JP5398927B1 - クレーンの操作支援方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 先端側ペンダントを所望の折り畳み状態で格納させる。
【解決手段】 操作支援装置28は、ブームとジブの内角の第一目標角度と、より小さい内角の第二目標角度を記憶する目標角度記憶部30と、制御器33と、制御器33の指令により操作指示を出力する指示出力部34を備える。制御器33は、フロントアタッチメントの作業状態からの倒し操作が、第一目標角度で安定して実施可能な場合は、第一目標角度でジブの先端部を接地させる指示を出力させる。一方、不安定な場合は、第二目標角度でジブの先端部を接地させた後、ブームを下げ操作して地上で第一目標角度にしてから先端側ペンダントを緊張させる指示を出力させる。これにより、フロントアタッチメントは、第一目標角度でジブの先端部が接地し且つ先端側ペンダントが緊張した状態に必ずなる。その後、制御器33は、ブームとジブが水平にさせる操作の指示を出力させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、クレーンのフロントアタッチメントを作業姿勢からブームとジブが地上に配置される状態まで倒す操作を行う際に、オペレータに対して操作手順を指示するクレーンの操作支援方法及び装置に関するものである。
ラフィングジブクレーンは、下部走行体と上部旋回体とからなるクレーン本体に、上記上部旋回体に基端部(フート)を起伏自在に取り付けたブーム(主ジブ)と、該ブームの先端部(ブームトップ)に基端部(フート)を上下方向に回動可能に取り付けたラフィングジブ(以下、単にジブと云う)と、ジブ起伏装置とを備えたフロントアタッチメントを取り付けた構成としてある。
上記ジブ起伏装置は、上記ジブの基端部又は上記ブームの先端部における上記ブームに対し上記ジブが屈曲する方向の外側となる個所に、ジブに近い側より順に配置した前ストラット(前ポストとも称す)と、後ストラット(後ポストとも称す)の基端部が、それぞれ前後方向に回動自在に取り付けてある。なお、本明細書では、上記フロントアタッチメントの各構成部材について、上記ブームに対し上記ジブが屈曲する方向の内側を前、外側を後と云うものとする。
上記前ストラットの先端部は、上記ジブの先端部に、長さ寸法が或る寸法に設定されたジブ支持用の先端側ペンダントを介して連結されている。又、上記後ストラットの先端部は、上記ブームの基端部に、長さ寸法が或る寸法に設定されたジブ支持用の基端側ペンダントを介して接続されている。
更に、上記前ストラットの先端部と、後ストラットの先端部には、それぞれ複数のシーブ(滑車)が設けてある。該各ストラットのシーブ同士の間には、ジブ起伏ドラムより繰り出させたジブ起伏用ロープを、複数条掛けとなるように掛け回すようにしてある。
又、ブームの先端部には、ブーム起伏装置が接続してある(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、上記ラフィングジブクレーンは、通常、フロントアタッチメントを分解した状態で現場への搬入や、現場からの搬出を行うようにしてある。
そのために、上記ラフィングジブクレーンは、現場で使用を開始するには、先ず、上記ブームとジブを、地上で直線状に並べるように配置した状態でフロントアタッチメントを組み立てると共に、該フロントアタッチメントのクレーン本体への取り付けを行う。
その後、上記ラフィングジブクレーンでは、上記地上で組立てたフロントアタッチメントの上記ブームとジブを、地上より引き起こして、ブームを或る角度範囲で立てるよう配置し、且つ該ブームの先端部よりジブを斜め上方に展開させたクレーン作業姿勢(以下、単に作業姿勢と云う)を取らせるようにしてある。
このフロントアタッチメントの引き起こし操作は、ジブの先端を地面につけた状態でブームを引き起こして、ブームに対してジブが予め設定してある或る角度で屈曲した姿勢となるようにし、次いで、上記ジブのブームに対する相対角度を保持した状態でブームを更に引き起こして、ジブを地面から離し、その後、上記ジブを引き上げてブームに対して展開させて、作業姿勢をとらせるようにしてある。
なお、上記フロントアタッチメントを構成するブームとジブの引き起こし操作について、操作時の転倒や破損等の事故を防止するためのクレーンの安全装置が、従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
一方、上記ラフィングジブクレーンは、クレーン作業が終了して、フロントアタッチメントの分解を行うときには、上記ブームとジブを、上記作業姿勢から、該ブームとジブが地上に直線状に並べて配置される状態となるまで倒す操作が必要になる。
この種のフロントアタッチメントの倒し操作の1つとして、たとえば、タワージブクレーンについては、先ず、ブームをほぼ地面に垂直な作業姿勢と同様に保持した状態で、ジブのみを下げ操作して、該ジブの先端部を地面に設置させる。その後、上記ジブの先端部を、転輪等の滑動手段により地面に沿わせて前方へ滑動させながら、上記ブームを前方へ倒すようにして、該ブームとジブを地上で伸展状態とさせるようにする手法が従来提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
ところで、上記フロントアタッチメントにおけるジブ起伏装置では、近年、ジブ支持用の先端側ペンダントとして、従来、一般的に用いられていたワイヤロープに代えて、複数のリンク部材を屈曲可能に順次接続してなる構成のリンク形式の先端側ペンダントが用いられることがある。なお、上記リンク部材同士が屈曲する方向は、上記前ストラットのジブに対する回動方向と平行な方向とされている。
特開2007−290787号公報 特公平3−67957号公報 特開2002−46981号公報
ところが、特許文献3に示されたフロントアタッチメントの倒し操作では、ブームを立てたまま、一旦、ジブのみを該ジブの先端部が接地するまで一律に下げ操作する必要があり、その後、ブームとジブが地上で直線状の配置とされるまで、該ブームとジブの角度を開くようにするものであるため、上記ジブを前後方向に回動させる角度が大きくなり、よって、フロントアタッチメントの倒し操作に要する操作量が多く、作業時間が長くなってしまうという問題がある。
すなわち、たとえば、ブームとジブが共に短くて、フロントアタッチメントよりクレーン本体に作用するモーメントが小さい場合には、本来、ジブをあまり折り畳まずに倒し操作できるはずであるが、上記特許文献3に記載されたものでは、上記一律の操作であるため、操作量や作業時間が増大してしまう。
なお、ブームとジブの組み合わせにより、フロントアタッチメントよりクレーン本体に作用するモーメントが小さい場合に、その都度、ブーム対してジブを折り畳まずに安定した倒し操作が可能なブームとジブの相対角度の範囲を探ることは可能であるが、この場合は、操作が煩雑になり、作業時間が増大してしまう。
一方、種々のブームとジブの組み合わせに関して、ブームに対してジブを折り畳まずに安定した倒し操作が可能なブームとジブの相対角度を予め算出しておき、使用するブームとジブの組み合わせに応じてオペレータがその角度を確認することも可能であるが、この場合は、均一な角度ではないためにミスを生じ易い。
なお、特許文献2には、フロントアタッチメントのブームとジブを引き起こすときに、事故を防止する考えは示されているが、フロントアタッチメントの倒し操作の際の操作量の低減化や、作業時間の短縮化を図る考えは示されていない。
特許文献1には、フロントアタッチメントを起伏させる操作に関する考えは、特に示されていない。
ところで、前記したリンク形式の先端側ペンダントは、屈曲可能な部分(関節部)が、長手方向に配列されたリンク材同士の連結部分に限定されているために、以下のような特性がある。
すなわち、上記リンク形式の先端側ペンダントを備えた形式のフロントアタッチメントは、引き起こす操作を行うとき、上記リンク形式の先端側ペンダントは、弛んでいる状態から緊張状態とさせられるので、この場合は、隣接するリンク部材同士の間の関節部は、屈曲状態から直線的に伸展した1つの姿勢に収束するようになる。このため、上記リンク形式の先端側ペンダントは、弛んだ状態のときに各リンク部材がどのように折り畳まれていても、該先端側ペンダントを伸ばして緊張させることに特に問題は生じない。
これに対し、上記フロントアタッチメントを作業姿勢から倒す操作では、ブームとジブを地上で伸ばす際に、上記リンク形式の先端側ペンダントの緊張が緩むようになるため、該先端側ペンダントを構成している各リンク部材同士の間の関節部が屈曲するようになる。この際、関節部が屈曲する方向は、該関節部が屈曲を開始する時点での該関節部の両側のリンク部材の姿勢(重力の作用方向に対する傾き)や、動き(慣性)の影響を受ける。
そのために、上記リンク形式の先端側ペンダントを備えたフロントアタッチメントでは、上記倒す操作を行うときに、該先端側ペンダントが緊張状態から弛み始めるときのブームとジブの角度姿勢や、動作速度等のばらつきに起因して、上記リンク形式の先端側ペンダントの各関節部の屈曲させられる方向が必ずしも一定にならない虞が生じる。この場合、上記リンク形式の先端側ペンダントに所望される格納姿勢が、上記フロントアタッチメントのブームとジブを地上に倒した後、前ストラットを前倒し姿勢とするときに、該先端側ペンダントの各リンク部材を、ジブの後側に沿う位置で且つ前ストラットよりも前側となる位置に折り畳んで配置させる格納姿勢であるとしても、たとえば、或る1つの関節部が、所望する屈曲方向とは逆の方向へ屈曲してしまうと、上記所望の格納姿勢とすることが困難になってしまうというのが実状である。
