WO2017068670A1 - ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及び射出ノズル - Google Patents

ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及び射出ノズル Download PDF

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Abstract

排気通路33cをシールするシール部材35の脱落/位置ずれを防止し、及び/又は、シール性を向上させることができるワックス射出成型機用の射出ノズル30が開示される。射出ノズル30は、外筒31と、前後方向に移動可能な内筒32と、前記内筒32の内壁により規定され、前記内筒32の前端の内筒開口33bと連絡するワックス通路33dと、前記外筒31の内壁と前記内筒32の外壁の間に規定され、前記外筒31の前端の外筒開口33aと連絡する排気流路33cと、前記ワックス流路33dを開閉するワックス弁と、前記排気流路33cを開閉する排気弁を具備し、前記外筒31は、前記外筒開口33aが形成された小内径部31aを有し、前記内筒32は、前記内筒開口33bが形成された小外径部32aと、前記小外径部32aから後方に向けて外径が大きくなる外面テーパ部32bを有し、前記排気弁は、前記外面テーパ部32bに装着されたシール部材35を有する。

Description

ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及び射出ノズル
 本願は、ロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機及びロストワックス鋳造に使用されるワックス射出成型機用の射出ノズルに関する。
 主として貴金属を用いた装飾品・アクセサリー・ジュエリーなどは、小さくて複雑、更に精密な形状をしている。このような製品を大量に生産したいという要望があり、ロストワックス精密鋳造法がこの業界で発達してきた。もちろん、上記以外の精密工業用部品製造においても応用可能である。
 ジュエリー製造業界におけるロストワックス精密鋳造は、次のような工程を有する。
 第一工程は原型を製作する工程。
 第二工程は原型と同じ形状の空洞を有するゴム型を製作する工程。
 第三工程はゴム型に溶解したワックス射出し、これを取り出すことで原型と同じ形状のワックス型を製造する工程。一般には、第三工程を繰り返して行うことで、多数のワックス型が製造される。
 第四工程は第三工程で製造した多数のワックス型をワックス棒周辺にワックス型の湯道端部を溶解しつつ樹状に取り付け、これを筒状の耐熱容器内に装着して石膏を流し込み、石膏型を作成する工程。
 第五工程は電気炉又はガス炉その他を用いて、低温で石膏型の内部にあるワックスを溶解流失させ、中温で空洞内部に付着したワックスを完全に燃焼させ、更に温度を上げることで石膏型が貴金属を流し込んだときの衝撃に耐えうる強度を出した後、貴金属を流し込むに適した温度まで下げて待機する焼成工程。
 第六工程は原型と同じ空洞を沢山持つ石膏型内部に貴金属を流し込む鋳造工程。
 第七工程は、貴金属が固まった時点で、石膏型を急速に水冷することで、ばらばらに石膏を割り、樹状の貴金属を取り出し、余分な部分を切り取り、原型と同じ形状の貴金属を磨く仕上げ工程。
 図1を参照して第二工程のゴム型の製造方法を説明する。第二工程では、作成したいゴム型3の大きさに応じたサイズの型枠(不図示)と、原型1と、部品2(湯道2aと湯口2b)を使用する。型枠の下をプレートで塞ぎ、下半分にシリコンゴム加硫前の材料を入れ、その上に、原型1に部品2を接着したものを配置し、その後、上半分に加硫前の材料を入れ、枠の上部をプレートで塞ぎ、プレスしながら温度を上げて加硫する。加硫性のゴムの代わりに二液固化型のシリコンゴムを使用しても良い。
 シリコンゴムが固まってゴム本来の弾性を持つようになったら、ゴム型3を前記の枠から取り出してジグザグの切り込み3cを入れ、原型1とこれに接着した部品2を取り出して、ゴム型を上ゴム型3aと下ゴム型3bに分離する。これにより、内部に原型1及び部品2と同形状の空洞4を有するゴム型3が得られる。このような切り込み3cを分離面全体に入れることにより、上下のゴム型3aと3bを合わせたとき、正確に合わせることができ、内部の空洞形状も正確に再現できる。
 このような切り込み3cはまた、ゴム型3にワックスを射出してワックス型を作成する際、真空引きと加圧したワックスのシールを容易にする作用も有する。ワックス型をゴム型3から取り出す場合、合わせ面(切り込み)3cから上ゴム型3aを分離した後、下ゴム型3bを変形させながら取り出し作業をすると、複雑な形状のワックス型であっても、壊さずに容易に取り出すことができる。場合によっては、ゴム型内部を幾つかに分割したり、中子を入れることもある。
 原型は様々な大きさがあるため、ゴム型もそれに合わせて大きさと厚みは様々に変化する。また、ゴム型の耐久性や、ワックス型をゴム型内部から取り出すときの難易度に合わせて、ゴムの硬度も変えることが多い。
