JP6756958B1 - 射出成型装置及び方法 - Google Patents

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    • B29C45/63Venting or degassing means

Abstract

ワックスを貯留するワックス槽21と、前記ワックス槽に接続された射出部24と、空気を吸引可能な吸引部42と、前記射出部24に当接可能な射出ポート52、前記吸引部42に当接可能な吸引ポート53、及び、前記射出ポート52と前記吸引ポート53に接続された空洞51を有するゴム型50を有し、前記ワックス槽21内の圧力によって前記ワックス槽21内のワックスを前記射出部24から前記ゴム型50に射出する射出成型装置10であって、前記空洞51と前記吸引ポート53は、空気の通過を許容し、ワックスの通過を阻止するワックス阻止部54を介して接続されている、射出成型装置10が開示される。【選択図】 図3

Description

本願は、ロストワックス鋳造に使用されるワックスの射出成型装置及び射出成形方法に関する。
主として貴金属を用いた装飾品・アクセサリー・ジュエリーなどは、小さくて複雑、更に精密な形状をしている。このような製品を大量に生産したいという要望があり、ロストワックス精密鋳造法がこの業界で発達してきた。もちろん、上記以外の精密工業用部品製造においても応用可能である。
ジュエリー製造業界におけるロストワックス精密鋳造は、次のような工程を有する。
第一工程は原型を製作する工程。
第二工程は原型と同じ形状の空洞を有するゴム型を製作する工程。
第三工程はゴム型に溶解したワックス射出し、これを取り出すことで原型と同じ形状のワックス型を製造する工程。一般には、第三工程を繰り返して行うことで、多数のワックス型が製造される。
第四工程は第三工程で製造した多数のワックス型をワックス棒周辺にワックス型の湯道端部を溶解しつつ樹状に取り付け、これを筒状の耐熱容器内に装着して石膏を流し込み、石膏型を作成する工程。
第五工程は電気炉又はガス炉その他を用いて、低温で石膏型の内部にあるワックスを溶解流失させ、中温で空洞内部に付着したワックスを完全に燃焼させ、更に温度を上げることで石膏型が貴金属を流し込んだときの衝撃に耐えうる強度を出した後、貴金属を流し込むに適した温度まで下げて待機する焼成工程。
第六工程は原型と同じ空洞を沢山持つ石膏型内部に貴金属を流し込む鋳造工程。
第七工程は、貴金属が固まった時点で、石膏型を急速に水冷することで、ばらばらに石膏を割り、樹状の貴金属を取り出し、余分な部分を切り取り、原型と同じ形状の貴金属を磨く仕上げ工程。
図1を参照して第二工程のゴム型の製造方法を説明する。第二工程では、作成したいゴム型50の大きさに応じたサイズの型枠(不図示)と、原型1と、部品2(湯道2aと湯口2b)を使用する。型枠の下をプレートで塞ぎ、下半分にシリコンゴム加硫前の材料を入れ、その上に、原型1に部品2を接着したものを配置し、その後、上半分に加硫前の材料を入れ、枠の上部をプレートで塞ぎ、プレスしながら温度を上げて加硫する。加硫性のゴムの代わりに二液固化型のシリコンゴムを使用しても良い。
シリコンゴムが固まってゴム本来の弾性を持つようになったら、ゴム型50を前記の枠から取り出して切込56を形成し、原型1とこれに接着した部品2を取り出して、上ゴム型50aと下ゴム型50bに分離する。これにより、内部に原型1及び部品2と同形状の空洞51及び射出ポート52を有するゴム型50が得られる。このような切込56を分離面全体に入れることにより、上下のゴム型50aと50bを合わせたとき、正確に合わせることができ、内部の空洞形状も正確に再現できる。
