JP5722390B2 - 射出成形金型装置 - Google Patents

Description

本発明は、射出成形金型装置に関する。

一般的に射出成形金型は、基本的に固定側型板及び可動側型板を含み、上記可動側型板を固定側型板に密着させると（これを”型閉”という）、固定側型板及び可動側型板の間には、溶融樹脂が注入されて製品が成形されるキャビティ（以下、キャビティという）が一つまたは複数個形成され、上記キャビティ内に溶融樹脂を加圧射出して製品を成形し、成形された製品が冷却固化すると、可動側型板を固定側型板から離隔分離して（これを”型開”という）、成形された製品を取り出すことになる。このとき、優れた品質の製品を生産するためには、溶融樹脂をキャビティ内に射出する際に、キャビティ内の空気及び溶融樹脂から発生したガスを金型外部へ円滑に排出しなければならなく、特にゲートを介して注入された溶融樹脂が互いに合流して発生するウェルドライン（weld line）部分での空気及びガス抜きは必須である。

特に導光板やＰＣ素材で成形された製品のように高度の透明性を要する場合、またはガラス成分が多量に含有された素材を用いて製品を成形しようとする場合には、成形時に発生するガスや残存ガスを外部に円滑に排出しなければならない。

通常、射出成形金型においては、キャビティ内の気体、すなわち空気及びガスを排出するために、キャビティの周りの固定側型板及び可動側型板が互いに接するパーティングライン（parting line）の間にベンティング（venting）のための僅かな隙間を設ける。そして、該ベンティング隙間の外側の周りにベント溝を加工して空気及びガスが排出されるようにするが、固定側型板及び可動側型板の間のベンティング隙間を大きくすると成形製品にバリ（burr）（パーティングラインに沿って成形製品の周りに形成される余分な部分）が多く発生する。このため、成形後に製品の再加工が必要となるという問題や、樹脂の無駄使いが大きくなるという問題が生じた。または、キャビティの下部に粒子コアを設け、粒子コアの側壁に約0.01-0.05mmのギャップ（gap）が形成されるようにしたり、イジェクタピンとイジェクタピンとの間の微細なギャップを介して空気及びガスの排出を図ったりしている。しかし、これによるベンティング効果が充分ではなく、ウェルドライン部分や空気またはガスのトラップ（trap）が発生する所に対応するように設けることが困難であり、特にガス発生が多い樹脂の場合や、導光板やＰＣ素材で成形された製品のように、高度の透明性を要する製品を成形する時に、ガスによる製品の不良が頻繁に発生するという問題があった。

本発明の背景技術は、下記特許文献１（２０１２年３月２２日公開、積層型ベントコアが装着された射出成形金型）に開示されている。

大韓民国公開特許公報２０１２−００２７６４３号

本発明は、射出成形時に発生するガスを外部に排出することにより、ガスにより発生する問題点である射出品の未成形、ウェルドライン、寸法不良等の製品品質上の問題を改善でき、生産時間を低減できる射出成形金型装置を提供することを目的とする。

本発明の一側面によれば、固定側金型と、上記固定側金型に軸方向に挿入されるピンコアと、上記固定側金型と結合されて射出成形のためのキャビティを形成する可動側金型と、上記ピンコアを貫通して形成され、上記射出成形時に発生するガスを排出する第１ガス排出口と、を含むことを特徴とする射出成形金型装置が提供される。

また、上記ピンコアの上面及び上記可動側金型の下面は、離隔して上記ガスが移動する通路を形成し、上記通路は、上記第１ガス排出口に連通できる。

また、断面における同一の中心軸から上記ピンコアの外周面に至る距離が、上記固定側金型の内周面に至る距離よりも小さく形成されることによって、上記ピンコアと上記固定側金型との間にできる第２ガス排出口をさらに備え、前記第２ガス排出口から上記射出成形時に発生するガスを排出することができる。

