JP6403262B2 - 中空円筒状樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

中空円筒状樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成型を利用した中空樹脂成形体の製造方法に関する。特に熱可塑性樹脂の射出成形によって中空円筒状の樹脂成形体を製造する方法に関する。
中空円筒状の樹脂成形体は、チューブや管路を接続するためのコネクタ部材などとして広く使用されている。例えば、自動車の自動変速機の油圧回路や、空調装置の冷媒循環回路などにおいて、このような中空円筒状の樹脂成形体が、コネクタ部材として採用されている。このような中空円筒状の樹脂成形体は、合成樹脂の、好ましくは熱可塑性樹脂の、射出成形により形成することができる。射出成形によりこれら成形体を形成すると、樹脂成形体を精度よく効率的に製造できるというメリットがある。
例えば、特許文献1には、チューブの端部に取り付ける中空円筒状の継手部材を、キャビティ型とコア型(芯金)を備える射出成形金型を用いて射出成型する技術が開示されており、当該成形方法によれば、コア型にチューブを挿入した状態で射出成型を行うことにより、チューブと継手部材が良好に溶着できることが開示されている。
特開2005−125757号公報
ところで、金型を用いた射出成型においては、必ず、金型のキャビティに樹脂を射出するためのゲートが設けられ、成形完了後に、スプルーやランナーなどの樹脂供給路と、成形体とをゲートで切り離すことが行われる。
通常、ゲートは、断面積が小さくされていて、その部分を引きちぎるようにしてゲートの切り離しが行われることが多い。その場合、ゲート切断部がバリ状に成形体に残存することになる。たとえば、図8に示すようにゲートGを切り離すと、成形体にバリ状のゲート痕Rが残る。ゲート切断部がバリ状に残存すると、製品の外観品質が低下するほか、成形品の寸法精度に影響したりするなど、好ましくない。また、円筒状成形体が耐圧性を要求される場合などには、ゲート切断部のバリ状部分が破壊の起点となって成形体の強度低下をもたらすおそれもある。
したがって、本発明の目的は、ゲートの切り離しを行ったゲート痕がバリ状になってしまうことを抑制し、ゲート痕がきれいになる射出成型の方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、成形体内周面に成形体中心軸を回転中心とするリング状部分を設けて、その部位にディスクゲートの周縁を接続するようにして射出成型を行い、成形の後に、成形体を中心軸回りに回転させてディスクゲートを切り離すと、ゲート痕のバリの発生が抑制されることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、中空円筒状の形状を有する樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成型により製造する方法であって、成形体の外周面を形成するキャビティ型と、成形体の内周面を形成するコア型とを有し、キャビティ型とコア型により形成されるキャビティにディスクゲートを通じて樹脂が供給されるように構成された金型を準備する第1工程、金型を型閉じして、樹脂をキャビティに射出し、成形体を形成する第2工程、ディスクゲートを成形体から切り離すと共に、金型を開いて成形体を取り出す第3工程を有し、前記成形体の内周面の少なくとも一部は、成形体の中心軸を回転中心とするリング状に形成され、成形体の外周面が、成形体の中心軸を回転中心とする回転体形状とされるとともに、第1工程において、当該リング状部位にディスクゲートの周縁が接続されるよう、金型を準備し、第3工程において、キャビティ型を型閉じしたままで、コア型を回転させることにより、成形体を中心軸回りに回転させて、ディスクゲートを成形体から切り離す、中空円筒状樹脂成形体の製造方法である(第1発明)。
さらに、発明においては、成形体の内周面の一部が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成されることが好ましい(第発明)。
第1発明の中空円筒状樹脂成形体の製造方法によれば、成形体とディスクゲートが連続的に接続された周方向に沿って、成形体とゲートが相対運動して、ディスクゲートが切り離されるため、ゲート痕にバリが出ることが抑制され、ゲート痕がきれいになる。
