図面を参照して、本発明に係るクレーンについて説明する。なお、説明の便宜上、各図に記載したように、クレーンの前後左右および上下方向を規定する。図1は、タワークレーンの外観を示す側面図である。タワークレーン(以下、クレーン100と記す)は、走行体101と、走行体101上に旋回可能に搭載される旋回体102と、旋回体102のフレームに起伏可能に取り付けられたタワーブーム(以下、ブーム103と記す)と、ブーム103の先端部に起伏可能に取り付けられたタワージブ(以下、ジブ104と記す)とを有する。ジブ104の先端部には、主フック105と補フック106が吊り下げられている。
旋回体102にはブーム起伏ウインチ(不図示)が搭載され、ブーム103には主巻ウインチ111、補巻ウインチ110、およびジブ起伏ウインチ113が搭載されている。主巻ウインチ111には主巻用ワイヤロープ(以下、主巻ロープ111aと記す)が巻回され、主巻ロープ111aはブーム103の頂部およびジブ104の頂部を経由して主フック105に接続されている。主巻ウインチ111の駆動により主巻ロープ111aが巻き取りまたは繰り出され、主フック105が昇降する。
補巻ウインチ110には補巻用ワイヤロープ(以下、補巻ロープ110aと記す)が巻回され、補巻ロープ110aはブーム103の頂部およびジブ104の頂部を経由して補フック106に接続されている。補巻ウインチ110の駆動により補巻ロープ110aが巻き取りまたは繰り出され、補フック106が昇降する。
旋回体102の前部には回動可能にマスト107が軸支され、マスト107の先端部とブーム103の頂部とはペンダント部材115で接続されている。ブーム起伏ウインチ(不図示)には起伏用ワイヤロープ(以下、ブーム起伏ロープ112aと記す)が巻回されている。ブーム起伏ロープ112aは、ブーム起伏ウインチ(不図示)の後方に設けたシーブ121とマスト107の先端部に設けたシーブ122との間に複数回掛け回されている。ブーム起伏ウインチ(不図示)の駆動によりブーム起伏ロープ112aが巻き取りまたは繰り出されてマスト107が回動し、ペンダント部材115を介してブーム103が起伏する。
ジブ起伏ウインチ113にはジブ起伏ロープ113aが巻回されている。ブーム103の先端には、フロントポスト108とリアポスト109とが回動可能に取り付けられている。フロントポスト108は、ジブ104とリアポスト109との間に配置され、ジブ104の先端部にペンダント部材116を介して連結されている。
フロントポスト108の先端部にはシーブ123が設けられ、リアポスト109の先端部にはシーブ124が設けられている。フロントポスト108のシーブ123とリアポスト109のシーブ124との間には、ジブ起伏用のジブ起伏ロープ113aが複数回掛け回されている。ジブ起伏ウインチ113の駆動によりジブ起伏ロープ113aが巻き取りまたは繰り出されると、リアポスト109に対してフロントポスト108が回動し、ペンダント部材116を介してジブ104が起伏する。
リアポスト109の先端部とブーム103の基端部近傍のブラケット139とは、分割自在なリアポスト支持ペンダント140によって連結されている。リアポスト支持ペンダント140は、ポスト側ペンダント部材141と、ブーム側ペンダント部材142とに分割可能とされている。
ポスト側ペンダント部材141は、一端がリアポスト109の先端部の軸109bに回動可能に取り付けられている。軸109bは、中央部でシーブ124を支持し、両端部でポスト側ペンダント部材141を支持する。ポスト側ペンダント部材141の他端には、ブーム側ペンダント部材142の一端が取り付けられている。ブーム側ペンダント部材142の他端は、ブーム103の基端部近傍のブラケット139に回動可能に取り付けられている。
なお、リアポスト支持ペンダント140は、複数の棒状のペンダント部材(バーペンダント)やワイヤロープからなるペンダント部材(ペンダントロープ)などの構成部材が連結されてなる。本実施の形態では、ポスト側ペンダント部材141は単一の棒状のバーペンダントである。ブーム側ペンダント部材142は、複数の棒状のバーペンダントが連結されてなる。ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142は、連結金具143を介して連結される。
ところで、クレーン100は、通常、ブーム103やジブ104等を分解した状態でトレーラによって作業現場に個別に搬送され、作業現場において組み立てられる。組立作業時、作業者は、ブーム103を地面に対してほぼ水平となるように延ばした倒伏状態で、ブーム103の先端側にフロントポスト108およびリアポスト109を取り付ける。
フロントポスト108およびリアポスト109をブーム103に取り付けた後、作業者は、リアポスト109に接続されたポスト側ペンダント部材141と、ブーム103に接続されたブーム側ペンダント部材142とを接続する。その後、作業者は、補助クレーン等を用いてジブ104をブームに取り付ける。
以下、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142とを取り付けるために用いられるポスト駆動装置150の構成を詳しく説明する。ポスト駆動装置150は、ブーム103の先端部に設けられている。
