JPH0872747A - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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JPH0872747A
JPH0872747A JP21110194A JP21110194A JPH0872747A JP H0872747 A JPH0872747 A JP H0872747A JP 21110194 A JP21110194 A JP 21110194A JP 21110194 A JP21110194 A JP 21110194A JP H0872747 A JPH0872747 A JP H0872747A
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JP
Japan
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pillar
front pillar
vehicle
vehicle body
panel
Prior art date
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Application number
JP21110194A
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English (en)
Inventor
Yoshibumi Shimose
義文 下瀬
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前方衝突時にフロントピラーが過大なモーメ
ント入力を受けた場合でも、フロントドアが押出される
のを確実に防止できる構造の提供。 【構成】 フロントピラー(41)に、ダッシュパネル
(13)及びフードリッジ(3)が接合される第1のフ
ロントピラーパネルアウタ(43)と、フロントドアの
開口部(19)を区画する第2のフロントピラーパネル
アウタ(45)とを設け、第1のフロントピラーパネル
アウタ(43)は、ダッシュパネル(13)及びフード
リッジ(3)から入力されるモーメントが所定の大きさ
以上となったときに第2のフロントピラーパネルアウタ
(45)から独立して捻れ変形を起こす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フロントピラーの変
形によるドア等への影響を抑制する自動車の前部車体構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の前部車体構造を図11に
示す。図11は自動車の車体前部を車室外側から視た斜
視図であり、フロントピラー1、フードリッジ3、スト
ラットタワー5、カウルボックス7、サイドシル9、フ
ロントサイドメンバ11、ダッシュパネル13等を備え
ている。
【0003】フードリッジ3及びフロントサイドメンバ
11は、車体前部の車幅両端上方及び下方で、それぞれ
車体前後方向に延設されている。ダッシュパネル13は
車幅方向に設けられて車室の前面を形成し、ダッシュパ
ネル13には前記フロントサイドメンバ11が突当てら
れ接合されている。カウルボックス7は、フードリッジ
3とほぼ同高さとなるように、ダッシュパネル13の上
部に設けられている。サイドシル9は車室側方下部の車
幅両側で車体前後方向に延設され、サイドシル9の前端
にはダッシュパネル13が接合されている。フロントピ
ラー1はダッシュパネル13の車幅両端に立設され、フ
ロントピラー1には、フードリッジ3、カウルボックス
7、及びダッシュパネル13等が接合されている。スト
ラットタワー5は、フードリッジ3の車幅内側に設けら
れ、挿通されたストラット15の上部15aを支持して
いる。サイドシル9の上板部9aとフロントピラー1の
後方側板部1aは、開口部19を区画している。図14
に示すように、フロントピラー1の外板部1bには、ヒ
ンジ33を介してフロントドア31が連結され、フロン
トドア31は開口部19を開閉する。
【0004】図12(a)は、従来の他の前部車体構造
を車室内側から視た斜視図であり、図11とほぼ同じ構
造に第1〜第3の補強部材21,23,25を設けたも
のである(特開昭61−215178号公報参照)。
【0005】第1の補強部材21は、サイドシル9の車
幅内側に沿って設けられ、サイドシル9とフロアパネル
27に接合されている。第2の補強部材23は、ダッシ
ュパネル13、フロントピラー1、サイドシル9、及び
第1の補強部材21に接合されている。第3の補強部材
25は、ダッシュパネル13とフロントピラー1との間
で、サイドシル9の上方に設けられてる。第3の補強部