 図2は、第三工程で使用されるクランプユニット5及びワックス型射出成型機10の概念図を示す。クランプユニット5はゴム型3を適正にクランプして、射出ノズル20の軸芯とゴム型3の湯口4aの高さを一致させ、射出ノズル20に押しつけるためのものである。ワックス型射出成型機10は、ワックス槽と真空槽の二つの槽を一つのタンク11内に持ち、射出ノズル20からゴム型3内の空洞を真空引きした後、溶解ワックスを空洞内に射出する(図中の矢印参照。)ためのものである。
 一般的に、タンク11はワックス槽12と真空槽13が同心円状に配されており、上部タンク蓋11aからワックス槽12には加圧空気が供給され、真空槽13には真空源が接続されて真空を維持する構造になっている。またタンク11全体を適温に温めてワックスを常に溶解しておくためのバンドヒータ11bがタンク11の周囲に配されている。
 射出ノズル20は、バルブ20aを介してワックス槽12及び真空槽13に選択的に接続されており、バルブ20aを切り替えることで、射出ノズル20を、ワックス槽12及び真空槽13の双方から切り離された状態(状態1)、真空槽13に接続された状態(状態2)、又は、ワックス槽12に接続された状態(状態3)の3つの状態にすることができる。
 クランプユニット5は主としてゴム型3を乗せるゴム型受け台5c、ゴム型3をクランプするためのクランプ力発生器5aとそれに接続されたクランププレート5b、ゴム型3を射出ノズルに押しつけるための押しつけ機構5dによって構成されている。
 このように構成されたクランプユニット5とワックス型射出成型機10において、射出ノズル20を状態1にしてゴム型3をクランプユニット5にセットし、ゴム型受け台5cを前進させて射出ノズル20にゴム型3を押しつけ、射出ノズル20を状態1から状態2に切り替えることでゴム型3の空洞4を真空にし、続いて射出ノズル20を状態2から状態3に切り替えることでゴム型3の空洞4にワックスを充満させる。
 状態1に戻した後、ゴム型受け台5cを後退させ、クランププレート5bを上昇させ、ゴム型3を取り出し、これを合わせ面3cから分割し、空洞4と同形状のワックス型を取り出す。これを多数製作し、次の行程、前記第四行程へ移る。
 図3に従来の射出ノズル20の構造を示す。図3では、更に、射出ノズル20とタンク11の接続関係が模式的に示されている。
 射出ノズル20は、共通通路21と、ワックス側通路22aと、ワックス弁22bと、ワックス溜22cと、排気側通路23aと、排気弁23bと、真空溜23cを有する。共通通路21とワックス側通路22a及び排気側通路23aは、射出ノズル20の中間当たりでT字型に接続される。ワックス溜22c及び真空溜23cはそれぞれライン22d,23dを介してワックス槽12及び真空槽13に接続される。ワックス弁22b及び排気弁23bは不図示の駆動源によって個別に開閉することが可能である。ワックス弁22bを開くことで、共通通路21がワックス溜22cと連絡し、排気弁23bを開くことで、共通通路21が真空溜23cと連絡する。ワックス槽12には、圧縮エア供給源12aが接続され、圧縮エア供給源12aからの圧縮エアにより、ワックス槽12のワックス12Wがワックス溜22cに供給される。真空槽13は、真空ポンプ13aにより真空引きされる。
 図3(a)は、第三工程が反復実施される過程での状態1の射出ノズル20を示す。状態1では、ワックス弁22b及び排気弁23bの双方が閉じており、共通通路21とワックス側通路22aと排気側通路23aのすべてにワックスが充満している。
 図3(b)は、図3(a)の状態1から真空引きをした状態2を示す。ゴム型3を射出ノズル20に押し当てた後、矢印1に示すように排気弁23bを開くと、排気側通路23aと真空溜23cが連通するため、共通通路21と排気側通路23aのワックスは真空槽13へ引き込まれ(符号13W参照。)、ゴム型3の空洞4は真空になる。このとき、ワックス側通路22aには残留ワックス22Rが残留したままになる。
 図3(c)は、図3(b)の後にワックスを射出した状態3を示す。矢印2に示すように排気弁23bを閉じ、わずかな時間差を設けて矢印3に示すようにワックス弁22bを開くと、ワックス溜22cとワックス側通路22aが連通し、ワックス槽12からのワックス12Wが共通通路21、ワックス側通路22a、排気側通路23aに充満し、共通通路21からゴム型3の湯口4a及び空洞4にワックスが射出される。
 その後、ワックス弁22bを閉じて、ゴム型3を射出ノズル20から離脱させることで、図3(a)に示す状態1に復帰する。第三工程では、上述の状態1→状態2→状態3→状態1のサイクル(以下、射出サイクルと言う場合がある)が反復して実施される。
特開2011-143581号公報
 図3に関して説明したように、状態1から状態2への移行の際に、共通通路21と排気側通路23a内のワックスは真空槽13に回収される。このように回収されるワックス13Wをワックスドレンと呼ぶ。一般的に指輪などの製造用のゴム型3内の空洞体積はかなり小さいため、一回の射出サイクルにおけるワックスドレンの量はワックス型製品に本来必要なワックス量と比較するとかなり大きな比重を占め、同等かそれ以上になることもある。
 第三工程で排出されるワックスドレンは再利用できない。その理由は、一般的にゴム型3内の空洞部4に離型剤を塗布するため、真空引きの際、ワックスドレンに離型剤が混入するためであり、また、その他のゴミが混入する等の心配があるためである。離型剤がワックスに混入すると、ワックスの諸特性に悪影響がでる可能性がある。