図2はブーム103の先端部を示す斜視図であり、図3はブーム103の先端部を示す側面図である。図2および図3に示すように、ブーム103には、ブーム103の先端部を構成するブームヘッド131が設けられている。図2および図3では、ブーム103の腹面が地面G(図2参照)に対向するように倒伏され、ブーム103が前後方向に延在するように略水平に配置された倒伏状態を示している。なお、図2および図3では、フロントポスト108の図示を省略しているため、フロントポスト108については、図8を参照して説明する。
図2および図3に示すように、ブームヘッド131の頂部(図3における右端部)には、所定長さを有する左右一対のポスト固定部材132が設けられている。左右一対のポスト固定部材132は、長手方向(上下方向)の両端部において、2本の支持パイプ166,167により連結されている。
図8に示すように、フロントポスト108は、互いに平行に長手方向に延びるように配置される一対の支柱181と、左右方向で対向配置される左右一対の支柱181を連結する連結部材(不図示)とを備えている。フロントポスト108を構成する左右一対の支柱181は、左右方向に延びるピン108aにより回動可能にポスト固定部材132の一端部(図8に示すポスト固定部材132の下端部)に軸支されている。
図2および図3に示すように、リアポスト109は、互いに平行に長手方向に延びるように配置される左右一対の支柱191と、左右方向で対向配置される左右一対の支柱191を連結する複数の連結部材192(図2参照)とを備えている。支柱191は、左右方向に延びるピン109aにより回動可能にポスト固定部材132の他端部(図3に示すポスト固定部材132の上端部)に軸支されている。ピン109aは、左右一対のポスト固定部材132の上端部のそれぞれにおいて、ポスト固定部材132に固定されている。
リアポスト109とブームヘッド131との間には、リアポスト109を回動駆動するポスト駆動装置150が設けられている。ポスト駆動装置150は、左右一対のリンク機構155と、各リンク機構155を駆動する一対の油圧シリンダ153とを備える。
左右一対のリンク機構155は、それぞれ同様の構成であるので、一方のリンク機構155を代表して説明する。リンク機構155は、第1リンク151、第2リンク152、および連結リンク154を含む。
第1リンク151の基端部および第2リンク152の基端部は、ピン109aに回動可能に取り付けられている。つまり、ピン109aは、上述したように、リアポスト109の回動支点であるだけでなく、第1リンク151および第2リンク152の回動支点でもある。つまり、第1リンク151および第2リンク、リアポスト109は、同軸で回動可能にブームヘッド131に取り付けられている。
図4はリンク機構155の平面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。図2、図4および図5に示すように、第1リンク151は、左右一対の長尺状の縦板151aが横板151b(図5参照)で結合された構造である。第2リンク152は、左右一対の長尺状の縦板152aが横板152b(図5参照)で結合された構造である。連結リンク154は、左右一対の長尺状の縦板154aが横板154b(図5参照)で結合された構造である。
第1リンク151を構成する一対の縦板151aの先端部には、円柱状の軸であるピン161が左右方向に延在するように懸架されている。第2リンク152を構成する一対の縦板152aの先端部には、円柱状の軸である連結ピン162が左右方向に延在するように懸架されている。
連結リンク154は、第1リンク151と第2リンク152との相対角を摺動開口部154hによって規制するリンク部材である。図5に示すように、連結リンク154は、下端部にピン161が挿通される貫通孔154cが設けられ、中央部から上端部に亘って連結ピン162が挿通される摺動開口部154hが設けられている。連結リンク154は、ピン161を回動支点として回動可能に第1リンク151に取り付けられている。摺動開口部154hは、平行する2本の直線の両端にそれぞれ同じ半径の円弧を接続したレーシングトラック形状であり、連結リンク154の長手方向に連結ピン162が摺動自在に移動できる構成とされている。説明の便宜上、摺動開口部154hの図示下側端部を内側端部154iと呼び、摺動開口部154hの図示上側端部を外側端部154oと呼ぶ。
図2に示すように、油圧シリンダ153は、シリンダチューブ(以下、チューブ153tと記す)と、チューブ153tに対して伸縮するロッド153rとを有する。油圧シリンダ153のチューブ153tの内部には、ボトム側の油室(以下、ボトム室と記す)と、ロッド側の油室(以下、ロッド室と記す)とが画成されている。油圧シリンダ153は、ボトム室に作動油が供給されると伸長し、ロッド室に作動油が供給されると収縮する構成である。
油圧シリンダ153のロッド153rの先端部(以下、ロッドヘッドとも呼ぶ)、第2リンク152の先端部、および連結リンク154の上端部は、上述した連結ピン162によって連結されている。つまり、油圧シリンダ153、第2リンク152および連結リンク154は、それぞれ連結ピン162を回転中心として相対的に回動可能に連結されている。油圧シリンダ153の先端部(連結ピン162)は第2リンク152に取り付けられているので、油圧シリンダ153の先端部(連結ピン162)の軌跡はピン109aを中心とする円弧となる。つまり、第2リンク152は、油圧シリンダ153のロッドヘッドの軌跡を円弧に規制するリンク部材である。