材25の前部はダッシュパネル13に接合され、後部は
フロントピラー1に接合されている。第3の補強部材2
5の下端は第2の補強部材23に接合され、第3の補強
部材25とフロントピラー1との間には、図12(b)
に示すように、略三角板状の補助補強部材29が設けら
れている。補助補強部材29の一側は第3の補強部材2
5の前部25aと後部25bの境界部分に接合され、他
側はフロントピラー1に接合されている。かかる第1〜
第3の補強部材21,23,25によれば、フロントピ
ラー1とダッシュパネル13との結合強度と、フロント
ピラー1とサイドシル9との結合強度とを共に高めるこ
とができ、車体前部の曲げ剛性が向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】車両の前方衝突時に
は、図13(a)の状態から同図(b)に示すように、
フードリッジ3及びフロントサイドメンバ11の車体前
側が潰れ変形を起こし、フードリッジ3及びフロントサ
イドメンバ11の車体後側が車体後方に押圧され移動す
る。
【0007】このとき、図11及び図12に示すような
従来の前部車体構造にあっては、フロントサイドメンバ
11がフロントピラー1よりも車幅内側のダッシュパネ
ル13に接合され、ダッシュパネル13がフロントピラ
ー1に接合されているため、フロントサイドメンバ11
からの押圧力によって、図14(b)に示すように、フ
ロントピラー1に車幅内側へのモーメントMが作用する
場合があった。
【0008】また、車両衝突時等において、ストラット
15が車体内側(図13(b)の矢印X方向)に倒れ込
むような変形を起こすと、ストラットタワー5を介して
フードリッジ3が車幅内側に引張られるが、フードリッ
ジ3はフロントピラー1に接合されているので、フロン
トピラー1に前記同様のモーメントMが作用する場合が
あった。
【0009】そして、かかるモーメントMが大きくなる
と、フロントピラー1が捻れ変形を起こし、フロントピ
ラー1の車体後方側板部1aがフロントドア31に干渉
してフロントドア31を車両外側方向(図中矢印F方
向)へ押圧し、フロントドア31が破線のような軌跡を
描いて車体外側へ移動する可能性があった。
【0010】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、車両の前方衝突時において、フ
ロントピラーに車幅内側への過大なモーメントが入力さ
れた場合であっても、フロントピラーとの干渉によって
フロントドアが車幅外側へ押出されるのを確実に防止す
ることができる自動車の前部車体構造を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、フロントピラーに、ダッシ
ュパネル及びフードリッジが接合されるピラー前方部
と、フロントドアの開口部を区画するピラー後方部とを
設け、前記ピラー前方部は、前記ダッシュパネル及びフ
ードリッジからのモーメント入力を受け、このモーメン
トが所定の大きさ以上となったときに前記ピラー後方部
から独立して捻れ変形を起こすことを特徴とするもので
ある。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の自
動車の前部車体構造であって、前記ピラー前方部とピラ
ー後方部を別体に設け、該ピラー前方部とピラー後方部
とを、車幅内側で連結すると共に、車幅外側で分離自在
に接合したことを特徴とするものである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の自
動車の前部車体構造であって、前記ピラー前方部とピラ
ー後方部を一体的に設け、該ピラー前方部とピラー後方
部との間に、車幅外側で前記ピラー後方部からのピラー
前方部の離れ移動を許容する移動許容部を設けたことを
特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項
3のいずれかに記載の自動車の前部車体構造であって、
前記フロントピラーに、前記ピラー前方部の捻れ位置を
規制する脆弱部を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明によれば、車両走行時等に
フロントピラーに作用する荷重やモーメントは、ピラー
前方部が受けてピラー後方部に分散され、ピラー前方部
及びピラー後方部の両者によって支持されるので、十分
な車体剛性を確保することができる。
【0016】車両前方衝突時等において、ダッシュパネ
ル及びフードリッジからフロントピラーに対してモーメ
ントが作用する。そして、このモーメントが所定の大き
さに達するまでは、ピラー前方部とピラー後方部とが共
に前記モーメント入力に抗するので、フロントピラーの
