JP6762844B2 - 管状樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂で一体成形された管状樹脂成形体の製造方法に関する。特に射出成形を利用した管状樹脂成形体の製造方法に関する。
合成樹脂で一体成形された管状樹脂成形体は、各種配管や、コネクタ部材、管継手等の多彩な用途に使用されている。特に、管状樹脂成形体を、合成樹脂の射出成形を利用して一体成形すれば、管端部のシール構造や取付け部材等を一体に成形することもできて、便利である。
射出成形を利用して管状樹脂成形体を製造する技術は公知である。中空管状部が短い管状樹脂成形体であれば、管の内周面形状を規定するコア型を有する金型を用いて、管状樹脂成形体を射出成形できる。
また、近年では、キャビティ内に一旦射出された樹脂に対し、加圧した気体や液体を樹脂の中央部に導入して中央部の樹脂を排除して、中空管状部を形成する技術も実用化されている。こうした技術は、ガスアシスト射出成形技術(Gas−assisted Injection Technology:GIT法)やウォーターアシスト射出成形技術(Water−assisted Injection Technology:WIT法)などが知られている。例えば、特許文献1には、ウォーターアシスト射出成形技術により形成された管状樹脂成形体が開示されている。
また、射出成形時に加圧した気体や液体を導入して中空管状部を形成する技術として、いわゆるフローティングコアを利用する技術も知られている。例えば、特許文献2には、キャビティへの溶融樹脂の射出を行った後に、キャビティ内を通過しうる大きさのフローティングコアを、キャビティの加圧ポートから加圧流体によって押して、キャビティに注入された溶融樹脂中を前記排出口まで型キャビティに沿って進行させることにより、中空管状部を形成する射出成形技術が開示されている。当該製造方法によれば、中空部寸法が均一な複雑形状の中空製品を射出成形できることが開示されている。
特開2015−139879号公報 特開平04−208425号公報
これら管状樹脂成形体を、GIT法やWIT法、あるいは、フローティングコアを用いた成形法により形成すると、中空管状部の管端に隣接するように余剰部が形成される。例えば、通常、排出口の側には、排出された樹脂により余剰部が形成される。あるいは、加圧ポート側にも、管状樹脂成形体の管端部形状の要求等により、余剰部を形成することがある。これら余剰部は、完成品たる管状樹脂成形体から切り離される必要がある。
しかしながら、上記余剰部の切り離しは、正確な位置及び角度で行う必要があり、管状樹脂成形体を正確な姿勢に維持した状態で、カッターや丸鋸などにより切り離し加工を行う必要があった。こうした加工は、煩雑なものである。また、成形された管状樹脂成形体から、余剰部を折り取ることも考えられるが、折り取った場合には、管状樹脂成形体に亀裂が入ったり、管状樹脂成形体の端部形状がひずんで正確に得られなくなったりして、品質上の問題が生じやすい。
本発明の目的は、成形体の形状を正確に維持しながら、中空管状部の管端部に形成された余剰部を効率的に分離できる製造方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、管状樹脂成形体の中空管状部の管端部と余剰部との間に薄肉部を設け、管端部を金型などにより把持しながら余剰部に力を加えて薄肉部を破断させると、上記課題が解決できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、中空管状部を有する管状樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成形を利用して製造する方法であって、前記射出成形は、一端に加圧流体を注入可能な加圧ポートを備えると共に他端に排出口を備えるキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティにより管状樹脂成形体の外面形状を規定し、溶融状態の熱可塑性樹脂を、前記キャビティ内に射出して充填し、加圧ポートから加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部を排出口から排出して中空管状部を形成しつつ、同時に中空管状部の管端部の少なくとも一方に隣接するように余剰部を形成し、中空管状部の管端部と余剰部の間にリング状の薄肉部を形成するものであって、前記射出成形の後、金型の型開き動作中に前記中空管状部の管端部を金型により把持した状態で、前記余剰部に力を加えて前記薄肉部を破断させて、前記余剰部を中空管状部から分離する管状樹脂成形体の製造方法である(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、熱可塑性樹脂の射出に先立って、フローティングコアを加圧ポートに備えさせ、加圧流体の圧入によりフローティングコアを排出口側に移動させ、フローティングコアの移動により中空管状部を形成する(第2発明)。