さらに、第発明のように、キャビティ型を型閉じしたままで、成形体を中心軸回りに回転させて、ディスクゲートを成形体から切り離すようにしたので、特に効果的に、ゲート痕にバリが出ることが抑制され、ゲート痕がきれいになる。また、発明のように、成形体の内周面の一部が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成されると、コア型と成形体を一緒に回転させることを確実に行うことができる。
第1実施形態にかかる成形体の形状を示す図である。 第1実施形態の製造工程に用いられる金型の構造を示す断面模式図である。 第1実施形態の金型に樹脂が射出された状態を示す断面模式図である。 第1実施形態の金型内で、成形体とゲートを切り離す動作を示す断面模式図である。 第1実施形態の金型を開いて、成形体を取り出す動作を示す断面模式図である。 第2実施形態の金型の一部を開いて、成形体とゲートを切り離す動作を示す断面模式図である。 成形体の他の実施形態例の形状を示す図である。 従来技術において、成形体とゲートを切り離す際に、ゲート痕にバリが発生する状況を示す図である。
以下図面を参照しながら、エラストマチューブの接続に使用されるコネクタ部材を例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には第1実施形態の成形体1(以下、「コネクタ部材」とも書く)を示す。図1の右側の図は管の軸線に沿った断面図と、軸方向から見た上面図および下面図を示し、左側の図は成形体の斜視図として示している。コネクタ部材1は、合成樹脂製の部材であり、熱可塑性樹脂の射出成形により、円筒断面を有する直管状に形成されている。すなわち、コネクタ部材1は、中空円筒状の形状に形成されており、コネクタ部材1は、管体の長さ方向の両端に位置する端面12,13と、円筒状の外周面14、円筒状の内周面15a、15bを有する。
本実施形態の成形体1では、外周面14は円筒状に設けられている。好ましくは、成形体の外周面は、本実施形態のように、成形体の中心軸Lを回転中心とする回転体形状に設けられる。後述する他の実施形態のように、成形体1の外周面にシール溝が設けられるようにしてもよく、シール溝にOリングを装着して、Oリングによりコネクタ部材と相手部材との間をシールするようにしてもよい。
本実施形態では、成形体の1の内周面15aは円筒状に形成されている。内周面15aの部分は、成形体の中心軸Lを回転中心とする回転体形状にされている。本実施形態では内周面15aは抜きテーパを有するほぼ円筒状の円錐面とされている。また、本実施形態では、内周面15aとは中心軸方向に隔たって位置する内周面15bの部分が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成されている。本実施形態では、内周面15bの部分は6角柱形状にされている。内周面15bの部分を多角柱形状とする場合には、その形状は、4角柱でも5角柱でも8角柱でもその他の多角柱状であってもよい。
成形体1は、合成樹脂の射出成形により形成された部材であり、成形体1には、射出成形の際に樹脂をキャビティ内に射出したゲートに対応したゲート痕16が存在する。図1ではゲート痕を破線で示している。ゲート痕16は、コネクタ部材1の内周面15aの部分に、リング状に存在している。即ち、成形体1の成形において、樹脂の射出は、成形体1の内周面に接続されたディスクゲートによって行われている。成形体1において、少なくともゲート痕16が存在する部分は、成形体の中心軸Lを回転中心とするリング状に形成されている。本実施形態では、内周面15aの部分にゲート痕16が存在する。
また、本実施形態では、ゲート痕16は、コネクタ部材1の長さ方向(管軸方向)における端部、即ち管端に近接した位置に存在している。
コネクタ部材1を構成する合成樹脂は、射出成形により成形可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が使用できる。本実施形態のコネクタ部材1はポリアミド樹脂により形成されている。
成形体(コネクタ部材)1は、エラストマ製のチューブの端部に挿入されて、チューブの接続に使用されうる。また、成形体にシール溝を備えさせてOリングを装着するようにすれば、特開2005−207463号公報などに開示される技術のように、油圧回路の管路を接続することもできる。
