JP3350251B2 - クレーンのフック位置検出装置 - Google Patents

クレーンのフック位置検出装置

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JP3350251B2
JP3350251B2 JP26680794A JP26680794A JP3350251B2 JP 3350251 B2 JP3350251 B2 JP 3350251B2 JP 26680794 A JP26680794 A JP 26680794A JP 26680794 A JP26680794 A JP 26680794A JP 3350251 B2 JP3350251 B2 JP 3350251B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、クレーンのフック位
置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にクレーンでは、その旋回作業時に
おいて、吊荷の荷振れを防止する荷振れ防止制御が採用
されることが多い。該制御は、旋回作業時の吊荷の長さ
に応じて旋回速度を低減方向にコントロールしようとす
るものであるため、該制御を実行するためには当然その
時のフック位置(フック揚程)、すなわちワイヤ繰出長を
検出することが必要になる。
【0003】また、同クレーンには、例えばブーム長、
ブーム起伏角、アウトリガ張出し幅、ジブの有無などの
各種パラメータによって決定される作業状態に応じた定
格荷重と実荷重との関係で、その安全性を判断し、必要
に応じて作業規制をかける作業安全装置が設けられてい
る(例えば特公昭56−47117号公報参照)。該作業
安全装置においても、より好ましくは上記制御パラメー
タにフック位置、すなわちワイヤ繰出長を加えることが
必要である。
【0004】該ワイヤ繰出長の変化の検出は、従来よ
り、例えばウインチドラムに設けたロータリパルスエン
コーダなどよりなるワイヤ繰出長検出器の正逆方向への
回転量により検出し、該検出値をその回転方向に応じて
加減算カウンタにより±両方向に積算することにより演
算するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該従来のワイ
ヤ繰出長検出装置の構成では、上述のようにワイヤ繰出
長の変化(増減)データを順次積算するものであるため
に、使用時間の経過によって積算データに誤差が累積さ
れる問題が生じる。
【0006】本願発明は、該事情に基いてなされたもの
で、上記誤差を定期的にリセットするようにすることに
より、常に正確なワイヤ繰出長の検出を可能としたクレ
ーンのフック位置検出装置を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記の目的
を達成するために、次のような有効な課題解決手段を備
えて構成されている。
【0008】すなわち、本願発明のクレーンのフック位
置検出装置は、車両上に起伏および旋回可能に設けられ
た伸縮式ブームと、該伸縮式ブームの基端側に設けら
れ、ワイヤを巻回したウインチと、該ウインチから繰り
出されたワイヤを介して上記伸縮式ブームの先端部下方
に昇降可能に吊り降ろされたフックと、上記伸縮式ブー
ムの姿勢を検出するブーム姿勢検出手段と、該ブーム姿
勢検出手段の検出値に基いて上記伸縮式ブームの姿勢変
化量を演算するブーム姿勢変化量演算手段と、上記ウイ
ンチから伸縮式ブームの先端部下方へのワイヤ繰出長を
検出するワイヤ繰出長検出手段と、該ワイヤ繰出長検出
手段の検出値を上記姿勢変化量演算手段によって演算さ
れた姿勢変化量により補正してフック位置を示す実際の
ワイヤ繰出長を演算するワイヤ繰出長演算手段とを備え
てなるクレーンのフック位置検出装置において、車両走
行姿勢におけるブームの格納状態を検出するブーム格納
状態検出手段と、車両走行姿勢における車両に対するフ
ックの格納状態を検出するフック格納状態検出手段と、
車両走行姿勢におけるブームおよびフック格納時のワイ