そこで、本発明は、フロントアタッチメントの作業姿勢からの倒し操作の開始に伴うジブの起伏動作を行わせる角度を少なくすることができて、フロントアタッチメントの倒し操作の際の操作量の低減化を図ることができ、しかも、フロントアタッチメントの倒し操作について、オペレータによる操作手順の均一化、単純化を図ることができて、フロントアタッチメントの倒し操作に要する時間の短縮化を図ることができるようにし、更には、フロントアタッチメントの倒し操作に伴って先端側ペンダントを一定の格納姿勢に折り畳むことができるようにするためのクレーンの操作支援方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、ブームとジブの相対角度について予め設定される第一目標角度と、上記第一目標角度に比してブームに対するジブの屈曲量がより大きくなる第二目標角度とを記憶する目標角度記憶部と、フロントアタッチメントを構成するブームとジブのブーム長さとジブ長さの組み合わせが、該フロントアタッチメントを、上記ブームとジブの相対角度を上記第一目標角度に保持した状態で、作業姿勢からジブの先端部が接地する姿勢まで倒す操作を安定して行うことが可能な組み合わせである場合は、制御器に第一処理手順の実施を指示し、その他の組み合わせの場合は、制御器に第二処理手順の実施を指示する処理手順指示部と、上記処理手順指示部より第一処理手順の実施が指示される場合は、先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第一目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次に、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次いで、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えるようにする第一処理手順を実施する機能、及び、上記処理手順指示部より第二処理手順の実施が指示される場合には、先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第二目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次に、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次いで、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、その後、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えるようにする第二処理手順を実施する機能を備えた制御器と、上記制御器からの指令に応じてブームとジブの操作に関する指示を出力する指示出力部とを備えてなる構成を有するクレーンの操作支援装置とする。
又、請求項2に対応して、上記構成において、目標角度記憶部は、フロントアタッチメントについて、ジブの先端部を接地させ、前ストラットの先端部とジブの先端部とを接続した先端側ペンダントにおけるジブ先端寄りの部材を、ジブの後側に沿わせて配置し、且つ上記先端側ペンダントにおける基端寄りの部材を、上記ジブの後側に沿わせて配置されたジブ先端寄りの部材と上記前ストラットとの間に直線的に配置した状態で、該先端側ペンダントの基端寄りの部材が、上端側が下端側よりも或るオフセット寸法分、ジブの基端寄りにオフセットされた角度姿勢となる状態を基準姿勢として、該基準姿勢におけるジブ起伏用ロープの長さを維持した状態で、上記フロントアタッチメントを上記基準姿勢の状態から、ジブの先端部を接地させたまま上記先端側ペンダントを緊張状態に伸ばした状態まで動作させたときのブームとジブとの相対角度について予め算出された結果を、第一目標角度として記憶するものとした構成とする。
更に、請求項3に対応して、上記各構成において、目標角度記憶部は、フロントアタッチメントを構成するブームのブーム長さと、ジブのジブ長さの使用可能な組み合わせのうち、フロントアタッチメントより該フロントアタッチメントが取り付けてあるクレーン本体に作用するモーメントが最大になる組み合わせを採用した場合であっても、クレーン本体に転倒の虞がない状態で、該フロントアタッチメントを作業姿勢からジブの先端部が接地するまで倒す操作が可能となるブームとジブの相対角度を、第二目標角度として記憶するものとした構成とする。
更に又、請求項4に対応して、上記各構成において、制御器は、第二処理手順にて、ブームとジブの相対角度が第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えた後、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、前ストラットの先端部とジブの先端部とを接続した先端側ペンダントを緊張させる操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与える機能を備えるようにした構成とする。
更に又、請求項5に対応して、上述の各構成において、制御器は、第二処理手順にて、ブームとジブの相対角度が第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えた後、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、ブーム起伏操作を自動的に停止させる機能を備えるようにした構成とする。
又、請求項6に対応して、ブームとジブの相対角度について予め設定される第一目標角度と、上記第一目標角度に比してブームに対するジブの屈曲量がより大きくなる第二目標角度とを目標角度記憶部に記憶させ、フロントアタッチメントを構成するブームとジブのブーム長さとジブ長さの組み合わせが、該フロントアタッチメントを、上記ブームとジブの相対角度を上記第一目標角度に保持した状態で、作業姿勢からジブの先端部が接地する姿勢まで倒す操作を安定して行うことが可能な組み合わせである場合は、制御器により第一処理手順を実施させる一方、その他の組み合わせの場合は、上記制御器に第二処理手順を実施させるようにし、上記第一処理手順では、先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第一目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、次に、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、次いで、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させるようにし、上記第二処理手順では、先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第二目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、次に、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、次いで、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、その後、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させるようにするクレーンの操作支援方法とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)請求項1の構成を有するクレーンの操作支援装置としてあるので、フロントアタッチメントを作業姿勢から地上まで倒す操作を行うときに、オペレータに向けて、各操作段階で次に行うべき操作を順次指示することができる。又、この指示に従った操作の結果として、フロントアタッチメントのブーム長さとジブ長さの組み合わせが、ブームとジブの相対角度を第一目標角度とした状態でのフロントアタッチメントの倒し操作時に安定性を得られる組み合わせである場合は、ブームに対するジブの相対角度を上記第一目標角度に保持した状態で、上記ジブの先端部が接地するようになるまでのフロントアタッチメントの倒し操作を実施することができる。したがって、この場合は、上記フロントアタッチメントの作業姿勢からの倒し操作に伴う上記ジブの起伏動作を行わせる角度を少なくすることができる。更に、オペレータの操作については、操作手順の均一化、単純化を図ることができる。よって、フロントアタッチメントの倒し操作に要する時間の短縮化を図ることができる。
(2)又、請求項2の構成によれば、先端側ペンダントは、フロントアタッチメントをブームとジブが地上で直線状に並べて配置される状態まで倒し、前ストラットを上記ジブの上側に沿うように前倒し姿勢とさせるときに、該先端側ペンダントの部材を、上記ジブの後側に沿う位置で且つ上記前ストラットの前側となる位置に折り畳んだ姿勢で格納させることができる。
(3)更に、請求項3の構成によれば、フロントアタッチメントを構成するブームとジブのブーム長さとジブ長さの組み合わせが、ブームとジブの相対角度を第一目標角度に保持した状態で、作業姿勢からジブの先端部が接地する姿勢まで倒す操作を安定して行うことが可能な組み合わせ以外の場合に、制御器による第二処理手順の実施に伴い、ブームとジブの相対角度を第二目標角度に保持した状態で、作業姿勢からジブの先端部が接地する姿勢まで倒す操作を安定して行うことができる。
(4)更に又、請求項4の構成によれば、オペレータが指示出力部の指示に従う結果、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度になる状態でジブの先端部が接地する状態まで倒したフロントアタッチメントについて、上記ブームとジブの相対角度が第一目標角度になり、且つ先端側ペンダントが緊張する状態を、一旦とらせることができる。よって、上記先端側ペンダントの折り畳みについては、上記(2)と同様の効果を得ることができる。
(5)更に又、請求項5の構成とすることにより、ブームとジブの相対角度を第二目標角度とした状態で、フロントアタッチメントを、ジブの先端部が接地するようになるまで倒し操作した後に、地上でブームとジブとを伸ばすときに、該ブームとジブの相対角度が第一目標角度になる状態で自動的に一旦停止させることができる。よって、上記ブームとジブの相対角度が第一目標角度になった状態で、先端側ペンダントを緊張させる操作を容易に且つより確実に実施させることができる。
(6)請求項6の構成を有するクレーンの操作支援方法によれば、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