成形体1の製造方法について説明する。成形体1は、樹脂の射出成型により製造され、その製造工程は、射出成形金型を準備する第1工程と、金型を型閉じして樹脂をキャビティに射出し成形体を形成する第2工程と、金型を開いて成形体を取り出す第3工程を有する。金型を準備する第1工程においては、金型が、成形体1の外周面14を形成するキャビティ型と、成形体の内周面15a、15bを形成するコア型とを有するとともに、キャビティ型とコア型により形成されるキャビティに、ディスクゲートを通じて樹脂が供給されるように構成される。また、成形体を取り出す第3工程においては、ディスクゲートを成形体から切り離すと共に、金型を開いて成形体を取り出す。
第1工程で準備する金型について説明する。図2は金型の断面を示す模式図である。図では型閉じした状態で金型を示している。
金型には、成形体1の外面形状に一致する内面形状を有するキャビティを形成する一組のキャビティ型21,22,23が設けられ、キャビティ型内に、管状成形体1の内周面形状に一致する円柱状のコア型24が設けられる。図2には、キャビティ型21,22,23を断面図で、コア型24を外観図で示している。なお、図2においては、図を見やすくするために、キャビティ型21,22,23の断面のハッチングは省略している。
なお、金型には、これらキャビティ型21,22,23とコア型24のほか、適宜、開閉機構やスライド機構、ロッキングブロックや、押出ピンなどが設けられ、型締め、射出成形及び成形品の取出しが可能とされているが、その詳細な図示及び説明は省略する。
金型の構造をより詳細に説明する。金型2のキャビティ型は、固定側金型21と移動側金型22とスライド金型23、23とを有している。固定側金型21は、金型の開閉に伴って移動しない金型、もしくは、移動しない金型に隣接して配置される金型であり、固定側金型21には、溶融状態の樹脂がキャビティに向けて供給されるスプルーSが設けられている。本実施形態の金型では、固定側金型21は、スプルーSを有する移動しない金型とされている。
移動側金型22は、金型の開閉に伴って、固定側金型21に対し型開き方向(図2の上下方向)に移動可能に設けられた金型である。スライド金型23、23は、固定側金型21と移動側金型22の間に設けられ、金型2の開閉に伴って、型開き方向と交差する方向(図2の左右方向、)、好ましくは型開き方向と直交する方向に移動可能に設けられた金型である。
成形体は、金型によって、管状成形体の管軸方向が金型の型開き方向に一致するような姿勢で成形される。
成形体1の一方の端面である第1端面12の形状は、固定側金型21により規定される。同様に、成形体1の他方の端面である第2端面13の形状は、移動側金型22により規定される、本実施形態においては、第1端面12や第2端面13は平面状に形成されているが、テーパ面状や、曲面状、凹凸状など、他の形態に端面形状を規定しても良い。
スライド金型23,23は、固定側金型21と移動側金型22の間に配置されており、成形体1の円筒状外周面14の形状の少なくとも一部を規定している。本実施形態においては、成形体1の円筒状外周面14の全体がスライド金型23,23により規定される。
なお、キャビティ型におけるスライド金型の採用は必須ではなく、成形体の中心軸方向(脱型方向)にアンダーカットがない外周面形状であるならば、スライド型を用いないことも可能である。
コア型24は、いわゆるコアピンとして、移動側金型22に対して回転可能に設けられている。コア型24により管状成形体1の内周面の形状が規定される。本実施形態では、コア型24は円柱状部分と6角柱状部分をつなぎ合わせた形状とされている。
さらに、コア型24の端面が、固定側金型21のスプルーSに対向し、若干の隙間を残すように配置されており、この部分に円盤状の空間Dが形成され、いわゆるディスクゲートが構成されている。即ち、型閉じした金型に対し、スプルーSを通じ射出された溶融樹脂は、この円盤状の空間Dを通じて、成形体が形成されるべきキャビティCに充填される。なお、ディスクゲートが構成できれば、必ずしもコア金型の端面がスプルーSに対向する必要は無い。
ここで、成形体1はその内周面に成形体中心軸Lを回転中心とするリング状の部分(すなわち成形体内周面のうち15aの部分)を有しているが、成形体内周面のそのリング状部位にディスクゲートの周縁が連続して接続されるように、ディスクゲートが構成される。また、ディスクゲートは、接続部が、成形体中心軸Lと直行する平面内に位置するよう設けられる。
