JP5829983B2 - デリバリパイプの成形方法 - Google Patents
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Description
実施形態1を説明する。本実施形態では、例えば、直列3気筒の内燃機関(エンジン)に使用されるデリバリパイプの成形方法について例示する。説明の都合上、デリバリパイプ、成形型を説明した後で成形方法について説明する。図1はデリバリパイプを示す断面図、図2は同じく下面図である。なお、説明の都合上、図1の断面図を基準としてデリバリパイプの上下左右を定める。
図3に示すように、成形型20は、固定型22と可動型24と燃料通路用中子26と3本の燃料供給口用中子28とを備えており、それらの型締めによって前記デリバリパイプ10(図1参照)のキャビティ21を形成する。
図4に示すように、デリバリパイプ10のインジェクタ取付部12の下端部に対応するキャビティ部分は、可動型24の中子嵌合孔(符号、25を付す)と、その中子嵌合孔25に嵌合する燃料供給口用中子28の大径軸部29との嵌合面の間に存在する環状の隙間を介して外部(大気)に開放されている。また、燃料供給口用中子28の凸部30の上端面(先端面)31と、その凸部30の上端面31に対応する燃料通路用中子26の下側面27とは、相互に当接いわゆる型合わせされる型合せ面となっている。このため、凸部30の上端面31を型合わせ面31(上端面と同一符号を付す)といい、燃料通路用中子26の下側面27を型合わせ面(下側面と同一符号を付す)という。
図3に示すように、固定型22に可動型24を型合せした状態で、両型22,24による成形空間部内に燃料通路用中子26が挿入される。また、可動型24に燃料供給口用中子28がそれぞれ挿入され、その燃料供給口用中子28の凸部30の型合わせ面31が燃料通路用中子26の型合わせ面27に当接すなわち型合わせされる(図4参照)。このようにして、型締めされた固定型22、可動型24、燃料通路用中子26及び各燃料供給口用中子28により、デリバリパイプ10を成形するキャビティ21が形成される。そして、固定型22のゲート23(図3参照)からキャビティ21内に樹脂材料(溶融樹脂)が射出されることにより、デリバリパイプ10が射出成形される。また、射出成形された樹脂材料の冷却後において、各燃料供給口用中子28及び燃料通路用中子26が抜き出され、可動型24が型開きされることによって、成形品であるデリバリパイプ10が取出される。
しかし、本実施の形態によると、燃料供給口用中子28に開口凹部35を含むガス抜き通路34が形成されている。このため、樹脂材料の合流部よりも上側の閉鎖空間(燃料通路用中子26と燃料供給口用中子28との型合わせ面の周辺部の空間)に溜まろうとするガスは、成形型20の両中子26,28の型合わせ面27,31の間に存在する隙間(ベント溝36を含む)から、燃料供給口用中子28の開口凹部35を含むガス抜き通路34を介して外部(大気)に抜け出ることができる。
本発明の実施形態2を説明する。本実施形態は、前記実施形態1の一部に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図6は成形型の要部を示す断面図、図7は図6のVII−VII線矢視断面図である。
図7に示すように、本実施形態は、実施形態1における燃料供給口用中子28を前後方向に二分割している。両分割体28A,28Bの分割面には、ガス抜き通路34(開口凹部35を含む)の半割状の溝部及び冷却回路40の半割状の溝部がそれぞれ形成されている(図6参照)。そして、両分割体28A,28Bの分割面同士が接着等により結合されている。本実施形態によると、ガス抜き通路34の設計の自由度を増大することができる。このため、例えば、ガス抜き通路34を、冷却回路40を迂回するように複数の曲がり角を有する折れ線状に形成することができる(図6参照)。
本発明の実施形態3を説明する。本実施形態は、前記実施形態1の一部に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図8は成形型の要部を示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態は、実施形態1における燃料供給口用中子28における開口凹部35を省略し、ガス抜き通路34の上端開口部を凸部30の型合わせ面31に直接的に開口したものである。また、ガス抜き通路34が、前記ゲート23(図3参照)から離れた部位すなわちガス溜りが発生しやすい反ゲート側(図8において右側)に配置されている。このため、ガス抜き通路34をゲート側(図8において左側)に配置する場合よりも、両中子26,28の型合わせ面27,31の周辺部に溜まろうとするガスを速やかに抜くことができる。
11…パイプ本体部
12…インジェクタ取付部
14…燃料通路
16…燃料供給口
20…成形型
21…キャビティ
26…燃料通路用中子
27…型合わせ面
28…燃料供給口用中子
31…型合わせ面
34…ガス抜き通路
35…開口凹部
Claims (3)
- 燃料通路を有するパイプ本体部と、
前記パイプ本体部の燃料通路に導入された燃料を複数のインジェクタに分配する燃料供給口を有する複数のインジェクタ取付部と
を備える樹脂製のデリバリパイプを射出成形するデリバリパイプの成形方法であって、
前記デリバリパイプのキャビティを形成する成形型において、前記燃料通路を形成する燃料通路用中子、及び、前記燃料供給口を形成する燃料供給口用中子の少なくとも一方の中子には、他方の中子に当接される型合わせ面に開口するガス抜き通路が形成され、
前記ガス抜き通路が形成された中子の内部には、冷却液を流すための冷却回路が形成され、
前記ガス抜き通路及び前記冷却回路が形成された中子を備える前記成形型を用いて前記デリバリパイプを射出成形する
ことを特徴とするデリバリパイプの成形方法。 - 請求項1に記載のデリバリパイプの成形方法であって、
前記ガス抜き通路が形成された中子には、該ガス抜き通路の通路断面積よりも大きい開口面積をもって前記型合わせ面に開口する開口凹部が形成されていることを特徴とするデリバリパイプの成形方法。 - 請求項1又は2に記載のデリバリパイプの成形方法であって、
前記燃料供給口用中子に形成される前記ガス抜き通路は、型合わせ面の中央部に開口しかつ該中子の軸線に対して傾斜する直線状に形成されていることを特徴とするデリバリパイプの成形方法。
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