捻れ変形が防止される。また、前記モーメント入力が所
定の大きさに達すると、ピラー前方部がピラー後方部か
ら独立して捻れ変形を起こすので、前記モーメント入力
が過大となっても、ピラー後方部が捻れ変形を起こすこ
とがない。従って、ピラー後方部が後方に押圧されてフ
ロントドアと干渉を起こしても、ピラー後方部が捻れ変
形を起こしフロントドアを車幅外側に押出すことがな
く、フロントドアをフロントピラーに確実に支持させる
ことができる。
【0017】請求項2記載の発明によれば、ピラー前方
部とピラー後方部とを、車幅内側で連結するとともに、
車幅外側で分離自在に接合するという簡単な構造によっ
て、請求項1記載の発明と同様の作用を得ることができ
る。
【0018】請求項3記載の発明によれば、ピラー前方
部とピラー後方部を一体的に設け、ピラー後方部とピラ
ー前方部との間に、車幅外側でピラー後方部からのピラ
ー前方部の離れ移動を許容する移動許容部を設けるとい
う簡単な構造によって、請求項1記載の発明と同様の作
用を得ることができる。
【0019】請求項4記載の発明によれば、フロントピ
ラーにピラー前方部の捻れ位置を規制する脆弱部を設け
たので、ダッシュパネル及びフードリッジからのモーメ
ントが所定の大きさ以上となったときに、ピラー前方部
の安定した捻れ変形状態をより確実に得ることができ
る。
【0020】
【実施例】以下、この発明の第1実施例を説明する。図
1は第1実施例を示す斜視図、図2(a)〜(c)はそ
れぞれ第1、第2のフロントピラーパネルアウタ及びフ
ロントピラーパネルインナを示す斜視図、図3は図1を
矢印A方向から視た側面図、図4は図3のB−B断面
図、図5は図1を矢印C方向から視た図であり、図5
(a)は車体前部の平面図、図5(b)はフロントドア
付近の平断面図である。また図6は車両前方衝突時の状
態を示す斜視図、図7は図6を矢印C方向から視た図で
あり、図7(a)は車体前部の平面図、図7(b)はフ
ロントドア付近の平断面図、図8は図6のD−D断面図
である。なお従来と同様の部分には、同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0021】図1に示すように、フロントピラー41
は、ダッシュパネル13の車幅両端に立設され、ピラー
前方部としての第1のフロントピラーパネルアウタ43
と、ピラー後方部としての第2のフロントピラーパネル
アウタ45と、フロントピラーパネルインナ47で構成
されている。第1のフロントピラーパネル43は、ダッ
シュパネル13及びカウルボックス7と接合されてい
る。図3のように、第1、第2のフロントピラーパネル
アウタ43,45の下部43a,45aは、サイドシル
9の前端部9bに接合され、第1のフロントピラーパネ
ルアウタ43の上部43bは、フードリッジ3の後端部
3aに接合されている。サイドシル9の上板部9aと第
2のフロントピラーパネルアウタ45の後方側板部46
は開口部19を区画している。
【0022】図2(a)に示すように、第1のフロント
ピラーパネルアウタ43は、断面略コ字状に形成され、
外板部51と、外板部51の両端から車幅内側に屈曲し
た前方側板部52及び後方側板部53と、外板部51及
び前方側板部52の上端から屈曲した上板部54を備え
ている。前方側板部52の端部には、車体前方に屈曲す
る側板下方フランジ部52a及び側板上方フランジ部5
2bが設けられている。後方側板部53には、脆弱部と
してのビード状の易屈曲部59が、上下方向に沿って車
体前方に突設され、後方側板部53は易屈曲部59で折
れ曲りやすくなっている。すなわち、易屈曲部59は、
後方側板部53の折れ曲り位置を規制している。
【0023】図2(b)に示すように、第2のフロント
ピラーパネルアウタ45は、断面略コ字状に形成され、
外板部55と、外板部55の両端から車幅内側に屈曲し
た前方側板部57及び後方側板部46と備えている。外
板部55及び後方側板部46の上方は開口部19に沿っ
て車体後方に延設され、これに合わせて前方側板部57
の上部58も後方に延設されている。前方側板部57の
端部には、車体前方に屈曲する前方側板フランジ部57
aが設けられ、前方側板部57の上部58の端部には,
斜め上方に屈曲する上方フランジ部58aが設けられて
いる。また後方側板部46の端部には、車体後方に屈曲
する後方側板フランジ部46aが設けられている。
【0024】図2(c)に示すように、フロントピラー
パネルインナ47は、平板部63と、平板部63の前端
から断面略L字状に車幅外側に屈曲した前方側板部61
とを備えている。平板部63には、脆弱部としてのビー
ド状の易屈曲部67が、上下方向に沿って車幅内側に突
設され、平板部63は易屈曲部67で折れ曲りやすくな
っている。すなわち、易屈曲部67は、平板部63の折