 ロストワックス鋳造におけるワックスは、ワックス成分の他に、溶解温度を調節したり、強度を調節したり、湯流れを良くするための添加物を含み、あるいは香料や材質を区別するための色素なども添加されている。そのため、ワックスの価格は決して安くなく、ドレンとして廃棄するコストは決して馬鹿にならない。
 また、射出ノズル20では、共通通路21とワックス側通路22aの合計長さが長いため、ワックスの粘度によって射出時の配管抵抗が増し、ワックスの射出速度が低下する。射出速度が低下すると、ワックスがゴム型3内に充満する過程で冷却されてワックス粘度が増加する。このような射出速度の低下及び/又はワックス粘度の増加は、空洞部4の先端等の微細部分(例えば、ダイヤモンドを固定する爪先の部分など)にワックスが充分に充満しにくくなる原因となり得る。それにより、製品の形状がシャープに出来上がらないなどの問題を生じ得る。
 また、状態1から状態2に移行した際の残留ワックス22Rにゴム型3の離型剤やその他のゴミが混入する懸念があり、それにより、ゴム型3に射出するワックスの品質低下・特性変化を招く可能性がある。
 図4は、他の公知の射出ノズル20Aを示す。図4では、図3の射出ノズル20に対応する部分に同一の符号を付した。射出ノズル20Aでは、共通通路21とワックス側通路22a及び排気側通路23aの接続角度を工夫する(90度未満にする)ことにより、共通通路21とワックス側通路22aの通路長が短縮される。それ故、射出ノズル20Aでは、射出ノズル20に関して上記した問題は多少なりとも軽減される。しかしながら、相当量のワックスドレンは依然として発生するし、配管抵抗及びそれによるワックスの射出速度の低下の問題も充分には改善されない。また、ワックス側通路22aに残される残留ワックス22Rに離型剤やその他のゴミが混入する問題は全く改善されない。
 特許文献1は、上記問題の解決を目的としたものである。以下の特許文献1の説明では、特許文献1中の符番を引用する。
 特許文献1は、ワックス樹脂の射出鋳造装置に使用される射出ノズル1であって、先端にワックス樹脂の吐出口8を有する外筒部2と、一端が該吐出口8と流体的に連通し、他端が排気系に流体的に連通するように、該外筒部2内に画定される排気流路3と、該排気流路3と該吐出口8との間を閉鎖し、または開放するように、該排気流路3内を摺動可能な排気流路封止弁4とを備え、一端が該吐出口8と流体的に連通し、他端がワックス樹脂供給源に流体的に連通するように画定されるワックス供給流路5と、該ワックス樹脂流路5と該吐出口8との間を閉鎖し、または開放するように、該ワックス樹脂流路5内を摺動可能なワックス封止弁6とを備え、該排気流路封止弁4は、該ワックス封止弁6が摺動して該ワックス樹脂流路5と該吐出口8との間を閉鎖した状態で、該排気流路3と該吐出口8との間を連通するように開放し、該ワックス封止弁6は、該排気流路封止弁4が摺動して該排気流路3と該吐出口8との間を閉鎖した状態で、該ワックス樹脂流路5と該吐出口8との間を連通するように開放する射出ノズル1を開示する。
 特許文献1の射出ノズル1では、構造上、確かにワックスドレンは激減する。しかし、射出ノズル1は、実現性に大きな問題がある。射出ノズル1では、排気通路封止弁4の先端部に配置したパッキンまたはOリング(以下、「パッキンまたはOリング」を単に「Oリング」という。)をノズル外筒2内面の座部3aに当接させることで排気弁の機能を達成するものである。
 しかし、図1に示す湯口は、ゴム型の大きさに関わらず概ね同じであり、非常に小さい。それ故、外筒部2の先端のR(曲率半径)は4mm程度にする必要があり、吐出口はφ3mm程度に設計する必要がある。このような微小な部分をOリングでシールすることは実際上困難である。特許文献1の図をよく見ると、排気通路封止弁4の先端に溝を設け、当該溝にOリングをはめ込んだ構造にも見えるが、仮にそうであるとしても、そのような構造は、図として描くことができるというだけであり、実現は困難である。この構造では、Oリングの太さはφ0.5mm~φ1mm程度になるが、このような小さなOリングは非常に外れやすいのである。排気通路封止弁4の先端に溝を形成し、当該溝をOリングが外れ難い形状(ザグリによって溝の開口部をOリングより狭くする)にしたとしても、Oリングが小さすぎるので、外れを防止することは殆ど不可能である。また、開口部をOリングよりも小さくすると、Oリングの潰し代を犠牲にせざるを得ないため、シール機能が著しく低下する。
 しかも、排気通路封止弁4の先端付近は、ゴム型3の真空引きの際、吐出口8から空気が非常な高速で通過する部分であるため、原理的にOリングが溝から吸い出されるような力が働く。ゴム型を射出ノズル1に押しつけないで装置を作動させた場合や、射出ノズル1とゴム型の湯口が一致しない状態で装置を作動させた場合には、更に高速(原理的には音速に近い流速)で空気がこの部分を通過する。排気系バッファ54が完全な真空になるとすれば、Oリングを吸い出す圧力差の最大値は、100kpa(1kg/cm2)であり、この圧力がOリングの装着面積全体に働くと考えられる。よって、排気通路封止弁4の先端に、上記のような小さなOリングを外れないよう設置することは、殆ど不可能である。