また、第1発明もしくは第2発明において、好ましくは、薄肉部を破断させる際に、刃物を使用しない(第3発明)。また、第1発明ないし第3発明のいずれかにおいて、好ましくは、熱可塑性樹脂が強化繊維を含む(第4発明)
本発明の管状樹脂成形体の製造方法(第1発明)によれば、成形体の形状を正確に維持しながら、管端部に形成された余剰部を効率的に分離できる。第2発明では、特に、中空管状部の内周面形状を安定して正確に成形することができ、中空管状部の管端部の形状が特に正確なものとできる。また、第3発明ないし第発明では、中空管状部の管端部の形状をより正確にできる。
本発明の製造方法により製造される管状樹脂成形体の形状を示す一部断面図である。 本発明の製造方法の過程において、射出成形金型内で成形される樹脂成形体(前駆体)の形状を示す断面図である。 本発明の製造方法に使用される射出成形金型の構成を示す模式図である。 本発明の製造方法の射出成形工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の射出成形工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の射出成形工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の分離工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の分離工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の他の実施形態における分離工程の例を示す模式図である。
以下図面を参照しながら、液体の移送用配管に使用される管状樹脂成形体を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1は、後述する製造方法により製造される管状樹脂成形体1の形状を示す図であり、図中では、管の中心線に対し下側及び左側となる部分を断面で示し、他の部分を外観で示している。管状樹脂成形体1は、中空管となるように成形された中空管状部11を有する。中空管状部11は、直管状であってもよいし、曲がり管状であってもよい。後述する製造方法によれば、曲がり管状、特に通常のコア型の脱型が難しいような曲がり管形状であっても、中空管状部11が形成できる。
管状樹脂成形体1の中空管状部11には、ゲート痕15が存在する。すなわち、管状樹脂成形体1は樹脂の射出成形を利用して製造された成形体である。
管状樹脂成形体1は、中空管状部11以外の部分を備えていてもよい。例えば、管状樹脂成形体1は、中空管状部11の端部付近に、フランジ16を備えて、管の取り付け性やシール性を高めることができる。同様に、中空管状部11の端部付近に、シール溝や、突条等を設けてもよい。また、管状樹脂成形体1には、取付や接続のためのステーや固定部、ボスなどを一体成形してもよい。また、管状樹脂成形体1には、中空管状部11から分岐する分岐管が設けられていてもよい。
管状樹脂成形体1を構成する樹脂材料は、射出成形が可能な種々の熱可塑性樹脂が使用できる。熱可塑性樹脂としては、典型的には、オレフィン系樹脂などの汎用樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂などのエンジニアリングプラスチックの他、ポリフェニルサルファイド樹脂やポリエーテルエーテルケトン樹脂などのスーパーエンジニアリングプラスチックが使用できる。熱可塑性樹脂には、各種補強材(タルクなど)や、強化繊維が配合されていてもよい。強化繊維としては、ガラス繊維やアラミド繊維、炭素繊維などが例示される。熱可塑性樹脂には、各種充填材や添加剤、着色剤などを配合してもよい。