れ曲り位置を規制している。平板部63の後端、上端、
及び前端上方には、それぞれ車幅外側に屈曲した後さら
に車体前後方向に沿って屈曲する後方フランジ部63
a、上方フランジ部63b、及び前方フランジ部63c
が設けられ、前方側板部61の端部には、車体前方に屈
曲する側板フランジ部61aが設けられている。
【0025】第1のフロントピラーパネルアウタ43の
側板下方フランジ部52aは、フロントピラーパネルイ
ンナ47の側板フランジ部61aに接合され、第1のフ
ロントピラーパネルアウタ43の側板上方フランジ部5
2bは、フロントピラーパネルインナ47の後方フラン
ジ部63c及び上方フランジ部63bに接合される。ま
た、第2のフロントピラーパネルアウタ45の前方側板
フランジ部57aは、フロントピラーパネルインナ47
の平板部63に接合され、第2のフロントピラーパネル
アウタ45の上方フランジ部58aは、フロントピラー
パネルインナ47の上方フランジ部63bに接合され、
第2のフロントピラーパネルアウタ45の後方側板フラ
ンジ部46aは、フロントピラーパネルインナ47の後
方フランジ部63aに接合される。
【0026】図4に示すように、フロントピラー41の
内部では、第1のフロントピラーパネルアウタ43の後
方側板部53と、第2のフロントピラーパネルアウタ4
5の前方側板部57が面当接し、両者は易屈曲59の車
幅外側(接合部P)及び内側(接合部Q)で接合されて
いる。この接合部Qの接合強度は接合部Pの接合強度よ
りも大きく設定され、これにより、第1のフロントピラ
ーパネルアウタ43と第2のフロントピラーパネルアウ
タ45とは、車幅内側においてフロントピラーパネルイ
ンナ47及び接合部Qによって連結され、車幅外側にお
いて接合部Pによって分離自在に接合された状態となっ
ている。フロントピラー41を外側から視ると、第1の
フロントピラーパネルアウタ43と第2のフロントピラ
ーパネルアウタ45の間には、微小の間隙69が形成さ
れている。また、前述のように、第2のフロントピラー
パネルアウタ45の後方側板フランジ部46a及び前方
側板フランジ部57aは、フロントピラーパネルインナ
47の後方フランジ部63a及び平板部63に接合され
(接合部R,T)、第1のフロントピラーパネルアウタ
43の側板下方フランジ部52aは、フロントピラーパ
ネルインナ47の側板フランジ部61aに接合されてい
る(接合部S)。第2のフロントピラーパネルアウタ4
5の前方側板フランジ部57aとフロントピラーパネル
インナ47の平板部63との接合部Tは、平板部67の
易屈曲部67よりも車体後方に設けられている。これに
より、フロントピラー1の内部には2つの閉断面が区画
形成され、第1のフロートピラーパネルアウタ43の側
板下方フランジ部52aは、ダッシュパネル13の車幅
外端部に接合されている(接合部V)。
【0027】図5(b)に示すように、第2のフロント
ピラーパネルアウタ45の外板部55には、ヒンジ33
を介してフロントドア31が連結されている。フロント
ドア31は、ドアインナパネル35とドアアウタパネル
37によって構成され、フロントドア31は開口部19
を開閉する。
【0028】次に作用を説明する。
【0029】通常の車両走行時等において、ダッシュパ
ネル13やフードリッジ3を介して車体前部からフロン
トピラー41に作用する荷重やモーメントは、第1のフ
ロントピラーパネルアウタ43に入力されて第2のフロ
ントピラーパネルアウタ45及びフロントピラーパネル
インナ47に分散される。すなわち、かかる荷重やモー
メントは、フロントピラー41内に閉断面を形成する第
1のフロントピラーパネルアウタ43、第2のフロント
ピラーパネルアウタ45、及びフロントピラーパネルイ
ンナ47によって支持されるので、十分な車体剛性を確
保することができる。
【0030】車両前方衝突時には、図5(a)の状態か
ら図7(a)に示すように、フードリッジ3及びフロン
トサイドメンバ11の車体前側が潰れ変形を起こし、フ
ードリッジ3及びフロントサイドメンバ11の車体後側
が車体後方に押圧され移動する。このとき、フロントサ
イドメンバ11がフロントピラー41よりも車幅内側の
ダッシュパネル13に接合され、ダッシュパネル13が
フロントピラー41に接合されているため、フロントサ
イドメンバ11からの押圧力によって、図7(b)に示
すようにフロントピラー41に車幅内側へのモーメント
Mが作用する。また、車両衝突時において、図6に示す
ように、ストラット15が車体内側(図中矢印X方向)
に倒れ込むような変形を起こすと、ストラットタワー5
を介してフードリッジ3が車幅内側に引張られ、フード
リッジ3はフロントピラー41に接合されているので、
フロントピラー41に前記同様のモーメントMが作用す