このような切込56はまた、ゴム型50にワックスを射出してワックス型を作成する際、真空引きと加圧したワックスのシールを容易にする作用も有する。ワックス型をゴム型50から取り出す場合、合わせ面(切込)3cから上ゴム型50aを分離した後、下ゴム型50bを変形させながら取り出し作業をすると、複雑な形状のワックス型であっても、壊さずに容易に取り出すことができる。場合によっては、ゴム型内部を幾つかに分割したり、中子を入れることもある。
原型は様々な大きさがあるため、ゴム型もそれに合わせて大きさと厚みは様々に変化する。また、ゴム型の耐久性や、ワックス型をゴム型内部から取り出すときの難易度に合わせて、ゴムの硬度も変えることが多い。
図2は、第三工程で使用される射出成型装置10の概念図を示す。射出成型装置10は、本体装置20とクランプユニット30とゴム型50を有する。本体装置20は、ワックスを加圧した状態で貯留するワックス槽21と真空ポンプに接続された真空槽22と射出部24を有する。
クランプユニット30は、ゴム型50をクランプするためのものであり、さらに、ゴム型50の射出ポート52を射出部24に押しつける機能を有するものもある。
射出部24は、切換器25によってワックス槽21と真空槽22に選択的に接続可能であり、空洞51の空気を吸引する(真空引きする)空気吸引機能と、空洞51にワックスを射出するワックス射出機能の二つの機能を有する。
射出成型装置10は、クランプユニット30でゴム型50をクランプし、ゴム型50を射出部24に押しつけ、射出部24から空洞51の空気を吸引し、射出部24から空洞51にワックスを射出する。
通常、吸引を行う真空ポンプの到達真空度は、−100kpa〜−95kpa程度である。完全な真空は理論上−101.325kpaである。従って、空洞51内の空気を吸引しても、数%の空気は必ず前記空洞内に残存空気として残ることになる。
溶融樹脂を高圧で金型内に射出する樹脂の射出成型装置に比べて、ジュエリー製造におけるようなワックスをゴム型に射出する射出成型装置では、射出圧力は格段に低いため、この残存空気を完全に押しつぶす事ができない。また、金型を用いた射出成型では、スクリュやプランジャなどで一定量の樹脂を射出できるため、金型にエア抜き機構を設けることも可能である。これに対し、ゴム型を用いた射出成型では、ワックスが定圧条件で射出されるため、エア抜き機構を設けることができない。(エア抜き機構を設けるとエア抜き機構にワックスが侵入し、目詰まりする。)
このことが、第三工程のワックス型作成に、様々な問題を発生させる原因となる。図1に示すゴム型は最も単純なデザインであるが、前記空洞内を真空引きした後、即座にワックスを射出したとすると、ワックスは湯口から湯道を通ってリングの両端に分流し、湯道から最も遠い地点で、ワックスは再び合流する。そうすると、前記した数%の空気はこの合流点に集められ、射出圧力と平衡する圧力まで凝縮される。
凝縮した空気は、泡または湯じわを生じさせ、ワックス型は不良品となる。特に、図1のようなリング状のもの、例えば指輪などの場合、この合流点に細かいデザインの装飾が有ることが多い。例えば、合流点に突起などがあると、その突起が丸まったり、先端までワックスが入らない現象となって現れる。
シンプルなデザインでも複雑なデザインでも、空洞壁に完全に密着するワックス型を製作することは理論的に不可能である。
現状では、この問題に対する一番ポピュラーな対処法は、ベビーパウダー又はそれに類するものをゴム型に塗布する方法である。こうすることで、ゴム型の切込56にごくわずかな隙間が生じるため、ワックス射出時に空洞内の残存空気が排出されることが期待できる。
しかし、パウダーの塗布量を増やせば残存空気の排出効果が高まるが、それがワックス型の表面に付着することで表面が粗くなり、逆にパウダーの塗布量を抑制すると残存空気の排出効果は小さくなる。また、パウダーにより形成される切込56のわずかな隙間からのリークによりゴム型50の真空度が低下するため、本質的な問題解決にはならない。