本発明のクレーンの操作支援方法及び装置の実施の一形態を示すブロック図である。 図1の操作支援装置における制御器の処理手順を示すフロー図である。 図2の制御器の処理手順におけるペンダント設定工程を示すフロー図である。 図1の操作支援装置を適用するクレーンの概要を示す図である。 図1の操作支援装置に設定する第一目標角度について説明するための図で、(a)はフロントアタッチメントにて、ジブの先端部を接地させ、且つジブ支持用の先端側及び基端側の各ペンダントを共に緊張させた状態を示す概要図、(b)は(a)の状態から地上でブームとジブの内角を開くことにより先端側ペンダントを弛ませたときに、該先端側ペンダントの先端寄りのリンク部材が、アウタジブとインサートの後側に沿って配置され、且つ基端寄りリンク部材が、前ストラットの先端部とインナジブの先端部付近との間に直線的に並ぶように配置された状態を示す概要図、(c)はフロントアタッチメントを倒して先端側ペンダントを折り畳んで格納した状態を示す概要図である。 図1の操作支援装置に設定される第一目標角度の導出を説明するための図で、(a)は先端側ペンダントの先端寄りのリンク部材がジブの後側に沿って配置され、且つ基端寄りリンク部材が、前ストラットの先端部とインナジブの先端部付近との間に直線的に並ぶように配置された状態を示す概要図、(b)(c)は(a)と同様の相対配置としたジブと前ストラットと先端側ペンダントを、それぞれ異なるジブ角度に配置した状態を示す図である。 図2のフロー図における第一処理手順にしたがって操作されるときのクレーンのフロントアタッチメントの状態を示すもので、(a)はフロントアタッチメントの倒し操作を行うときの初期状態を示す概要図、(b)はブームとジブの内角を125度にした状態を示す概要図、(c)はブームとジブの内角を125度に保持した状態でフロントアタッチメントをジブの先端部が接地するまで倒した状態を示す概要図、(d)はジブの先端部を接地させながらブームを更に倒した状態を示す概要図、(e)はフロントアタッチメントを倒してブームとジブを地上で直線状に並ぶよう配置させた状態を示す概要図である。 図2のフロー図における第二処理手順にしたがって操作されるときのクレーンのフロントアタッチメントの状態を示すもので、(a)はフロントアタッチメントの倒し操作を開始するときの初期状態を示す概要図、(b)はブームとジブの内角を83度にした状態を示す概要図、(c)はブームとジブの内角を83度に保持した状態でフロントアタッチメントをジブの先端部が接地するまで倒した状態を示す概要図、(d)はジブの先端部を接地させながらブームとジブの内角が125度になるまでブームを倒した状態を示す概要図、(e)はジブの先端部を接地させながらブームを更に倒した状態を示す概要図、(f)はフロントアタッチメントを倒してブームとジブを地上で直線状に並ぶよう配置させた状態を示す概要図である。 ブームとジブの長さに応じた安定性判断テーブルを示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図9は本発明のクレーンの操作支援方法及び装置の実施の一形態を示すものである。
ここで、先ず、本発明のクレーンの操作支援方法及び装置の適用対象とするラフィングジブ形式のクレーンの構成について概説する。
上記クレーンは、図4に示すように、下部走行体2と上部旋回体3とからなるクレーン本体1に、ブーム5とジブ6とジブ起伏装置7とを備えた構成のフロントアタッチメント4を取り付けた構成としてある。
上記ブーム5は、インナブーム(基端側部材)5aとブームトップ(先端側部材)5bを備えている。更に、上記ブーム5は、上記インナブーム5aとブームトップ5bとの間に、単数又は複数のインサート(継ぎ部材)5cを連結すること、及び、長さの異なるインサート5cを適宜選択して用いることにより、ブーム長さLB(図5(a)参照)を段階的に変更可能な構成としてある。なお、図4では、上記ブーム5は、上記インナブーム5aとブームトップ5bとの間に、通常形式とテーパ形式の2つのインサート5cを介装させた構成が示してある。
上記ブーム5の基端部となる上記インナブーム5aの基端部は、上記クレーン本体1の上部旋回体3に、起伏自在に取り付けてある。
上記ジブ6は、インナジブ(基端側部材)6aとアウタジブ(先端側部材)6bとからなる構成を、ジブ長さの基本長さとしてある。更に、上記ジブ6は、上記インナジブ6aとアウタジブ6bとの間に、単数又は複数のインサート(継ぎ部材)6cを連結すること、及び、長さの異なるインサート6cを適宜選択して用いることにより、ジブ長さLJ(図5a参照)を段階的に変更可能な構成としてある。なお、図4では、上記ジブ6は、インサート6cを単数とした場合の構成が示してある。
上記ジブ6の基端部となる上記インナジブ6aの基端部は、上記ブーム5の先端部(ブームトップ5bの先端部)に、上下方向に回動可能に取り付けてある。
上記ジブ起伏装置7は、上記ジブ6の基端部8の上側に、前ストラット9の基端部が、前後方向に回動自在に取り付けてある。
又、上記ブーム5の先端部10には、後ストラット11の基端部が、前後方向に回動可能に取り付けてある。
更に、上記前ストラット9は、その先端部が、上記ジブ6の先端部に、長さ寸法が或る寸法に設定されたジブ支持用の先端側ペンダント12を介して連結されている。上記後ストラット11は、その先端部が、上記ブーム5の基端部に、長さ寸法が或る寸法に設定されたジブ支持用の基端側ペンダント13を介して連結されている。
上記前ストラット9の先端部には、複数のシーブ14が設けてある。同様に、後ストラット11の先端部には、複数のシーブ15が設けてある。
上記前後の各ストラット9と11の各シーブ14と15同士の間には、図示しないジブ起伏ドラムより繰り出したジブ起伏用ロープ16が、複数条掛けとなるように交互に掛け回してある。
以上の構成としてあるジブ起伏装置7によれば、クレーン作業時には、ブーム5の先端部に取り付けてあるジブ6の先端側が、該ジブ6の先端部と上記前ストラット9との間で緊張する先端側ペンダント12と、前ストラット9と後ストラット11のシーブ14と15同士の間に複数条掛けしてある上記ジブ起伏用ロープ16と、後ストラット11とブーム5の基端部との間で緊張する基端側ペンダント13により支えられるようにしてある。この際、上記前ストラット9は、上記先端側ペンダント12の緊張によりジブ6に対する相対角度が固定され、上記後ストラット11は、上記基端側ペンダント13の緊張によりブーム5に対する相対角度が固定されるようになる。
よって、この状態で、上記図示しないジブ起伏ドラムにより上記ジブ起伏用ロープ16を巻き取る場合は、上記前ストラット9と後ストラット11の間隔を縮小させて、上記ブーム5の先端側で上記ジブ6を上方向(起立方向)へ動作させることができるようにしてある。
一方、上記ジブドラムより上記ジブ起伏用ロープ16を繰り出す場合は、上記前ストラット9と後ストラット11の間隔を拡大させて、上記ブーム5の先端側で上記ジブ6を下方向(倒す方向)へ動作させることができるようにしてある。
又、上記ジブ起伏装置7は、クレーン非作業時であって、図7(e)や図8(f)に示すように、上記ジブ6とブーム5とを地上で直線状に並べて配置させる状態とするときには、上記先端側ペンダント12を、前方へ回動させて、ジブ6のインナジブ6aの後側(上側)に沿わせた前倒し姿勢に格納することができるようにしてある。
上記先端側ペンダント12は、複数のリンク部材17,17a同士を屈曲可能に順次接続したリンク形式としてある。この際、上記各リンク部材17,17a同士の間の屈曲可能な関節部(図示する便宜上、図中に×で示してある)は、上記前ストラット9の回動方向と平行な方向に屈曲可能となるようにしてある。
更に、上記先端側ペンダント12は、図5(b)に示すように、上記複数のリンク部材17,17aのうち、ジブ6の先端寄りに配置されているリンク部材17から順に、アウタジブ6bとインサート6cの後側(上側)に設けてある図示しない受け部材に受けさせることができるようにしてある。且つ、該先端側ペンダント12は、ジブ6の最も基端寄りに配置されているインサート6c(インサート6cを接続しない構成のジブ6の場合はアウタジブ6b)に設けた図示しない受け部材に受けられるリンク部材17の基端部と、上記前ストラット9の先端部との間に、複数個、好ましくは、図5(b)に示す如く、3個のリンク部材17aが配置されるようにした構成としてある。これらの先端側ペンダント12の基端寄りに配置されている各リンク部材17aは、基端寄りリンク部材17aと云うものとする。
上記ブーム5には、ブーム起伏装置18が取り付けてある。
上記ブーム起伏装置18は、上記ブーム5の先端部に上端部(一端部)を接続した長さ寸法が或る寸法に設定されたブーム支持用ペンダント19と、該ブーム支持用ペンダント19の下端部に接続したイコライザ20と、クレーン本体1のAフレーム22に取り付けたヨーク23と、図示しないブーム起伏ドラムより繰り出して、上記イコライザ20の複数のシーブ21と上記ヨーク23の複数のシーブ24との間に複数条掛けとなるように交互に掛け回したブーム起伏用ロープ25とからなる構成としてある。
かかる構成としてあるブーム起伏装置18では、上記図示しないブーム起伏ドラムよりブーム起伏用ロープ25を繰り出すと、上記ブーム5の先端部にブーム支持用ペンダント19を介して取り付けられたイコライザ20と、Aフレーム22のヨーク23との間隔を拡大させることに伴って、上記ブーム5を倒す方向に操作できるようにしてある。
一方、上記ブーム起伏ドラムよりブーム起伏用ロープ25を繰り出す場合は、上記イコライザ20と、Aフレーム22のヨーク23との間隔を縮小させることに伴って、上記ブーム5を起立させる方向に操作できるようにしてある。
なお、図4における符号26は、上記イコライザ20を支持するためにクレーン本体1に設けたマストである。又、符号27は、上記ジブ6の先端部より吊降ろす主吊具である。更に、上記クレーンは、図示してないが、主巻ドラム、補巻ドラム、補吊具、ブーム角度検出手段、ジブ角度検出手段等、クレーン作業を行うために必要とされる機器を装備しているものとする。
以上の構成としてあるクレーンに適用する本発明のクレーンの操作支援装置(以下、単に、本発明の操作支援装置と云う)は、図1に符号28で示すもので、入力部29と、目標角度記憶部30と、安定性判断部31と、処理手順指示部32と、制御器33と、指示出力部34とを備えた構成としてある。
上記入力部29は、上記クレーンのフロントアタッチメント4を構成するブーム5のブーム長さLB、及び、ジブ6のジブ長さLJを入力するためのものである。
上記目標角度記憶部30は、後述するようにブーム5とジブ6との相対角度について設定される第一目標角度αと第二目標角度βを記憶させるためのものである。
上記安定性判断部31は、上記入力部29に入力された上記ブーム5のブーム長さLBと、ジブ6のジブ長さLJの組み合わせを基に、ブーム5とジブ6の相対角度を上記第一目標角度αに保持した状態で、フロントアタッチメント4の作業姿勢から、ジブ6の先端部が接地するまでの倒す操作を安定に実施できるか、否かという安定性を判断するためのものである。
上記処理手順指示部32は、上記安定性判断部31での判断に応じて、上記制御器33に対して、図2及び図3で後述する第一処理手順SAと第二処理手順SBのいずれを実施させるかの指示を行うためのものである。
上記制御器33は、上記処理手順指示部32からの指示に応じて、上記第一処理手順SA、又は、第二処理手順SBによる処理を、上記目標角度記憶部30に記憶された上記第一目標角度αと第二目標角度βに基づいて実施するものである。
上記指示出力部34は、上記制御器33からの指令に基づいて、クレーンのオペレータに対して操作を促す指示を出力するためのもので、たとえば、クレーンの運転室に設けたディスプレイ(図示せず)に操作の指示を表示するようにしてある。
