JP3433667B2 - クレーンの過負荷防止方法およびその過負荷防止装置 - Google Patents
クレーンの過負荷防止方法およびその過負荷防止装置Info
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Description
ンの主ジブと補ジブとにより同時に吊荷を吊持する場合
におけるクレーンの過負荷防止方法およびその過負荷防
止装置の技術分野に属する。
は、吊荷の荷重が過大であるとこの移動式クレーンが転
倒したり破損したりする恐れがあるので、移動式クレー
ンの運転室内に配備されている過負荷防止装置を監視
し、吊荷の重量が作業半径に対応する最大許容荷重以下
であることを確認しながら、吊荷作業を行っている。と
ころで、このような移動式クレーンの過負荷防止装置と
しては、例えば特開昭52−147850号(移動式ク
レーンの過負荷防止装置)公報や実開昭57−1551
87号(移動式クレーンにおける補助ジブの荷重検出装
置)公報に開示されてなるものが公知である。
負荷防止装置の概要を説明すると、この過負荷防止装置
は、角度計により検出したブーム(以下、主ジブとい
う。)角度に対応する許容限界荷重と荷重計で検出した
吊荷荷重とを比較器で比較して危険を警報する過負荷防
止装置で、前記比較器の入力側に設けられて主ジブによ
る吊荷作業時と補助ジブ(以下、補ジブという。)によ
る吊荷作業時とで許容限界荷重を切換えて比較器に入力
する選択スイッチの切換えを、巻上用ロープの張力から
吊荷荷重を検出する荷重計の出力信号でオン−オフ制御
されるリレーにより自動的に行わせて、切換え誤操作に
よる過負荷を確実に防止するようにしたものである。つ
まり、これにより主ジブによる吊荷作業時の過負荷と、
補ジブによる吊荷作業時の過負荷とを誤りなく知ること
ができ、誤操作による移動式クレーンの転倒および破損
を防止することができる。
ける補ジブの荷重検出装置の概要を説明すると、補フッ
クを昇降させる(補ジブ巻上用)ワイヤロープの張力を
検出するロープ張力検出用滑車を、ロードセルを介して
主ジブの先端に設けられるストラッド(ストラット)に
取付けてワイヤロープの寿命の延長を図るようにしたも
のである。従って、この荷重検出装置によれば、主フッ
クを昇降させる主巻ロープと補フックを昇降させるワイ
ヤロープとの張力を検出することにより、移動式クレー
ンの転倒および破損を防止することができる。
ーンは土木機械のベースマシーンとして使用されること
が多々あり、主ジブと補ジブとにより共吊作業を行うと
いう使われ方をすることがある。しかしながら、現在の
移動式クレーンでは主ジブ作業または補ジブ作業単独で
の過負荷を防止することはできるが、共吊作業に対して
は安全上の配慮がなされていない。共吊作業においても
主ジブ、補ジブの合計荷重による移動式クレーンの転倒
を防止すると共に、ジブや巻上ロープの破損を防止する
ために、主フック、補フック個別に過負荷を防止をする
必要がある。
2−147850号公報)に係る移動式クレーンの過負
荷防止装置を考察すると、これは主ジブ作業時、補ジブ
作業時の選択スイッチ切換を自動化したものであり、主
ジブと補ジブとにより共に吊荷を吊持した場合では選択
スイッチが補ジブ作業に自動的に切換えられ、主ジブ荷
重と補ジブ荷重の和が全て補ジブ荷重として演算されて
しまうので、主ジブ強度、補巻ロープ強度に対する個別
の過負荷防止をすることができないし、また移動式クレ
ーンが本来有している吊上能力を十分に生かすことがで
きないという解決すべき課題がある。
7号公報)に係る移動式クレーンにおける補ジブの荷重
検出装置によれば、主ジブに吊持される吊荷の荷重と、
補ジブに吊持される吊荷の荷重とを個別に求めることが
できるが、主ジブと補ジブにより共に吊荷を吊持した場
合の過負荷防止をすることができない。
に対する過負荷防止をすることにより、クレーンの転倒
を防止し得て、しかも主ジブ、補ジブ、主巻ロープおよ
び補巻きロープ強度に対する過負荷防止をすることを可
能ならしめるクレーンの過負荷防止方法およびその過負