る。
【0031】フロントピラー41に作用する前記モーメ
ントMが所定の大きさに達するまでは、第1のフロント
ピラーパネルアウタ43と第2のフロントピラーパネル
アウタ45との車幅内側及び外側の接合部分P,Qは分
離せず、フロントピラー41は衝突前とほぼ同じ形状を
維持して前記モーメントMに抗するので、フロントピラ
ー41の変形を防止することができる。
【0032】前記モーメントMが過大となり所定の大き
さに達したときは、前記車幅外側の接合部分Pがモーメ
ントMに抗しきれなくなり分離する。このとき、第1の
フロントピラーパネルアウタ43の後方側板部53及び
フロントピラーパネルインナ47の平板部63には、そ
れぞれビード状の易屈曲部59,67が設けられている
ので、易屈曲部67よりも車体前方のフロントピラーパ
ネルインナ47と第1のフロントピラーパネルアウタ4
3からなるフロントピラー前部41aは、易屈曲部5
9,67によって捻れ位置が規制され、この易屈曲部5
9,67を回転中心として確実に折り曲げられる。これ
により、車幅内側に位置する接合部分Q,Tが分離する
ことなく、フロントピラー前部41aが、易屈曲部67
よりも後方のフロントピラーパネルインナ47と第2の
フロントピラーパネルアウタ45とからなるフロントピ
ラー後部41bから独立して車体内側に捻れ変形を起こ
し、衝突エネルギが吸収される。このとき、フロントピ
ラー後部41bは、捻れ変形を起こすことなく車体後方
に押圧されるので、第2のフロントピラーパネルアウタ
45がフロントドア31のドアインナパネル側面35a
に干渉を起こしても、かかる干渉によってフロントドア
31が車幅外側に向かって押圧されて押出されることが
なく、フロントピラー41の剛性を高く維持すると共
に、フロントドア31をフロントピラー41に確実に支
持させておくことができる。
【0033】また、第2のフロントピラーパネルアウタ
45がフロントドア31のドアインナパネル側面35a
に干渉した後においては、フロントピラー41に加えら
れた車両後方への荷重をフロントドア31に良好に分散
させることができるので、かかる車両後方への荷重をよ
り効果的に支持することができる。
【0034】また、第1のフロントピラーパネルアウタ
43と第1のフロントピラーパネルアウタ45とを、車
幅内側(接合部Q)で連結するとともに、車幅外側(接
合部P)で分離自在に接合するという簡単な構造によっ
て、前記効果を得ることができる。
【0035】次に、この発明の第2実施例を説明する。
図9は第2実施例を示す斜視図、図10は図9のE−E
断面図であり、(a)は車両前方衝突前の状態を示し、
(b)は車両前方衝突後の状態を示している。なお、従
来及び第1実施例と同様の部分には、同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0036】図9に示すように、フロントピラー71
は、フロントピラーパネルアウタ73と、フロントピラ
ーパネルインナ75で構成されている。フロントピラー
パネルアウタ43は、ダッシュパネル13、カウルボッ
クス7に接合されている。フロントピラーパネルアウタ
73の後方下部はサイドシル3の前端部9bと接合さ
れ、フロントピラーパネルアウタ73の前方上部は、フ
ードリッジ3の後端部3aと接合されている。サイドシ
ル9の上板部9aとフロントピラーパネルアウタ73の
後方側板部77は、開口部19を区画している。
【0037】図10(a)に示すように、フロントピラ
ーパネルアウタ73は、上下方向に延設された移動許容
部としてのV字部85と、このV字部85から車両前後
方向に屈曲形成された前方外板部81及び後方外板部7
9と、前後の外板部81,79から車幅内側にそれぞれ
屈曲形成された前方側板部83及び後方側板部77とを
備え、これらは一体的に設けられている。前方及び後方
側板部83,77の端部には、車体前方及び後方に屈曲
する側板フランジ部83a,77aが設けられ、前方の
側板フランジ部83aにはダッシュパネル13が接合さ
れている。前方外板部81と前方側板部83が本実施例
のピラー前方部を構成し、後方外板部79及び後方側板
部77がピラー後方部を構成している。また、前記V字
溝85は、車幅内側に突出するように屈曲され、後方外
板部79からの前方外板部81の離れ移動を許容する。
【0038】フロントピラーパネルインナ75は、平板
部87と、平板部87の前端から断面略L字状に車幅外
側に屈曲した前方側板部89とを備え、平板部87に
は、脆弱部としてのビード状の易屈曲部91が、上下方
向に沿って車幅内側に突設されている。平板部87の後
端には、車幅外側に屈曲した後さらに車体後方向に沿っ
て屈曲する後方フランジ部87aが設けられ、平板部8
