JP2011178021A - 射出成形用金型、射出成形用金型によって成形された成形品及び射出成形用金型を用いた成形品の成形方法 - Google Patents

射出成形用金型、射出成形用金型によって成形された成形品及び射出成形用金型を用いた成形品の成形方法 Download PDF

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俊 香山
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有希子 清水
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Abstract

【課題】 突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制する。
【解決手段】 突き合わされることにより溶融樹脂が充填されるキャビティー19を形成する第1の成形型2と第2の成形型3を設け、第1の成形型に第2の成形型側へ突出された突部8が設けられ、突部に第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔9が形成され、突部の先端部にガス抜き孔に連通されたベント溝10が形成され、ベント溝の一端が突部の外周側に開口された入口部10aとして形成されベント溝の他端がガス抜き孔に連通された出口部10bとして形成され、出口部の溝幅が入口部の溝幅以下にされた。
【選択図】 図3

Description

本発明は射出成形用金型、射出成形用金型によって成形された成形品及び射出成形用金型を用いた成形品の成形方法についての技術分野に関する。詳しくは、第1の成形型に設けられた突部にベント溝とガス抜き孔を形成し突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制する技術分野に関する。
一対の成形型、例えば、固定型と可動型を有し両者が突き合わされて形成されたキャビティー(空間)に溶融樹脂が充填されて成形品を成形する射出成形用金型がある。
このような射出成形用金型において、キャビティーの形状によっては充填された溶融樹脂が冷却されて固化されたときに大きなウエルドラインが生じるおそれがある。例えば、一方の金型に突部が設けられている場合には、突部の周囲を回り込んで溶融樹脂が流動されるため、異なる方向から流動された溶融樹脂が重ね合わされた部分にウエルドラインが生じ易くなってしまう。ウエルドラインは溶融樹脂が重ね合わされる突部の周辺に溶融樹脂から発生するガスや空気が存在することにより大きなものとなってしまう。
そこで、射出成形用金型には、ウエルドラインの発生を抑制するために、溶融樹脂は通さないが気体を通す程度の僅かな隙間をパーティングライン上に形成し、この隙間からキャビティーの内部で溶融樹脂から発生するガスやキャビティーに存在する空気を引き抜くようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−247015号公報
ところが、特許文献1に記載された射出成形用金型にあっては、僅かな隙間をパーティングライン上に形成することにより空気を引き抜いてウエルドラインの発生を抑制しているため、ウエルドラインの発生が生じ易い部分を考慮して空気やガスを引き抜く構成にはされていない。
従って、成形型に設けられた突部がパーティングラインの近傍に存在しない場合には、突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制することが困難である。
そこで、本発明射出成形用金型、射出成形用金型によって成形された成形品及び射出成形用金型を用いた成形品の成形方法は、上記した問題点を克服し、突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制することを課題とする。
射出成形用金型は、上記した課題を解決するために、突き合わされることにより溶融樹脂が充填されるキャビティーを形成する第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされたものである。
従って、射出成形用金型にあっては、突部の周辺に存在するガスや空気がベント溝及びガス抜き孔を介して外部へ排出される。
上記した射出成形用金型においては、前記ベント溝は前記入口部から前記出口部へ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成されることが望ましい。
ベント溝が入口部から出口部へ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成されることにより、ベント溝の両側縁が空気やガスをガス抜き孔側へ送るガイドとして機能する。