ヤ繰出絶対長を記憶したワイヤ繰出絶対長記憶手段と、
上記ブーム格納状態検出手段によって車両走行姿勢にお
けるブームの格納状態が検出され、かつ上記フック格納
状態検出手段によって車両走行姿勢におけるフック格納
状態が検出された時に、フック位置を示す上記ワイヤ繰
出長演算手段の演算データを上記ワイヤ繰出絶対長記
憶手段に記憶されているワイヤ繰出絶対長にリセットす
るワイヤ繰出長データリセット手段とを設けて構成され
ている。
【0009】また、本願発明のクレーンのフック位置検
出装置は、上記構成におけるワイヤ繰出長データリセッ
ト手段によるワイヤ繰出長演算手段の演算データリセッ
ト時において、当該リセット時の演算データとリセット
用のワイヤ繰出絶対長とを入力して比較する比較手段
と、該比較手段により比較された上記リセット時の演算
データとリセット用のワイヤ繰出絶対長との差が所定値
以上である時はワイヤ繰出長検出手段が異常と判定する
異常判定手段とを設けて構成されている。
【0010】
【作用】そして、本願発明のクレーンのフック位置検出
装置は、上記構成に対応して次のような作用を果す。
【0011】すなわち、上述の如く本願発明のクレーン
のフック位置検出装置では、従来同様のフック位置検出
装置において、さらに車両走行姿勢におけるブームの格
納状態を検出するブーム格納状態検出手段と、車両走行
姿勢における車両に対するフックの格納状態を検出する
フック格納状態検出手段と、車両走行姿勢におけるブー
ムおよびフック格納時のワイヤ繰出絶対長を記憶したワ
イヤ繰出絶対長記憶手段と、上記ブーム格納状態検出手
段によって車両走行姿勢におけるブームの格納状態が検
出され、かつ上記フック格納状態検出手段によって車両
走行姿勢におけるフック格納状態が検出された時に、
ック位置を示す上記ワイヤ繰出長演算手段の演算データ
上記ワイヤ繰出絶対長記憶手段に記憶されているワ
イヤ繰出絶対長にリセットするワイヤ繰出長データリセ
ット手段とが設けられており、伸縮式ブームおよびフッ
クが車両走行姿勢に対応した格納状態にない通常の作業
状態においては、上記ワイヤ繰出長検出手段によって検
出されたワイヤ繰出長を姿勢変化量演算手段によって演
算されたブームの姿勢変化量に対応して補正しながらワ
イヤ繰出長演算手段によりワイヤ繰出長を演算する。
【0012】一方、ブーム格納状態検出手段およびフッ
ク格納状態検出手段によって各々車両走行姿勢に対応し
たブームおよびフックの格納状態が検出されると、上記
ワイヤ繰出長データリセット手段が作動して、積算され
たそれまでの誤差を含むワイヤ繰出長データに代えて予
じめワイヤ繰出絶対長記憶手段に設定記憶されているブ
ーム及びフック格納状態における正確なワイヤ繰出絶対
長が読出されてデータ設定され、以後は該誤差のない
絶対長基準データに基いて演算(積算)がなされる。
【0013】したがって、前回のリセット時から今回の
リセット時までの累積誤差は該時点で解消される。しか
も、上記リセットは、クレーン作業開始からクレーン作
業終了までの短かいサイクルでなされるから、その間も
殆んど累積誤差は生じない。
【0014】また、該場合において、上述のように、ワ
イヤ繰出長データリセット手段によるワイヤ繰出長演算
手段の演算データリセット時に、当該リセット時の現在
の演算データと上記リセット用のワイヤ繰出絶対長とを
各々入力して比較手段により比較するとともに、該比較
手段により比較された上記リセット時の演算データとリ
セット用のワイヤ繰出絶対長との差が所定値以上である
時には、異常判定手段によりワイヤ繰出長検出手段が異
常であると判定するようになっていると、基本となるセ
ンシング手段であるワイヤ繰出長検出手段自体の検出性
能の定期的かつ自動的なチェックが可能となり、フック
位置検出装置自体の信頼性が大きく向上する。
【0015】
【発明の効果】以上の結果、本願発明のクレーンのフッ
ク位置検出装置によると、フック位置を示すワイヤ繰出
長の積算誤差を可及的に解消することができるので、フ
ック位置検出精度の高いものとなる。
【0016】