コア型24は移動側金型22を貫通するように、移動側金型に対し回転可能に取り付けられている。キャビティとは反対側のコア型の端部には、ギア24Gが設けられており、ギア24Gとかみ合うよう設けられた棒状のラックギア(駆動ギア)RGを駆動する(図2の左右方向に)ことにより、コア型24を成形体1の中心軸回りに回転駆動できるよう構成されている。なお、コア型の回転駆動には、公知の駆動機構が採用できる。駆動は、金型の開閉動作を利用する機械的結合による駆動であってもよいし、油圧や電気(モータ、ソレノイド)を利用するものであってもよい。油圧や電気により回転駆動を行えば、回転のタイミングや速度の調整がしやすくなり、特に好ましい。
準備された金型を用いて、樹脂の射出成型を行う。射出成形工程(第2工程)においては、型締めされた金型のキャビティに対し、固定側金型21に設けられたスプルーSから樹脂が注入される。注入された樹脂は、コア型24の端面と固定側金型21により形成されたディスクゲートを通って、管状成形体1が形成されるキャビティ空間Cへと供給される。型閉じした金型に樹脂が射出され、充填された状態を図3に示す。図3では、成形された成形体1と、樹脂通路の残渣物として同時形成されたディスクゲートDGの部分とをハッチングして示している。
樹脂をキャビティに充填し、樹脂を冷却・固化させた後に、図4、図5に示すように、ゲートカットと型開きを順次行って、成形体(コネクタ部材)1を取り出す。この際、ディスクゲートの部分DGは、成形体1から取り外され、成形体1には、ディスクゲートが接続されていたゲート痕16が残る。
本実施形態の成形体1や金型においては、まず図4のように、キャビティ型を型閉じしたままで、コア型24を回転させることにより、成形体1を中心軸L回りに回転させて、ディスクゲートDGを成形体1から切り離す、ゲート切り離し操作を行うことができる。すなわち、キャビティ型21,22,23を型締めしたままの状態で、もしくは、キャビティ型をわずかに開いた(緩めた)状態で、成形体1を回転させる。この時、ディスクゲートの部分DGは金型に対し回転しないようにされる。すると、ディスクゲートDGと成形体1が接続された部分、すなわち、成形体内周面のリング状部分に接する位置でせん断ひずみが集中的に発生してこの部分を切断面CSとして、ゲートが切り離される。
ゲートが切り離されたのちに、図5のように型開きして成形体1を取り出す。この時、ディスクゲートDGはすでに切り離されているので、適宜回収する。
作用と効果について説明する。上記製造方法によれば、射出成形された成形体1とディスクゲートDGが、成形体1の中心軸Lの周りに相対回転して、両者が切り離されるので、ゲート痕にバリが出ることが抑制され、ゲート痕がきれいになる。
従来技術においては、ゲートの切断の際に、ゲート部分の樹脂が存在しない方向にゲートと成形体を相対運動させて両者を分離していた。たとえば、ピンゲートやサイドゲートを横に引きちぎるような切り離し方法や、コアピンを押し出してディスクゲートをディスクの中心軸に沿って強制変位させて引きちぎるような切り離し方法では、成形体とゲートの相対運動の方向が、「ゲートの樹脂がある」部分を「ゲートの樹脂がない」方向へと運動させる動きとなっていた。
このような、従来技術での切り離し運動では、どうしても、樹脂の有無によるゲート部の微小な変形が抑えられず、図8に示したように、ゲートを切り離した方向にバリが生ずることになる。
一方、上記製造方法のように、成形体1とディスクゲートDGを、成形体1の中心軸Lの周りに相対回転させるようにすると、成形体とゲートの相対運動が、成形体とディスクゲートが連続的に接続された周方向に沿って起こることになる。すると、両者の運動方向に樹脂が連続して配置されているために、ゲート部の樹脂同士が運動方向に互いに支え合うようになり、運動方向への無用な変形が抑制される。その結果、相対運動により発生するせん断ひずみが、断面積が最小にされたゲート接続部に集中して発生し、その部分のせん断ひずみが大きくなって切断面CSが形成されて、切断面CSで成形体1とディスクゲートDGが分離される。そのため、切断部にバリが発生しにくくなり、成形体に残るゲート痕16がきれいになる。
また、コアピンを押し出すように変位させてディスクゲートを成形体中心軸方向に強制変位させて引きちぎる場合、コアピン先端部の負荷が大きくその部分にエッジ欠けが発生したり、金型のコアピン摺動部の摩耗が生じやすくなるなど、金型の耐久性が低下しやすい。一方、上記製造方法のように、成形体1とディスクゲートDGを、成形体1の中心軸Lの周りに相対回転させてゲートの切り離しを行うようにすると、コアピンが軸方向に摺動するのではなく、回転するだけでよくなる。また、コアピン先端部に大きな力がかからなくなる。そのため、金型の耐久性が向上する。
