JPH0866933A - 格子状リブ付き平板の射出成形方法 - Google Patents

格子状リブ付き平板の射出成形方法

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JPH0866933A
JPH0866933A JP6204937A JP20493794A JPH0866933A JP H0866933 A JPH0866933 A JP H0866933A JP 6204937 A JP6204937 A JP 6204937A JP 20493794 A JP20493794 A JP 20493794A JP H0866933 A JPH0866933 A JP H0866933A
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ribs
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隆義 田中
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リブ部のひけを防止でき、平面部の反りや歪
みも無くすことができて高精度に成形することができる
格子状リブ付き平板の射出成形方法の提供。 【構成】 平面部94の片面に格子状に配置されたリブ91
を有する平板90を成形するにあたって、キャビティ8内
に溶融樹脂を充填させて溶融樹脂が冷却固化しつつ状態
にあるときに、前記リブ91で囲まれる格子部98における
キャビティ8面と樹脂との間に圧縮流体を注入する。圧
縮流体は、平面部94およびリブ91に作用するため、平板
90はキャビティ8内面に押圧されたまま冷却固化されて
ひけが防止され、かつ圧力分布が無くなって成形収縮の
分布も無くなり、反り変形も防止されて面精度が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、格子状リブ付き平板の
射出成形方法に係り、例えばコピー装置の紙供給部品な
どの格子状リブを有する成形品の成形に利用できる。
【0002】
【背景技術】平面部の片面に面剛性向上のために格子状
リブを形成した合成樹脂製の平板を射出成形する場合、
合成樹脂固有の成形収縮があるため平面部が収縮すると
ともに、格子状リブの収縮率が平面部とは異なること、
および格子状リブが構造体となりリブ部分の収縮に対し
て拘束されるため、平面部は一般に内反りを起こしてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような内反りは、
金型キャビティ内に射出した樹脂に対する保持圧力(保
圧)を低くすることで抑えることができるが、保圧を低
くすると特にリブ部分のひけが大きくなって目立つとい
う問題があった。一方、ひけを防止するために、金型キ
ャビティ内に射出した樹脂に過大な保持圧力を加える
と、平面部に過大な保持圧力が加わることで反り変形が
生じるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上述のような相反する問
題を解決して、格子状リブ付きの平板を射出成形するに
あたって、リブ部のひけを防止することができ、かつ平
面部の反りや歪みも無くすことができて高精度に成形す
ることができる格子状リブ付き平板の射出成形方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の格子状リブ付き
平板の射出成形方法は、平面部の少なくとも片面に格子
状に配置されたリブを有する平板を成形する射出成形方
法において、金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填させ
て溶融樹脂が冷却固化しつつ状態にあるときに、前記リ
ブで囲まれる格子部におけるキャビティ面と樹脂との間
に圧縮流体を注入することを特徴とするものである。
【0006】この際、前記圧縮流体を前記格子状リブ付
き平板のすべての格子部に注入して平板の面全体を加圧
保持することが好ましい。また、圧縮流体をキャビティ
内に注入するにあたっては、成形品を離型させるための
突き出しピンのクリアランス(突き出しピンと突き出し
ピンが嵌挿されている金型貫通孔との隙間)から注入す
ることが望ましい。ここで、突き出しピンのキャビティ
側先端部(キャビティ面に開口された部分)のクリアラ
ンスは1/100 〜8/100 mm(10〜80μm)に設定されてい
ることが好ましい。
【0007】さらに、前記圧縮流体をキャビティ内に加
圧注入する際に、注入初期は低圧力の圧縮流体を注入
し、その後高圧力の圧縮流体を注入して圧縮流体の多段
圧力制御を行うことが望ましい。また、前記突き出しピ
ン周囲のキャビティ面には、成形品の裏面側に防壁を立
設させるための凹部を必要に応じて形成してもよい。
【0008】
【作用】このような本発明においては、キャビティ内に