 更に、前記Oリングの装着方向が、排気通路封止弁4の移動方向と同じであるため、一旦外れると、Oリングが排気通路3または吐出口8へ移動したり、挟み込まれたりして、取り扱いが非常に面倒になる。
 この業界では、図3,図4等で説明したワックスドレンをゼロにしたい、若しくは、出来る限り減らしたいという強い要望が昔からある。しかし、射出ノズル20の先端は、曲率半径Rが4mm程度で共通通路21の径はφ3mm程度であるという寸法上の厳しい制約もあり、これまで、この要望を実現した例は無い。本発明の目的の一つは、この要望を実現することである。
 また、ワックスの射出速度を増大させることができれば、原型により忠実なワックス型の製造が可能になる。なお、このことは、当業界では必ずしも認識されていない。また、ワックス側通路22a等でのワックスの残留を解消することができれば、ゴム型3に注入されるワックスの品質低下が防止できることを本発明者は確信している。このことは、当業界では全く認識されていない。本発明の他の目的は、これらを実現することである。
 本出願には、下記の発明が開示される。
<観点1>
 内壁を有する外筒と、
 内壁及び外壁を有し、前後方向に移動可能な内筒と、
 前記内筒の内壁により規定され、前記内筒の前端の内筒開口と連絡するワックス通路と、
 前記外筒の内壁と前記内筒の外壁の間に規定され、前記外筒の前端の外筒開口と連絡する排気通路と、
 前記ワックス通路を開閉するワックス弁と、
 前記排気通路を開閉する排気弁
を具備するワックス型射出成型機の射出ノズルであって、
 前記外筒は、前記外筒開口が形成された小内径部と、前記小内径部から後方に向かって内径が大きくなる内面テーパ部を有し、
 前記内筒は、前記内筒開口が形成された小外径部と、前記小外径部から後方に向かって外径が大きくなる外面テーパ部を有し、
 前記排気弁は、前記外面テーパ部又は前記外面テーパ部よりも後方で前記小外径部よりも大径の部位に装着されたシール部材を有することを特徴とする射出ノズル。
<観点2>
 前記内筒が前進/後退したときに、前記シール部材が、前記外筒の内壁に対して当接/離間することにより、前記排気弁が開閉することを特徴とする観点1に記載の射出ノズル。
<観点3>
 前記外面テーパ部と前記内面テーパ部のテーパ角度が概略同一であることを特徴とする観点1に記載の射出ノズル。
<観点4>
 前記外面テーパ部に、前記シール部材の一部を収容する溝が形成されていることを特徴とする観点1に記載の射出ノズル。
<観点5>
 前記ワックス弁の前端に、前記外筒開口及び前記内筒開口に挿入可能な突起が取り付けられていることを特徴とする観点1に記載の射出ノズル。
<観点6>
 内壁を有する外筒と、
 内壁及び外壁を有し、前後方向に移動可能な内筒と、
 前記内筒の内壁により規定され、前記内筒の前端の内筒開口と連絡するワックス通路と、
 前記外筒の内壁と前記内筒の外壁の間に規定され、前記外筒の前端の外筒開口と連絡する排気通路と、
 前記ワックス通路を開閉するワックス弁と、
 前記排気通路を開閉する排気弁
を具備するワックス型射出成型機の射出ノズルであって、
 前記外筒は、前記外筒開口が形成された小内径部と、後方を向いた後向座部を有し、
 前記内筒は、前記内筒開口が形成された小外径部と、前記後向座部に対向する前向座部を有し、
 前記後向座部及び前記前向座部は、前記小外径部の外径よりも大きい径を有し、
 前記排気弁は、前記後向座部又は前記前向座部に装着されたシール部材を有することを特徴とする射出ノズル。
<観点7>
 観点1又は6に記載の射出ノズルを有する、ワックス型射出成型機。
 上記観点1,6,7の発明では、小外径部よりも大径の部位にシール部材が装着されることにより、引用文献1の射出ノズルと比較して、よりサイズの大きいシール部材の使用が可能となり、容易にシール機能を高めるができる。
 引用文献1の射出ノズル1は、ワックスドレンの大幅減少という当業界の長年の要望に応えるものであるにも関わらず、引用文献1の出願から3年半(公開から2年)を経た現在に至るも製品化されていない。その理由の一つは、排気通路封止弁4の先端での排気流路のシールが困難であったことである。また、引用文献1の射出ノズル1の原案は、本願発明者が発案し、引用文献1の出願人に対して提案したものである。引用文献1は、本願発明者の知らぬうちに出願されてしまったものである。このことがあった以降、本願発明者は引用文献1の出願人に対する技術協力を行わなくなった。引用文献1の出願人は、その後、独自に射出ノズル1の製品化を試みたものと思われるが、結局はこれを断念し、現在では、機能面で射出ノズル1に劣ることが明らかな図4の射出ノズル20Aを製造している。これらのことは、上記観点1,6の発明が当業者に容易に発明できたものでないことの一つの裏付けになるものと出願人は思料する。
図1は、ゴム型の製造方法の説明図である。 図2は、ワックス型射出成型機及びクランプユニットの側面図である。 図3は、従来の射出ノズル20を示す。 図4は、他の従来の射出ノズル20Aを示す。 図5は、本発明の一実施形態に係る射出ノズル30を示す。 図6は、射出ノズル30の駆動機構及び当該駆動機構の動作の例を示す。 図7は、本発明の他の実施形態に係る射出ノズル30Aを示す。 図8は、本発明の更に他の実施形態に係る射出ノズル30B~30Dを示す。 図9は、本発明の実施形態に係る射出ノズル30A~30Dに付加し得る突起部34cを示す。