ここで、上記目標角度記憶部30に記憶させる上記第一目標角度αについて説明する。
図5(a)は、フロントアタッチメント4の概要図で、ジブ6の先端側を地面に接地させた状態で、且つ前ストラット9とジブ6の先端部との間で先端側ペンダント12を緊張させると共に、後ストラット11とブーム5の基端部との間で基端側ペンダント13を緊張させた状態を示している。θBはブーム角、θJはジブ角(先端部を接地させたジブ6の先端部側を基準とする対地角度)、θiはブーム5とジブ6の内角である。なお、図5(a)では、図示する便宜上、ブーム5とジブ6の構成、及び、ジブ起伏装置7の構成は適宜簡略化して示してあり、又、ブーム5の基端部が取り付けてあるクレーン本体1の記載は省略してある(後述する図5(b)(c)も同様)。
上記図5(a)の状態では、ブーム5と後ストラット11と基端側ペンダント13で形成される三角形状は、該各部材5,11,13の既定の寸法から、幾何学的に3辺の長さが定まる。このため、該三角形状は、ブーム角θBが変化しても一定に保持される。
次に、上記図5(a)の状態から、上記ブーム5と後ストラット11と基端側ペンダント13の三角形状を保持したまま、ブーム5を倒し方向に操作すると、ジブ6の先端部が既に接地しているため、ブーム5とジブ6との間が次第に開くようになり、これに伴って、先端側ペンダント12には、次第に弛みが生じるようになる。
したがって、上記図5(a)の状態からのブーム5の倒し操作を行うと、上記先端側ペンダント12に弛みが生じることに伴って、或る時点で、フロントアタッチメント4に、図5(b)に示す如き姿勢(以下、基準姿勢と云う)をとらせることができるようになる。
上記図5(b)の基準姿勢は、上記図5(a)に示した状態に比して、ブーム5とジブ6の内角θiが増加している。更に、上記弛みが生じる先端側ペンダント12は、ジブ6の先端寄りのリンク部材17から順に、アウタジブ6bとインサート6cの後側(上側)に沿わせて配置させて、該アウタジブ6bとインサート6cの対応する個所に設けてある図示しない受け部材に受けさせるようにしてある。且つ上記インサート6cの受け部材に受けられたリンク部材17の基端部と、上記前ストラット9の先端部との間には、上記3個の基端寄りリンク部材17aが直線的に並べて配置された状態としてある。
ところで、上記図5(b)の基準姿勢では、上記アウタジブ6bとインサート6cの後側に沿って配置されるリンク部材17の長さは定まっているため、ジブ6において、上記インサート6cの受け部材に受けられた上記リンク部材17の基端部が配置される位置pは一定である。又、上記先端側ペンダント12における上記3個の基端寄りリンク部材17aが直線的に並べて配置された部分の長さ、及び、ジブ6の基端部8に取り付けられている上記前ストラット9の長さ寸法は、それぞれ定まっている。
したがって、図6(a)(b)(c)に示すように、上記ジブ6における基端部から上記位置pまで間の部分と、上記直線的に配置された3個の基端寄りリンク部材17aと、上記前ストラット9によって形成される略三角形状(図中に一点鎖線で囲んで示す部分)は、上記各構成部材の寸法から幾何学的に定まるものであるため、ジブ6のジブ角θJが図6(a)(b)(c)のように変化しても、形状は一定である。しかし、上記直線的に配置された3個の基端寄りリンク部材17aの角度姿勢は、上記ジブ角θJの変化に伴って変化する。
ところで、上記先端側ペンダント12は、最終的には、図5(c)に示すように、上記フロントアタッチメント4をブーム5とジブ6が地上で直線状に並ぶように倒した状態で、上記3個の基端寄りリンク部材17aを、インナジブ6aと、該インナジブ6aの後側(上側)に前倒し姿勢に格納させる前ストラット9との間、すなわち、上記ジブ6の位置pよりも基端寄りに折り畳んで格納することが所望される。
これに対し、図6(c)に示すように、上記ジブ6の位置pと前ストラット9の先端部との間で直線的に配置された状態の3個の基端寄りリンク部材17aが、上端側が下端側よりもジブ6の先端に寄った角度姿勢となっている場合は、上記3個繋がった基端寄りリンク部材17aが弛むときに、該各基端寄りリンク部材17aは、自重により上記ジブ6の位置pよりも先端寄りの位置に折り畳まれるようになってしまう。
又、図6(b)に示すように、上記ジブ6の位置pと前ストラット9の先端部との間で直線的に配置された状態の3個の基端寄りリンク部材17aが、鉛直方向に沿った角度姿勢となっている場合は、上記3個繋がった基端寄りリンク部材17aが弛むときに、該各基端寄りリンク部材17aが、上記ジブ6の位置pに対して、基端寄りと先端寄りのいずれの側に折り畳まれるかが不定となってしまう。
そのために、図5(c)に示したように、上記3個の基端寄りリンク部材17aを、上記ジブ6の位置pよりも基端寄りに確実に折り畳むためには、図6(a)に示すように、上記ジブ6の位置pと前ストラット9の先端部との間で直線的に配置された状態の3個の基端寄りリンク部材17aについて、上端側が下端側よりも或るオフセット寸法d分、ジブ6の基端寄りにオフセットされた角度姿勢となっている必要がある。なお、上記或るオフセット寸法dは、上記基端寄りリンク部材17aの形状や重量バランス等に応じて変化するため、経験則から、又は、実験を基に定めるようにすればよい。
したがって、上記図6(a)に示したように、上記ジブ6の位置pと前ストラット9の先端部との間で直線的に配置された状態の3個の基端寄りリンク部材17aについて、上端側が下端側よりも上記或るオフセット寸法d分、ジブ6の基端寄りにオフセットされた角度姿勢となるという条件を満たすためには、上記ジブ6のジブ角θJは、或る角度上限値θJ1以下に設定する必要がある(θJ≦θJ1)。
更に、上記図5(b)に示した基準姿勢において、上記図6(a)で説明した如くジブ6のジブ角θJについて上記或る角度上限値θJ1以下という条件(θJ≦θJ1)を満たすためには、フロントアタッチメント4を構成するブーム5のブーム長さLBと、ジブ6のジブ長さLJが既定であるため(図5(a)参照)、ブーム5に対するジブ6の相対角度について必要とされる条件が定まる。たとえば、図5(b)の基準姿勢におけるブーム5とジブ6の内角θiについては、或る角度下限値θi1の条件が定まるようになる(θi≧θi1)。なお、上記ブーム5とジブ6の内角θiは、上記図示しないブーム角度検出手段とジブ角度検出手段で検出されるブーム角θBとを適宜足し引きすることで求めるようにすればよい。
上記のようにして、図5(b)に示した基準姿勢について、ブーム5とジブ6の内角θiの或る角度下限値θi1の条件(θi≧θi1)が定まると、該図5(b)に示した基準姿勢から、該基準姿勢におけるジブ起伏用ロープ16の長さを維持した状態で、図5(a)に示した如きジブ6の先端側を地面に接地させた状態を維持したまま、前ストラット9とジブ6の先端部との間で上記先端側ペンダント12を直線的に配置された緊張状態になるまで伸ばすという変形に伴うブーム5とジブ6の内角の変化量(増加量)Δθiを、幾何学的計算に基づいて算出することで、図5(a)に示した状態のときのブーム5とジブ6の内角θiについて、図6(a)で説明した条件を満たすための角度下限値の条件が、θi≧θi1+Δθiとして求まる。
ところで、本発明はクレーンのフロントアタッチメント4を作業姿勢から倒すときのオペレータの操作を支援するためのものであり、上記フロントアタッチメント4を倒すときには、ブーム5に対するジブ6の屈曲量をできるだけ大きくした方が、すなわち、上記ブーム5とジブ6の内角θiをできるだけ小さく設定する方が、フロントアタッチメント4よりクレーン本体1に作用するモーメントが小さくなるため、フロントアタッチメント4の倒し操作を行う際のバランスをとるには有利である。
この点に鑑みて、フロントアタッチメント4として採用可能なブーム5のブーム長さLBと、ジブ6のジブ長さLJのすべての組み合わせについて、上記図5(a)に示した状態のときのブーム5とジブ6の内角θiについて、角度下限値の条件であるθi≧θi1+Δθiを算出し、そのすべての角度下限値の条件を満たす内角θiの最小角度を、上記第一目標角度αとして設定するようにしてある。本実施の形態では、一例として、上記第一目標角度αは、上記内角θiとして125度に設定してある。
上記目標角度記憶部30に記憶させる上記第二目標角度βは、上記第一目標角度αに比して、ブーム5に対するジブ6の屈曲量をより増やすためのもので、これにより、該ジブ6を上記ブーム5に対してより接近させた姿勢とすることで、接地していない状態のフロントアタッチメント4よりクレーン本体1に作用するモーメントを、上記第一目標角度αの状態よりも低減させるようにしてある。したがって、該第二目標角度βは、上記第一目標角度αと同様にブーム5とジブ6の内角θiとして設定する場合は、β<αとなる。
この際、上記第二目標角度βとしての上記内角θiは、フロントアタッチメント4を構成するブーム5のブーム長さLBと、ジブ6のジブ長さLJの使用可能な組み合わせのうち、フロントアタッチメント4よりクレーン本体1に作用するモーメントが最大になる組み合わせを採用した場合であっても、クレーン本体1に転倒の虞がない状態で、該フロントアタッチメント4を、作業姿勢から、ジブ6の先端部が接地するまで倒す操作が可能となるように設定してあるものとする。本実施の形態では、一例として、上記第二目標角度βは、上記内角θiとして83度に設定してある。
なお、上記第一目標角度α、及び、第二目標角度βを、ブーム5とジブ6の内角θiに関するものとして設定したのは、以下の理由による。
すなわち、ジブ6の先端部が接地している状態であれば、ブーム長さLBとジブ長さLJが既定であるため、上記ブーム角θB、又は、ジブ角θJのいずれか一方が定まれば、ブーム5とジブ6の相対角度は1つの値に一意に定まる。しかし、上記フロントアタッチメント4の作業姿勢では、ジブ6が接地せずに空中に展開されている状態であるため、上記ブーム角θB、又は、ジブ角θJのいずれか一方のみからでは、ブーム5とジブ6の相対角度を求めることはできない。よって、上記ブーム5に対するジブ6の相対角度についての条件を示すためのパラメータ(変数)としては、上記ブーム角θBとジブ角θJの簡単な足し引きによって算出が容易な内角θiを用いることが好適なためである。