荷防止装置の提供を目的とする。
に、本発明の請求項1に係るクレーンの過負荷防止方法
が採用した手段は、主ジブがこの主ジブの先端近傍に接
続された主ジブガイラインによって起伏自在とされ、こ
の主ジブの先端から主巻ロープによって吊り下げられた
主フックと、前記主ジブの先端近傍またはこの主ジブの
先端近傍に起伏自在に取付けられた補ジブの先端近傍か
ら補巻ロープによって吊り下げられた補フックとを有す
るクレーンの過負荷防止方法において、上記主フックと
補フックとによって同時に吊荷を吊る際に、上記主ジブ
ガイラインに作用する主ジブガイライン張力を検出する
と共に、主巻ロープまたは補巻ロープに作用する主巻ロ
ープ張力または補巻ロープ張力を検出し、これら検出し
た各張力から、主フックの吊荷による負荷または補フッ
クの吊荷による負荷を演算し、主フックの吊荷による負
荷が主フックの吊荷による定格負荷を超えた場合、補フ
ックの吊荷による負荷が補フックの吊荷による定格負荷
を超えた場合、または主ジブガイライン張力が主ジブ定
格ガイライン張力を超えた場合に、過負荷警報を発する
ことを特徴とする。
防止方法が採用した手段は、請求項1に記載のクレーン
の過負荷防止方法において、過負荷警報が発せられた場
合に、クレーンの運転を自動停止することを特徴とす
る。
防止装置が採用した手段は、主ジブがこの主ジブの先端
近傍に接続された主ジブガイラインによって起伏自在と
され、この主ジブの先端から主巻ロープによって吊り下
げられた主フックと、前記主ジブの先端近傍またはこの
主ジブの先端近傍に起伏自在に取付けられた補ジブの先
端近傍から補巻ロープによって吊り下げられた補フック
とを有するクレーンの過負荷防止装置において、上記主
ジブガイラインに作用する主ジブガイライン張力を検出
する主ジブガイライン張力検出手段と、主巻ロープまた
は補巻ロープに作用する主巻ロープ張力または補巻ロー
プ張力を検出するロープ張力検出手段と、上記主ジブガ
イライン張力検出手段とロープ張力検出手段とによって
検出した各張力から主フックの吊荷による負荷または補
フックの吊荷による負荷を演算する負荷演算手段と、こ
の負荷演算手段によって演算した主フックの吊荷による
負荷が主フックの吊荷による定格負荷を超えた場合、上
記負荷演算手段によって演算した補フックの吊荷による
負荷が補フックの吊荷による定格負荷を超えた場合、ま
たは主ジブガイライン張力が主ジブ定格ガイライン張力
を超えた場合に過負荷警報を発する過負荷警報手段とを
備えたことを特徴とする。
防止装置が採用した手段は、請求項3に記載のクレーン
の過負荷防止装置において、過負荷警報手段が過負荷警
報を発した場合にクレーンの運転を自動停止する自動停
止手段をさらに備えたことを特徴とする。
防止装置が採用した手段は、請求項3に記載のクレーン
の過負荷防止装置において、主フックの吊荷による負荷
が主フックの吊荷による定格負荷を超えた場合、補フッ
クの吊荷による負荷が補フックの吊荷による定格負荷を
超えた場合、または主ジブガイライン張力が主ジブ定格
ガイライン張力を超えた場合に、上記何れの場合かを個
別に表示する過負荷警報表示部をさらに備えたことを特
徴とする。
防止装置が採用した手段は、請求項5に記載のクレーン
の過負荷防止装置において、主フックの吊荷による負
荷、補フックの吊荷による負荷、または主ジブガイライ
ン張力が、各定格負荷より低い予め定められた範囲内に
入ったとき個別に表示する過負荷予報表示部をさらに備
えたことを特徴とする。
である場合を例として、本発明の過負荷防止方法を具現
する移動式クレーン、実施の形態1に係るその過負荷防
止装置およびその過負荷表示装置の構成を、移動式クレ
ーンの構成説明図の図1と、その過負荷防止装置を示す
ブロック図の図2と、その過負荷表示装置の表示画面の
概要を示す図の図3と、図3のA部詳細図の図4と、図
3のB部詳細図の図5と、図3のC部詳細図の図6とを
参照しながら説明する。
照しながら説明すると、図1に示す符号1はクローラ式
の走行体1aと、この走行体1aの上に垂直軸心回りに