図2に示すように、リアポスト109の長手方向中央部よりも先端側の位置であって、リアポスト109の支柱191の背面側(図示上面側)には、シリンダ支持ブラケット169が設けられている。シリンダ支持ブラケット169には、左右方向に延びるピン163が固定されている。一対の油圧シリンダ153は、それぞれチューブ153tの端部が、ピン163を回動支点として、一対のシリンダ支持ブラケット169のそれぞれに回動可能に取り付けられている。
図4に示すように、油圧シリンダ153は、ブーム103が水平に倒伏され、かつ、リアポスト109が、鉛直軸を基準としてフロントポスト側に傾けられた位置に配置されている状態において、上方から見たときに、支柱191に重なるように配置されている。換言すれば、図4に示されるように、上方から見たときに、油圧シリンダ153の中心軸が支柱191の左右側面の内側に配置される。つまり、油圧シリンダ153は、支柱191の直上において、支柱191に平行となるように配置されている。
図2に示すように、ブームヘッド131の背面側(図示上面側)における基端部には、ピン支持ブラケット135が設けられている。ピン支持ブラケット135には、左右方向に延在するように軸であるピン168が設けられている。ピン168は、平面視でリアポスト109の延長線上において、延長線と直交するように設けられている。
図5に示すように、第1リンク151の先端部には、連結ピン162に接触するシリンダ受け用凹部171が設けられている。シリンダ受け用凹部171は、連結ピン162側(図中上側)が開放されたU字状の窪みとして形成されている。第1リンク151の先端部には、ピン168に接触する位置決め凹部172が設けられている。位置決め凹部172は、ピン168側(図中下側)が開放されたU字状の窪みとして形成されている。
第1リンク151は、以下で説明するとおり、ブーム103に着脱自在に結合される。第1リンク151の先端部には、固定ピン160が挿通される貫通孔170が、ブーム103に結合されるリンク側結合部として設けられている。固定ピン160は、図2に示すように、ブーム側結合部としてのピン支持ブラケット135の貫通孔と、リンク側結合部としての第1リンク151の貫通孔170に挿通された状態で、止めピン(松葉ピン)等によりピン支持ブラケット135に固定される。なお、固定ピン160により、第1リンク151がブームヘッド131のピン支持ブラケット135に固定され、ブーム103と第1リンク151の先端部とが結合している状態を結合状態と呼ぶ。第1リンク151の先端部とブーム103とを分離する場合には、止めピンを固定ピン160から取り外し、固定ピン160をピン支持ブラケット135の貫通孔と、第1リンク151の貫通孔170から抜けばよい。固定ピン160により、第1リンク151がブームヘッド131のピン支持ブラケット135に固定されておらず、ブームヘッド131と第1リンク151の先端部とが分離している状態を分離状態と呼ぶ。
図6は、第1リンク151の回動を規制する回動制限機構180を説明する図である。図6(a)はリンク機構155を示す側面図であり、図6(b)は図6(a)のVIb部を拡大して示す拡大図である。図6(a)に示すように、回動制限機構180は、偏心カム181と、従節リンク182とを有している。なお、図6では、フロントポスト108の図示を省略している。
図6(b)に示すように、偏心カム181は、リアポスト109、第1リンク151および第2リンク152の回動支点であるピン(回動支軸)109aに固着されている。偏心カム181は、小半径の円弧181aと大半径の円弧181bとを2本の直線で接続した卵形状とされている。従節リンク182は、丸みを帯びた多角形状であり、ピン183によって第2リンク152に回転自在に取り付けられている。
偏心カム181の円弧181aには、第2リンク152が所定の角度範囲において従節リンク182と接触する接触領域Cが形成されている。偏心カム181は、接触領域Cにおいて従節リンク182と接触し、偏心カム181のカム曲線に対応し、従節リンク182をピン183を中心に回動させることで、リンク機構155の自重による回動角度を制限する機能を有している。
図6(b)に示されるピン165は、第1リンク151を構成する左右一対の縦板151aを連結する連結部材である。従節リンク182には、開口部182dが設けられている。開口部182dは、平行する2本の直線の両端にそれぞれ同じ半径の円弧を接続したレーシングトラック形状であり、ピン165の移動を妨げることの無いように形成されている。
第1リンク151と、第2リンク152と、第1リンク151および第2リンク152を連結する連結リンク154によって構成されるリンク機構155は、油圧シリンダ153の伸縮動作に連動する構成とされている。以下、ポスト駆動装置150の動作について詳しく説明する。