【実施例】(実施例1) 図1〜図3は、本願発明の実施例1に係るクレーンのフ
ック位置検出装置の構成を示している。
【0017】本実施例では、クレーンとして例えば図1
に示すように、車両1のシャーシ部1a上に旋回台2を
設け、該旋回台2上にヒンジ部4を介してブーム3を起
伏動自在に設置した移動式クレーンが採用されている。
そして、上記車両1のシャーシ部1a前後両端には、各
々アウトリガ5F,5Rが装備されている。
【0018】また、上記ブーム3は、例えば4段伸縮式
の伸縮式ブームよりなり、上記旋回台2に支持されたベ
ースブーム3aに対してセカンドブーム3b、サードブー
ム3c、トップブーム3dの3本の伸縮ブームを順次伸縮
可能に嵌挿させて構成されている。上記トップブーム3
dのブームヘッド部12には、また必要に応じてジブ等
の継ぎ足しブームが設けられる。
【0019】そして、ブーム3は上記ベースブーム3a
と旋回台2との間に設けられた起伏シリンダ6の伸縮制
御によって最小起伏角から最大起伏角の状態又は最大起
伏角から最小起伏角の状態まで任意の起伏角度に起伏作
動せしめられるようになっている。
【0020】また、上記旋回台2のカウンタウエイト側
後端部にはウインチ7が設けられているとともに、ベー
スブーム3a先端側上面部にはワイヤーガイド用のシー
ブ8が、さらにトップブーム3dの先端側ブームヘッド
部12上下位置には図1に示すように上部側シーブ9と
下部側シーブ10が各々設けられている。そして、上記
ウインチ7のドラム部から繰り出されたワイヤー11
が、上記シーブ8,9,10を介して図示のようにブーム
ヘッド部12より下方に垂設され、その繰出部11aの
先端に玉掛け用のフック13が設けられている。該フッ
ク13は、玉掛け部13aとシーブブロック部13bとか
ら形成されている。
【0021】また、上記伸縮式ブーム3は、その走行状
態では、例えば図2に示すようにブーム長を最短状態で
縮小させ、かつブーム起伏角を最小状態に倒し、上記フ
ック13の玉掛け部13aを、旋回台2の先端部下部に
ヒンジ15を介して取付けられている係合リング16に
係止した状態で支持される。
【0022】そして、該状態では、また上記フック13
のシーブブロック部13bが車両のシャーシ1a上に載置
された状態となる。
【0023】上記係合リング16は、ヒンジ15との間
に上記フック13の玉掛け部13aの係合状態を検出す
る第1のフック格納検出装置21が設けられている。該
第1のフック格納検出装置21は、上記ヒンジ15側に
連結されたスリーブ21aと、該スリーブ21a内にコイ
ルバネ21bを介して支持された円形プレート21cと、
該円形プレート21cと上記スリーブ21aのフック13
側端部との間に設けられ、フック13の玉掛け部13a
係合時における上記円形プレート21cの矢印方向への
引張移動によりプッシュロッド23が押圧されてON作
動する第1のON,OFFスイッチ21dとから構成され
ている。従って、上記第1のON,OFFスイッチ21d
のON信号により、フック13の玉掛け部13aが上記
係合リング16と係合されたことが検出される。
【0024】また、同係合リング16に対するフック1
3の玉掛け部13a係合状態において、当該フック13
のシーブブロック部13bが載置される上記シャーシ1a
上には、第2のフック格納検出装置22が設けられてい
る。該第2のフック格納検出装置22は、上記シャーシ
1a上部に形成した円形の凹溝部24内中央に、作動ロ
ッド25の下降時にON作動する第2のON,OFFス
イッチ22aを設置するとともに、その上方部にコイル
バネ22bを介して支持した円形プレート22cを配設し
て構成されている。そして、上記円形プレート22cの
上部に上述のように係合リング16と係合したフック1
3のシーブブロック13bが載置されると、その重量で
当該円形プレート22cが下降して上記第2のON,OF
Fスイッチ22aの作動ロッド25を下方に押圧する。
その結果、同第2のON,OFFスイッチ22aがON作
動してフック13の格納状態を検出する。