上記した射出成形用金型においては、前記ベント溝の前記入口部と前記出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ直線状に形成されることが望ましい。
ベント溝の入口部と出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ直線状に形成されることにより、空気やガスがベント溝の直線状の両側縁に案内されてガス抜き孔側へ送られる。
上記した射出成形用金型においては、前記ベント溝の前記入口部と前記出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ外方へ凸の円弧状に形成されることが望ましい。
ベント溝の入口部と出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ外方へ凸の円弧状に形成されることにより、ベント溝の両側縁が単純な形状とされる。
上記した射出成形用金型においては、前記ベント溝が複数形成され、前記複数のベント溝が一つの前記ガス抜き孔に連通されることが望ましい。
ベント溝が複数形成され、複数のベント溝が一つのガス抜き孔に連通されることにより、空気やガスの外部への排出が複数のベント溝及びガス抜き孔を介して行われる。
射出成形用金型によって成形された成形品は、上記した課題を解決するために、第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた射出成形用金型が用いられ、前記第1の成形型と前記第2の成形型が突き合わされて形成されたキャビティーに溶融樹脂が充填され前記溶融樹脂が冷却されて固化されると共に前記ベント溝及び前記ガス抜き孔を介して前記溶融樹脂から発生するガス及び前記キャビティーに存在する空気が前記射出成形用金型の外部へ引き抜かれて成形されたものである。
従って、射出成形用金型によって成形された成形品にあっては、射出成形用金型の突部の周辺に存在するガスや空気がベント溝及びガス抜き孔を介して外部へ排出された状態で成形される。
射出成形用金型を用いた成形品の成形方法は、上記した課題を解決するために、第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた射出成形用金型が用いられ、前記第1の成形型と前記第2の成形型が突き合わされてキャビティーが形成され、前記射出成形用金型の前記キャビティーに溶融樹脂が充填され、前記溶融樹脂が冷却されて固化されると共に前記ベント溝及び前記ガス抜き孔を介して前記溶融樹脂から発生するガス及び前記キャビティーの空気が外部へ引き抜かれて成形されている。
従って、射出成形用金型を用いた成形品の成形方法にあっては、突部の周辺に存在するガスや空気がベント溝及びガス抜き孔を介して外部へ排出される。
本発明射出成形用金型は、突き合わされることにより溶融樹脂が充填されるキャビティーを形成する第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされている。
従って、ベント溝及びガス抜き孔を介して空気や溶融樹脂から発生するガスが外部へ放出され、突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制することができる。
請求項2に記載した発明にあっては、前記ベント溝は前記入口部から前記出口部へ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成されたので、ベント溝の両側縁が空気やガスをガス抜き孔側へ送るガイドとして良好に機能するため、ウエルドラインの発生を一層抑制することができる。
請求項3に記載した発明にあっては、前記ベント溝の前記入口部と前記出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ直線状に形成されたので、ベント溝の両側縁のガイド機能がより良好に発揮され、ウエルドラインの発生を一層抑制することができる。
請求項4に記載した発明にあっては、前記ベント溝の前記入口部と前記出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ外方へ凸の円弧状に形成されている。
従って、一つのエンドミルを軸方向以外に移動させることなくベント溝を形成することが可能であり、ベント溝を容易に形成することができる。
請求項5に記載した発明にあっては、前記ベント溝が複数形成され、前記複数のベント溝が一つの前記ガス抜き孔に連通されたので、空気やガスの外部への排出を効率的に行うことができると共に構造の簡素化を図ることができる。
