JP2021088123A - 中空体の製造方法 - Google Patents

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英二 奥村
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Abstract

【課題】異形部を有する中空体を安定して製造できる、フローティングコア方式による中空体の製造方法を提供すること。【解決手段】連断面形状が変化する異形部を有するキャビティの内部に、軟化または溶融した樹脂を導入する工程と、前記導入された樹脂の内部に、樹脂製のコアを通過させる工程と、を有する、中空体の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、中空体の製造方法に関する。
パイプなどの中空体を製造する方法として、キャビティに導入した溶融樹脂の内部に高圧のガスを注入して内部の樹脂を押し出すガスアシスト方式、高圧のガスの代わりに高圧の水を注入するウォーターアシスト方式、および、上記溶融樹脂の内部に可動式のコアを通過させて内部の樹脂を押し出すフローティングコア方式などの成形方法が知られている。
これらのうち、フローティングコア方式には、コアの大きさにより中空部の径や中空体の肉厚を制御できたり、中空体の内面をより平滑にできたり、一方の端部から他方の端部にかけて中空部の径をより均等にできたりするという利点がある。しかし、フローティングコア方式では、中空部の断面形状が異なる異形部を有する中空体を成形することができないことが広く知られている(特許文献1など)。
これに対し、特許文献2には、耐熱温度が350℃以上であり、かつ、成形される中空体の材料よりも弾性圧縮剛性が低い材料からなるコアを用いると、上記コアが異形部の形状にあわせて変形して異形部を通過するため、異形部を有する中空体をフローティングコア方式でも成形できると記載されている。特許文献2では、上記コアの材料の具体例として、耐熱シリコーンが記載されている。
特開2016−112813号公報 特開2012−224083号公報
特許文献1および特許文献2に記載されているように、フローティングコア方式では、異形部を有する中空体を作製することはできないか、あるいは柔らかい(弾性圧縮剛性が低い)耐熱シリコーン製のコアを使用する必要があると、従来は考えられていた。
しかし、本発明者らの検討によると、シリコーン製のコアを使用して異形部を有する中空体を作製しようとすると、キャビティ中をコアが通過できないことがあり、中空体を安定して成形できないという問題があった。
本開示の目的は、異形部を有する中空体を安定して製造できる、フローティングコア方式による中空体の製造方法を提供することにある。
一態様に係る中空体の成形方法は、断面形状が変化する異形部を有するキャビティの内部に、軟化または溶融した樹脂を導入する工程と、前記導入された樹脂の内部に、樹脂製のコアを通過させる工程と、を有する。
本開示によれば、異形部を有する中空体を安定して製造できる、フローティングコア方式による中空体の製造方法が提供される。
図1は、本開示の一実施形態に関する中空体の製造方法の、例示的な工程を示すフローチャートである。 図2は、本開示の一実施形態で使用する成形装置の構成を示す模式図である。 図3Aは、本開示の一実施形態における相似形部の断面形状を示す、図2に示す成形装置の一点鎖線3A−3Aにおける部分断面図であり、図3Bは、本開示の一実施形態における異形部の断面形状を示す、図2に示す成形装置の一点鎖線3B−3Bにおける部分断面図であり、図3Cは、本実施形態における別の異形部の断面形状を示す、図2に示す成形装置の一点鎖線3C−3Cにおける部分断面図である。 図4Aは、樹脂の内部に、主キャビティの径よりも小さい径を有するコアを通過させる様子を示す模式図であり、図4Bは、従来考えられていた、コアの通過後にはコアの径とほぼ等しい径の中空部が形成される様子を示す模式図であり、図4Cは、本開示の一実施形態において、コアの通過後に、コアの径とは異なる径の中空部が形成される様子を示す模式図である。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本発明はこれらの実施形態により限定されるものではない。
[中空体の製造方法]
図1は、第一の実施形態に関する中空体の製造方法の、例示的な工程を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態に関する方法は、キャビティの内部に樹脂を導入する工程(工程S110)と、上記導入された樹脂の内部にコアを通過させる工程(工程S120)と、樹脂を固化させる工程(工程S130)と、を有する。
(樹脂を導入する工程(工程S110))
本工程では、溶融した樹脂をキャビティの内部に導入する。