射出された溶融樹脂が冷却固化しつつ状態にあるとき
に、リブで囲まれた格子部に窒素ガス等の圧縮流体を注
入しているため、キャビティ内の溶融樹脂(平板)は、
その平面部がキャビティ内面に押圧された状態で冷却固
化され、ひけが防止される。さらに、溶融樹脂に過大な
保持圧力を加える必要が無くて低圧力の射出成形が行
え、かつ前記圧縮流体は平面部だけでなくリブ部にも作
用するため、リブ部と平面部との圧力分布がなくなって
成形収縮の分布もなくなるため、面精度の優れた反り変
形のない平板が成形される。この際、すべての格子部に
圧縮流体を注入すれば、平面部全体が均一にキャビティ
面に押圧されるため、ひけが確実に防止され、かつより
一層面精度に優れて反り変形のない平板が成形される。
【0009】また、金型に設けられている突き出しピン
のクリアランスを利用して圧縮流体を注入すれば、圧縮
流体を注入するための機構を新たに金型に設ける必要が
無く、金型構造が簡素化されて製作も容易となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例の射出成形装置1の概略構
成図が示されている。射出成形装置1は、スクリュー2
を有して樹脂を溶融混練する射出装置3と、固定金型4
および可動金型5が取り付けられた型締装置6とを備え
ている。可動金型5には、突き出し板7を介して押され
てその先端がキャビティ8内に突出することで成形品を
取り出す突き出しピン9が、可動金型5の貫通孔10を
通して設けられている。
【0011】可動金型5には、前記貫通孔10にそれぞ
れ連通されたガス供給路11が形成され、このガス供給
路11はガス注入制御装置12に接続されている。ガス
注入制御装置12は、コンプレッサからの駆動エアによ
って駆動されて注入用の窒素ガスを増圧して圧縮流体と
する増圧器13と、射出装置3からの信号によってつま
り射出タイミングによって、ガス供給路11への窒素ガ
ス供給を制御する開閉バルブ14や増圧器13の動作を
制御する制御装置15を備えている。従って、これらガ
ス供給路11およびガス注入制御装置12によって圧縮
流体供給手段が構成されている。
【0012】開閉バルブ14は、窒素ガスの供給を制御
する供給用電磁バルブ16と、注入した窒素ガスを排気
するための排気用電磁バルブ17と、供給する窒素ガス
の圧力制御用電磁バルブ18との3つのバルブを備えて
おり、これらの各バルブ16,17,18は、前記制御
装置15によって個別に開閉制御されている。
【0013】なお、本実施例のキャビティ8は、図3に
示すように、平面部94の片面側に格子状リブ91を備
える平板90を形成するものであり、可動金型5にはリ
ブ形成用の凹溝19が形成されている。
【0014】可動金型5の貫通孔10は、図2にも示す
ように、前記凹溝19間つまり平板90の格子状リブ9
1で4方向あるいは3方向が囲まれた格子部98が形成
される部分にそれぞれ形成されている。なお、本実施例
では、図3に示す平板90の四隅部(リブ91が2方向
のみに形成されている格子部99)を形成する金型部分
には、貫通孔10が形成されていないが、この格子部9
9が形成される部分にも貫通孔10を形成してもよい。
【0015】貫通孔10は、図2に示すように、キャビ
ティ8側先端部は小径とされて突き出しピン9とのクリ
アランスAが1/100 〜8/100 mm(10〜80μm)となるよ
うに設定されている。また、貫通孔10の突き出し板7
側(キャビティ8とは反対側)には、突き出しピン9と
の隙間をシールするOリング等のシール材21が設けら
れている。
【0016】次に、本実施例における射出成形の手順に
ついて説明する。まず、型締装置6を利用して金型4,
5を閉じ、射出装置3により溶融樹脂をキャビティ8内
に所定量射出する。この際、樹脂充填に従って突き出し
ピン9に加わる樹脂圧力は上昇するが、貫通孔10のキ
ャビティ8側先端部のクリアランスAが1/100 〜8/100
mmと狭くされているので、貫通孔10内への樹脂流入は
防止され、クリアランスに詰まることなく樹脂充填が行
われる。
【0017】溶融樹脂が所定量充填され、充填終了を知
らせる信号が射出装置3からガス注入制御装置12に送
られると、増圧器13が作動されるとともに、供給用バ
ルブ16が開かれてガス供給路11を通して貫通孔10
に窒素ガスが注入される。この際、溶融樹脂は冷却固化
されつつあってキャビティ8との間に隙間が生じている
とともに、貫通孔10の突き出し板7側はシール材21
でシールされているため、貫通孔10に注入された窒素
ガスは、突き出しピン9のクリアランスを通してキャビ
ティ8内に注入される。
【0018】キャビティ8内に注入された窒素ガスは、
貫通孔10が開口されたリブ91で囲まれた各格子部9
8に注入される。この窒素ガスのガス圧力は、平面部9
4を固定金型4のキャビティ8内面に押しつける方向に
作用するとともに、これと直交する各リブ91方向にも
作用し、これにより平板90が冷却固化されるまでの間
