
なお、カウンタウエイト装着状態検出スイッチ25、2
6、27とアウトリガ張出幅検出器29は、実用新案登録請
求の範囲記載の作業姿勢検出手段である。
次に、本考案の作動を説明する。
なお、本実施例では、複数の限界値を選択する手動選
択スイッチとして、カウンタウエイトの装着状態に対応
した限界値を選択する手動選択スイッチ20とアウトリガ
装置9の張出幅に対応した限界値を選択する手動選択ス
イッチ23とがあるが、両者は同様な機能を有しているた
め、以下の説明では手動選択スイッチ20についてのみ説
明するものとする。
演算手段14の手動選択スイッチ20が操作されれば、演
算手段14は、まず、手動選択スイッチ20による限界値の
選択状態とカウンタウエイト装着状態検出スイッチ25、
26、27が検出した実際のカウンタウエイトの装着状態を
比較する。この比較結果が、手動選択スイッチ20により
選択された限界値がカウンタウエイト装着状態検出スイ
ッチ25、26、27が検出した実態のカウンタウエイトの装
着状態に該当する限界値よりも大きな値の限界値である
と判断された場合には、当該演算手段14は手動選択スイ
ッチ20による限界値の選択が誤っているものとして手動
選択スイッチ20の選択を不能にすると共に、表示パネル
21の表示部28にエラー表示する。このため、手動選択ス
イッチ20によって選択された限界値は実際のカウンタウ
エイトの装着状態に対応した限界値より大きな値に選択
されることがなく、移動式クレーンが許容以上の荷重を
吊上げて転倒したり、伸縮ブーム3やクレーン本体を破
損させる恐れがなくなるのである。
なお、安全装置が作動して、手動選択スイッチ20によ
る限界値の選択が不能になった場合には、手動選択スイ
ッチ20を操作して手動選択スイッチ20の選択状態を実際
のクレーンの作業姿勢に該当した限界値かあるいは実際
のクレーンの作業姿勢に該当した限界値よりも小さな値
の限界値を選択するようにすればよい。これにより、演
算手段14は手動選択スイッチ20で選択された限界値(こ
の限界値は実際のクレーンの作業姿勢に該当した限界値
かあるいは実際のクレーンの作業姿勢に該当した限界値
よりも小さな値の限界値に選択されている)を移動式ク
レーンの実際の作業状態に該当した限界値として認識
し、ブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θから伸縮ブ
ーム3の稼働状態に対応した限界モーメントMmを求め、
この限界モーメントMmと前記負荷検出手段13が検出した
実際モーメントMと対比し、実際モーメントMが当該限
界モーメントMmに達すると移動式クレーンの動作を制限
する制限信号を自動停止手段18あるいは警報器19に出力
するようになっている。
なお、以上の説明では、手動選択スイッチによって選
択された限界値が作業姿勢検出手段が検出した移動式ク
レーンの実際の作業姿勢に該当する限界値よりも大きな
値の限界値を選択するよう操作された時、手動選択スイ
ッチによる限界値の選択を不能にする実施例について説
明したが、カウンタウエイトの重量が大きく、カウンタ
ウエイトの重量により伸縮ブームを最大起伏させた場
合、クレーンが後方へ転倒する恐れのある移動式クレー
ンでは、手動選択スイッチによって選択された限界値が
作業姿勢検出手段が検出した移動式クレーンの実際の作
業姿勢に該当する限界値と一致した時のみ手動選択スイ
ッチによる限界値の選択を可能にし、それ以外の場合手
動選択スイッチによる限界値の選択を不能にするように
してもよい。
また、本実施例では、アウトリガ装置の張出幅の検出
をコード巻取り器を用いて検出する実施例を説明した
が、リミットスイッチとカムを用いて検出するようにし
てもよい。
(効果) 本考案の移動式クレーンの過負荷防止装置における限
界値選択安全装置は、手動選択スイッチにより選択され
る限界値が実際の作業姿勢に該当する限界値よりも大き
な値となるように選択することができないので、誤って
過荷重を吊上げクレーンを転倒させたり、伸縮ブームや
クレーン本体を損傷させるおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は移動式クレーンの作業状態を示す側面図、第2
図は本考案の過負荷防止装置の説明図、第3図は過負荷
防止装置の手動選択スイッチと表示パネルの説明図、第
4図はカウンタウエイト装着状態検出スイッチの取付け
状態の説明図、第5図はアウトリガ張出幅検出器の説明
図である。 伸縮ブーム……3、負荷検出手段……13 演算手段……14、手動選択スイッチ……20、23 作業姿勢検出手段 カウンタウエイト装着状態検出スイッチ……25、26、27 アウトリガ張出幅検出器……29

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動式クレーンのブームに作用する負荷の
    実際値を検出する負荷検出手段と、負荷検出手段が検出
    した実際値を限界値と対比し実際値が限界値に達すると
    移動式クレーンの動作を制限する制限信号を出力する演
    算手段とを備えてなり、特に、前記演算手段は、移動式
    クレーンの作業姿勢毎の複数の限界値を準備しておりこ
    の複数の限界値から任意の限界値を手動選択スイッチに
    て選択するよう構成された移動式クレーンの過負荷防止
    装置に用いられる限界値選択安全装置であって、 手動選択スイッチにより選択される各限界値に対応する
    移動式クレーンの各作業姿勢を識別可能に検出する作業
    姿勢検出手段を設け、この作業姿勢検出手段の検出信号
    を前記演算手段に入力し、前記演算手段は、前記手動選
    択スイッチが作業姿勢検出手段の検出した移動式クレー
    ンの実際の作業姿勢に該当する限界値よりも大きな値の
    限界値を選択するよう操作された時、当該手動選択スイ
    ッチによる限界値の選択を不能にするよう構成している
    ことを特徴とする移動式クレーンの過負荷防止装置にお
    ける限界値選択安全装置。
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