上記安定性判断部31は、たとえば、本発明の操作支援装置28を適用するクレーンにおいて、ブーム5とジブ6との相対角度を上記第一目標角度αとしての内角θi=125度にした状態で、フロントアタッチメント4を、作業姿勢から、ジブ6の先端部が接地するまで倒す操作が安定して実施可能か、又は、安定度が不足するために実施不可能かという判断の基準を、前述したように段階的に変更可能なブーム5の各ブーム長さLBと、段階的に変更可能なジブ6の各ジブ長さLJとの組み合わせ毎に、たとえば、図9に示す如き安定性判断テーブル35として、予め、判断テーブル記憶部31aに記憶させて備える構成としてある。なお、図9では、一例として、ブーム長さLBは、LB<LB<・・・<LB15と段階的に変化し、ジブ長さLJは、LJ<LJ<・・・<LJと段階的に変化する場合について示してある。なお、実際にフロントアタッチメント4で使用するブーム5のブーム長さLBについて段階的に変更可能な数と、ジブ6のジブ長さLJについて段階的に変更可能な数に応じて、上記安定性判断テーブル35の段数と列数は適宜変更してよいことは勿論である。
これにより、上記安定性判断部31では、上記入力部29にフロントアタッチメント4で使用するブーム5のブーム長さLBとジブ6のジブ長さLJが入力されると、上記判断テーブル記憶部31aに記憶させてある上記安定性判断テーブル35を参照して、上記ブーム長さLBとジブ長さLJが入力されたブーム5とジブ6の組み合わせについて、上記第一目標角度αである内角θi=125度に保持した状態でのフロントアタッチメント4の倒し操作の安定度が十分であるか否かを判断して、その判断結果を上記処理手順指示部32へ出力するようにしてある。
上記処理手順指示部32は、上記安定性判断部31より安定度が充分であるという判断結果が入力される場合は、上記制御器33に対して、図2における第一処理手順SAでの処理を実施するよう指示を与え、一方、上記安定性判断部31より安定度が充分ではないという判断結果が入力される場合は、上記制御器33に対して、図2における第二処理手順SBでの処理を実施するよう指示を与えるようにしてある。
次に、図2及び図3に示す本発明の操作支援装置28による処理の手順に即して、上記制御器33及び指示出力部34の機能について説明する。
上記制御器33は、図2に示すように、フロントアタッチメント4の倒し操作を開始すると、先ず、クレーン作業が可能な範囲内で、上記ブーム5を或る角度前方に傾斜させた初期姿勢、たとえば、該ブーム5の水平面からの傾斜角度であるブーム角θBが70度となる初期姿勢を取らせるための操作を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える(ステップS1)。
次に、上記制御器33は、ステップS2へ進んで、図示しないブーム角度検出手段で検出される上記ブーム5のブーム角θBの実測値を、一例として、上記初期姿勢とするブーム角θBの目標値70度とを比較して、両者のずれが、予め設定してある±数度の許容角度範囲内、たとえば、±2度以内であるか否かを判断し、±2度の範囲を超えている場合は、上記ステップS1に戻って、該ステップS1とステップS2の処理を順次繰り返して行うようにする。
これにより、上記制御器33で上記ステップS1とステップS2が繰り返されている期間は、上記指示出力部34に、該制御器33より上記ブーム5の上げ又は下げの操作に対する指示の出力指令が継続して与えられるようになる。したがって、この期間、上記指示出力部34は、クレーンの運転室に設けた図示しないディスプレイに、ブーム角θBの実測値が、上記初期姿勢での目標値70度となるようにブーム5の操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、上記ブーム角θBの実測値が68度未満のときには、「ブーム角70度までブーム上げ」というメッセージを表示させ、一方、上記ブーム角θBの実測値が72度を超えているときには、「ブーム角70度までブーム下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示される指示に従ってブーム5を起伏方向に操作すると、図7(a)に示す如き初期状態になり、上記ブーム角θBの実測値は、70度±2度以内になる。
この時点で、上記制御器33では、上記ステップS2において、ブーム角θBの実測値と、上記初期姿勢での目標値70度とのずれが許容角度範囲内と判断されるようになるため、該制御器33は、上記指示出力部34へのブーム5を初期姿勢とさせるための指示の出力指令を停止してから、以降の(下流側の)処理ステップへ進む。
ここで、前述したように、上記入力部29にブーム長さLB及びジブ長さLJが入力されると(ステップS4)、それに基づいて、安定性判断部31で上記第一目標角度αでのフロントアタッチメント4の倒し操作の安定度が充分であるか否かの判断がなされ(ステップS5)、安定度が充分であると判断された場合は、上記処理手順指示部32より上記制御器33に対して第一処理手順SAでの処理を実施するよう指示が与えられるようになる。
上記のようにして処理手順指示部32より第一処理手順SAの処理の実施の指示が与えられると、上記制御器33は、図2における第一処理手順SAを開始する。
この第一処理手順SAでは、上記制御器33は、先ず、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度を目標値として、ジブ6の下げ操作(下げ方向の起伏操作)を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える(ステップSA1)。なお、ラフィングジブクレーンの通常のクレーン作業姿勢では、ブーム5のブーム角θBを70度とするときに、内角θiは、125度よりも小さくなることはない。よって、上記ステップSA1では、上記内角θiを125度とするためのジブ6の操作としては、下げ方向の操作を促すのみでよい。
次に、上記制御器33は、ステップSA2へ進んで、上記ブーム角θBの実測値とジブ角θJの実測値との差から算出される上記内角θiの実測値を、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度と比較して、両者のずれが、予め設定してある+数度の許容角度範囲内、たとえば、+2度以内であるか否かを判断し、+2度を超えている場合は、上記ステップSA1に戻って、該ステップSA1とステップSA2の処理を順次繰り返して行うようにする。
これにより、上記制御器33で上記ステップSA1とステップSA2が繰り返されている期間は、上記指示出力部34には、該制御器33より上記ジブ6の下げ操作に対する指示の出力指令が継続して与えられるようになる。したがって、この期間、上記指示出力部34は、上記図示しないディスプレイに、上記内角θiの実測値が、上記第一目標角度αである内角θi=125度となるようにジブ6の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、上記内角θiの実測値が127度を超えている場合に、「内角125度までジブ下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってジブ6の下げ操作を行うと、上記初期姿勢としたブーム5のブーム角θB=70度は保持されたままで、図7(b)に示す如き状態になり、上記内角θiの実測値が、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度に対し+2度以内に調整される。
この時点で、上記制御器33では、上記ステップSA2において、内角θiの実測値が、125度+2度の許容角度範囲内と判断されるようになるため、該制御器33は、上記指示出力部34へのジブ6の下げ操作の指示の出力指令を停止してから、ステップSA3へ進む。
上記ステップSA3では、上記制御器33は、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度(許容角度範囲(+2度まで)のずれを含む)を保持したままで、上記ジブ6の先端部が接地するまで上記ブーム5の下げ操作(下げ方向の起伏操作)を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える。
次いで、上記制御器33は、ステップSA4へ進んで、上記内角θiの実測値を監視して、該内角θiの実測値が、上記内角θi=125度(許容角度範囲(+2度まで)のずれを含む)を超えたか、否かを判断し、超えていない場合は、上記ステップSA3に戻って、該ステップSA3とステップSA4の処理を順次繰り返して行うようにする。なお、上記ステップSA4において、内角θiが125度を超えたか、否かを判断基準としているのは、上記ジブ6の先端部が一旦接地すると、その後はジブ6の先端部の位置がそれ以上下方へ変位しないため、ブーム5の下げ操作を継続すると、ブーム5とジブ6の内角θiが上記125度より強制的に拡大させられるようになるためである。
これにより、上記制御器33で上記ステップSA3とステップSA4が繰り返されている期間は、上記指示出力部34には、該制御器33より上記ジブ6の先端部が接地するまでのブーム5の下げ操作に対する指示の出力指令が継続して与えられるようになる。したがって、この期間、上記指示出力部34は、上記図示しないディスプレイに、上記ジブ6の先端部が接地するまでのブーム5の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、上記内角θiの実測値が127度(∵125度+2度(許容誤差))以内に保持されている場合に、「ジブ接地までブーム下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってブーム5の下げ操作を行うと、上記内角θiが、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度に対し+2度以内に保持されたまま、図7(c)に示すように、ジブ6の先端部の接地が行われるようになる。
このようにしてジブ6の先端部の接地が行われると、その後のブーム5下げ操作に伴って、上記制御器33では、上記ステップSA4において、上記内角θiの実測値が127度を超えたと判断されるようになる。このため、その時点で、上記制御器33は、上記指示出力部34へのジブ6接地までのブーム5の下げ操作の指示の出力指令を停止してから、ステップSA5に進む。
上記ステップSA5では、上記制御器33は、上記フロントアタッチメント4が地上でブーム5とジブ6が水平方向に直線状に並ぶ配置となるまで、ブーム5の下げ操作を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える。
これにより、上記指示出力部34では、上記図示しないディスプレイに、上記フロントアタッチメント4が水平に延びた姿勢になるまでブーム5の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、「フロントアタッチメント水平までブーム下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
