JP6749825B2 - 管状樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂で一体成形された管状樹脂成形体の製造方法に関する。特に射出成形を利用した管状樹脂成形体の製造方法に関する。
合成樹脂で一体成形された管状樹脂成形体は、各種配管や、コネクタ部材、管継手等の多彩な用途に使用されている。特に、管状樹脂成形体を、合成樹脂の射出成形を利用して一体成形すれば、管端部のシール構造や取付け部材等を一体に成形することもできて、便利である。
射出成形を利用して管状樹脂成形体を製造する技術は公知である。中空管状部が短い管状樹脂成形体であれば、管の内周面形状を規定するコア型を有する金型を用いて、管状樹脂成形体を射出成形できる。
また、近年では、キャビティ内に一旦射出された樹脂に対し、加圧した気体や液体を樹脂の中央部に導入して中央部の樹脂を排除して、中空管状部を形成する技術も実用化されている。こうした技術は、ガスアシスト射出成形技術(Gas−assisted Injection Technology:GIT法)やウォーターアシスト射出成形技術(Water−assisted Injection Technology:WIT法)などが知られている。例えば、特許文献1には、ウォーターアシスト射出成形技術により形成された管状樹脂成形体が開示されている。
また、射出成形時に加圧した気体や液体を導入して中空管状部を形成する技術として、いわゆるフローティングコアを利用する技術も知られている。例えば、特許文献2には、キャビティへの溶融樹脂の射出を行った後に、キャビティ内を通過しうる大きさのフローティングコアを、キャビティの加圧ポートから加圧流体によって押して、キャビティに注入された溶融樹脂中を前記排出口まで型キャビティに沿って進行させることにより、中空管状部を形成する射出成形技術が開示されている。当該製造方法によれば、中空部寸法が均一な複雑形状の中空製品を射出成形できることが開示されている。
特開2015−139879号公報 特開平04−208425号公報
これら管状樹脂成形体を、GIT法やWIT法、あるいは、フローティングコアを用いた成形法により形成すると、ゲートの切り離し部分が、品質上の問題を生ずることがある。すなわち、これら方法において樹脂をキャビティに射出するためのゲートを、中空管状部の外周に設けると、ゲートを切り離した際に、管状樹脂成形体のゲート切り離し部(いわゆるゲート痕)にくぼみが生じ、外観品質上の問題となることがある。また、このようなくぼみは、中空管状部が耐圧性の管体として用いられる場合などには、強度上の弱点となる場合もある。
特に、強化繊維を含む熱可塑性樹脂により管状樹脂成形体を成形する場合には、ゲートを切り離す部分に生ずるくぼみが大きくなる傾向があり、上記問題が顕在化しやすい。
本発明の目的は、ゲートの切り離し部に生じうるくぼみが、管状成形体の品質上、および強度上の弱点となることを抑制できるような、管状樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、管状成形体の中空管状部に特定の形態の突出部を設け、突出部の半径方向外側となる位置にゲートを設けると、上記課題が解決できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、中空管状部を有する管状樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成形を利用して製造する方法であって、前記射出成形は、一端に加圧流体を注入可能な加圧ポートを備えると共に他端に排出口を有するキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティにより管状樹脂成形体の外面形状を規定し、溶融状態の熱可塑性樹脂を、ゲートを通じて前記キャビティ内に射出して充填し、加圧ポートから加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部を排出口から排出して中空管状部を形成するものであり、前記管状樹脂成形体は、中空管状部に隣接して、管の半径方向外側に突出形成された突出部を有しており、かつ、前記突出部には肉盗み形状で凹部が設けられていて、突出部と中空管状部が接続する部分の断面形状が、コの字状、Hの字状、Cの字状、Uの字状、Lの字状、己の字状もしくはTの字状の断面とされており、金型において前記ゲートは、前記突出部を形成する部分キャビティの管の半径方向外側に設けられている、管状樹脂成形体の製造方法である(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、熱可塑性樹脂の射出に先立って、フローティングコアを加圧ポートに備えさせ、加圧流体の圧入によりフローティングコアを排出口側に移動させ、フローティングコアの移動により中空管状部を形成する(第2発明)。また、第1発明において、好ましくは、熱可塑性樹脂が強化繊維を含む(第3発明)。