旋回自在に搭載された旋回体1bとからなる周知の構成
になるクレーン本体である。このクレーン本体1の旋回
体1bの前部には、主ジブ2が起伏自在に支持されてい
る。この主ジブ2の先端近傍に一端側が接続された主ジ
ブガイライン3の他端は、後述する構成になるスプレッ
ダ装置4に接続され、そしてこのスプレッダ装置4は旋
回体1bの反主ジブ側の上に突設されてなる側面形状が
三角状のガントリ1cの頂部に主ジブガイライン張力検
出手段である主ジブガイライン張力検出器5を介して連
結されている。
ン3の他端が連結された上部スプレッダ4aと、ガント
リ1cの頂部に主ジブガイライン張力検出器5を介して
連結された下部スプレッダ4bと、これら上・下部スプ
レッダ4a,4bに設けられた図示しない複数のシーブ
に掛回され、旋回体1bに搭載されている主ジブ起伏ウ
インチ1eにより巻取り、繰出される主ジブ起伏ロープ
4cとから構成されている。つまり、この主ジブ2は主
ジブ起伏ウインチ1eによる主ジブ起伏ロープ4cの巻
取り、繰出しにより拡縮(上・下部スプレッダ4a,4
bが接近、かつ離反する。)されるスプレッダ装置4を
介して引っ張られる主ジブガイライン3によって起伏さ
れるようになっている。
らなる主ジブトップシーブ2aが設けられており、この
主ジブトップシーブ2aには主巻ウインチ1fにより巻
取り、繰出されると共に、主ジブ2の先端付近に設けら
れた主巻ロープガイドシーブ2bで案内される主巻ロー
プ6が掛けられている。そして、この主巻ロープ6のロ
ープ端側は、主ジブトップシーブ2aの複数のシーブと
主フック7の図示しない複数のシーブとに掛回されると
共に、主フック7のシーブに掛けられた主巻ロープ6の
終端がロープ張力検出手段である主巻ロープ張力検出器
8を介して主ジブ2のトップシーブ2aよりも下方位置
に連結されている。
結されている。そして、この補ジブ11の先端には補ジ
ブガイライン12の一端が連結されると共に、主ジブ2
の先端に設けられたストラット9の頂部を介して、他端
が上記主ジブ2の長手方向の略中間位置に連結されてい
る。この補ジブガイライン12の長さは予め定めた所定
の長さに設定されており、主ジブ2に対するこの補ジブ
11の角度は主ジブ2の起伏角度の如何を問わず、常に
一定角度に保持されるように構成されている。この補ジ
ブ11の先端には補ジブトップシーブ11aが設けられ
ており、この補ジブトップシーブ11aには補巻ウイン
チ1gにより巻取り、繰出されると共に、ストラット9
の基端側寄りに設けられた補巻ロープガイドシーブ9a
で案内される補巻ロープ13が掛けられている。そし
て、この補巻ロープ13の補ジブトップシーブ11aか
ら垂れ下がったロープ端には補フック14が取付けられ
ている。なお、主ジブ2の背面側に上端が枢着されると
共に、旋回体1bの上側に下端が枢着されてなるもの
は、主ジブ2の最大起伏角度を規定するバックストップ
1dである。
転室に装備される過負荷防止装置の構成を、図2乃至図
6を参照しながら説明すると、符号21は、過負荷防止
装置であって、この過負荷防止装置21は、後述するデ
ータ記憶部22と、過負荷演算手段である演算部23
と、負荷率表示部24a、ジブ長さ表示部24b、ジブ
角度表示部24c、実荷重表示部24d、主ジブガイラ
イン張力表示部24d′、定格総荷重表示部24e、主
ジブ定格ガイライン張力表示部24e′、作業半径表示
部24f、過負荷警報・予報表示部24g、フック過巻
表示部24g′およびデータ入力部24hを備えた過負
荷警報手段である過負荷表示装置24とから構成されて
いる。そして、この過負荷防止装置21の演算部23に
は主ジブガイライン張力検出器5により検出された主ジ
ブガイライン張力と、主巻ロープ張力検出器8により検
出された主巻ロープ張力と、主ジブ角度検出器により検
出された主ジブ角度とが入力されるようになっている。
4hには、コードナンバー設定スイッチが設けられてい
て、これにより主ジブ長さ、補ジブ長さ、補ジブオフセ
ット角度(上記のとおり、主ジブに対する補ジブの角度