ここで、上記ジブ6の先端部が接地した時点では、上記ブーム5とジブ6の内角θiは上記第一目標角度αとなっている。又、上記ジブ6の先端部が接地した時点では、ジブ6の支持用の各ペンダント12と13は共に緊張している。したがって、このときのフロントアタッチメント4の姿勢、状態は、図5(a)に示したものと一致する。
したがって、その後、図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってブーム5の下げ操作を行うと、図7(d)に示すように、該ブーム5の下げ操作に伴って、該ブーム5とジブ6が次第に伸びて、内角θiが次第に大きくなり、その過程で、フロントアタッチメント4が上記図5(b)に示した基準姿勢を経てから、図7(e)に示すように、上記ブーム5とジブ6が地上で直線状に並べて配置されるようになる。
上記図5(b)に示した基準姿勢となる時点で、前ストラット9と上記ジブ6の先端部を接続しているリンク形式の先端側ペンダント12を構成している各リンク部材17,17aのうち、先端寄りの各リンク部材17は、上記ジブ6のアウタジブ6bとインサート6cの後側(上側)に設けてある図示しない受け部材に受けられるようになる。
よって、上記図7(e)に示した如くブーム5とジブ6が地上で直線状に並べて配置された後、図5(c)に示したように、上記前ストラット9を上記ジブ6の後側(上側)に沿うように前倒し姿勢に格納すると、上記リンク形式の先端側ペンダント12の各基端寄りリンク部材17aは、上記ジブ6のインナジブ6aと上記前ストラット9との間に所望する折り畳み姿勢で格納されるようになる。
以上により、上記フロントアタッチメント4の作業姿勢から、ブーム5とジブ6を地上に並べて配置させるまでの倒し操作が終了する。
一方、上記ステップS5において、安定度が充分ではないと判断された場合は、上記処理手順指示部32より上記制御器33に対して第二処理手順SBでの処理を実施するよう指示が与えられる。よって、この場合は、上記制御器33は、図2に示す第二処理手順SBを開始する。
この第二処理手順SBでは、上記制御器33は、先ず、上記第二目標角度βとしての内角θi=83度を目標値として、ジブ6の下げ操作を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える(ステップSB1)。この際の指令は、前記したステップSA1の場合と同様の理由により、ジブ6の操作としては下げ方向の操作を促すのみでよい。
次に、上記制御器33は、ステップSB2へ進んで、上記内角θiの実測値を、上記第二目標角度βとしての内角θi=83度と比較して、両者のずれが、予め設定してある+数度の許容角度範囲内、たとえば、+2度以内であるか否かを判断し、+2度の範囲を超えている場合は、上記ステップSB1に戻って、該ステップSB1とステップSB2の処理を順次繰り返して行うようにする。
これにより、上記制御器33で上記ステップSB1とステップSB2が繰り返されている期間は、上記指示出力部34には、該制御器33より上記ジブ6の下げ操作に対する指示の出力指令が継続して与えられるようになる。したがって、この期間、上記指示出力部34は、上記図示しないディスプレイに、上記内角θiの実測値が、上記第二目標角度βである内角θi=83度となるようにジブ6の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、上記内角θiの実測値が85度を超えている場合に、「内角83度までジブ下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってジブ6の下げ操作を行うと、図8(a)に示す上記図7(a)に示したと同様の初期状態としたブーム5のブーム角θB=70度は保持されたままで、図8(b)に示す如き状態になり、上記内角θiの実測値が、上記第二目標角度βとしての内角θi=83度に対し+2度以内に調整される。
この時点で、上記制御器33では、上記ステップSB2において、内角θiの実測値が、83度+2度の許容角度範囲内と判断されるようになるため、該制御器33は、上記指示出力部34へのジブ6の下げ操作の指示の出力指令を停止してから、ステップSB3へ進む。
上記ステップSB3では、上記制御器33は、上記第二目標角度βとしての内角θi=83度(許容角度範囲(+2度まで)のずれを含む)を保持したままで、上記ジブ6の先端部が接地するまで上記ブーム5の下げ操作を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える。
次いで、上記制御器33は、ステップSB4へ進んで、上記内角θiの実測値を監視して、該内角θiの実測値が、上記内角θi=83度(許容角度範囲(+2度まで)のずれを含む)を超えたか、否かを判断し、超えていない場合は、上記ステップSB3に戻って、該ステップSB3とステップSB4の処理を順次繰り返して行うようにする。なお、上記ステップSB4において、内角θiが83度を超えたか、否かを判断基準としているのは、上記ジブ6の先端部が一旦接地すると、その後はジブ6の先端部の位置がそれ以上下方へ変位しないため、ブーム5の下げ操作を継続すると、ブーム5とジブ6の内角θiが、上記83度より強制的に拡大させられるようになるためである。
これにより、上記制御器33で上記ステップSB3とステップSB4が繰り返されている期間は、上記指示出力部34には、該制御器33より上記ジブ6の先端部が接地するまでのブーム5の下げ操作に対する指示の出力指令が継続して与えられるようになる。したがって、この期間、上記指示出力部34は、上記図示しないディスプレイに、上記ジブ6の先端部が接地するまでのブーム5の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、上記内角θiの実測値が85度(∵83度+2度(許容誤差))以内に保持されている場合に、「ジブ接地までブーム下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってブーム5の下げ操作を行うと、上記内角θiが、上記第二目標角度βとしての内角θi=83度に対し+2度以内に保持されたまま、図8(c)に示すように、ジブ6の先端部の接地が行われるようになる。
この際、上記第二目標角度βとしての内角θiが83度の状態は、前述したように、使用可能なブーム5のブーム長さLBとジブ6のジブ長さLJのいかなる組み合わせであっても、フロントアタッチメント4の倒し操作時にクレーン本体1に転倒の虞がない状態であるため、上記ジブ6の先端部が接地するまでのブーム5下げ操作を、クレーン本体1の転倒を回避した状態で確実に実施することができる。
上記のようにしてジブ6の先端部の接地が行われると、その後のブーム5下げ操作に伴って、上記制御器33では、上記ステップSB4において、上記内角θiの実測値が85度(83度+2度)を超えたと判断されるようになる。このため、その時点で、上記制御器33は、上記指示出力部34へのジブ6接地までのブーム5の下げ操作の指示の出力指令を停止する。
次いで、上記制御器33は、図3にサブルーチンとして示す如きペンダント設定工程に進む(ステップSB5)。
上記制御器33は、図3に示すように、上記ペンダント設定工程SB5を開始すると、先ず、上記ブーム5とジブ6の内角θiを、上記ジブ6の接地時の第二目標角度βとしての内角θi=83度より徐々に拡大させて、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度にするまでブーム5の下げ操作を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える(ステップSB501)。
次に、上記制御器33は、ステップSB502へ進んで、上記内角θiの実測値を、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度と比較して、両者のずれが、ゼロであるか否かを判断し、ゼロとなっていない場合は、上記ステップSB501に戻って、該ステップSB501とステップSB502の処理を順次繰り返して行うようにする。
これにより、上記制御器33で上記ステップSB501とステップSB502が繰り返されている期間は、上記指示出力部34には、該制御器33より上記ブーム5の下げ操作に対する指示の出力指令が継続して与えられるようになる。したがって、この期間、上記指示出力部34は、上記図示しないディスプレイに、上記内角θiの実測値が、上記第一目標角度αである内角θi=125度となるようにブーム5の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、上記内角θiの実測値が、上記ジブ6接地時の内角θiである83度から、125度までの間となっている場合に、「内角125度までブーム下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってジブ6の下げ操作を行うと、図8(d)に示すように、上記ブーム5と、先端部が接地しているジブ6との間の内角θiの実測値が、上記第一目標角度αとしての内角θi=125度まで拡大される。
なお、この際、上記ブーム5の下げ操作をブーム起伏装置18(図4参照)で行うときには、上記したようにブーム5とジブ6の内角θiが開くことに伴い、ジブ起伏装置7の先端側及び基端側のペンダント12,13同士の相対角度が小さくなる。よって、この場合は、図示しないジブドラムによってジブ起伏用ロープ16(図4参照)を巻き取る操作を適宜併せて行うことで、上記各ペンダント12,13及び上記ジブ起伏用ロープに過度の弛みが生じないようにさせるものとする。
上記ブーム5の下げ操作により上記内角θiが上記第一目標角度αである125度になると、上記制御器33では、上記ステップSB502において、内角θiの実測値が、125度に一致したと判断されるようになる。このため、上記制御器33は、上記指示出力部34へのブーム5の下げ操作の指示の出力指令を停止してから、ステップSB503へ進む。
上記ステップSB503では、上記制御器33は、上記内角θiが上記第一目標角度αである125度に保持されている状態で、上記先端側と基端側の各ペンダント12,13を緊張させる操作を行い、その後、上記ブーム5を下げ操作させるよう促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える。
この制御器33からの指令に基づき、上記指示出力部34は、上記図示しないディスプレイに、上記内角θi=125度の状態で、各ペンダント12,13を緊張姿勢とさせるためのジブ起伏装置7の操作と、その後のブーム5下げ操作を促す指示を表示する。