本発明の管状樹脂成形体の製造方法(第1発明)によれば、ゲートの切り離しによりくぼみが発生しても、中空管状部の品質上や強度上の問題を生じにくい。また、突出部を設けることによりかえって中空管状部に品質上や強度上の問題が生じてしまうことも抑制できる。第2発明では、特に、中空管状部の内周面形状を安定して正確に成形することができるようになり、中空管状部の品質上や強度上の問題発生の抑制効果が高い。また、第3発明では、熱可塑性樹脂が強化繊維を含む場合であっても、中空管状部の品質上や強度上の問題発生を抑制できる。
本発明の製造方法により製造される管状樹脂成形体の形状を示す一部断面図である。 本発明の製造方法により製造される管状樹脂成形体の突出部の形状を示す斜視図 管状樹脂成形体の突出部の接続部付近の断面形状を示す図である。 管状樹脂成形体の突出部の接続部付近の断面形状の他の例を示す図である。 本発明の製造方法に使用される射出成形金型の構成を示す模式図である。 本発明の製造方法の工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の過程において、金型から取り出された樹脂成形体の形状を示す断面図である。
以下図面を参照しながら、液体の移送用配管に使用される管状樹脂成形体を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1は、後述する製造方法により製造される管状樹脂成形体1の形状を示す図であり、図中では、管の中心線に対し下側及び左側となる部分を断面で示し、他の部分を外観で示している。管状樹脂成形体1は、中空管となるように成形された中空管状部11を有する。中空管状部11は、直管状であってもよいし、曲がり管状であってもよい。後述する製造方法によれば、曲がり管状、特に通常のコア型の脱型が難しいような曲がり管形状であっても、中空管状部11が形成できる。
管状樹脂成形体1は、中空管状部11に隣接して、中空管状部11の外周から管の半径方向外側に突出形成された形状の突出部12を有している。本実施形態においては、突出部12の全体の形状は、管の中心線に沿う方向に長い直方体状の形状とされているが、これに限定されず、三角柱状や円柱状、角錐状、かまぼこ状など、他の突出形状であってもよい。
突出部12には肉盗み形状で凹部13が設けられている。すなわち、突出部12は全体形状が例えば直方体状とされたものに凹部13が生ずるよう、肉盗みされた形状とされて、中空管状部の外周に一体成形されている。そして、突出部12と中空管状部11が接続する部分の断面形状(図1のX−X断面における断面形状)が、図3に示すように、コの字状の断面となっている。当該接続部の断面における突出部の肉厚t、即ち、接続部の断面における線の幅寸法t(図3においてtで示す寸法)が、突出部が形成されるべき位置の中空管状部11の肉厚Tに対し、t<Tとなるようにされることが好ましい。
突出部12と中空管状部11が接続する部分の断面形状は、上記実施形態に示したようなコの字状に限定されるわけではなく、図4に示されるように、その他にも、例えば、Hの字状(a)、Cの字状(b)、Uの字状(c)、Lの字状(d)、己の字状もしくはTの字状(e),(f)といった断面とすることができる。
突出部12には、ゲート痕15が存在する。ゲート痕15は、突出部12において管の半径方向外側となる位置に設けられている。
管状樹脂成形体1は、中空管状部11と突出部12の他の部分を備えていてもよい。例えば、管状樹脂成形体1は、中空管状部11の端部付近に、フランジ16を備えて、管の取り付け性やシール性を高めることができる。同様に、中空管状部11の端部付近に、シール溝や、突条等を設けてもよい。また、管状樹脂成形体1には、取付や接続のためのステーや固定部、ボスなどを一体成形してもよい。また、管状樹脂成形体1には、中空管状部から分岐する分岐管が設けられていてもよい。