7の前端には、車体前後方向に沿って屈曲する前方フラ
ンジ部89aが設けられている。後方フランジ部87a
と前方フランジ部89aは、それぞれフロントピラーパ
ネルアウタ73の後方及び前方の側板フランジ部77
a,83aと接合され、フロントピラーパネルアウタ7
3とフロントピラーパネルインナ75の間には閉断面が
形成されている。前記易屈曲部91は、かかる接合状態
でフロントピラーパネルアウタ73のV字部91の先端
とほぼ対向する位置に設けられている。フロントピラー
パネルアウタ73及びフロントピラーパネルインナ75
のうち、V字部85及び易屈曲部91よりも前方の部分
がフロントピラー前部71aを構成し、V字部85及び
易屈曲部91よりも後方の部分がフロントピラー後部7
1bを構成している。
【0039】次に作用を説明する。
【0040】通常の車両走行時等において、ダッシュパ
ネル13やフードリッジ3を介して車体前部からフロン
トピラー71に作用する荷重やモーメントは、フロント
ピラーパネルアウタ73に入力されてフロントピラーパ
ネルインナ75に分散される。すなわち、かかる荷重や
モーメントは、フロントピラー71内に閉断面を形成す
るフロントピラーパネルアウタ73及びフロントピラー
パネルインナ75によって支持されるので、十分な車体
剛性を確保することができる。
【0041】車両前方衝突時には、第1実施例と同様
に、フロントピラー71に車幅内側へのモーメントMが
作用する。このモーメントMが所定の大きさに達するま
では、フロントピラーパネルアウタ73のV字部85が
広がることなく、フロントピラーパネルアウタ73とフ
ロントピラーパネルインナ75は衝突前とほぼ同じ状態
を維持して前記モーメントMに抗するので、フロントピ
ラー71の変形を防止することができる。
【0042】前記モーメントMが過大となり所定の大き
さに達したときは、V字部85の溝幅が広がる。このと
き、フロントピラーパネルインナ75の平板部87に
は、V字部85とほぼ対向してビード状の易屈曲部91
が設けられているので、フロントピラー前部71aは、
易屈曲部91によって捻れ位置が規制され、この易屈曲
部91を回転中心として確実に折り曲げられて、ピラー
後方部71bから独立して車体内側に捻れ変形を起こ
し、衝突エネルギが吸収される。このとき、フロントピ
ラー71のピラー後方部71bは、捻れ変形を起こすこ
となく車体後方に押圧されるので、第1実施例と同様
に、フロントピラーパネル71がフロントドア31に干
渉した場合でも、かかる干渉によってフロントドア31
が車幅外側に押出されることがなく、フロントピラー7
1の剛性を高く維持すると共に、フロントドア31をフ
ロントピラー71に確実に支持させておくことができ
る。
【0043】また、フロントピラーパネルアウタ73が
フロントドア31に干渉した後においては、フロントピ
ラー71に加えられた車両後方への荷重をフロントドア
31に良好に分散させることができるので、かかる車両
後方への荷重をより効果的に支持することができる。
【0044】さらに、本実施例によれば、第1実施例に
比し部品点数を減少して構造の簡略化を図ることができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の発明によれば、車両走行時等にフロントピラーに作用
する荷重やモーメントは、ピラー前方部及びピラー後方
部の両者によって支持されるので、十分な車体剛性を確
保することができる。
【0046】また、車両前方衝突時等において、フロン
トピラーに対し作用するモーメントが所定の大きさに達
するまでは、ピラー前方部とピラー後方部とが共に前記
モーメント入力に抗してフロントピラーの捻れ変形が防
止され、前記モーメント入力が所定の大きさに達した場
合には、ピラー前方部がピラー後方部から独立して捻れ
変形を起こしピラー後方部が捻れ変形を起こすことがな
いので、前記モーメント入力が過大となり、ピラー後方
部が後方に押圧されてフロントドアと干渉を起こして
も、ピラー後方部が捻れ変形を起こしフロントドアを車
幅外側に押出すことがなく、フロントドアをフロントピ
ラーに確実に支持させることができ、フロントピラーの
剛性を高く維持すると共に、フロントドアが車幅外側へ
押出されるのを確実に防止することができる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、ピラー前方
部とピラー後方部とを、車幅内側で連結するとともに、
車幅外側で分離自在に接合するという簡単な構造によっ
て、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができ
る。
【0048】請求項3記載の発明によれば、ピラー前方
部とピラー後方部を一体的に設け、ピラー後方部とピラ