は予め定めた角度に設定されている。)、主巻ロープ掛
数および補巻ロープ掛数が予め定められたコードナンバ
ーで入力される。
れた上記コードナンバーに応じてデータ記憶部22に記
憶させてあるデータの中から必要なデータが選別され
て、この実施の形態における負荷演算手段の機能を有す
る演算部23に入力される。この実施の形態において入
力されるデータは、下記の通りである。 (1) 主ジブ長さLa (2) 補ジブ長さLb (3) 補ジブオフセット角度θb (4) 主巻ロープ掛数Na (5) 補巻ロープ掛数Nb (6) 主ジブ定格総荷重Wa (7) 補ジブ定格総荷重Wb (8) 主ジブ定格ガイライン張力Fa (9) 無負荷時ガイライン張力Fa0 (10) 主ジブ荷重係数Ca (11) 補ジブ荷重係数Cb ところで、主ジブ荷重係数Ca は主フックに単位荷重を
吊持させたときの主ジブガイライン張力の増分として定
義されるものであり、また補ジブ荷重係数Cbは補フッ
クに単位荷重を吊持させたときの主ジブガイライン張力
の増分として定義されるものである。
力された主ジブ角度θa が取込まれると、演算部23に
おいて補ジブ角度(θa −θb )が直ちに演算されると
共に、主ジブ2の起伏角度に応じて、下記の各事項が演
算される。 (1) 主ジブ定格総荷重Wa (2) 補ジブ定格総荷重Wb (3) 主ジブ定格ガイライン張力Fa (4) 無負荷時ガイライン張力Fa0 (5) 主ジブ荷重係数Ca (6) 補ジブ荷重係数Cb そして、演算部23に主巻ロープ張力検出器8から出力
された主巻ロープ6に作用する主巻ロープ張力Fm が取
込まれると、演算部23において主フック7に吊持され
ている吊荷による負荷である実荷重W1 が、下記算式
によって演算される。 W1 (実荷重)=Fm (主巻ロープ張力)×Na (主巻ロープ掛数)‥‥ このような算式により実荷重W1 を求めるのは、上記
のとおり、主巻ロープ6が主ジブトップシーブ2aの複
数のシーブと、主フック7の複数のシーブとに掛け回さ
れているからである。
5から出力された主ジブガイライン3に作用する主ジブ
ガイライン張力Fg が取込まれると、演算部23におい
て主フック7に吊持されている吊荷による負荷である実
荷重W1 に基づく主ジブガイライン張力Fw1が、下記算
式により演算される。 Fw1=W1 ×Ca (主ジブ荷重係数)+Fa0‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ このような算式に基づく演算によって実荷重W1 に基
づく主ジブガイライン張力Fw1が求められると、今度は
補フック14に吊持されている吊荷による負荷である実
荷重W2 に基づく主ジブガイライン張力Fw2が、下記算
式により演算される。 Fw2=Fg −Fw1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そして、補フック14に吊持されている吊荷による負荷
である実荷重W2 が、下記算式により演算される。 W2 =Fw2/Cb ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
されている吊荷による負荷である実荷重W2 を主ジブガ
イライン張力Fg と主巻ロープ張力Fm とから演算によ
り求めているが、これとは逆に、主フック7に吊持され
ている吊荷による負荷である実荷重W1 を主ジブガイラ
イン張力Fg と補巻ロープ張力とから上記と同等の演算
方法により求めることができる。
率、補ジブ負荷率および主ジブガイライン負荷率が演算
される。これら主ジブ負荷率、補ジブ負荷率および主ジ
ブガイライン負荷率はそれぞれ下記の通りである。 主ジブ負荷率=(実荷重W1 /主ジブ定格総荷重Wa )×100(%) 補ジブ負荷率=(実荷重W2 /補ジブ定格総荷重Wb )×100(%) 主ジブガイライン負荷率=(主ジブガイライン張力Fg /主ジブ定格ガイライ ン張力Fa )×100(%)
径および補ジブ作業半径が演算される。主ジブ作業半径
は、旋回体1bの旋回中心から主ジブ2を支持するフッ