管状樹脂成形体1を構成する樹脂材料は、射出成形が可能な種々の熱可塑性樹脂が使用できる。熱可塑性樹脂としては、典型的には、オレフィン系樹脂などの汎用樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂などのエンジニアリングプラスチックの他、ポリフェニルサルファイド樹脂やポリエーテルエーテルケトン樹脂などのスーパーエンジニアリングプラスチックが使用できる。熱可塑性樹脂には、各種補強材(タルクなど)や、強化繊維が配合されていてもよい。強化繊維としては、ガラス繊維やアラミド繊維、炭素繊維などが例示される。熱可塑性樹脂には、各種充填材や添加剤、着色剤などを配合してもよい。
管状樹脂成形体1は、例えば、自動車の自動変速機の油圧配管や、冷却機構の水冷配管等の構成部材として使用できる。なお、管状樹脂成形体1の用途は、これに限定されず、気体や流体の移送や圧力伝達に使用される管体として使用できるほか、紛体や粒体の移送に使用される管体としても使用できる。
以下、上記管状樹脂成形体1の製造方法について説明する。まず射出成形を利用して、樹脂成形体5(図9)を一体成形し、樹脂成形体5から不必要な部分を切除して、管状樹脂成形体1が得られる。図9に樹脂成形体5の形状を断面図で示す。この例では、図9のA−A及びB−Bで示した位置で中空管状部の両端を切断し、ゲート及びランナーを切除することにより、図1のような管状樹脂成形体1が得られる。
樹脂成形体5を射出成形する工程について説明する。樹脂成形体5の射出成形に用いられる金型は、ゲートとキャビティを有しており、ゲートを通じてキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂が射出される。また、キャビティに樹脂が充填されると、キャビティ31により樹脂成形体5(すなわち管状樹脂成形体1)の外面形状が規定される。キャビティは中空管状部を形成する部分の一端側に加圧流体を注入可能な加圧ポートを備えている。さらに、キャビティは他端側に排出口を有している。
射出成形工程では、ゲートを通じてキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して充填する。樹脂の充填後、キャビティ内の樹脂が固まりきらない間に、加圧ポートから加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部、特に中空管状部を形成するキャビティの部分の中心部の樹脂を排出口から排出して、中空管状部を形成する。中空管状部が形成された後に、さらに冷却を行い、樹脂成形体5の形状が固定された後に、樹脂成形体5を金型から取り出す。
この様な加圧流体を用いる中空管状部の射出成形には、前述したGIT法やWIT法、あるいは、フローティングコアを用いた成形法が利用できる。以下、図5ないし図8を参照しながら、フローティングコアを用いた成形法を例として、この射出成形工程について詳しく説明するが、発明はフローティングコアを用いた成形法に限定されない。
図5は射出成形工程に用いられる金型の断面模式図である。成形品の取り出しが可能なように、金型3は、紙面と垂直な方向に開閉動作が可能に構成されている。金型3には、キャビティ31とゲート35が設けられている。ランナー36からゲート35を通じてキャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して充填することによって、キャビティ31の内周面形状が転写されて、樹脂成形体5の外面形状が規定される。
キャビティ31は、管状樹脂成形体1の突出部12に対応する部分キャビティ311を含んでおり、部分キャビティ311の内周面形状が突出部12の形状や凹部13の形状を規定する。そして、ゲート35は、部分キャビティ311の管の半径方向外側位置に設けられている。
キャビティ31のうち、中空管状部11に対応する部分の一端には、加圧ポート32が設けられている。加圧ポート32は、加圧流体を圧入・排出するための加圧流体系(図示せず)に接続されている。また、加圧ポートがキャビティに連絡する部分には、フローティングコアを仮に支持する部分が設けられ、樹脂の射出に先立って、この部分にフローティングコア2が配置される。