図7は、ポスト駆動装置150によって回動するリアポスト109の回動範囲を示す模式図である。なお、図7および後述する図8、図18および図19で示す側面模式図では、説明の便宜上、各構成部材の外形を実線で模式的に表している。リンク機構155は、ブーム103を水平に倒伏させた状態において、図7において実線で示す第1の位置(PL)と、図7において二点鎖線で示す第2の位置(BL)とを含む範囲で、リアポスト109を回動させる構成とされている。つまり、第1の位置(PL)はリアポスト109の回動範囲Sのフロントポスト側限界位置であり、第2の位置(BL)はリアポスト109の回動範囲Sのブーム側限界位置に相当する。
第1の位置(PL)とは、鉛直軸(V)を基準として、リアポスト109を鉛直軸(V)よりもフロントポスト108側に傾けた位置である。さらに、本実施の形態では、第1の位置(PL)とは、リアポスト109がブーム103に平行に配置される位置よりもリアポスト109をフロントポスト108側に傾けた位置、すなわち水平軸(H)よりもフロントポスト108側にリアポスト109を傾けた位置である。第2の位置(BL)とは、リアポスト109がブーム103に直交して配置される位置よりもリアポスト109をブーム103側に傾けた位置、すなわち鉛直軸(V)よりもリアポスト109をブーム103側に傾けた位置である。
シーブ123とシーブ124との間でジブ起伏ロープ113aの掛け回し作業を行う際、リアポスト109のシーブ124とフロントポスト108のシーブ123とをできるだけ接近させるとともにリアポスト109のシーブ124を地面Gに近づけることが作業性の観点から好ましい。このため、第1の位置(PL)は、水平軸(H)よりもリアポスト109がフロントポスト108側に5〜15度程度傾いた位置に設定されている。実線で示されるように、リアポスト109は、ブーム103を水平に倒伏させた状態で、かつ、第1リンク151の先端部がブームヘッド131に結合されていない分離状態において、油圧シリンダ153を最も収縮させたとき、第1の位置(PL)に位置する。
リアポスト109の回動範囲Sのブーム側限界位置である第2の位置(BL)は、ブーム103に取り付けられたブーム側ペンダント部材142の一端と、リアポスト109の先端部に取り付けられたポスト側ペンダント部材141の他端とを取り付けることのできる位置である。二点鎖線で示されるように、リアポスト109は、ブーム103を水平に倒伏させた状態で、かつ、第1リンク151の先端部がブームヘッド131に結合されている結合状態において、油圧シリンダ153を最も収縮させたとき、第2の位置(BL)に位置する。本実施の形態では、第2の位置(BL)は、鉛直軸(V)よりもリアポスト109がブーム103側に35〜45度程度傾いた位置に設定されている。
このように、リアポスト109は、ブーム103を水平に倒伏させた状態において、ポスト駆動装置150により、鉛直軸(V)を跨ぐように回動される。本実施の形態では、少なくとも水平軸(H)と鉛直軸(V)とを含むように、回動範囲Sを130〜150度程度に設定している。これにより、シーブ123とシーブ124との間でジブ起伏ロープ113aを掛け回す作業を行い得る第1の位置(PL)と、ブーム側ペンダント部材142とポスト側ペンダント部材141との取付け作業を行い得る第2の位置(BL)との間で、リアポスト109を回動させることができる。
以下、クレーン100の組立作業のうち、ブーム103にフロントポスト108およびリアポスト109を取り付ける作業、ならびに、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142とを取り付ける作業について説明する。なお、ブーム側ペンダント部材142は、図8に示すように、ブーム103上に載置され、ブーム側ペンダント部材142の接続端部142aに予め接続された連結金具143が、リアポスト109側に配置されている。
図8は、ブーム103にフロントポスト108とリアポスト109とが取り付けられた状態を示す図である。作業者は、ブーム起伏用の操作レバーを操作することにより、ブーム起伏ウインチ(不図示)を駆動させて、ブーム103が水平となるようにブーム103を倒伏させておく。
作業者は、補助クレーンを使用して、フロントポスト108を吊り上げ、フロントポスト108の基端部をブームヘッド131のポスト固定部材132に取り付ける。その後、作業者は、補助クレーンを使用して、リアポスト109を吊り上げる。なお、油圧シリンダ153は予め最縮長となるまで収縮されている。また、ポスト側ペンダント部材141は、予め一端がリアポスト109の先端部の軸109bに固着されたブラケット109cに回動可能に取り付けられ、一端を回動支点として回動することがないように、他端が固定装置109dによりリアポスト109に固定されている。
作業者は、補助クレーンを使用して、リアポスト109を吊り上げた後、リアポスト109の基端部をブームヘッド131のポスト固定部材132に取り付ける。その後、作業者は、リアポスト109がポスト駆動装置150によって支持される角度にリアポスト109の取付角度を設定する。
作業者は、リアポスト109が第1の位置(PL)に配置されるように、リアポスト109の取付角度を設定した後、補助クレーンのフックに吊り下げられているロープを取り外す。このとき、フロントポスト108のシーブ123とリアポスト109のシーブ124との距離や、シーブ124と地面Gとの距離が、リアポスト109が水平に配置された状態(図3参照)のときよりも短くなっている。