本発明射出成形用金型によって成形された成形品は、第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた射出成形用金型が用いられ、前記第1の成形型と前記第2の成形型が突き合わされて形成されたキャビティーに溶融樹脂が充填され前記溶融樹脂が冷却されて固化されると共に前記ベント溝及び前記ガス抜き孔を介して前記溶融樹脂から発生するガス及び前記キャビティーに存在する空気が前記射出成形用金型の外部へ引き抜かれて成形されている。
従って、ベント溝及びガス抜き孔を介して空気や溶融樹脂から発生するガスが外部へ放出され、突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制することができる。
射出成形用金型を用いた成形品の成形方法は、第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた射出成形用金型が用いられ、前記第1の成形型と前記第2の成形型が突き合わされてキャビティーが形成され、前記射出成形用金型の前記キャビティーに溶融樹脂が充填され、前記溶融樹脂が冷却されて固化されると共に前記ベント溝及び前記ガス抜き孔を介して前記溶融樹脂から発生するガス及び前記キャビティーの空気が外部へ引き抜かれて成形されている。
従って、ベント溝及びガス抜き孔を介して空気や溶融樹脂から発生するガスが外部へ放出され、突部の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
[射出成形用金型の構成]
射出成形用金型1は、突き合わされることにより溶融樹脂が充填されるキャビティーを形成する第1の成形型2と第2の成形型3を備えている(図1及び図2参照)。
第1の成形型2と第2の成形型3は、例えば、一方が固定型であり、他方が可動型である。
第1の成形型2には、図1に示すように、上方に開口され所定の方向において離隔して位置する一対の成形用凹部4、4と該成形用凹部4、4を連結し上方に開口された流動用溝5とが形成されている。第1の成形型2には流動用溝5に連続して排気用溝6、6、・・・が形成されている。排気用溝6、6、・・・は、それぞれ一端が流動用溝5にベント7、7、・・・を介して連通され、他端がそれぞれ第1の成形型2の外周面に開口されて外部に連通されている。
ベント7、7、・・・は空気や溶融樹脂から発生するガスを射出成形用金型1の外部へ排出するための機能を有している。
第1の成形型2にはそれぞれ成形用凹部4、4に位置する突部8、8、・・・が離隔して設けられている。突部8、8、・・・はそれぞれ上方へ突出され、例えば、扁平な略円柱状に形成されている。
第1の成形型2には上端が突部8の先端部8aの中心部に開口され上下に延びるガス抜き孔9が形成されている(図3及び図4参照)。ガス抜き孔9の下端は第1の成形型2の下面に開口されている。
突部8の先端部8aにはベント溝10が形成されている。ベント溝10は、例えば、略扇状に形成され、一端が突部8の外周側に開口された入口部10aとして形成され、他端がガス抜き孔9に連通された出口部10bとして形成されている。ベント溝10は入口部10aから出口部10bに行くに従って溝幅が小さくなるように形成され、側縁10c、10dが直線状に形成されている。
ベント溝10は出口部10bの溝幅H1が入口部10aの溝幅H2以下にされ、高さが、例えば、20μm程度にされている。ベント溝10は中心角θが、例えば、90°に形成されている。
第2の成形型3には、図1に示すように、下方に開口され所定の方向において離隔して位置する一対の成形用凹部11、11と該成形用凹部11、11を連結し下方に開口された流動用溝12とが形成されている。第2の成形型3には流動用溝12に連続して排気用溝13、13、・・・が形成されている。排気用溝13、13、・・・は、それぞれ一端が流動用溝5にベント14、14、・・・を介して連通され、他端がそれぞれ第2の成形型3の外周面に開口され外部に連通されている。
第1の成形型2と第2の成形型3は、例えば、上下方向において突き合わされて結合される(図2参照)。
第1の成形型2と第2の成形型3が突き合わされた状態においては、第1の成形型2の一対の成形用凹部4、4と第2の成形型3の一対の成形用凹部11、11がそれぞれ重ね合わされて成形部15、15が形成される。
また、第1の成形型2と第2の成形型3が突き合わされた状態において、第1の成形型2の流動用溝5と第2の成形型3の流動用溝12が重ね合わされて樹脂流動部16が形成され、第1の成形型2の排気用溝6、6、・・・と第2の成形型3の排気用溝13、13、・・・がそれぞれ重ね合わされて排気部17、17、・・・が形成される。