上記のように、パウダーを使用する方法だけでは、残存空気の問題は十分に解決することはできない。特に、デザインが複雑になると、残存空気の問題は一層大きくなる。そのため、クランプ力の作用位置をずらしたり、射出圧力を変えたり、ワックスの温度を変えたり、様々な苦労をしつつ、何とかワックス型を製作しているのであり、新規のデザインの度に担当者の苦労は絶えないのが現状である。
国際公開第2017/068670号
ワックスが射出されるに従い、空洞内の残存空気が凝縮され次第に圧力が高くなるのであるが、この残存空気を抜くことができれば、空洞内を一定の真空度に保ったままワックスを空洞に充満させることができる。これにより、前記した問題の大部分が解消し、より難しいデザインのゴム型を製作することが可能となる。さらには、装飾品デザインの進化も促される。本発明の一つの目的は、空洞内の残存空気を可能な限り減少させることである。本発明の他の目的は、空洞の形状により忠実なワックス型製造を可能にすることである。本発明の他の目的は、より精密又は微細な形状のワックス型製造を可能にすることである。
本出願には、ワックスを貯留するワックス槽と、
前記ワックス槽に接続された射出部と、
空気を吸引可能な吸引部と、
前記射出部に当接可能な射出ポート、前記吸引部に当接可能な吸引ポート、及び、前記射出ポートと前記吸引ポートに接続された空洞を有するゴム型を有し、
前記ワックス槽内の圧力によって前記ワックス槽のワックスを前記射出部から前記ゴム型の前記空洞に射出する射出成型装置であって、
前記空洞と前記吸引ポートは、空気の通過を許容し、ワックスの通過を阻止するワックス阻止部を介して接続されている、射出成型装置が開示される。
上記発明において、前記空洞と前記ワックス阻止部が複数の接続通路で接続されていることが好ましい。
上記発明において、前記ゴム型は、前記ワックス阻止部及び/又は前記接続通路を通る切込を有することが好ましい。
上記発明において、前記ワックス阻止部の断面のタテ又はヨコ寸法が、ワックスの射出時に前記ワックス阻止部に形成されるワックスの皮膜の厚さの3倍以下であることが好ましい。
上記発明において、前記ワックス阻止部は、断面のタテ又はヨコ寸法がワックスの射出時に前記ワックス阻止部に形成されるワックスの皮膜の厚さの3倍以下の複数の通路を有することが好ましい。
本願には、上記いずれかの射出成型装置を用いた射出成形方法であって、
前記吸引部から前記ゴム型内部の空気を吸引する第一ステップと、
前記射出部から前記ゴム型にワックスを射出する第二ステップを有し、
前記第二ステップが前記第一ステップの実行中に実行される、射出成形方法が開示される。
従来のゴム型50の製造方法を示す。 従来の射出成型装置10を示す。 本発明の一実施形態の射出成型装置10を示す。 例示的な吸引器具40を示す。 例示的なゴム型50を示す。 例示的なゴム型50を示す。 例示的なゴム型50の製造方法を示す。 ワックス阻止部54に対応する部材65bの例示的な形状を示す。 射出成型装置10を用いた例示的なワックス射出方法を示す。
図3は、本発明の一実施形態の射出成型装置10を示す。射出成型装置10は、本体装置20とクランプユニット30と吸引器具40とゴム型50を有する。
本体装置20は、ワックス槽21及び真空槽22を有するタンク23と、射出部(射出ノズル)24と、第一切換器25aと、第二切換器25bを有する。
ワックス槽21には溶融したワックスが加圧状態で貯留される。本体装置20は、ワックス槽21に接続されたコンプレッサー等の加圧源Pと、真空槽22に接続された真空ポンプ等の真空源Vを有し得る。加圧源Pは、定圧加圧源がよく、特に、定圧空気圧源がよい。ワックス槽21と真空槽22は同心円状に配置するとよく、また、タンク23全体を適温に温めてワックスを常に溶解しておくためのバンドヒータ23bをタンク23の周囲に配置するとよい。