図2は、本実施形態で使用する成形装置の構成を示す模式図である。成形装置100は、主キャビティ110、コア120、加圧ポート130、および副キャビティ140を有する。
主キャビティ110は、中空体の成形が行われる型であり、成形すべき中空体の外形に沿った形状を有し、かつ一方の端部から他方の端部に向けてコア120が通過できる形状を有する管状の空洞である。主キャビティ110は、成形される中空体の用途に応じて、持ち手、微細な凹凸、およびフランジ部などを成形される中空体の外表面に形成できる形状であってもよい。また、主キャビティ110は、成形される中空体の用途に応じて、直線状の中空部を有する直線部のほか、湾曲部や折れ曲がり部などを成形される中空体に形成できる形状であってもよい。本実施形態において、主キャビティ110は、断面形状(以下、単に「断面形状」というときは、主キャビティ110または成形される中空体の、コア120が移動(通過)する方向を示す仮想直線と垂直に交わる平面における断面形状を意味する。)が異なる(たとえば、形、断面積および長径または短径の長さなどが異なる)異形部を有する。
本実施形態では、主キャビティ110は、断面形状がコア120の断面形状に相似かつ一定である相似形部112と、相似形部112に対して断面形状が変化している異形部114と、を有する。主キャビティ110は、異形部114として、相似形部112に対して長径の長さが長くなっている異形部114aと、相似形部112に対して短径の長さが短くなっている異形部114bと、を有する。図2に示すように、本実施形態において、主キャビティ110は、コア120が通過する方向に向けて、断面形状が略円形の相似形部112a、断面形状が略楕円形の異形部114a、断面形状が略円形の相似形部112b、断面形状が略楕円形の異形部114b、および断面形状が略円形の相似形部112c、がこの順に連続して配置されている。
図3Aは、本実施形態における相似形部112aの断面形状を示す、図2に示す成形装置の一点鎖線3A−3Aにおける部分断面図であり、図3Bは、本実施形態における異形部114aの断面形状を示す、図2に示す成形装置の一点鎖線3B−3Bにおける部分断面図であり、図3Cは、本実施形態における別の異形部114bの断面形状を示す、図2に示す成形装置の一点鎖線3C−3Cにおける部分断面図である。なお、相似形部112bおよび相似形部112cの断面形状は、相似形部112aと略同一である。
コア120は、主キャビティ110の内径(相似形部112の内径)よりも小さく、かつ異形部140bの短径よりも小さい外径を有する移動体である。本実施形態において、コア120の断面形状は、略円形である。また、本実施形態において、コア120の材料は、主キャビティ110の内部を通過する際に熱で変形しない程度の耐熱性を有する樹脂である。なお、本開示における、コア120の材料である樹脂とは、炭素−炭素結合を主骨格とする高分子を意味し、公知の熱硬化性樹脂(ただし、シリコーンは除く)および熱可塑性樹脂を含むものである。
加圧ポート130は、主キャビティ110の一方の端部に配置されており、上記一方の端部から、主キャビティ110の内部に加圧流体を導入する。また、加圧ポート130は、コア120を着脱可能に保持する。加圧ポート130は、本工程で樹脂を主キャビティ110の内部に導入するときには、コア120を固定して保持し、主キャビティ110の内部に溶融した樹脂を導入した後に、コア120を解放し、主キャビティ110の内部に加圧流体を導入して、導入された樹脂の内部にコア120を通過させる。
上記加圧流体は、コア120を通過させる際の温度および圧力下において導入された樹脂と反応しない気体または液体であればよい。上記気体の例には、窒素ガスおよびアルゴンなどを含む不活性ガス、炭酸ガス、ならびに空気などが含まれる。上記液体の例には、水、グリセリンおよびパラフィンなどが含まれる。
副キャビティ140は、主キャビティ110の他方の端部に配置されており、かつ主キャビティ110の上記他方の端部と連通している。副キャビティ140は、導入された樹脂の内部をコア120が通過する際にコア120によって押し出された樹脂が流入する空洞である。
本工程では、加圧ポート130にコア120が保持された状態で、主キャビティ110の内部に軟化または溶融された樹脂を導入する。
上記樹脂の導入は、公知の射出成型または押出成形と同様に行うことができる。
上記樹脂は、射出成型または押出成形が可能な熱可塑性樹脂から、成形すべき中空体の用途などに応じて任意に選択することができる。上記樹脂の例には、ポリプロピレン(PP)などを含むポリオレフィン、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、およびポリカーボネート(PC)などを含むエンジニアリングプラスチック、ならびに、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリイミド(PI)などを含むスーパーエンジニアリングプラスチックなどが含まれる。これらの樹脂には、強化繊維および着色剤などの添加剤が配合されていてもよい。