作業者は、リービングウインチ等(不図示)を使用して、ジブ起伏ウインチ113からジブ起伏ロープ113aを引き出す。作業者は、ジブ起伏ウインチ113から引き出されたジブ起伏ロープ113aをリアポスト109に設けられたガイドシーブ134を介してシーブ124に導く。その後、作業者は、ジブ起伏ロープ113aをシーブ124とシーブ123との間で複数回掛け回し、ジブ起伏ロープ113aの端部をフロントポスト108の所定の位置に固定する。
図9〜図14および図6は、ポスト駆動装置150のリンク機構155が油圧シリンダ153の伸長に伴って回動駆動される様子を説明する図である。なお、図9〜図14および図6では、フロントポスト108の図示を省略している。油圧シリンダ153を駆動させることに先立って、油圧シリンダ153と油圧源(不図示)とを接続する。油圧シリンダ153と油圧源(不図示)との間には油圧源から吐出される作動油の流れを切り替える切替弁ユニット(不図示)が設けられている。作業者は、切替弁ユニット(不図示)を操作することで、油圧源から吐出される作動油を油圧シリンダ153のロッド室およびボトム室のいずれかに供給することができる。
図9は、シリンダ推力により第1リンク151が回動駆動される様子を説明する図である。図9(a)は、第1リンク151の先端部と、ブームヘッド131とが分離した分離状態において、油圧シリンダ153が最縮長まで収縮されている分離初期状態を示している。分離初期状態では、ブームヘッド131に取り付けられた第2リンク152は、第2リンク152に取り付けられた油圧シリンダ153によりリアポスト109に支持されている。分離初期状態では、第1リンク151のシリンダ受け用凹部171が連結ピン162に載置されている。なお、連結ピン162は、摺動開口部154hの内側端部154iに配置され、第1リンク151と第2リンク152の相対角度は、最小角度となっている。
図9(a)に示す最縮長状態の油圧シリンダ153のボトム室に油圧源(不図示)より作動油を供給し、ロッド室から作動油を排出させ、タンク(不図示)に導く。油圧シリンダ153のボトム室に作動油が供給されると、連結ピン162を介して第1リンク151および第2リンク152のそれぞれにシリンダ推力が作用するとともに、ピン163を介してリアポスト109にシリンダ推力が作用する。
第1リンク151に作用するシリンダ推力F1は、第1リンク151および第2リンク152の回転中心であるピン109aに向かう力F11と、第1リンク151を回転させようとする力F12に分解される。
油圧シリンダ153のボトム室に作動油が供給されると、油圧シリンダ153の推力によって発生する回転力F12が第1リンク151および第2リンク152に作用し、第1リンク151および第2リンク152が、相対角度が最小角度となっている状態で一体的に、ピン109aを回転中心として図示反時計方向に回動する。また、油圧シリンダ153が伸長する。すなわち、図9(a)に示す姿勢から、図9(b)に示す姿勢、図9(c)に示す姿勢、図10に示す姿勢の順に、第1リンク151および第2リンク152の姿勢が移行し、第1リンク151および第2リンク152が起立する。
図10(a)および図11(a)は、シリンダ推力により第1リンク151が回動駆動される様子を説明する図である。図10(b)は図10(a)のXb部拡大図であり、図11(b)は図11(a)のXIb部拡大図である。図10(a)は、リンク機構155を起立させていく過程において、偏心カム181と従節リンク182とが接触を開始した時点を示す図である。図10(b)に示すように、リンク機構155が起立するように回動すると、所定の角度(以下、接触開始角度)で、偏心カム181と従節リンク182とが接触点Pで接触する。なお、本実施の形態では、接触開始角度は、第1リンク151のシリンダ受け用凹部171と連結ピン162とが接触状態から非接触状態に移行する角度に設定されている。
さらに油圧シリンダ153を伸長させると、図11に示すように、第1リンク151のシリンダ受け用凹部171と連結ピン162とが離間する。図11の状態では、第1リンク151は自重により反時計回りに回動し、偏心カム181と従節リンク182により第2リンク152の角度に応じた角度に保持される。
図12(a)、図13(a)および図14(a)は、自重により第1リンク151が回動駆動される様子を説明する図である。図12(b)は図12(a)のXIIb部拡大図であり、図13(b)は図13(a)のXIIIb部拡大図であり、図14(b)は図14(a)のXIVb部拡大図である。図12に示すように、第1リンク151の回動支点と、第1リンク151の重心点GPとを結ぶ直線OGが鉛直軸(V)を超えてブーム103側に位置すると、第1リンク151が自重によって回動する。つまり、第1リンク151には、自重のみが作用することになる。
本実施の形態では、図12(b)に示すように、回動制限機構180が設けられ、第1リンク151に自重が作用する回動範囲のうちの一部において、偏心カム181と従節リンク182とが接触領域Cで接触し、第1リンク151の回動角度を抑制できる構成となっている。