トピン(図示省略)までの距離Aに、主ジブ長さLa と
主ジブ角度θa の余弦を掛けた値を加算したもの、つま
りA+La・cosθa で演算され、また補ジブ作業半
径は、A+La・cosθa に、補ジブ長さLbと主ジ
ブ角度θa から補ジブオフセット角度θbを引いた値の
余弦を掛けた値を加算したもの、即ちA+La・cos
θa +Lb ・cos(θa −θb )で演算される。
ック7に吊持されている吊荷による負荷である実荷重W
1 が主ジブ定格総荷重Wa 以上(W1 ≧Wa )である
か、0.9Wa 以上、かつWa 未満(0.9Wa ≦W1
<Wa )であるかの判定、補フック14に吊持されてい
る吊荷による負荷である実荷重W2 が補ジブ定格総荷重
Wb 以上(W2 ≧Wb )であるか、0.9Wb 以上、か
つWb 未満(0.9Wb≦W2 <Wb )であるかの判
定、および主ジブガイライン張力Fg が主ジブ定格ガイ
ライン張力Fa 以上(Fg ≧Fa )であるか、0.9F
a 以上、かつFa 未満(0.9Fa ≦Fg <Fa )であ
るかの判定が行われる。
4に送信されると共に、過負荷であると判定された場合
は、過負荷警報が発せられ、かつ自動停止手段である自
動停止回路25に過負荷信号が送られるので、この自動
停止回路25によってクレーン作業中の移動式クレーン
の作動が自動的に停止される。この場合、実荷重W1、
実荷重W2、主ジブガイライン張力Fgのうちの一つで
も過負荷になれば、過負荷警報および過負荷信号が発せ
られるものである。勿論、仮令このような過負荷警報お
よび過負荷信号が発せられたとしても、この移動式クレ
ーンが転倒することがないように配慮されている。な
お、この実施の形態の場合、演算部23が過負荷警報手
段でもある。
うな演算が行われて上記結果が得られると、過負荷表示
装置24の各表示部には、下記のような項目が表示され
る。先ず、過負荷表示装置24の負荷率表示部24aに
は主ジブ負荷率、補ジブ負荷率および主ジブガイライン
負荷率が表示される。
bには、データ入力部24hにコードナンバーとして入
力された主ジブ長さLa と補ジブ長さLb とが表示され
る。
cには、主ジブ角度θaと補ジブオフセット角度θbと
が表示される。
には、主フック7に吊持されている吊荷の実荷重W1 と
補フック14に吊持されている吊荷の実荷重W2 とが表
示され、主ジブガイライン張力表示部24d′には主ジ
ブガイライン3に作用している主ジブガイライン張力F
g が表示される。
4eには、主ジブ定格総荷重Wa と補ジブ定格総荷重W
b とが表示され、主ジブ定格ガイライン張力表示部24
e′には主ジブ定格ガイライン張力Fa が表示される。
fには、主ジブ作業半径および補ジブ作業半径が表示さ
れる。
示部24gには、主ジブ2と補ジブ11と主ジブガイラ
イン3との過負荷警報および過負荷予報が表示される。
即ち、主フック7に吊持されている吊荷の実荷重W1 が
主ジブ定格総荷重Wa以上(W1 ≧Wa )になると過負
荷警報ランプと主(主ジブ)ランプとが点灯し、補フッ
ク14に吊持されている吊荷の実荷重W2 が補ジブ定格
総荷重Wb 以上(W2 ≧Wb )になると過負荷警報ラン
プと補(補シブ)ランプとが点灯し、主ジブガイライン
張力Fg が主ジブ定格ガイライン張力Fa 以上(Fg ≧
Fa )になると過負荷警報ランプとガイラインランプと
が点灯する。このような各ランプの点灯により、主ジブ
2と補ジブ11と主ジブガイライン3とが過負荷状態に
あることを個別に知ることができる。
上、かつWa 未満(0.9Wa ≦W1<Wa )のときに
は過負荷予報ランプと主ランプとが点灯し、実荷重W2
が0.9Wb 以上、かつWb 未満(0.9Wb ≦W2 <
Wb )にあるときには過負荷予報ランプと補ランプとが
点灯し、主ジブガイライン張力Fg が0.9Fa 以上、
かつFa 未満(0.9Fa ≦Fg <Fa )にあるときに
は過負荷予報ランプとガイラインランプとが点灯され
る。なお、過負荷表示装置24のフック過巻表示部24