(コアを通過させる工程(工程S120))
本工程では、主キャビティ110に導入され、冷却により所定の柔軟性を有する程度の粘度になっている上記樹脂の内部にコアを通過させる。
具体的には、本工程では、加圧ポート130にコア120を開放させ、かつ、加圧ポート130から主キャビティ110の内部に加圧流体を導入する。上記加圧流体の導入により、コア120は、加圧ポート130側から副キャビティ140側へと、主キャビティ110に導入された樹脂の内部を移動する。このとき、コア120は、上記導入された樹脂を押し出して副キャビティ140に流入させながら移動することにより、コア120が通過した後に、成形される中空体が有すべき中空部を形成する。
このとき導入される加圧流体の圧力は、樹脂の内部にコア120をより通過させやすくする観点からは、5MPa以上であることが好ましい。一方で、前述したように、本実施形態では、主キャビティ110に導入した樹脂の固化率が低い(より粘度が低い)状態で、上記樹脂の内部にコア120を通過させることがある。このとき、上記加圧流体の圧力が高すぎると、加圧流体がコア120を追い越してしまい、コア120の前後での圧力差が低くなって(あるいは無くなって)しまい、コア120が樹脂の内部で停止してしまうことがある。上記樹脂の内部でのコア120の停止を抑制する観点からは、上記導入される加圧流体の圧力は、25MPa以下であることが好ましい。これらの観点からは、上記加圧流体の圧力は、5MPa以上20MPa以下であることがより好ましく、10MPa以上20MPa以下であることがさらに好ましい。
本実施形態では、樹脂から成形されたコア120に、導入された樹脂の内部を通過させる。
本発明者らの知見によると、異形部114を有する主キャビティ110に導入された樹脂の内部にコア120を通過させるとき、樹脂から成形されたコア120を用いると、中空体をより安定して成形することができる。
この理由は定かではないものの、主キャビティ110の内部に導入された樹脂は、主キャビティ110の表面側から冷却されていくことが関係していると、本発明者らは考えている。上記樹脂の温度分布は、主キャビティ110の内部側ほど温度がより高く、主キャビティ110の外部側ほど温度がより低くなるような分布となっている。そして、上記冷却に伴い、主キャビティ110の内部に導入された樹脂は、主キャビティ110の断面形状に沿って外側から内側へと固化していく。そのため、上記樹脂の粘度分布では、略同一の粘度となっている領域が、主キャビティ110の断面形状に略相似な形状に広がっており、かつ、主キャビティ110の外部側ほど粘度がより高く、主キャビティ110の内部側ほど粘度がより低くなるような分布となっている。そして、上記粘度分布は、相似形部112と異形部114との間で変化する。
ここで、シリコーンにより成形されたコアは、通常は所定の膜厚の中空体であり(特許文献2参照)、主キャビティ110を通過するときには、シリコーン膜を介して加圧流体が導入された樹脂を押すようにして、コアが通過していく。そのため、周囲の粘度が変化する異形部を通過するときには、粘度の低い樹脂に接しているシリコーン膜が、加圧流体に押されて変形しやすい。上記変形によりシリコーンの耐久性が低下すると、主キャビティ110を通過する間にコアが破損しやすい。上記コアの変形または破損は、コアの前後での圧力差を低くして(あるいは無くして)しまい、コアを樹脂の内部で停止させてしまうことがある。上記コアの停止は、主キャビティ110に導入した樹脂の粘度がより高い状態で上記樹脂の内部にコアを通過させるときや、コア120の長径がより大きいとき(たとえば、コア120の長径が相似形部112の長径に対して70%以上の大きさであるとき)などに、顕著である。
これに対し、樹脂により成形されたコア120は、通常、先端部は中実体であり、かつより硬質な材料からなるため、上述したシリコーンにより成型されたコアとは異なり、周囲の粘度が変化する異形部を通過するときにも原則的に変形しにくく、異形部の通過による上記コアの変形または破損が生じにくい。そのため、コア120の材料が樹脂であると、異形部を有する中空体を安定して成形しやすいものと考えられる。
また、樹脂は、質量が小さいためより低い圧力でもキャビティの内部を通過させることができ、かつ伝熱性が低いため通過時に成形される樹脂を急速に冷却させにくく、成形される中空体の断面形状をより安定させやすいと考えられる。