図13(a)は、リンク機構155をブーム側に倒伏させていく過程において、偏心カム181と従節リンク182との接触が終了した時点を示す図である。図13に示すように、リンク機構155がブーム側に倒伏するように回動すると、所定の角度(以下、接触終了角度)で、偏心カム181と従節リンク182との接触が終了する。なお、本実施の形態では、接触終了角度は、第1リンク151が連結リンク154の摺動開口部154hの外側端部154oと連結ピン162にて支持される角度に設定されている。このように、偏心カム181と従節リンク182とは、図10に示す状態から図13に示す状態まで接触され、リンク機構155の回動角度を制限する。
図14に示すように、第1リンク151がさらにブーム103側に倒伏するように回動すると、連結ピン162が連結リンク154の摺動開口部154hにおける外側端部154o(図5参照)に位置する。図11〜図14に示すように、第1リンク151の回動に伴い、連結ピン162が摺動開口部154hの内側端部154iから外側端部154o(図5参照)に向かって摺動し、第1リンク151と第2リンク152との相対角度が増加する。図14に示す状態からは、第1リンク151と第2リンク152とは、相対角度が最大角度となっている状態で一体的に回動する。
図6に示す状態までリンク機構155が回動すると、図5に示すように第1リンク151の位置決め凹部172がピン支持ブラケット135に懸架されたピン168に載置され、第1リンク151の回動が規制される。つまり、ピン168は、第1リンク151の回動を規制するストッパとしての機能を有する。第1リンク151の位置決め凹部172とピン168とが係合されることで、第1リンク151の先端部のブーム103に対する固定位置が定められる。つまり、位置決め凹部172とピン168とは、第1リンク151の先端部とブーム103とを結合する際の位置決め部としての機能を有している。なお、油圧シリンダ153は、このとき最も伸長した最伸長状態となっている。
位置決め凹部172とピン168とが係合することで第1リンク151とブーム103の位置決めがなされると、第1リンク151の貫通孔170と、ピン支持ブラケット135の貫通孔とが一致する。第1リンク151の貫通孔170と、ピン支持ブラケット135の貫通孔に、固定ピン160を挿通させ、止めピンによりピン支持ブラケット135に固定することで、第1リンク151の先端部がブームヘッド131に固定され、第1リンク151の先端部とブームヘッド131とが結合した結合状態となる。
図15〜図19は、ポスト駆動装置150によりリアポスト109が回動駆動される様子を説明する図である。なお、図15〜図17では、フロントポスト108の図示を省略している。図6に示す最伸長状態の油圧シリンダ153のロッド室に油圧源(不図示)より作動油を供給し、ボトム室から作動油を排出させ、タンク(不図示)に導く。油圧シリンダ153のロッド室に作動油が供給されると、連結ピン162を介して第2リンク152および連結リンク154のそれぞれにシリンダ推力が作用するとともに、ピン163を介してリアポスト109にシリンダ推力が作用する。
第2リンク152に作用するシリンダ推力は、第2リンク152の回転中心であるピン109aに向かう力と、第2リンク152を回転させようとする力に分解される。連結リンク154は、ブーム103に結合された第1リンク151に取り付けられている。このため、第2リンク152に、第2リンク152を回転させようとする力が作用しても第2リンク152の回動は、連結リンク154および第1リンク151によって規制される。
リアポスト109に作用するシリンダ推力F9は、リアポスト109の回転中心であるピン109aに向かう力F91と、リアポスト109を回転させようとする回転力F92に分解される。
したがって、油圧シリンダ153のロッド室に作動油が供給されると、油圧シリンダ153の推力によって発生する回転力F92がリアポスト109に作用し、リアポスト109がピン109aを回転中心として、図示反時計方向に回動する。すなわち、図6(a)に示す姿勢から、図15(a)に示す姿勢、図15(b)に示す姿勢、図15(c)に示す姿勢、図16(a)に示す姿勢、図16(b)に示す姿勢の順に、リアポスト109の姿勢が移行し、リアポスト109が起立する。その後、図17に示すように、リアポスト109が、ブーム103側に傾く。図17は、リアポスト109がブーム側に傾く様子を示す図であり、図17(a)に示す姿勢、図17(b)に示す姿勢、図17(c)に示す姿勢の順に、リアポスト109の姿勢が移行する。
図17(a)において、油圧シリンダ153は最縮長まで収縮している。油圧シリンダ153が最縮長まで収縮すると、図17(b)に示すように、連結ピン162が連結リンク154の摺動開口部154hの外側端部154oから内側端部154i(図5参照)に向かって摺動する。つまり、第2リンク152が第1リンク151に向かって回動し、第1リンク151と第2リンク152の相対角度が減少する。摺動開口部154hでの連結ピン162の摺動に伴って、リアポスト109が自重によりブーム103に近づくように回動する。図17(c)に示すように、連結ピン162が連結リンク154の摺動開口部154gの内側端部154iまで移動すると、すなわち第1リンク151と第2リンク152の相対角度が最小角度になると、リンク機構155によってリアポスト109の回動が規制される。