 図5,図6を参照し、本発明の一実施形態に係る射出ノズル30及び当該射出ノズル30を有するワックス型射出成型機を説明する。
 図5は、射出ノズル30の先端付近を示す。図示のように、射出ノズル30は、外筒31及び内筒32を有する。
 外筒31は、内壁31i及び外壁31oを有する中空筒型、好ましくは、円筒型の部材である。外筒31は、開口(外筒開口33a)が形成された小内径部31aと、小内径部31aよりも内径(内壁31iの径)が大きい大内径部31cと、小内径部31aと大内径部31cの中間に位置し、小内径部31aから後方に向かうにつれて内径が拡大する内面テーパ部31bを有する。図示の例では、内面テーパ部31bの内径が直線的に拡大しているが、曲線的、段階的等、他の態様で内径が拡大してもよい。本実施形態の外筒31の外壁31oは、ゴム型3の湯口4aに差し込むことができるように、小内径部31aから後方に向かうにつれて外径が拡大する形状を有しているが、外壁31oの形状は、これに限定されるものではない。
 内筒32は、内壁32i及び外壁32oを有する中空筒型、好ましくは、円筒型の部材である。内筒32は、外筒31の内部空間内で前後方向に移動可能に収容される。前後方向は、好ましくは、外筒31及び/又は内筒32の軸方向である。
 内筒32は、開口(内筒開口33b)が形成された小外径部32aと、小外径部32aよりも外径が大きい大外径部32cと、小外径部32aと大外径部32cの中間に位置し、小外径部32aから後方に向かうにつれて外径が拡大する外面テーパ部32bを有する。図示の例では、外面テーパ部32bの外径は直線的に拡大しているが、曲線的、段階的等、他の態様で外径が拡大してもよい。好ましい実施形態では、外筒31の内面テーパ部31bの内壁31iは、内筒32の外面テーパ部32bの外壁32oと同一のテーパ角度を有する。
 排気通路33cは、外筒31の内壁31iと内筒32の外壁32oの間に規定される。排気通路33cは、外筒開口33aに連絡している。ワックス通路33dは、内筒32の内壁32iにより規定される。ワックス通路33dは、内筒開口33bに連絡している。
 射出ノズル30は、ワックス通路33dを開閉するためのワックス弁を有する。本実施形態のワックス弁は、内筒32の内部空間内(ワックス通路33d内)で前後方向に移動可能な弁座34a及び弁座34aを前後方向に駆動するための弁棒34bを有する。弁座34aを内筒32に対して前方に移動させると、弁座34aが内筒開口33bに当接し、ワックス通路33dが閉じられる(図5(a),図5(c))。弁座34aを後方に移動させると、弁座34aが内筒開口33bから離間し、ワックス通路33dが開かれる(図5(b))。ワックス弁は、ワックス通路33dを開閉可能な他の構造としてもよい。
 射出ノズル30は、排気通路33cを開閉するための排気弁を有する。本実施形態の排気弁は、外面テーパ部32bに装着されたシール部材35を有する。好ましい実施形態では、シール部材35は、ゴム等の弾性材料からなるOリングで構成される。シール部材35を外面テーパ部32bに安定に装着するために、外面テーパ部32bの外周に形成されたシール溝35aにシール部材35の一部を填め込む構造とするとより好ましい。シール溝35aの深さは、例えば、シール部材35の直径の半分以上、好ましくは、70~95%、特に好ましくは、80~90%とすることができる。内筒32を外筒31に対して前方に移動させると、シール部材35が外筒31の内壁31iに当接し、排気通路33cが閉じられる(図5(b),図5(c))、内筒32を後方に移動させると、シール部材35が外筒31の内壁31iから離間し、排気通路33cが開かれる(図5(a))。
 図示の例では、シール部材35は、外面テーパ部32bと大外径部32cの境界付近に形成されているが、外面テーパ部32bの中間あたり又は前端により近い部分にシール部材35を設けてもよい。或いは、外面テーパ部32bよりも後方であって、小外径部32aよりも大径の部位にシール部材35を設けてもよい。
 射出ノズル30は、図2及び図3の射出ノズル20に代えて、ワックス型射出成型機10に設置される。
 図6は、射出ノズル30の駆動機構及び当該駆動機構の動作の例を示す。特に、図6では、空圧シリンダー方式で内筒32及び弁座34aを駆動する方式の射出ノズル30を示す。他の駆動方式、例えば、電磁ソレノイド方式を使用することも可能である。
 外筒31は、その後方で射出バルブボディ31dと接続される。外筒31と射出バルブボディ31dは、一体の部材(例えば、筒状金属部材)で構成できる。
 射出バルブボディ31dの後方には、単動エアシリンダー40が設けられている。単動エアシリンダー40は、内筒32の後端に接続されたピストン41と、ピストン41を後方に駆動するエアを供給するための内筒駆動エアポート42と、ピストン41を前方に駆動するためのリターンスプリング43と、リターンスプリング43側の空間を大気圧にしておくための大気解放ポート44等で構成される。内筒駆動エアポート42から圧縮エアを供給すると内筒32が後方に移動し、内筒駆動エアポート42を大気圧に戻すと内筒32が前方に移動する。内筒32とピストン41は、一体の部材(例えば、筒状金属部材)で構成できる。