さらに、第1の成形型2と第2の成形型3が突き合わされた状態において、第1の成形型2のベント7、7、・・・と第2の成形型3のベント14、14、・・・がそれぞれ重ね合わされてベント孔18、18、・・・が形成される。ベント孔18、18、・・・は、径が、例えば、20μm程度に形成され、溶融樹脂は通さないがガスや空気等の気体は通す大きさにされている。
第1の成形型2と第2の成形型3が突き合わされた状態においては、第1の成形型2に設けられた突部8、8、・・・の先端部8a、8a、・・・が第2の成形型3の下面3aに突き当てられる(図5参照)。
[射出成形用金型を用いた成形品の成形方法]
以下に、射出成形用金型1を用いた成形品の成形方法について説明する。
先ず、上記のように第1の成形型2と第2の成形型3が、例えば、上下方向において突き合わされ、射出成形用金型1の内部に成形部15、15及び樹脂流動部16によって構成されるキャビティー19が形成される(図2参照)。
尚、第1の成形型2と第2の成形型3が突き合わされた状態において、突部8、8、・・・の先端部8a、8a、・・・が第2の成形型3の下面3aと僅かな隙間を有していてもよい。この場合には、突部8の先端部8aと第2の成形型3の下面3aとの隙間にベント溝10の高さを加えた寸法が、20μm程度にされて溶融樹脂は通さないがガスや空気等の気体は通す大きさにされる必要がある。
次に、キャビティー19に存在する空気がベント孔18、18、・・・及び排気部17、17、・・・を介して所定量排出される。気体の排出は、例えば、図示しない排気装置を用いて行われる。
続いて、キャビティー19に溶融樹脂100が充填される。溶融樹脂100は射出成形用金型1に設けられた図示しないゲートから注入され、樹脂流動部16を流動され成形部15、15に充填される。このとき溶融樹脂100から発生するガスや樹脂流動部16に存在する空気がベント孔18、18、・・・及び排気部17、17、・・・を介して外部へ排出される。また、突部8、8、・・・の周囲にも空気や溶融樹脂100から発生するガス等の気体が存在する可能性があるが、これらの気体はベント溝10、10、・・・及びガス抜き孔9、9、・・・を介して外部へ排出される。気体のベント溝10、10、・・・及びガス抜き孔9、9、・・・を介しての排出は、図示しない吸引装置に吸引されることにより行われる。
このように突部8、8、・・・の周囲に存在する気体がベント溝10、10、・・・及びガス抜き孔9、9、・・・を介して外部へ排出されるため、突部8、8、・・・の周辺におけるウエルドラインの発生が抑制される。
次いで、キャビティー19に充填された溶融樹脂100が冷却されて固化される。
最後に、第1の成形型2と第2の成形型3が離型され、キャビティー19から成形品20が取り出される(図6参照)。成形品20は成形部15、15によってそれぞれ成形された板状部21、21と樹脂流動部16によって成形された連結部22とが一体に形成されて成り、板状部21、21にはそれぞれ突部8、8、・・・によって孔21a、21aが形成されている。
板状部21、21はそれぞれ連結部22から切り離され、例えば、電子機器のパネルとして用いられる。板状部21の孔21a、21a、・・・は操作釦が配置される釦配置孔として用いられる。
[測定結果]
以下に、ベント溝10の大きさ及び形状を変更したときのウエルドラインの発生状態を測定した結果について説明する(図7乃至図9参照)。
図7に、測定に用いたベント溝10、10、・・・が形成された突部8、8、・・・(A、B、C、D、E)を示す。
突部Aには溝幅がガス抜き孔9の径と同じにされたベント溝10が形成されている。ベント溝10の側縁10c、10dは平行にされ直線状に形成されている。
突部Bには溝幅が出口部10bから入口部10aに行くに従って大きくされたベント溝10が形成されている。ベント溝10の側縁10c、10dは直線状に形成され、ベント溝10は中心角θが90°にされている。
突部Cには溝幅がガス抜き孔9の径より大きくされたベント溝10が形成されている。ベント溝10の側縁10c、10dは平行にされ直線状に形成されている。
突部Dには溝幅が出口部10bより入口部10aの方が大きくされたベント溝10が形成されている。ベント溝10の側縁10c、10dは直線状に形成され、ベント溝10は中心角θが180°にされている。
突部Eには全周にベント溝10が形成されている。ベント溝10は中心角θが360°にされている。
測定は、ベント溝10が形成されていない突部Pと突部A、B、C、D、Eの六つの突部について、それぞれ5回ずつ行った。図8は、成形品20における突部8の周辺に成形された部分に生じたウエルドラインの深さを測定した結果を示すグラフ図であり、図9は、成形品20における突部8の周辺に成形された部分に生じたウエルドラインの長さを測定した結果を示すグラフ図である。