フローティングコア2は、金属製であってもよく、樹脂製であってもよい。樹脂製の場合は、射出成形に供される熱可塑性樹脂と同種の樹脂であってもよいし、異なる種類の樹脂であってもよい。フローティングコア2の形状は、図示した球形の他、円筒状、円錐形状、砲弾型などの形状など、形成されるべき内周面の断面形状を有する形状である。
キャビティ31のうち、中空管状部11に対応する部分の他端には、排出口33が設けられている。排出口33には捨てキャビティ34が接続されている。排出口33と捨てキャビティ34の間には開閉動作が可能な開閉手段37が設けられている。
図6ないし図8は射出成形工程の各段階を示す図である。
まず、フローティングコア2を加圧ポート32側に配置した状態で金型3を型閉じする。この時、開閉手段37を閉じておく。図6に示すように、ランナー36、ゲート35を通じて、キャビティ31に溶融状態の樹脂を射出し、充填する。この時、ゲート35から射出された樹脂は、突出部12を形成する部分キャビティ311を経由してキャビティ31を充填することになる。なお、この段階における樹脂の充填は、金型のキャビティ31に対し完全に樹脂を充填する必要はない。後述する加圧流体の圧入によりキャビティ31への樹脂の充填が完全なものとなるのであれば、この段階における樹脂の充填は、キャビティ31の一部に樹脂が行き渡らないような不完全な充填であってもよい。
ゲート35からの樹脂の射出が終了した後、引き続き、排出口33に設けられた開閉手段37を開放すると共に、加圧ポート32から加圧流体をキャビティ31内に圧入する。加圧流体は、窒素ガスや炭酸ガス、空気などの気体であってもよく、グリセリンや流動パラフィン、水などの液体であってもよい。加圧流体は、射出された樹脂と反応または相溶しない流体であることが好ましく、例えば窒素ガスのような不活性ガスが特に好ましい。加圧流体の圧入は公知の加圧流体系により行えばよい。
加圧流体が圧入されると、図7に示すように、フローティングコア2は加圧流体に押されてキャビティ内の樹脂中を移動していく。この時、フローティングコア2は、冷却固化が始まったキャビティ31の外周寄りの樹脂を残し、冷却が遅れる中心部の溶融樹脂を排出口33から捨てキャビティ34へ押し出しながら、排出口33側へと前進する。そして、フローティングコア2が通過した後には、フローティングコア2の径にほぼ等しい内径を有する中空管状部11が形成されることになる。また、中空管状部11となる部分の樹脂は、圧入された加圧流体の圧力により、金型のキャビティ内周面に押し付けられて、管の形状が維持された状態で冷却されていく。
更に加圧流体の圧入を進めると、図8に示されるように、フローティングコア2が排出口33の位置まで至り、中空管状部11の全体が形成される。この状態で形成された中空管状部11の内部に加圧流体圧を加えたまま保持することで、樹脂とキャビティ31の周壁面とを十分に圧接させることができ、成形体の外面形状が正確に形成され、好ましい。
本実施形態では、フローティングコア2が排出口33の手前側で停止するように構成しているが、排出口の径を大きくして、フローティングコア2が排出口33を超えて捨てキャビティ34まで到達するようにしてもよい。
図8に示す状態で、金型3のキャビティ内の樹脂が十分に固化した頃合いを見計らって、加圧流体の加圧を解除し、その後、金型3を型開きして、成形された樹脂成形体5を取り出す。
取り出した樹脂成形体5に対し、必要に応じて、図9のA−AやB−Bに示すように、図1の管状樹脂成形体1に不必要な部分を切除する。また、ゲートやランナーの部分を樹脂成形体5から切り離す。これにより、管状樹脂成形体1が得られる。なお、樹脂成形体5から管状樹脂成形体1を得る際に、必要に応じ、切削加工による穴あけや、他の部材の組みつけなどを行ってもよい。
以下、上記管状樹脂成形体1および上記製造方法の作用と効果を説明する。
上記製造方法により製造される管状樹脂成形体1では、突出部12を形成する部分キャビティ311の管の半径方向外側に、ゲート35が接続されているため、樹脂成形体5を成形した後にゲートやランナーの部分を切除しても、当該切除部分に残るゲート痕15が、中空管状部11とは離間した位置に生じる。そのため、ゲートの切り離しにより、ゲート痕15の部分に欠陥やくぼみが生じようとも、中空管状部11の品質上や強度上の問題を生じにくい。