に十分な保持圧力が加わり、平板90の表面側が固定金
型4のキャビティ8内面に押圧されてひけ発生が防止さ
れる。また、リブ91および平面部94にともにガス圧
力が加わって圧力分布が無くなり、成形収縮の分布もな
くなるため、面精度の優れた反り変形のない平板90が
得られる。
【0019】そして、溶融樹脂が冷却固化したら、排気
用バルブ17を開いてキャビティ8内のガスを抜き、金
型4,5を離型するとともに、突き出しピン9を突出さ
せて成形品90を取り出し、射出成形の1つのサイクル
を終了する。以上の成形サイクルを繰り返し、成形品9
0を順次成形する。
【0020】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。格子状リブ91付きの平板90を成形する
にあたって、キャビティ8内の各リブ91で囲まれた格
子部98部分に窒素ガスを注入しているので、窒素ガス
のガス圧力は平面部94方向だけでなくリブ91方向に
も作用し、平面部94部分だけでなくリブ91部分も含
めた全体から平板90に対して圧縮作用を行うことがで
きる。このため、平板90の圧力分布がなくなり、成形
収縮の分布も無くすことができ、面精度の優れた反り変
形のない平板90を成形することができる。
【0021】さらに、注入された窒素ガスによって、溶
融樹脂をキャビティ8内面に押圧しているので、溶融樹
脂が冷却固化するまで樹脂表面側とキャビティ8内面と
の密着状態を維持することができ、リブ91を有する平
板90を成形する場合でもひけを防止することができ、
ひけ防止と反り変形防止という従来両立できなかった問
題点を同時に解決することができる。
【0022】前記実施例では、平板90の四隅の格子部
99以外の格子部98すべてに窒素ガスを注入している
ので、平板90の裏面全体から表面側に圧縮作用を及ぼ
すことができ、平板90全体のひけを確実に防止できる
とともに、平板90全体の面精度を向上できて反り変形
のない優れた平板90を製造することができる。
【0023】キャビティ8内に窒素ガスを注入すること
で、平板90の反りやひけを防止することができるの
で、従来のようにひけ防止などのために高圧射出成形を
行う必要が無く、低圧射出成形を実現することができ
る。このため、成形サイクルも早くでき、平板90の品
質を低下させることなく生産性を向上できる。
【0024】金型5に通常設けられている突き出しピン
9の貫通孔10とのクリアランスを通してキャビティ8
内に窒素ガスを注入しているため、ガス注入用の導孔を
新たに形成する必要が無く、金型5の構造を簡素化する
ことができ、安価に提供することができる。この際、突
き出しピン9周囲のクリアランスAを1/100 〜8/100 mm
としているので、クリアランス部分に溶融樹脂の貫通孔
10内への流入を防止するための微細孔を有する多孔質
部材などを配置する必要もなく、より金型構造を簡易化
することができるとともに、溶融樹脂が貫通孔10内に
流入することを確実に防止でき、かつ窒素ガスのキャビ
ティ8への流入を妨げることが無いため、十分なガスを
スムーズに供給することができ、窒素ガスによる保持圧
力を高めて平板90のひけおよび反りを確実に防止する
ことができる。
【0025】圧縮流体として不燃性の窒素ガスを用いて
いるので、キャビティ8内への注入によって膨張したり
加熱されても爆発のおそれがなく、射出成形の安全性を
確保することができる。
【0026】平板90の裏面側および可動金型5間に窒
素ガスが注入されて隙間が形成されるため、平板90を
容易に離型することができ、特にリブ91が多くて離型
しにくい平板90を成形する場合でも、離型不良による
トラブル発生を防止でき、効率のよい射出成形を行うこ
とができる。
【0027】次に、本発明の効果を確認するために行っ
た実験例について説明する。本実験例は、図3に示され
るような、格子状リブ91を有する正方形状の平板90
を形成し、表1に示すように、各種条件を変えて平板9
0のひけおよび反り量を評価したものである。
【0028】平板90を成形するにあたって、射出成形
機としては東芝機械製IS-200を用い、樹脂としてMFR
(メルトフローレシオ)[230℃,2.16kgf]=10g/10min
のブロックPP(ポリプロピレン)を用いた。平板90
は、一辺の長さが250mmとされ、図4に示すよう
に、リブ91以外の一般肉厚dは2.5mmに、リブ9
1の基部厚み(幅)bは2mmに設定されている。な
お、図4は理解しやすいように、リブ91および平面材
95の肉厚が実際の寸法比に比べて大きくされている。
【0029】また、型締圧は200tに設定し、樹脂温
度および金型温度は表1のように設定した。そして、ピ
ンクリアランスAの寸法や、ガス圧力を変更して実験例
1〜4を行い、平板90のひけ状態を表面粗さ計(小坂
研究所製サーフコーダSE−30D)を用いて検出する
とともに、反り量を測定した。一方、参考例1〜4とし