上記第１ガス排出口は、上記ピンコアの中心部を貫通して形成できる。

上記固定側金型に形成され、上記射出成形のための溶融樹脂を注入する溶融樹脂注入口をさらに含むことができる。

また、上記固定側金型は、上記ピンコアを覆う第１金型と、上記キャビティを覆う第２金型と、上記可動側金型を覆う第３金型と、を含むことができる。

上記ピンコアの上部には、上記ピンコアの内側に向かって溝が形成されることができる。

本発明の実施例による射出成形金型装置を用いて射出成形時に発生するガスを外部に排出することにより、ガスにより発生する問題点である射出品の未成形、ウェルドライン、寸法不良等、製品品質上の問題を改善でき、生産時間を低減できる。

本発明の一実施例に係る射出成形金型装置を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る射出成形金型装置の通路を拡大した拡大図である。 本発明の他の実施例に係る射出成形金型装置を示す断面図である。

本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、本願では特定実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物ないし代替物を含むものとして理解されるべきである。本発明を説明するに当たって、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明にすると判断される場合はその詳細な説明を省略する。

本出願で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文中で明らかに表現しない限り、複数の表現を含む。本願において、”含む”または”有する”などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解しなくてはならない。

また、以下に用いられる第１、第２などのような用語は、同一または対応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または対応する構成要素が第１、第２等の用語によって限定されるものではない。

また、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触される場合だけを意味することではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合も含む概念として用いられる。

以下に、本発明に係る射出成形金型装置の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付し、これに対する重複説明は省略する。

図１及び図２に示すように、本発明の一実施例に係る射出成形金型装置は、固定側金型１００、ピンコア２００、可動側金型３００、及び第１ガス排出口４００を含むことができる。

固定側金型１００は、図１及び図３に示すように、ピンコア２００を覆い、固定側金型１００の下部に位置する第１金型１１０と、上記第１金型１１０の上部に位置し、可動側金型３００とキャビティＣを形成するようにキャビティＣを覆う第２金型１２０と、上記第２金型１２０の上部に位置し、可動側金型３００を覆う第３金型１３０と、を含むことができる。

第１金型１１０の中央には、軸方向にピンコア２００が挿入できる。図２に示すように、ピンコア２００は、上部の外周面が下部の外周面よりも相対的に小さく形成されてもよい。

可動側金型３００は、固定側金型１００に形成された挿入孔に挿入されて、固定側金型１００と密着結合される。このとき、可動側金型３００と固定側金型１００との間には、作業者が所望する製品の形状に対応するキャビティＣを形成することができる。

可動側金型３００が固定側金型１００に挿入され、可動側金型３００と固定側金型１００との間にキャビティＣが形成された後、可動側金型３００と固定側金型１００との間のキャビティＣ内に溶融樹脂が注入され、注入された溶融樹脂が硬化することにより所望する製品の形状を得ることができる。

射出成形の作業中には、溶融された射出材料からガスが発生し、該ガスは射出成形に問題を引き起こす。ガス発生により、射出品の未成形、ウェルドライン、寸法不良など製品品質上に問題が生じ、ガスを金型外に排出しないと射出圧力が増加し、生産時間が増加して金型の寿命を低下するという問題が生じる。

本発明の一実施例に係る射出成形金型装置は、図１に示されたように、ピンコア２００の中心部を貫通する第１ガス排出口４００を含んでおり、射出成形時に発生するガスを外部に排出することにより、上述のようなガスにより生じる問題点を解決することができる。

第１ガス排出口４００は、ピンコア２００の中央を貫通して形成され、第１ガス排出口４００の上部は、ピンコア２００の上面及び可動側金型３００の下面が離隔して形成されたガス移動通路４１０に連通できる。

したがって、射出成形時に発生するガスは、ピンコア２００の上面と可動側金型３００の下面との間に形成された通路４１０を介して移動し、通路４１０に連通する第１ガス排出口４００を介して外部に排出される。

本発明の他の実施例に係る射出成形金型装置は、射出成形時に発生するガスを排出するための第１ガス排出口４００の他に、図３に示すような第２ガス排出口５００をさらに含むことができる。