射出成形に供される熱可塑性樹脂が強化繊維を含む場合には、ゲートの切り離しによりゲート痕15に生ずる欠陥やくぼみがより大きなものとなることが多いが、この場合でも、上記製造方法により製造される管状樹脂成形体1では、中空管状部11から離間して突出部12の半径方向外側にゲート痕15が生じるため、中空管状部11の品質上や強度上の問題を生じにくい。
中空管状部11の品質上や強度上の問題を、より確実に抑制するという観点からは、中空管状部11の外周面から、ゲートが接続される箇所までの距離、即ち、突出部12の突出量が、ゲートの厚み寸法の1倍以上、より好ましくは2倍以上となるようにすることが好ましい。
また、以下に説明するように、上記製造方法により管状樹脂成形体1を製造するうえで、前記突出部には肉盗み形状で凹部が設けられていて、突出部と中空管状部が接続する部分の断面形状が、コの字状、Hの字状、Cの字状、Uの字状、Lの字状、己の字状もしくはTの字状の断面とされていることは、ゲートを突出部に設けることによりかえって生じがちな中空管状部11の品質上や強度上の問題を抑制することに貢献している。
検討を行う中で、加圧流体を利用した中空管体の射出成形において、肉盗み形状の凹部を持たない突出部の外周側にゲートを設けると、中空管状部からゲート痕を遠ざけたにも関わらず、かえって、管状部の耐圧強度が低下したり、射出成形工程が失敗し成形不良となったりといった、品質上や強度上の問題が生じうることを、発明者らは発見した。
上記製造方法は、樹脂の射出後に、加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部を排出口から排出して中空管状部を形成する工程を有する。この加圧流体による樹脂排出工程においては、管の内周面形状は、金型で明確に規定されるものではなく、樹脂の冷却や固化が遅れた部分が排出されることで形成されるため、管の内周面がどの位置にどのような形状で形成されるかの自由度が高く、均一な断面を有する中空管状部を形成するのが難しいという課題がある。
そのため、肉盗み形状の凹部を持たない突出部を設け、そこにゲートを設けてしまうと、突出部付近の温度が高いため、突出部を設けた部分で、中空管状部となるべき部分の冷却が遅れ、中空管状部となるべき部分における周方向や軸方向の温度分布の均一性が損なわれてしまうのではないかと、発明者らは推測した。その結果、中空管状部が偏肉するなどして、管壁が薄い部分が生じ耐圧性の低下に至ったり、樹脂温度の高い部分が偏在することによって、加圧流体の圧入段階で成形不良が生じたりして、品質上や強度上の問題となるのではないかと、発明者らは推測した。
本発明に係る管状樹脂成形体1においては、射出成形時にゲートが設けられる突出部12(部分キャビティ311)が、突出部には肉盗み形状で凹部が設けられていて、突出部と中空管状部が接続する部分の断面形状が、コの字状、Hの字状、Cの字状、Uの字状、Lの字状、己の字状もしくはTの字状の断面とされており、これにより、突出部12と中空管状部11とが接続する箇所が細長い線状の断面で接続されると共に、突出部12(部分キャビティ311)の容量も小さくなる。そのため、突出部12(部分キャビティ311)に存在する樹脂が、中空管状部となるべき樹脂の冷却を妨げにくくなって、品質上や強度上の問題が生じにくくなる。
この観点から、突出部12と中空管状部11が接続する部分の断面形状における断面の線の幅寸法t(図3および図4においてtで示された寸法)は、突出部が形成されるべき位置の中空管状部11の肉厚Tに対し、t<Tとなるようにされることが好ましい。断面の幅寸法tが中空管状部の肉厚Tよりも小さくされることにより、中空管状部11を形成するキャビティの部分における樹脂の冷却が、突出部12を形成する樹脂の影響を受けにくくなるからである。なお、上記幅寸法tは、断面全体にわたって一定の幅である必要はなく、断面中の部位によって異なる幅寸法とされていてもよい。