【0025】このように、該第1、第2のフック格納検
出装置21,22の上記第1、第2のON,OFFスイッ
チ21a,22aが共にON作動した時の出力信号を基に
して最終的かつ正確にフック13の格納状態が検出され
る。
【0026】さらに、符号14は当該移動式クレーンの
運転室であり、該運転室14は上記旋回台2の一側に設
けられている。そして、該運転室14内にはクレーンお
よび車両の各種運転操作手段が設けられている。
【0027】また、該クレーンには、後述するように上
記ブーム3の起伏角を検出するブーム起伏角検出手段、
上記ブーム3の伸長長さを検出するブーム長さ検出手
段、吊荷20の吊下げ荷重を検出する吊荷荷重検出手
段、上記ワイヤー11のウインチ7からの繰出長を検出
するワイヤー繰出長検出手段、車両走行状態検出手段な
どの各種センサが各々設けられている。該ワイヤ繰出長
検出手段は、例えば正逆両方向に回転して加減算パルス
信号を発生するロータリパルスエンコーダによって構成
され、上記ウインチ7のドラム軸に取付けて設けられ
る。
【0028】一方、上記移動式クレーンには、例えば図
3に示すようなフック位置(ブーム先端からのワイヤ繰
出長)検出回路が設けられている。
【0029】該フック位置検出回路は、先ずセンシング
手段として、上記ブーム3の起伏角θを検出するブーム
起伏角検出手段31、上記ブーム3の長さLを検出する
ブーム長さ検出手段32、上記ブーム3の旋回角をωを
検出するブーム旋回角検出手段33、上述した第1、第
2のフック格納検出装置21,22の第1、第2のON,
OFFスイッチ21a,22aにより構成されるフック格
納状態検出手段34、車両1が走行状態にあることを検
出する例えば車速センサ等の車両走行状態検出手段3
5、上述のようにロータリパルスエンコーダによって構
成されたワイヤ繰出長検出手段36を各々備えている。
【0030】そして、上記ブーム起伏角検出手段31、
ブーム長さ検出手段32、ブーム旋回角検出手段33の
各検出データは、ブーム格納パターン(クレーン走行姿
勢パターン)判定手段37およびクレーンのブームの姿
勢変化量を演算するブーム姿勢変化量演算手段38に各
々入力される。そして、上記ブーム起伏角検出手段3
1、ブーム長さ検出手段32、ブーム旋回角検出手段3
3の各検出手段が特許請求の範囲でいうところのブーム
姿勢検出手段を構成している。
【0031】ブーム姿勢変化量演算手段38は、上記ワ
イヤ繰出長検出手段36のワイヤ繰出長検出データをブ
ーム長さの変化等に応じて補正するためのクレーンのブ
ーム姿勢の変化量を演算する。
【0032】また、上記フック格納状態検出手段34お
よび車両走行状態検出手段35の各検出データは、上記
ブーム格納パターン判定手段37の判定データとともに
ワイヤ繰出長データリセット手段39に入力される。
【0033】ブーム格納パターン判定手段37は、当該
クレーンの機種に応じたブーム格納パターン(ブーム全
縮、ブーム全倒、ブーム旋回角ゼロ)データメモリ機能
を有して構成されており、上記ブーム起伏角検出手段3
1、ブーム長さ検出手段32、ブーム旋回角検出手段3
3の各検出データを入力し、それらの組合せから決定さ
れる実際のブームの姿勢が、上記当該クレーンの機種に
応じて予じめ設定メモリされているブーム格納パターン
(ブーム全縮、ブーム全倒、ブーム旋回角ゼロ)に対応し
た時にブームが走行可能な格納状態にあるとして判定出
力を出す。
【0034】また、上記ブーム格納パターン判定手段3
7の判定データは、ワイヤ繰出絶対長演算手段40に入
力される。上記ブーム起伏角検出手段31、ブーム長さ
検出手段32、ブーム旋回角検出手段33の各検出手段
とそれらの各検出データに基いてブームの格納パターン
を判定する上記ブーム格納パターン判定手段37は、特
許請求の範囲でいうところのブーム格納状態検出手段を
構成する。
【0035】ワイヤ繰出長データリセット手段39は、
上記ブーム格納パターン判定手段37からの判定出力が
なく、しかも上記フック格納状態検出手段34、車両走