ワックス槽21及び真空槽22は、装置内配管21L,22L及び第一切換器25aを介して射出部24に接続されている。第一切換器25aは、
−射出部24がワックス槽21及び真空槽22の双方から切り離された状態(状態1)、
−射出部24が真空槽22のみに接続された状態(状態2)、又は、
−射出部24がワックス槽21のみに接続された状態(状態3)
の3つの状態の間で切換が可能である。
真空槽22はさらに装置内配管22L及び第二切換器25bを介して外部配管44に接続されている。第二切換器25bは、開/閉(オン/オフ)切換器でよい。
クランプユニット30は、テーブル31と、空圧シリンダ等のクランプ力発生器32と、クランププレート33を有し、クランプ力発生器32の力でテーブル31とクランププレート33の間でゴム型50(及び吸引器具40)をクランプする。クランプユニット30は、ゴム型50を射出部24の軸芯に一致させ、及び/又は、ゴム型50を射出部24に押しつけるための押付機構34を更に有し得る。
吸引器具40は、ゴム型50から空気を吸引するための器具である。図4は、例示的な吸引器具40を示す。本例の吸引器具40は、ゴム型50を載置できる上面41と、上面41に載置されたゴム型50の吸引ポート53に当接可能な吸引部(吸引口)42を有する板状の部材である。吸引部42は、内部配管43、外部配管44、装置内配管22Lを介して真空槽22に接続可能である。吸引器具40は、アクリル樹脂等で形成でき、吸引部42、内部配管43等はドリル加工等で形成できる。内部配管43、外部配管44、装置内配管22Lは不図示のジョイント等で接続できる。
図5,6は、例示的なゴム型50を示す。ゴム型50は、空洞51、射出ポート52、吸引ポート53及びワックス阻止部54を有する。空洞51は、原型1に対応する形状を有し得る。空洞51は射出ポート52及びワックス阻止部54に接続し、ワックス阻止部54は吸引ポート53と接続している。射出ポート52は射出部24に当接可能であり、吸引ポート53は吸引部42に当接可能である。
ワックス阻止部54は、空気の通過を許容する一方でワックスの通過を阻止する機能を有する。ワックス阻止部54がこの機能を達成する例示的なメカニズム及び構造は以下の通りである。
ジュエリー等装飾品の製造に使用するワックスの温度は通常75℃前後でゴム型50に射出するが、ゴム型50の温度は常温(20〜40℃)に近い。ワックスは65℃くらいから徐々に硬くなり、60℃ぐらいで固化する。ある温度で、液体が突然固体に変化するのではない。そして、ワックスは熱伝導が悪いという性質がある。
射出されたワックスがゴム型50の内壁に接触すると内壁に近い部分は直ちに冷却されて薄い被膜を形成する。被膜は熱伝導が悪いため、被膜の内部を流れるワックスの温度はそれほど低下しないで、次々と被膜を形成しながら、ゴム型50内部のあらゆる部分にワックスが充満する。それでもゴム型50の内部を流れるワックスの温度は次第に低下するため、素早く遠くまで充満させるためには射出圧力を高くする必要がある。
この被膜はワックスの流れる方向に対して直角な全周囲に形成されるため、通路の幅がこの被膜の厚さ(皮膜厚T)の2倍以下であればワックスは持続して通過できない。例えば、皮膜厚Tがおおよそ0.1mmとすれば、通路の幅が0.2mm程度であればワックスが持続的に通過できず、短い距離を通過した後すぐに固まってしまう。本発明のワックス阻止部54は、この原理を用いて上記機能を達成し得る。但し、この被膜は湯口付近では温度の高いワックスが次々と通過するため、非常に薄いと考えられるが、湯口から遠くなるほど、通過するワックスの温度は低くなり流量も少なくなるため被膜は厚くなる傾向にある。