 単動エアシリンダー40の更に後方には、単動エアシリンダー50が設けられている。単動エアシリンダー50は、弁棒34bの後端部分に接続されたピストン51と、ピストン51を後方に駆動するエアを供給するための弁座駆動エアポート52と、ピストン51を前方に駆動するためのリターンスプリング53と、リターンスプリング53側の空間を大気圧にしておくための大気解放ポート54等で構成される。弁座駆動エアポート52から圧縮エアを供給すると弁座34aが後方に移動し、弁座駆動エアポート52を大気圧に戻すと弁座34aが前方に移動する。弁座34a、弁棒34b及びピストン51は、一体の部材(例えば、金属ロッド)で構成できる。
 射出バルブボディ31dは、更に、排気通路33cと連絡する排気ポート45及びワックス通路33dと連絡するワックス供給ポート46を有する。排気ポート45は、図2,図3に示したと同様の真空槽13に連絡し、ワックス供給ポート46は、図2,図3に示したと同様のワックス槽12に連絡する。排気ポート45と真空槽13の間、ワックス供給ポート46とワックス槽12の間に、図2,図3に示したと同様の真空溜、ワックス溜を設けてもよい。図示の例では、排気ポート45は、大内径部31cとピストン41の間に位置し、ワックス供給ポート46は、ピストン41とピストン51の間に位置する。他の配置も可能である。
 図5,図6を参照し、第三工程における射出ノズル30の動作を説明する。
 図6(a)(図5(c))に示す状態1では、リターンスプリング43によって内筒32は前方に押されて、シール部材35が外筒31の内壁31iに当接し、排気通路33cは閉じている。このとき、内面テーパ部31bの内壁31iと、外面テーパ部32bの外壁32oのテーパ角度を概略同一にすれば、排気通路33cのうちのシール部材35よりも先端側の部分(図5(a)において符号33c1、図5(b),図5(c)において符号33c2示される部分)の体積は、実質的にゼロ又は極めて小さくできる。状態1では、リターンスプリング53によって弁座34aは内筒開口33bに押し付けられ、ワックス通路33dは閉じられている。
 ゴム型3を射出ノズル30に押し当てた後、内筒駆動エアポート42に圧縮エアを供給すると、内筒32は後方に駆動され、シール部材35が外筒31の内壁から離間し、排気通路33cが開かれる。これにより、図6(b)(図5(a))に示す状態2となる。このとき、リターンスプリング53によって弁座34aは内筒開口33bに押し付けられており、ワックス通路33dは閉じたままである。状態2に移行した際、外筒開口33aが排気通路33c、排気ポート45を介して真空槽13に連絡し、ゴム型3の空洞4内の空気とともに、前回の射出サイクルで外筒開口33aに残ったワックスが真空槽13に吸引される。射出ノズル30では、部分33c2の体積はほぼゼロであるため、射出ノズル20の残留ワックス22Rのような多量の残留ワックスは生じない。
 状態2の後に、内筒駆動エアポート42の圧力を大気圧に戻すと、リターンスプリング43によって内筒32は再び外筒31に押し付けられ、排気通路33cは閉じられる。その後、わずかな時間をおいて、弁座駆動エアポート52にエアを供給すると、弁座34aが後方に駆動され、ワックス通路33dが開いて外筒開口33aに連通する。これが図6(c)(図5(b))に示す状態3である。状態3になることにより、ワックス槽12のワックスがワックス供給ポート46及びワックス通路33dを通って外筒開口33aからゴム型3の空洞4に射出される。
 状態3の後、弁座駆動エアポート52の圧力を大気圧に戻すと、リターンスプリング53によって弁座34aが前方に移動し、ワックス通路33dが閉じ、図6(a)(図5(c))の状態1に戻る。
 上記のように、本実施形態の射出ノズル30では、射出ノズル30の内部にワックス封止弁と排気弁の機能を同時に持つ事ができる。
 射出ノズル30では、射出ノズル20の共通通路21(図3)に相当する部分は、図5に示す外筒開口33aである。図から容易に理解できるように、外筒開口33aは、非常に短く設計することができる。よって、ワックス射出の際の配管抵抗を減少させ、ワックスの射出速度を増大させることができる。内筒32の先端付近のワックス通路33d(図5(b)で符号33d’で示す)もワックスの配管抵抗に影響するが、当該部分33d’も、短く、及び/又は、断面積を大きく設計することが容易である。従って、射出ノズル30では、空洞部4にワックスを短時間で隅々まで充満させることが容易になり、例えば、ダイヤモンドを固定する爪などの突起先端部の形状をよりシャープな仕上がりにすることができる。
 また、射出ノズル30では、射出ノズル20の排気側通路23a(図3)に対応する部分は、図5(a)に示す部分33c1,33c2である。内面テーパ部31bの内壁31iと、外面テーパ部32bの外壁32oを、概略同一のテーパ角度にすれば、ワックス射出時の部分33c2の体積を実質的にゼロ又は極めて小さくできる(図5(b))。部分33c2の体積が小さいことと、ワックスの射出経路(外筒開口33a)を短くできることにより、ワックスドレンの量は劇的に減少する。