て、ピンクリアランスAを実験例よりも小さく(参考例
1,2)したり、大きくした(参考例3,4)場合につ
いても実験した。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示すように、ピンクリアランスA
(実験例では1/100 〜8/100mm )およびガス圧力を樹脂
種類、成形品形状、成形品の大きさ、成形条件等に応じ
て適切に設定すれば、ひけ量および反り量とも非常に小
さくなり、面精度に優れた平板90が成形できることが
確認できた。一方、参考例1,2のように突き出しピン
9のクリアランスAが小さすぎると窒素ガスの流入が阻
害され、十分なガスをキャビティ8内に供給できないた
め、ひけ量および反り量ともに大きくなることが判っ
た。また、参考例3,4のようにクリアランスAが大き
すぎると、溶融樹脂がクリアランス部分(貫通孔10)
内に逆流して詰まってしまいガスを供給できなくなるた
め、ひけ量および反り量ともに大きくなることが判っ
た。
【0032】以上のことから、樹脂種類等に応じて適切
に設定された突き出しピン9のクリアランスを介してキ
ャビティ8内の格子部98に窒素ガスを注入すれば、格
子状リブ91を有する平板90のひけおよび反りを共に
防止することができ、高品質、高精度、高強度の平板9
0が成形できることがわかり、本発明の有用性が確認で
きた。
【0033】以上、本発明について好適な実施例をあげ
て説明したが、本発明は、この実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、前記実
施例では、突き出しピン9のクリアランスから圧縮流体
(窒素ガス)を注入していたが、図5に示すように、突
き出しピン9に加えて圧縮流体の注入用の固定ピン30
を設けてもよい。すなわち、可動金型5に貫通孔22を
形成し、この貫通孔22にガス供給路11を連結し、貫
通孔22内に固定ピン30を配置してそのピン30周囲
のクリアランスから圧縮流体を注入してもよい。このよ
うにすれば、突き出しピン9が設けられていない部分
(前記実施例では格子部99)にも窒素ガス等の圧縮流
体を注入でき、ひけや反りを平板90の全面にわたって
確実に防止することができる利点がある。
【0034】この際、図5に示すように、可動金型5の
キャビティ8内面における凹溝19の外側には、平板9
0に防壁92を形成するための断面三角形状の溝20が
凹溝19に沿って形成されていることが好ましい。つま
り、リブ91ですべての周囲が囲まれていない格子部9
8,99に圧縮流体を注入する場合には、リブ91のな
い部分に防壁92を形成すれば、注入した圧縮流体が格
子部98,99内に保持されて漏れ出すことが無く、リ
ブ91部分への保持圧力を十分に維持することができ
る。なお、溝20の形状としては、断面三角形状のみで
なく、たとえば薄肉リブと同様な断面長方形であっても
よい。また、溝20の深さ寸法(防壁92の高さ寸法)
は、圧縮流体の保持能力および使用樹脂の増加量を考慮
して約2〜10mm程度に設定することが好ましい。
【0035】圧縮流体としては窒素ガスに限らず、圧縮
空気等の他のガスを用いてもよい。但し、圧縮流体は溶
融樹脂に接して温度が高くなるため、窒素ガスのような
不燃性のガスを用いた方が安全性が高いという利点があ
る。
【0036】また、圧縮流体を供給するにあたって、開
閉バルブ14の圧力制御用バルブ18を用いて、注入す
る圧縮流体の圧力を2段階制御してもよい。すなわち、
圧縮流体の注入初期には、バルブ18を開いて圧縮流体
の一部を排気することで圧力を下げて低圧(例えば増圧
器13における圧力が0.5〜3MPa)の圧縮流体を
所定時間(例えば0.2〜3秒)注入し、その後にバル
ブ18を閉じて高圧(例えば3.5〜20MPa)の圧
縮流体を所定時間(例えば2秒以上)注入してもよい。
このように、注入初期に低圧力の圧縮流体を注入すれ
ば、溶融樹脂を射出した直後の冷却固化の初期段階つま
り樹脂表面の固化した層が薄い状態のときに、圧縮流体
の圧力で固化層が破れてガスが樹脂内部に潜ってしまう
ことがなく、高品質でかつ高強度の平板90を製造する
ことができる。
【0037】なお、注入する圧縮流体の圧力は、2段階
制御する場合に限らず、3段階以上あるいは圧力値が連
続的に変化するように制御してもよいし、前記実験例の
ように圧力値を一定としてもよい。この際の圧力値は、
使用する樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよい。さ
らに、圧力制御の方法としては、前記実施例のように圧
力制御用バルブ18を設けて行う方式に限らず、減圧弁
等を用いた公知の適宜な圧力制御方法を利用してもよ
い。
【0038】突き出しピン9のクリアランスに、耐熱性
のある金属やセラミックスなどからなる多孔質部材を配
置してもよい。この多孔質部材を配置すれば、貫通孔1
0に供給された圧縮流体をキャビティ8内に注入するこ