バリの発生を抑制し、ゲート痕をきれいにするという観点からは、本実施形態のように、成形体の外周面形状も、成形体中心軸Lを回転中心とする回転体形状とするとともに、ゲートの切り離しを行う工程において、キャビティ型21,22,23を型閉じしたままで、コア型24と成形体1を中心軸回りに回転させることにより、ディスクゲートDGを成形体1から切り離すことが好ましい。キャビティ型がいまだ型閉じされた状態にあれば、成形体の温度が金型温度近くに維持されるので、ゲートカット部が過剰に冷えてしまうことが防止でき、ゲートの切断がスムーズに行われる。その結果、ゲート切り離し部のバリの発生が特に抑制され、ゲート痕がきれいになる。
この時の金型の型閉じした状態とは、金型を型締めした状態だけを指すのではなく、金型の型締めを解除し、金型を緩めているがいまだ金型が大きく開かれておらず、キャビティ型内部の温度が実質的に金型温度に支配されているような状態を含む。このような状態であれば、バリの抑制効果とゲート痕のきれいさが特に高められうる。
また、成形体の内周面形状の一部を、中心軸回りの回転体形状とは異なる形状、たとえば、上記実施形態のような多角柱形状とすることも好ましい。このようにされていると、成形体1をコア型24と一緒に、確実に回転させることができ、所定のタイミングでゲートカットが確実に行なわれて、ゲートカット不良を抑制できるうえに、ゲート痕でのバリの削減ときれいさの向上にも寄与する。
成形体を確実に回転させるための内周面形状は、内周面の一部を多角柱形状とするほか、
内周面の一部もしくは全体に、キーや溝、スプラインを設けたりして、成形体1とコア型24の係合を行うような形状であってもよい。
なお、成形体1とコア型24が一緒に回転できるのであれば、成形体内周面形状は円筒や円錐形状であってもよい。この場合、コア型24とスライド型23,23の間で、成形面の表面粗度に差をつけて、スライド型23,23よりも、コア型24の方に成形体1がより密着するようにすることも、好ましい実施の形態である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については、その詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を互いに置き換えて実施することができる。
上記実施形態の製造方法では、金型を型開きする前に、コア型24と成形体1を回転させてゲートを切断していたが、金型の型開きのタイミングとゲート切断のタイミングは順序を逆にしてもよい。
たとえば、金型の型閉じ(図2)と、樹脂の射出(図3)までは、上記第1実施形態の製造方法と同様に行い、その後、図6に示すように、スライド型23,23を型開きして、成形体外周面とスライド型を強制的に引き離してから、その後、駆動ギアRGを作動させてコア型24を回転駆動し、成形体1を中心軸回りに回転させて、ディスクゲートDGを切断面CSで切り離すようにしてもよい。
このように、成形体外周面を形成する金型(本実施形態ではスライド型23,23)を先行して型開きしたのちに、コア型24と成形体1を回転させるようにすれば、成形体1を確実にコア型とともに回転させることができ、ディスクゲートの切り離しが確実に行われる。また、このように、成形体外周面を形成する金型を先行して型開きするようにすれば、成形体の外周面形状を回転体形状とする必要がなくなり、成形可能な形状の範囲が拡大される。
上記実施形態では、成形体の軸方向の端部(端面)付近にゲート痕が現れる形態、すなわち、金型の成形体キャビティ部分Cとディスクゲート部分Dとが成形体の端部付近で、リング状に接続された形態について説明したが、ゲート痕の位置、すなわちディスクゲートと成形体が接続される軸方向の位置は、これに限定されない。たとえば、成形体の中心軸方向で中央部に、ゲート痕が現れるように金型を構成しても、回転駆動されるコア型と成形体が一緒に回転し、固定金型の側に固定されたコア型およびディスクゲートが回転しないようにされていれば、同様に、ゲート切り離しの際のバリ発生が抑制され、ゲート痕をきれいにできる。