ー前方部との間に、車幅外側でピラー後方部からのピラ
ー前方部の離れ移動を許容する移動許容部を設けるとい
う簡単な構造によって、請求項1記載の発明と同様の効
果を得ることができる。
【0049】請求項4記載の発明によれば、フロントピ
ラーにピラー前方部の捻れ位置を規制する脆弱部を設け
たので、ダッシュパネル及びフードリッジからのモーメ
ントが所定の大きさ以上となったときに、ピラー前方部
の安定した捻れ変形状態をより確実に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る斜視図である。
【図2】(a)は第1のフロントピラーパネルアウタを
示す斜視図、(b)は第2のフロントピラーパネルアウ
タを示す斜視図、(c)はフロントピラーパネルインナ
を示す斜視図である。
【図3】図1の矢印A方向から視た側面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】図1を矢印C方向から視た図であり、(a)は
車体前部の平面図、(b)はフロントドア付近の平断面
図である。
【図6】車両前方衝突時の状態を示す斜視図である。
【図7】図6を矢印C方向から視た図であり、図7
(a)は車体前部の平面図、図7(b)はフロントドア
付近の平断面図である。
【図8】図6のD−D断面図である。
【図9】この発明の第2実施例に係る斜視図である。
【図10】図9のE−E断面図であり、(a)は車両前
方衝突前の状態を示し、(b)は車両前方衝突後の状態
を示している。
【図11】従来例の斜視図である。
【図12】他の従来例の斜視図である。
【図13】従来例の平面図であり、(a)は車両前方衝
突前の状態を示し、(b)は車両前方衝突後の状態を示
している。
【図14】従来例の平断面図であり、(a)は車両前方
衝突前の状態を示し、(b)は車両前方衝突後の状態を
示している。
【符号の説明】
3 フードリッジ 13 ダッシュパネル 19 開口部 31 フロントドア 41 フロントピラー 43 第1のフロントピラーパネルアウタ(ピラー前方
部) 45 第2のフロントピラーパネルアウタ(ピラー後方
部) 59 易屈曲部(脆弱部) 67 易屈曲部(脆弱部) 71 フロントピラー 73 フロントピラーパネルアウタ 77 後方側板部(ピラー後方部) 79 後方外板部(ピラー後方部) 81 前方外板部(ピラー前方部) 83 前方側板部(ピラー前方部) 85 V字部(移動許容部) 91 易屈曲部(脆弱部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントピラーに、ダッシュパネル及び
    フードリッジが接合されるピラー前方部と、フロントド
    アの開口部を区画するピラー後方部とを設け、 前記ピラー前方部は、前記ダッシュパネル及びフードリ
    ッジからのモーメント入力を受け、このモーメントが所
    定の大きさ以上となったときに前記ピラー後方部から独
    立して捻れ変形を起こすことを特徴とする自動車の前部
    車体構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車の前部車体構造で
    あって、 前記ピラー前方部とピラー後方部を別体に設け、 該ピラー前方部とピラー後方部とを、車幅内側で連結す
    ると共に、車幅外側で分離自在に接合したことを特徴と
    する自動車の前部車体構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動車の前部車体構造で
    あって、 前記ピラー前方部とピラー後方部を一体的に設け、 該ピラー前方部とピラー後方部との間に、車幅外側で前
    記ピラー後方部からのピラー前方部の離れ移動を許容す
    る移動許容部を設けたことを特徴とする自動車の前部車
    体構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    自動車の前部車体構造であって、 前記フロントピラーに、前記ピラー前方部の捻れ位置を
    規制する脆弱部を設けたことを特徴とする自動車の前部
    車体構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001260941A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Isuzu Motors Ltd 車両の側部構造
JP2017007398A (ja) * 2015-06-17 2017-01-12 日産自動車株式会社 自動車の車体前部構造

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