例えば、ワックス阻止部54が断面A×Bの長方形で長さがLであれば、AまたはBの寸法(タテ又はヨコの寸法)を皮膜厚Tの2倍程度とすることで上記機能を達成できる。長さLは、断面A×Bとの兼ね合いでワックスの通過を阻止できる十分な長さにすればよい。ワックス阻止部54を複数の流路で形成することで空洞51の吸引のための十分な空気流量を確保し易くなる。このような設計をすることで、十分に小さいサイズのワックス阻止部54で上記機能を達成し得る。
ワックス阻止部54の断面形状は円形、楕円形、円環形状など任意である。すなわち、通路幅が前記被膜の2倍程度であれば断面長方形でなくてもワックスは持続的に通過できない。製作が簡単で、固まったワックスを容易に取り出すことができ、ゴム型を連続して使用できる構造であれば、どのような形状でもよい。
ワックス阻止部54と空洞51は、細い接続通路55で接続することが好ましい。接続通路55は、ワックスを射出したときに残存空気が集まり易い部分(例えば、ワックスが最後に到達する部分、ワックスが合流する部分)で空洞51と接続するのがよい。残存空気が集まり易い部分は一カ所とは限らない。よって、複数の接続通路55を設け、及び/又は、複数の箇所で空洞51と接続することが好ましい。
接続通路55と空洞51の接続部分では、貴金属の鋳造後に凹凸を切断してその切断面を仕上げなくてはならないため、デザインの重要な部分に接続通路55を接続できない場合が多い。例えば、指輪のようなリングの場合、外周に装飾や文字がデザインされているので、この部分に接続通路55を接続できない。そういう場合は、図6のように、立体的な接続通路55でリングの内周と接続することが可能である。
ゴム型50は、切込56を有する。切込56は、空洞51からの固化したワックス型の取り出しを容易にする。ワックスは、接続通路55、ワックス阻止部54、吸引ポート53等にも侵入して固化し得る。そのため、接続通路55、ワックス阻止部54及び/又は吸引ポート53を通る(又は、接続通路55、ワックス阻止部54及び/又は吸引ポート53に至る)切込56をさらに形成することが望ましい。これにより、接続通路55、ワックス阻止部54及び/又は吸引ポート53で固化したワックスを容易に除去できる。図5,6では、簡単のため、ゴム型50を上ゴム型50aと下ゴム型50bに分離する単一の切込56(主としてワックス型の取り出しを目的とした切込)を示すが、上記目的を達成するために1つ又は複数の切込56が追加的に形成され得る。全部又は一部の切込56はゴム型50を完全に分離する切込であり、全部又は一部の切込56はゴム型50を部分的に切断するが完全には分離しない切込であり得る。
図7は、例示的なゴム型50の製造方法を示す。下枠61に設けたガイドピン62にガイドされた型枠63の内部に、原型1、湯道2a、湯口2bに対応する部材64a〜64cを配置し、さらに、吸引ポート53、ワックス阻止部54及び接続通路55に対応する部材65a〜65cを図7のように配置する。65dは、部材65aと65bを固定するネジである。このとき、吸引ポート53に対応する部材65aを下枠61に設けたガイド穴にガイドされて位置が特定するようにする。加硫前ゴム66を図のハッチング部分に隙間なく入れ、少し型枠63より盛り上がるようにして、上蓋67を被せ、矢印68方向にプレスすると余分な加硫前のゴムは余分なゴムの逃げ部69に排出される。このようなプレス状態で、適正な温度で適正な時間加熱することで、弾力性のあるゴムに加硫される。
加硫後、型枠からゴム型50を取り出し、適切な切込56を入れつつ、内部に入れた様々な構成材64a〜64c,65a〜65dを取り出すことで、ゴム型50を製造することができる。
図8は、ワックス阻止部54に対応する部材65bの例示的な形状を示す。
図8(a)の部材65bは、板厚がBであり、間隔Aで複数の長方形の開口(ハッチング部分で示す/幅C×長さL)が形成されている。開口はレーザー加工機によるくりぬき等で形成できる。この部材65bを用いてゴム型50を製作すると、ハンチング部分はゴムとなり、複数の断面A×B、長さLの通路を有するワックス阻止部54が形成される。