図7には、成形体の形状の変更例を示す。図7(a)に示すように、成形体3には、外周面にOリングを装着するためのリング状の溝31,31を有するものであってもよい。ゲート痕36は、成形体の端部付近の内周面に設けられている。このような成形体3は、油圧回路等の管路ブロックの接続に使用できる。また、成形体4は、図7(b)に示すように、成形体の軸方向略中央部に、四角形板状の部分41が、中心軸と略垂直となるように突出形成された形態であってもよい。本実施形態においても、ゲート痕36は、成形体の端部付近の内周面に設けられている。部分41は成形体中央部でストッパーの役割を果たすことができる。成形体4の外周面形状は、四角形板状の部分41が、成形体中心軸回りの回転体形状とはなっていないので、このような成形体4は、図6で説明したように、キャビティ型の型開きを先行させて、成形体外周面を金型に対し回転可能にして、その後、コア型と成形体の回転を行って、ディスクゲートの切り離しを行えばよい。
金型の細部構造や、どの金型で成形体のどの部分を成形するかは、成形体の形状や、金型の動作等に合わせて、適宜変更できる。
たとえば、図1に示したような円筒状の成形体であり、成形体の外周面形状が成形体中心軸方向に沿って脱型可能な(アンダーカットがない)形状であれば、成形体外周面を形成するキャビティ金型を、スライド金型を含まない構成にしてもよい。あるいは、固定側金型21や移動側金型22で、成形体の端面だけでなく、成形体の外周側側面や内周面の一部を成形するようにしてもよい。
また、スプルーSおよびディスクゲートDGの部分は、ディスクゲートの切り離しの際に成形体やコア型とともに回転してしまわないように構成することが好ましい。通常、ディスクゲートが回転することはないが、ディスクゲートDGの回転を確実に防止するためには、スプルーの中心をディスクゲートの中心とオフセットさせたり、スプルーやディスクゲートの固定側金型の成形面に、凹凸等をつけて回転防止をすることが好ましい。
上記製造方法で製造された成形体が使用される具体的な適用分野は特に限定されず、合成樹脂製のコネクタ部材が適用可能な分野のほか、スペーサ、カラーなど、中空円筒状の成形体が利用可能な分野に広く適用できる。典型的には、中空円筒状成形体は、エラストマ製チューブの接続に使用できる。また、中空円筒状成形体は、油圧回路や、冷媒配管、冷却水循環系、圧力伝達系、流量調整弁などの管路ブロックに使用できる。更に、油圧や水圧などの液圧が伝達される回路の管路だけでなく、空気圧などの気体の圧力を伝達する回路の管路など、多様な圧力伝達回路の管路が、中空円筒状成形体によって連結できる。
本発明の製造方法によれば、射出成形される中空円筒状成形体のゲート痕でのバリの発生が抑制でき、きれいに精度良く製造できて、産業上の利用価値が高い。
1 成形体
12 第1端面
13 第2端面
14 外周面
15a、15b 内周面
16 ゲート痕
21 固定側金型
22 移動側金型
23 スライド金型
24 コア金型
3 成形体
31 溝部
36 ゲート痕
4 成形体
41 板状部分
46 ゲート痕

Claims (2)

  1. 中空円筒状の形状を有する樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成型により製造する方法であって、
    成形体の外周面を形成するキャビティ型と、成形体の内周面を形成するコア型とを有し、キャビティ型とコア型により形成されるキャビティにディスクゲートを通じて樹脂が供給されるように構成された金型を準備する第1工程、
    金型を型閉じして、樹脂をキャビティに射出し、成形体を形成する第2工程、
    ディスクゲートを成形体から切り離すと共に、金型を開いて成形体を取り出す第3工程を有し、
    前記成形体の内周面の少なくとも一部は、成形体の中心軸を回転中心とするリング状に形成され
    成形体の外周面が、成形体の中心軸を回転中心とする回転体形状とされるとともに、
    第1工程において、当該リング状部位にディスクゲートの周縁が接続されるよう、金型を準備し、
    第3工程において、キャビティ型を型閉じしたままで、コア型を回転させることにより、成形体を中心軸回りに回転させて、ディスクゲートを成形体から切り離す、
    中空円筒状樹脂成形体の製造方法。
  2. 成形体の内周面の一部が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成される、
    請求項に記載の中空円筒状樹脂成形体の製造方法。
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