g′の各ランプは、図示しない過巻リミットスイッチか
らの信号の入力に基づいてロープが過巻になると、それ
ぞれ点灯して、ロープの過巻(切断防止)を知らせるも
のである。
に吊荷を吊持した場合の実荷重を個別に求めることがで
きない従来例1に係る移動式クレーンの過負荷防止装置
や主ジブと補ジブとにより共に吊荷を吊持した場合の荷
重を個別に求めることができる従来例2に係る移動式ク
レーンの過負検出装置によれば、共吊りした吊荷の荷重
に対する移動式クレーンの転倒防止と、主ジブ強度、補
ジブ強度、主巻ロープ強度、補巻ロープ強度に対する過
負荷を同時に防止をすることができなかった。
態1に係るクレーンの過負荷防止装置21によれば、主
ジブ2の起伏角度に応じて決定される主ジブ定格総荷重
Waと主フック7に吊持される吊荷の実荷重W1とが比
較され、主ジブ2の起伏角度に応じて決定される補ジブ
定格総荷重Wbと補フック14で吊持される吊荷の実荷
重W2とが比較されると共に、主ジブ2の起伏角度に応
じて決定される主ジブガイライン3の主ジブ定格ガイラ
イン張力Faと主ジブガイライン張力検出器5で検出さ
れ、吊荷の実荷重W1,W2とに基づいて主ジブガイライ
ン3に発生する主ジブガイライン張力Fgとが比較され
て過負荷警報が発せられるので、主ジブ2と補ジブ11
とにより共に吊荷を吊持した場合の吊荷の実荷重W1,
W2を個別に求めることができ、しかも主ジブ強度、補
ジブ強度、主巻ロープ強度、補巻ロープ強度、主ジブガ
イライン強度に対する過負荷防止をすることができると
いう極めて優れた効果がある。なお、この実施の形態で
は、主フック7と補フック14の吊荷による負荷として
実荷重W1,W2を用いたが、これに限定されるものでは
ない。例えば、負荷率や各ロープに掛る張力を用いても
よい。要は各フックに掛る吊荷による負荷に関係する値
であれば良い。
れるように、主ジブ2の先端に長尺の補ジブ11を取付
け、主ジブ2に対して補ジブ11を所定の角度で保持す
るために補ジブガイライン12を用いた構成の移動式ク
レーンに対して本発明の過負荷防止方法、過負荷防止装
置を適用した場合を例として説明したが、例えば、主ジ
ブ先端付近の側面構成説明図(図1と同一のものならび
に同等の機能を有するものには同一符号が付してあ
る。)の図7に示すように、主ジブ2の先端近傍に、先
端に補助トップシーブ12bを備えた短尺リンク12a
を設け、主ジブ2の先端に一端側が連結されてなるステ
イロッド12cにより主ジブ2に対する短尺リンク12
aの角度を一定に保持するようにした移動式クレーンに
対しても、本発明に係る技術的思想を適用することがで
きる。なお、このような構成になる移動式クレーンは、
例えば主フック7によりバイブロハンマーを吊持すると
共に、補フック14により鋼管杭を吊持するというよう
に、杭打機として使用されるものである。
動式クレーンの過負荷防止装置や従来例2に係る移動式
クレーンの過負荷検出装置では、共吊作業において、移
動式クレーンの転倒と主・補ジブ、主・補巻ロープの破
損とを同時に防止することができる過負荷防止ができて
いなかった。
ンの過負荷防止方法によれば、主フックの吊荷による負
荷が主フックの吊荷による定格負荷を超えた場合、補フ
ックの吊荷による負荷が補フックの吊荷による定格負荷
を超えた場合、または主ジブガイライン張力が主ジブ定
格ガイライン張力を超えた場合に過負荷警報が発せられ
るので、発せられた過負荷警報に基づいて主フックと補
フックとによって同時に吊荷を吊持しているクレーンの
運転を停止させることにより、クレーンの転倒と主・補
ジブ、主・補巻ロープの破損とを防止することができ
る。
防止方法によれば、過負荷警報が発せられた場合に、自
動的にクレーンの運転が停止されるので、運転者の不注
意や誤操作に起因するクレーンの転倒と主・補ジブ、主
・補巻ロープの破損とを防止することができる。
防止装置によれば、負荷演算手段によって演算した主フ
ックの吊荷による負荷が主フックの吊荷による定格負荷
を超えた場合、上記負荷演算手段によって演算した補フ
ックの吊荷による負荷が補フックの吊荷による定格負荷