管状樹脂成形体1は、例えば、自動車の自動変速機の油圧配管や、冷却機構の水冷配管等の構成部材として使用できる。なお、管状樹脂成形体1の用途は、これに限定されず、気体や流体の移送や圧力伝達に使用される管体として使用できるほか、紛体や粒体の移送に使用される管体としても使用できる。
以下、上記管状樹脂成形体1の製造方法について説明する。まず射出成形を利用して、図2に示すような樹脂成形体である前駆体5を一体成形し、前駆体5から不必要な部分を分離して、図1の管状樹脂成形体1が得られる。図2に前駆体5の形状を断面図で示す。この例では、図2のA−A及びB−Bで示した位置で中空管状部11の両端の管端部から余剰部51、52を分離し、ゲートやランナーを切除することにより、図1のような管状樹脂成形体1が得られる。
前駆体5においては、中空管状部11の管端部11a,11bに隣接するように余剰部51,52が形成されている。そして、中空管状部の管端部11a,11bと余剰部51,52との間には、リング状の薄肉部55,56が形成されている。薄肉部55,56では、管の外周面に形成されたリング状の溝により、管壁が薄肉化されている。薄肉部55,56の肉厚は、中空管状部の管端部の薄肉化されていない部分の肉厚の半分以下であることが好ましい。
溝は、鋭い底部を有するV字状断面の溝であってもよいが、なだらかな底部を有するU字状断面もしくはコの字状断面の溝であってもよい。中空管状部11の側における溝の側面と管の中心線との間の角度が、45度以上90度以下であることが好ましい。
余剰部は、中空管状部11の両側の管端部のうち、少なくとも一方に設けられる。通常、後述する排出口(33)が存在する側の管端部11aには、余剰部51が設けられる。余剰部52のように、後述する加圧ポート(32)が存在する側の管端部11bに余剰部が設けられることもある。
前駆体5を射出成形する工程について説明する。前駆体5の射出成形に用いられる金型は、ゲートとキャビティを有しており、ゲートを通じてキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂が射出される。また、キャビティに樹脂が充填されると、キャビティ31により前駆体5(すなわち管状樹脂成形体1)の外面形状が規定される。キャビティは中空管状部を形成する部分の一端側に加圧流体を注入可能な加圧ポートを備えている。さらに、キャビティは他端側に排出口を有している。
射出成形工程では、ゲートを通じてキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して充填する。樹脂の充填後、キャビティ内の樹脂が固まりきらない間に、加圧ポートから加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部、特に中空管状部を形成するキャビティの部分の中心部の樹脂を排出口から排出して、中空管状部11を形成する。これにより、中空管状部11を有する前駆体5が形成される。その後、さらに冷却を行い、形状が固定された後に、射出成形された成形体である前駆体5が金型から取り出し可能となる。
この様な加圧流体を用いる中空管状部の射出成形には、前述したGIT法やWIT法、あるいは、フローティングコアを用いた成形法が利用できる。以下、図3ないし図6を参照しながら、フローティングコアを用いた成形法を例として、この射出成形工程について詳しく説明するが、発明はフローティングコアを用いた成形法に限定されない。
図3は射出成形工程に用いられる金型の断面模式図である。成形品の取り出しが可能なように、金型3は、紙面と垂直な方向に開閉動作が可能に構成されている。金型3には、キャビティ31とゲート35が設けられている。ゲート35を通じてキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して充填することによって、キャビティ31の内周面形状が転写されて、前駆体5の外面形状が規定される。本実施形態では、ゲート35は、中空管状部を形成する部分のキャビティに設けられている。
キャビティ31のうち、中空管状部11に対応する部分の一端には、加圧ポート32が設けられている。加圧ポート32は、加圧流体を圧入・排出するための加圧流体系(図示せず)に接続されている。また、加圧ポートがキャビティに連絡する部分には、フローティングコアを仮に支持する部分が設けられ、樹脂の射出に先立って、この部分にフローティングコア2が配置される。