図18は、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142とを取り付ける作業を説明する図である。図18は、図17(c)に示す状態と同じ状態を示しており、リアポスト109が第2の位置(BL)までブーム103側に倒伏した姿勢を示している。
作業者は、ポスト側ペンダント部材141の下端部に対する固定装置109dによる固定を解除し、ポスト側ペンダント部材141が鉛直方向に延在する位置までポスト側ペンダント部材141を揺動させる。作業者は、ポスト側ペンダント部材141の接続端部141aを、連結金具143を介して、ブーム側ペンダント部材142の接続端部142aに接続する。
連結金具143は、両端に貫通孔が設けられた連結部材である。連結金具143は、予め、一の貫通孔および接続端部142aの貫通孔にピンが挿着されることで、ブーム側ペンダント部材142に回動可能に取り付けられている。作業者は、連結金具143の他の貫通孔および接続端部141aの貫通孔にピンを挿着して、ポスト側ペンダント部材141を連結金具143に回動可能に連結する。これにより、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142とが連結金具143を介して連結される。
図19は、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142とを張る作業(緊張させる作業)を説明する図である。作業者は、油圧源(不図示)から吐出される作動油が油圧シリンダ153のボトム室に供給されるように、切替弁ユニットを操作する。作業者は、油圧シリンダ153のボトム室に作動油を供給して、油圧シリンダ153を伸長させる。これにより、第2の位置(BL)まで倒伏されていたリアポスト109が起立し、図19に示すように、ポスト側ペンダント部材141およびブーム側ペンダント部材142が張られた状態となる。その後、作業者は、ジブ104をブーム103に取り付ける作業に進む。
なお、上述ではブーム103にフロントポスト108およびリアポスト109を取り付ける作業、ならびに、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142とを取り付ける作業について説明した。これに対して、ポスト側ペンダント部材141とブーム側ペンダント部材142を取り外す作業、ならびに、ブーム103からフロントポスト108およびリアポスト109を取り外す作業については、逆の手順となるため、説明を省略する。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ブーム103を水平に倒伏させた状態において、鉛直軸を基準として、リアポスト109がフロントポスト108側に傾けられた第1の位置(PL)と、ブーム103側に傾けられた第2の位置(BL)とを含む範囲で、リアポスト109を回動させるポスト駆動装置150を設けた。ポスト駆動装置150のリンク機構155は、リアポスト109が第1の位置(PL)に配置されている状態において、リンク側結合部(第1リンク151の貫通孔170)とブーム側結合部(ピン支持ブラケット135の貫通孔)とが結合した結合状態にあるときに油圧シリンダ153を収縮させることで、ブーム103に取り付けられたブーム側ペンダント部材142の一端と、一端がリアポスト109の先端部に取り付けられたポスト側ペンダント部材141の他端とを取り付けることのできる第2の位置(BL)まで、リアポスト109をブーム側に回動させる構成とされている。これにより、水平状態に倒伏されたブーム103に取り付けられ、フロントポスト108側に傾けられたリアポスト109を、補助クレーンを用いることなく起立させ、ブーム103側に傾けることができる。その結果、クレーン100の組立分解作業性の向上を図ることができる。
(2)第1の位置(PL)は、ブーム103を水平に倒伏させた状態において、リアポスト109が水平軸(H)よりもフロントポスト108側に傾けられた位置であり、第2の位置(BL)は、ブーム103を水平に倒伏させた状態において、リアポスト109が鉛直軸(V)よりもブーム103側に傾けられた位置である。つまり、リアポスト109が、ブーム103に平行に配置される位置(H)と、ブーム103に直交して配置される位置(V)とを含む範囲で回動するように、ポスト駆動装置150が設けられている。平行に配置される位置(H)よりもフロントポスト108側にリアポスト109を倒伏させることができるので、シーブ123とシーブ124との間におけるジブ起伏ロープ113aの掛け回し作業性の向上を図ることができる。
(3)ポスト駆動装置150のリンク機構155は、一端部がブーム103に回動可能に取り付けられ、他端部にブーム103に設けられたブーム側結合部(ピン支持ブラケット135の貫通孔)に着脱自在に結合されるリンク側結合部(第1リンク151の貫通孔170)が設けられている。ポスト駆動装置150の伸縮アクチュエータとしての油圧シリンダ153は、一端部がリアポスト109に接続され、他端部がリンク機構155の他端部に接続されている。リンク機構155、ブーム103が水平に倒伏され、かつ、第1の位置(PL)にリアポスト109が配置されている状態において、リンク側結合部とブーム側結合部とが分離した分離状態にあるときに油圧シリンダ153を伸長すると、リンク側結合部とブーム側結合部とを結合することのできる位置まで、ブーム103側に回動する構成とされている。油圧シリンダ153を伸長させることで、リンク側結合部とブーム側結合部の位置合わせができるため、油圧シリンダ153のロッドヘッドが取り付けられたリンク機構155をブームヘッド131に取付ける作業性を向上できる。