また、特に、熱可塑性樹脂の射出に先立って、フローティングコアを加圧ポートに備えさせ、加圧流体の圧入によりフローティングコアを排出口側に移動させ、フローティングコアの移動により中空管状部を形成するという、フローティングコアを併用した加圧流体の圧入により中空管状部の成形を行う場合、GIT法やWIT法に比べ、中空管状部が薄肉に形成しやすく、上記製造方法を採ることにより、特に、中空管状部の内周面形状を安定して正確に成形することができるようになるとともに、中空管状部の品質上や強度上の問題発生の抑制効果が高い。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態や変形例について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態の詳細な説明では、フローティングコアを併用した加圧流体の圧入による中空管状部の成形法について、詳しく説明したが、フローティングコアを用いない他の方法、例えば、GIT法やWIT法においても、同様に、突出部12によってゲート痕15を中空管状部11がら離間して形成し、かつ、凹所13を有する突出部12を特定の断面形状(例えばコの字状)で中空管状部11に接続するようにすることで、中空管状部の樹脂の冷却が不均一になることが抑制されて、管状樹脂成形体1における中空管状部11の品質上や強度上の問題の発生の抑制が抑制できる。
また、上記実施形態における管状樹脂成形体1では、中空管状部は分岐管を有しない例について説明したが、中空管状部に分岐管が設けられていてもよい。このような分岐管の成形は、加圧流体の圧入を利用して、主管となる中空管状部と同時に形成してもよい。あるいは、主管となる中空管状部の形成は加圧流体の圧入を利用して行い、分岐管部分はドリル等の切削加工により穴あけして形成する等、他の方法によって分岐管部分を形成してもよい。また、上記実施形態の説明では、中空管状部11が円筒状に形成される例について説明したが、中空管状部11は他の形状、例えば角筒状に形成されてもよい。角筒状の中空管状部を形成するのであれば、フローティングコアとして例えば方形状の断面形状を有するものを用いればよい。
また、上記実施形態の説明では、排出口33と開閉機構37と捨てキャビティ34が順次並んだ形態の金型の例を示したが、排出口や捨てキャビティの具体的形状は特に限定されず、例えば、両者が樹脂の流れ方向と垂直な断面で同じ断面形状を有するような形態であってもよい。また、開閉機構37は一連の射出工程や加圧流体の圧入工程が実行可能であれば、省略することもできる。
上記製造方法によれば、品質に優れる管状樹脂成形体を効率的に製造できて、産業上の利用価値が高い。
1 管状樹脂成形体
11 中空管状部
12 突出部
13 凹所
15 ゲート痕
16 フランジ
2 フローティングコア
3 射出成形金型
31 キャビティ
311 部分キャビティ
32 加圧ポート
33 排出口
34 捨てキャビティ
35 ゲート
36 ランナー
37 開閉手段
5 樹脂成形体

Claims (3)

  1. 中空管状部を有する管状樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成形を利用して製造する方法であって、
    前記射出成形は、
    一端に加圧流体を注入可能な加圧ポートを備えると共に他端に排出口を有するキャビティを有する金型を準備し、前記キャビティにより管状樹脂成形体の外面形状を規定し、
    溶融状態の熱可塑性樹脂を、ゲートを通じて前記キャビティ内に射出して充填し、
    加圧ポートから加圧流体をキャビティ内に圧入して、キャビティ内の樹脂の一部を排出口から排出して中空管状部を形成するものであり、
    前記管状樹脂成形体は、
    中空管状部に隣接して、管の半径方向外側に突出形成された突出部を有しており、かつ、前記突出部には肉盗み形状で凹部が設けられていて、突出部と中空管状部が接続する部分の断面形状が、コの字状、Hの字状、Cの字状、Uの字状、Lの字状、己の字状もしくはTの字状の断面とされており、
    金型において前記ゲートは、前記突出部を形成する部分キャビティの管の半径方向外側に設けられている、
    管状樹脂成形体の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂の射出に先立って、フローティングコアを加圧ポートに備えさせ、
    加圧流体の圧入によりフローティングコアを排出口側に移動させ、フローティングコアの移動により中空管状部を形成する
    請求項1に記載の管状樹脂成形体の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂が強化繊維を含む
    請求項1に記載の管状樹脂成形体の製造方法。
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