フローティングコア2は、金属製であってもよく、樹脂製であってもよい。樹脂製の場合は、射出成形に供される熱可塑性樹脂と同種の樹脂であってもよいし、異なる種類の樹脂であってもよい。フローティングコア2の形状は、図示した球形の他、円筒状、円錐形状、砲弾型などの形状など、形成されるべき内周面の断面形状を有する形状である。
キャビティ31のうち、中空管状部11に対応する部分の他端には、排出口33が設けられている。排出口33には捨てキャビティ34が接続されている。排出口33と捨てキャビティ34の間には開閉動作が可能な開閉手段37が設けられている。
また、金型3には、管状樹脂成形体1における中空管状部11の末端面に対応する位置に、キャビティの内側に向かって突出するように、リング状の突起31a、31bが設けられている。これら突起31a,31bは、前駆体5におけるリング状の薄肉部55,56に対応した形状に設けられる。すなわち、図3において、リング状の突起31aよりも左側に存在するキャビティの部分および排出口33や捨てキャビティ34の部分に、余剰部51が形成され、リング状の突起31bよりも下側に存在するキャビティの部分に、余剰部52が形成される。
金型3は、余剰部51,52を形成する金型3b、3cと、中空管状部11を形成する金型3aとが、異なるタイミングで型開きできるように構成されている。すなわち、リング状の突起31a、31bを含む面を境界にして、余剰部51,52を形成する金型3b、3cと、中空管状部11を形成する金型3aとは、分割されて構成されており、それぞれが独立したタイミングで型開き動作ができるよう、構成されている。また、これら金型はスライド機構等を利用して、互いに異なる方向に型開き動作ができるよう構成されていてもよい。
図4ないし図6は射出成形工程の各段階を示す図である。
まず、フローティングコア2を加圧ポート32側に配置した状態で金型3を型閉じする。この時、開閉手段37を閉じておく。そして、図4に示すように、ゲート35を通じて、キャビティ31に溶融状態の樹脂を射出し、充填する。なお、この段階における樹脂の充填は、金型のキャビティ31に対し完全に樹脂を充填する必要はない。後述する加圧流体の圧入によりキャビティ31への樹脂の充填が完全なものとなるのであれば、この段階における樹脂の充填は、キャビティ31の一部に樹脂が行き渡らないような不完全な充填であってもよい。
ゲート35からの樹脂の射出が終了した後、引き続き、排出口33に設けられた開閉手段37を開放すると共に、加圧ポート32から加圧流体をキャビティ31内に圧入する。加圧流体は、窒素ガスや炭酸ガス、空気などの気体であってもよく、グリセリンや流動パラフィン、水などの液体であってもよい。加圧流体は、射出された樹脂と反応または相溶しない流体であることが好ましく、例えば窒素ガスのような不活性ガスが特に好ましい。加圧流体の圧入は公知の加圧流体系により行えばよい。
加圧流体が圧入されると、図5に示すように、フローティングコア2は加圧流体に押されてキャビティ内の樹脂中を移動していく。この時、フローティングコア2は、冷却固化が始まったキャビティ31の外周寄りの樹脂を残し、冷却が遅れる中心部の溶融樹脂を排出口33から捨てキャビティ34へ押し出しながら、排出口33側へと前進する。そして、フローティングコア2が通過した後には、フローティングコア2の径にほぼ等しい内径を有する中空管状部11が形成されることになる。また、中空管状部11となる部分の樹脂は、圧入された加圧流体の圧力により、金型のキャビティ内周面に押し付けられて、管の形状が維持された状態で冷却されていく。
更に加圧流体の圧入を進めると、図6に示されるように、フローティングコア2が排出口33の位置まで至り、中空管状部11の全体が形成される。この状態で形成された中空管状部11の内部に加圧流体圧を加えたまま保持することで、樹脂とキャビティ31の周壁面とを十分に圧接させることができ、樹脂成形体1(前駆体5)の外面形状が正確に形成され、好ましい。
本実施形態では、フローティングコア2が排出口33の手前側で停止するように構成しているが、排出口の径を大きくして、フローティングコア2が排出口33を超えて捨てキャビティ34まで到達するようにしてもよい。
図6に示す状態で、金型3のキャビティ内の樹脂が十分に固化し、前駆体5の形状が安定した頃合いを見計らって、加圧流体の加圧を解除する。そして、以下に説明する分離工程を経て、前駆体5から、余剰部51,52を分離し、樹脂成形体1を得る。