更に、上記制御器33は、上記ステップSB503で上記指示出力部34への指令を発した後、速やかにステップSB504に進んで、上記ペンダント設定工程(ステップSB5)の開始以降の工程で、内角θi=125度になるまでブーム5を下げ操作したときに、停止履歴があるか否かを判断する。この際、該ステップSB504に最初に達したときには、停止履歴がないので、上記制御器33は、そのままステップSB505へ進み、クレーンの図示しない操作レバーによる操作を自動停止させる。
次いで、上記制御器33は、上記操作レバーが中立にされたか、否かを判断し(ステップSB506)、レバーが中立となっていない間は、上記ステップSB505へ戻るようにしてある。これにより、上記クレーンの各操作レバーがどのような状態であっても、上記ブーム5とジブ6は、内角θiが125度になった姿勢で一旦停止させられるようになる。
その後、図示しないクレーンのオペレータが、上記操作レバーを一旦中立にすると、上記制御器33は、上記ステップSB506にて、該操作レバー中立にされたと判断して、ステップSB507へ進む。
上記ステップSB507では、上記制御器33は、上記操作レバーによる操作の停止状態を解除すると共に、停止履歴を記録するようにしてある。
上記制御器33は、上記のようにしてステップSB507で操作レバーの操作停止を解除した後は、ステップSB508に進んで、内角θiが125度を超えたか、否かを判断する。この場合、上記ステップSB508に最初に進むのは、上記したように、上記内角θiが125度になるようにブーム5の下げ操作をした状態で上記操作レバーによる操作が自動停止され、その後、上記操作レバーを中立に戻した直後であるため、上記内角θiが125度を超えることはない。よって、このように、内角θiが125度を超えていない場合は、上記制御器33は、上記ステップSB503へ戻るようにしてある。
これにより、図示しないクレーンのオペレータは、上記のように内角θiが125度になった時点で操作レバーが一旦自動停止されるため、該操作レバーを一旦中立に戻すと、操作停止状態が解除されるようになる。よって、この状態で、上記オペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従って上記各ペンダント12,13を緊張させる操作を行うと、フロントアタッチメント4の姿勢は、図5(a)に示したものと一致するようになる。なお、この場合の上記各ペンダント12,13を緊張させる操作は、たとえば、ジブ6の先端部が地面から離れない範囲で行うようにし、該各ペンダントの12,13の緊張状態は、上記オペレータが目視で確認するようにすればよい。
その後、上記オペレータが、上記のようにして各ペンダント12,13を緊張させる操作を行った後、上記ディスプレイに表示された指示に従ってブーム5を下げ方向に再び操作すると、上記制御器33では、ステップSB504に進んだ時点で、上記ステップSB507で記録した停止履歴があると判断されるため、ステップSB508へ進むようにしてある。
上記オペレータによるブーム5の下げ操作の再開により、ブーム5とジブ6の内角θiは、上記125度で一旦停止させられていた状態から、125度を超えて開くようになる。このため、上記ステップSB508では、内角θiが125度を超えたと判断されるようになるため、上記制御器33は、上記ペンダント設定工程SB5を終了してから、図2のステップSB6へ進む。
上記ステップSB6では、上記制御器33は、上記第一処理手順SAのステップSA5と同様に、上記制御器33は、上記フロントアタッチメント4が地上でブーム5とジブ6が水平方向に直線状に並ぶ配置となるまで、ブーム5の下げ操作を促す指示の出力指令を、上記指示出力部34に与える。
これにより、上記指示出力部34では、上記図示しないディスプレイに、上記フロントアタッチメント4が水平に延びた姿勢になるまでブーム5の下げ操作を促す指示を表示する。この場合の表示としては、たとえば、「フロントアタッチメント水平までブーム下げ」というメッセージを表示させるようにすればよい。
ここで、上記ペンダント設定工程SB5で、内角θi=125度の状態で、一旦停止させると共に、各ペンダント12,13を緊張させた時点でのフロントアタッチメント4の姿勢は、上記したように図5(a)に示したものと一致している。
したがって、その後、図示しないクレーンのオペレータが、上記ディスプレイに表示された指示に従ってブーム5の下げ操作を行うと、図8(e)に示すように、該ブーム5の下げ操作に伴って、該ブーム5とジブ6が次第に伸びて、内角θiが次第に大きくなり、その過程で、上記第一処理手順SAのステップSA5の場合と同様に、フロントアタッチメント4が上記図5(b)に示した基準姿勢を経てから、図8(f)に示すように、上記ブーム5とジブ6が地上で直線状に並べて配置されるようになる。
よって、この場合も、上記第一処理手順SAの場合と同様に、先端側ペンダント12を構成している各リンク部材17,17aのうち、先端寄りの各リンク部材17は、上記ジブ6のアウタジブ6bとインサート6cの後側(上側)に設けてある図示しない受け部材に受けさせることができ、且つ基端寄り各リンク部材17aは、上記前ストラット9の前倒し姿勢の格納に伴って、上記ジブ6のインナジブ6aと上記前ストラット9との間に所望する折り畳み姿勢で格納できるようになる。
以上により、上記フロントアタッチメント4の作業姿勢から、ブーム5とジブ6を地上に並べて配置させるまでの倒し操作が終了する。
このように、本発明の操作支援装置28によれば、リンク形式のジブ支持用の先端側ペンダント12を採用したクレーンにおいて、フロントアタッチメント4を作業姿勢から、ブーム5とジブ6が地上で直線状に並べて配置されるまでの倒し操作を行うときに、オペレータに対して、各操作段階で、次に行うべき操作を順次指示することができる。これにより、上記操作指示に沿った操作の結果として、フロントアタッチメント4を、ブーム5とジブ6が地上で直線状の配置となるまで倒し、その後、前ストラット9を、上記ジブ6の上側に沿うように前倒し姿勢に格納させると、先端側ペンダント12の各リンク部材17,17aを、該ジブ6のアウタジブ6bとインサート6cの後側に沿わせ且つ上記前ストラット9の前側で折り畳まれた所望の姿勢に格納させることができる。
更に、フロントアタッチメント4を作業姿勢から、ジブ6の先端部が地上に接地するまで倒すときには、ブーム5とジブ6の組み合わせに応じて、両者の内角θiを、フロントアタッチメント4の倒し操作時にクレーン本体1に転倒の虞が生じないように安定性が予め判断された第一目標角度αである125度、又は、第二目標角度βである83度に設定することができる。このため、上記フロントアタッチメント4の倒し操作時に、上記内角θiを、上記第一目標角度αである125度に設定する場合は、ジブ6を前後方向に回動させる角度を少なくすることができるため、フロントアタッチメント4の倒し操作に要する時間の削減化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、図1では、安定性判断部31及び処理手順指示部32は、制御器33とは別に示してあるが、該安定性判断部31及び処理手順指示部32のいずれか一方又は双方を、制御器33に一体に組み込んだ構成としてもよい。
又、図1では、判断テーブル記憶部31aは、目標角度記憶部30と分離して示してあるが、共通の記憶装置を用いるようにしてもよい。
図9に示したブーム5とジブ6の長さの組み合わせに応じた安定性判断テーブル35を、実物として予め用意しておくと共に、図1に示した構成における処理手順指示部32に、安定性判断部31からの入力に代えて、制御器33にて図2に示した第一処理手順SAを開始させる指示と、第二処理手順SBを開始させる指示のいずれかに択一操作可能な図示しない手動スイッチを備えた構成としてもよい。
この場合は、オペレータが、クレーンのフロントアタッチメント4で実際に使用するブーム5のブーム長さLBと、ジブ6のジブ長さLJの組み合わせに対応する第一目標角度αでのフロントアタッチメント4の倒し操作に関する安定性を、上記安定性判断テーブル35を参照して判断し、その判断結果を基に、上記処理手順指示部32の図示しない手動スイッチの操作により、制御器33にて上記第一処理手順SA、又は、第二処理手順SBを開始させる指示を入力させるようにすればよい。
かかる構成であっても、上記制御器33では、フロントアタッチメント4を構成するブーム5のブーム長さLBと、ジブ6のジブ長さLJに応じて、上記実施の形態と同様に、上記第一処理手順SA、又は、第二処理手順SBによるフロントアタッチメント4の倒し操作が行われるようになる。よって、この場合にも、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
上記制御器33は、フロントアタッチメント4に図5(a)に示した姿勢を確実に取らせるという観点から考えると、図3に示したペンダント設定工程SB5には、ブーム5とジブ6の内角が125度になると、フロントアタッチメント4の倒し操作に関与する図示しない操作レバーによる操作を一旦自動停止させる、という処理ステップを備えるようにすることが望ましい。しかし、図5(a)に示した姿勢を取らせるための指示を指示出力部34で表示させて、クレーンのオペレータがその指示に追従してクレーンの操作を行うようにしてあれば、上記操作レバーによる操作の自動停止のステップは、省略するようにしてもよい。
指示出力部34は、クレーンのオペレータに対する操作の指示を表示できるようにしてあれば、ディスプレイの配置や、サイズは自在に設定してよい。又、ディスプレイに表示する内容としては、オペレータに対する指示の内容に実質的な変化が生じなければ、文章を変更してもよい。又、表示手法としては、ブーム5やジブ6の操作方向を矢印で表示したり、或る段階でブーム5やジブ6を操作するときに、該段階で目標とする姿勢までの角度の差を表示する等、文章以外の表示手法を採用してもよい。更に、上記指示出力部34は、オペレータへの指示を、ディスプレイでの表示に加えて、スピーカからの音声出力等を併用するようにしてもよい。
第一目標角度αと第二目標角度βとして設定するブーム5とジブ6の相対角度に関する条件は、ブーム5とジブ6の内角θiに代えて、上記ブーム5とジブ6の外角、あるいは、ブーム角θBとジブ角θJを基にした所定の演算式による検算結果について定めるようにしてもよい。この場合、上記第一目標角度αと第二目標角度βとして設定するブーム5とジブ6の相対角度に関する条件は、実質的に、フロントアタッチメント4に上記第一目標角度αと第二目標角度βを上記ブーム5とジブ6の内角θiとして設定した場合と同様の姿勢をとらせることができるように設定してあればよい。
又、上記ブーム5のブーム角θBとジブ6のジブ角θJをそれぞれある目標に向けて操作する工程での誤差(ずれ)に関する許容角度範囲の設定値は、適宜増減させてもよい。