第２ガス排出口５００は、図３に示された断面における同一の中心軸からピンコア２００の外周面に至る距離が、固定側金型１００の第１金型１１０の前記中心軸から内周面に至る距離よりも小さく形成されることで、ピンコア２００と固定側金型１００との間に形成される空間であり、射出成形時に発生するガスを外部に排出することができる。

射出成形のために溶融樹脂をキャビティＣに注入する場合、溶融樹脂が上記ピンコア２００と固定側金型１００の上面との間に形成された隙間から流れ出さないように、ピンコア２００と固定側金型１００との間の隙間は、充分に小さく形成されなければならない。

本発明に係る射出成形金型装置は、射出成形時に発生するガスによる問題点を解決するために、ピンコア２００の中心部を貫通する第１ガス排出口４００だけではなく、ピンコア２００と固定側金型１００との間に形成される第２ガス排出口５００を備える。

したがって、射出成形時に発生するガスを外部に円滑に排出することができ、射出成形時に発生するガスによる問題点を解決することができる。

第１ガス排出口４００は、ピンコア２００の真中央部に形成可能である。この場合、上述したように、キャビティＣと第１ガス排出口４００とを連通する通路４１０が設けられることは明らかである。

本発明に係る射出成形金型装置は、射出成形のための溶融樹脂を注入する溶融樹脂注入口をさらに含むことができる。

溶融樹脂注入口は、固定側金型１００の一側に形成可能である。

図２に示すように、溶融樹脂注入口は、第１金型１１０の上部または第２金型１２０の一側に形成され、キャビティＣ内に溶融樹脂を注入することができる。

図３に示すように、本発明に係る射出成形金型装置は、ピンコア２００の上部に溝５１０が形成されてもよい。

ピンコア２００の上部にピンコア２００の内側に向かって形成された溝５１０により、射出成形時に発生するガスがピンコア２００と固定側金型１００との間に形成された第２ガス排出口５００から容易に排出されることができる。

すなわち、溶融樹脂が第２ガス排出口５００から流れ出さないように第２ガス排出口５００の上部は充分に狭く形成され、上記上部に連通する第２ガス排出口５００の所定部分にはガスが通過可能な広い空間を形成することにより、射出成形時に発生するガスの排出を円滑にすることができる。

以上では、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加等をして本発明を様々に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえる。

Ｃ キャビティ
１００ 固定側金型
１１０ 第１金型
１２０ 第２金型
１３０ 第３金型
２００ ピンコア
３００ 可動側金型
４００ 第１ガス排出口
４１０ 通路
５００ 第２ガス排出口
５１０ 溝

Claims (6)

1. 固定側金型と、
   前記固定側金型に軸方向に挿入されるピンコアと、
   前記固定側金型と結合され、射出成形のためのキャビティを形成する可動側金型と、
   前記ピンコアを貫通して形成され、前記射出成形時に発生するガスを排出する第１ガス排出口と、を含み、
   前記ピンコアの上面及び前記可動側金型の下面は離隔して前記ガスが移動する通路を形成し、前記通路は、前記第１ガス排出口に連通することを特徴とする射出成形金型装置。
2. 断面における同一の中心軸から前記ピンコアの外周面に至る距離が、前記固定側金型の内周面に至る距離よりも小さく形成されることによって、前記ピンコアと前記固定側金型との間にできる第２ガス排出口をさらに備え、前記第２ガス排出口から前記射出成形時に発生するガスを排出することを特徴とする請求項１に記載の射出成形金型装置。
3. 前記第１ガス排出口は、前記ピンコアの中心部を貫通して形成されることを特徴とする請求項１又は２に記載の射出成形金型装置。
4. 前記固定側金型に形成され、前記射出成形のための溶融樹脂を注入する溶融樹脂注入口をさらに含む請求項１〜３のいずれか一項に記載の射出成形金型装置。
5. 前記固定側金型は、前記ピンコアを覆う第１金型と、
   前記キャビティを覆う第２金型と、
   前記可動側金型を覆う第３金型と、を含むことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の射出成形金型装置。
6. 前記ピンコアの上部には、前記ピンコアの内側に向かって溝が形成されることを特徴とする請求項２に記載の射出成形金型装置。

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