本実施形態の製造方法においては、金型3内に前駆体5が射出成形された後、中空管状部11を形成する金型3aを閉じた状態を維持しながら、余剰部51,52を形成した金型3b、3cを型開きする。金型3aが閉じた状態で維持されることにより、中空管状部11の管端部11a,11bが、金型3aにより把持された状態となる。図7には、余剰部51,52を形成した金型3b、3cのみが型開きした状態を示している。金型3b、3cを型開きして、余剰部51,52が露出したら、射出成形直後の前駆体5が未だ温かい間に、余剰部51,52に力Fを加えて薄肉部55,56を破断させて、余剰部51,52を中空管状部11から分離する(図8)。
力Fは、エアーシリンダーや突出しピン等を利用して、管端部の中心軸方向と略直交する方向に加えることが好ましい。また、力Fは、打撃を与えるように、短時間で衝撃的に加えることが好ましい。また、力Fは、リング状の薄肉部55,56の部分に、管をねじる方向のねじりモーメントが生じるように与えてもよいし、管の軸直方向のせん断力が働くように与えてもよいが、管を曲げるような曲げモーメントが薄肉部55,56に働くように与えられることがより好ましい。
余剰部51,52を分離する際の余剰部を形成した金型3b、3cの型開きは、それぞれの金型の上型と下型が共に型開きするような形態であってもよいが、例えば、金型3b、3cのそれぞれにおいて上型のみを型開きし、余剰部51,52を下型内に保持してもよい。上型のみを型開きする場合には、例えば、下型に設けた突出しピン等により力Fを加えて余剰部の分離を行ってもよい。
余剰部51,52が分離できたら、中空管状部11を形成した金型3aを型開きして、樹脂成形体を取り出す。取り出した樹脂成形体から、さらに管状樹脂成形体1に不必要な部分、例えばゲートやランナーの部分を切り離す。これにより、管状樹脂成形体1が得られる。なお、樹脂成形体の前駆体5から管状樹脂成形体1を得る際に、必要に応じ、切削加工による穴あけや、他の部材の組み付けなどを行ってもよい。
以下、上記管状樹脂成形体1および上記製造方法の作用と効果を説明する。
上記した管状樹脂成形体の製造方法によれば、中空管状部11の射出成形の後、金型の型開き動作中に、中空管状部11の管端部11a,11bを金型により把持した状態で、余剰部51,52に力を加えて薄肉部55,56を破断させて、余剰部51,52を中空管状部11から分離するので、成形体の形状を正確に維持しながら、管端部に形成された余剰部を効率的に分離できる。
この分離操作は、実質的に射出成形直後の、未だ前駆体5が温かい間に行われるため、前駆体5が室温程度まで冷えてしまった場合に比べ、小さい力で薄肉部を破断させることができ、余剰部を分離する際に、中空管状部11の管端部が変形してしまうことが予防できる。特に、金型により、中空管状部11の管端部11a,11bを把持しながら薄肉部55,56を破断するので、成形体の管端部11a,11bにひずみが生じにくく、その形状がより正確なものとなると共に、分離の操作も確実なものとなって、分離操作の効率性が高められる。
なお、上記実施形態の製造方法の説明においては、図7のように、中空管状部を形成する金型3aの全体が閉じた状態で、余剰部55,56の分離操作が行われたが、金型3a全体を閉じたままにする必要はなく、除去すべき余剰部に隣接する中空管状部の管端部のみの部分で金型の型閉じ状態を維持するようにしながら、他の部分は金型を開いて、余剰部の分離操作を行ってもよい。なお、余剰部の分離操作を行うタイミングは、樹脂成形体の前駆体5が金型から取り出し可能な温度となった後であればよいが、前駆体5や余剰部55,56の温度があまり下がりすぎないうちに行うことが好ましい。
また、分離操作に必要な力を小さくして、成形体の形状をより正確にしながら、管端部11a,11bに形成された余剰部を効率的に分離するという観点からは、薄肉部55,56の肉厚が、管端部11a,11bの肉厚の半分以下であることが好ましい。
また、特に、熱可塑性樹脂の射出に先立って、フローティングコアを加圧ポートに備えさせ、加圧流体の圧入によりフローティングコアを排出口側に移動させ、フローティングコアの移動により中空管状部を形成するという、フローティングコアを併用した加圧流体の圧入により中空管状部の成形を行う場合、上記製造方法を採ることにより、特に、中空管状部の内周面形状を安定して正確に成形することができ、中空管状部の管端部の形状が特に正確なものとできる。また、管端部11a,11bと余剰部51,52の間の薄肉部55,56が周方向に均一に形成されるようになるため、余剰部の分離もより確実に行うことができる。