寸法Aは皮膜厚Tの2倍程度又はそれ以下とするとよい。長さLはワックスが固まる事を担保するための長さである。寸法Aが小さいほど、Lは短くて良い。但し、必要な空気の流れを確保するために、寸法Bを大きくすること、及び/又は、通路の数を増やすことが必要である。
図8(b)の部材65bは厚さA×幅Bの板状であり、図8(c)の部材65bは厚さA×円周Bのリング状である。この場合、ワックス阻止部54は、断面A×B、長さLの通路となる。ワックスの通過を効果的に阻止するには寸法Aが十分小さい(例えば、0.2〜0.3mm程度)ことが必要であり、充分な空気の流れを確保するには幅B又は円周Bを大きくする必要がある。
任意形状の断面を有するワックス阻止部54において、当該断面のタテ又はヨコの寸法(寸法A)は、皮膜厚Tの3倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.1倍以下が特に好ましい。
図9は、射出成型装置10を用いた例示的なワックス射出方法を示す。ステップS1では、第一切換器25aが状態1となり、射出部24がワックス槽21及び真空槽22の双方から切り離される。また、第二切換器25bがオフとなる。ステップS2では、吸引ポート53と吸引部42を位置合わせして吸引器具40の上面41にゴム型50が積層され、ステップS3では、この積層体(吸引器具40及びゴム型50)がテーブル31に載置される。ステップS4では、クランプ力発生器32が積層体をテーブル31とクランププレート33の間でクランプし、ゴム型50の射出ポート52を射出部24に位置合わせし、押付機構34がゴム型50を射出部24に押しつける。
続くステップS5では、第二切換器25bがオンとなり、吸引部42からのゴム型50内の空気吸引が開始され、ステップS6では、第一切換器25aが状態2に切り換えられて射出部24からのゴム型50内の空気吸引が開始される。
ステップS5,S6でゴム型50内の真空度が十分に高くなった後、ステップS7で第一切換器25aが状態3に切り替えられて射出部24からゴム型50にワックスが射出される。
空洞51内にワックスが十分充満するだけの十分な時間ステップS7が実行された後、ステップS8で第一切換器25aが状態1に切り替えられ、さらにステップS9では、第二切換器25bがオフとなる。すなわち、吸引部42からの吸引は、ステップS5からステップS9まで継続する。続くステップS10では、クランプユニット30がゴム型50の押し付け及びクランプを解除する。
続くステップS11では、クランプユニット30からゴム型50が取り外され、ワックスが固化した後にゴム型50からワックス型が取り出される。
その後ステップS2に戻り、同一又は異なるゴム型50を用いてステップS2〜S11が実行される。ステップS1〜S11は、適宜同時に実施し、及び/又は、順序を入れ替えて良い。例えば、ステップS5とS6及び/又はステップS8とS9は同時実施してもよく、順序を逆にしてもよい。
上記射出成型装置10では、吸引部42からの空気吸引(ステップS5〜S9)の継続中にゴム型50へのワックス射出(ステップS7)が実行されるため、空洞51内の残存空気の効果的な除去が可能であり、及び/又は、ワックスが空洞51の隅々まで到達し、及び/又は、空洞51の形状により忠実なワックス型を製造可能になる。
射出ポート52と接続通路55が空洞51の異なる部分に接続しているため、残存空気を効果的に吸引できる。例えば、ワックスが最後に到達する部分又はワックスが合流する部分で接続通路55と空洞51を接続するとよい。
空洞51と吸引ポート53の間にワックス阻止部54を配置したため、吸引部42や内部配管43のワックス侵入/閉塞を防止できる。