行状態検出手段35からの各検出信号出力がない通常の
クレーン作業状態の時は、出力OFFとなって後述する
ワイヤ繰出長演算手段41を通常のワイヤ繰出長演算機
能状態に維持する一方、それら各手段37,34.35
からの出力が共に入力された時は、後述するようにワイ
ヤ繰出長データリセット信号を出力して、上記ワイヤ繰
出長演算手段41のデータメモリ41aの演算データを
次に述べるワイヤ繰出絶対長演算手段40からの演算デ
ータにリセットする。ワイヤ繰出絶対長演算手段40
は、当該クレーンの上記ブーム格納状態かつフック格納
状態におけるワイヤの絶対繰出長を予じめメモリした絶
対長メモリ40a(特許請求の範囲中のワイヤ繰出絶対
長記憶手段に該当する)を備えており、上記ブーム格納
パターン判定手段37の判定出力に応じて同絶対繰出長
を読み出して出力する。
【0036】さらに、上記ワイヤ繰出長検出手段36、
ブーム姿勢変化量演算手段38、ワイヤ繰出長データリ
セット手段39、ワイヤ繰出絶対長演算手段40の各出
力は、最終的にワイヤ繰出長演算手段41に各々入力さ
れる。そして、該ワイヤ繰出長演算手段41によって最
終的なブーム先端部12からフック13までのワイヤ繰
出長(すなわちフック位置)が演算される。該ワイヤ繰出
長演算手段41には、前回の演算周期で演算された現在
までのワイヤ繰出長データがメモリされているデータメ
モリ(RAM)41aが具備されており、今回のワイヤ繰
出長の演算は、具体的には先ず当該データメモリ41a
のメモリデータを読出し、それを基準として、上記ワイ
ヤ繰出長検出手段36の検出値を上記クレーン姿勢変化
量演算手段38の演算値によって補正した値を加減算す
ることによってなされる。
【0037】次に、該フック位置検出回路のフック位置
検出動作について説明する。
【0038】すなわち、先ず上記ブーム姿勢変化量演算
手段38は、先ず上記フック格納状態検出手段34、車
両走行状態検出手段35、ブーム格納パターン判定手段
37の各出力がなく、上記ワイヤ繰出長データリセット
手段39がリセット出力(H出力)を発生していない通常
の作業状態において、ブーム起伏角θ、ブーム長さL、
ブーム旋回角ωなどからクレーンのブーム姿勢変化量
(特にブーム長さ変化量)を演算してワイヤ繰出長演算手
段41に入力する。
【0039】ワイヤ繰出長演算手段41は、該入力され
たクレーンの姿勢変化量に対応して上記ワイヤ繰出長検
出手段36から供給されるワイヤ繰出長を補正すること
によって実際のワイヤ繰出長さを演算し、出力する。そ
して、該出力データが例えば前述した荷振れ防止制御な
どの制御パラメータとして使用される。
【0040】一方、これとは異なり、例えば上記ブーム
3が当該クレーンの機種に応じた所定の状態に格納さ
れ、かつフック13が所定の位置に格納係止されて、車
両が走行状態になったことが判定されると、次のように
して上記ワイヤ繰出長演算手段41のデータメモリ41
aにメモリされているワイヤ繰出長演算データを、その
都度予じめ設定された適正な基準データにリセットす
る。
【0041】すなわち、該状態では、先ず上記ブーム格
納パターン判定手段37により、上記ブーム起伏角検出
手段31、ブーム長さ検出手段32、ブーム旋回角検出
手段33の各検出値を基に当該クレーンのブームが走行
可能な所定の格納パターン(機種に応じた格納状態)にあ
ることが判定される。この判定は、所定のメモリデータ
と比較することによってなされる。そして、該判定デー
タは、次段のワイヤ繰出絶対長演算手段40およびワイ
ヤ繰出長データリセット手段39に各々入力される。
【0042】ワイヤ繰出絶対長演算手段40は、上記ブ
ーム格納パターン判定手段37からのブーム格納パター
ン判定データに基いてワイヤ繰出絶対長メモリ40aか
ら当該ブーム格納パターンに応じたワイヤ繰出絶対長を
読出して、次段のワイヤ繰出長演算手段41に入力す
る。
【0043】他方、ワイヤ繰出長データリセット手段3
9は、上記フック格納状態検出手段34からのフック格
納検出信号、車両走行状態検出手段35からの車両走行