また、上記製造方法においては、薄肉部を破断させる際に、刃物を使用せずに余剰部を分離できる。刃物を併用して、刃物の刃先が薄肉部に食い込むようにしながら余剰部の分離を行うことも可能である。しかしながら、薄肉部の破断のために刃物を併用すると、刃物が薄肉部に食い込む際に、刃物が中空管状部11の管端部の末端面を半径方向内側に押し込むように変形させてしまうことがあるため、刃物を使用しないで、もっぱら力Fの負荷により余剰部を折り取るようにした方が、樹脂成形体11の管端部の形状がより正確なものとなる。また、分離操作の際に、力Fを、より大きな曲げモーメントが薄肉部に入力されるように加えることにより、樹脂成形体11の管端部の形状がより正確なものとなる。
また、上記製造方法においては、熱可塑性樹脂が強化繊維を含むものとすることが好ましく、熱可塑性樹脂が強化繊維を含むことにより、中空管状部11の管端部の形状をより正確にできる。これは、強化繊維を含む熱可塑性樹脂は、型開き直後の温度において、力Fの入力により、管端部を変形させたり糸引きしたりせずに薄肉部55,56の部分できれいに破断しやすいからである。薄肉部55,56の破断がよりきれいに行われうるという観点からは、使用される樹脂は、ガラス繊維入りのポリフェニルサルファイド(PPS)樹脂などの、熱可塑性樹脂の中でも比較的硬くもろい性質の樹脂であることが特に好ましい。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態や変形例について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態の詳細な説明では、フローティングコアを併用した加圧流体の圧入による中空管状部の成形法について、詳しく説明したが、フローティングコアを用いない他の方法、例えば、GIT法やWIT法においても、同様に、中空管状部11の射出成形の後、金型の型開き動作中に、中空管状部11の管端部11a,11bを金型により把持した状態で、余剰部51,52に力を加えて薄肉部55,56を破断させて、余剰部51,52を中空管状部11から分離するようにすれば、同様に、成形体の形状を正確に維持しながら、管端部に形成された余剰部を効率的に分離できる。
また、上記実施形態における管状樹脂成形体1では、中空管状部は分岐管を有しない例について説明したが、中空管状部に分岐管が設けられていてもよい。このような分岐管の成形は、加圧流体の圧入を利用して、主管となる中空管状部と同時に形成してもよい。あるいは、主管となる中空管状部の形成は加圧流体の圧入を利用して行い、分岐管部分はドリル等の切削加工により穴あけして形成する等、他の方法によって分岐管部分を形成してもよい。また、上記実施形態の説明では、中空管状部11が円筒状に形成される例について説明したが、中空管状部11は他の形状、例えば角筒状に形成されてもよい。角筒状の中空管状部を形成するのであれば、フローティングコアとして例えば方形状の断面形状を有するものを用いればよい。
また、上記実施形態の説明では、排出口33と開閉機構37と捨てキャビティ34が順次並んだ形態の金型の例を示したが、排出口や捨てキャビティの具体的形状は特に限定されず、例えば、両者が樹脂の流れ方向と垂直な断面で同じ断面形状を有するような形態であってもよい。また、開閉機構37は一連の射出工程や加圧流体の圧入工程が実行可能であれば、省略することもできる。
また、上記実施形態の説明においては、余剰部の分離操作が、射出成形金型の型開き動作中に行われる例について説明したが、余剰部の分離操作を、射出成形された成形体(前駆体5)の取り出し動作中に行ってもよい。図9にそのような実施形態の例を示す。この実施形態では、金型のキャビティに排出口33が設けられる側のみに、余剰部51が形成されている。この実施形態においても、前駆体5を射出成形金型3内で射出成形するところまでは、第1実施形態の例と同様に、図4、図5、図6と同様に進められる。