図4は、主キャビティ110の内部に導入された樹脂210の内部を、コア120が通過するときの様子を示す模式図である。本工程では、図4Aに示すように、樹脂210の内部に、主キャビティ110の径よりも小さい径を有するコア120を通過させる。なお、従来は、コア120が主キャビティ110を通過した後、図4Bに示すように、コア120の前方にある樹脂のみがコア120の移動により押し出されて、コア120の通過後にはコア120の断面形状とほぼ等しい断面形状の中空部220が形成されると考えられていた。しかし、本発明者らの知見によると、コア120が異形部114を通過した後には、図4Cに示すように、コア120の断面形状とは異なる、主キャビティ110の断面形状に応じた形状の中空部230が形成される。
これは、導入した樹脂の内部をコア120が通過するとき、コア120との接触により冷却されて増粘した樹脂215が、コア120の前面の周囲にコア120の断面形状よりもやや広がった形状で付着しているためだと、本発明者らは考えている。上記増粘した樹脂215は、主キャビティ中の樹脂の粘度分布に応じた形状に変形しながらコア120とともに移動し、その前方にある所定の粘度の樹脂を押し出す。これにより、コア120の断面形状とは異なる断面形状の中空部230が形成されるものと考えられる。
このとき、樹脂から形成されたコア120は、導入された樹脂に対して粘着しやすいため、増粘した樹脂215がコア120の前面により付着しやすい。そのため、樹脂から形成されたコア120を用いると、コア120が通過するときの樹脂の粘度分布に応じた形状の中空部が形成されやすい。そのため、樹脂から形成されたコア120を使用すると、異形部114の形状に沿った形状の中空部を形成しやすいと考えられる。
また、主キャビティ110へ導入された樹脂は、主キャビティ110への導入口から遠ざかるほど冷却により粘度が高くなる。そのため、導入された樹脂の内部にシリコーンから成形されたコア120を通過させるとき、主キャビティ110への樹脂の導入口からより遠い領域では通過するコア120がより小さくなり、主キャビティ110への導入口により近い領域では通過するコア120がより大きくなっている。そのため、シリコーン製のコアを用いると、主キャビティ110への樹脂の導入口からの距離に応じて、形成される中空部の断面積も変わりやすい。これに対し、樹脂から成形されたコア120を用いると、上記変形の影響がより少ないため、中空部の断面積の変化もより少なくなると考えられる。
このとき、成形される樹脂と同じ樹脂材料からコア120を形成すると、成形後に、コア120の通過により押し出された樹脂とコア120とを分離せずにその後の処理(溶融および固化による再利用など)ができるため好ましい。なお、上記同じ材料からコア120を形成するとは、成形される樹脂とコアの材料とが、同種の樹脂を含むことを意味する。
なお、コア120が通過するときの樹脂の粘度分布は、主キャビティ110に導入する樹脂の加熱温度、主キャビティ110の大きさ、導入する樹脂の種類や上記樹脂に配合した添加剤の種類および量、主キャビティ110の周囲の型の温度、および、主キャビティ110の内部に樹脂を導入してからコア120を通過させるまでの経過時間(遅延時間)などによっても変化する。これらを適切に調整することで、所望の断面積の中空部を形成することができる。
上記粘度分布は、樹脂の固化率から推測することもできる。
上記固化率は、主キャビティ110の内部に導入された樹脂がどの程度まで固化したかを示す値である。上記固化率は、主キャビティ110中に導入された樹脂の温度分布が経時的に変化する様子を、樹脂の流動解析が可能なcomputer aided engineering(CAE)ソフトで解析し、主キャビティ110の断面積に対応する粘度分布から、上記導入された樹脂の結晶化温度以下の温度となっている領域の割合を計算する方法などによって算出することができる。
上記固化率は、導入された加圧流体がコア120を追い抜くことによる主キャビティ110中でのコア120の停止を生じにくくさせる観点からは、10%以上であることが好ましく、形成される中空部の径の大きさを通過させるコア120の径に対してより大きくさせる観点からは、60%以下であることが好ましい。上記観点からは、上記固化率は、15%以上50%以下であることがより好ましく、15%以上45%以下であることがさらに好ましい。
なお、上記固化率が低いほど、形成される中空体の肉厚をより小さくすることができ、上記固化率が高いほど、形成される中空体の肉厚をより大きくすることができる。たとえば、中空体の内外での遮熱が求められるような用途に当該中空体を使用するときなどは、求められる遮熱性に応じた肉厚の中空体が形成されるように、コア120を通過させるときの樹脂の固化率を調整することもできる。
(樹脂を完全固化させる工程(工程S130))
本工程では、コアを通過させて中空部が形成された樹脂を、完全固化させる。完全固化とは、樹脂が常温程度にまで冷却されて所定の硬度を有するようになり、外部からの応力を付与されても容易に変形しない状態になることを意味する。本工程において、上記樹脂は、自然冷却により完全固化させてもよいし、不図示の冷却管などにより冷却させて完全固化させてもよい。