 射出ノズル30では、排気通路33cを開いて真空引きをした状態(図5(a)、図6(b)参照)のときに、射出ノズル20のワックス側通路22a(図3)のような残留ワックス22Rを生じるスペースを実質的に無くすことができる。よって、残留ワックスの量が激減する。これにより、残留ワックスへの離型材やごみの混入による射出ワックスの品質低下等が抑制され得る。
 射出ノズル30では、シール部材35が外面テーパ部32bに設置されている。面積の小さい小外径部32a(排気通路封止弁4の先端部)にシール部材35(Oリング)を設置する特許文献1の射出ノズル1と異なり、より面積の大きい外面テーパ部32bにシール部材35を設置したことにより、より大きい(又は太い)シール部材35を使用することが可能である。よって、排気通路33cの開閉を確実に行うことが容易になる。更に、ゴム型3を真空引きする際の気流は、前方から後方に向かう気流である(図5(a)、図6(b)参照。)から、シール部材35には、内筒32の外径が大きくなる方向への力が作用するだけであり、シール部材35が外れたり、位置ずれしたりし難い安全設計である。
 図7は、本発明の他の実施形態に係る射出ノズル30Aを示す。図7では、射出ノズル30に対応する部材には、対応する符号を示す。
 射出ノズル30Aでは、外筒31が、小内径部31aよりも後方に位置する外筒段差面31eを有し、内筒32が、小外径部32aよりも後方に位置する内筒段差面32eを有する。外筒段差面31eは、後方を向いた角度で形成される。好ましい実施形態では、外筒段差面31eの法線が後方(外筒31及び/又は内筒32の軸方向)と一致する。外筒段差面31eの法線と後方は、角度を有してもよい。当該角度は、例えば、45度以下とするとよい。内筒段差面32eは、外筒段差面31eと対向する。好ましい実施形態では、内筒段差面32eは、前方を向いた角度で形成される。好ましい実施形態では、内筒段差面32eと外筒段差面31eは、平行である。内筒段差面32eと外筒段差面31eは、角度を有してもよい。当該角度は、例えば、45度以下とするとよい。射出ノズル30Aは、内筒段差面32eに装着されたシール部材35を更に有する。
 射出ノズル30Aでは、内筒32を外筒31に対して前進させると、シール部材35が外筒段差面31eに当接し、排気通路33cが閉じ(図7(b))、内筒32を外筒31に対して後退させると、シール部材35が外筒段差面31eから離間し、排気通路33cが開く(図7(a))。射出ノズル30Aでは、シール部材35と外筒段差面31eが接触する部分が後向座部を構成し、シール部材35と内筒段差面32eが接触する部分が前向座部を構成する。
 射出ノズル30Aでは、図7(b)に示した状態(状態3)で、排気通路33cの部分33c3に空間が生じる。そのため、内面テーパ部31bと外面テーパ部32bの間にわずかでも隙間があると、ゴム型3へのワックス射出の際に部分33c3にワックスが流入し、それによってワックスドレンが増加するという問題を生じ得る。ただし、この問題は、内面テーパ部31bと外面テーパ部32bの隙間を無くすことにより、及び/又は、内面テーパ部31bと外筒段差面31eの距離をできる限り短くすることにより、軽減又は解消できる。
 図8(a)、図8(b)は、本発明の更に他の実施形態の射出ノズル30B,30Cを示す。射出ノズル30B,30Cでは、内筒外壁32o又は内筒段差面32eに設けた溝35b,35cにシール部材35の一部を填め込むことで、シール部材35が脱落及び/又は位置ずれしにくくなっている。
 図8(c)は、本発明の更に他の実施形態の射出ノズル30Dを示す。射出ノズル30Dでは、シール部材35は、外筒段差面31eに装着されており、内筒32を外筒31に対して前進/後退させたときに、シール部材35が内筒段差面32eに対して当接/離間することで、排気通路33cが開/閉される。図示の例では、外筒段差面31eは、シール部材35の一部を填め込むための溝35dを有する。
 射出ノズル30B~30Dでは、溝35b~35d内に前向座部又は後向座部が形成される。
 図7,図8の射出ノズル30A~30D、又は、射出ノズル30A~30Dを有するワックス射出成型機においても、射出ノズル30、又は、射出ノズル30を有するワックス射出成型機について上記したと同様の効果が達成される。
 射出ノズル30,30A~30Dは、図9に例示するように、弁座34aの先端に突起34cを有し得る。好ましくは、突起34cは、内筒開口33b及び外筒開口33aよりも僅かに小さい径を持ち、また、好ましくは、弁座34aが内筒開口32aに当接したときに、突起34cの前端が外筒開口31aの前端になるべく近づくような長さを持つ。
 突起34cを有することで、図9(b)に示す状態1のときの外筒開口33a内のワックス量を減らすことができるので、ワックスドレンを更に減少させることができる。ただし、排気通路33c及びワックス通路33dの流路断面積を大きくするためには、内筒32が後方に移動した際に、突起34cの前端が外筒開口31aから充分に離間できることと、及び/又は、弁座34aが後方に移動した際に、突起34cの前端が内筒開口32aから充分に離間できるようにすることが望ましい。よって、突起34cを有する態様の射出ノズル30,30A~30Dは、内筒31及び/又は弁座34aのストロークを充分に長くすることが好ましい。