とができるとともに、キャビティ8内の溶融樹脂が貫通
孔10内に流入することを防止することができる。この
ため、特に既存の金型5などにおいて突き出しピン9の
クリアランスが最適範囲に比べて大きくなっている場合
にも、多孔質部材をそのクリアランス部分に配置するこ
とでガス注入に適しかつ樹脂流入も防止できる。なお、
多孔質部材の孔径は用いる樹脂種類等に応じて適宜設定
すればよいが、例えば前記実施例と同じ1/100 〜8/100m
m 等に設定すればよい。
【0039】図6に示すように、金型5のリブ91用の
凹溝19の先端部を一部切り欠いて、樹脂を射出充填し
た際に、平板90におけるリブ91の基部に加肉部96
が形成されるようにしてもよい。本発明においては、表
面側のひけが防止される分だけ平板90の裏面側がひけ
て凹むが、加肉部96を形成すればひけた欠肉分が加肉
部96で補充されて強度低下も防止できる。この際、加
肉部96の樹脂量は、リブ91の中心部に発生する冷却
遅れ部97の容積の約20〜70%にすれば、樹脂量を
著しく増加させることなく、必要な強度を確保すること
ができる。また、加肉部96は、欠肉分に補充されて無
くなるため、平板90において加肉部96が目立つこと
はない。
【0040】本発明は、前記実施例の平板90に限ら
ず、片面あるいは両面に格子状のリブを有する各種平板
の成形に利用することができる。
【0041】
【発明の効果】このような本発明によれば、格子状リブ
を有する平板を射出成形する場合に、平板のひけおよび
反りを共に防止することができ、高精度、高品質、高強
度の平板を成形することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】前記実施例の金型中央部を示す拡大断面図であ
る。
【図3】前記実施例で成形される格子状リブ付き平板を
示す斜視図である。
【図4】実験例における格子状リブ付き平板の反り状態
を示す図である。
【図5】本発明の変形例の要部を示す拡大断面図であ
る。
【図6】本発明の他の変形例の要部を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 射出成形装置 3 射出装置 4 固定金型 5 可動金型 6 型締装置 8 キャビティ 9 突き出しピン 10 貫通孔 11 ガス供給路 12 ガス注入制御装置 13 増圧器 14 開閉バルブ 15 制御装置 19 凹溝 20 溝 22 貫通孔 90 平板 91 リブ 92 防壁 94 平面部 98,99 格子部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面部の少なくとも片面に格子状に配置
    されたリブを有する平板を成形する射出成形方法におい
    て、金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填させて溶融樹
    脂が冷却固化しつつ状態にあるときに、前記リブで囲ま
    れる格子部におけるキャビティ面と樹脂との間に圧縮流
    体を注入することを特徴とする格子状リブ付き平板の射
    出成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の格子状リブ付き平板の
    射出成形方法において、前記圧縮流体を前記格子状リブ
    付き平板のすべての格子部に注入して平板の面全体を加
    圧保持することを特徴とする格子状リブ付き平板の射出
    成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の格子状リブ付き
    平板の射出成形方法において、前記圧縮流体を成形品を
    離型させる突き出しピンのクリアランスから注入するこ
    とを特徴とする格子状リブ付き平板の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の格子状リブ付き平板の
    射出成形方法において、前記突き出しピンの少なくとも
    キャビティ側先端部のクリアランスが1/100〜8/
    100mmに設定されていることを特徴とする格子状リ
    ブ付き平板の射出成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,4に記載の格子状リ
    ブ付き平板の射出成形方法において、前記圧縮流体をキ
    ャビティ内に注入する際に、その注入圧力を注入初期は
    低圧力に制御し、その後高圧力に制御することを特徴と
    する格子状リブ付き平板の射出成形方法。
JP20493794A 1994-08-30 1994-08-30 格子状リブ付き平板の射出成形方法 Expired - Fee Related JP3238830B2 (ja)

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