上記実施形態の射出成型装置及び射出成型装置は例であり、特許請求の範囲の記載内において適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、射出部24が空気吸引機能とワックス射出機能の二つの機能を有する射出成型装置を示したが、射出部がワックス射出機能のみを有し、吸引部42のみから空気吸引を行うように構成してもよい。その場合、第一切換器25aは装置内配管21Lを開閉するオン/オフスイッチでよく、状態1はオフ状態、状態3はオフ状態とし、ステップS6は省略するとよい。上記実施形態では、断面(A×B)が長さL方向で一様なワックス阻止部54を示したが、断面は必ずしも一様である必要はない。その他、射出成型装置又はその要素の寸法、形状、配置、個数、材料、射出成型方法の手順等は様々に変更可能である。
本発明の射出成型装置及び射出成型方法は、宝飾品、アクセサリ等の小物や工業製品等の製造のためのロストワックス鋳造において利用可能である。ワックスの射出中に凝集する残存空気を吸引することにより、ワックス型の製造歩留まりが向上し、及び/又は、空洞形状に忠実なワックス型の製造が可能になり、及び/又は、従来技術では困難な微細及び/又は複雑な形状のワックス型の製造が可能になる。
1・・・原型
2・・・構造形成部材
10・・・射出成型装置
20・・・本体装置
21・・・ワックス槽
22・・・真空槽
21L,22L・・・装置内配管
23・・・タンク
24・・・射出部
25・・・切換器
25a・・・第一切換器
25b・・・第二切換器
30・・・クランプユニット
31・・・テーブル
32・・・クランプ力発生器
33・・・クランププレート
34・・・押付機構
40・・・吸引器具
41・・・上面
42・・・吸引部
43・・・内部配管
44・・・外部配管
50・・・ゴム型
51・・・空洞
52・・・射出ポート
53・・・吸引ポート
54・・・ワックス阻止部
55・・・接続通路
56・・・切込
61・・・下枠
62・・・ガイドピン
63・・・型枠
64a〜64c,65a〜65d・・・構造形成部材
66・・・加硫前ゴム
67・・・上蓋

Claims (2)

  1. ワックスを貯留するワックス槽と、
    前記ワックス槽に接続された射出部と、
    空気を吸引可能な吸引部と、
    前記射出部に当接可能な射出ポート、前記吸引部に当接可能な吸引ポート、及び、前記射出ポートと前記吸引ポートに接続された空洞を有するゴム型を有し、
    前記ワックス槽内の圧力によって前記ワックス槽のワックスを前記射出部から前記ゴム型の前記空洞内に射出する射出成型装置であって、
    前記空洞と前記吸引ポートは、空気の通過を許容し、ワックスの通過を阻止するワックス阻止部を介して接続され、
    前記ワックス阻止部の断面のタテ又はヨコ寸法が、ワックスの射出時に前記ワックス阻止部に形成されるワックスの皮膜の厚さの3倍以下であることを特徴とする射出成型装置。
  2. ワックスを貯留するワックス槽と、
    前記ワックス槽に接続された射出部と、
    空気を吸引可能な吸引部と、
    前記射出部に当接可能な射出ポート、前記吸引部に当接可能な吸引ポート、及び、前記射出ポートと前記吸引ポートに接続された空洞を有するゴム型を有し、
    前記ワックス槽内の圧力によって前記ワックス槽のワックスを前記射出部から前記ゴム型の前記空洞内に射出する射出成型装置であって、
    前記空洞と前記吸引ポートは、空気の通過を許容し、ワックスの通過を阻止するワックス阻止部を介して接続され、
    前記ワックス阻止部は、断面のタテ又はヨコ寸法がワックスの射出時に前記ワックス阻止部に形成されるワックスの皮膜の厚さの3倍以下の複数の通路を有することを特徴とする射出成型装置。
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