を超えた場合、または主ジブガイライン張力が主ジブ定
格ガイライン張力を超えた場合に過負荷警報を発する過
負荷警報手段を備えているので、この過負荷警報手段か
ら発せられる過負荷警報に基づいて主フックと補フック
とによって同時に吊荷を吊持しているクレーンの運転を
停止させることにより、クレーンの転倒と主・補ジブ、
主・補巻ロープの破損とを防止することができる。
防止装置によれば、過負荷警報手段が過負荷警報を発し
た場合に、自動停止手段によりクレーンの運転が自動的
に停止されるので、運転者の不注意や誤操作に起因する
クレーンの転倒と主・補ジブ、主・補巻ロープの破損と
を防止することができる。
防止装置によれば、過負荷警報表示部により、主フック
の吊荷による負荷が主フックの吊荷による定格負荷を超
えた場合、補フックの吊荷による負荷が補フックの吊荷
による定格負荷を超えた場合、または主ジブガイライン
張力が主ジブ定格ガイライン張力を超えた場合が個別に
表示されるので、何れが過負荷であるかを知ることがで
きる。
防止装置によれば、過負荷予報表示部により、主フック
の吊荷による負荷、補フックの吊荷による負荷、または
主ジブガイライン張力が主ジブ定格ガイライン張力が予
め定められた範囲内に入ったことが個別に表示され、何
れが予め定められた範囲内に入ったかを知ることができ
るので、予め過負荷になるクレーンの吊荷作業状況を予
測することができる。
過負荷防止装置を示すブロック図である。
過負荷表示装置の表示画面の概要を示す図である。
の側面構成説明図である。
…ガントリ,1d…バックストップ,1e…主ジブ起伏
ウインチ,1f…主巻ウインチ,1g…補巻ウインチ,
2…主ジブ,2a…主ジブトップシーブ,2b…主巻ロ
ープガイドシーブ,3…主ジブガイライン,4…スプレ
ッダ装置,4a…上部スプレッダ,4b…下部スプレッ
ダ,4c…主ジブ起伏ロープ,5…主ジブガイライン張
力検出器,6…主巻ロープ,7…主フック,8…主巻ロ
ープ張力検出器,9…ストラット,9a…補巻ロープガ
イドシーブ 10…主ジブ角度検出器,11…補ジブ,11a…補ジ
ブトップシーブ,12…補ジブガイライン,12a…短
尺リンク,12b…補助トップシーブ,12c…ステイ
ロッド, 13…補巻ロープ,14…補フック 21…過負荷防止装置,22…データ記憶部,23…演
算部,24…過負荷表示装置,24a…負荷率表示部,
24b…ジブ長さ表示部,24c…ジブ角度表示部,2
4d…実荷重表示部,24d′…主ジブガイライン張力
表示部,24e…定格総荷重表示部,24e′…主ジブ
定格ガイライン張力表示部,24f…作業半径表示部,
24g…過負荷警報・予報表示部,24g′…フック過
巻表示部,24h…データ入力部,25…自動停止回路
Claims (6)
- 【請求項1】 主ジブがこの主ジブの先端近傍に接続さ
れた主ジブガイラインによって起伏自在とされ、この主
ジブの先端から主巻ロープによって吊り下げられた主フ
ックと、前記主ジブの先端近傍またはこの主ジブの先端
近傍に起伏自在に取付けられた補ジブの先端近傍から補
巻ロープによって吊り下げられた補フックとを有するク
レーンの過負荷防止方法において、上記主フックと補フ
ックとによって同時に吊荷を吊る際に、上記主ジブガイ
ラインに作用する主ジブガイライン張力を検出すると共
に、主巻ロープまたは補巻ロープに作用する主巻ロープ
張力または補巻ロープ張力を検出し、これら検出した各
張力から、主フックの吊荷による負荷または補フックの
吊荷による負荷を演算し、主フックの吊荷による負荷が
主フックの吊荷による定格負荷を超えた場合、補フック
の吊荷による負荷が補フックの吊荷による定格負荷を超
えた場合、または主ジブガイライン張力が主ジブ定格ガ
イライン張力を超えた場合に、過負荷警報を発すること
を特徴とするクレーンの過負荷防止方法。 - 【請求項2】 過負荷警報が発せられた場合に、クレー
ンの運転を自動停止することを特徴とする請求項1に記
載のクレーンの過負荷防止方法。 - 【請求項3】 主ジブがこの主ジブの先端近傍に接続さ