測定において、ベント溝10が形成されていない突部Pが設けられた射出成形用金型に比し、ベント溝10が形成された突部A、B、C、D、Eが設けられ射出成形用金型について、ウエルドラインの深さが浅くなり長さが短くなる結果が得られた。
また、測定において、突部Eが設けられた射出成形用金型に比し、突部A、B、C、Dが設けられ射出成形用金型について、ウエルドラインの深さが浅くなり長さが短くなる結果が得られた。特に、中心角θが90°、180°にされたベント溝10、10を有する突部B、Dが設けられた射出成形用金型について良好な結果が得られた。従って、ベント溝10は中心角θを180°以下にすることにより、ウエルドラインの発生をより良好に抑制することができる。
上記の測定結果より、ベント溝10は入口部10aから出口部10bへ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成されることがより好ましく、ベント溝10を入口部10aから出口部10bへ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成することにより、ウエルドラインの発生を一層抑制することができる。
また、ベント溝10は側縁10c、10dが直線状に形成されることがより好ましく、ベント溝10の側縁10c、10dを直線状に形成することにより、ウエルドラインの発生を一層抑制することができる。
[その他]
図10に、ベント溝の他の形状例を示す。
図10の上段に示すベント溝10は、一方の側縁10cの延長線がガス抜き孔9の中心を通り、他方の側縁10dがガス抜き孔9の外周の接線にされている。
図10の中段に示すベント溝10は、側縁10c、10dが外方へ凸の円弧状に形成され、側縁10c、10dは同一の曲率にされている。このようなベント溝10は、例えば、一つのエンドミルを軸方向以外に移動させることなく形成することが可能であり、容易に形成することができる。
図10の下段に示すベント溝10は、側縁10c、10dが内方へ凸の円弧状又は曲線状に形成されている。
尚、上記には、突部8に空気やガスを外部へ排出するためのガス抜き孔9を形成した例を示したが、例えば、図11に示すように、第1の成形型2と第2の成形型3が突き合わされたときに、第2の成形型3にガス抜き孔9に連通する排出孔3aを形成することも可能である。
このように第2の成形型3に排出孔3aを形成することにより、ガス抜き孔9に加え排出孔3aからも空気やガスを排出することができ、排出効率の向上を図ることができる。
また、上記には、一つのベント溝10がガス抜き孔9に連通されている例を示したが、例えば、図12及び図13に示すように、複数のベント溝10A、10A、・・・がガス抜き孔9Aに連通されていてもよい。この場合には、ガス抜き孔9Aはベント溝10A、10A、・・・の並び方向に延びるように形成され、例えば、水平方向に延びるように形成されている。
このように複数のベント溝10A、10A、・・・を一つのガス抜き孔9に連通させることにより、空気やガスの外部への排出を効率的に行うことができると共に構造の簡素化を図ることができる。
さらに、突部8に周方向に離隔して位置されるベント溝10、10、・・・を形成してもよい(図14参照)。
突部8に周方向に離隔して位置されるベント溝10、10、・・・を形成することによっても、空気やガスの外部への排出を効率的に行うことができる。
[まとめ]
以上に記載した通り、射出成形用金型1にあっては、突部8の先端部8aにガス抜き孔9に連通するベント溝10が形成され、ベント溝10の出口部10bの溝幅が入口部10aの溝幅以下にされている。
従って、ベント溝10及びガス抜き孔9を介して空気や溶融樹脂100から発生するガスが外部へ放出され、突部8の周辺におけるウエルドラインの発生を抑制することができる。
また、ベント溝10を入口部10aから出口部10bへ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成することにより、側縁10c、10dが空気やガスをガス抜き孔9側へ送るガイドとして良好に機能するため、ウエルドラインの発生を一層抑制することができる。
さらに、ベント溝10の側縁10c、10dを直線状に形成することにより、側縁10c、10dのガイド機能がより良好に発揮され、ウエルドラインの発生を一層抑制することができる。
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