本発明の操作支援装置28を適用するクレーンは、フロントアタッチメント4の分解時等に、該フロントアタッチメント4を、ブーム5とジブ6が地上で直線状に並ぶ姿勢に倒すようにしてあり、且つ格納時に前倒し姿勢とする前ストラット9の先端部と、ジブ6の先端部との間に、ジブ支持用のリンク形式の先端側ペンダント12を接続するようにしてある構成のラフィングジブ形式のクレーンであれば、いかなる構造のブーム5を備えたクレーンであってもよい。
又、ジブ6は、インナジブ6aにアウタジブ6bを直接連結した構成、あるいは、インナジブ6aとアウタジブ6bの間に複数のインサート6cを連結した構成のジブ6であってもよい。
前ストラット9と後ストラット11は、それぞれの先端部に、ジブ支持用の上記先端側ペンダント12と基端側ペンダント13を接続できるようにしてあれば、該各ストラット9,11は、図示した以外の取付位置、構造を備えていてもよい。
先端側ペンダント12は、複数のリンク部材17,17aを順次屈曲可能に連結したリンク形式のものとして示したが、上記リンク形式の先端側ペンダント12の長手方向における各リンク部材17,17a同士の間の屈曲可能な関節部に対応する位置に屈曲可能な部分を備えていれば、連続する索状の先端側ペンダントを備える構成のクレーンに、本発明の操作支援装置28を適用してもよい。
更に、上記各実施の形態では、先端側ペンダント12をリンク形式のものとして示したが、本発明は、先端側ペンダント12として、太くて剛性があり(腰があり)且つ撓み変形が小さいワイヤからなる形式の先端側ペンダント12を採用したクレーンに適用してもよい。
上記の如きワイヤ形式の先端側ペンダント12を採用したクレーンに本発明を適用する場合、第一目標角度αの設定の基礎となる図5(b)の基準姿勢は、ジブ6の先端部を接地させ、前ストラット9の先端部とジブ6の先端部とを接続した上記ワイヤ形式の先端側ペンダント12におけるジブ6先端寄りの部材(部分)を、ジブ6の後側に沿わせて配置し、且つ上記ワイヤ形式の先端側ペンダント12における基端寄りの部材(部分)を、上記ジブ6の後側に沿わせて配置されたジブ6先端寄りの部材(部分)と上記前ストラット9との間に直線的に配置させた状態で、該先端側ペンダント12の基端寄りの部材(部分)が、上端側が下端側よりも或るオフセット寸法d分、ジブ6の基端寄りにオフセットされた角度姿勢となる状態として設定するようにすればよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
4 フロントアタッチメント
5 ブーム
6 ジブ
9 前ストラット
12 先端側ペンダント
16 ジブ起伏用ロープ
17 リンク部材
17a 基端寄りリンク部材
28 操作支援装置
30 目標角度記憶部
32 処理手順指示部
33 制御器
34 指示出力部
SA 第一処理手順
SB 第二処理手順
α 第一目標角度
β 第二目標角度
LB ブーム長さ
LJ ジブ長さ
d オフセット寸法

Claims (6)

  1. ブームとジブの相対角度について予め設定される第一目標角度と、上記第一目標角度に比してブームに対するジブの屈曲量がより大きくなる第二目標角度とを記憶する目標角度記憶部と、
    フロントアタッチメントを構成するブームとジブのブーム長さとジブ長さの組み合わせが、該フロントアタッチメントを、上記ブームとジブの相対角度を上記第一目標角度に保持した状態で、作業姿勢からジブの先端部が接地する姿勢まで倒す操作を安定して行うことが可能な組み合わせである場合は、制御器に第一処理手順の実施を指示し、その他の組み合わせの場合は、制御器に第二処理手順の実施を指示する処理手順指示部と、
    上記処理手順指示部より第一処理手順の実施が指示される場合は、先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第一目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次に、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次いで、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えるようにする第一処理手順を実施する機能、及び、上記処理手順指示部より第二処理手順の実施が指示される場合には、先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第二目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次に、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、次いで、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与え、その後、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えるようにする第二処理手順を実施する機能を備えた制御器と、
    上記制御器からの指令に応じてブームとジブの操作に関する指示を出力する指示出力部とを備えてなる構成
    を有することを特徴とするクレーンの操作支援装置。
  2. 目標角度記憶部は、
    フロントアタッチメントについて、ジブの先端部を接地させ、前ストラットの先端部とジブの先端部とを接続した先端側ペンダントにおけるジブ先端寄りの部材を、ジブの後側に沿わせて配置し、且つ上記先端側ペンダントにおける基端寄りの部材を、上記ジブの後側に沿わせて配置されたジブ先端寄りの部材と上記前ストラットとの間に直線的に配置した状態で、該先端側ペンダントの基端寄りの部材が、上端側が下端側よりも或るオフセット寸法分、ジブの基端寄りにオフセットされた角度姿勢となる状態を基準姿勢として、該基準姿勢におけるジブ起伏用ロープの長さを維持した状態で、上記フロントアタッチメントを上記基準姿勢の状態から、ジブの先端部を接地させたまま上記先端側ペンダントを緊張状態に伸ばした状態まで動作させたときのブームとジブとの相対角度について予め算出された結果を、
    第一目標角度として記憶するものとした
    請求項1記載のクレーンの操作支援装置。
  3. 目標角度記憶部は、
    フロントアタッチメントを構成するブームのブーム長さと、ジブのジブ長さの使用可能な組み合わせのうち、フロントアタッチメントより該フロントアタッチメントが取り付けてあるクレーン本体に作用するモーメントが最大になる組み合わせを採用した場合であっても、クレーン本体に転倒の虞がない状態で、該フロントアタッチメントを作業姿勢からジブの先端部が接地するまで倒す操作が可能となるブームとジブの相対角度を、
    第二目標角度として記憶するものとした
    請求項1又は2記載のクレーンの操作支援装置。
  4. 制御器は、第二処理手順にて、ブームとジブの相対角度が第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えた後、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、前ストラットの先端部とジブの先端部とを接続した先端側ペンダントを緊張させる操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与える機能を備えるようにした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のクレーンの操作支援装置。
  5. 制御器は、第二処理手順にて、ブームとジブの相対角度が第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示の出力指令を指示出力部に与えた後、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、ブーム起伏操作を自動的に停止させる機能を備えるようにした請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のクレーンの操作支援装置。
  6. ブームとジブの相対角度について予め設定される第一目標角度と、
    上記第一目標角度に比してブームに対するジブの屈曲量がより大きくなる第二目標角度とを目標角度記憶部に記憶させ、
    フロントアタッチメントを構成するブームとジブのブーム長さとジブ長さの組み合わせが、該フロントアタッチメントを、上記ブームとジブの相対角度を上記第一目標角度に保持した状態で、作業姿勢からジブの先端部が接地する姿勢まで倒す操作を安定して行うことが可能な組み合わせである場合は、制御器により第一処理手順を実施させる一方、その他の組み合わせの場合は、上記制御器に第二処理手順を実施させるようにし、
    上記第一処理手順では、
    先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第一目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、
    次に、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、
    次いで、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させるようにし、
    上記第二処理手順では、
    先ず、フロントアタッチメントが作業状態から、ブームとジブの相対角度が上記目標角度記憶部に記憶してある第二目標角度となるようにジブ起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、
    次に、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度になると、ブームとジブの相対角度を保持したままジブの先端部を接地させるようにブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、
    次いで、ブームとジブの相対角度が上記第二目標角度に保持された状態でジブの先端部が接地すると、ブームとジブの相対角度が上記第一目標角度になるまでブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させ、
    その後、上記フロントアタッチメントのブームとジブが地上で水平方向に配置されるようになるまでブーム起伏操作を促す指示を、指示出力部より出力させるようにする
    ことを特徴とするクレーンの操作支援方法。
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