樹脂を完全固化させた後、成形装置から中空体を取り出して、所望の用途に使用することができる。
上記中空体の用途の例には、工場および家屋などの建築物、自動車などの車両、ならびに、燃焼装置、医療機器および産業機器などの各種機器における管状部材などが含まれる。上記中空体は、ガスおよび液体などを移動させるための配管および管継手などに好適に使用することができる。
このようにして成形された中空体は、たとえば楕円形状の異形部を有することで、中空部の断面積を変更せずに、より狭い空間に配置させることが可能となる。そのため、このようにして成形された中空体は、中空体の配置をより柔軟に変更させることができ、省スペース化などに貢献できる。
以下、実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例の記載に限定されない。
[試験1]
主キャビティと、コアと、加圧ポートと、副キャビティと、主キャビティの内部に導入された樹脂を冷却するための冷却管と、を有する成形装置を用いて、複数の直線部、複数の湾曲部および複数の折れ曲がり部を有する中空体を作製した。主キャビティは、直径20mmの円形の断面を有する空洞である第1相似形部、直径25mmの円形の断面を有する空洞である第1異形部、直径20mmの円形の断面を有する空洞である第2相似形部、対角長が20mmの正方形の断面を有する第2異形部、および直径20mmの円形の断面を有する空洞である第3相似形部、がこの順に連続して配置された形状を有していた。3つの相似形部には、いずれも折れ曲がり部が形成されていた。主キャビティには、副キャビティ側の端部(加圧ポートとは反対側の端部)に、樹脂の導入口が配置されていた。
金型を120℃に加熱し、300℃で溶融させた樹脂を、2秒かけて主キャビティの内部に射出して隙間なく導入した。樹脂は、PA66とPA612と、33質量%のガラスファイバーとを含有する、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂(旭化成株式会社製、レオナ 53G33(「レオナ」は同社の登録商標)を用いた。
コアは、上記導入した樹脂と同一のガラス繊維強化ポリアミド樹脂から成形した、直径16mmの円形の断面を有するコア、ショアA硬度が30のシリコーンから成形した直径16mmの円形の断面を有するコア、または、ショアA硬度が60のシリコーンから成形した直径16mmの円形の断面を有するコア、を用いた。
溶融させた樹脂を導入した後、コアを通過させるまでの遅延時間を2秒として、加圧ポートから主キャビティに加圧流体としての空気を導入して、樹脂の内部にコアを通過させた。このときの加圧流体(空気)の圧力は、20MPaとした。
なお、これらの条件は、異形部を有さないキャビティにはショアA硬度が30のシリコーンから成形したコアも通過させることができる条件であった。
上記条件で中空体の成形試験を複数回行った。
樹脂製のコアを用いたところ、コアが副キャビティまで到達し、かつ、第1相似形部、第2相似形部および第3相似形部では、いずれも径が略同一である円形の中空部が形成された。また、第1異形部では、第1相似形部、第2相似形部および第3相似形部よりも大形の円形の中空部が形成され、また、第2異形部では、略正方形の中空部が形成された。
ショアA硬度が30のシリコーンから成形したコアを用いたところ、加圧流体の圧力によりコアが破損してしまった移動せず、中空体を形成することができなかった。
ショアA硬度が60のシリコーンから成形したコアを用いたところ、樹脂製のコアを用いたときと略同形状の中空体が形成された。しかし、副キャビティに到達したコアを観察したところ、コアが破損して加圧流体(空気)が漏れ出しており、量産性には乏しいと判断された。
本開示によれば、異形部を有する中空体であり、かつ、より均等な径を有する中空部を有する中空体を、容易に製造することができる。そのため、本開示によれば、中空体の配置をより柔軟にすることができ、中空体を有する建築物、車両および各種機器などの省スペース化などが期待される。
100 成形装置
110 主キャビティ
112、112a、112b、112c 相似形部
114、114a、114b 異形部
120 コア
130 加圧ポート
140 副キャビティ
210 樹脂
215 増粘した樹脂
220、230 中空部

Claims (2)

  1. 断面形状が変化する異形部を有するキャビティの内部に、軟化または溶融した樹脂を導入する工程と、
    前記導入された樹脂の内部に、樹脂製のコアを通過させる工程と、
    を有する、中空体の製造方法。
  2. 前記コアは、前記導入された樹脂と同種の樹脂を含む、請求項1に記載の中空体の製造方法。
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