図2乃至図14と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図は、射出成形用金型を離型された状態で示す概略斜視図である。 射出成形用金型を第1の成形型と第2の成形型が突き合わされてキャビティーが形成された状態で示す概略斜視図である。 突部の拡大斜視図である。 突部の拡大平面図である。 キャビティーに溶融樹脂が充填された状態について突部及びその周辺を示す拡大断面図である。 成形品の斜視図である。 測定に用いられた各突部を示す拡大平面図である。 ウエルドラインの深さについての測定結果を示すグラフ図である。 ウエルドラインの長さについての測定結果を示すグラフ図である。 ベント溝の形状例を示す拡大平面図である。 第2の成形型に排出孔が形成された例を示す拡大断面図である。 複数のベント溝がガス抜き孔に連通された例を示す拡大平面図である。 複数のベント溝がガス抜き孔に連通された例を示す拡大断面図である。 複数のベント溝が周方向に離隔して形成された例を示す拡大平面図である。
1…射出成形用金型、2…第1の成形型、3…第2の成形型、8…突部、9…ガス抜き孔、10…ベント溝、10a…入口部、10b…出口部、10c…側縁、10d…側縁、19…キャビティー、20…成形品、100…溶融樹脂、9A…ガス抜き孔、10A…ベント溝

Claims (7)

  1. 突き合わされることにより溶融樹脂が充填されるキャビティーを形成する第1の成形型と第2の成形型を備え、
    前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、
    前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、
    前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、
    前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、
    前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた
    射出成形用金型。
  2. 前記ベント溝は前記入口部から前記出口部へ向かうに従って溝幅が小さくなるように形成された
    請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 前記ベント溝の前記入口部と前記出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ直線状に形成された
    請求項1に記載の射出成形用金型。
  4. 前記ベント溝の前記入口部と前記出口部を結ぶ両側縁がそれぞれ外方へ凸の円弧状に形成された
    請求項1に記載の射出成形用金型。
  5. 前記ベント溝が複数形成され、
    前記複数のベント溝が一つの前記ガス抜き孔に連通された
    請求項1に記載の射出成形用金型。
  6. 第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた射出成形用金型が用いられ、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型が突き合わされて形成されたキャビティーに溶融樹脂が充填され前記溶融樹脂が冷却されて固化されると共に前記ベント溝及び前記ガス抜き孔を介して前記溶融樹脂から発生するガス及び前記キャビティーに存在する空気が前記射出成形用金型の外部へ引き抜かれて成形された
    射出成形用金型によって成形された成形品。
  7. 第1の成形型と第2の成形型を備え、前記第1の成形型に前記第2の成形型側へ突出された突部が設けられ、前記突部に前記第1の成形型の外部に連通されたガス抜き孔が形成され、前記突部の先端部に前記ガス抜き孔に連通されたベント溝が形成され、前記ベント溝の一端が前記突部の外周側に開口された入口部として形成され前記ベント溝の他端が前記ガス抜き孔に連通された出口部として形成され、前記出口部の溝幅が前記入口部の溝幅以下にされた射出成形用金型が用いられ、
    前記第1の成形型と前記第2の成形型が突き合わされてキャビティーが形成され、
    前記射出成形用金型の前記キャビティーに溶融樹脂が充填され、
    前記溶融樹脂が冷却されて固化されると共に前記ベント溝及び前記ガス抜き孔を介して前記溶融樹脂から発生するガス及び前記キャビティーの空気が外部へ引き抜かれて成形された
    射出成形用金型を用いた成形品の成形方法。
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