 本発明は、宝飾品、アクセサリ等の小物や工業製品等の製造のためのロストワックス鋳造において使用されるワックス射出成型機及び当該ワックス射出成型機用ノズルに適用することができる。
発明の単一性
 請求項1,6の発明は、シール部材が、小外径部よりも大径の部位に装着されることにより、大型のシール部材の使用が可能になり、シール性が向上し、及び/又は、シール部材の脱落/位置ずれを抑止できる、との点で技術水準に対して共通のSTFを有する。
1・・・原型
2・・・部品
2a・・・湯道
2b・・・湯口
3・・・ゴム型
4・・・空洞
4a・・・湯口
5・・・クランプユニット
5a・・・クランプ力発生器
5b・・・クランププレート
5c・・・ゴム型受け台
5d・・・押しつけ機構5d
10・・・ワックス型射出成型機
11・・・タンク
11a・・・上部タンク蓋
11b・・・バンドヒータ
12・・・ワックス槽
12a・・・圧縮エア供給源
12W・・・ワックス
13・・・真空槽
13a・・・真空ポンプ
13W・・・ワックスドレン
20,20A・・・射出ノズル
21・・・共通通路
22a・・・ワックス側通路
22b・・・ワックス弁
22c・・・ワックス溜
22d・・・ワックス側ライン
22R・・・残留ワックス
23a・・・排気側通路
23b・・・排気弁
23c・・・真空溜
22d・・・真空側ライン
30,30A~30D・・・射出ノズル
31・・・外筒
31a・・・小内径部
31b・・・内面テーパ部
31c・・・大内径部
31d・・・射出バルブボディ
31i・・・内壁
31o・・・外壁
31e・・・外筒段差面
32・・・内筒
32a・・・小外径部
32b・・・外面テーパ部
32c・・・大外径部
32i・・・内壁
32o・・・外壁
32e・・・内筒段差面
33a・・・外筒開口
33b・・・内筒開口
33c・・・排気通路
33d・・・ワックス通路
34a・・・弁座
34b・・・弁棒
34c・・・突起部
35・・・シール部材
35a,35b,35c・・・シール溝
40・・・単動エアシリンダー
41・・・ピストン
42・・・内筒駆動エアポート
43・・・リターンスプリング
44・・・大気解放ポート
45・・・排気ポート
46・・・ワックス供給ポート
50・・・単動エアシリンダー
51・・・ピストン
52・・・弁座駆動エアポート
53・・・リターンスプリング
54・・・大気解放ポート

Claims (7)

  1.  内壁を有する外筒と、
     内壁及び外壁を有し、前後方向に移動可能な内筒と、
     前記内筒の内壁により規定され、前記内筒の前端の内筒開口と連絡するワックス通路と、
     前記外筒の内壁と前記内筒の外壁の間に規定され、前記外筒の前端の外筒開口と連絡する排気通路と、
     前記ワックス通路を開閉するワックス弁と、
     前記排気通路を開閉する排気弁
    を具備するワックス型射出成型機の射出ノズルであって、
     前記外筒は、前記外筒開口が形成された小内径部と、前記小内径部から後方に向かって内径が大きくなる内面テーパ部を有し、
     前記内筒は、前記内筒開口が形成された小外径部と、前記小外径部から後方に向かって外径が大きくなる外面テーパ部を有し、
     前記排気弁は、前記外面テーパ部又は前記外面テーパ部よりも後方で前記小外径部よりも大径の部位に装着されたシール部材を有することを特徴とする射出ノズル。
  2.  前記内筒が前進/後退したときに、前記シール部材が、前記外筒の内壁に対して当接/離間することにより、前記排気弁が開閉することを特徴とする請求項1に記載の射出ノズル。
  3.  前記外面テーパ部と前記内面テーパ部のテーパ角度が概略同一であることを特徴とする請求項1に記載の射出ノズル。
  4.  前記外面テーパ部に、前記シール部材の一部を収容する溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の射出ノズル。
  5.  前記ワックス弁の前端に、前記外筒開口及び前記内筒開口に挿入可能な突起が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の射出ノズル。
  6.  内壁を有する外筒と、
     内壁及び外壁を有し、前後方向に移動可能な内筒と、
     前記内筒の内壁により規定され、前記内筒の前端の内筒開口と連絡するワックス通路と、
     前記外筒の内壁と前記内筒の外壁の間に規定され、前記外筒の前端の外筒開口と連絡する排気通路と、
     前記ワックス通路を開閉するワックス弁と、
     前記排気通路を開閉する排気弁
    を具備するワックス型射出成型機の射出ノズルであって、
     前記外筒は、前記外筒開口が形成された小内径部と、後方を向いた後向座部を有し、
     前記内筒は、前記内筒開口が形成された小外径部と、前記後向座部に対向する前向座部を有し、
     前記後向座部及び前記前向座部は、前記小外径部の外径よりも大きい径を有し、
     前記排気弁は、前記後向座部又は前記前向座部に装着されたシール部材を有することを特徴とする射出ノズル。
  7.  請求項1又は6に記載の射出ノズルを有する、ワックス型射出成型機。
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