検出信号、ブーム格納パターン判定手段37からの判定
データを各々入力して、ブーム3が当該機種に対応した
所定の格納状態にあり、かつフック13も所定の格納位
置に格納係止された状態にあって、しかも車両が走行状
態になったことを判定し、当該判定時に上述のワイヤ繰
出長演算手段41に対し、それまでのワイヤ繰出長演算
データをリセットするリセット信号を出力する。
【0044】該リセット信号が入力されると、上記ワイ
ヤ繰出長演算手段41は、それまでの演算データの積算
値によって演算されている現在のワイヤ繰出長をデータ
クリアして、上記ワイヤ繰出絶対長演算手段40からの
絶対長読出値を新に現在のワイヤ繰出長としてデータメ
モリ41aに記憶し出力する。該新に記憶出力されるワ
イヤ繰出長(絶対長)は、上記ブーム3が格納状態にあ
り、かつフック13も正規の格納位置にあって車両が走
行姿勢にある当該クレーンの正確に特定される長さのワ
イヤ繰出長である。従って、それまでの積算データのよ
うに誤差の累積を含まないものとなっている。
【0045】その結果、以後のワイヤ繰出長の演算は、
この正確な基準値に基いて積算(加減算)されることにな
り、演算精度が向上する。
【0046】なお、以上の実施例では、フック格納状態
検出手段34を第1、第2の2組のフック格納検出装置
21,22によって構成したが、これは何れか一方のみ
でも良いことは言うまでもない。
【0047】(実施例2) 次に図4は、本願発明の実施例2に係る移動式クレーン
のフック位置検出装置の構成を示している。
【0048】該実施例は、上記図3に示される実施例1
のフック位置検出装置の構成を前提とし、同構成におけ
る上記ワイヤ繰出長データリセット手段39からのワイ
ヤ繰出長データリセット信号の出力時に、上記ワイヤ繰
出絶対長演算手段40から出力されるワイヤ繰出絶対長
と上記ブーム姿勢変化量演算手段37のブーム姿勢変化
量演算データに基いて演算されたワイヤ繰出長演算手段
41の現在値(メモリ値)とを比較手段42で比較し、そ
れらの差が所定の基準値以上に大きい時は、例えば上記
ロータリパルスエンコーダ等のワイヤ繰出長検出手段3
6が異常であると判定して、所定の報知手段43を作動
させて、報知信号を発生させるように構成している。
【0049】このようにすると、さらに基本となるセン
シング手段であるワイヤ繰出長検出手段36の検出性能
の正常性の定期的な自動チェックが可能となり、フック
位置検出装置の信頼性が大きく向上する。
【0050】なお、以上の各実施例では、ブーム格納パ
ターン判定手段37を設けて当該検出装置を汎用性のあ
るものとし、例えばトラッククレーンやカーゴクレーン
などの異なる機種にも任意に適用できるようにしたが、
特定機種の専用装置として構成する場合には、同判定手
37は不要である。
【0051】(実施例3) さらに、図5は本願発明の実施例3に係る移動式クレー
ンのフック位置検出装置の回路構成を示している。
【0052】該構成では、上記図3に示す実施例1のフ
ック位置検出回路に、押しボタン等で当該クレーンのワ
イヤ掛け数を設定できるワイヤ掛け数設定手段44を設
けるとともに上記ワイヤ繰出絶対長演算手段40のワイ
ヤ繰出絶対長メモリ40aに当該クレーンで採用される
ワイヤの掛け数に応じたワイヤ繰出絶対長データをメモ
リして置くように構成されている。
【0053】したがって、該構成ではユーザが上記ワイ
ヤ掛け数設定手段44を採用して実際に採用しているワ
イヤ掛け数を設定して置けば、上述したワイヤ繰出長の
リセット動作に際しても当該設定されたワイヤ掛け数に
応じた正確なワイヤ繰出絶対長に基準データが書き換え
られる。
【0054】なお、以上の各実施例では、ワイヤ繰出長
データリセット手段39のリセット信号発生条件として
車両走行状態検出手段35の検出信号があることをも条
件としたが、これは必ずしも論理積条件としなくても良
いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明の実施例1に係る移動式クレ