れた主ジブガイラインによって起伏自在とされ、この主
ジブの先端から主巻ロープによって吊り下げられた主フ
ックと、前記主ジブの先端近傍またはこの主ジブの先端
近傍に起伏自在に取付けられた補ジブの先端近傍から補
巻ロープによって吊り下げられた補フックとを有するク
レーンの過負荷防止装置において、上記主ジブガイライ
ンに作用する主ジブガイライン張力を検出する主ジブガ
イライン張力検出手段と、主巻ロープまたは補巻ロープ
に作用する主巻ロープ張力または補巻ロープ張力を検出
するロープ張力検出手段と、上記主ジブガイライン張力
検出手段とロープ張力検出手段とによって検出した各張
力から主フックの吊荷による負荷または補フックの吊荷
による負荷を演算する負荷演算手段と、この負荷演算手
段によって演算した主フックの吊荷による負荷が主フッ
クの吊荷による定格負荷を超えた場合、上記負荷演算手
段によって演算した補フックの吊荷による負荷が補フッ
クの吊荷による定格負荷を超えた場合、または主ジブガ
イライン張力が主ジブ定格ガイライン張力を超えた場合
に過負荷警報を発する過負荷警報手段とを備えたことを
特徴とするクレーンの過負荷防止装置。 - 【請求項4】 過負荷警報手段が過負荷警報を発した場
合にクレーンの運転を自動停止する自動停止手段をさら
に備えたことを特徴とする請求項3に記載のクレーンの
過負荷防止装置。 - 【請求項5】 主フックの吊荷による負荷が主フックの
吊荷による定格負荷を超えた場合、補フックの吊荷によ
る負荷が補フックの吊荷による定格荷重を超えた場合、
または主ジブガイライン張力が主ジブ定格ガイライン張
力を超えた場合に、上記何れの場合かを個別に表示する
過負荷警報表示部をさらに備えたことを特徴とする請求
項3に記載のクレーンの過負荷防止装置。 - 【請求項6】 主フックの吊荷による負荷、補フックの
吊荷による負荷、または主ジブガイライン張力が、各定
格負荷より低い予め定められた範囲内に入ったとき個別
に表示する過負荷予報表示部をさらに備えたことを特徴
とする請求項3に記載のクレーンの過負荷防止装置。
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JP04924698A JP3433667B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | クレーンの過負荷防止方法およびその過負荷防止装置 |
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JPH11246178A JPH11246178A (ja) | 1999-09-14 |
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Family
ID=12825509
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JP04924698A Expired - Fee Related JP3433667B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | クレーンの過負荷防止方法およびその過負荷防止装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007326662A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Kobelco Cranes Co Ltd | クレーンの過負荷防止方法及び装置 |
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-
1998
- 1998-03-02 JP JP04924698A patent/JP3433667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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