本実施形態においては、前駆体5が射出成形され、十分に固化が進んだ時点で、射出成形金型全体が型開きして、前駆体5が取り出しロボットRにより取り出される。この時、取り出しロボットRのアームのチャック部Aによって、樹脂成形体1における中空管状部11の管端部11aを把持して取り出す。そして、中空管状部の管端部11aを取り出しロボットにより把持した状態で、余剰部51に力を加えて、薄肉部55を破断させ、余剰部51を分離する。力Fの負荷は、取り出しロボットRのアームに取り付けたエアーシリンダー等により行ってもよいし、別のロボットによって余剰部を掴んで与えてもよいし、余剰部51を台などに打ち付けて与えてもよい。
この様な実施形態であっても、成形体(前駆体5)の取り出し動作中に、中空管状部11の管端部を取り出しロボットにより把持した状態で、余剰部51に力を加えて薄肉部55を破断させて、余剰部51を中空管状部11から分離するようにしたので、第1実施形態の例と同様に、成形体の形状を正確に維持しながら、管端部に形成された余剰部を効率的に分離できる。
なお、中空管状部11の管端部の形状の精度をより高めるという観点からは、図7に示した第1実施形態のように、射出成形に用いた射出成型金型の一部を用いて中空管状部11の管端部を把持するようにした方が、樹脂成形体の前駆体5の管端部を確実に把持できるため、より好ましい。
あるいは、余剰部の分離操作における中空管状部の管端部(11a,11b)の把持を、金型と取り出しロボットの共働により行ってもよい。すなわち、図6のように前駆体5が射出成形された後に、金型全体を型開きして、金型の一方(例えば下型)に前駆体5が未だ残っている状態で、取り出しロボットを利用して中空管状部の管端部(11a,11b)を押さえつけ、金型と取り出しロボットによって中空管状部の管端部を把持するようにして、この状態で余剰部に力を加え、余剰部を分離するようにしてもよい。
上記製造方法によれば、品質に優れる管状樹脂成形体を効率的に製造できて、産業上の利用価値が高い。
1 管状樹脂成形体
11 中空管状部
11a,11b 管端部
15 ゲート痕
16 フランジ
2 フローティングコア
3 射出成形金型
31 キャビティ
32 加圧ポート
33 排出口
34 捨てキャビティ
35 ゲート
37 開閉手段
5 前駆体
51,52 余剰部
55,56 薄肉部

Claims (4)

  1. 中空管状部を有する管状樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成形を利用して製造する方法であって、
    前記射出成形は、
    一端に加圧流体を注入可能な加圧ポートを備えると共に他端に排出口を備えるキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティにより管状樹脂成形体の外面形状を規定し、
    溶融状態の熱可塑性樹脂を、前記キャビティ内に射出して充填し、
    加圧ポートから加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部を排出口から排出して中空管状部を形成しつつ、
    同時に中空管状部の管端部の少なくとも一方に隣接するように余剰部を形成し、中空管状部の管端部と余剰部の間にリング状の薄肉部を形成するものであって、
    前記射出成形の後、金型の型開き動作中に
    前記中空管状部の管端部を金型により把持した状態で、
    前記余剰部に力を加えて前記薄肉部を破断させて、前記余剰部を中空管状部から分離する
    管状樹脂成形体の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂の射出に先立って、フローティングコアを加圧ポートに備えさせ、
    加圧流体の圧入によりフローティングコアを排出口側に移動させ、フローティングコアの移動により中空管状部を形成する
    請求項1に記載の管状樹脂成形体の製造方法。
  3. 薄肉部を破断させる際に、刃物を使用しない
    請求項1または請求項2に記載の管状樹脂成形体の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂が強化繊維を含む
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の管状樹脂成形体の製造方法。
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