ーンの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、同移動式クレーンのフック格納検出装
置の構成を示す図である。
【図3】図3は、同移動式クレーンのフック位置検出回
路の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本願発明の実施例2に係る移動式クレ
ーンのフック位置検出回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】図5は、本願発明の実施例3に係る移動式クレ
ーンのフック位置検出回路の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1は車両、2は旋回台、3は伸縮式ブーム、6は起伏シ
リンダ、7はウインチ、13はフック、16は係合リン
グ、21は第1のフック格納検出装置、21aは第1の
ON,OFFスイッチ、22は第2のフック格納検出装
置、22aは第2のON,OFFスイッチ、31はブーム
起伏角検出手段、32はブーム長さ検出手段、33はブ
ーム旋回角検出手段、34はフック格納検出手段、35
は車両走行状態検出手段、36はワイヤ繰出長検出手
段、37はブーム格納パターン判定手段、38はブーム
姿勢変化量演算手段、39はワイヤ繰出長データリセッ
ト手段、40はワイヤ繰出絶対長演算手段、41はワイ
ヤ繰出長演算手段、42は比較手段、43は報知手段で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両上に起伏および旋回可能に設けられ
    た伸縮式ブームと、該伸縮式ブームの基端側に設けら
    れ、ワイヤを巻回したウインチと、該ウインチから繰り
    出されたワイヤを介して上記伸縮式ブームの先端部下方
    に昇降可能に吊り降ろされたフックと、上記伸縮式ブー
    ムの姿勢を検出するブーム姿勢検出手段と、該ブーム姿
    勢検出手段の検出値に基いて上記伸縮式ブームの姿勢変
    化量を演算するブーム姿勢変化量演算手段と、上記ウイ
    ンチから伸縮式ブームの先端部下方へのワイヤ繰出長を
    検出するワイヤ繰出長検出手段と、該ワイヤ繰出長検出
    手段の検出値を上記姿勢変化量演算手段によって演算さ
    れた姿勢変化量により補正してフック位置を示す実際の
    ワイヤ繰出長を演算するワイヤ繰出長演算手段とを備え
    てなるクレーンのフック位置検出装置において、車両走
    行姿勢におけるブームの格納状態を検出するブーム格納
    状態検出手段と、車両走行姿勢における車両に対するフ
    ックの格納状態を検出するフック格納状態検出手段と、
    車両走行姿勢におけるブームおよびフック格納時のワイ
    ヤ繰出絶対長を記憶したワイヤ繰出絶対長記憶手段と、
    上記ブーム格納状態検出手段によって車両走行姿勢にお
    けるブームの格納状態が検出され、かつ上記フック格納
    状態検出手段によって車両走行姿勢におけるフック格納
    状態が検出された時に、フック位置を示す上記ワイヤ繰
    出長演算手段の演算データを上記ワイヤ繰出絶対長記
    憶手段に記憶されているワイヤ繰出絶対長にリセットす
    るワイヤ繰出長データリセット手段とを設けたことを特
    徴とするクレーンのフック位置検出装置。
  2. 【請求項2】 ワイヤ繰出長データリセット手段による
    ワイヤ繰出長演算手段の演算データリセット時におい
    て、当該リセット時の演算データとリセット用のワイヤ
    繰出絶対長とを入力して比較する比較手段と、該比較手
    段により比較された上記リセット時の演算データとリセ
    ット用のワイヤ繰出絶対長との差が所定値以上である時
    はワイヤ繰出長検出手段が異常と判定する異常判定手段
    とを設けたことを特徴とするクレーンのフック位置検出
    装置。
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