(4)第1リンク151は、一端部(基端部)がブームに回動可能に取り付けられ、他端部(先端部)にリンク側結合部が設けられている。第2リンク152は、一端部(基端部)がブームに回動可能に取り付けられ、他端部(先端部)が油圧シリンダ153の他端部に設けられた軸(連結ピン162)に回動可能に取り付けられている。連結リンク154は、一端部が第1リンク151の他端部(先端部)に回動可能に取り付けられ、連結ピン162が摺動移動可能な摺動開口部154hが設けられている。リンク機構155をこのような複数のリンク部材で構成したので、リアポスト109の回動範囲を拡張できる。リアポスト109の回動範囲が拡張すると、シーブ123とシーブ124との間におけるジブ起伏ロープ113aの掛け回し作業性や、ポスト側ペンダント部材141およびブーム側ペンダント部材142の取付け作業性の向上を図ることができる。
(5)リンク機構155は、分離状態にあるときに油圧シリンダ153を伸長し、第1リンク151を所定角度まで回動させると、リンク側結合部とブーム側結合部とが係合する位置まで第1リンク151が自重により回動する構成とされている。リンク機構155は、偏心カム181に接触する従節リンク182により、当該リンク機構155が自重により回動する角度を制限する回動制限機構180を備えている。回動制限機構180を備えていない場合、自重による回転力によりリンク機構155が回動する際、リンク機構155の回動を保持できない。本実施の形態では、回動制限機構180を備えているので、従節リンク182と偏心カム181とにより、リンク機構155が回動する角度の増大を抑えることができ、第1リンク151の位置決め凹部172がピン支持ブラケット135に取り付けられたピン168に接触するときの衝撃力を低減できる。
(6)リアポスト109は、互いに平行に配置される一対の支柱191と、一対の支柱191を連結する連結部材192とを備えている。伸縮アクチュエータを構成する一対の油圧シリンダ153は、一端部が一対の支柱191のそれぞれに接続されている。油圧シリンダ153は、ブーム103が水平に倒伏され、かつ、リアポスト109が第1の位置(PL)に配置されている状態において、上方から見たときに、支柱191に重なるように配置されている。つまり、リアポスト109および油圧シリンダ153は、同一の仮想平面内で回動する構成となっている。このため、たとえば、連結部材192に油圧シリンダ153を接続する場合に比べて、連結部材192の剛性を低減できる。油圧シリンダ153の推力を直接支柱191に作用させることのできる構成とすることで、リアポスト109の軽量化を図ることができる。また、各支柱191のそれぞれに油圧シリンダ153を設けたので、連結部材192に単一の油圧シリンダを接続する場合に比べて、油圧シリンダ153の小型化を図ることができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、油圧シリンダ153のロッドヘッドが、連結ピン162を介して第2リンク152に接続されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。油圧シリンダ153のチューブ153tの端部において、連結ピン162を介して第2リンク152に接続し、油圧シリンダ153のロッドヘッドをリアポスト109に接続してもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態では、フロントポスト108がブームヘッド131に回動可能に取り付けられる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ジブ104の基部に元付けするようにしてもよい。
(変形例3)
上述した実施の形態では、ポスト駆動装置150の駆動源として油圧シリンダ153を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、電動モータと送りねじ機構とを用いた直動型の伸縮アクチュエータを採用してもよい。
(変形例4)
ポスト側ペンダント部材141およびブーム側ペンダント部材142は、それぞれ単一乃至複数の棒状のバーペンダントとする場合に限定されることなく、ワイヤロープで構成してもよい。
(変形例5)
上述した実施の形態では、第1リンク151、第2リンク152および連結リンク154によりリンク機構155を構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。4つ以上のリンク部材によりリンク機構155を構成してもよい。
(変形例6)
上述した実施の形態では、走行体101を備えた移動式のクレーン100について説明したが本発明はこれに限定されない。固定式のクレーンにも適用することができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。